説明

改善された排液装置および/または引込式スリーブを有するカテーテルならびにそれを使用する方法

カテーテルが、近位端部および遠位端部を有する細長部材(12)を有する。この遠位端部は、少なくとも1つの排液用開口部(20)を有する。この少なくとも1つの排液用開口部(20)は、1つの細長開口部であるか、または円周状に離間される2つの細長開口部(図5)であるか、または少なくとも3つの千鳥状の開口部(図3)であるか、または千鳥状の開口部のアレイ(図3)であるか、のうちの少なくとも1つである。別法としてまたは追加で、スリーブ部材(10)が、細長部材(12)上に配置され、少なくとも、少なくとも1つの排液用開口部(20)を覆う第1の位置(図1)と、流体がカテーテルへと通過するのを可能にする第2の位置(図2)との間で移動可能である。このカテーテルを使用する方法が、引込式スリーブ(10)を有するカテーテルを使用者の身体内へ挿入することと、排液用開口部(20)を露出させて身体から流体を排液するために引込式スリーブ(10)を引っ込めることとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、参照によりここに明示的にその開示の全体が本明細書に組み込まれる、2009年7月29日に出願された米国仮特許出願61/229,563号に基づく国際出願である。
政府の権益に関する記述
[0002]該当なし。
【背景技術】
【0002】
[0003]間欠的カテーテル法は、通常の排液が不可能または困難である場合の、膀胱から排液される尿の滅菌処置である。間欠式カテーテルを適切に使用することにより、尿路感染症および腎臓障害のリスクが軽減される。間欠式カテーテルは身体に適合するように多様なサイズおよび長さが存在する。また、一部のカテーテルは予め潤滑されて使用され得る。
【0003】
[0004]間欠的カテーテル法は、一般に、患者または治療奉仕者により最小で一日4回行われる。尿道口の近傍の生殖器領域がヨウ素などの防腐薬を用いて拭われる。次いで、カテーテルを尿道に入れるのを容易にするために潤滑剤が使用されてよい。この手技中、尿道口の感覚を麻痺させるために局部麻酔薬(topical local anesthetic)が使用されてもよい。カテーテルの一方の端部が容器内に位置され、もう一方の端部が尿道に挿入されて尿道の上方へと誘導されて、尿道が流れるようになるまで膀胱内へと入れられる。
【0004】
[0005]尿の流れが止まると、カテーテルは、位置を変更されたり、移動されたり、回転され得るようになる。尿がすべて膀胱からなくなるように患者に位置を変更させることもできる。その後、カテーテルは引抜かれて、次の使用のために洗浄されて滅菌され得る。推奨される洗浄手法は、石鹸および水を使用することから、沸騰水または消毒剤溶液中に浸すことまで、多様である。患者によっては、挿入される毎にすなわち1回のカテーテル法毎に新しいカテーテルを使用することを好む場合がある。
【0005】
[0006]間欠式カテーテルは、一般に、患者の膀胱に挿入される丸い非外傷性の遠位先端部を有するカテーテルすなわちチューブである。通常、成形ファンネルが、患者または使用者の身体の外側に残る遠位端部に接続される。遠位先端部は、先端部が膀胱の内側に位置されたときにそこから尿が排液されるのを促進するためにシャフト上にスロットまたは開口部を有していてよい。
【0006】
[0007]前湿潤処理される(pre−wetted)間欠式カテーテルは、患者すなわち使用者の中に挿入されるのを容易にするためにカテーテルに滑りやすい外側表面を設けるようにパッケージされるあるいは流体に接触させられる高潤滑性のコーティングをその外側表面上に有する間欠式カテーテルである。
【0007】
[0008]既存の前湿潤処理される間欠式カテーテルは3つの広義のカテゴリーに分けられる。第1のタイプでは、カテーテルは乾燥した環境内でパッケージされるが、湿った状態となるためには湿潤流体を必要とする潤滑性コーティングを含む。湿潤流体は使用者により外部の供給源(例えば、シンク、ボトル入りの水など)から得られ、カテーテルが湿った状態となるために一定時間湿潤用流体の中に置かれる。清潔な水または清潔な湿潤用流体が容易に入手できない場合、この第1のタイプの間欠式カテーテルを使用することが困難である場合がある。さらに、湿潤用流体を適用するときに使用者がカテーテルを取り扱うことによりカテーテルの滅菌度(sterility)が損なわれる場合がある。
【0008】
[0009]第2のタイプの前湿潤処理される間欠式カテーテルもやはり乾燥した環境内でパッケージされ、潤滑性コーティングを含む。しかし、湿潤用流体はカテーテルパッケージ自体の中のポーチまたは容器に入れられている。カテーテルを湿らせる際、使用者が挿入の準備ができた状態でポーチまたは容器が開けられる。このようなカテーテルの適当な例が米国特許第7,087,048号明細書に開示されている(その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる)。第1のタイプと同様に、潤滑性コーティングを確実に湿らせるためにはカテーテルが一定時間湿潤流体に露出されることから、この第2のタイプも不利となる場合がある。挿入の際にやはりカテーテルの滅菌度が損なわれる可能性がある。
【0009】
[00010]第3のタイプの前湿潤処理される間欠式カテーテルは湿った環境内でパッケージされる。すなわち、カテーテルはカテーテルパッケージ内において湿潤用流体に露出されており、したがってコーティングは湿った状態にある。しかし、表面が滑りやすいことから使用者がカテーテルを取り扱うのが困難となる可能性があり、余計に取り扱うことでまたは不正確に取り扱うことで使用者によりカテーテルが汚染される場合がある。このことにより、使用者が尿路感染症になる可能性がある。
【0010】
[00011]また、既存の間欠式カテーテルは尿をバッグ内へ排液する。膀胱からバッグ内への排液後、バッグは、反転させて切り口を入れることにより空にされ得る。ここでは尿はその裂け目を介して入れ物の中に排液される。この処置は時間がかかる可能性がり、面倒である可能性があり、尿がこぼれる可能性がある。
【0011】
[00012]病院の設備(hospital setting)または養護施設の設備(nursing home setting)で使用される非間欠的なカテーテル法(Non−intermittent catheterization)は、尿路カテーテルを挿入するのに同じ基本的技術を使用する。カテーテルが看護師または医療従事者によって挿入され、カテーテルは、膀胱の機能が独立して維持され得るようになるまで患者の中に留められる。カテーテルが取り外されると、患者は引っ張られる感覚を受け、何らかのわずかな不快感を受ける場合がある。カテーテルが長時間必要となる場合、Foleyカテーテルなどの長期留置カテーテルが使用される。これは、感染を防ぐために3週間から6週間毎に新しいカテーテルに定期的に交換されなければならない。
【0012】
[00013]適切なカテーテルの使用法は、しばしば、処置が必要となる時間の長さ:長期の使用(しばしば留置と呼ばれる)または短期の使用、によっても決定され得る。一部の状況では、治療のコストを削減するために尿失禁患者にカテーテルが使用される。接着剤を使用してペニスの外側に取り付けられるコンドームカテーテルが男性の短期のカテーテル法のために使用され得る。しかし、長期にわたって使用すると尿路感染症のリスクが大幅に増すことから、長期のカテーテル法は推奨されない。リスクを伴うこのカテーテル法は、他の方法が上手くいかないと分かっておりまた皮膚にとって大きなリスクがある場合にのみ失禁を制御するための最後の手段として見なされなければならない。
【0013】
[00014]尿を集めるために、一定期間定位置に留められるカテーテルが排液バッグに取り付けられ得る。排液バッグには2つのタイプがある。1つは、弾性バンドにより脚に取り付けられる小型の排液装置であるレッグバッグである。レッグバッグは、ズボンまたはスカートの下に目立たないように取り付けられ、中身をトイレに容易に流せることから、普通は昼間に装着される。排液バッグの2つ目のタイプは、夜間に使用され得るダウンドレイン(down drain)と呼ばれる大型の装置である。この装置は普通患者のベッドの上に掛けられるか、または、近くのフロアの上に置かれる。
【0014】
[00015]長期使用中、カテーテルは全持続時間を通して定位置に残されてよく、または、患者が、膀胱を空にしてカテーテルを取り外すのにちょうど十分な長さだけカテーテルを配置するための間欠的自己導尿手技(intermittent self−catheterization procedure)についての指示を受けることができる。大きな手術を受ける患者はしばしばカテーテルを挿入され、長期間その状態を維持される場合がある。長期のカテーテル法では患者の感染の危険性が増す。失禁の治療法としての長期のカテーテル法は、利点より危険の方が勝ることから適切はない。
【0015】
[00016]男性の場合、例えば、カテーテルチューブはペニスを介して尿路に挿入される。コンドームカテーテルが使用されてもよい。女性の場合、カテーテルは、ポビドンヨウ素を使用して洗浄した後に尿道口へ挿入される。女性の場合、生殖器の配置が多様であることから(年齢、肥満、女性器切除、出産、または別の要因による)、この手技は複雑である場合があるが、優れた臨床医は、そのような患者を治療する場合は解剖学的標識点および忍耐力に依存しなければならない。
【0016】
[00017]患者にカテーテルを挿入しなければならないときの一般的な兆候には、急性尿閉または慢性尿閉(腎臓を損傷させる場合がある)、患者の行動を制限する場合がある整形外科手技、(ICUにおいてなど)入力および出力を正確にモニタリングしなければならないとき、前立腺肥大症、失禁、ならびに、膀胱および前立腺を含めた多様な外科的介入の影響が含まれる。
【0017】
[00018]患者によっては、カテーテルを挿入したり取り外したりすることにより激痛を感じる場合があり、その場合はどちらの性の患者にも局所麻酔薬が使用されてよい。カテーテル法は滅菌医学的手技として実施されるべきであり、また、この目的のために設計された装置を使用して、訓練した有資格者によってのみ行われるべきである。しかし、間欠的自己導尿法の場合、患者が自分自身により手技を行うことができる。適切な手法が用いられない場合、尿道または前立腺(男性)が外傷を受ける場合がある。尿路感染症または嵌頓包茎(割礼を受けていない男性患者)につながる場合もある。
【0018】
[00019]カテーテル使用の特定の合併症には:尿路感染症または腎感染、血液感染(敗血症)、尿道損傷、皮膚損傷、膀胱結石、および、尿中の血液(血尿)、が含まれてよい。カテーテルを長年使用すると、膀胱癌が進展する場合もある。留置(長期)カテーテルを使用する場合、特に、カテーテルおよび排液バッグを毎日管理することが非常に重要である。
【0019】
[00020]カテーテルには、多様なサイズ、材料(ラテックス、シリコン、PVCまたはTeflon)、および、タイプ(Foleyカテーテル、直線状のカテーテル、または、クーデチップカテーテル)がある。尿道に挿入される内部カテーテル(internal catheter)の場合、通常は最も小さいサイズが推奨されるが、カテーテル周りの尿の漏洩を制御するために大きいサイズが必要となる場合もある。また、尿が濃かったり、血液を含んでいたり、または、多量の沈殿物を含んでいたりする場合も、大きいサイズが必要となることがある。しかし、大きい内部カテーテルは尿道を傷つけやすい。患者によっては、ラテックスカテーテルを長期使用すると、ラテックスに対してアレルギーまたは過敏性(sensitivity)を示す場合がある。そのような場合、シリコンタイプまたはTeflonタイプが使用されるべきである。銀合金で被覆された尿道カテーテルは感染症を軽減することができる。
【0020】
[00021]カテーテルの直径はフレンチカテーテルスケール(F)によって大きさを決定されてよい。最も一般的なサイズは10Fから28F(約3.3mmから9.24mm)である。臨床医は、尿が自由に流れるのを可能にするくらいの十分な大きさでありかつカテーテル周りの尿の漏洩を制御するのに十分な大きさのサイズを選択する。尿が濃かったり、血液を含んでいたり、または、多量の沈殿物を含んでいたりする場合、大きいサイズが必要となることがある。しかし、大きいサイズのカテーテルは尿道を傷つけやすい。(Jeffrey ANら編、Surgery:Basic Science and Clinical Evidence Springer、2nd ed.、2008年、281ページ)
[00022]カテーテルは、連邦食品医薬品化粧品法(the act)のセクション513、および、21CFR807.87(c)に記載される該当するパネル(78 Gastroenterology/Urology)に基づいてクラスIIの医療装置として規定される。
【0021】
[00023]最後に、既存の間欠式カテーテルが、通常は、カテーテルの遠位端部にすなわち挿入先端部の近傍に位置される、2つの千鳥状の排液用アイレット(drainage eyelet)すなわち開口部を有することに留意されたい。これらの開口部はカテーテルの排液能力を制限する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
[00024]本発明は、従来技術の装置の欠点の一部を排除するまたは最小にする使いやすい尿道カテーテル組立体を対象とする。このカテーテルは一回使用のカテーテルであってよく、および/または、一回使用の装置としてパッケージ化されてよい。本発明の非限定の実施形態は、上で考察した従来技術の1つまたは複数の特徴との組合せで、本明細書に記載されるおよび/または図面に示される1つまたは複数の特徴を含む。
【0023】
[00025]本発明の非限定の実施形態は、カテーテル上の千鳥状の排液用アイレットすなわち開口部のアレイを使用することにより排液を改善することを可能にする。
[00026]本発明の非限定の実施形態はまた、カテーテル上の拡大された1つの排液用アイレットすなわち開口部を使用することにより排液を改善することを可能にする。
【0024】
[00027]本発明の非限定の実施形態はまた、概して同軸の開口部、カウンシルオープニング(council opening)、および/または、誘導開口部であってよい開口部を有するカテーテル先端部を提供する。この開口部は、カテーテルが膀胱内で適切に位置されていることを使用者に指示するために少量の尿がカテーテルを通過するのを可能にすることができる。この開口部はまた、カテーテルを挿入するのを容易にするために誘導ワイヤを受けることができる。
【0025】
[00028]本発明の非限定の実施形態はまた、上に配置される引込式スリーブを有するカテーテルを提供する。好適には、このスリーブは、スリーブが排液用開口部を覆っている状態の第1の位置すなわち最初の位置からスリーブが排液用開口部を覆っていない第2の位置すなわち引込位置まで移動され得る潤滑性スリーブである。
【0026】
[00029]本発明の非限定の実施形態は、カテーテルが膀胱内に挿入されているときに使用者または患者によって移動され得る、上に配置される引込式スリーブを有するカテーテルを提供する。
【0027】
[00030]本発明の非限定の実施形態はまた、引込式スリーブを有するカテーテルを使用者の身体内に挿入すること、および排液用開口部を露出させて使用者の身体から流体を排液するためにスリーブを引っ込めることを含む、本明細書で説明されるタイプのカテーテルを挿入する方法を提供する。この流体は尿であってよく、この方法はまた、カテーテル先端部が膀胱内に適切におよび/または完全に挿入されていることを判断することを含んでよい。
【0028】
[00031]本発明の非限定の実施形態はまた、引込式スリーブを有するカテーテルを膀胱内に挿入することと、カテーテル先端部が膀胱内に適切におよび/または完全に挿入されていることを指示することと、排液用開口部を露出させて膀胱から尿を排液するためにスリーブを引っ込めることとを含んでいてよい、本明細書で説明されるタイプのカテーテルを使用して膀胱から排液する方法を提供する。
【0029】
[00032]本発明の非限定の実施形態はまた、誘導ワイヤを使用して、引込式スリーブを有するカテーテルを膀胱内へと誘導することと、排液用開口部を露出させて膀胱から尿を排液するためにスリーブを引っ込めることとを含んでいてよい、本明細書で説明されるタイプのカテーテルを使用して膀胱から排液する方法を提供する。この方法はまた、カテーテル先端部が適切におよび/または完全に膀胱内に挿入されていることを指示することを含んでいてよい。
【0030】
[00033]本発明はまた、近位端部および遠位端部を有する細長部材を有するカテーテルを提供する。遠位端部は、少なくとも1つの排液用開口部を有する。この少なくとも1つの排液用開口部が、1つの細長開口部を有すること、この少なくとも1つの排液用開口部が、円周状に離間される2つの細長開口部を有すること、この少なくとも1つの排液用開口部が、少なくとも3つの千鳥状の開口部を有すること、この少なくとも1つの排液用開口部が、千鳥状の開口部のアレイを有すること、およびスリーブ部材が、細長部材上に配置され、少なくとも、少なくとも1つの排液用開口部を覆う第1の位置と、流体がカテーテルを通過するのを可能にする第2の位置との間で移動可能であること、のうちの少なくとも1つである。
【0031】
[00034]このカテーテルはスリーブ部材を有していてよく、このスリーブ部材は、使用者が握持するのを容易にする遠位端部をさらに有する。このカテーテルはスリーブ部材を有していてよく、このスリーブ部材は、スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される水和性コーティング、スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される潤滑性コーティング、および、スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される親水性かつ生体適合性のコーティング、のうちの1つをさらに有する。このカテーテルは間欠式カテーテルであってよい。
【0032】
[00035]このカテーテルは1つの細長開口部を有していてよく、この1つの細長開口部は細長い長円形状の開口部であってよい。このカテーテルは少なくとも3つの千鳥状の開口部を有していてよく、これらの千鳥状の開口部の各々は概して長円形状であってよい。このカテーテルは千鳥状の開口部のアレイを有していてよく、千鳥状の各開口部は概して長円形状であってよい。このカテーテルは円周状に離間される2つの細長開口部を有していてよく、各細長開口部は概して長円形状であってよい。このカテーテルはスリーブ部材を有していてよく、このスリーブ部材は、スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される潤滑性の抗菌コーティングをさらに有していてよい。このカテーテルは、細長部材の遠位端部の上に配置される事前排液用開口部をさらに有していてよい。このカテーテルは、スリーブ部材と細長部材との間にシールを形成するように配置されるシーリング部材をさらに有していてよい。
【0033】
[00036]細長部材は、細長部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される水和性コーティング、細長部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される潤滑性コーティング、および、細長部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される親水性かつ生体適合性のコーティング、のうちの1つを有していてよい。この細長部材は開口部を有する先端部を有していてよい。この開口部は、概して同軸の開口部、カウンシルオープニング、誘導開口部、および、誘導ワイヤ受け開口部、のうちの1つであってよい。この開口部は、カテーテルが膀胱内で適切に位置されていることを使用者に指示するために少量の尿がカテーテルを通過するのを可能にするように構成されてよい。この開口部は、カテーテルを挿入するのを容易にするために誘導ワイヤを受けるように構成されてよい。このカテーテルはスリーブ部材を有していてよく、このスリーブ部材は、カテーテルが膀胱内に挿入されている間に使用者または患者によって移動され得る。
【0034】
[00037]本発明はまた、上述したタイプのカテーテルを挿入する方法を提供し、この方法は、使用者の身体内にカテーテルスリーブを挿入することと、排液用開口部を露出して使用者の身体から流体を排液するためにスリーブ部材を引っ込めることとを含む。
【0035】
[00038]この流体は尿であってよい。この方法は、カテーテル先端部が膀胱内に適切におよび/または完全に挿入されていることを判断することをさらに含んでよい。
[00039]本発明はまた、上述したタイプのカテーテルを使用して膀胱から排液する方法を提供し、この方法は、引込式スリーブを有するカテーテルを膀胱内に挿入することと、カテーテル先端部が膀胱内に適切におよび/または完全に挿入されていることを指示することと、排液用開口部を露出させて膀胱から尿を排液するために引込式スリーブを引っ込めることとを含む。
【0036】
[00040]本発明はまた、上述したタイプのカテーテルを使用して膀胱から排液する方法を提供し、この方法は、誘導ワイヤを用いて、引込式スリーブを有するカテーテルを膀胱内へ誘導することと、排液用開口部を露出させて膀胱から尿を排液するために引込式スリーブを引っ込めることとを含む。
【0037】
[00041]この方法は、カテーテル先端部が膀胱内に適切におよび/または完全に挿入されていることを指示することをさらに含むことができる。
[00042]本発明はまた、近位端部および遠位端部を有する細長部材を有するカテーテルを提供する。この遠位端部は、1つの細長い排液用開口部、円周状に離間される2つの細長い排液用開口部、少なくとも3つの千鳥状の排液用開口部、および、千鳥状の排液用開口部のアレイ、のうちの少なくとも1つを有する。スリーブ部材が、細長部材の上に位置され、および/または移動可能に配置され、握持部材を有する。このスリーブ部材は、細長部材を用いて使用者の身体内に挿入可能であり、また少なくとも、流体がカテーテル内へと通過するのを防止する第1の位置と、流体がカテーテル内へと通過するのを可能にする第2の位置との間で移動可能である。
【0038】
[00043]本発明はまた、近位端部および遠位端部を有する細長部材を有するカテーテルを提供する。遠位端部は、少なくとも1つの排液用開口部を有する。この少なくとも1つの排液用開口部が、1つの細長開口部を有すること、この少なくとも1つの排液用開口部が、少なくとも3つの千鳥状の開口部を有すること、およびこの少なくとも1つの排液用開口部が、千鳥状の開口部のアレイを有すること、のうちの少なくとも1つである。移動可能なスリーブ部材が細長部材上に配置される。このスリーブ部材は、細長部材を用いて使用者の身体内に挿入可能であってよく、また少なくとも、流体が細長部材の遠位端部内へと通過するのを防止する第1の位置と、流体が細長部材の遠位端部内へと通過するのを可能にする第2の位置との間で移動可能である。
【0039】
[00044]このスリーブ部材は、少なくとも、少なくとも1つの排液用開口部を覆う第1の位置と、少なくとも1つの排液用開口部のすべてを露出させる第2の位置との間で移動可能であってよい。このスリーブ部材は、使用者が握持するのを容易にする遠位端部を有していてよい。このスリーブ部材は、スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される水和性コーティング、スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される潤滑性コーティング、および、スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される親水性かつ生体適合性のコーティング、のうちの1つをさらに有していてよい。このカテーテルは間欠式カテーテルであってよい。
【0040】
[00045]細長部材は、細長部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される潤滑性の抗菌コーティングを有していてよく、また、スリーブ部材は、スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される潤滑性の抗菌コーティングを有していてよい。
【0041】
[00046]本発明はまた、上述したカテーテルを使用して膀胱から排液する方法を提供し、この方法は、引込式スリーブを有するカテーテルを膀胱内に挿入することと、カテーテル先端部が膀胱内に適切におよび/または完全に挿入されていることを使用者に指示することと、排液用開口部を露出させて膀胱から尿を排液するために引込式スリーブを引っ込めることとを含む。
【0042】
[00047]本発明はまた、上述したカテーテルを使用して膀胱から排液する方法を提供し、この方法は、誘導ワイヤを用いて、引込式スリーブを有するカテーテルを膀胱内へ誘導することと、排液用開口部を露出させて膀胱から尿を排液するために引込式スリーブを引っ込めることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】[00048]閉じられており/引き伸ばされており/最初の状態であり/使用前の構成の、間欠式細長カテーテルまたはカテーテルシステムを示す図である。
【図2】[00049]開けられており/引っ込められており/使用される構成の、図1の間欠式細長カテーテルを示す図である。
【図3】[00050]導管の遠位端部のところに配置される複数のアイレットすなわち開口部を示す図であり、導管は、引き伸ばされた構成では、アイレットが開いている。
【図4】[00051]導管の遠位端部の近傍の、図3の、開けられており/引き伸ばされた構成の間欠式細長カテーテルを示す断面図である。
【図5】[00052]開けられた/引き伸ばされた構成の間欠式細長カテーテルを示す図であり、導管の遠位端部の近傍に2つの細長いアイレットが示されている。
【図6】[00053]導管の遠位端部の近傍の、図5の開けられており/引き伸ばされた構成の間欠式細長カテーテルを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
[00054]以下の説明は図面を参照して読まれるべきであり、ここでは異なる図面の同様の要素は同じ参照符号が付されている。必ずしも正確な縮尺ではないこれらの図面は選択された実施形態を描いており、本発明の範囲を限定することを意図しない。詳細な記述は、限定せずに例として、本発明の原理を説明する。この記述は当業者が本発明を作って使用するのを可能にし、また、本発明を実施する最良の形態と現在考えられるものを含む、本発明の複数の実施形態、適応形態、変形形態、代替形態および使用法を説明する。
【0045】
[00055]本明細書で使用される「遠位」および「近位」という指示語は、患者にカテーテルを挿入する医療従事者を基準とした近接度を示す(近位は遠位より接近している)。例えば、本明細書では、カテーテル挿入時に医療従事者に最も接近するカテーテル装置の領域または区間が「近位」と称され、患者の膀胱に最も接近するカテーテル装置の領域または区間が「遠位」と称される。患者が自分でカテーテルを挿入する場合、近位は患者の身体の外部の箇所を示し、遠位は患者の身体内の箇所(すなわち、膀胱)を示す。
【0046】
[00056]本明細書で説明されるカテーテル組立体は、膀胱から尿を排液するために膀胱内に挿入される尿道カテーテルの文脈により考察される。しかし、本カテーテル組立体は、本明細書で特に言及されない別の用途に使用されてもよい。したがって、本発明は尿道カテーテルの用途に限定されない。
【0047】
[00057]図1および2は、本発明の細長い間欠式の尿道カテーテルの非限定の実施形態を示している。図1は、閉じられており/引き伸ばされており/最初の状態であり/初期の構成のカテーテルを示しており、図2は、開けられており/引っ込められており/使用される状態であり/ロックされた構成のカテーテルを示している。
【0048】
[00058]図1に示される組立体は、遠位端部が膀胱内に安全に位置されるまで使用者の身体内に挿入され得る。その後、カテーテルを図2に示される位置に配置するためにスリーブが引っ込められ得る。このようにして、膀胱からの流体がカテーテルを通して排液され得るようになる。図1に示されるカテーテルの遠位端部の外側表面の大部分は、カテーテルが使用者の身体内に挿入されるのを容易にするために潤滑性コーティングを有していてよい。
【0049】
[00059]このカテーテルは、近位端部および遠位端部を有する細長部材12を有する。細長部材12は、概して円筒形のカテーテルなどの従来のカテーテルで通常使用される任意のサイズおよび形状を有していてよく、流体が通過するおよび/または排液されるのを可能にする内部ルーメンすなわち空間を画定している。近位端部は、カテーテルで通常使用される任意のタイプであってよいファンネル18を含む。ファンネル18は、カテーテルで通常使用される任意のタイプの流体収集システムまたはバッグに接続され得る。非限定の例では、ファンネル18は、部材12の近位端部上に配置されて摩擦嵌合されるゴム製またはプラスチック製のドレナージファンネル18であってよい。使い捨てバッグ(図示せず)が、患者の尿を集めるためにドレナージファンネル18上に配置されおよび/またはドレナージファンネル18に連結されてよい。また、部材12の遠位端部は先端部16を含む。先端部16は遠位端部の最も前方の部分に配置され、カテーテルの挿入端部を画定する。細長部材12はまた、好適には、その外側表面上に生体適合性、親水性、抗菌および/または潤滑性のコーティングを含む(図示せず)。
【0050】
[00060]スリーブ部材10が細長部材12上に配置される。スリーブ部材10は近位端部および遠位端部を有する。近位端部はその上に配置される握持部分14を有し、また、遠位端部22は、図1および2に示される位置の間で移動することができる。スリーブ部材10は任意のサイズおよび形状を有してよいが、好適には部材12のサイズおよび形状に概して対応する。スリーブ部材10は概して円筒形であってよく、中で(一定のクリアランスを有して)細長部材12を受ける内部ルーメンまたは空間を画定する。スリーブ10は実質的に透明であっても半透明であってもよい。図1および2の点線は、部材12およびスリーブ10の内径表面および外径表面をそれぞれ示している。スリーブ10はまた、好適には、その外側表面上に生体適合性、親水性、抗菌および/または潤滑性のコーティングを有する(図示せず)。このコーティングはカテーテルを挿入するのを促進することができる。このコーティングはまた、排液の効率を向上させるのにおよび排尿後に膀胱内に尿が残留する傾向を軽減するのに使用され得る。
【0051】
[00061]握持部分またはグロメット14がスリーブ10の近位端部上に配置される。握持部分14は、部材12とスリーブ10との間に密封係合を形成する機能をさらに有していてよい。この密封係合は、部材14の内径を部材12の内径に実質的に適合させるように(すなわち、クリアランスが実質的に存在しないように)寸法決定することにより、または、スリーブ10を部材12に対して密封するためのシーリング部材を部材14内に配置することにより、形成され得る。部材14のフランジ/ハブ構造またはフランジ/ハブ部分があることにより、患者または医療関係者がスリーブ10を握持してまたは掴んでスリーブ10を部材12に対して軸方向に移動させることが可能となる。
【0052】
[00062]図3および4を参照すると、部材12の遠位端部が千鳥状の排液用のアイレット形状アパーチャまたは開口部20のアレイを有し得ることが分かる。好適には、開口部20は千鳥状である。すなわち、開口部20は、部材12内へのおよび部材12を通る流れを促進するように、互いに軸方向に離間されおよび/または円周状に離間される中心軸を有する。非限定の例では、開口部20の間の軸方向の間隔は、各開口部のほぼ直径の大きさと各開口部の直径のほぼ2倍に等しい大きさとの間であってよい。非限定の例では、開口部20の間の円周状の間隔は約90度と約180度との間であってよい。これらの開口部20は、患者の身体からの流体または尿が部材12内に入るのを可能にする。これは、例えば、部材12が膀胱に挿入されているときに起こる。また、複数のアパーチャ20は部材12の遠位端部のところの柔軟性を向上させ、それにより、このカテーテルが患者にとってより快適となる。アイレットすなわち開口部20は、患者の尿道に挿入されているときに、すなわち尿道の概して最初の3分の1まで挿入されているときに患者の尿が入るのを可能にするような、任意適当なサイズ、形状、構成および/または数であってよい。図1に示される閉じられた/初期の構成では、アイレット20は、スリーブ10の遠位端部22が開口部20のすべてを覆う位置にあることにより閉じられる。このようにして、スリーブ10の外側表面がアイレットすなわち開口部20を覆って実質的に密封する。このシーリングは、スリーブ10の内径と部材12の外径との間の摩擦係合を用いることにより、あるいは端部22の内径上に配置されるシール(図示せず)を介することにより、形成され得る。潤滑性コーティングが、とりわけ、図1および2に示される位置の間で部材12に対してスリーブ10を相対的に移動させるのを促進するために、スリーブ10の内径上および/または部材12の外径上に配置されてよい。
【0053】
[00063]再び図3を参照すると、先端部16が好適にはカウンシルホール(council hole)または誘導ワイヤ孔17を有し得ることが分かる。この孔17は、実質的に中心に配置されることが可能であり、先端部16が患者の膀胱に入ったことを確認する一手段として機能すること、例えば提供されることが可能である。先端部16が膀胱内に入ると(開口部20が閉じられていても)、患者の少量の尿がカウンシルホール17に入り、カテーテルすなわち部材12から入ってファンネル18から出るように流れ始める。これにより、カテーテルが完全にまたは適切に膀胱内に挿入されていることが患者または医療関係者に指示される。その場合、使用者はアイレット20を開けるためにスリーブ10を引っ張ることができ、部材12を膀胱内へとさらにわずかに挿入することができる。カウンシルホール17は、カテーテルを挿入することが困難な患者のための付属品の誘導ワイヤ(図示せず)上でカテーテルを軌道設定するのにすなわち誘導するのにも使用され得る。
【0054】
[00064]図5および6は、細長部材12の遠位端部の代替の構成を示している。図3および4に示される千鳥状の開口部のアレイの代わりに、遠位端部は、部材12の遠位端部の近傍に位置され、概して反対側に配置されるすなわち約180度離間されて配置される2つの細長アイレット20を有する。示されないが、これらの開口部20は軸方向において互いにオフセットされて配置されてもよい。
【0055】
[00065]部材12およびスリーブ10は、円形断面形状、長円断面形状、または、使用者/患者の身体に、具体的には尿道を介して使用者/患者の膀胱内に挿入されるのを促進することができる任意の別の断面形状を有していてよい。部材12(種々の実施形態による)は、好適には、少なくともその外側表面上に生体適合性、潤滑性および/または抗菌のコーティングを含んでいてよい。このような潤滑性かつ抗菌のコーティングの適当な非限定の例は、米国特許第4,585,666号、第5,558,900号、第5,077,352号、第5,179,174号、第6,329,488号(例えば、ポリシロキサン基体に適する)、第6,716,895号、第6,949,598号、および、米国特許出願公開第2004/0116551号、ならびに、WO2007/050685に開示されており、これらの各々は参照によりその全体が組み込まれる。
【0056】
[00066]このカテーテルで使用される抗菌剤は、オーバーザカウンター(OTC)のモノグラフに記載される抗菌剤であってよい。生体適合性コーティングは以下の試験に適合する:粘膜刺激性、感作性、細胞毒性、急性全身毒性、移植(「Tripartite Biocompatibility Guidance for Medical Devices」DSMA(1987年4月24日)(1996年5月21日改訂))。潤滑用流体の目的は、使用者の中に導管が挿入されるときに、その少なくとも外側部分が非常に滑るようになりそれにより挿入が促進されるように、潤滑性コーティングの水和作用を維持することである。
【0057】
[00067]部材10、12は、好適には、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの適当な高分子材料から構成され得る。本明細書に開示されるカテーテルの構成要素もよく知られている種々の材料から作られてよい。例えば、部材12を除く組立体の複数の部分は、ポリビニルプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、および、別のタイプの適当な高分子材料で作られてよい。これらの構成要素はよく知られた製造手法で成形または押出成形されてよい。
【0058】
[00068]部材12を作るのに一般に使用される材料には、限定しないが、天然ゴムラテックス(例えば、Guthrie、Inc.、Tucson、Ariz.;Firestone、Inc.、Akron、Ohio;およびCentrotrade USA、Virginia Beach、Va.から入手可能)、シリコン(例えば、GE Silicones、Waterford、N.Y.、Wacker Silicones、Adrian、 Mich.;およびDow Corning、Inc.、Midland、Mich.から入手可能)、塩化ビニル樹脂(例えば、Kaneka Corp.、Inc.、New York、N.Y.から入手可能)、ポリウレタン(例えば、Bayer、Inc.、Toronto、Ontario、Rohm&Haas Company、Philadelphia、Pa.;およびOrtec、Inc.、Greenville、S.C.から入手可能)、プラスチゾル(例えば、G S Industries、Bassett、Va.から入手可能)、酢酸ビニル樹脂(例えば、Acetex Corp.、Vancouver、British Columbiaから入手可能)、および、メタクリル酸エステル共重合体(例えば、Heveatex、Inc.、Fall River、Mass.から入手可能)が含まれる。天然ゴムラテックス、ポリウレタンおよびシリコンが好適な材料である。カテーテルを作るのに上の材料の任意の組合せが使用されてもよい。一実施形態では、ラテックスおよびメタクリル酸エステルを含むゴム被覆層(rubberize layer)が、ラテックスは含むがメタクリル酸エステルは含まないビルドアップ層および仕上げ層と共に使用される。別の実施形態では、ポリウレタンのゴム被覆層がラテックスのビルドアップ層および仕上げ層と共に使用される。別の実施形態では、酢酸ビニル樹脂とラテックスとのゴム被覆層がラテックスのビルドアップ層および仕上げ層と共に使用される。特定のヤング率の値が指定される上の実施形態の各々は任意の材料と共に使用され得る。
【0059】
[00069]本発明の尿道カテーテル、詳細には部材12は、よく知られている様々な方法で製造され得る。例えば、種々の実施形態によれば、カテーテルは浸漬法によって製造される。細長いロッドまたは「型」が第1の液体コーティング材料中に浸漬され、型上にコーティング材料の層が形成される。この型はカテーテルのルーメンの形状および寸法を有する。この第1のコーティング層はカテーテルの内側層すなわちゴム被覆層を形成する。第1の層が乾燥されると、型が次に第2のコーティング材料中に浸漬され、中間層すなわちビルドアップ層が形成される。適当な厚さの中間層を構成するには第2のコーティング材料に複数回浸漬されることが望ましい場合がある。次いでビルドアップ層が乾燥される。さらに浸漬を行うことにより仕上げ層が付着され、乾燥される。カテーテルが型から剥がされ得、アイレットがその中に形成され得る。さらなる製造ステップは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0133156号で見ることができる。
【0060】
[00070]部材12は好適には約8cmから約18cmの範囲内にあってよく、また、部材12は男性の尿道の形状に類似する楕円形の断面形状を有してよい。使用者の解剖学的構造に応じて、このカテーテルに対して別の長さ、サイズ(例えば、直径、幅など)、および、構成も可能である。女性の使用者の場合、挿入可能な長さは40mmから100mmの範囲であってよく、例えば50mmから80mmの範囲であってよく、55mmから75mmなどの範囲であってよい。男性の使用者の場合、挿入可能な長さは170mmから260mmの範囲であってよく、190mmから240mmなどの範囲であってよく、例えば230mmであってよい。先端部のデザインは使用者の要求に応じて変化してよく、例えば、本明細書に開示されるカテーテルはクーデチップを備えることができる。カテーテルは、丸形または実質的に丸形の断面形状、長円形断面形状、あるいは、使用者/患者の身体内へ、詳細には尿道を介して使用者/患者の膀胱内へ挿入するのを促進することができる任意の別の断面形状を有していてよい。種々の実施形態によると、カテーテルの形状は長手方向に沿って変化していてもよい。
【0061】
[00071]本発明を説明して、本発明の特定の実施例を描写してきた。本発明を特定の変形形態および説明のための図に関連させて説明してきたが、当業者であれば、本発明が説明された図の変形形態のみに限定されないことを理解するであろう。また、上述の方法およびステップが特定の順番で起こる特定の事象を示している場合、当業者であれば特定のステップの順番が修正され得ることおよびそのような修正が本発明の変形形態に従うことを理解するであろう。また、これらのステップの一部は、可能である場合に並行する処置で同時に実施されてよく、さらには上述したような順番で実施されてもよい。したがって、本開示の精神の範囲内にある、または、特許請求の範囲内で見られる本発明と同等である、本発明の変形形態が存在する範囲において、本特許がこれらの変形形態も包含することが意図される。最後に、本明細書で引用されるすべての刊行物および特許出願は、各々の個別の刊行物または特許出願が具体的かつ個別的に本明細書に記載されている場合と同程度に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端部および遠位端部を有する細長部材
を有するカテーテルであって、
前記遠位端部が、少なくとも1つの排液用開口部を有し、
前記少なくとも1つの排液用開口部が、1つの細長開口部を有すること、
前記少なくとも1つの排液用開口部が、円周状に離間される2つの細長開口部を有すること、
前記少なくとも1つの排液用開口部が、少なくとも3つの千鳥状の開口部を有すること、
前記少なくとも1つの排液用開口部が、千鳥状の開口部のアレイを有すること、および、
スリーブ部材が、前記細長部材上に配置され、少なくとも、前記少なくとも1つの排液用開口部を覆う第1の位置と、流体が前記カテーテル内へと通過するのを可能にする第2の位置との間で移動可能であること、
のうちの少なくとも1つを具備する、カテーテル。
【請求項2】
前記カテーテルが前記スリーブ部材を有し、前記スリーブ部材が、使用者が握持するのを容易にする遠位端部をさらに有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記カテーテルが前記スリーブ部材を有し、前記スリーブ部材が、
前記スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される水和性コーティング、
前記スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される潤滑性コーティング、および
前記スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される親水性かつ生体適合性のコーティング
のうちの1つをさらに有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記カテーテルが間欠式カテーテルである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記カテーテルが前記1つの細長開口部を有し、前記1つの細長開口部が細長い長円形状開口部である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記カテーテルが前記少なくとも3つの千鳥状の開口部を有し、前記千鳥状の開口部の各々が概して長円形状である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記カテーテルが千鳥状の開口部の前記アレイを有し、千鳥状の各開口部が概して長円形状である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記カテーテルが、前記円周状に離間される2つの細長開口部を有し、各細長開口部が概して長円形状である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記カテーテルが前記スリーブ部材を有し、前記スリーブ部材が、前記スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される潤滑性の抗菌コーティングをさらに有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記細長部材の前記遠位端部上に配置される事前排液用開口部をさらに有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記スリーブ部材と前記細長部材との間にシールを形成するように配置されるシーリング部材をさらに有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記細長部材が、
前記細長部材の前記遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される水和性コーティング、
前記細長部材の前記遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される潤滑性コーティング、および
前記細長部材の前記遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される親水性かつ生体適合性のコーティング
のうちの1つを有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記細長部材が、開口部を有する先端部を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記開口部が、
概して同軸の開口部、
カウンシル開口部、
誘導開口部、および
誘導ワイヤ受け開口部
のうちの1つである、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記開口部が、前記カテーテルが膀胱内で適切に位置されていることを前記使用者に指示するために少量の尿が前記カテーテルを通過するのを可能にするように構成される、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記開口部が、カテーテルを挿入するのを容易にするために誘導ワイヤを受けるように構成される、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記カテーテルが前記スリーブ部材を有し、前記スリーブ部材が、前記カテーテルが前記膀胱内に挿入されている間に前記使用者または患者によって移動され得る、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項18】
使用者の身体内に前記カテーテルスリーブを挿入するステップと、
排液用開口部を露出して前記使用者の身体から流体を排液するために前記スリーブ部材を引っ込めるステップと
を含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載のカテーテルを挿入する方法。
【請求項19】
前記流体が尿である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
カテーテル先端部が前記膀胱内に適切におよび/または完全に挿入されていることを判断するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
引込式スリーブを有するカテーテルを膀胱内に挿入するステップと、
カテーテル先端部が前記膀胱内に適切におよび/または完全に挿入されていることを指示するステップと、
排液用開口部を露出させて前記膀胱から尿を排液するために前記引込式スリーブを引っ込めるステップと
を含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載のカテーテルを使用して膀胱から排液する方法。
【請求項22】
誘導ワイヤを用いて、引込式スリーブを有する前記カテーテルを膀胱内へ誘導するステップと、
排液用開口部を露出させて前記膀胱から尿を排液するために前記引込式スリーブを引っ込めるステップと
を含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載のカテーテルを使用して膀胱から排液する方法。
【請求項23】
カテーテル先端部が前記膀胱内に適切におよび/または完全に挿入されていることを指示するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
近位端部および遠位端部を有する細長部材であり、
前記遠位端部が、
1つの細長排液開口部、
円周状に離間される2つの細長排液用開口部、
少なくとも3つの千鳥状の排液用開口部、
千鳥状の排液用開口部のアレイ
のうちの少なくとも1つを有する、細長部材と、
前記細長部材の上に位置され、および/または移動可能に配置され、握持部材を有するスリーブ部材と
を有するカテーテルであって、
前記スリーブ部材が、前記細長部材を用いて使用者の身体内に挿入可能であり、また少なくとも、流体が前記カテーテル内へと通過するのを防止する第1の位置と、流体が前記カテーテル内へと通過するのを可能にする第2の位置との間で移動可能である、カテーテル。
【請求項25】
近位端部および遠位端部を有する細長部材であり、
前記遠位端部が、少なくとも1つの排液用開口部を有し、
前記少なくとも1つの排液用開口部が、1つの細長排液用開口部を有すること、
前記少なくとも1つの排液用開口部が、少なくとも3つの千鳥状の排液用開口部を有すること、および
前記少なくとも1つの排液用開口部が、千鳥状の開口部のアレイを有すること、
のうちの少なくとも1つである、細長部材と、
前記細長部材上に配置される移動可能なスリーブ部材と
を有するカテーテルであって、
前記スリーブ部材が、前記細長部材を用いて使用者の身体内に挿入可能であり、また少なくとも、流体が前記細長部材の前記遠位端部内へと通過するのを防止する第1の位置と、流体が前記細長部材の前記遠位端部内へと通過するのを可能にする第2の位置との間で移動可能である、カテーテル。
【請求項26】
前記スリーブ部材が、少なくとも、前記少なくとも1つの排液用開口部を覆う第1の位置と、前記少なくとも1つの排液用開口部のすべてを露出させる第2の位置との間で移動可能である、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項27】
前記スリーブ部材が、使用者が握持するのを容易にする遠位端部を有する、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項28】
前記スリーブ部材が、
前記スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される水和性コーティング、
前記スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される潤滑性コーティング、および
前記スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される親水性かつ生体適合性のコーティング
のうちの1つをさらに有する、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項29】
前記カテーテルが間欠式カテーテルである、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項30】
前記カテーテルが前記1つの細長開口部を有し、前記1つの細長開口部が細長い長円形状の開口部である、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項31】
前記カテーテルが前記少なくとも3つの千鳥状の開口部を有し、前記千鳥状の開口部の各々が概して長円形状である、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項32】
前記カテーテルが千鳥状の開口部の前記アレイを有し、各千鳥状の開口部が概して長円形状である、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項33】
前記カテーテルが前記少なくとも3つの千鳥状の開口部を有し、前記千鳥状の開口部の各々が細長い形状のアイレットを有する、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項34】
前記細長部材が、前記細長部材の前記遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される潤滑性の抗菌コーティングを有し、また、前記スリーブ部材が、前記スリーブ部材の遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される潤滑性の抗菌コーティングを有する、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項35】
前記細長部材の前記遠位端部上に配置される事前排液用開口部をさらに有する、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項36】
前記スリーブ部材と前記細長部材との間にシールを形成するように配置されるシーリング部材をさらに有する、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項37】
前記細長部材が、
前記細長部材の前記遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される水和性コーティング、
前記細長部材の前記遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される潤滑性コーティング、および
前記細長部材の前記遠位端部の少なくとも外側表面上に配置される親水性かつ生体適合性のコーティング
のうちの1つを有する、請求項25に記載のカテーテル。
【請求項38】
引込式スリーブを有するカテーテルを膀胱内に挿入するステップと、
カテーテル先端部が前記膀胱内に適切におよび/または完全に挿入されていることを指示するステップと、
排液用開口部を露出させて前記膀胱から尿を排液するために前記引込式スリーブを引っ込めるステップと
を含む、請求項24〜37のいずれか一項に記載のカテーテルを使用して膀胱から排液する方法。
【請求項39】
誘導ワイヤを用いて、引込式スリーブを有する前記カテーテルを膀胱内へ誘導するステップと、
排液用開口部を露出させて前記膀胱から尿を排液するために前記引込式スリーブを引っ込めるステップと
を含む、請求項24〜37のいずれか一項に記載のカテーテルを使用して膀胱から排液する方法。
【請求項40】
図面に示されるおよび/または本出願で説明される少なくとも1つの特徴、
図面に示されるおよび/または本出願で説明される特徴の大部分、
図面に示されるおよび/または本出願で説明される複数の特徴の任意の組合せ、および
図面に示されるおよび/または本出願で説明される特徴の実質的にすべて
のうちの1つを含むカテーテル組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−500125(P2013−500125A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522791(P2012−522791)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/055395
【国際公開番号】WO2011/014201
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(591018693)シー・アール・バード・インコーポレーテッド (106)
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【Fターム(参考)】