説明

改善されたストレス耐性を有するトランスジェニック作物植物

高められた収量および/または高められた水不足ストレス耐性を有するトランスジェニック植物を作製するために用いるNF-YBタンパク質の新規な組成物およびNF-YBタンパク質を発現する組換えDNAを本明細書に開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、その全体で参照することによって本明細書に取り込まれる2006年6月23日に出願された米国仮特許出願60/816,086号の35 USC §119(e)に規定される優先権の利益を主張する。
【0002】
配列表の取込み
配列表のコンピュータ・リーダブルフォーム(MS-WINDOWSオペレーティングシステムで測定して70KBであって2007年6月22日に作成した「54485B.ST25.txt」という名のファイルを含むCD-ROM上)を出典明示して本明細書の一部とみなす。
【0003】
改善されたストレス耐性を有する種子および植物におけるトランスジェニック植物細胞およびかかる細胞、種子および植物を作製および使用する方法を本明細書に開示する。
【背景技術】
【0004】
作物植物の収量は、かかる植物に対する多くの生物的または非生物的ストレスのいずれかによって減少する。栽培者は種々の戦略を用いてストレスからの悪影響を最小限にとどめている。例えば、雑草からのストレスは除草剤の適用によって減少することができ、昆虫からのストレスは殺虫剤の適用によって減少することができ、水不足からのストレスは潅水によって減少することができ、低温からのストレスは栽培時期を遅らせることによって減少することができ、栄養不足からのストレスは肥料で処理することによって減少することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
植物からの収量は、水利用性、低温または高温への曝露、リンおよび窒素のような栄養の利用性、植物密度などを含む環境因子によって影響される。かかる環境ストレスに対する植物の応答は、内的な遺伝子機構によって影響され得る。植物遺伝子工学の目的は、種々の環境ストレスのいずれかに対する増大した耐性を含む農学的、栽培学的または経済学的に重要な特性を有する新規な植物を作製することである。
【0006】
陸棲植物における、特に水不足をつくる条件の間の、水使用の複雑さを考慮すると、この態様の生理学と特に関連する比較的少ない遺伝子しか同定されていない。水不足耐性を改善するある種のHap3 CAATボックスDNA結合転写因子を発現する組換えDNAの使用がUS2005/0022266A1に開示されている。Hap3転写因子は、植物中でNF-YAおよびNF-YCタンパク質と複合体を形成するNF-YBタンパク質としても知られている。これらのタンパク質は集合的にNFYタンパク質と呼ばれている。トウモロコシNF-YBタンパク質のアミノ酸配列は配列番号:28である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水不足ストレス条件に対して保護を提供するNF-Yタンパク質の発現を提供する組換えポリヌクレオチドを含む新規な植物染色体DNAを提供する。かかる植物染色体DNAはネイティブの植物DNAによって挟まれている。予想もつかない性質に適応するために、植物染色体DNAの形態は、植物を水不足ストレス条件で生育した場合の対照作物植物と比較して改善された収量、ならびに水が十分な条件下で生育した場合の対照植物と比較して匹敵するまたは改善された収量を有する植物を提供することができる。本発明は、本発明の新規な植物染色体DNAを有するトランスジェニック植物細胞、植物、種子および作物も提供する。
【0008】
本発明で使用する植物染色体DNAセグメントの特徴は、ネイティブのNF-Yタンパク質のバックグラウンド発現に近いレベルの低発現、例えば構造発現、すなわち、NF-Yタンパク質が植物葉組織または細胞中の全タンパク質のマイクログラム当たり40ピコグラムにのぼる、例えば、植物葉組織または細胞中の全タンパク質のマイクログラム当たり約30または20ピコグラムにのぼるレベルで葉細胞に生成される、をコードする組換えポリヌクレオチドの存在である。別の形態において、組換えポリヌクレオチドから発現するNF-Yタンパク質は、植物葉組織細胞中の全タンパク質マイクログラム当たり0.1ないし11ピコグラムの範囲内である。
【0009】
本発明の幾つかの形態において、組換えポリヌクレオチドは、少なくとも1のNF-Yタンパク質およびマーカータンパク質の発現を提供する。もう1の形態において、組換えポリヌクレオチドは、単一のNF-Yタンパク質の発現を提供する。
【0010】
幾つかの形態において、組換えポリヌクレオチドによって発現されるNF-Yタンパク質は、ネイティブのNF-YA、NF-YBまたはNF-YCタンパク質である。他の形態において、組換えポリヌクレオチドによって発現されるNF-Yタンパク質は、外因性NF-YA、NF-YBまたはNF-YCタンパク質、例えばアラビドプシス・タリアーナ(Arabidopsis thaliana)からのNF-YBタンパク質である。いまだ他の形態において、組換えポリヌクレオチドによって発現されるNF-Yタンパク質は、例えばトウモロコシ植物染色体DNA中の、ネイティブNF-YA、NF-YBまたはNF-YCの変異型であり、該組換えポリヌクレオチドは、ネイティブなトウモロコシDNA配列からの隣接するアミノ酸を含む変異型NF-YBタンパク質を発現する。
【0011】
本発明の植物染色体DNAセグメントは、NF-Yタンパク質発現用の多数の低レベル構造プロモーターを用いることによって提供される。かかるプロモーターは当業者によって容易に同定および単離され、イネ・アルファチューブリン・プロモーター、イネ・アクチン・プロモーター、PPDK葉肉組織の高められたプロモーター、およびrubiscoアクチバーゼ維管束組織の高められたプロモーターよりなる群から選択されるプロモーターを含むことができる。
【0012】
本発明のかかる植物染色体DNAは、水不足ストレス耐性を示すことが望まれる植物のトランスジェニック植物細胞において有用である。かかる植物染色体DNAは、水不足ストレス耐性植物のトランスジェニック作物を提供する、例えば、該作物の収穫した収量が該植物染色体DNAセグメントを有していない対照植物の作物の収量を超えて高められる場合に有用である。降雨量および/または潅漑水の利用性が予測できないため、本発明の植物は、植物の寿命を超える水が十分にある条件から植物の寿命を超える種々のレベルの水不足ストレス条件の範囲の、広範囲の水が十分にある条件下で生育し得る。水の豊富さにおけるかかる変動を融通するために、本発明のある種の形態は、水不足ストレス条件下で植物を生育した場合の対照作物植物と比較して増加した収穫収量を示すトランスジェニック作物を提供する。かかる作物には、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、サトウキビ、キビ、イネ、コムギ、アルファルファ、またはキャノーラ植物の水不足耐性植物が含まれる。本発明の1の態様において、植物染色体DNAはトランスジェニックトウモロコシ植物中にあり、ネイティブのトウモロコシタンパク質またはその変形であるNF-YBタンパク質を発現する組換えポリヌクレオチドを含む。
【0013】
本発明のもう1の態様は、本発明の植物染色体DNAセグメントを含む植物細胞の半数体誘導体を含むトランスジェニック花粉穀物を提供する。本発明のもう1の態様は、起源の表示として、本発明の該染色体DNAセグメントを有する植物細胞を有する抗−偽造粉砕種子である。
【0014】
本発明のいまだ他の態様は、本発明の植物染色体DNAセグメントを作物植物系統のゲノムに提供することを含む作物植物系統における水不足ストレス耐性および収量を改善する方法を提供する。
【0015】
本発明のもう1の方法は、本発明の植物染色体DNAセグメントからのNF-YBタンパク質の発現から生じる高められた水不足耐性を有するトランスジェニック植物の作物を作製するために使用することができる非−天然のトランスジェニック種子または栄養繁殖体の製造を提供する。かかる方法は、水不足ストレス負荷下で生育した場合の高められた収量および十分な水の条件下で生育した場合の高められたまたは匹敵する収量について、かかる植物染色体DNAセグメントを有する植物および対照植物の集団をスクリーニングし、該集団から水不足ストレス負荷下で対照植物についての収量に匹敵する高められた収量または十分な水の条件下で生育した場合の対照植物の収量と比較して高められたまたは匹敵する収量を示す1またはそれを超える植物を選択し、該植物染色体DNAセグメントが該選択された植物に安定して組み込まれていることを確かめ、選択した植物の葉組織を分析して該葉組織中の全タンパク質1マイクログラム当たり40ピコグラムにのぼるレベルのNF-YBタンパク質でトランスジェニックNF-YBタンパク質が生成されていることを測定し、ついで選択した植物からの種子または再生栄養繁殖体を収集することを含む。
【0016】
もう1の方法は、安定して組み込まれた本発明の染色体DNAセグメントを有する除草剤耐性トウモロコシ植物から雑種トウモロコシ種子を獲得し、該染色体DNAセグメントを含む半数体誘導体を含む花粉穀物を第2のトウモロコシ系統に授粉させて交配種子を生成することによって該獲得したトウモロコシ種子からの染色体DNAセグメントを該第2のトウモロコシ系統に遺伝子移入し、交配種子から植物の集団を生成し(その場合、該授粉から生成した種子の一部分は染色体DNAセグメントについて同型接合であり、一部分はヘミ接合であり、一部分は染色体DNAセグメントを有していない)、除草剤で処理することによって該染色体DNAセグメントについて同型接合およびヘミ接合であるトウモロコシ植物を選択し、除草剤処理して生存しているトウモロコシ植物から種子を収集して該種子を播いてさらなる子孫トウモロコシ植物を生成し、ついで該子孫種子から生育した植物を該第2のトウモロコシ系統に戻し交配して同系繁殖体トウモロコシ系統を生成することを含む、同系繁殖体トウモロコシ種子の作製を提供する。方法は、さらに、同系繁殖体トウモロコシ系統と第3のトウモロコシ系統とを交配して雑種種子を生成することによっても利用することができる。
【0017】
本発明のいまだもう1の態様は、本発明の植物染色体DNAセグメントを含む植物細胞を有する種子を播くことを含む潅水なしにトウモロコシ、ワタ、ダイズ、サトウキビ、スイッチグラス、イネ、コムギ、アルファルファまたはキャノーラ作物を生育する方法を提供し、ここに種子は高められた水不足ストレス耐性について選択された植物から生成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は植物形質転換ベクターpMON82754のプラスミド地図である。
【図2】図2は植物形質転換ベクターpMON63796のプラスミド地図である。
【図3】図3は、異なるプロモーターをNF-Yタンパク質発現用の組換えポリヌクレオチドに用いた場合の水不足ストレス条件下での植物の収量性能を明らかにしている。
【図4】図4は、異なるプロモーターをNF-Yタンパク質発現用の組換えポリヌクレオチドに用いた場合の水が十分な条件下での植物の収量性能を明らかにしている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細に定義しない限り、本明細書で使用するすべての技術および科学用語は、当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。以下に説明するトランスジェニック植物を調製およびスクリーニングする手法はよく知られており、当業者によって通常利用されている。
【0020】
本明細書中で使用する「水不足」とは、植物に利用可能な水が植物によって消費される速度で補充されない期間を意味する。長期の水不足は、口語的に干ばつと呼ばれる。降雨または潅水の欠乏は、植物の生育速度のための地下水の利用可能な貯蔵器が存在する場合は直ちに水ストレスを生じ得ない。十分な地下水を含む土壌で生育した植物は、収量に悪影響を及ぼすことなく、降雨または潅水なしに数日間生存することができる。乾燥土壌で生育した植物は、最小限の期間の水不足によって悪影響を被り易い。ひどい水不足ストレスは萎れおよび植物の死を引き起こしかねず;中度の干ばつは減少した収量、発育が阻害された生育または遅延した発達を引き起こしかねない。植物はある期間の水不足ストレスからは収量に重大な影響を及ぼすことなく回復し得る。しかしながら、授粉時期の水不足ストレスは、収量減少に不可逆的な影響を及ぼし得る。したがって、水不足ストレス耐性を観察するためのトウモロコシの生活環における有用な期間は、ふさを付ける前の生育の後期生長期である。水不足ストレス耐性は、対照植物との比較によって決定する。例えば、本発明の植物は、対照植物よりも高い収量で水不足ストレスを生存することができる。研究室および試験圃場において、干ばつは本発明の植物および対照植物に十分に給水した対照植物に与えたよりも少ない水を与え、特性における相異を測定することによってシミュレートすることができる。
【0021】
好適な対照植物は、本明細書においてトランスジェニック植物を創製するのに使用した親系統の非−トランスジェニック植物とすることができる。対照植物は空ベクターまたはマーカー遺伝子を含む場合もあるが、評価するトランスジェニック植物で発現する本発明の組換えポリヌクレオチドを含まないトランスジェニック植物系統とすることができる。また、対照植物は、構成プロモーターを有する遺伝子を発現するトランスジェニック植物である場合もある。一般的に、対照植物は、試験するトランスジェニック植物と同じ系統または品種の植物であり、トランスジェニック植物を特徴付ける特性を付与する組換えDNAを欠いている。特定の特性を付与する組換えDNAを欠くかかる先祖植物は、天然、野生型植物、精鋭の非−トランスジェニック植物、またはトランスジェニック植物を特徴付けする特定の特性を付与する組換えDNAを含まないトランスジェニック植物とすることができる。特定の特性を付与する組換えDNAを欠く先祖植物は、特定の特性を付与する組換えDNAを有するトランスジェニック植物の同胞種とすることができる。かかる先祖同胞種植物は、他の組換えDNAを含むことができる。
【0022】
本明細書中で用いる作物植物の「収量」とは、作物の生産、例えば、生産領域の単位当たりの殻を剥いたトウモロコシ穀粒またはダイズまたはワタ繊維、例えばエーカー当たりのブッシェルまたはヘクタール当たりのメートルトンでの生産を意味し、場合によっては水分調節した基準で報告され、例えばトウモロコシは典型的に15.5%水分で報告される。さらに、トウモロコシのブッシェルは56ポンド/重量とアイオワ州の法律によって規定されており、トウモロコシ収量への有用な変換係数は:エーカー当たり100ブッシェルがヘクタール当たり6.272メートルトンに等しいというものである。収量に関する他の測定法は、通常の実施におけるものである。
【0023】
トランスジェニック「植物細胞」とは、例えばアグロバクテリウム媒介形質転換によってまたは組換えポリヌクレオチドで被覆した微粒子を用いるボンバードメントによって安定に組み込まれた、非−天然の組換えポリヌクレオチドで形質転換した植物細胞を意味する。本発明の植物細胞は、微生物としてまたは分化した組織に、例えば安定に組み込まれた非−天然の組換えポリヌクレオチドをその染色体DNAに有するトランスジェニック植物に、または子孫トランスジェニック植物に由来する種子または花粉に、再生した子孫植物細胞として存在する本来形質転換した植物細胞である。
【0024】
「トランスジェニック」植物または種子は、例えば形質転換によって、種子もしくは栄養繁殖体からの形質転換植物からの再生によって、または形質転換植物との育種によってゲノムが改変されたものを意味する。したがって、トランスジェニック植物には、トランスジェニック植物と野生型植物または他のトランスジェニック植物との繁殖の子孫が含まれ、形質転換プロセスに由来する起源植物の子孫植物が含まれる。望ましい特性の向上は、該特性を付与する組換えDNAを有するトランスジェニック植物における特性の性質を先祖植物における特性のレベルと比較することによって測定することができる。多くの品種の植物をNF-YBタンパク質を発現する組換えDNAで有利に形質転換して水不足耐性および/または高められた収量を提供することができ、水ストレス耐性を有する特に有用なトランスジェニック植物にはトウモロコシ(メイズ(maize))、ダイズ、ワタ、キャノーラ(セイヨウアブラナ)、コムギ、イネ、アルファルファ、サトウモロコシ、スイッチグラスのような草、蔬菜および果樹が含まれる。
【0025】
「タンパク質を発現する」とは、組換えDNAをmRNAに転写し、ついでmRNAをタンパク質に翻訳する細胞の機能を意味する。発現するためには、組換えDNAにはプロモーター、エンハンサーおよびイントロンのような5'調節エレメントを含む調節エレメントが含まれ;他のエレメントには、ポリアデニル化部位、輸送ペプチドDNA、マーカーおよび当業者によって一般的に使用される他のエレメントが含まれ得る。プロモーターは、転写因子のようなタンパク質によって、およびイントロンおよび該プロモーターに連結したエンハンサー因子によって調整され得る。組換えポリヌクレオチド中のプロモーターは、近くのプロモーターによっても調整され得る。例えば、本発明で使用する低構成プロモーターの活性は組換えポリヌクレオチド中の第2の高度に発現するプロモーターの活性によって望ましくない高いレベルまで顕著に増大させることができる。例えば、US2005/0022266 A1には、NF-YBタンパク質をコードするDNAに作動可能に連結した低レベル発現イネ・アクチン・プロモーターを含む転写ユニットにつづいて、nptIIマーカーをコードするDNAに作動可能に連結したCaMV 35Sプロモーターを含む転写ユニットを含む組換えポリヌクレオチド構築物が開示されている。染色体DNA中にかかる組換えポリヌクレオチドを有する植物は水不足ストレス耐性を示すが、CaMV 35Sプロモーターは近くのイネ・アクチン・プロモーターの低発現をかかる高レベルまで高めて十分な水の条件下において生育した植物の収量を減少を引き起こすことができる。本発明の態様には、低レベルでNF-Yタンパク質を発現するプロモーターを有する組換えポリヌクレオチドを使用して、植物を十分な水の条件下において生育した場合の収量の減少を避けることが含まれる。
【0026】
「組換えポリヌクレオチド」とは、例えば化学合成によって、または遺伝子工学技術による核酸の単離したセグメントの操作によって、2の別の方法で分離したDNAのセグメントの組み合わせによって作製したDNA構築物を意味する。組換えDNAには、外来DNAまたは単純に操作したネイティブDNAが含まれ得る。植物中でタンパク質を発現させるための組換えDNAは、典型的に、ポリアデニル化部位およびシグナルを提供する3'DNAエレメントに連結した、DNAがコードするタンパク質、例えばNF-YBタンパク質に作動可能に連結した植物細胞中で活性であるプロモーターを有する発現カセットとして提供される。有用な組換えDNAには、除草剤耐性および/または昆虫耐性を付与する1またはそれを超えるタンパク質を発現する発現カセットも含まれる。配列表に参照して、種々のプロモーターのDNAを表1に同定し、NF-YBタンパク質の種々の形態をコードするDNAを表2に同定する。ネイティブNF-YBサブユニットをコードするある種の遺伝子は、「Gnnnn」命名法を用いて同定する。例えばアラビドプシス・タリアーナ(Arabidopsis thaliana)G481遺伝子。一連の有用なプロモーターを、種々の説明形態で使用するエンハンサーを含むプロモーターエレメント、リーダーおよびイントロンエレメントについて、配列表中のDNAに参照して表1に開示する。植物細胞において機能するこれらおよび他のプロモーターは当業者に知られており、本発明の別の形態における使用に利用可能であって、トランスジェニック植物細胞におけるNF-Yタンパク質の発現を提供する。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2−1】

【0029】
【表2−2】

【0030】
組換えDNA構築物は、一般的に、典型的にはポリアデニル化シグナルおよび部位を含む3'エレメントを含む。よく知られた3'エレメントには、例えば米国特許第6,090,627号に開示されているnos 3'、tml 3'、tmr 3'、tms 3'、ocs 3'、tr7 3'のようなアグロバクテリウム・ツメファシエンスからのものが含まれる。コムギ(トリチカム・アスティバム(Triticum aestivum)ヒートショックタンパク質17(Hsp17 3')、コムギ・ユビキチン遺伝子、コムギ・フルクトース−1,6−ビホスファターゼ遺伝子、イネ・グルテリン遺伝子、イネ乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子およびイネ・ベータチューブリン遺伝子のような植物遺伝子からの3'エレメントは、米国特許出願公開2002/0192813A1に開示されている。
【0031】
構築物およびベクターは、遺伝子標的を植物オルガネラ、特に葉緑体、白色体または他のプラスチド・オルガネラに標的化する輸送ペプチドも含むことができる。葉緑体輸送ペプチドの使用は、米国特許第5,188,642号および第5,728,925号に開示されている。
【0032】
本発明の植物は、除草剤および/または有害生物抵抗性特性と組み合わせて、一群の特性、例えば本明細書に開示するDNAの発現から生じた高められた農業的特性を有する作物によってさらに高めることができる。例えば、本発明の遺伝子は、除草剤抵抗性、またはバチルス・チューリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)からの遺伝子を用いて鱗翅目、鞘翅目、同翅類および他の昆虫に対する抵抗性を付与するような昆虫抵抗性を提供する特性のような農業的関心のある他の特性と組合せることができる。抵抗性が植物に有用である除草剤には、グリフォセート除草剤、ジカンバ除草剤、ホスフィノトリシン除草剤、オキシニル除草剤、イミダゾリノン除草剤、ジニトロアニリン除草剤、ピリジン除草剤、スルホニル尿素除草剤、ビアラフォス除草剤、スルホンアミド除草剤およびグルフォシネート除草剤が含まれる。当業者であれば、米国特許出願公開2003/0106096A1および2002/0112260A1ならびに米国特許第5,034,322号;第5,776,760号;第6,107,549号および第6,376,754号に参照して一群の特性を、および米国特許第5,250,515号;第5,880,275号;第6,506,599号;第5,986,175号および米国特許出願公開2003/0150017 A1に参照して昆虫/線虫/ウイルス抵抗性を提供することができる。
【0033】
植物細胞形質転換法
組換えDNAを用いて植物細胞を形質転換する多数の方法が当該技術分野で知られており、それらを本発明に使用することができる。植物形質転換用の2の一般的に使用される方法は、アグロバクテリウム−媒介形質転換およびマイクロプロジェクタイル・ボンバードメントである。マイクロプロジェクタイル・ボンバードメント法は、米国特許第5,015,580号(ダイズ);第5,550,318号(トウモロコシ);第5,538,880号(トウモロコシ);第5,914,451号(ダイズ);第6,160,208号(トウモロコシ);第6,399,861号(トウモロコシ)および第6,153,812号(コムギ)に説明されており、アグロバクテリウム−媒介形質転換は米国特許第5,159,135号(ワタ);第5,824,877号(ダイズ);第5,591,616号(トウモロコシ);および第6,384,301号(ダイズ)に記載されており、それらはすべて出典明示して本明細書の一部とみなす。アグロバクテリウム・ツメファシエンスに基づく植物形質転換系については、形質転換構築物上に存在するさらなるエレメントがT-DNA左側および右側ボーダー配列を含んで、組換えポリヌクレオチドの植物ゲノムへの取込みを促進する。
【0034】
一般的に、組換えDNAは標的植物系統のゲノムにランダムに、すなわち非−特異的な場所に導入することが有用である。特別な場合において、部位特異的な組み込みを達成するために組換えDNAインサートを標的化して、例えばゲノム中に存在する遺伝子を置き換える、植物ゲノム中の存在するプロモーターを使用する、または遺伝子発現を達成することが知られている所定の部位に組換えポリヌクレオチドを挿入することが有用な場合がある。植え込みを機能することが知られている幾つかの部位特異的組換え系が存在し、それには、米国特許第4,959,317号に開示されているcre-loxおよび米国特許第5,527,695号に開示されているFLP-FRTが含まれる。
【0035】
本発明の形質転換法は、好ましくは、培地上の組織培養および制御された環境中で実施する。「培地」とは、細胞をイン・ビトロ(in vitro)で、すなわちインタクトな生物体の外側で増殖するために使用する多数の栄養の混合物をいう。受容細胞標的には、限定されるものではないが、分裂組織細胞、カルス、未成熟胚および花粒粉、花粉、精子および卵細胞のような生殖体細胞が含まれる。それから受精能力のある植物を再生することができるいずれの細胞も受容細胞として有用であることが予期される。カルスは、限定されるものではないが、未成熟胚、幼植物の頂端分裂組織、花粒粉などを含む組織源から開始し得る。カルスとして増殖し得る細胞は、遺伝子形質転換用の受容細胞でもある。本発明のトランスジェニック植物を作製する実際の形質転換法および材料、例えば、種々の培地および受容標的細胞、未成熟胚細胞の形質転換およびつづく受精能力のあるトランスジェニック植物の再生は、米国特許第6,194,636号および第6,232,526号に開示されており、これらは出典明示して本明細書の一部とみなす。
【0036】
トランスジェニック植物の種子は受精能力のあるトランスジェニック植物から採取することができ、それを用いて、高められた特性を有する植物を選択するための雑種植物系統を含む本発明の形質転換植物の子孫世代を増殖することができる。組換えDNAを用いた植物の直接的な形質転換に加えて、トランスジェニック植物は、組換えDNAを有する第1の植物とDNAを欠く第2の植物とを交配することによって調製することができる。例えば、組換えDNAを形質転換に従う第1の植物系統に導入してトランスジェニック植物を作製し、それを第2の植物系統と交配して組換えDNAを第2の植物系統に遺伝子移入することができる。高められた特性、例えば高められた収量を提供する組換えDNAを有するトランスジェニック植物は、他の特性、例えば除草剤抵抗性または有害生物抵抗性を付与する他の組換えDNAを有するトランスジェニック植物系統と交配して、両方の特性を付与する組換えDNAを有する子孫植物を生成することができる。典型的には、特性を組合せるかかる繁殖においては、さらなる特性を寄与するトランスジェニック植物が雄性系統であり、基礎の特性を運搬しているトランスジェニック植物が雌性系統である。この交配の子孫は、幾つかの植物が両方の親の特性のDNAを運搬し、幾つかの植物が1の親の特性のDNAを運搬するように分離し;かかる植物は親の組換えDNAと相関するマーカーによって同定することができ;例えば、組換えDNAについての分析によるマーカー同定によって同定することができ、あるいは、選択マーカーが組換体に連鎖している場合には、除草剤耐性マーカーと一緒に使用する除草剤のような選択剤を適用することによってまたは高められた特性についての選択によって同定することができる。両方の親の特性のDNAを運搬している子孫植物は、雌性親系統に複数回数、例えば通常は6から8世代、戻し交配して、他のトランスジェニック親系統の組換えDNA以外は1の元のトランスジェニック親系統と実質的に同じ遺伝子型を有する子孫植物を作製することができる。
【0037】
形質転換の実施においては、典型的にDNAをいずれか1の形質転換実験において小さい比率の標的植物細胞にのみ導入する。マーカー遺伝子を用いて、トランスジェニックDNA構築物をゲノムに受容および組み込むことによって安定に形質転換された細胞を同定するための有効な系を提供する。好ましいマーカー遺伝子は、抗生物質または除草剤のような選択剤に対する抵抗性を付与する選択マーカーを提供する。本発明の植物が抵抗性となり得るいずれの除草剤も選択マーカーに対する有用な剤である。潜在的に形質転換された細胞を選択剤に曝露する。生存細胞の集合においては、一般的に、抵抗性を付与する遺伝子が十分なレベルで組み込まれおよび発現された細胞が細胞生存を許容する。細胞はさらに試験して外因性DNAの安定な組み込みを確認することができる。一般的に使用される選択マーカー遺伝子には、カナマイシンおよびパロモマイシン(nptII)、ハイグロマイシンB(aph IV)およびゲンタマイシン(aac3およびaacC4)のような抗生物質に抵抗性を、またはグルフォシネート(barまたはpat)およびグリフォセート(aroAまたはEPSPS)のような除草剤に抵抗性を付与するものが含まれる。かかる選択可能な例は、米国特許第5,550,318号;第5,633,435号;第5,780,708号および第6,118,047号に説明されている。形質転換体を視覚的に同定する能力を提供する選択マーカーも利用することができ、例えば、ルシフェラーゼまたは緑色蛍光タンパク質(GFP)のような発色または蛍光タンパク質を発現する遺伝子、または種々の発色体基質が知られているベータ−グルクロニダーゼまたはuid A遺伝子(GUS)を発現する遺伝子も利用することができる。
【0038】
選択剤に対する曝露を生存する植物細胞、またはスクリーニング・アッセイで陽性とスコアリングされた植物細胞は、再生培地で培養し、植物に成熟させることができる。形質転換した植物細胞から再生した発育する苗木は、植物生育ミックスに移し、成熟させるための温室または生育チャンバーに移す前に、例えば、約85%の相対湿度、600ppmのCO2および25-250μE m-2s-1の光の環境的に制御されたチャンバー中で強くすることができる。初期の組織に応じて、形質転換体が同定された後約6週ないし10ヶ月で植物が再生する。植物は当業者に知られている慣用的な植物育種法を用いて授粉することができ、生成した種子、例えば自家授粉して生成した種子を一般的にはトランスジェニック・トウモロコシと一緒に使用する。再生した形質転換植物またはその子孫種子もしくは植物は、組換えDNAの発現について試験し、高められた農業的特性の存在について選択することができる。
【0039】
トランスジェニック植物および種子
本発明の植物細胞に由来するトランスジェニック植物は、生育させて、対照植物と比較して高められた特性を有するトランスジェニック植物を創製し、本発明のトランスジェニック種子および半数体花粉を作成する。高められた特性を有するかかる植物は、高められた特性について形質転換植物または子孫種子を選択することによって同定する。効率のため、選択方法は、組換えDNAを含む複数のトランスジェニック植物(事象)、例えば、2ないし20またはそれを超えるトランスジェニック事象の複数の植物を評価するように設計する。本明細書に提供するトランスジェニック種子から生育させたトランスジェニック植物は、増加した収量または高められた水不足耐性またはそれらの両方に寄与する改善された農業的特性を示す。
【0040】
トランスジェニック植物および種子
本発明の植物細胞由来のトランスジェニック植物を生育させて、対照植物と比較して高められた特性を有するトランスジェニック植物を創製し、本発明のトランスジェニック種子および半数体花粉を生成する。高められた特性を有するかかる植物は、高められた特性について形質転換植物または子孫種子を選択することによって同定する。効率性のため、選択方法は、組換えDNAを含む複数のトランスジェニック植物(事象)、例えば、2ないし20またはそれを超えるトランスジェニック事象からの複数の植物、を評価するように設計する。本明細書に提供するトランスジェニック種子から生育したトランスジェニック植物は、増大した収量または高められた水不足耐性またはそれらの両方に寄与する改善された栽培学的特性を示す。
【0041】
組換えDNAの位置および一体性、コピー数、他のDNAの意図しなかった挿入ほかのような、要因に依存して、すべてのトランスジェニック事象が高められたまたは望ましい特性を有する植物および種子を提供するトランスジェニック植物細胞中にあるわけではないであろう。その結果、本発明のトランスジェニック植物細胞は、高められた水不足ストレス耐性および収量について形質転換した子孫植物をスクリーニングすることによって同定する。効率性のため、スクリーニング・プログラムを設計して、好ましくは2またはそれを超えるトランスジェニック事象からの組換えDNAの単一のコピーを有する、複数のトランスジェニック植物を評価する。
【0042】
以下の実施例を含めて本発明の形態を実証する。本発明者らによって見出された技術を表す実施例に開示する技術が本発明の実施においてよく機能することは当業者によって理解されるべきである。しかしながら、本明細書の開示に鑑みて、当業者であれば開示された特定の形態に多くの変化を作製し得ること、本発明の意図および範囲から逸脱することなく類似または同様の結果をいまだ得ることができることは理解されるべきであり、したがって、添付する図面および実施例に記載または示した全ての事項は説明目的であると解釈される、限定する意味に解釈されてはならない。
【0043】
実施例1
本実施例は、本発明の種々の態様に有用な植物細胞を形質転換するために用いる植物発現ベクターの構築を記載する。かかるDNA構築物のプラスミド地図を図1および2に図示し、図1のプラスミドはトウモロコシのような単子葉植物を形質転換するために用い、図2のプラスミドはダイズのような双子葉植物を形質転換するために用いる。各プラスミドは、各々、LBおよびRBと同定されるアグロバクテリウム・ツメファシエンスT-DNAボーダー内にNF-YB発現カセットおよびグリフォセート除草剤抵抗性発現カセットを含む。各プラスミドは、細胞中で複製するための複製起点およびレプレッサーエレメント(oriV、ropおよびoriColE)およびスペクチノマイシン/ストレプトマイシン殺菌剤選択マーカー(SPC/STR)も含む。
【0044】
図1に参照すると、プラスミドpMON82754は左側および右側のアグロバクテリウムT-DNAボーダー(LBおよびRB)の間にNF-YBタンパク質発現カセットおよびグリフォセート抵抗性発現カセットを含む組換えDNA構築物を含む。NF-YB発現カセットはプロモーター・エレメント(配列番号:8)を有し、それはトウモロコシ維管束鞘の高められたプロモーターおよびトウモロコシ・ヒートショックタンパク質70遺伝子からのイントロンを高める転写につづくトウモロコシNF-YBタンパク質(配列番号:44)およびアグロバクテリウム・ツメファシエンス転写物7からの3'エレメントを含む。グリフォセート抵抗性発現カセットは、イネ・アクチン1・プロモーター、アラビドプシス・タリアーナEPSPS遺伝子からの葉緑体輸送ペプチドをコードするDNAおよびアグロバクテリウム・ツメファシエンス(CP4)からのEPSPSをコードするDNAに作動可能に連結したリーダーおよびイントロンおよびアグロバクテリウム・ツメファシエンスのノパリンシンターゼ遺伝子からの3'エレメントを含む。プロモーター・エレメントおよびNF-YBエレメントをコードするDNAが表1に同定する各々のプロモーター・エレメントおよび表2に同定するNF-YBタンパク質エレメントをコードするDNAで置き換えられた他のプラスミドを調製する。したがって、単子葉植物細胞を形質転換するための別々のプラスミドが表1に同定する各プロモーターが表2に同定するNF-YBタンパク質をコードする各DNAに作動可能に連結されたNF-YBタンパク質を発現する組換えDNA構築物を有する。トウモロコシ、スイッチグラス、イネおよびサトウキビからの単子葉植物細胞は、各々の組換えDNA構築物の複数のトランスジェニック事象を生成する各々のプラスミドで形質転換し;ついで、形質転換植物を再生および生育させて各々のトランスジェニック事象についてトランスジェニック種子または栄養繁殖体(サトウキビの場合)を生成する。
【0045】
図2に参照して、プラスミドpMON63796は、G481(配列番号:53)として同定されるネイティブのアラビドプシス・タリアーナNF-YBタンパク質をコードするDNAに作動可能に連結された高められたCaMV 35Sプロモーター(配列番号:1)を含むNF-YBタンパク質を発現するための組換えDNA構築物を含む。該プラスミドを用いて、アラビドプシスNF-YBタンパク質がプロモーターによって偏在して発現するトランスジェニック双子葉細胞を作製する。プロモーター・エレメントが表1に同定する各々のプロモーター・エレメントで置換され、NF-YBエレメントをコードするDNAが表2に同定するNF-YBタンパク質エレメントをコードする各々のDNAで置換された他のプラスミドを調製する。したがって、双子葉植物細胞を形質転換する別のプラスミドは、表1に同定する各プロモーターが表2に同定するNF-YBタンパク質をコードする各DNAに作動可能に連結されたNF-YBタンパク質を発現する組換えDNA構築物を有する。キャノーラ、アルファルファ、ワタおよびダイズ植物細胞は、各組換えDNA構築物の複数のトランスジェニック事象を生成する各々のプラスミドで形質転換し;ついで、トランスジェニック植物を再生および生育させて、トランスジェニック事象の各々についてのトランスジェニック種子を生成する。
【0046】
生存して種子および子孫植物を生成するトランスジェニック植物を受精させるようにする多くのトランスジェニック事象は、水不足ストレス耐性および高められた収量の特性を示さないであろう。子孫トランスジェニック植物のスクリーニングは、本発明のトランスジェニック植物細胞を同定するために必要である。高められた水不足耐性を有するトランスジェニック植物は、種々の水不足アッセイで特性を評価することによって、本明細書に記載するように形質転換した植物の集団から同定する。より詳細には、形質転換後にトランスジェニック植物を繁殖させて種子または栄養繁殖体を生成し、(例えば、以下に記載する方法を用いて)水不足耐性について同型接合子孫植物を同定およびスクリーニングして、本発明の種子を生成する植物を同定する。
【0047】
本発明の植物は、「渇水処理」と呼ぶ以下の水抑制を温室スクリーニングするハイスループット法によって(同系繁殖体または雑種として試験した)対照植物と比較した水不足耐性についてスクリーニングする。例えば、水の使用効率についてのトランスジェニック・トウモロコシ植物の温室スクリーニングは、対照植物と比較した、生長力のある渇水処理の間の植物の生長速度、例えば少なくとも10%の改善、高さおよびバイオマスにおける変化を測定する。渇水後のシュート組織の水和状態も測定する。シュート初期高(SIH)は最適条件下の3週間生育後の植物の高さである。シュート萎れ高(SWH)は、6日渇水の終期の植物高である。経時的実験は、野生型トウモロコシ植物が、渇水処理の約3日に生育を基本的に停止し、萎れ始めたことを示している。したがって、改善された水使用効率を有するトランスジェニック・トウモロコシ植物は、生育しつづけ(おそらく、水を有するよりも低い程度で)、それによって渇水実験の終期に顕著に高い植物として終了する。シュート萎れ質量(SWM)とは、渇水終了時のシュートの湿潤物および乾物の量であり;SDMは乾燥チャンバー中で2〜3週間後の測定値である。シュート膨張質量(STM)は、暗所下、40℃の水に3日間浸した植物組織に輸送される水の量+SWMである。実験は大部分の水が24時間で引き上げられるが、さらなる増大が意味のないものとなってゆく。STM−SWMは、植物における水使用効率の指標であり、そこでは、ストレスからの回復がストレス耐性自体よりもより重視されている。相対水分含量(RWC)は、どのくらい(%)の植物が収穫の水であるかの測定値である。RWC=(SWM-SDM)/(STM-SDM)*100。十分に給水したトウモロコシ植物は約98% RWCである。典型的に、萎れスクリーニングにおいては、植物は約60% RWCである。渇水の終期により高いRWCを有する植物はより健全な植物であり、渇水後回復および生育により適合していると考えられる。相対生育速度(RGR)は、式RGR=(SWH-SIH)/((SWH+SIH)/2)*100を用いて各シュートについて計算する。渇水処理後の同様なスクリーニングは、トランスジェニック・キャノーラ、ワタおよびダイズ植物について行う。
【0048】
配列番号:29−43のDNAからの改善したNF-YBタンパク質を発現するトランスジェニック・トウモロコシ植物の事象は、天然のNF-YBタンパク質を発現する野生型対照植物およびトランスジェニック対照植物と比較した改善された水不足ストレス耐性を示す。
【0049】
配列番号:1−27からのプロモーターに作動可能に連結した配列番号:44および45のDNAからのネイティブNF-YBタンパク質を発現するトランスジェニック・トウモロコシ植物の事象は、野生型対照植物と比較して、改善された水不足ストレス耐性を示す。
【0050】
実施例2
本実施例は、US2005/0022266A1に開示されたトランスジェニック植物についての収量分析結果を記載する。開示した植物は、NF-YBタンパク質をコードするDNA(配列番号:28)に作動可能に連結された低レベル発現イネ・アクチン・プロモーターにつづいてnptIIマーカーをコードするDNAに作動可能に連結したCaMV 35Sプロモーターを含む転写ユニットを含む組換え転写ユニットを含む(pMON73605)。
【0051】
表3Aは、2年連続の試験によって明らかにされた、これらの植物が水不足ストレス下で高められた収量(ブッシェル/エーカー)を示す。
【0052】
【表3】

【0053】
表3Bは十分な水の条件下の収量結果(ブッシェル/エーカー)を示し、十分な水の条件下でpMON73605トランスジェニック植物の収量が顕著に減少したことを実証している。
【0054】
【表4】

【0055】
これらトランスジェニック事象について決定したNFY Bタンパク質レベルを、表3Cに提供する。
【0056】
【表5】

【0057】
この構築物中のCaMV 35Sプロモーターは、近くのイネ・アクチンプロモーターの低発現を高めて、植物葉組織中の全タンパク質1マイクログラム当たり40ピコグラムを超えるNF-YB2タンパク質の生産を生じることができる。トランスジェニック植物中の高レベルのタンパク質は、植物を水が十分な条件下で生育させた場合の収量の減少を生じた。それとは反対に、エンハンサーを含まないイネ・アクチン/NFYB発現構築物(pMON82452およびpMON82453)を以下に記載するが、それは全葉タンパク質1マイクログラム当たり20ピコグラムより少ないNF-YB2を生成し、水不足ストレス条件および十分な水の条件の両方の下で高められた収量を有するトランスジェニック植物を記載する。
【0058】
実施例3
表4に示す染色体に安定して挿入されたDNA構築物を含み、プロモーターの制御下でNF-YBタンパク質を発現する実施例1に記載したように調製したトランスジェニック・トウモロコシ植物を、水不足ストレスおよび十分な条件下の収量について評価した。
【0059】
【表6】

【0060】
これらのトランスジェニック植物を、水不足ストレス条件下での収量、水が十分な条件下での収量および葉組織中で発現するNF-YBタンパク質の量について分析した。
【0061】
実施例1に記載した組換えDNAを含む同型接合同系繁殖体トウモロコシ植物を匹敵するテスター系統と交配して雑種種子を生成した。得られた種子を、トウモロコシを伝統的に生育させている地理的領域、例えばアイオワ、イリノイ、カンザスおよびカリフォルニア州における繰り返し収量試行に進めた。幾つかの試行においては圃場水分含量を潅水によって制御し、他の試行においては自然の降雨に任せた。この実験に進めたトランスジェニック事象を予め選択して、トランスジーンと相関する選択可能なマーカー用の単一のコピーとした。対照およびトランスジェニック事象は、同一の植物密度および繰り返しで植えた。植物有害生物、雑草、耕耘および施肥の圃場管理は、地理的に特有の実施と一致させた。
【0062】
潅水圃場においては、トランスジェニックおよび対照植物をV10トウモロコシ葉ステージまで圃場水保持能力内で潅水した。潅水は、細流潅水または頭上線形潅水(overhead linear irrigation)を介して送達した。水不足ストレス条件を提供するために、トウモロコシ植物がV10葉ステージに達したら、植物が2日連続で顕著なAM葉巻きを示すまで、水を制限した。この水様式の期間は、V10葉からR2再生ステージまで拡げた。作物がR2発達ステージに達したら、残りの生育季節を通して、完全に回復するまで給水を再開した。
【0063】
トウモロコシ作物が生理学的成熟、すなわち10-25%の穀粒水分に達したら、プロットを収集した。得られた穀粒収量は15.5%水分に正規化し、ブッシェル/エーカーとして表した。
【0064】
収量データ分析を、水不足ストレスおよび十分な水の条件について行った。収量を幾つかの方法で分析した。1のアプローチは統計学的なクラスター解析を含み、渇水に関係する同様の環境特徴を有する場所の群を選択した。同様の場所のクラスターを形成するために用いた3の変数は:開花前の30日間および開花後の30日間の平均日最高温度;規定重量に対する標準正規分布を用いた開花への近接によって加重した、同じ60日間の累積蓄積および適用した水−対−蒸発散量の間の平均差;および、ついで、該場所における対照系統の平均収量。変数モデルのもう1の分析を用いて、クラスターについての固定された効果および対応するクラスター内に繰り込まれた場所についてのランダムな効果と共に、収量を分析した。
【0065】
収量データ分析は、対応する対照プロットと比較した単一の構築物からの全ての事象の収量を比較した。事象は事象レベル分析について対応する対照とも比較した。収量分析の結果(ブッシェル/エーカーとして示す収量デルタ)を表5Aないし表5Mに報告する。
【0066】
【表7】

【0067】
【表8】

【0068】
【表9】

【0069】
【表10】

【0070】
【表11】

【0071】
【表12】

【0072】
【表13】

【0073】
【表14】

【0074】
【表15】

【0075】
【表16】

【0076】
【表17】

【0077】
【表18】

【0078】
【表19】

【0079】
水不足耐性を有するNF-YBタンパク質の発現と、水不足および最適水条件下の収量とを相関付けるために、ラビットで生起させたポリクローナル抗体を用いる標準ELISA技術によってNF-YB2タンパク質をトランスジェニック植物中で測定した。NF-YB2タンパク質レベルは、「全タンパク質のマイクログラム当たりのNF-YB2タンパク質のピコグラム」として報告し、ネイティブおよび外因性NF-YB2タンパク質の両方を含む。全タンパク質はBradfordタンパク質アッセイ(Bio-Rad、Hercules、CA)を用いて測定した。測定した各組織中のNF-YB2タンパク質のバックグラウンドレベル(pg NF-YB2/μg全タンパク質)は以下のとおりである:
【0080】
V3葉 3.5
V12葉 6
根 2.5
毛 5
雄穂 3.2
穀粒 9.1
未成熟穂軸 22.6
【0081】
種々の組織および種々の発達ステージのタンパク質レベルの分析の結果を、各構築物について複数の事象の平均として表6Aおよび6Bに報告する。
【0082】
【表20】

【0083】
【表21】

【0084】
個々の事象について、水不足ストレス条件下の収量、水十分な条件下の収量および葉組織中で発現したNF-YBタンパク質の量(ネイティブDNAから生成したNF-YBタンパク質のバックグラウンド・レベルを差し引くよう補正した)についてのデータの分析結果を、(表6Aおよび6Bについて示した総計構築物レベルのデータと比較して)表7に示す。該データは、水−欠乏ストレス条件および十分な水条件の両方の下で発現したNF-YBタンパク質のレベルと高められた収量との間の逆相関を示している。収量(ブッシェル/エーカー)をNF-YBレベルに対してプロットすると、水−欠乏ストレス条件下で高められた収量を示す事象は、低レベルのNF-YBも含んでいた(植物葉組織中の全タンパク質マイクログラム当たり40ピコグラムにのぼるNF-YB2タンパク質)(図3)。同様にして、水十分な条件下で高められた収量(ブッシェル/エーカーで示す収量デルタ)を示す事象も、低レベルのNF-YBを含んでいた(植物葉組織中の全タンパク質マイクログラム当たり40ピコグラムにのぼるNF-YB2タンパク質)(図4)。広範囲の利用可能な水条件下のトウモロコシの高められた収量について特に有用な形態は、0.1ないし11pgのNFB2/μg全タンパク質を提供する。著しい例は、ZM_M87949(8.0pg NFB2/ug全タンパク質;水不足ストレス下での+6.6ブッシェル/エーカー収量増加;水十分下での+5.2ブッシェル/エーカー収量増加)およびZM_M88595(7.5pg NFB2/ug全タンパク質;水不足ストレス下での+6.6ブッシェル/エーカー収量増加;水十分下での+6.3ブッシェル/エーカー収量増加)。
【0085】
【表22−1】

【0086】
【表22−2】

【0087】
【表22−3】

【0088】
【表22−4】

【0089】
【表22−5】

【0090】
【表22−6】

【0091】
実施例4
染色体に安定して挿入されたDNA構築物を含み、表8に示すプロモーターの制御下でNF-YBタンパク質を発現する実施例1に記載したように調製したトランスジェニック・ワタ植物を、水不足ストレスおよび十分な条件下の収量について評価する。
【0092】

【0093】
前記の構築物を含み、アラビドプシスNF-YBタンパク質を発現するトランスジェニック・ワタ植物の事象を水不足ストレスおよび十分な水条件下で生育させ、水不足ストレス条件下で生育させた場合の野生型対照植物と比較して改善された収量(1ブッシェル/エーカー)を付与し、十分な水条件下で生育させた場合の野生型対照植物と比較して匹敵するまたは改善された収量を付与する低い葉タンパク質レベルを有する事象を同定する。
【0094】
実施例5
染色体に安定して挿入されたDNA構築物を含み、表9に示すプロモーターの制御下でNF-YBタンパク質を発現する実施例1に記載したように調製したトランスジェニック・ダイズ植物を、水不足ストレスおよび十分な条件下の収量について評価する。
【0095】
【表23】

【0096】
前記構築物を含み、アラビドプシスまたはダイズG418 NF-YBタンパク質を発現するトランスジェニック・ダイズ植物の事象を水不足および十分な水条件下で生育させ、水不足ストレス条件下で生育させた場合の野生型対照植物と比較して改善された収量(ブッシェル/エーカー)を付与する低葉タンパク質レベルを有する、および十分な水条件下で生育させた場合の野生型対照植物と比較して匹敵または改善された収量を有する事象を同定する。
【0097】
実施例6
染色体に安定して挿入されたDNA構築物を含み、表1に示すプロモーターの制御下でNF-YBタンパク質を発現する実施例1に記載したように調製したトランスジェニック・アルファルファ、キャノーラ、スイッチグラス、サトウキビおよびイネ植物を、水不足ストレスおよび十分な水条件下で収量について評価する。これらのトランスジェニック植物の事象は、水不足ストレスおよび十分な水条件下で生育させ、水不足ストレス条件下で生育させた場合の野生型対照植物と比較して改善された収量を付与する低葉タンパク質レベルを有する事象を同定する。
【0098】
本明細書に開示した全ての材料および方法および本明細書における特許請求の範囲は、前記の開示によって教示される。本発明の材料および方法は好ましい形態および説明例によって記載したが、本発明の概念、意図および範囲から逸脱することなく本明細書に記載した材料および方法に変形を加えることができることは当業者に明らかであろう。当業者に明らかなかかる同様の置換および変形は、添付する特許請求の範囲によって規定される発明の意図、範囲および範囲内に入るとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネイティブの植物DNAによって挟まれた組換えポリヌクレオチドを含む植物染色体DNAセグメントであって、該ポリヌクレオチドが少なくともNF-YBタンパク質およびマーカータンパク質の発現を提供し、該NF-YBタンパク質が植物葉組織細胞中の全タンパク質1マイクログラム当たり40ピコグラムにのぼるレベルで該植物の葉細胞中に生成する該植物染色体セグメントDNAセグメント。
【請求項2】
ネイティブの植物DNAによって挟まれた組換えポリヌクレオチドを含む植物染色体DNAセグメントであって、該ポリヌクレオチドが単一のタンパク質の発現を提供し、該タンパク質がNF-YBタンパク質であって、該NF-YBタンパク質が植物葉組織細胞中の全タンパク質1マイクログラム当たり40ピコグラムにのぼるレベルで該植物の葉細胞中に生成する該植物染色体DNAセグメント。
【請求項3】
配列番号:28からの隣接するアミノ酸を含むNF-YBタンパク質を発現するための組換えDNA構築物を含む植物染色体DNAセグメントであって、該アミノ酸が:
(a)配列番号:28のポジション49ないし122のアミノ酸であって、ポジション番号49、73、76、83、89、102、103、109、115、118または122の1またはそれを超えるアミノ酸が異なる;または
(b)配列番号:28のポジション49ないし122のアミノ酸であって、ポジション番号49、73、76、83、89、102、103、109、115、118または122の1またはそれを超えるアミノ酸が異なり、ポジション55ないし61の1またはそれを超えるアミノ酸が欠失している;
(c)ポジション29ないし134の配列番号:28のアミノ酸であって、ポジション2ないし28の1またはそれを超えるアミノ酸が欠失している;または
(d)ポジション68ないし134の配列番号:28のアミノ酸であって、ポジション2ないし67の1またはそれを超えるアミノ酸が欠失している
を含む該植物染色体DNAセグメント。
【請求項4】
該組換えポリヌクレオチドが、イネ・アルファチューブリン・プロモーター、イネ・アクチン・プロモーター、PPDK葉肉組織の高められたプロモーター(enhanced promoter)、およびrubiscoアクチバーゼ維管束鞘の高められたプロモーターよりなる群から選択されるプロモーターを含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の植物染色体DNAセグメント。
【請求項5】
該NF-YBタンパク質が該植物葉組織細胞中の全タンパク質1マイクログラム当たり0.1ないし11ピコグラムのレベルで該植物の葉細胞中に生成する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の植物染色体DNAセグメント。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の植物染色体DNAセグメントを含むトランスジェニック植物細胞。
【請求項7】
請求項6記載の細胞を含む水欠乏(water deficit)ストレス耐性植物のトランスジェニック作物であって、該作物の収穫した収量が、植物染色体DNAセグメントを有していない対照植物の作物を水が十分な条件下で生育させた場合の該対照植物の作物の収量に匹敵するまたはそれを超えて高められることを特徴とする該トランスジェニック作物。
【請求項8】
該水欠乏ストレス耐性植物が、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、サトウキビ、スイッチグラス、イネ、コムギ、アルファルファまたはキャノーラ植物である請求項7記載のトランスジェニック作物。
【請求項9】
該NF-YBタンパク質がネイティブのトウモロコシのタンパク質である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の植物染色体DNAセグメントを含むトランスジェニック・トウモロコシ植物種子。
【請求項10】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の植物染色体DNAセグメントを作物植物系統のゲノムに提供することを含む、該作物植物系統における水ストレス耐性および収量を改善する方法。
【請求項11】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の植物染色体DNAセグメントを含む植物細胞の半数体誘導体を含むトランスジェニック花粉穀物。
【請求項12】
請求項1ないし3のいずれか1項の植物染色体DNAセグメントからのNF-YBタンパク質の発現から生じる高められた水欠乏ストレス耐性を有するトランスジェニック植物の作物を作製するために用いることができる非−天然のトランスジェニック種子を製造する方法であって:
(a)水欠乏ストレス下で生育させた場合の該高められた収量または十分な水条件下で生育させた場合の対照植物についての収量と比較して高められたもしくは匹敵する収量について、該植物染色体DNAセグメントを有する植物および対照植物の集団をスクリーニングし、
(b)該集団から、水欠乏ストレス負荷下での対照植物についての収量と比較して高められた収量、または水が十分な条件下で生育させた場合の対照植物についての収量と比較して高められたまたは匹敵する収量を示す1またはそれを超える植物を選択し、
(c)該植物染色体DNAセグメントが該選択した植物に安定して組み込まれていることを確かめ、
(d)選択した植物の葉組織を分析して、該葉組織中の全タンパク質1マイクログラム当たり40ピコグラムのNF-YBタンパク質にのぼるレベルのトランスジェニックNF-YBタンパク質の生成を測定し;ついで
(e)選択した植物から種子または再生させる栄養繁殖体を収集する
ことを含む該方法。
【請求項13】
該種子が、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、サトウキビ、スイッチグラス、イネ、コムギ、アルファルファまたはキャノーラの種子である請求項12記載の方法。
【請求項14】
(a)安定に組み込まれた、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の染色体DNAセグメントも有する除草剤耐性トウモロコシ植物から雑種トウモロコシ種子を獲得し;
(b)該染色体DNAセグメントを含む半数体誘導体を含む花粉穀物を第2のトウモロコシ系統に授粉させることによって、該獲得した雑種トウモロコシ種子からの染色体DNAセグメントを第2のトウモロコシ系統に遺伝子移入して交配した種子を生成し、
(c)交配した種子から植物の集団を生成し、ここに該授粉から生成した種子の一部分は該染色体DNAセグメントについてヘミ接合であって、該雑種トウモロコシ種子から生成した植物の一部分は該染色体DNAセグメントを有しておらず;
(d)除草剤で処理することによって該染色体DNAセグメントについて同型接合およびヘミ接合であるトウモロコシ植物を選択し;
(e)除草剤処理して生存しているトウモロコシ植物から種子を収集し、該種子を播いてさらなる子孫トウモロコシ植物を生成し;
(f)該子孫種子から生育した植物を該第2のトウモロコシ系統と戻し交配して同系繁殖トウモロコシ系統を作成する
ことを含む同系繁殖体トウモロコシ種子を生成する方法。
【請求項15】
さらに、該同系繁殖体トウモロコシ系統を第3のトウモロコシ系統と交配させて雑種種子を生成することを含む請求項14記載の方法。
【請求項16】
起源の指標として、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の該染色体DNAセグメントを有する植物細胞を有する抗−偽装粉砕種子。
【請求項17】
高められた水欠乏耐性について選択した請求項1ないし3のいずれか1項に記載の植物染色体DNAセグメントを含む植物細胞を有する種子を播くことを含む、潅漑なしにトウモロコシ、ワタ、ダイズ、サトウキビ、スイッチグラス、イネ、コムギ、アルファルファまたはキャノーラ作物を生育させる方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2009−540830(P2009−540830A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516585(P2009−516585)
【出願日】平成19年6月23日(2007.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/014580
【国際公開番号】WO2008/002480
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(501231613)モンサント テクノロジー エルエルシー (71)
【Fターム(参考)】