説明

改善された凍結防止剤組成物

本願は、概略、液体融氷剤および、腐食性が低減された添加物を含む凍結防止剤組成物に関する。本開示の局面は、特に、液体凍結防止剤、除氷剤または予備湿潤剤としての当該組成物の使用に向けられる。凍結防止剤組成物は、塩化ナトリウムのような固体凍結防止塩をさらに含み、ここに、液体融氷剤および添加物は、固体凍結防止塩に添加できる予備湿潤剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
この出願は、2009年10月5日に出願された、凍結防止剤組成物と題する米国仮出願第61/248,687号の利益を主張し、それは、出典明示して本明細書に含まれるとみなされる。
【0002】
本願は、概略、液体融氷剤および、腐食性が低減された添加物を含む凍結防止剤組成物に関する。本開示の局面は、特に、液体凍結防止剤、除氷剤または予備湿潤剤としての当該組成物の使用に向けられる。
【背景技術】
【0003】
この出願は、凍結防止剤組成物に関する。より詳しくは、この出願は、液体凍結防止剤、凍結防止塩と混合したとき、予備湿潤凍結防止剤を形成する予備湿潤剤、または除氷剤として使用できる、腐食性が低減された凍結防止剤組成物に関する。
【0004】
凍結防止剤組成物は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、尿素、酢酸カリウム、酢酸カルシウムマグネシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、またはそれらの組合せのような、塩化物、酢酸塩またはギ酸塩の水性液のような液体融氷剤を含み、そのような組成物は、普通、冬季道路メンテナンスに使用される。凍結防止剤組成物は、吹雪の前、直接表面に適用する場合、除氷剤として日常的に使用する。それらは、表面と積もった残雪との間の雪の境界層を溶かす働きをし、それによって、雪が表面と結合するのを防止し、除雪による除去を容易にする。凍結防止剤組成物は、表面に積もった氷雪を溶かすために、凍結防止剤としても使用できる。
【0005】
凍結防止剤組成物(または、凍結防止剤)は、塩化ナトリウムのような固体凍結防止塩をさらに含み、ここに、液体融氷剤および添加物は、固体凍結防止塩に添加できる予備湿潤剤である。予備湿潤剤で処理された固体凍結防止塩は、産業上、しばしば、「処理塩」または「予備湿潤凍結防止剤」と言われる。凍結防止剤組成物に対する添加物は、腐食防止剤として働くか、または、他の利点を提供する化合物を含む。固体凍結防止剤塩を液体融氷剤および、腐食防止剤のような添加物で予備的に湿潤させることは、装置に対する腐食を低減すること、固体凍結防止塩が道路表面に付着することを助けて、それによって、道路からの飛散による塩の損失を低減すること、ならびに、処理塩の流動性および凍結抵抗性を向上することを含む多数の特性上の利点を提供する。液体融氷剤および添加物は、道路上にそれを適用する際に、固体凍結防止塩に噴霧することができるが、これだと特別な装置が必要となる。かくして、液体融氷剤および添加物を固体凍結防止塩と予めブレンドすることがしばしば望ましく、そうすれば、予備湿潤凍結防止剤を、固体凍結防止塩を道路に適用するのに使用する同一の標準的な装置およびトラックを用いて、適用できる。液体融氷剤および添加物を固体 凍結防止塩に混合して、処理塩を形成するもう一つの方法は、Cargill, Incorporatedに対する、「凍結防止剤混合装置および方法」と題される米国特許第7,100,760号に開示される。
【0006】
凍結防止性能は、典型的には、様々な温度での組成物の「氷を解かす能力」で特徴付けられる。これは、固体および液体凍結防止剤組成物それぞれについての産業上標準化方法SHRP H205.1およびH205.2によって定量される。その試験は、所定量の凍結防止剤を制御されたチャンバー内の氷のトレーに適用し、その後、溶けた氷の量を様々な時間間隔で測定することを要件とする。
【0007】
これらの凍結防止剤組成物についてのさらなる研究は、これらの添加物が、驚くべきことに、液体融氷剤との組み合わせで、予期せぬ腐食防止の利益を与える凍結防止剤組合せであることを明らかにした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,100,760号
【発明の概要】
【0009】
本開示は、液体融氷剤および、腐食を防止する添加物を含む凍結防止剤組成物に関する。凍結防止剤組成物は、塩化物、酢酸塩またはギ酸塩凍結防止塩の水性液のような液体融氷剤および、ヒドロキシメチルセルロースのような添加物を含む。凍結防止剤組成物は、さらに、固体融氷剤を含む。他の性能増強剤は、凍結防止剤組成物に添加することができ、他の腐食防止剤、光吸収剤、または浸出禁止剤などである。
【0010】
ひとつの具体例は、液体融氷剤および添加物を含む凍結防止剤組成物に向けられる。液体融氷剤は、凍結防止塩の水性液を含む。液体融氷剤の凍結防止塩は、塩化物、酢酸塩またはギ酸塩である。凍結防止塩は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、尿素、酢酸カリウム、酢酸カルシウムマグネシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、またはこれらの塩の組合せを含む。液体融氷剤は、液状にがりからもなり得、それは、海塩製造に由来する生成物であり、塩化ナトリウムを海水から取り除いた残りの液体である。
【0011】
凍結防止剤組成物の添加物は、限定されないが、セルロールガム、ポリビニルピロリドン、アクリル酸ポリマー、架橋アクリル酸系ポリマー、ポリエチレンポリオール、カルボキシメチルセルロールナトリウム、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグァー、ヒドロキシプロピルグァー、ポリアニオンセルロース、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンおよびリン酸架橋デンプンのようなα化架橋デンプン、スクレログルカン、ペクチンまたはそれらの組合せを含む、様々な化合物から選択できる。ひとつの具体例において、添加物はヒドロキシメチルセルロースである。
【0012】
凍結防止剤組成物は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、尿素、酢酸カリウム、酢酸カルシウムマグネシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、またはそれらの組合せのような固体融氷剤をさらに含み得る。この具体例において、液体融氷剤および添加物は予備湿潤剤を形成し、それを固体融氷剤と混合すると、予備湿潤凍結防止剤が形成される。最も普通の固体融氷剤は塩化ナトリウムであり、それはしばしば岩塩として採掘される。他の性能増強剤を、他の腐食防止剤、光吸収剤、または浸出禁止剤のような凍結防止剤組成物できる。
【0013】
もう一つの具体例において、凍結防止剤組成物は、液体融氷剤およびヒドロキシメチルセルロースを含む。液体融氷剤は、凍結防止塩の水性液を含む。液体融氷剤の凍結防止塩は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、尿素、酢酸カリウム、酢酸カルシウムマグネシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、またはそれらの組合せのような塩化物、酢酸塩またはギ酸塩であり得る。最も普通の固体融氷剤は、岩塩のような塩化ナトリウムである。液体融氷剤は、また、液状にがりからなり得る。凍結防止剤組成物は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、尿素、酢酸カリウム、酢酸カルシウムマグネシウム、酸ナトリウム、ギ酸カリウム、またはそれらの組合せのような固体融氷剤をさらに含み得る。この具体例において、液体融氷剤およびヒドロキシメチルセルロースは予備湿潤剤を形成し、それを固体融氷剤と混合すると予備湿潤凍結防止剤が形成される。他の性能増強剤を凍結防止剤組成物に添加でき、それらは他の腐食防止剤、光吸収剤、または浸出禁止剤などである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
選択された定義
ここで用いるとき、以下の用語は以下の意味を有することとする:
【0015】
用語「凍結防止剤組成物」は、ここで用いるとき、化合物氷雪を溶かし、または、氷雪が表面に結合するのを防止するための用いる化合物の組合せである。
【0016】
用語「液体融氷剤」は、ここで用いるとき、凍結防止塩の水性液である。液体融氷剤は、水および凍結防止塩の混合物であり得る。液状にがりでも有り得、それは、塩化マグネシウム、海水、および他の化合物の天然に産出する今後物である。液体融氷剤は、凍結防止剤、除氷剤として使用でき、または、それは予備湿潤剤として固体融氷剤と混合できる。
【0017】
用語「添加物」は、ここで用いるとき、液体融氷剤に添加またはそれと混合して凍結防止剤組成物を形成する化合物である。適当な添加物は、セルロールガム、ポリビニルピロリドン、アクリル酸ポリマー、架橋アクリル酸系ポリマー、ポリエチレンポリオール、カルボキシメチルセルロールナトリウム、ヒドロキシメチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグァー、ヒドロキシプロピルグァー、ポリアニオンセルロース、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンおよびリン酸架橋デンプン、スクレログルカン、ペクチンならびにそれらの組合せのようなα化架橋デンプンを含む。
【0018】
用語「凍結防止塩」は、ここで用いるとき、塩化物、酢酸塩もしくはギ酸塩のような塩または尿素であって、それは、水と混合して液体融氷剤と称される水性液を形成する。液体融氷剤の凍結防止塩は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、尿素、酢酸カリウム、酢酸カルシウムマグネシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、またはこれらの塩の組合せのような塩であり得る。
【0019】
用語「固体融氷剤」は、ここで用いるとき、塩化物、酢酸塩またはギ酸塩のような、好ましくは固体形態の塩である。固体融氷剤は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、尿素、酢酸カルシウムマグネシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、またはこれらの塩の組合せであり得る。最も普通に用いられる固体融氷剤は塩化ナトリウムであり、それは岩塩として採掘されるが、海水、地下塩水源、または塩水湖のような塩水から収集された塩も含み得る。
【0020】
用語「性能増強剤」は、ここで用いるとき、凍結防止組成物に添加して、さらなる利点を組成物に付与し得るいかなる化合物である。性能増強剤の例は、限定されないが、腐食防止剤、光吸収剤、または増粘剤を含み得る。腐食防止剤は、限定されないが、トリエタノールアミン、グルコン酸塩ならびに、オルトリン酸塩、ポリリン酸塩、ピロリン酸塩、リン酸ジアンモニウム、リン酸一ナトリウムおよび有機リン酸塩のようなリン酸塩を含み得る。光吸収剤は、Milliken Chemical, サウスカロライナ州、スパータンバーグから入手可能なNaphthol Green B 染料またはLiquitint(R) Green HMCのような染料を含み得る。増粘剤は、米国特許第6,156,227号に開示されたもののような化合物を含み得る。
【0021】
用語「液状にがり」は、ここで用いるとき、海塩製造に由来する製品であり、海水からの塩化ナトリウムの部分的除去後に残った液体である。液状にがりは、通常、水と共に高濃度の塩化マグネシウムおよび低濃度の他の塩を含有する。
【0022】
用語「予備湿潤剤」は、ここで用いるとき、固体融氷剤に添加し得る液体融氷剤および添加物のような、化合物または化合物の混合物の水性液である。
【0023】
用語「予備湿潤凍結防止剤」は、ここで用いるとき、表面に適用する前に予備湿潤剤で処理された固体融氷剤である。予備湿潤凍結防止剤は、ときどき、産業上、処理塩と称される。
【0024】
用語「腐食防止剤」は、ここで用いるとき、金属、舗装道路、および他の表面に対する腐食を低減するために凍結防止剤組成物の一部に添加される化合物である。腐食防止剤は、最も頻繁に、塩化物塩と組み合わせて用いられる。
【0025】
凍結防止剤組成物
本発明の凍結防止剤組成物は、液体融氷剤および添加物の混合物を含む。ひとつの具体例において、添加物はヒドロキシメチルセルロースである。もう一つの具体例において、凍結防止剤組成物は、さらに固体融氷剤を含む。代わりの具体例において、凍結防止剤組成物は腐食防止剤、光吸収剤、または増粘剤のような性能増強剤を含み得る。ひとつの具体例において、液体融氷剤の凍結防止塩の濃度は、溶液中10から60重量%の間の濃度であり、添加物の濃度は0.1から5.0重量%の間の濃度である。ひとつの具体例において、凍結防止剤組成物は直接表面に適用する凍結防止剤または除氷剤として用いる。
【0026】
液体融氷剤
凍結防止組成物の液体融氷剤は、氷水と組み合わさったとき、水よりも低い融点を有する液体を形成する凍結防止塩のような少なくともひとつの成分を有する物質である。例えば、塩化ナトリウムは、凍結点が0℃より低い水での溶液を形成し得る。他の凍結防止塩を用いても、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、尿素、酢酸カリウム、酢酸カルシウムマグネシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、および他の酢酸塩、ギ酸塩、またはそれらの組合せのような液体融氷剤を形成できる。
【0027】
液状にがりは、液体融氷剤としも使用できる。液状にがりは海塩製造に由来する製品であり、海水からの塩化ナトリウムの部分的除去後に残った液体である。液状にがりは、通常、水と共に高濃度の塩化マグネシウムおよび低濃度の他の塩を含有する。ひとつの具体例において、液状にがりは、典型的に、約20から約35重量パーセントの間の塩化マグネシウムを含有する。約20重量%のような別の濃度の塩化マグネシウムを含有する液状にがりも使用できる。
【0028】
添加物
液体融氷剤と混合して凍結防止剤組成物を形成する適当な添加物は、セルロールガム、ポリビニルピロリドン、アクリル酸ポリマー、架橋アクリル酸系ポリマー、ポリエチレンポリオール、カルボキシメチルセルロールナトリウム、ヒドロキシメチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグァー、ヒドロキシプロピルグァー、ポリアニオンセルロース、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンおよびリン酸架橋デンプンのようなα化架橋デンプン、スクレログルカン、ペクチンならびにそれらの組合せを含む。ひとつの具体例において、添加物はヒドロキシメチルセルロースである。添加物は、0.3から0.5重量%の間の量にて腐食を阻害できる。もう一つの具体例において、添加物の濃度は0.2から0.8重量%の間であり、または、もう一つの具体例において、0.1から5.0重量%の間である。添加物は、直接乾燥添加物として液体融氷剤に添加できる。
【0029】
もう一つの具体例において、凍結防止剤組成物は、液体融氷剤およびヒドロキシメチルセルロースを含む。ひとつの具体例において、凍結防止剤組成物は、0.3から0.5重量%の間のヒドロキシメチルセルロースが分散した10から60重量%の間の凍結防止塩の水性液を含有する。もう一つの具体例において、凍結防止剤組成物は、0.3から0.5重量%の間のヒドロキシメチルセルロースが分散した25から33重量%の間の塩化マグネシウムの水性液を含有する。0.2から0.8重量%の間、または0.1から5.0重量%の間のような、別の濃度のヒドロキシエチルセルロースも使用できる。凍結防止剤組成物は、任意で、さらなる腐食防止剤および、染料のような光吸収剤を含む。
【0030】
固体融氷剤
固体融氷剤は塩化物、酢酸塩またはギ酸塩を含み、それは、水と混合して、液体融氷剤と称される水性液を形成できる。固体融氷剤は塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、尿素、酢酸カリウム、酢酸カルシウムマグネシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、またはこれらの塩の組合せを含み得る。ひとつの具体例において、固体融氷剤は、水と混合して液体融氷剤を形成する塩化ナトリウムである。もう一つの具体例において、融氷剤は塩化マグネシウムである。
【0031】
性能増強剤
本開示で議論される組成物は、任意で、さらなる腐食防止剤を含む。ひとつの具体例において、トリエタノールアミンを腐食防止剤として使用できる。0.2から2.0重量%の間のトリエタノールアミンが腐食防止剤として使用するのに適当である。他の適当な腐食防止剤を使用でき、グルコン酸塩ならびに、オルトリン酸塩、ポリリン酸塩、ピロリン酸塩、および有機リン酸塩のようなリン酸塩を含む。リン酸ジアンモニウムおよびリン酸一ナトリウムは、個別にまたは一緒に使用して腐食防止を付与する2つのリン酸塩である。グルコン酸ナトリウムは、凍結防止剤組成物において、個別にまたはリン酸塩と一緒に使用して、腐食防止を付与できるグルコン酸塩である。他の腐食防止剤の例は、本願と共有され、出典明示して本願明細書に含まれるとみなされる米国特許第6,156,227号に開示されたものである。
【0032】
適当な光吸収剤が使用でき、入射光を吸収し、それを熱に転換できるいかなる剤も含む。光吸収剤は、スペクトルの赤外、可視および/または紫外部分での高いモル吸収率を持つ化学物質を含み、内部転換について高い量子収率を示し、それによって吸収した太陽光を効率的に熱に転換する。このタイプの化合物はある種の染料を含む。
【0033】
ひとつの具体例において、Naphthol Green B 染料は、本開示により、光吸収剤として使用できる。0.05から0.5重量%の間のNaphthol green B 染料が適当な光吸収剤として使用するのに適当である。
【0034】
凍結防止剤組成物のための他の組合せの成分は、液体融氷剤および添加物と組み合わせて使用して、浸出を阻害できる。浸出禁止剤の例は、本願と共有され、出典明示して本願明細書に含まれるとみなされる米国特許出願第2007000820216号に開示されたものである。
【実施例】
【0035】
本発明の局面によるある方法の局面を以下の実施例で例示する。さらに、この開示の効果を図るように試験が開発された。
【0036】
実施例1
腐食試験は以下の手順によって行った:用いた試験片はASTM F 436、Type 1の平坦鉄製ワッシャーであり、概寸が外径1.38インチ、内径0.56インチで、0.11インチ厚、1立方センチあたりおよそ7.85グラムの密度で、ロックウェル硬度がC38〜45である。切片をヘキサンで拭いてグリースおよびオイルを除き、次に、アセトンでリンスする。切片をアセトンから取り出し、風乾し、次に、だいたい0.1mgに図り取った。
【0037】
各液体凍結防止剤のおよそ360グラムを500ミリリットル三角フラスコに入れる。各フラスコに、ラインが中を通るように穴をあけたゴム栓をする。3つの切片をプラスチック製ホルダーにのせ、それを栓の穴を通してフラスコ内部に吊り下げる。時限装置がその試験片を上下させて、試験液に10分間完全に浸漬し、つぎに、持ち上げてフラスコ内部で試験液の上方に50分間吊り下げて、このサイクルを試験に応じて68〜72時間繰り返す。試験は室温にて行い、暴露期間の最後に、切片を試験液から取り出し、水を流しながらナイロンブラシでこすって粗い腐食物質除去する。ついで、温かい水道水中のおよそ3.8%の塩酸および0.1%のRodine 213の洗浄溶液におよそ20分間それらを浸漬し、そして、切片を取り出し、再び、水を流しながらナイロンブラシでこすり、アセトン浴に浸漬し、風乾した。そして、切片をほぼ0.1mgに再度図り取る。試験液にさらされていない新たな切片にも同じ洗浄手順をとって、洗浄プロセスによる減量を決定する。洗浄による減量を試験片の総減量から差し引いて、実際の腐食減量を決定する。腐食速度をミル/年で実測切片減量から次式を用いて計算する:
【0038】
【数1】

【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
【表3】

【0042】
表1のデータは、1.0%ヒドロキシメチルセルロースの添加が塩化ナトリウム塩水単独の使用と比較して、塩化ナトリウム液体融氷剤の腐食性を78%減少させたことを示す。
【0043】
上で引用されたすべての特許および刊行物は出典明示して本明細書に含まれるとみなされる。上記の特定の具体例は例示のみであり、本開示は、異なるが、ここでの教示の利益を有する当業者に明らかな等価なやり方で、修正および実施できる。さらに、ここに示される構成および設計の詳細には、以下の特許請求の範囲に記載する以外、一切限定する意図はない。それゆえ、上記の特定の具体例は変更および修正でき、そのようなすべての変形は本開示の範疇および概念のうちと考えられる。したがって、ここで求める保護は以下の特許請求の範囲に記載される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.液体融氷剤;および
b.セルロールガム、ポリビニルピロリドン、アクリル酸ポリマー、架橋アクリル酸系ポリマー、ポリエチレンポリオール、カルボキシメチルセルロールナトリウム、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグァー、ヒドロキシプロピルグァー、ポリアニオンセルロース、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンおよびリン酸架橋デンプンのようなα化架橋デンプン、スクレログルカン、ペクチンおよびそれらの組合せよりなる群から選択される添加物
を含む、凍結防止剤組成物。
【請求項2】
液体融氷剤が凍結防止塩の水性液を含む、請求項1の組成物。
【請求項3】
凍結防止塩が、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、尿素、酢酸カリウム、酢酸カルシウムマグネシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、またはそれらの組合せのような塩化物、酢酸塩、またはギ酸塩を含む、請求項2の組成物。
【請求項4】
液体融氷剤が液状にがりである、請求項2の組成物。
【請求項5】
液体融氷剤が、溶液中、10から60重量%の間の濃度にて存在する、請求項1の組成物。
【請求項6】
添加物が、0.1から5.0重量%の間の濃度にて存在する、請求項1の組成物。
【請求項7】
添加物が、0.2から0.8重量%の間の濃度にて存在する、請求項の1組成物。
【請求項8】
添加物が、0.3から0.5重量%の間の濃度にて存在する、請求項1の組成物。
【請求項9】
固体融氷剤をさらに含む、請求項1の組成物。
【請求項10】
固体融氷剤が、ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、尿素、酢酸カリウム、酢酸カルシウムマグネシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、またはそれらの組合せのような酢酸塩またはギ酸塩を含む、請求項9の組成物。
【請求項11】
添加物が、セルロールガム、ポリビニルピロリドン、アクリル酸ポリマー、架橋アクリル酸系ポリマー、ポリエチレンポリオール、カルボキシメチルセルロールナトリウム、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルヒドロキシプロピルグァー、ヒドロキシプロピルグァー、ポリアニオンセルロース、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプンおよびリン酸架橋デンプンのようなα化架橋デンプン、スクレログルカン、ペクチンまたはそれらの組合せを含む、請求項10の組成物。
【請求項12】
添加物が、0.001から1.0重量%の間の濃度にて存在する、請求項11の組成物。
【請求項13】
添加物が、0.01から0.5重量%の間の濃度にて存在する、請求項11の組成物。
【請求項14】
性能増強剤をさらに含む、請求項9の組成物。
【請求項15】
性能増強剤が腐食防止剤、光吸収剤、浸出禁止剤、またはそれらの組合せである、請求項14の組成物。
【請求項16】
a.液体融氷剤;および
b.ヒドロキシメチルセルロース
を含む、凍結防止剤組成物。
【請求項17】
液体融氷剤が、凍結防止塩の水性液を含む、請求項16の組成物。
【請求項18】
凍結防止塩が、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、尿素、酢酸カリウム、酢酸カルシウムマグネシウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、またはそれらの組合せのような塩化物、酢酸塩、またはギ酸塩である、請求項17の組成物。
【請求項19】
液体融氷剤が液状にがりである、請求項17の組成物。
【請求項20】
凍結防止塩が、10から60重量%の間の濃度にて存在する、請求項17の組成物。
【請求項21】
ヒドロキシメチルセルロースが、0.1%から5.0重量%の間の濃度にて存在する、請求項16の組成物。
【請求項22】
ヒドロキシメチルセルロースが、0.2%から0.8重量%の間の濃度にて存在する、請求項16の組成物。
【請求項23】
ヒドロキシメチルセルロースが、0.3から0.5重量%の間の濃度にて存在する、請求項16の組成物。

【公表番号】特表2013−506753(P2013−506753A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533247(P2012−533247)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/051486
【国際公開番号】WO2011/044135
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(500159680)カーギル・インコーポレイテッド (30)
【Fターム(参考)】