改善された捩りドライブヘッドを備えた縫合糸アンカー
【課題】改善された捩りドライブヘッドを備えた縫合糸アンカーを提供すること。
【解決手段】本発明は、縫合糸アンカーを提供するものである。この縫合糸アンカーは、長さ方向軸を画定し、かつ少なくとも1つの係合部材が形成された細長いシャンクであって、この係合部材が縫合糸アンカーを骨内に適用して植え込まれた縫合糸アンカーを骨内に固定する、細長いシャンクと、近位端部、遠位端部、および半径方向断面形状を有するドライブヘッドとを含む。このドライブヘッドは、細長いシャンクに結合されており、ドライブヘッドの一部に形成された少なくとも1つの縫合糸取付け要素、およびドライブヘッドと一体の少なくとも1つの回転防止部材を含む。本発明はまた、この縫合糸アンカーを利用した縫合糸アンカーキット、および、軟組織を骨に取り付ける方法を提供する。
【解決手段】本発明は、縫合糸アンカーを提供するものである。この縫合糸アンカーは、長さ方向軸を画定し、かつ少なくとも1つの係合部材が形成された細長いシャンクであって、この係合部材が縫合糸アンカーを骨内に適用して植え込まれた縫合糸アンカーを骨内に固定する、細長いシャンクと、近位端部、遠位端部、および半径方向断面形状を有するドライブヘッドとを含む。このドライブヘッドは、細長いシャンクに結合されており、ドライブヘッドの一部に形成された少なくとも1つの縫合糸取付け要素、およびドライブヘッドと一体の少なくとも1つの回転防止部材を含む。本発明はまた、この縫合糸アンカーを利用した縫合糸アンカーキット、および、軟組織を骨に取り付ける方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、改善された物理特性を有する縫合糸アンカーに関し、詳細には、体組織内への適用を確実にするために捩り力を必要とする生体適合性縫合糸アンカーに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
縫合糸アンカーは、縫合糸を用いて分離した軟組織を骨に固定するために、1本の縫合糸を骨に取り付ける際に用いられる場合が多い。縫合糸は、通常は、アンカー本体、縫合糸取付け要素、および縫合糸アンカーの骨内への配置および保持を容易にするための骨係合部材を含む。アンカーは、骨に予め形成された孔の中に挿入することができ、かつ/または縫合糸アンカーは、セルフタッピング式であってもよく、アンカーを骨内に固定するためのねじ山を備えていてもよい。縫合糸アンカーは、スクリュー型アンカーと同様に、縫合糸アンカーを骨内に挿入するために、縫合糸アンカーの一端に挿入工具で捩り力を加える必要がある場合が多い。挿入工具は、通常は、細長いシャンクから形成されており、このシャンクは、シャンクの遠位端部に形成された結合要素を有しており、この係合要素は、固定装置のドライブヘッド上またはその内部に形成された対応する結合要素に結合する。ある一般的な種類のドライバ工具は、六角形または四角形のソケットを含み、このソケットが、縫合糸アンカーの一致する六角形または四角形のヘッドを収容する。
【0003】
従来の縫合糸アンカーおよびドライバ工具は、十分であるが、いくつかの不都合がある。例えば六角形または四角形の断面を有するアンカーヘッドは、比較的低い剥離強さ(stripping strength)を有する傾向にあり、比較的低いトルク荷重でドライブヘッドが永久的に損傷し、トルクが伝達できなくなる。加えて、縫合糸をアンカーヘッドに取り付けるために用いるアイレットなどの縫合糸取付け要素が組み込まれていることにより、ドライブ接触部がある程度損なわれるか、または弱くなったアンカーヘッドの構造的一体性によって、この低い剥離強さがさらに低下しうる。取付け要素のヘッドの形状により、ドライバと接触するアンカーのドライブヘッドの材料の量が減少すると、降伏に必要となる、またはドライブヘッドから「剥離される」材料の量が減少し、これにより、ヘッドの剥離強さが低下する。
【0004】
また、従来の縫合糸アンカーヘッドは、挿入の際にドライブヘッドの剪断を引き起こしうる比較的低い破壊トルクを有する傾向にある。このタイプの破壊は、ヘッドの形状にも依存する。縫合糸アンカーでは、この破壊は、ヘッド内の縫合糸取付け要素の位置によって悪化することもある。特に、縫合糸を収容するべくアンカーヘッドから突き出るようにループがアンカーに成形される、または埋め込まれると、ドライブヘッド全体が比較的弱くなって、挿入の際に剪断する可能性がある。
【0005】
縫合糸アンカーは、これまでは、挿入の過酷さに耐えるのに十分な高い引張り強さおよび捩り強さを有するが、インプラントを長期に亘って体内に維持できる植え込み可能な金属または合金から形成されてきた。ポリマー、セラミック、または生分解性および非生分解性の両方の複合材料系は、同様の用途のために開発されてきたが、通常は、金属同等物よりも引張り強さおよび捩り強さが低いため、上記したように、挿入時にかかる高いトルク荷重で装置が破壊されるリスクが大きい。近年、骨導電性であるリン酸カルシウム粒子などの充填材がポリマー基質内に含められた生分解性複合材料系が開発された。このような充填ポリマー系は、非充填ポリマー系に比べて、引張り強さや捩り強さがさらに低いであろう。したがって、剥離または剪断に対して高い捩り抵抗性を有する縫合糸アンカー用の改善された捩りドライブヘッドが要望されている。
【0006】
アンカーの破壊トルクを増大させる1つの選択肢は、ドライブヘッドのサイズを大きくすることである。しかしながら、大きいアンカーヘッドは、大きいドライバ工具を必要とするため、骨に比較的大きいトンネルを形成する必要がある。これは、特にトンネルが海綿骨に形成される場合、および手術が最小侵襲性であってカニューレまたは関節鏡を挿入する場合に、特に望ましくない。したがって、殆どの縫合糸アンカーは、比較的小さいドライバ工具で使用するように構成されているため、特に硬い骨に用いる場合、低い破壊トルクおよび低い剥離強さになる比較的小さいドライブヘッドを有する。捩り強さが改善されたドライブヘッドは、挿入時の変形のリスクを低減するのが望ましい。変形は、縫合糸取付け部近傍のアンカーの歪みを引き起こし、結節を行うために必要な縫合糸の滑動性が阻害されうる。加えて、変形に対してより耐性のある捩りドライブヘッドは、トルク駆動式のアンカーが取り外され、場合によっては再挿入されることさえも必要な例もある修正外科手術を容易にすることができる。
【0007】
したがって、改善された物理特性、特に高い破壊トルクおよび高い剥離強さを有する縫合糸アンカーが要望されている。
【0008】
〔概要〕
本発明は、縫合糸アンカーであって、近位端部および遠位端部を含み、長さ方向軸を画定する細長いシャンクを含む、縫合糸アンカーを提供する。このシャンクは、シャンクに形成された少なくとも1つの係合部材をさらに含み、この係合部材は、縫合糸アンカーの骨内への配置を容易にし、かついったん植え込まれるとこの縫合糸アンカーを骨内に固定する。縫合糸アンカーは、近位端部、遠位端部、および半径方向断面形状を有するドライブヘッドも含み、この遠位端部は、細長いシャンクの近位端部に結合されている。ドライブヘッドは、このドライブヘッドの一部に形成された少なくとも1つの縫合糸取付け要素、および長さ方向断面形状を有する、このドライブヘッドと一体の少なくとも1つの回転防止部材を含む。本発明はまた、縫合糸アンカーおよびドライバ工具を含む縫合糸アンカー取付けキット、ならびに軟組織を骨に取り付けるための方法にも関する。
【0009】
本発明は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めばよりよく理解できるであろう。
【0010】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、細長いシャンクを含む縫合糸アンカーを提供する。この細長いシャンクは、長手方向軸を画定し、細長いシャンクに形成された少なくとも1つの係合部材を有しており、この係合部材は、骨に係合して縫合糸アンカーの骨内への配置を容易にし、かついったん植え込まれると縫合糸アンカーを骨内に固定する。縫合糸アンカーは、近位端部および遠位端部を備えた、細長いシャンクに捩りを加えるためのドライブヘッドも含み、このドライブヘッドは、細長いシャンクに捩りを伝達するように細長いシャンクに結合されており、これにより、骨内への縫合糸アンカーの配置を提供する。ドライブヘッドは、円形または楕円形などの実質的に非円形の半径方向断面形状を有していてもよく、ドライブヘッドは、シャンクへの捩りの伝達を改善されるように、ドライブヘッドに一体形成された少なくとも1つの回転防止部材(anti-rotational member)(ARM)を含み、縫合糸を縫合糸アンカーに取り付けるためにこのドライブヘッドの一部に形成された縫合糸取付け要素を含む。本明細書で用いる「部材」は、縫合糸アンカーの一部を形成するシャンクおよび/またはドライブヘッドの構造単位を含む。本明細書に用いる「要素」は、例えば縫合糸トンネルおよび/または縫合糸通路などの縫合糸を収容するためのドライブヘッドの構成要素を含む。
【0011】
一実施形態では、縫合糸取付け要素は、縫合糸トンネルであって、実質的に横断方向に、または縫合糸トンネルが縫合糸アンカーの長さ方向軸に交差するように、ドライブヘッドを通って延びる、縫合糸トンネルを含む。縫合糸トンネルは、選択したサイズの縫合糸が通過できるのに十分な直径を有する。縫合糸は、トンネルを通過してループを形成し、この縫合糸の両端部(針を含むまたは含まない)を同じ方向を向け、縫合糸アンカードライバに取付けることができる。縫合糸取付け要素は、ドライブヘッドの外面に形成された縫合糸トンネルと協働する長さ方向に向いた縫合糸収容通路を含むことができる。一実施形態では、縫合糸トンネルは、ドライブヘッドに通路が存在しない部分が形成されるように、ドライブヘッドの近位端部に近接して形成されている。この通路が存在しない部分は、縫合糸アンカーのドライブヘッドにさらなる構造的一体性を付与し、挿入時の剪断のリスクを最小限にする。別の実施形態では、ドライブヘッドは、第1の縫合糸トンネルを含み、第1の対の相反した縫合糸収容通路が、この第1の縫合糸トンネルから近位側に延びている。ドライブヘッドはまた、第2の縫合糸トンネルを含み、第2の対の相反した縫合糸収容通路が、この第2の縫合糸トンネルから近位側に延びている。
【0012】
一実施形態では、縫合糸アンカーは、少なくとも1つのARMが一体形成されている、半径方向断面形状が円形または実質的に非円形のドライブヘッドを含む。第2の実施形態では、縫合糸アンカーは、挿入工具の取付けを容易にするために対称平面のいずれかの側に複数のARMが配置された、半径方向断面形状が円形または実質的に非円形のドライブヘッドを含む。ARMは、ドライブヘッドからシャンクへの捩りの効果的な伝達を確保するように、ドライバ工具と結合する嵌め合い(mating fit)を提供する構造および寸法を有する。ARMの存在により、高い破壊トルクおよび高い剥離強さが得られる。
【0013】
別の態様では、縫合糸アンカー、および、少なくとも1つの縫合糸アンカーと、この縫合糸アンカーと協働する円柱ドライバ工具とを含む取付けキットが提供される。縫合糸アンカーは、係合部材が形成された、長さ方向軸を画定しているシャンクを有する。ドライブヘッドが、シャンクに形成されている。ドライブヘッドは、円形、または楕円形などの実質的に非円形の半径方向断面形状を有しており、少なくとも1つのARMがドライブヘッドと一体形成されている。円柱ドライバ工具は、アンカーのドライブヘッドを収容し、結合する関係で係合するように構成された形状を有するソケットが形成された遠位端部を有する。ARMは、特にずれた角度で挿入される際にドライバを外れにくくするために、キーとキー溝の構造などのドライバ工具との確実な結合を提供する。例示的な実施形態では、ドライバ工具は、アンカーの係合部材の最も外側の直径以下の外径を有する。
【0014】
同様の参照符号は同様の構成要素を示す図1A〜図1Eに示されているように、本発明は、少なくとも1つの係合部材20が形成された、長さ方向軸Aを画定している細長いシャンク12を含む縫合糸アンカー10を提供する。図示されている実施形態では、係合部材20は、螺旋ねじ山である。ドライブヘッド30は、近位端部32、および、近位端部14で細長いシャンク12に結合された遠位端部34を有する。ドライブヘッド30は、楕円形の半径方向断面形状を有するが、実質的に円形、長方形、正方形、六角形、または平坦な楕円形の半径方向断面形状を有することができ、少なくとも1つの縫合糸取付け要素38が形成されている。半径方向断面は、長さ方向軸Aに垂直な断面として画定される。一般に、楕円形は、平坦な楕円形、およびドライブヘッド30の大径X2または小径X1に垂直な平坦な部分を備えた楕円形を含むことが知られている。例示的な実施形態では、ドライブヘッド30の小小径X1は、大径X2の約4分の3の大きさであり、ドライブヘッドの30の大径X2は、シャンク12の小径d1以下である。
【0015】
ドライブヘッド30の構造は、ドライブヘッド30から突出していて、ドライブヘッド30と一体であり、ドライブヘッド30の遠位端部34から近位端部32に向かって延びている、少なくとも1つのARM36を含む。加えて、ドライブヘッド30は、少なくとも1つ縫合糸トンネル38を含み、さらに縫合糸収容通路33aおよび33bを含む。ARM36は、ここでは縫合糸トンネル38の平面に示されているが、本開示の利点を理解した当業者であれば、ARM36と縫合糸38を互いに整合させる必要がないことを理解できよう。本発明の範囲では必ずしも必要ではないが、縫合糸トンネル部をさらに強化するためにARM36と縫合糸トンネル38のこのような整合が望ましいであろう。ARM36を備えたドライブヘッド30の構造は、特に、高い破壊トルクおよび高い剥離強さを含む改善された物理特性を有する縫合糸アンカー10を提供できるという点で有利である。
【0016】
縫合糸アンカー10の細長いシャンク12は、様々な構造を有することができ、シャンク12に形成された様々な係合部材20を含むことができる。図1Aは、シャンク12を備えた縫合糸アンカー10の例示的な実施形態を例示している。このシャンク12は、シャンク12の近位端部14から遠位端部16に、コア18の周りに延在する1本の螺旋ねじ山20を備えたコア18を含む。ねじ山20は、谷底26と実質的に平坦な山の頂28との間に延在する近位側に面したフランク22および遠位側に面したフランク24をそれぞれ含む。ねじ山20は、シャンク12の大径d2を画定している。この大径d2は、シャンク12の長さに沿って変化してもよいが、シャンク12の実質的な部分に沿って実質的に一定である。しかしながら、ねじ山20は、シャンク12の頂点29で終了するようにシャンク12の遠位部分でテーパ状とすることができる。シャンク12のコア18は、同様に実質的に一定とするかまたはシャンク12の長さに沿って変更できる小径d1を画定している。図1Aに示されているように、コア18は、近位端部14から遠位端部16までテーパ状である。この開示の利点を理解した当業者であれば、図1Aに示されているシャンク12が、シャンク12の単なる例示的な実施形態であり、様々な組織係合部材を有する様々なシャンクを、本発明に従った縫合糸アンカー10に用いることができることを理解できよう。
【0017】
縫合糸アンカー10のドライブヘッド30は、図1Bおよび図1Cに詳細に示されているように、シャンク12に取り付けられるか、またはシャンク12と一体形成される。シャンク12の大径d2に比べて比較的小さいドライブヘッド30の大径X2は、ドライブヘッド30が、必要以上に大きいトンネルが骨内に形成されることを必要としないため、特に好ましい。ドライブヘッド30は、その近位端部32と遠位端部34との間に延在する長さLh(図1Aに図示)を有する。ドライブヘッド30の長さLhは、様々にすることができるが、ドライブヘッドがドライバ工具内に収容され、剪断されずに骨内に挿入できるように最適な長さにすることができる。ドライブヘッド30は、ドライブヘッド30の遠位端部34と縫合糸トンネル38の開口との間の長さLhに沿って延在するARM36を有する。
【0018】
様々な縫合糸取付け要素を用いることができるが、図1A〜図1Eは、縫合糸トンネル38を備えた縫合糸アンカー10の例示的な実施形態を例示しており、この縫合糸トンネル38は、ドライブヘッド30を通って延びており、所与の長さの縫合糸が縫合糸トンネル38を通って配置されることを可能にする縫合糸トンネル38は、ドライブヘッド30の遠位端部32の近位側の位置で終了して、ドライブヘッド30に通路が存在しない部分35を設けることができる。ドライブヘッド30の遠位部分34は、通常は、挿入時に最も応力を受けるアンカー10の部分であるため、通路が存在しない部分35(影付き部分として示されている)が、挿入時に剪断のリスクを最小限にするドライブヘッド30の強い高密度部分となる。
【0019】
縫合糸アンカー10は、縫合糸アンカー10に形成された、長さ方向に向いた縫合糸収容溝すなわち通路33aおよび33bをオプションとして備えることもできる。縫合糸収容通路33aおよび33bは、ドライブヘッド30の外面に形成され、互いに等距離離間させることができる。図1Cに示されているように、2つの相反した縫合糸収容通路33aおよび33bは、ドライブヘッド30の小径X1に沿って位置付けられている。
【0020】
図1Dおよび図1Eは、ARM36および縫合糸11を備えた本発明のドライブヘッド30を示している。縫合糸11は、図示されているように、縫合糸トンネル38を通ってドライブヘッド30を貫通している。縫合糸11が縫合糸トンネル38を通過して縫合糸収容通路33aおよび33bに沿っているドライブヘッド30の長さ方向の断面図が図1Eに示されている。
【0021】
図2は、本発明に従った縫合糸アンカーのドライブヘッド40の代替の実施形態を示している。この実施形態では、ドライブヘッド40の半径方向の断面形状は、ARM46を備えた実質的に楕円形である。このARM46は、遠位端部44で始まり、縫合糸トンネル48の開口まで延びている。図示されているように、ARM46は、縫合糸トンネル48から遠位端部44に向かってテーパ状である。この開示の利点を理解した当業者であれば、ARM46は、本発明の範囲から逸脱することなく、例えば、放物線やくさびなどの他の長さ方向の断面形状を有することができ、ARM46が、遠位端部44から近位端部42に向かって部分的にのみ延在するようにもできることを理解できよう。加えて、ARM46は、反対向き、すなわち遠位端部44から近位端部42に向かってテーパ状にすることができる。
【0022】
代替の実施形態では、本発明の縫合糸アンカーは、好ましくは、縫合糸トンネルが互いに交差しないように縫合糸アンカーの長さ方向軸に沿った異なる位置で、アンカーを通って横断方向に延びる複数の縫合糸トンネルを有することができる。これらの縫合糸トンネルは、縫合糸アンカーのドライブヘッドに配置され、ドライブヘッドの構造的一体性に影響を与えてもよい。
【0023】
図3に示されているように、縫合糸トンネル58aおよび58bおよび縫合糸収容通路51a、51b、51c、および51dは、ドライブヘッド50の長さ方向軸に沿って位置付けられてもよい。縫合糸収容通路51a、51b、51c、および51dの位置は、様々にすることができるが、一実施形態では、ドライブヘッド50の近位端部53を通って延び、対応する縫合糸トンネルで終了する。例えば、縫合糸収容通路51aおよび51cは、縫合糸トンネル58aに対応し、縫合糸収容通路51bおよび51dは、縫合糸トンネル58bに対応する。縫合糸トンネルが、ドライブヘッド50の遠位端部54の近位側に位置付けられている場合、縫合糸収容通路51a、51b、51c、および51dも、ドライブヘッド50の遠位端部54の近位側の位置で終了して、図1Bに示したものと同様に通路が存在しない部分をヘッド30に設けることもできる。さらに、2つの縫合糸トンネルが、ドライブヘッド50の長さに沿った位置に設けられている場合、例えば縫合糸収容通路51bおよび51dなどの第1の対の相反した縫合糸収容通路は、例えば縫合糸収容通路51aおよび51cなどの第2の対の相反した縫合糸収容通路の長さL2と同一または異なる長さL1を有することができる。しかしながら、通路51a、51b、51c、および51dは、長さLhよりも短くなければならない。この実施形態では、ドライブヘッド50は、ARM56を備えている。ARM56は、ドライブヘッド50の遠位端部54で始まり、縫合糸トンネル58aの開口で終了している。
【0024】
図3では、唯1つのARM56が示されている。しかしながら、ドライブヘッドの周りに等距離に離間して複数のARMを設けることもできる。複数のARM(不図示)は、非円形のヘッド形状が対称平面を有する場合には手順の点から見て、望ましいであろう。図3に示されている実施形態では、正方形ドライブヘッドは、2つの対称平面を有する。対称平面のいずれかの側にあるARMによって、インプラントに対する係合挿入器具(図8A〜図9B)の回転による整合が容易になる。複数のARMは、改善された物理特性を付与することもできる。本開示の利点を理解した当業者であれば、本発明の範囲内で、対称平面のいずれかの側にある複数のARMを備えた他の構成も可能であることを理解できよう。
【0025】
図4には、ドライブヘッド60の代替の実施形態が示されている。ドライブヘッド60は、円形の半径方向断面を有しており、ARM66、2つの縫合糸トンネル61aおよび61b、および縫合糸収容通路68a、68b、68c、および68dを含む。ARM66は、縫合糸収容通路68bおよび68dに整合している。図5は、ドライブヘッド70の別の代替の実施形態を示している。この実施形態は、ARM76、縫合糸トンネル71、および縫合糸収容通路78aおよび78bを含み、ARM76は、縫合糸トンネル71に整合していない。
【0026】
図6は、本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド80の例示的な実施形態を示している。このドライブヘッド80は、実質的に楕円形の半径方向断面を有しており、2つのARM86aおよび86b、2つの縫合糸トンネル81aおよび81b、および4つの縫合糸収容通路88a、88b、88c、および88dを含む。図7は、本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド90の例示的な実施形態を示している。このドライブヘッド90は、2つのARM96aおよび96b、2つの縫合糸トンネル98aおよび98b、および4つの縫合糸収容通路91a、91b、91c、および91dを含む。図6は、ARM86aおよび86bが、比較的近位側に配置された縫合糸トンネル81bおよび縫合糸収容通路88bおよび88dに方向付けられている実施形態を示しており、図7は、ARM96aおよび96bが、比較的遠位側に配置された縫合糸トンネル98bおよび縫合糸収容通路91bおよび91dに方向付けられている反対の実施形態を示している。
【0027】
本発明の縫合糸アンカーを骨内に配置する際は、図8Aおよび図8Bに示されているように、ドライバ工具を用いて縫合糸アンカーを骨内にねじ込むことができる。ドライバ工具100は、様々な形状および大きさを有することができるが、通常は、近位ハンドル部分104および遠位端部108を有する細長いシャフト102を含む。この遠位端部108は、本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッドと結合する関係で位置するように構成されたソケット106が形成されている。図8Aおよび図8Bに示されているように、ドライバ工具100のソケット106は、全般に楕円形を有しており、いったん縫合糸アンカーのドライブヘッドがドライブ工具100のソケット106と協働して配置されると、ARM112に係合して協働する、相反したARM係合要素105aおよび105bを含む。ソケット106およびARM係合要素105aおよび105bの形状は、ドライブヘッドがソケット内に結合された関係を提供するように、楕円形ドライブヘッド110との締まりばめ(close fit)を形成し、ARM112と協働する。ドライブヘッドおよびARMに関連したソケットの大きさおよび構成は、ドライブヘッドとドライバ工具との間の確実な嵌め合いを提供し、縫合糸アンカーに対するドライバ工具の回転を防止するのに十分なものであることが望ましい。ドライバ工具100は、縫合糸の自由端を収容するために内部を貫通する内腔(不図示)を含むこともできる。
【0028】
本発明の縫合糸アンカーを形成するのに適した材料は、脂肪族ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、およびポリアルキレンオキシドからなる群から選択される生体適合性ポリマーを含む。本発明の縫合糸アンカーはまた、生体適合性金属、ガラス、またはセラミックから形成するか、または自家移植、同種移植、または異種移植骨組織から形成することができる。縫合糸アンカーは、金属、セラミック、ガラス、およびポリマーの組合せから形成することができる。
【0029】
生体適合性材料は、生分解性または非生分解性とすることができる。ポリマーなどの生分解性材料は、湿性体組織にさらされると、小さなセグメントに容易に分解される。次に、このようなセグメントは、体内に吸収されるかまたは体内を通過する。より具体的には、生分解されたセグメントは、体内に吸収されるか体内を通過し、体がセグメントの永久的な痕跡または残滓を維持しないため、永久的な慢性の異物反応を誘発しない。
【0030】
一実施形態では、縫合糸アンカーは、生分解性脂肪族ポリマーおよびコポリマーポリエステルおよびこれらの混合物を含む。脂肪族ポリエステルは通常、開環重合で合成される。適当なモノマーの例は、限定するものではないが、乳酸、ラクチド(L‐ラクチド、D‐ラクチド、Meso‐ラクチド、およびD‐ラクチドとL‐ラクチドの混合物を含む)、グリコール酸、グリコリド、ε‐カプロラクトン、p‐ジオキサノン(p-dioxanone)(1,4‐ジオキサン‐2‐オン)、およびトリメチレンカーボネート(1,3‐ジオキサン‐2‐オン)を含む。
【0031】
別の実施形態では、装置を構成する材料は、第1リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、α‐第3リン酸カルシウム、β‐第3リン酸カルシウム、および第4リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウムカルシウム(magnesium calcium phosphates)、リン酸塩ガラス、バイオガラス、およびこれらの混合物を含む生分解性ガラスまたはセラミックであろう。
【0032】
別の実施形態では、装置を構成する材料は、生分解性セラミックとポリマーの組合せとすることができる。複合材は、繊維、短繊維、または粒子などの生分解性セラミック強化材を生分解性ポリマー基質内に含めて生成するのが好ましい。
【0033】
特に有用な複合材は、ポリ乳酸(70重量%)中のβ‐第3リン酸カルシウム粒子(30重量%)、すなわち30/70β‐TCP/PLA、およびポリラクチド/ポリグリコリドコポリマー(70重量%)(グリコリドに対するラクチドのモル比(mole ratio lactide to glycolyde)が85/15)中のβ‐第3リン酸カルシウム粒子(30重量%)、すなわち30/70β‐TCP/(85/15PLGA)である。
【0034】
本発明の別の実施形態では、ポリマーおよび混合物は、治療薬放出基質として用いることができる。この基質を生成するために、本装置を形成する前に、ポリマーを治療薬に混合することができる。本発明のポリマーに関連して用いることができる様々な種類の治療薬は膨大である。本発明の医薬品組成物を介して投与できる治療薬は、骨形態形成タンパク質(すなわち、BMP1〜7)、骨形態形成様タンパク質(すなわち、GFD‐5、GFD‐7、GFD‐8)、上皮成長因子(EGF)、線維芽細胞成長因子(すなわち、FGF1‐9)、血小板由来成長因子(PDGF)、インスリン様成長因子(IGF‐I、IGF‐II)、トランスフォーミング成長因子(すなわち、TGF‐βI‐III)、血管内皮成長因子(VEGF)を含む成長因子、および他の天然または遺伝子操作されたタンパク質、多糖、糖タンパク質、またはリポタンパク質を含む。
【0035】
本発明の基質材料は、1つまたは複数の治療薬をポリマーと混合して調製することができる。別法では、医薬的に許容される担体を用いるなどして、治療薬をポリマーにコーティングすることができる。ポリマーを溶解しないあらゆる医薬担体を用いることができる。治療薬は、流体、細かく分割された固体、または任意の他の適当な物理形態として用いることができる。一般に、オプションとして、基質は、希釈剤、担体、賦形剤、および安定剤などの1つまたは複数の添加物を含む。
【0036】
本発明に従った縫合糸アンカーを使用する方法も提供する。本発明に従った骨に軟組織を取り付けるための方法では、本発明の縫合糸アンカーを収容するに十分な大きさのキャビティを骨構造内に形成することができる。次に、縫合糸取付け要素内に配置された縫合糸を含む本発明に従った縫合糸アンカーを、上記したようなドライバ工具に取り付けて、ドライバ工具で骨キャビティ内に挿入する。特定の実施形態では、予めキャビティを形成する必要がなく、縫合糸アンカーを骨構造内に直接挿入することができる。ドライバ工具を取り外して、縫合糸を用いて、縫合糸アンカーに近接した軟組織をこの縫合糸アンカーに取り付ける。
【0037】
以下の例は、本発明の原理および実施方法の例示であり、限定目的ではない。
【0038】
実施例1:挿入トルク破壊試験
縫合糸アイレットの平面に整合した2つのARM(それぞれの高さおよび幅が約0.050インチ(1.27mm))からなる図7のデザインのドライブヘッドを備えた縫合糸アンカーを、2つのARMを備えていない類似のデザインに対して、挿入トルク破壊試験を行った。アンカーは、ポリスルホンから機械加工で形成した。
【0039】
トルク破壊検査を、硬い固体のポリウレタンフォームブロック(ソーボーンズ1522−02(Sawbones, 1522-02)、ワシントン州バション(Vashon)に所在のパシフィック・リサーチ・ラボラトリーズ社(Pacific Research Laboratories, Inc.))で行った。測定値(インチポンド)を、結合する1/4インチ(6.35mm)6角形ドライブヤコブチャックアタッチメント(hexagonal drive Jacobs chuck attachment)を備えたイマダ(イリノイ州ノースブルックに所在のイマダ社(Imada, Inc.))モデルDSD‐4デジタル・トルク・テスター/スクリュードライバ(DSD-4 Digitial Torque Tester/Screwdriver)を用いて記録した。ARMを備えた5つのアンカーの破壊の平均トルクは、ARMを備えていないアンカーデザインの5.6インチポンド(約0.63Nm)に比べて、7.0インチポンド(約0.79Nm)であった。これは、ポリスルホンの本発明(ARM)によるドライブヘッドの25%のトルクの増大を示している。
【0040】
実施例2:挿入トルク破壊試験
縫合糸アイレットの平面に整合した2つのARM(それぞれの高さが0.125インチ(3.175mm)、幅が約0.050インチ(1.27mm))からなる図6のデザインのドライブヘッドを備えた縫合糸アンカーを、2つのARMを備えていない、アイレットが逆になった(従って、最遠位アイレットが楕円形ヘッドの長軸を横断し、近位アイレットが楕円形ヘッドの短軸を横断する)類似のデザインに対して、挿入トルク破壊試験を行った。アンカーは、30/70β‐TCP/(85/15ポリラクチド/ポリグリコリド)複合材(クロロホルム(CHC13)中でキャノン自動粘度計(Cannon Automated Viscometer)で測定した原料ポリマーの開始時の固有粘度は約3.0dL/g)から射出成形した。
【0041】
トルク破壊検査を、約6〜10ポンド(約2.7〜約4.5kg)の圧縮荷重で、硬い固体のポリウレタンフォームブロック(ソーボーンズ1522−02(Sawbones, 1522-02)、ワシントン州バション(Vashon)に所在のパシフィック・リサーチ・ラボラトリーズ社(Pacific Research Laboratories, Inc.))で行った。測定値(インチポンド)を、結合する1/4インチ(6.35mm)6角形ドライブヤコブチャックアタッチメント(hexagonal drive Jacobs chuck attachment)を備えたイマダ(イリノイ州ノースブルックに所在のイマダ社(Imada, Inc.))モデルDSD‐4デジタル・トルク・テスター/スクリュードライバ(DSD-4 Digitial Torque Tester/Screwdriver)を用いて記録した。ARMを備えた5つのアンカーの破壊の平均トルクは、ARMを備えていないアンカーデザインの5.9インチポンド(約0.67Nm)に比べて、7.8インチポンド(約8.81Nm)であった。これは、射出成形複合材の本発明(ARM)によるドライブヘッドの32%のトルクの増大を示している。
【0042】
〔実施の態様〕
(1)縫合糸アンカーにおいて、
近位端部および遠位端部を含み、長さ方向軸を画定している細長いシャンクであって、前記細長いシャンクに形成された少なくとも1つの係合部材を含む、細長いシャンクと、
ドライブヘッドであって、近位端部、遠位端部、半径方向断面形状、前記ドライブヘッドの一部に形成された少なくとも1つの縫合糸取付け要素、および、前記ドライブヘッドと一体の、長さ方向断面形状を含む少なくとも1つの回転防止部材を含む、ドライブヘッドと、
を含み、
前記ドライブヘッドは、前記細長いシャンクに結合されている、縫合糸アンカー。
(2)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記細長いシャンクは、前記近位端部から前記遠位端部にかけてテーパ状である、縫合糸アンカー。
(3)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記少なくとも1つの係合部材は、螺旋ねじ山を含む、縫合糸アンカー。
(4)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、非円形である、縫合糸アンカー。
(5)実施態様(4)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、長方形、正方形、六角形、平坦な楕円形、または楕円形である、縫合糸アンカー。
【0043】
(6)実施態様(5)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、楕円形である、縫合糸アンカー。
(7)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記回転防止部材は、前記ドライブヘッドの長さに沿って近位側に延びている、縫合糸アンカー。
(8)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記回転防止部材は、前記ドライブヘッドの長さに沿って近位側にテーパ状である、縫合糸アンカー。
(9)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
偶数の前記回転防止部材が、前記ドライブヘッドの対称平面に対して前記ドライブヘッドに対称的に配置されている、縫合糸アンカー。
(10)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記回転防止部材の前記長さ方向断面形状は、長方形、曲線状、放物線状、または三角形である、縫合糸アンカー。
【0044】
(11)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記縫合糸取付け要素は、前記ドライブヘッドを通って横断方向に延びる少なくとも1つの縫合糸トンネルを含む、縫合糸アンカー。
(12)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドは、前記ドライブヘッドの外面に形成された少なくとも1つの縫合糸収容通路を含み、この縫合糸収容通路は、前記縫合糸トンネルの開口から近位側に延びている、縫合糸アンカー。
(13)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記アンカーは、生分解性材料を含む、縫合糸アンカー。
(14)実施態様(13)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、乳酸、ラクチド、グリコール酸、グリコリド、ε‐カプロラクトン、1,4‐ジオキサン‐2‐オン、および1,3‐ジオキサン‐2‐オンからなる群から選択されるモノマーから生成されるポリマー、コポリマー、またはポリマー混合物である、縫合糸アンカー。
(15)実施態様(13)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、生分解性ガラス、第1リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、α‐第3リン酸カルシウム、β‐第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウムカルシウム(magnesium calcium phosphate)、リン酸ガラス、およびバイオガラスからなる群から選択される、縫合糸アンカー。
【0045】
(16)実施態様(13)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、β‐第3リン酸カルシウムおよびポリラクチドからなる複合材である、縫合糸アンカー。
(17)実施態様(13)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、ポリラクチド/ポリグリコリドコポリマー(70重量%)中のβ‐第3リン酸カルシウム粒子(30重量%)からなる複合材であり、ここで、前記コポリマーにおけるグリコリドに対するラクチドのモル比が、85/15である、縫合糸アンカー。
(18)縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
少なくとも1つの縫合糸アンカーであって、
近位端部および遠位端部を含み、長さ方向軸を画定し、前記細長いシャンクに形成された少なくとも1つの係合部材を含む、細長いシャンク、および、
ドライブヘッドであって、近位端部、前記細長いシャンクに結合された遠位端部、半径方向断面形状、前記ドライブヘッドの一部に形成された少なくとも1つの縫合糸取付け要素、および、前記ドライブヘッドと一体の少なくとも1つの回転防止部材を含む、ドライブヘッド
を有する、少なくとも1つの縫合糸アンカーと、
円柱ドライバ工具であって、
当該円柱ドライバ工具は、遠位端部を有し、前記遠位端部内に形成されたソケットを含み、
前記ソケットは、前記縫合糸アンカーの前記ドライブヘッドを収容し、前記ドライブヘッドに係合するように構成された形状を有する、
円柱ドライバ工具と、
を含む、縫合糸アンカー取付けキット。
(19)実施態様(18)に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、楕円形である、縫合糸アンカー取付けキット。
(20)実施態様(19)に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記縫合糸取付け要素は、前記ドライブヘッドを通って横断方向に延びる少なくとも1つの縫合糸トンネルを含む、縫合糸アンカー取付けキット。
【0046】
(21)実施態様(20)に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記ドライブヘッドは、
前記ドライブヘッドの外面に形成され、前記縫合糸トンネルの開口で始まり、かつ前記縫合糸トンネルの開口から近位側に延びる、少なくとも1つの縫合糸収容通路、
をさらに含む、縫合糸アンカー取付けキット。
(22)実施態様(19)に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記縫合糸取付け要素に配置された縫合糸、
をさらに含む、縫合糸アンカー取付けキット。
(23)軟組織を骨に取り付けるための方法において、
骨キャビティを骨構造内に形成するステップと、
縫合糸アンカーを用意するステップであって、
前記縫合糸アンカーは、
細長いシャンクであって、近位端部および遠位端部を含み、長さ方向軸を画定し、前記シャンクは、前記シャンクに形成された少なくとも1つの係合部材をさらに含む、細長いシャンク、および、
ドライブヘッドであって、近位端部、前記細長いシャンクに結合された遠位端部、前記ドライブヘッドの一部に形成され、内部に縫合糸が配置されている少なくとも1つの縫合糸取付け要素、および、前記ドライブヘッドと一体の少なくとも1つの回転防止部材を含む、ドライブヘッド、
を含む、
ステップと、
前記縫合糸アンカーを前記骨キャビティ内に挿入するステップと、
軟組織を前記縫合糸に取り付けるステップと、
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】本発明の縫合糸アンカーの斜視図である。
【図1B】図1Aに示した縫合糸アンカーの別の斜視図である。
【図1C】図1Aに示した縫合糸アンカーの上面図である。
【図1D】縫合糸が配置された、本発明の縫合糸アンカーの別の斜視図である。
【図1E】縫合糸が配置された、本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド部分の断面図である。
【図2】本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド部分の代替の実施形態の斜視図である。
【図3】本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド部分の代替の実施形態の斜視図である。
【図4】本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド部分の代替の実施形態の斜視図である。
【図5】本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド部分の代替の実施形態の斜視図である。
【図6】本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド部分の代替の実施形態の斜視図である。
【図7】本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド部分の代替の実施形態の斜視図である。
【図8A】本発明に従ったドライバ工具の一実施形態の側面図である。
【図8B】図8Aに示したドライバ工具の最遠位端部の端面図である。
【図9A】ドライブヘッドがドライバ工具のソケットに結合されていない、縫合糸アンカーおよびドライバ工具の一実施形態の斜視図である。
【図9B】本発明の縫合糸アンカーおよびドライバ工具の一実施形態の斜視図である。
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、改善された物理特性を有する縫合糸アンカーに関し、詳細には、体組織内への適用を確実にするために捩り力を必要とする生体適合性縫合糸アンカーに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
縫合糸アンカーは、縫合糸を用いて分離した軟組織を骨に固定するために、1本の縫合糸を骨に取り付ける際に用いられる場合が多い。縫合糸は、通常は、アンカー本体、縫合糸取付け要素、および縫合糸アンカーの骨内への配置および保持を容易にするための骨係合部材を含む。アンカーは、骨に予め形成された孔の中に挿入することができ、かつ/または縫合糸アンカーは、セルフタッピング式であってもよく、アンカーを骨内に固定するためのねじ山を備えていてもよい。縫合糸アンカーは、スクリュー型アンカーと同様に、縫合糸アンカーを骨内に挿入するために、縫合糸アンカーの一端に挿入工具で捩り力を加える必要がある場合が多い。挿入工具は、通常は、細長いシャンクから形成されており、このシャンクは、シャンクの遠位端部に形成された結合要素を有しており、この係合要素は、固定装置のドライブヘッド上またはその内部に形成された対応する結合要素に結合する。ある一般的な種類のドライバ工具は、六角形または四角形のソケットを含み、このソケットが、縫合糸アンカーの一致する六角形または四角形のヘッドを収容する。
【0003】
従来の縫合糸アンカーおよびドライバ工具は、十分であるが、いくつかの不都合がある。例えば六角形または四角形の断面を有するアンカーヘッドは、比較的低い剥離強さ(stripping strength)を有する傾向にあり、比較的低いトルク荷重でドライブヘッドが永久的に損傷し、トルクが伝達できなくなる。加えて、縫合糸をアンカーヘッドに取り付けるために用いるアイレットなどの縫合糸取付け要素が組み込まれていることにより、ドライブ接触部がある程度損なわれるか、または弱くなったアンカーヘッドの構造的一体性によって、この低い剥離強さがさらに低下しうる。取付け要素のヘッドの形状により、ドライバと接触するアンカーのドライブヘッドの材料の量が減少すると、降伏に必要となる、またはドライブヘッドから「剥離される」材料の量が減少し、これにより、ヘッドの剥離強さが低下する。
【0004】
また、従来の縫合糸アンカーヘッドは、挿入の際にドライブヘッドの剪断を引き起こしうる比較的低い破壊トルクを有する傾向にある。このタイプの破壊は、ヘッドの形状にも依存する。縫合糸アンカーでは、この破壊は、ヘッド内の縫合糸取付け要素の位置によって悪化することもある。特に、縫合糸を収容するべくアンカーヘッドから突き出るようにループがアンカーに成形される、または埋め込まれると、ドライブヘッド全体が比較的弱くなって、挿入の際に剪断する可能性がある。
【0005】
縫合糸アンカーは、これまでは、挿入の過酷さに耐えるのに十分な高い引張り強さおよび捩り強さを有するが、インプラントを長期に亘って体内に維持できる植え込み可能な金属または合金から形成されてきた。ポリマー、セラミック、または生分解性および非生分解性の両方の複合材料系は、同様の用途のために開発されてきたが、通常は、金属同等物よりも引張り強さおよび捩り強さが低いため、上記したように、挿入時にかかる高いトルク荷重で装置が破壊されるリスクが大きい。近年、骨導電性であるリン酸カルシウム粒子などの充填材がポリマー基質内に含められた生分解性複合材料系が開発された。このような充填ポリマー系は、非充填ポリマー系に比べて、引張り強さや捩り強さがさらに低いであろう。したがって、剥離または剪断に対して高い捩り抵抗性を有する縫合糸アンカー用の改善された捩りドライブヘッドが要望されている。
【0006】
アンカーの破壊トルクを増大させる1つの選択肢は、ドライブヘッドのサイズを大きくすることである。しかしながら、大きいアンカーヘッドは、大きいドライバ工具を必要とするため、骨に比較的大きいトンネルを形成する必要がある。これは、特にトンネルが海綿骨に形成される場合、および手術が最小侵襲性であってカニューレまたは関節鏡を挿入する場合に、特に望ましくない。したがって、殆どの縫合糸アンカーは、比較的小さいドライバ工具で使用するように構成されているため、特に硬い骨に用いる場合、低い破壊トルクおよび低い剥離強さになる比較的小さいドライブヘッドを有する。捩り強さが改善されたドライブヘッドは、挿入時の変形のリスクを低減するのが望ましい。変形は、縫合糸取付け部近傍のアンカーの歪みを引き起こし、結節を行うために必要な縫合糸の滑動性が阻害されうる。加えて、変形に対してより耐性のある捩りドライブヘッドは、トルク駆動式のアンカーが取り外され、場合によっては再挿入されることさえも必要な例もある修正外科手術を容易にすることができる。
【0007】
したがって、改善された物理特性、特に高い破壊トルクおよび高い剥離強さを有する縫合糸アンカーが要望されている。
【0008】
〔概要〕
本発明は、縫合糸アンカーであって、近位端部および遠位端部を含み、長さ方向軸を画定する細長いシャンクを含む、縫合糸アンカーを提供する。このシャンクは、シャンクに形成された少なくとも1つの係合部材をさらに含み、この係合部材は、縫合糸アンカーの骨内への配置を容易にし、かついったん植え込まれるとこの縫合糸アンカーを骨内に固定する。縫合糸アンカーは、近位端部、遠位端部、および半径方向断面形状を有するドライブヘッドも含み、この遠位端部は、細長いシャンクの近位端部に結合されている。ドライブヘッドは、このドライブヘッドの一部に形成された少なくとも1つの縫合糸取付け要素、および長さ方向断面形状を有する、このドライブヘッドと一体の少なくとも1つの回転防止部材を含む。本発明はまた、縫合糸アンカーおよびドライバ工具を含む縫合糸アンカー取付けキット、ならびに軟組織を骨に取り付けるための方法にも関する。
【0009】
本発明は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めばよりよく理解できるであろう。
【0010】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、細長いシャンクを含む縫合糸アンカーを提供する。この細長いシャンクは、長手方向軸を画定し、細長いシャンクに形成された少なくとも1つの係合部材を有しており、この係合部材は、骨に係合して縫合糸アンカーの骨内への配置を容易にし、かついったん植え込まれると縫合糸アンカーを骨内に固定する。縫合糸アンカーは、近位端部および遠位端部を備えた、細長いシャンクに捩りを加えるためのドライブヘッドも含み、このドライブヘッドは、細長いシャンクに捩りを伝達するように細長いシャンクに結合されており、これにより、骨内への縫合糸アンカーの配置を提供する。ドライブヘッドは、円形または楕円形などの実質的に非円形の半径方向断面形状を有していてもよく、ドライブヘッドは、シャンクへの捩りの伝達を改善されるように、ドライブヘッドに一体形成された少なくとも1つの回転防止部材(anti-rotational member)(ARM)を含み、縫合糸を縫合糸アンカーに取り付けるためにこのドライブヘッドの一部に形成された縫合糸取付け要素を含む。本明細書で用いる「部材」は、縫合糸アンカーの一部を形成するシャンクおよび/またはドライブヘッドの構造単位を含む。本明細書に用いる「要素」は、例えば縫合糸トンネルおよび/または縫合糸通路などの縫合糸を収容するためのドライブヘッドの構成要素を含む。
【0011】
一実施形態では、縫合糸取付け要素は、縫合糸トンネルであって、実質的に横断方向に、または縫合糸トンネルが縫合糸アンカーの長さ方向軸に交差するように、ドライブヘッドを通って延びる、縫合糸トンネルを含む。縫合糸トンネルは、選択したサイズの縫合糸が通過できるのに十分な直径を有する。縫合糸は、トンネルを通過してループを形成し、この縫合糸の両端部(針を含むまたは含まない)を同じ方向を向け、縫合糸アンカードライバに取付けることができる。縫合糸取付け要素は、ドライブヘッドの外面に形成された縫合糸トンネルと協働する長さ方向に向いた縫合糸収容通路を含むことができる。一実施形態では、縫合糸トンネルは、ドライブヘッドに通路が存在しない部分が形成されるように、ドライブヘッドの近位端部に近接して形成されている。この通路が存在しない部分は、縫合糸アンカーのドライブヘッドにさらなる構造的一体性を付与し、挿入時の剪断のリスクを最小限にする。別の実施形態では、ドライブヘッドは、第1の縫合糸トンネルを含み、第1の対の相反した縫合糸収容通路が、この第1の縫合糸トンネルから近位側に延びている。ドライブヘッドはまた、第2の縫合糸トンネルを含み、第2の対の相反した縫合糸収容通路が、この第2の縫合糸トンネルから近位側に延びている。
【0012】
一実施形態では、縫合糸アンカーは、少なくとも1つのARMが一体形成されている、半径方向断面形状が円形または実質的に非円形のドライブヘッドを含む。第2の実施形態では、縫合糸アンカーは、挿入工具の取付けを容易にするために対称平面のいずれかの側に複数のARMが配置された、半径方向断面形状が円形または実質的に非円形のドライブヘッドを含む。ARMは、ドライブヘッドからシャンクへの捩りの効果的な伝達を確保するように、ドライバ工具と結合する嵌め合い(mating fit)を提供する構造および寸法を有する。ARMの存在により、高い破壊トルクおよび高い剥離強さが得られる。
【0013】
別の態様では、縫合糸アンカー、および、少なくとも1つの縫合糸アンカーと、この縫合糸アンカーと協働する円柱ドライバ工具とを含む取付けキットが提供される。縫合糸アンカーは、係合部材が形成された、長さ方向軸を画定しているシャンクを有する。ドライブヘッドが、シャンクに形成されている。ドライブヘッドは、円形、または楕円形などの実質的に非円形の半径方向断面形状を有しており、少なくとも1つのARMがドライブヘッドと一体形成されている。円柱ドライバ工具は、アンカーのドライブヘッドを収容し、結合する関係で係合するように構成された形状を有するソケットが形成された遠位端部を有する。ARMは、特にずれた角度で挿入される際にドライバを外れにくくするために、キーとキー溝の構造などのドライバ工具との確実な結合を提供する。例示的な実施形態では、ドライバ工具は、アンカーの係合部材の最も外側の直径以下の外径を有する。
【0014】
同様の参照符号は同様の構成要素を示す図1A〜図1Eに示されているように、本発明は、少なくとも1つの係合部材20が形成された、長さ方向軸Aを画定している細長いシャンク12を含む縫合糸アンカー10を提供する。図示されている実施形態では、係合部材20は、螺旋ねじ山である。ドライブヘッド30は、近位端部32、および、近位端部14で細長いシャンク12に結合された遠位端部34を有する。ドライブヘッド30は、楕円形の半径方向断面形状を有するが、実質的に円形、長方形、正方形、六角形、または平坦な楕円形の半径方向断面形状を有することができ、少なくとも1つの縫合糸取付け要素38が形成されている。半径方向断面は、長さ方向軸Aに垂直な断面として画定される。一般に、楕円形は、平坦な楕円形、およびドライブヘッド30の大径X2または小径X1に垂直な平坦な部分を備えた楕円形を含むことが知られている。例示的な実施形態では、ドライブヘッド30の小小径X1は、大径X2の約4分の3の大きさであり、ドライブヘッドの30の大径X2は、シャンク12の小径d1以下である。
【0015】
ドライブヘッド30の構造は、ドライブヘッド30から突出していて、ドライブヘッド30と一体であり、ドライブヘッド30の遠位端部34から近位端部32に向かって延びている、少なくとも1つのARM36を含む。加えて、ドライブヘッド30は、少なくとも1つ縫合糸トンネル38を含み、さらに縫合糸収容通路33aおよび33bを含む。ARM36は、ここでは縫合糸トンネル38の平面に示されているが、本開示の利点を理解した当業者であれば、ARM36と縫合糸38を互いに整合させる必要がないことを理解できよう。本発明の範囲では必ずしも必要ではないが、縫合糸トンネル部をさらに強化するためにARM36と縫合糸トンネル38のこのような整合が望ましいであろう。ARM36を備えたドライブヘッド30の構造は、特に、高い破壊トルクおよび高い剥離強さを含む改善された物理特性を有する縫合糸アンカー10を提供できるという点で有利である。
【0016】
縫合糸アンカー10の細長いシャンク12は、様々な構造を有することができ、シャンク12に形成された様々な係合部材20を含むことができる。図1Aは、シャンク12を備えた縫合糸アンカー10の例示的な実施形態を例示している。このシャンク12は、シャンク12の近位端部14から遠位端部16に、コア18の周りに延在する1本の螺旋ねじ山20を備えたコア18を含む。ねじ山20は、谷底26と実質的に平坦な山の頂28との間に延在する近位側に面したフランク22および遠位側に面したフランク24をそれぞれ含む。ねじ山20は、シャンク12の大径d2を画定している。この大径d2は、シャンク12の長さに沿って変化してもよいが、シャンク12の実質的な部分に沿って実質的に一定である。しかしながら、ねじ山20は、シャンク12の頂点29で終了するようにシャンク12の遠位部分でテーパ状とすることができる。シャンク12のコア18は、同様に実質的に一定とするかまたはシャンク12の長さに沿って変更できる小径d1を画定している。図1Aに示されているように、コア18は、近位端部14から遠位端部16までテーパ状である。この開示の利点を理解した当業者であれば、図1Aに示されているシャンク12が、シャンク12の単なる例示的な実施形態であり、様々な組織係合部材を有する様々なシャンクを、本発明に従った縫合糸アンカー10に用いることができることを理解できよう。
【0017】
縫合糸アンカー10のドライブヘッド30は、図1Bおよび図1Cに詳細に示されているように、シャンク12に取り付けられるか、またはシャンク12と一体形成される。シャンク12の大径d2に比べて比較的小さいドライブヘッド30の大径X2は、ドライブヘッド30が、必要以上に大きいトンネルが骨内に形成されることを必要としないため、特に好ましい。ドライブヘッド30は、その近位端部32と遠位端部34との間に延在する長さLh(図1Aに図示)を有する。ドライブヘッド30の長さLhは、様々にすることができるが、ドライブヘッドがドライバ工具内に収容され、剪断されずに骨内に挿入できるように最適な長さにすることができる。ドライブヘッド30は、ドライブヘッド30の遠位端部34と縫合糸トンネル38の開口との間の長さLhに沿って延在するARM36を有する。
【0018】
様々な縫合糸取付け要素を用いることができるが、図1A〜図1Eは、縫合糸トンネル38を備えた縫合糸アンカー10の例示的な実施形態を例示しており、この縫合糸トンネル38は、ドライブヘッド30を通って延びており、所与の長さの縫合糸が縫合糸トンネル38を通って配置されることを可能にする縫合糸トンネル38は、ドライブヘッド30の遠位端部32の近位側の位置で終了して、ドライブヘッド30に通路が存在しない部分35を設けることができる。ドライブヘッド30の遠位部分34は、通常は、挿入時に最も応力を受けるアンカー10の部分であるため、通路が存在しない部分35(影付き部分として示されている)が、挿入時に剪断のリスクを最小限にするドライブヘッド30の強い高密度部分となる。
【0019】
縫合糸アンカー10は、縫合糸アンカー10に形成された、長さ方向に向いた縫合糸収容溝すなわち通路33aおよび33bをオプションとして備えることもできる。縫合糸収容通路33aおよび33bは、ドライブヘッド30の外面に形成され、互いに等距離離間させることができる。図1Cに示されているように、2つの相反した縫合糸収容通路33aおよび33bは、ドライブヘッド30の小径X1に沿って位置付けられている。
【0020】
図1Dおよび図1Eは、ARM36および縫合糸11を備えた本発明のドライブヘッド30を示している。縫合糸11は、図示されているように、縫合糸トンネル38を通ってドライブヘッド30を貫通している。縫合糸11が縫合糸トンネル38を通過して縫合糸収容通路33aおよび33bに沿っているドライブヘッド30の長さ方向の断面図が図1Eに示されている。
【0021】
図2は、本発明に従った縫合糸アンカーのドライブヘッド40の代替の実施形態を示している。この実施形態では、ドライブヘッド40の半径方向の断面形状は、ARM46を備えた実質的に楕円形である。このARM46は、遠位端部44で始まり、縫合糸トンネル48の開口まで延びている。図示されているように、ARM46は、縫合糸トンネル48から遠位端部44に向かってテーパ状である。この開示の利点を理解した当業者であれば、ARM46は、本発明の範囲から逸脱することなく、例えば、放物線やくさびなどの他の長さ方向の断面形状を有することができ、ARM46が、遠位端部44から近位端部42に向かって部分的にのみ延在するようにもできることを理解できよう。加えて、ARM46は、反対向き、すなわち遠位端部44から近位端部42に向かってテーパ状にすることができる。
【0022】
代替の実施形態では、本発明の縫合糸アンカーは、好ましくは、縫合糸トンネルが互いに交差しないように縫合糸アンカーの長さ方向軸に沿った異なる位置で、アンカーを通って横断方向に延びる複数の縫合糸トンネルを有することができる。これらの縫合糸トンネルは、縫合糸アンカーのドライブヘッドに配置され、ドライブヘッドの構造的一体性に影響を与えてもよい。
【0023】
図3に示されているように、縫合糸トンネル58aおよび58bおよび縫合糸収容通路51a、51b、51c、および51dは、ドライブヘッド50の長さ方向軸に沿って位置付けられてもよい。縫合糸収容通路51a、51b、51c、および51dの位置は、様々にすることができるが、一実施形態では、ドライブヘッド50の近位端部53を通って延び、対応する縫合糸トンネルで終了する。例えば、縫合糸収容通路51aおよび51cは、縫合糸トンネル58aに対応し、縫合糸収容通路51bおよび51dは、縫合糸トンネル58bに対応する。縫合糸トンネルが、ドライブヘッド50の遠位端部54の近位側に位置付けられている場合、縫合糸収容通路51a、51b、51c、および51dも、ドライブヘッド50の遠位端部54の近位側の位置で終了して、図1Bに示したものと同様に通路が存在しない部分をヘッド30に設けることもできる。さらに、2つの縫合糸トンネルが、ドライブヘッド50の長さに沿った位置に設けられている場合、例えば縫合糸収容通路51bおよび51dなどの第1の対の相反した縫合糸収容通路は、例えば縫合糸収容通路51aおよび51cなどの第2の対の相反した縫合糸収容通路の長さL2と同一または異なる長さL1を有することができる。しかしながら、通路51a、51b、51c、および51dは、長さLhよりも短くなければならない。この実施形態では、ドライブヘッド50は、ARM56を備えている。ARM56は、ドライブヘッド50の遠位端部54で始まり、縫合糸トンネル58aの開口で終了している。
【0024】
図3では、唯1つのARM56が示されている。しかしながら、ドライブヘッドの周りに等距離に離間して複数のARMを設けることもできる。複数のARM(不図示)は、非円形のヘッド形状が対称平面を有する場合には手順の点から見て、望ましいであろう。図3に示されている実施形態では、正方形ドライブヘッドは、2つの対称平面を有する。対称平面のいずれかの側にあるARMによって、インプラントに対する係合挿入器具(図8A〜図9B)の回転による整合が容易になる。複数のARMは、改善された物理特性を付与することもできる。本開示の利点を理解した当業者であれば、本発明の範囲内で、対称平面のいずれかの側にある複数のARMを備えた他の構成も可能であることを理解できよう。
【0025】
図4には、ドライブヘッド60の代替の実施形態が示されている。ドライブヘッド60は、円形の半径方向断面を有しており、ARM66、2つの縫合糸トンネル61aおよび61b、および縫合糸収容通路68a、68b、68c、および68dを含む。ARM66は、縫合糸収容通路68bおよび68dに整合している。図5は、ドライブヘッド70の別の代替の実施形態を示している。この実施形態は、ARM76、縫合糸トンネル71、および縫合糸収容通路78aおよび78bを含み、ARM76は、縫合糸トンネル71に整合していない。
【0026】
図6は、本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド80の例示的な実施形態を示している。このドライブヘッド80は、実質的に楕円形の半径方向断面を有しており、2つのARM86aおよび86b、2つの縫合糸トンネル81aおよび81b、および4つの縫合糸収容通路88a、88b、88c、および88dを含む。図7は、本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド90の例示的な実施形態を示している。このドライブヘッド90は、2つのARM96aおよび96b、2つの縫合糸トンネル98aおよび98b、および4つの縫合糸収容通路91a、91b、91c、および91dを含む。図6は、ARM86aおよび86bが、比較的近位側に配置された縫合糸トンネル81bおよび縫合糸収容通路88bおよび88dに方向付けられている実施形態を示しており、図7は、ARM96aおよび96bが、比較的遠位側に配置された縫合糸トンネル98bおよび縫合糸収容通路91bおよび91dに方向付けられている反対の実施形態を示している。
【0027】
本発明の縫合糸アンカーを骨内に配置する際は、図8Aおよび図8Bに示されているように、ドライバ工具を用いて縫合糸アンカーを骨内にねじ込むことができる。ドライバ工具100は、様々な形状および大きさを有することができるが、通常は、近位ハンドル部分104および遠位端部108を有する細長いシャフト102を含む。この遠位端部108は、本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッドと結合する関係で位置するように構成されたソケット106が形成されている。図8Aおよび図8Bに示されているように、ドライバ工具100のソケット106は、全般に楕円形を有しており、いったん縫合糸アンカーのドライブヘッドがドライブ工具100のソケット106と協働して配置されると、ARM112に係合して協働する、相反したARM係合要素105aおよび105bを含む。ソケット106およびARM係合要素105aおよび105bの形状は、ドライブヘッドがソケット内に結合された関係を提供するように、楕円形ドライブヘッド110との締まりばめ(close fit)を形成し、ARM112と協働する。ドライブヘッドおよびARMに関連したソケットの大きさおよび構成は、ドライブヘッドとドライバ工具との間の確実な嵌め合いを提供し、縫合糸アンカーに対するドライバ工具の回転を防止するのに十分なものであることが望ましい。ドライバ工具100は、縫合糸の自由端を収容するために内部を貫通する内腔(不図示)を含むこともできる。
【0028】
本発明の縫合糸アンカーを形成するのに適した材料は、脂肪族ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、およびポリアルキレンオキシドからなる群から選択される生体適合性ポリマーを含む。本発明の縫合糸アンカーはまた、生体適合性金属、ガラス、またはセラミックから形成するか、または自家移植、同種移植、または異種移植骨組織から形成することができる。縫合糸アンカーは、金属、セラミック、ガラス、およびポリマーの組合せから形成することができる。
【0029】
生体適合性材料は、生分解性または非生分解性とすることができる。ポリマーなどの生分解性材料は、湿性体組織にさらされると、小さなセグメントに容易に分解される。次に、このようなセグメントは、体内に吸収されるかまたは体内を通過する。より具体的には、生分解されたセグメントは、体内に吸収されるか体内を通過し、体がセグメントの永久的な痕跡または残滓を維持しないため、永久的な慢性の異物反応を誘発しない。
【0030】
一実施形態では、縫合糸アンカーは、生分解性脂肪族ポリマーおよびコポリマーポリエステルおよびこれらの混合物を含む。脂肪族ポリエステルは通常、開環重合で合成される。適当なモノマーの例は、限定するものではないが、乳酸、ラクチド(L‐ラクチド、D‐ラクチド、Meso‐ラクチド、およびD‐ラクチドとL‐ラクチドの混合物を含む)、グリコール酸、グリコリド、ε‐カプロラクトン、p‐ジオキサノン(p-dioxanone)(1,4‐ジオキサン‐2‐オン)、およびトリメチレンカーボネート(1,3‐ジオキサン‐2‐オン)を含む。
【0031】
別の実施形態では、装置を構成する材料は、第1リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、α‐第3リン酸カルシウム、β‐第3リン酸カルシウム、および第4リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウムカルシウム(magnesium calcium phosphates)、リン酸塩ガラス、バイオガラス、およびこれらの混合物を含む生分解性ガラスまたはセラミックであろう。
【0032】
別の実施形態では、装置を構成する材料は、生分解性セラミックとポリマーの組合せとすることができる。複合材は、繊維、短繊維、または粒子などの生分解性セラミック強化材を生分解性ポリマー基質内に含めて生成するのが好ましい。
【0033】
特に有用な複合材は、ポリ乳酸(70重量%)中のβ‐第3リン酸カルシウム粒子(30重量%)、すなわち30/70β‐TCP/PLA、およびポリラクチド/ポリグリコリドコポリマー(70重量%)(グリコリドに対するラクチドのモル比(mole ratio lactide to glycolyde)が85/15)中のβ‐第3リン酸カルシウム粒子(30重量%)、すなわち30/70β‐TCP/(85/15PLGA)である。
【0034】
本発明の別の実施形態では、ポリマーおよび混合物は、治療薬放出基質として用いることができる。この基質を生成するために、本装置を形成する前に、ポリマーを治療薬に混合することができる。本発明のポリマーに関連して用いることができる様々な種類の治療薬は膨大である。本発明の医薬品組成物を介して投与できる治療薬は、骨形態形成タンパク質(すなわち、BMP1〜7)、骨形態形成様タンパク質(すなわち、GFD‐5、GFD‐7、GFD‐8)、上皮成長因子(EGF)、線維芽細胞成長因子(すなわち、FGF1‐9)、血小板由来成長因子(PDGF)、インスリン様成長因子(IGF‐I、IGF‐II)、トランスフォーミング成長因子(すなわち、TGF‐βI‐III)、血管内皮成長因子(VEGF)を含む成長因子、および他の天然または遺伝子操作されたタンパク質、多糖、糖タンパク質、またはリポタンパク質を含む。
【0035】
本発明の基質材料は、1つまたは複数の治療薬をポリマーと混合して調製することができる。別法では、医薬的に許容される担体を用いるなどして、治療薬をポリマーにコーティングすることができる。ポリマーを溶解しないあらゆる医薬担体を用いることができる。治療薬は、流体、細かく分割された固体、または任意の他の適当な物理形態として用いることができる。一般に、オプションとして、基質は、希釈剤、担体、賦形剤、および安定剤などの1つまたは複数の添加物を含む。
【0036】
本発明に従った縫合糸アンカーを使用する方法も提供する。本発明に従った骨に軟組織を取り付けるための方法では、本発明の縫合糸アンカーを収容するに十分な大きさのキャビティを骨構造内に形成することができる。次に、縫合糸取付け要素内に配置された縫合糸を含む本発明に従った縫合糸アンカーを、上記したようなドライバ工具に取り付けて、ドライバ工具で骨キャビティ内に挿入する。特定の実施形態では、予めキャビティを形成する必要がなく、縫合糸アンカーを骨構造内に直接挿入することができる。ドライバ工具を取り外して、縫合糸を用いて、縫合糸アンカーに近接した軟組織をこの縫合糸アンカーに取り付ける。
【0037】
以下の例は、本発明の原理および実施方法の例示であり、限定目的ではない。
【0038】
実施例1:挿入トルク破壊試験
縫合糸アイレットの平面に整合した2つのARM(それぞれの高さおよび幅が約0.050インチ(1.27mm))からなる図7のデザインのドライブヘッドを備えた縫合糸アンカーを、2つのARMを備えていない類似のデザインに対して、挿入トルク破壊試験を行った。アンカーは、ポリスルホンから機械加工で形成した。
【0039】
トルク破壊検査を、硬い固体のポリウレタンフォームブロック(ソーボーンズ1522−02(Sawbones, 1522-02)、ワシントン州バション(Vashon)に所在のパシフィック・リサーチ・ラボラトリーズ社(Pacific Research Laboratories, Inc.))で行った。測定値(インチポンド)を、結合する1/4インチ(6.35mm)6角形ドライブヤコブチャックアタッチメント(hexagonal drive Jacobs chuck attachment)を備えたイマダ(イリノイ州ノースブルックに所在のイマダ社(Imada, Inc.))モデルDSD‐4デジタル・トルク・テスター/スクリュードライバ(DSD-4 Digitial Torque Tester/Screwdriver)を用いて記録した。ARMを備えた5つのアンカーの破壊の平均トルクは、ARMを備えていないアンカーデザインの5.6インチポンド(約0.63Nm)に比べて、7.0インチポンド(約0.79Nm)であった。これは、ポリスルホンの本発明(ARM)によるドライブヘッドの25%のトルクの増大を示している。
【0040】
実施例2:挿入トルク破壊試験
縫合糸アイレットの平面に整合した2つのARM(それぞれの高さが0.125インチ(3.175mm)、幅が約0.050インチ(1.27mm))からなる図6のデザインのドライブヘッドを備えた縫合糸アンカーを、2つのARMを備えていない、アイレットが逆になった(従って、最遠位アイレットが楕円形ヘッドの長軸を横断し、近位アイレットが楕円形ヘッドの短軸を横断する)類似のデザインに対して、挿入トルク破壊試験を行った。アンカーは、30/70β‐TCP/(85/15ポリラクチド/ポリグリコリド)複合材(クロロホルム(CHC13)中でキャノン自動粘度計(Cannon Automated Viscometer)で測定した原料ポリマーの開始時の固有粘度は約3.0dL/g)から射出成形した。
【0041】
トルク破壊検査を、約6〜10ポンド(約2.7〜約4.5kg)の圧縮荷重で、硬い固体のポリウレタンフォームブロック(ソーボーンズ1522−02(Sawbones, 1522-02)、ワシントン州バション(Vashon)に所在のパシフィック・リサーチ・ラボラトリーズ社(Pacific Research Laboratories, Inc.))で行った。測定値(インチポンド)を、結合する1/4インチ(6.35mm)6角形ドライブヤコブチャックアタッチメント(hexagonal drive Jacobs chuck attachment)を備えたイマダ(イリノイ州ノースブルックに所在のイマダ社(Imada, Inc.))モデルDSD‐4デジタル・トルク・テスター/スクリュードライバ(DSD-4 Digitial Torque Tester/Screwdriver)を用いて記録した。ARMを備えた5つのアンカーの破壊の平均トルクは、ARMを備えていないアンカーデザインの5.9インチポンド(約0.67Nm)に比べて、7.8インチポンド(約8.81Nm)であった。これは、射出成形複合材の本発明(ARM)によるドライブヘッドの32%のトルクの増大を示している。
【0042】
〔実施の態様〕
(1)縫合糸アンカーにおいて、
近位端部および遠位端部を含み、長さ方向軸を画定している細長いシャンクであって、前記細長いシャンクに形成された少なくとも1つの係合部材を含む、細長いシャンクと、
ドライブヘッドであって、近位端部、遠位端部、半径方向断面形状、前記ドライブヘッドの一部に形成された少なくとも1つの縫合糸取付け要素、および、前記ドライブヘッドと一体の、長さ方向断面形状を含む少なくとも1つの回転防止部材を含む、ドライブヘッドと、
を含み、
前記ドライブヘッドは、前記細長いシャンクに結合されている、縫合糸アンカー。
(2)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記細長いシャンクは、前記近位端部から前記遠位端部にかけてテーパ状である、縫合糸アンカー。
(3)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記少なくとも1つの係合部材は、螺旋ねじ山を含む、縫合糸アンカー。
(4)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、非円形である、縫合糸アンカー。
(5)実施態様(4)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、長方形、正方形、六角形、平坦な楕円形、または楕円形である、縫合糸アンカー。
【0043】
(6)実施態様(5)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、楕円形である、縫合糸アンカー。
(7)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記回転防止部材は、前記ドライブヘッドの長さに沿って近位側に延びている、縫合糸アンカー。
(8)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記回転防止部材は、前記ドライブヘッドの長さに沿って近位側にテーパ状である、縫合糸アンカー。
(9)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
偶数の前記回転防止部材が、前記ドライブヘッドの対称平面に対して前記ドライブヘッドに対称的に配置されている、縫合糸アンカー。
(10)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記回転防止部材の前記長さ方向断面形状は、長方形、曲線状、放物線状、または三角形である、縫合糸アンカー。
【0044】
(11)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記縫合糸取付け要素は、前記ドライブヘッドを通って横断方向に延びる少なくとも1つの縫合糸トンネルを含む、縫合糸アンカー。
(12)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドは、前記ドライブヘッドの外面に形成された少なくとも1つの縫合糸収容通路を含み、この縫合糸収容通路は、前記縫合糸トンネルの開口から近位側に延びている、縫合糸アンカー。
(13)実施態様(1)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記アンカーは、生分解性材料を含む、縫合糸アンカー。
(14)実施態様(13)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、乳酸、ラクチド、グリコール酸、グリコリド、ε‐カプロラクトン、1,4‐ジオキサン‐2‐オン、および1,3‐ジオキサン‐2‐オンからなる群から選択されるモノマーから生成されるポリマー、コポリマー、またはポリマー混合物である、縫合糸アンカー。
(15)実施態様(13)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、生分解性ガラス、第1リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、α‐第3リン酸カルシウム、β‐第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウムカルシウム(magnesium calcium phosphate)、リン酸ガラス、およびバイオガラスからなる群から選択される、縫合糸アンカー。
【0045】
(16)実施態様(13)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、β‐第3リン酸カルシウムおよびポリラクチドからなる複合材である、縫合糸アンカー。
(17)実施態様(13)に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、ポリラクチド/ポリグリコリドコポリマー(70重量%)中のβ‐第3リン酸カルシウム粒子(30重量%)からなる複合材であり、ここで、前記コポリマーにおけるグリコリドに対するラクチドのモル比が、85/15である、縫合糸アンカー。
(18)縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
少なくとも1つの縫合糸アンカーであって、
近位端部および遠位端部を含み、長さ方向軸を画定し、前記細長いシャンクに形成された少なくとも1つの係合部材を含む、細長いシャンク、および、
ドライブヘッドであって、近位端部、前記細長いシャンクに結合された遠位端部、半径方向断面形状、前記ドライブヘッドの一部に形成された少なくとも1つの縫合糸取付け要素、および、前記ドライブヘッドと一体の少なくとも1つの回転防止部材を含む、ドライブヘッド
を有する、少なくとも1つの縫合糸アンカーと、
円柱ドライバ工具であって、
当該円柱ドライバ工具は、遠位端部を有し、前記遠位端部内に形成されたソケットを含み、
前記ソケットは、前記縫合糸アンカーの前記ドライブヘッドを収容し、前記ドライブヘッドに係合するように構成された形状を有する、
円柱ドライバ工具と、
を含む、縫合糸アンカー取付けキット。
(19)実施態様(18)に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、楕円形である、縫合糸アンカー取付けキット。
(20)実施態様(19)に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記縫合糸取付け要素は、前記ドライブヘッドを通って横断方向に延びる少なくとも1つの縫合糸トンネルを含む、縫合糸アンカー取付けキット。
【0046】
(21)実施態様(20)に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記ドライブヘッドは、
前記ドライブヘッドの外面に形成され、前記縫合糸トンネルの開口で始まり、かつ前記縫合糸トンネルの開口から近位側に延びる、少なくとも1つの縫合糸収容通路、
をさらに含む、縫合糸アンカー取付けキット。
(22)実施態様(19)に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記縫合糸取付け要素に配置された縫合糸、
をさらに含む、縫合糸アンカー取付けキット。
(23)軟組織を骨に取り付けるための方法において、
骨キャビティを骨構造内に形成するステップと、
縫合糸アンカーを用意するステップであって、
前記縫合糸アンカーは、
細長いシャンクであって、近位端部および遠位端部を含み、長さ方向軸を画定し、前記シャンクは、前記シャンクに形成された少なくとも1つの係合部材をさらに含む、細長いシャンク、および、
ドライブヘッドであって、近位端部、前記細長いシャンクに結合された遠位端部、前記ドライブヘッドの一部に形成され、内部に縫合糸が配置されている少なくとも1つの縫合糸取付け要素、および、前記ドライブヘッドと一体の少なくとも1つの回転防止部材を含む、ドライブヘッド、
を含む、
ステップと、
前記縫合糸アンカーを前記骨キャビティ内に挿入するステップと、
軟組織を前記縫合糸に取り付けるステップと、
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】本発明の縫合糸アンカーの斜視図である。
【図1B】図1Aに示した縫合糸アンカーの別の斜視図である。
【図1C】図1Aに示した縫合糸アンカーの上面図である。
【図1D】縫合糸が配置された、本発明の縫合糸アンカーの別の斜視図である。
【図1E】縫合糸が配置された、本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド部分の断面図である。
【図2】本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド部分の代替の実施形態の斜視図である。
【図3】本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド部分の代替の実施形態の斜視図である。
【図4】本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド部分の代替の実施形態の斜視図である。
【図5】本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド部分の代替の実施形態の斜視図である。
【図6】本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド部分の代替の実施形態の斜視図である。
【図7】本発明の縫合糸アンカーのドライブヘッド部分の代替の実施形態の斜視図である。
【図8A】本発明に従ったドライバ工具の一実施形態の側面図である。
【図8B】図8Aに示したドライバ工具の最遠位端部の端面図である。
【図9A】ドライブヘッドがドライバ工具のソケットに結合されていない、縫合糸アンカーおよびドライバ工具の一実施形態の斜視図である。
【図9B】本発明の縫合糸アンカーおよびドライバ工具の一実施形態の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫合糸アンカーにおいて、
近位端部および遠位端部を含み、長さ方向軸を画定している細長いシャンクであって、前記細長いシャンクに形成された少なくとも1つの係合部材を含む、細長いシャンクと、
ドライブヘッドであって、近位端部、遠位端部、半径方向断面形状、前記ドライブヘッドの一部に形成された少なくとも1つの縫合糸取付け要素、および、前記ドライブヘッドと一体の、長さ方向断面形状を含む少なくとも1つの回転防止部材を含む、ドライブヘッドと、
を含み、
前記ドライブヘッドは、前記細長いシャンクに結合されている、縫合糸アンカー。
【請求項2】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記細長いシャンクは、前記近位端部から前記遠位端部にかけてテーパ状である、縫合糸アンカー。
【請求項3】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記少なくとも1つの係合部材は、螺旋ねじ山を含む、縫合糸アンカー。
【請求項4】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、非円形である、縫合糸アンカー。
【請求項5】
請求項4に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、長方形、正方形、六角形、平坦な楕円形、または楕円形である、縫合糸アンカー。
【請求項6】
請求項5に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、楕円形である、縫合糸アンカー。
【請求項7】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記回転防止部材は、前記ドライブヘッドの長さに沿って近位側に延びている、縫合糸アンカー。
【請求項8】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記回転防止部材は、前記ドライブヘッドの長さに沿って近位側にテーパ状である、縫合糸アンカー。
【請求項9】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
偶数の前記回転防止部材が、前記ドライブヘッドの対称平面に対して前記ドライブヘッドに対称的に配置されている、縫合糸アンカー。
【請求項10】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記回転防止部材の前記長さ方向断面形状は、長方形、曲線状、放物線状、または三角形である、縫合糸アンカー。
【請求項11】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記縫合糸取付け要素は、前記ドライブヘッドを通って横断方向に延びる少なくとも1つの縫合糸トンネルを含む、縫合糸アンカー。
【請求項12】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドは、前記ドライブヘッドの外面に形成された少なくとも1つの縫合糸収容通路を含み、この縫合糸収容通路は、前記縫合糸トンネルの開口から近位側に延びている、縫合糸アンカー。
【請求項13】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記アンカーは、生分解性材料を含む、縫合糸アンカー。
【請求項14】
請求項13に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、乳酸、ラクチド、グリコール酸、グリコリド、ε‐カプロラクトン、1,4‐ジオキサン‐2‐オン、および1,3‐ジオキサン‐2‐オンからなる群から選択されるモノマーから生成されるポリマー、コポリマー、またはポリマー混合物である、縫合糸アンカー。
【請求項15】
請求項13に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、生分解性ガラス、第1リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、α‐第3リン酸カルシウム、β‐第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウムカルシウム、リン酸ガラス、およびバイオガラスからなる群から選択される、縫合糸アンカー。
【請求項16】
請求項13に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、β‐第3リン酸カルシウムおよびポリラクチドからなる複合材である、縫合糸アンカー。
【請求項17】
請求項13に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、ポリラクチド/ポリグリコリドコポリマー(70重量%)中のβ‐第3リン酸カルシウム粒子(30重量%)からなる複合材であり、ここで、前記コポリマーにおけるグリコリドに対するラクチドのモル比が、85/15である、縫合糸アンカー。
【請求項18】
縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
少なくとも1つの縫合糸アンカーであって、
近位端部および遠位端部を含み、長さ方向軸を画定し、前記細長いシャンクに形成された少なくとも1つの係合部材を含む、細長いシャンク、および、
ドライブヘッドであって、近位端部、前記細長いシャンクに結合された遠位端部、半径方向断面形状、前記ドライブヘッドの一部に形成された少なくとも1つの縫合糸取付け要素、および、前記ドライブヘッドと一体の少なくとも1つの回転防止部材を含む、ドライブヘッド
を有する、少なくとも1つの縫合糸アンカーと、
円柱ドライバ工具であって、
当該円柱ドライバ工具は、遠位端部を有し、前記遠位端部内に形成されたソケットを含み、
前記ソケットは、前記縫合糸アンカーの前記ドライブヘッドを収容し、前記ドライブヘッドに係合するように構成された形状を有する、
円柱ドライバ工具と、
を含む、縫合糸アンカー取付けキット。
【請求項19】
請求項18に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、楕円形である、縫合糸アンカー取付けキット。
【請求項20】
請求項19に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記縫合糸取付け要素は、前記ドライブヘッドを通って横断方向に延びる少なくとも1つの縫合糸トンネルを含む、縫合糸アンカー取付けキット。
【請求項21】
請求項20に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記ドライブヘッドは、
前記ドライブヘッドの外面に形成され、前記縫合糸トンネルの開口で始まり、かつ前記縫合糸トンネルの開口から近位側に延びる、少なくとも1つの縫合糸収容通路、
をさらに含む、縫合糸アンカー取付けキット。
【請求項22】
請求項19に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記縫合糸取付け要素に配置された縫合糸、
をさらに含む、縫合糸アンカー取付けキット。
【請求項23】
軟組織を骨に取り付けるための方法において、
骨キャビティを骨構造内に形成するステップと、
縫合糸アンカーを用意するステップであって、
前記縫合糸アンカーは、
細長いシャンクであって、近位端部および遠位端部を含み、長さ方向軸を画定し、前記シャンクは、前記シャンクに形成された少なくとも1つの係合部材をさらに含む、細長いシャンク、および、
ドライブヘッドであって、近位端部、前記細長いシャンクに結合された遠位端部、前記ドライブヘッドの一部に形成され、内部に縫合糸が配置されている少なくとも1つの縫合糸取付け要素、および、前記ドライブヘッドと一体の少なくとも1つの回転防止部材を含む、ドライブヘッド、
を含む、
ステップと、
前記縫合糸アンカーを前記骨キャビティ内に挿入するステップと、
軟組織を前記縫合糸に取り付けるステップと、
を含む、方法。
【請求項1】
縫合糸アンカーにおいて、
近位端部および遠位端部を含み、長さ方向軸を画定している細長いシャンクであって、前記細長いシャンクに形成された少なくとも1つの係合部材を含む、細長いシャンクと、
ドライブヘッドであって、近位端部、遠位端部、半径方向断面形状、前記ドライブヘッドの一部に形成された少なくとも1つの縫合糸取付け要素、および、前記ドライブヘッドと一体の、長さ方向断面形状を含む少なくとも1つの回転防止部材を含む、ドライブヘッドと、
を含み、
前記ドライブヘッドは、前記細長いシャンクに結合されている、縫合糸アンカー。
【請求項2】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記細長いシャンクは、前記近位端部から前記遠位端部にかけてテーパ状である、縫合糸アンカー。
【請求項3】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記少なくとも1つの係合部材は、螺旋ねじ山を含む、縫合糸アンカー。
【請求項4】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、非円形である、縫合糸アンカー。
【請求項5】
請求項4に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、長方形、正方形、六角形、平坦な楕円形、または楕円形である、縫合糸アンカー。
【請求項6】
請求項5に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、楕円形である、縫合糸アンカー。
【請求項7】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記回転防止部材は、前記ドライブヘッドの長さに沿って近位側に延びている、縫合糸アンカー。
【請求項8】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記回転防止部材は、前記ドライブヘッドの長さに沿って近位側にテーパ状である、縫合糸アンカー。
【請求項9】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
偶数の前記回転防止部材が、前記ドライブヘッドの対称平面に対して前記ドライブヘッドに対称的に配置されている、縫合糸アンカー。
【請求項10】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記回転防止部材の前記長さ方向断面形状は、長方形、曲線状、放物線状、または三角形である、縫合糸アンカー。
【請求項11】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記縫合糸取付け要素は、前記ドライブヘッドを通って横断方向に延びる少なくとも1つの縫合糸トンネルを含む、縫合糸アンカー。
【請求項12】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記ドライブヘッドは、前記ドライブヘッドの外面に形成された少なくとも1つの縫合糸収容通路を含み、この縫合糸収容通路は、前記縫合糸トンネルの開口から近位側に延びている、縫合糸アンカー。
【請求項13】
請求項1に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記アンカーは、生分解性材料を含む、縫合糸アンカー。
【請求項14】
請求項13に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、乳酸、ラクチド、グリコール酸、グリコリド、ε‐カプロラクトン、1,4‐ジオキサン‐2‐オン、および1,3‐ジオキサン‐2‐オンからなる群から選択されるモノマーから生成されるポリマー、コポリマー、またはポリマー混合物である、縫合糸アンカー。
【請求項15】
請求項13に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、生分解性ガラス、第1リン酸カルシウム、第2リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、α‐第3リン酸カルシウム、β‐第3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウムカルシウム、リン酸ガラス、およびバイオガラスからなる群から選択される、縫合糸アンカー。
【請求項16】
請求項13に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、β‐第3リン酸カルシウムおよびポリラクチドからなる複合材である、縫合糸アンカー。
【請求項17】
請求項13に記載の縫合糸アンカーにおいて、
前記生分解性材料は、ポリラクチド/ポリグリコリドコポリマー(70重量%)中のβ‐第3リン酸カルシウム粒子(30重量%)からなる複合材であり、ここで、前記コポリマーにおけるグリコリドに対するラクチドのモル比が、85/15である、縫合糸アンカー。
【請求項18】
縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
少なくとも1つの縫合糸アンカーであって、
近位端部および遠位端部を含み、長さ方向軸を画定し、前記細長いシャンクに形成された少なくとも1つの係合部材を含む、細長いシャンク、および、
ドライブヘッドであって、近位端部、前記細長いシャンクに結合された遠位端部、半径方向断面形状、前記ドライブヘッドの一部に形成された少なくとも1つの縫合糸取付け要素、および、前記ドライブヘッドと一体の少なくとも1つの回転防止部材を含む、ドライブヘッド
を有する、少なくとも1つの縫合糸アンカーと、
円柱ドライバ工具であって、
当該円柱ドライバ工具は、遠位端部を有し、前記遠位端部内に形成されたソケットを含み、
前記ソケットは、前記縫合糸アンカーの前記ドライブヘッドを収容し、前記ドライブヘッドに係合するように構成された形状を有する、
円柱ドライバ工具と、
を含む、縫合糸アンカー取付けキット。
【請求項19】
請求項18に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記ドライブヘッドの前記半径方向断面形状は、楕円形である、縫合糸アンカー取付けキット。
【請求項20】
請求項19に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記縫合糸取付け要素は、前記ドライブヘッドを通って横断方向に延びる少なくとも1つの縫合糸トンネルを含む、縫合糸アンカー取付けキット。
【請求項21】
請求項20に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記ドライブヘッドは、
前記ドライブヘッドの外面に形成され、前記縫合糸トンネルの開口で始まり、かつ前記縫合糸トンネルの開口から近位側に延びる、少なくとも1つの縫合糸収容通路、
をさらに含む、縫合糸アンカー取付けキット。
【請求項22】
請求項19に記載の縫合糸アンカー取付けキットにおいて、
前記縫合糸取付け要素に配置された縫合糸、
をさらに含む、縫合糸アンカー取付けキット。
【請求項23】
軟組織を骨に取り付けるための方法において、
骨キャビティを骨構造内に形成するステップと、
縫合糸アンカーを用意するステップであって、
前記縫合糸アンカーは、
細長いシャンクであって、近位端部および遠位端部を含み、長さ方向軸を画定し、前記シャンクは、前記シャンクに形成された少なくとも1つの係合部材をさらに含む、細長いシャンク、および、
ドライブヘッドであって、近位端部、前記細長いシャンクに結合された遠位端部、前記ドライブヘッドの一部に形成され、内部に縫合糸が配置されている少なくとも1つの縫合糸取付け要素、および、前記ドライブヘッドと一体の少なくとも1つの回転防止部材を含む、ドライブヘッド、
を含む、
ステップと、
前記縫合糸アンカーを前記骨キャビティ内に挿入するステップと、
軟組織を前記縫合糸に取り付けるステップと、
を含む、方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【公表番号】特表2009−500081(P2009−500081A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519650(P2008−519650)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/025765
【国際公開番号】WO2007/002919
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(591286579)エシコン・インコーポレイテッド (170)
【氏名又は名称原語表記】ETHICON, INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/025765
【国際公開番号】WO2007/002919
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(591286579)エシコン・インコーポレイテッド (170)
【氏名又は名称原語表記】ETHICON, INCORPORATED
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]