説明

改善された空気通路を有するタニケットカフ

【課題】カフ中の空気通路が、部分的にまたは完全に遮断されないタニケットカフの提供。
【解決手段】タニケットカフは、第1の層シール面を有する熱可塑性の第1の層と、第1の層シール面に対面する第2の層シール面を有する熱可塑性の第2の層と、第1および第2の層シール面間で気密的な封止を形成し、内側に膨張可能な空気袋を形成する周辺シールと、空気袋シーリングフランジであってその回りで第1の層シール面に密封された空気袋シーリングフランジを有するポートとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、外科的処置の遂行を容易にするために外科患者の手足の一部への動脈血の流入を阻止すべく、また静脈内局所麻酔を容易にすべく使われる空気タニケット(止血用)カフに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の典型的な手術用タニケットシステムは、所望位置で患者の四肢を取り巻くためのタニケットカフと、該タニケットカフに接続するための柔軟な機器配管を含むタニケット機器とを含む。タニケットカフは、一般的に、膨張可能な部分を含み、該カフの膨張可能な部分は、一般的に、ポートコネクタを有するカフポートを経て、タニケット機器の柔軟な機器配管に接続される。これにより、タニケット機器から機器配管およびカフポートを通ってカフの前記膨張可能な部分への空気通路が形成される。いくつかの従来技術システムでは、タニケット機器は、前記空気通路の機器側端でのガス圧力を感知し、また感知された圧力を外科スタッフに表示することを可能とするために、圧力変換器を含む。いくつかの従来技術のタニケット機器は、空気通路内のガス圧の増減のために、また外科的処置の遂行のための適切な長時間の間、前記カフを通過する動脈血流を阻止するに必要とされている最小圧力を超える圧力に前記カフの膨張可能な部分の圧力を維持するために、圧力調整器を含む。タニケットカフおよびタニケット機器を含む多くのタイプの外科用空気タニケットシステムが、マッキュアンによる米国特許第4,469,099号、同第4,479,494号および同第5,439,477号と、マッキュアン、ジェイムソンの両名による米国特許第5,556,415号および同第5,855,589号のような従来技術に開示されている。
【0003】
ある従来技術のタニケットカフは、タニケット機器との接続のために1つのポートのみを有し、そのため、タニケット機器とそのようなカフの前記膨張可能な部分との間に、単一の空気通路が形成されるだけである。そのような単一ポートのタニケットカフの前記膨張可能な部分内の圧力は、手術中にカフ圧力を増減および調整すべくタニケットカフによって使用されるのと同じ空気通路を通して、前記タニケット機器で間接的に感知される。空気通路の流動抵抗は、間接的に感知されたタニケットカフ圧力の精度と同様に、そのような単一ポートタニケットカフの前記膨張可能な部分中での圧力の調整精度およびその速度に影響を与える。
【0004】
従来の他のタニケットカフは、タニケット機器が外科スタッフにカフ圧力のより正確な指示を提供することを可能にし、またタニケット機器がカフ圧力調整の速度および精度を上げることを可能にすることで、安全性および性能の向上を達成すべく、タニケット機器とカフの膨張可能な部分との間に2つの別個の空気通路を形成するために2つのポート(デュアルポート)を有する。従来の代表的なデュアルポートタニケットカフは、米国特許第4,635,635号、同第5,454,831号、同第5,439,477号、同第5,741,295号および同第5,649,954号に開示されている。米国特許第4,469,099号に開示された従来技術の1つのデュアルポートタニケットシステムでは、タニケット機器内の空気圧力調整要素は、タニケットカフの1つの空気通路を通ってタニケットカフの膨張可能な部分と連通し、タニケット機器内の圧力センサは、カフの別の空気通路を通って前記カフの膨張可能な部分と空気圧的に連通する。
【特許文献1】米国特許第4,469,099号明細書
【特許文献2】米国特許第4,479,494号明細書
【特許文献3】米国特許第5,439,477号明細書
【特許文献4】米国特許第5,556,415号明細書
【特許文献5】米国特許第5,855,589号明細書
【特許文献6】米国特許第4,635,635号明細書
【特許文献7】米国特許第5,454,831号明細書
【特許文献8】米国特許第5,741,295号明細書
【特許文献9】米国特許第5,649,954号明細書
【0005】
シングルおよびデュアルポートの両タニケットシステム共に、空気通路中の流量限定が最小化されるなら、圧力の調整および精度と、指示速度とは、改善される。従来技術の典型的なポートコネクタは、ポートの空気通路の内方に適合する顎部を有する雄接続部分を有し、空気の流れる面積を減少させる領域を作り、カフとタニケット機器との間の流動抵抗を増大する。
【0006】
従来技術のすべての空気タニケットカフに関わる1つの危険を引き起こす原因は、カフ中での空気通路の閉塞である。例えばシングルポートタニケットカフでは、空気通路の完全閉塞は、外科スタッフへの如何なる指摘もなく、前記カフの膨張可能な部分内の実際の圧力が、所望のタニケット圧力を大きく下回ってカフが完全に減圧されるレベルに減少するかあるいは所望のタニケット圧力を大きく超えるように増大させるかもしれない。実際、従来技術のタニケット機器によるカフ圧力の監視および調整は、閉塞で停止する。他の例として、カフの膨張可能な部分の領域内での完全閉塞は、前記膨張可能な部分のすべてまたは一部を隔離するかもしれず、そのとき、カフの膨張可能な部分の全体にわたる圧力が、タニケット機器によって所望の圧力近傍で感知され、調整されることを妨げられる。どのような隔離された領域も、動脈血が低いカフ圧力領域を通って四肢に流入することを許すことにより、あるいはカフを通り過ぎる血流を止めるためにタニケット機器を不必要な高圧に設定することを外科スタッフに要求することにより、危険であるかもしれない。また、従来技術のタニケットカフの空気通路の如何なる完全閉塞も、カフの過加圧または加圧不足の危険を警告することを意図して従来のタニケット機器に接続された、マッキュアンによる米国特許第4,469,099号に記載されている安全警報のような如何なる視聴覚の安全警報をも無効にするかもしれない。
【0007】
従来技術のタニケットカフに関する他の危険を引き起こす原因は、空気通路の部分閉塞である。前記ポートコネクタでの、あるいは従来技術のカフの前記ポートまたは前記膨張可能な部分のどこか他の部分での前記空気通路の部分閉塞は、該部分閉塞での空気の流動抵抗を増大し、それにより、接続されたタニケット機器の、部分閉塞を過ぎてタニケットカフの膨張可能な部分にわたって急速かつ正確に圧力を調整する能力に影響を与えることがある。また、部分閉塞により増大した流動抵抗は、接続されたタニケット機器がタニケットカフ中の圧力変化を正確かつ迅速に外科スタッフに示す能力を低下させるかもしれない。さらに、カフの膨張可能な部分の領域中での空気通路の部分閉塞は、カフの膨張可能な部分全体にわたって均一に圧力を調整するタニケット機器の能力に影響するかもしれない。
【0008】
空気通路の完全性に影響を与えるであろう完全なおよび部分的な閉塞の危険に加えて、従来技術のカフに関する別の危険は、タニケット機器からのポートコネクタの予期しない脱離やポートからのポートコネクタの脱離による通路の遮断であり、したがって、タニケット機器からタニケットカフの膨張可能な部分が分離する。関連のある危険は、接続されたタニケット機器が所望の圧力の近傍にカフ圧力を維持することを妨げるに十分に大きなポートコネクタでの漏れである。そのような大きな漏れは、例えば、メーカーが意図せず、予期しない方法で、複数の外科処置に使い捨てのタニケットカフが再加工および再使用された結果、一回使用の使い捨てのタニケットカフのコネクタの劣化または変形から生じるかもしれない。
【0009】
従来技術の多くの使い捨てのタニケットカフは、ただ1回の外科的処置で使われ、その後処分されるように意図されている。多くのそのような使い捨てのタニケットカフは、そのようなカフが一般に無菌の手術野での使用に適するように意図されているので、製造時に殺菌され、無菌製品としてユーザに供給される。結果的に、そのような従来技術のカフの設計特性は、それらが1回の外科的処置の間に無菌の手術野に適用され、安全、確実に使われ、その処置の後でコスト効率良く処分できることを意図している。例えば、従来技術のいくつかの使い捨てタニケットカフは、非常に柔軟な熱可塑性の配管部分を含むポートを備え、前記配管部分は、ユーザが手術場所から離れて容易に前記ポートを曲げ、無菌の手術野を越えてポートコネクタを置くことを可能にするに十分な長さを有する。そのような長く、柔軟なポート管は、無菌の手術野から離れた無菌でない機器側配管へのポート接続を容易にするが、それは、また、例えば管についての偶然のよじれ、曲がりまたは圧迫によって、ポート内の空気通路の部分的なまたは完全な閉塞の可能性を増大する。そのような従来技術の使い捨てタニケットカフを組み立てている様々な材料および構成部品は、カフが1回の使用後に経済的に処分され、またメーカーによって決められた特定の殺菌法での特定の滅菌剤への露出による殺菌であり、そのような殺菌後にカフの安全性または性能を害するような性質の著しい劣化あるいは変更を招くことなく殺菌できるように、選択される。
【0010】
元来、無菌の使い捨ての製品として、それらのメーカーによって供給された従来技術のタニケットカフを再処理し、再利用することに努力が向けられている。再処理の努力は、一般に、使い捨てタニケットカフの手術後の処分よりもむしろ節約を生じ、再処理が適切でないことを示唆するかもしれないどのような明らかな劣化をも識別するためにカフを視覚的に調べ、種々の洗浄剤あるいは他の洗浄液のいずれかと組合せた水でカフを洗うことにより、あらゆる血液や手術の他の残がいを取り除くことを試み、場合によっては、カフのいくつかの機能テストを行い、カフを包装し直し、次にそれを元のメーカーによって安全でありかつ有効であると決められていたのと異なる滅菌処理法で滅菌剤に晒すことにより、包装し直されたカフを消毒する。使い捨てタニケットカフの再処理は、病院または外科センター中で、あるいは第三者の再処理施設によって行われるかもしれず、再処理の特性と方法は非常に変わりやすい。
【0011】
使い捨てタニケットカフの再処理、洗浄および再殺菌は、そのようなカフが後で使われる外科患者に結果として危険を生じるかもしれない。再処理し、洗浄しまたは再殺菌することに伴う種々の化学物質あるいは物理的因子の如何なる使用からも、危険は生じる。例えば、洗浄の間、液体にカフを晒すと、その液体が、カフの空気通路に入り込むことができ、そこで残存して、カフの前記ポートあるいは膨張可能な部分内の空気通路を部分的にあるいは完全に遮断するかもしれない。洗浄後に空気通路に残る水は、その後、エチレンオキサイドと化学反応を生じるかもしれず、再処理で一般的に使用される滅菌剤は、空気通路を完全にあるいは部分的に遮断するかもしれない粘着性物質であるエチレングリコールを形成するかもしれない。製造時に使われた滅菌剤と異なる滅菌剤に従来技術のカフを晒すと、例えば化学反応または放射線照射により、あるカフ材料および構成部品の特性の変更および劣化が引き起こされるかもしれない。既知の従来処理による洗浄または殺菌の間に、柔軟な熱可塑性の材料を含む従来のカフを高温に晒すと、熱可塑性の材料および構成部品が軟化するかもしれず、いくつかの構成部品の危険な変形の可能性が高まる。例えば、再処理の間の高温は、いくつかの従来技術カフに含まれる熱可塑性の補強材の変形を生じ、したがって、外科処理でのその後の使用で、そのようなカフによる該カフ下の四肢への正常な圧力の適用が損なわれる。また、再処理の間の高温は、いくつかの従来技術のカフの熱可塑性のコネクタを変形させるかもしれず、あるいは典型的な熱可塑性の鉤型(barb-type)ポートコネクタの保持力を弱めるかもしれず、その結果、そのようなコネクタは、再使用時にタニケットカフとタニケット機器との間に気密的な通路を形成し、確実に維持することができない。洗浄または再殺菌に関連する高温は、そのような再処理の結果として、カフ中の空気通路が、上記したように、部分的にまたは完全に遮断される可能性を増大させる。複数の外科手術での使い捨てタニケットカフの再三の洗浄、再消毒および再利用は、カフが使われる外科患者への危険が次第に増大する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
正常な使用条件の下で、その空気通路中に最小流量限定を有するタニケットカフのための要望があり、それは、予期できる使用条件の下での空気通路の部分的または完全な閉塞または中断の可能性が大幅に減少し、また、それは使用前に空気通路の完全性に影響を与え得る1以上の外部要因にカフが晒されていることを示すことができ、しかも経済的に製造し得るものである。本発明は、この要望に対処する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、手術への適応に好適な実施例の絵画的図面であり、患者の四肢12に適用されてタニケット機器14に空気圧的に接続可能なタニケットカフ10を示す。カフ10は、カフポート16を含み、該カフポートは、空気袋シーリングフランジ18、ポート管20およびポートコネクタ22を含む。図示の好適な実施例では、カフ10は、カフポート16がカフ10の膨張可能な部分に1つの空気通路を提供する、シングルポートカフである。当業者は、好適な実施例に記載された特徴が、また、米国特許第4,469,099号、第4,479,494号および5,254,087号に記載されたような複数のポートを有するタニケットカフに適用できることを理解するであろう。カフポート16は、機器コネクタ24および機器管26を経て、タニケット機器14に空気圧的に接続されている。好適な実施例では、カフポート16は、カフ10と機器14との間の空気接続が無菌の手術野外でなされることを可能にするに十分な長さ寸法を有する。ポートコネクタ22は、カフポート16が機器コネクタ24との間で解除可能な空気接続を構成できるロッキングコネクタ(マッキュアンによる米国特許第5,649、954号に開示され、ミネソタ州、セントポールに所在のColder Products Company社のコネクタDSM2202に設計面で類似するタニケットカフのコネクタに基づく)である。
【0014】
以下に記載するように、カフ10は、一回使用の無菌の使い捨てタニケットカフに適切な材料で構成されている。カフ10が無菌の手術野で使われることを可能にすべく、カフ10は、安全かつ有効であると決められている殺菌法で滅菌剤に晒されることにより、製造時に消毒を受ける。前記カフの劣化を防止するため、またカフ10中の空気通路の完全性を維持するために、カフ10の材料または構成要素を傷つけないであろう滅菌剤と殺菌法がメーカーによって選ばれる。好適な実施例では、カフ10は、γ線または電子ビーム放射線への露出によって殺菌される。
【0015】
一回の使用およびその後の廃棄を専用とするタニケットカフの製造では、
材料コストは、考慮すべき重要な事項である。材料コストおよびカフ10の組合せ体を最小化するために、後の殺菌および洗浄の処理に晒されることに耐えることは目的とせずに、材料は選ばれる。エチレンオキサイドガス滅菌法、過酸化水素ガス滅菌法、高温加圧蒸気滅菌法、他の化学的要因による滅菌法および低温殺菌法などの医療施設で一般的に使われる医薬品および処理によるカフ10への後の滅菌または洗浄は、すべて、カフ10の空気通路の完全性に悪影響を与え得る。カフ10は、さらに以下に記載するように、その後に該カフに悪影響を及ぼし得る滅菌または洗浄処理を受けており、もはや安全に使用できないかもしれないことをユーザに警告を与える視覚インジケータとして作用する1以上の構成要素を含む。
【0016】
図2は好適な実施例のカフ10を示し、該カフは、マッキュアンによる米国特許第5,741,295号、同第5,649,954号および同第5,484,831号およびロビンティーとレーマンとによる米国特許第4,635,635号に開示されたカフにデザインおよび構成が類似している。図示の好適な実施例では、カフ10は、図1に示すように、成人の腕を取り巻くことに十分な長さを有する長方形である。当業者は、好適な実施例に記載された特徴が、マッキュアンによる米国特許第5,649,954号に記載されていると同様に、様々な寸法および形状のカフに組み入れられることを理解するであろう。カフポート16に加えて、カフ10は、拘束リボン28、ループ生地30、縁トリム32、縫い付けられた接合部34およびフック生地36を含む。使用では、カフ10は、四肢12(図1参照)にきちんと巻きつけられて、ユーザがループ生地30にフック生地36をかみ合わせると、四肢のまわりで周方向に確保される。拘束リボン28は、柔らかい布地リボン材料(カナダのオンタリオ州、トロントに所在のDynatex Textiles Inc.社の5/8インチ幅のグログラン)であり、ユーザが前記四肢のまわりにぴったり合うようにカフ10を引くことを可能にする。カフ10が適所で四肢のまわりで周方向に確保されると、前記カフが膨らまされるときに四肢上で基部側または末梢部側へ前記カフが滑ることを防止する補助のために、ユーザは図1に示すように拘束リボン28を縛る。縁トリム32は、拘束リボン28と同様な材料で作られており、カフ10の縁で患者の手足が擦りむけることを防止する作用をなす。
【0017】
図3aは、四肢12(図1に示されているように)に適用されたカフ10の、また膨らまないカフ10の図2から得られた断面図である。上層38および底層40は、中間層42に面する各表面が熱可塑性の材料(例えば0.006インチの厚さの熱可塑性のポリウレタンによって被覆された200デニールのナイロン布)で覆われたナイロン織布で作られている。中間層42は、熱可塑性のシート材料(例えば0.020インチの厚さのポリウレタン)で作られている。補強材44は、カフ10の周囲内に適合する長方形に切り取られたプラスチックシートで作られている。補強材44は、層38、40および42より大きな剛性を有するが、四肢に巻きつけられるのに十分に柔軟である(例えば0.020インチの厚さのポリエチレンシート)。上層38、中間層42および底層40は、カフ10の周辺内で連続的に周囲を取り巻いて空気袋シール46で接合されており、これにより、膨張可能な空気袋48が中間層42および底層40との間に形成され、熱可塑性の補強材44が上層38および中間層42間を取り囲む。したがって、空気袋48は、図3aに示されているように、ポート位置で典型的には3.5インチの幅寸法を有し、前記カフ(図2参照)の長さに沿って伸びかつ前記四肢を取り巻くに十分な長さ寸法を有する。図1に示すように、前記四肢のまわりで周方向へ確保される場合、前記カフが膨張するときに、補強材44は、前記四肢へ向けて膨張可能な空気袋48の拡大を径方向内方へ導くことに役立つ。したがって、前記補強材は、四肢12上に分配される圧力を均一化する。
【0018】
空気袋シール46は、熱加圧接合処理、一般的には選択されたシーリングダイを用いた高周波溶接によって形成される。接合処理の温度は、層38、40および42の熱可塑性材料の部分を一時的に溶かし、それらを空気袋シール46の領域で一緒に融合させるように選ばれる。シーリングダイの形と共に、接合処理の圧力は、空気袋シール46の領域から層38、40および42の溶けた熱可塑性材料の所定の部分を圧迫し、膨張可能な空気袋48の前記周囲に沿って連続的なビード50を成形するように選択される。接合処理が完了すると、ビード50は層38、40および42の熱可塑性材料が元の硬さに戻るように凝固し、厚さ51(明確にするために図3bにだけ示されている)を有する。厚さ51は、空気袋シール46の形成の間に絞り出された熱可塑性の材料の選択された量に比例し、底層40が、一定の使用条件中に中間層42に対して圧縮されるとき、前記空気袋の空気通路52を成形し、維持するのに十分な大きさに選ばれ、それは以下でより詳細に記述されている。
【0019】
カフ10のカフポート16は、ポートコネクタ22、ポート管20および空気袋シーリングフランジ18から成り、これらは、空気圧的に密閉された接合で恒久的に共に結合され、遠位ポート端53から膨張可能な空気袋48に伸びる連続的な空気通路を形成するポート管空気通路54およびポートコネクタ空気通路55(図7a参照)を形成する。空気袋シーリングフランジ18は、空気袋シール46を(上記したように)成形するために使われたそれと同様な熱シール処理によって中間層42に恒久的に接合されるフランジ上面56を有する。空気袋シーリングフランジ18は、また底面58を有する。ポート管20は、空気袋端59とポートコネクタ22との間の長さ寸法を有し、該長さ寸法は、ポート位置での前記空気袋幅寸法より大きな最小長さであり、好ましくは無菌の手術野を超えて伸びるに充分な30インチの長さを有する。空気袋シーリングフランジ18は、ポート管空気袋端59から伸びる空気通路54の一部を形成し、上面56および空気袋シーリングフランジ18の底面58に直角な方向、これにより、空気袋シーリングフランジ18の回りで中間層42の領域に直角な方向で、膨張可能な空気袋48へ入るように形成される。
【0020】
図3bは、四肢12(図1に示されているように)に適用されたカフ10の、また膨らんだカフ10の図2から得られた断面図である。膨張可能な空気袋48は、前記四肢へ向けて径方向内方へ広がって示されている。
【0021】
図4は、空気袋シーリングフランジ18の底面58を見ている図面である。空気袋シーリングフランジ18は、射出成形(フロリダ州、セントペテルブルクに所在のHalkey Roberts Corp.社の167ACU-BKのような、タニケットカフに現在使用されている既存のシーリングフランジと同様な方法)により、熱可塑性のポリウレタンで作られている。複数の溝60が、底面58に、フランジ18の外周からポート管空気通路54に伸びて形成されている。
【0022】
図5は、図4から得られた断面図であり、フランジ底面58とフランジ上面56との間の領域に形成された典型的な溝60を示す。空気袋シーリングフランジ18が中間層42に密閉加熱されなければならないので、溝60は、前記シーリングダイに対応して形作られたリッジ部によって表面58に形成されなければならず、したがって、空気袋シーリングフランジ18の中間層42への加熱密封処理の間に、典型的な従来のタニケットカフに比較してその追加のアイテムコストを生じることなく形成される。
【0023】
図1、3a、4および5を参照するに、ポートコネクタ22が機器14に接続されると、空気通路が、機器14からポート空気通路54(ポートコネクタ22、ポート管20および空気袋シーリングフランジ18の開口部によって形成される)、膨張可能な空気袋48内への空気袋シーリングフランジ底面58の溝60を通って形成される。ビード50は空気袋シール46の近傍で空気袋48を開いて保持するように作用することから、これにより膨張可能な空気袋48の周囲を取り巻く該空気袋の空気通路52を形成し、前記空気袋全体への空気圧の伝達を可能とする。
【0024】
空気袋シーリングフランジ18が四肢12に対して圧縮される(例えば、前記カフの前記フランジ領域が、前記四肢と、該四肢が載っている手術室テーブルまたはボルスター(長枕)との間に横たわり、あるいはカフ10が四肢12に過度にきつく適用される)と、底層40は、図3aに示すように、フランジ底面58に押し付けられるかもしれない。一般に、従来技術(例えば、フロリダ州、セントペテルブルクに所在のHalkey Roberts Corp.社の167ACU-BK参照)のタニケットカフで使われる空気袋シーリングフランジでは、底面58は平らで、滑らかである。図3aに示される状況で従来技術のフランジを使うと、膨張可能な空気袋48とポート空気通路54との間の空気圧の伝達は、閉鎖されるかあるいは制限される。しかし、本発明では、溝60はフランジ底面58とフランジ上面56との間の領域に、膨張可能な空気袋48とポート空気通路54との間で複数の空気通路を形成し、それらは底層40がフランジ底面58に押圧されたときに開き続ける。
【0025】
さらに、膨張可能な空気袋48を含む前記カフのいずれの領域も前記四肢に向けて圧縮されると、底層40は、或る領域(図3aに示されるように)で中間層42に押し付けられるかもしれず、この領域は膨張可能な空気袋48の異なる領域の間の空気圧の伝達を制限するか、閉じるかもしれない。ビード50は、中間層42と底層40とを分離し、よって、上記したように、膨張可能な空気袋48の周囲全体にわたって伸びる空気袋の空気通路52を形成する。ビード50の寸法は、前記空気袋の空気通路52が、外科の使用で予期される底層40および中間層42間の圧縮力下で、維持され、これにより空気袋48のすべての領域間での空気圧伝達が維持できるように、選ばれる。
【0026】
カフ10の通常の使用の間に起こり得る上記の状況に加えて、高温または高圧へのカフ10の露出またはある薬品への10の露出またはこれらの状況の組合せは、貯蔵、出荷またはその後の洗浄および滅菌処理法中に起こるかもしれず、また熱可塑性の材料を軟化することによって、底層40をフランジ底面58または中間層42の領域へ付着させるかもしれない。前記素材が付着しても、空気通路は、それにもかかわらずビード50と溝60とによって維持されるであろう。
【0027】
図6aは、図2から得られる断面図であり、空気袋端59(図3aおよび3b参照)からポート管端61(図7a参照)へ伸びるカフポート16のポート管20の横断面を示す。ポート管20は押し出し法によって成形され、熱可塑性のポリウレタンと、上記したように、空気通路の完全性に有害な影響を及ぼす一定の要因に晒されたとき、色を変えるように調整された滅菌インジケータとの混合物で作られる。本実施例では、滅菌インジケータは、製造時のγ線または電子ビーム放射線によるカフ10の最初の滅菌中に色を変えるようには反応しない。好適な実施例では、熱可塑性の材料は、製造時に使われた滅菌剤と異なりかつ医療施設で再処理によって一般的に使われる1以上の代表的な滅菌剤の所定の最小レベルに晒されたとき、はっきりと永久的に色変化を生じるように調合される。エチレンオキサイドガスは、再処理滅菌処理法で使われるそのような第2の滅菌剤の1つである。他の滅菌剤は、過酸化水素ガス、高温蒸気および他の化学滅菌剤である。この色変化は、ポート管20の長さの全体にわたって起こり、カフ10が、上記したように、また図3aに示された前記空気圧伝達に影響を及ぼし得るその後の滅菌を受けたことを示すために、ユーザにより視覚的に知覚可能である。後の滅菌処理への露出でポート管20に生じる色変化の外観を強調するために、ポート管20の一部に滅菌処理への露出で色を変えない物質でマーク付けすることができる。例えば、ポート管20は、普通、鮮やかな色を有し、エチレンオキシド滅菌処理に晒されると茶色に変わる熱可塑性の材料から形成することができる。ポート管20は、また、ポート管20の長さに沿って伸びる白帯でマーク付けがされているかもしれない。ポート管20が滅菌処理に晒されると、プリントされた前記白帯は、茶色の着色された管の下地に視覚的なコントラストを提供する。
【0028】
好適な実施例では、上記の第2の滅菌のインジケータは、第2の滅菌処理でのエチレンオキシドの予め決められた最小レベルに反応するように、予め選択された色成形コンパウンドから調合される。4(ヒドラジノカルボニル)ピリジン、4-ニトロベンジルピリジン、またはエチレンオキシドに反応する他のピリジンのような色成形コンパウンドが、エチレンオキサイドガスに露出されると、不可逆的な色変化反応を生み出すため、単独でまたは組合せで使うことができる。また、色成形コンパウンドは、さらに、色変化反応を促進する触媒を含むことができる。効用を高めるために、好適な実施例の第2の滅菌のインジケータは、過酸化水素ガスまたは高温蒸気の存在で色を変えるように反応する従来知られた追加の色成形コンパウンドと混合することができる。前記滅菌インジケータは、また、その反応状態で前記色成形コンパウンドの視認性を高め、したがって、色変化を視覚的にユーザに一層知覚可能にするために、予め選択された他の非反応顔料を含むことができる。
【0029】
カフ10が、製造時に使われたものと異なる滅菌処理法で第2の滅菌剤にさらされていることをさらにユーザーに示すために、前記第2の滅菌のインジケータは、カフ10に付けられたラベル、ポート管20の表面または拘束リボン28の表面など、カフ10の他の構成要素上に支持することができる。例えば、拘束リボン28は、最初は白色で、またカフ10が前記後の滅菌を受けたときにエチレンオキシド滅菌で茶色に変色するように、選択することができる。
【0030】
変形、閉塞、さもなければ空気通路54、55または膨張可能な空気袋48の一部の完全性への悪影響を与え得る、温度加熱などの物理的因子にカフ10が晒されたことを示すために、不可逆的なサーモクロミックインジケータコンパウンドをカフ10の選択された表面、例えばポート管20の表面に支持することができる。サーモクロミックインジケータは、従来よく知られており、予め決められた温度に露出されたことを示すために、予め決められた温度で色を不可逆的に変色する反応を生じるように調合することができる。好ましいサーモクロミックインジケータは、製造時のカフ10の最初の滅菌によっては影響を受けない。好ましいサーモクロミックインジケータをカフ10の選択された表面上に支持することにより、カフ10が潜在的に有害かつ危険な温度にさらされている場合、カフ10のユーザへの知覚可能な指示が生み出される。代替的に、潜在的に有害かつ危険な高温へのカフ10の露出は、予め決められた温度で液化する温度インジケータコンパウンドにより、指示することができる。例えば、温度インジケータコンパウンド(ペンキのように適用され、予め決められた温度に達すると、再液化し、前記予め決められた温度を下回るって冷却で再凝固する、ニュージャージ州、サウスプレインフィールドに所在のTempil Inc.社のTempilaq G TL0175)は、ポート管20上に支持することができる。好適な実施例のポート管20は透明色の透きとおった熱可塑性のポリウレタンで作られ、したがって、異なる色を有する温度インジケータコンパウンドの特徴的なパターンは、内面64に沿って特定のパターンに適応されるか、あるいはプリントされ、その結果、内面64が予め決められた温度に達するか、越えていれば、前記コンパウンドが液化して反応し、パターンの広がりおよび着色した汚れに変化する。内面64に置かれたプリントパターンのこの明確な変化は、カフ10が予め決められた温度に少なくとも等しい高温に晒されており、また、それ故、カフ10の使用が危険であるかもしれないということをユーザに知覚可能な視覚的な指標を提供する。
【0031】
水溶液指標(インジケータ)コンパウンド(水溶性のインクなど)は、高温インジケータコンパウンドに関して先の節で記載したように、カフ10の選択された表面に置かれたプリントパターンに形成することができる。如何なる再処理中の空気通路54への水または他の液体の障害因子の導入も、空気通路54を部分的にまたは完全に遮断し得る。さらに、水は、エチレンオキシドなどの第2の滅菌剤と化学的に反応することにより、間接的に前記通路を遮断し得る。ポート管20の内面64に置かれた着色インクの水溶性のパターンは、水に反応し、パターンを変更することにより、空気通路54への水の導入を示し、この変更はユーザによって直ちに知覚されるであろう。
【0032】
水、温度および第2の滅菌剤医のための前記したインジケータコンパウンドが、単一でまたは組合せで使用できるかもしれないことと、カフ10が該カフに悪影響を与え得る、後の滅菌または洗浄処理に晒され、カフ10の使用がもはや安全ではないことをユーザに知らせるべく、カフ10の選択された表面上に支持され、あるいはカフ10の構成要素を成形するときに結合されることとは、高く評価されるであろう。
【0033】
再び図6aに示されたポート管20の横断面図を参照するに、ポート管20は、円形横断面形状を有する外面62、内面64およびリッジ部66を有する。外面62、内面64およびリッジ部66は、共に均一でない厚さ寸法の壁68および非円形の横断面形状を有する空気通路54を成形する。リッジ部66は空気通路54中に突出しており、よって、ポート管20がよじれあるいは平にされたとき、空気通路54の完全な閉塞を防止する。対照的に、一般的にタニケットカフに使われた既存の可撓性の管は、円形横断面を有する内外の両面を有し、リッジ部66を有しない。図6aに示された横断面形状の補強特性により、壁68の断面積は、使い捨てタニケットカフで現在使用されている既存の可撓性管のそれ以下に選択され、単位長あたりほぼ等しい材料体積を結果として生じ、また、ポート管20の一定の横断面形状は、従来技術管のために使われるように、よく証明され、コスト効果が高い押し出し方法によって製造が可能であり、従来の管のそれに同様なポート管20の製造原価を結果として生じる。
【0034】
図6bは、図2から得られた断面図であり、カフポート16のポート管20の代替的な横断面形状を示し、図6aに示された横断面に比べて閉塞への抵抗を増大させる複数のリッジ部66を有する。当業者は、ポート管20の特定の全体サイズと剛性のために耐閉鎖の効果を提供するようにリッジ部66の寸法、形および数を選ぶことができ、壁68の必要とされる断面積を最小化し、よってポート管20のコストを最小化するために選ぶことができることを理解できるであろう。
【0035】
図7aは、図3aおよび3bから得られた好適な実施例を示す詳細図である。ポートコネクタ22は、マッキュアンによる米国特許第5,649,954号に開示されたカフから派生した市販のタニケットカフで使われるタイプDSM2202(ミネソタ州セントポール在所のColder Products Company社)のコネクタを成形するのに使用された処理と同様な射出成形法により成形される。しかしながら、これらの従来技術のコネクタと違って、ポートコネクタ22は、熱可塑性のポリエチレンと、ポート管20に関して上記した予め決められた状況に晒されるときに変色するように調合された滅菌インジケータとの混合物で作られている。ポートコネクタ22を作るために使われた材料のポリエチレン成分は、マッキュアンの前記米国特許第5,649,954号のカフのコネクタおよび従来の市販のカフに関連する前記DSM2202コネクタのポリエチレン材料と同様な剛性、強度、摺動性およびシーリング特性を有するように、選択され、これにより前記DSM2202コネクタでの使用を意図された雌コネクタとの互換性が保証される。認められない再処理の前記第2の滅菌に対する指標は、ポート管20について前記したと同様である。代わりに、またはさらに、ポート管20に関して上記したような1つ以上の選ばれた表面上でポートコネクタ22が温度インジケータコンパウンドを支持することができる。ポート管20について上記したように、ポートコネクタ22は、また水溶液指標コンパウンドを1つ以上の選ばれた表面の上で支持することができる。
【0036】
先に述べたように、ポートコネクタ22の予め決められた第1の色から予め決められた第2の色への色変化は、カフ10のユーザに視覚的に知覚可能な指標を与える。さらに、上記のポートコネクタ22の色変化は、例えば、マッキュアンの米国特許第6,682,547号および米国特許出願番号第20030167070号の公報に開示されている装置を組み込むことにより、両公報は参照によってここに含まれるが、接続されたタニケット機器14で離れて自動的に検出することができる。この点に関し、前記機器は、発光体および光検出器(フォトダイオードなど)を備え、ポートコネクタの色変化(または前記発光体および検出器間の光経路中に在る前記カフの他の色変化部分)が対応して前記検出器に達する光強度を変えるように配置され、その結果、前記検出器に関連する出力信号は、前記色変化を指示し、それゆえ、前記色変化を引き起こした自動的に体色変化を起こした作用因子への露出を自動的に示す。
【0037】
マッキュアンの米国特許第5,649,954号に開示されたように、また既存のDSM2202コネクタと同様な、従ってDSM2202コネクタとの使用を意図した雌コネクタと互換性のあるポートコネクタ22と同様に、ポートコネクタ22は作動フランジ70、環状溝72および変形可能なリング部74を含む。しかしながら、従来技術によるコネクタは、一般的に、円形内部横断面を有する柔軟なプラスチック管の中に適合する雄の顎部を有するが、ポートコネクタ22は、非円形の横断面の内面64(図6aおよび6b参照)を有する管20に容易に取り付けられるように適合する。ポートコネクタ22は、外面62上を雌の円筒形フランジ76に滑らせ、取付面で接合することによってポート管20と結合される。この配置は、ポート管端61から遠位のポート端53に伸びるポートコネクタ空気通路55を形成し、また、空気通路54中でコネクタの雄の顎部を取り除くことによって、既存のDSM2202コネクタに比べてより大きな空気の流路領域を提供し、またポートコネクタ空気通路55の断面積がポート管20のポート管空気通路54以上とすることを可能にする。このより大きな流路領域は、カフ10の膨張および収縮の速度を速めて、空気通路54および55に捩れ、圧縮または残がいによる閉塞を生じ難くする。さらに、ポートコネクタ22をポート管20に外面62で結合することは、従来技術に見られる典型的な配置(ポートコネクタの雄接続部分を可撓性のプラスチック間の内面に挿入する)に比較して、結合領域を増大させ、結合力と空気のシーリング性質を改善する。雌の円筒形フランジ76の材料体積は、既存のDSM2202コネクタの雄の顎部のそれと同じであり、雌の円筒形フランジ76を成形するのに必要なモールドはより簡単で、したがって、ポートコネクタ22の製造原価は従来技術コネクタのそれ以下である。
【0038】
図7bは、図3aおよび3bから得られた詳細図であり、ポートコネクタ22(図7a参照)が製造コストを減少させるためにポート管20と一体である置換の実施例を示す。この実施例では、ポート管20の端は、作動フランジ70、環状溝72および変形可能のリング部74を作り出すように成形されている。前記熱可塑性の材料は、ポートコネクタ22について上述したように、予め決められた状況に晒されると独特の色変化を受ける。好適な実施例で説明したように、この置換の実施例は、ポートコネクタ22のポート管20への取付けおよび結合を省く。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】手術適応に好適な実施例を示す絵画的な図面である。
【図2】前記好適な実施例のカフ部分を示す。
【図3a】図1に示されるように患者の四肢に適用されたカフが膨らまない状態での図2から得られた断面図である。
【図3b】患者の四肢に適用されたカフが膨らんだ状態での図2から得られた断面図である。
【図4】空気袋密封フランジの底図面である。
【図5】図4から得られた断面図である。
【図6a】図2から得られた前記好適な実施例を示す断面図である。
【図6b】図2から得られた他の好適な実施例を示す断面図である。
【図7a】前記好適な実施例を示し、図3aおよび図3bに示された領域の詳細を示す図である。
【図7b】図3aおよび図3bに示された領域の詳細を示す他の実施例の図である。
【符号の説明】
【0040】
10 カフ
12 四肢
14 タニケット機器
16 カフポート
18 シーリングフランジ
20 ポート管
22 ポートコネクタ
24 機器コネクタ
26 機器管
40 底層(第1の層)
42 中間層(第2の層)
46 空気袋シール
48 膨張可能な空気袋
50 ビード
52、54 空気通路
66 リッジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の層シール面を有する柔軟な熱可塑性の材料の第1の層と、
前記第1の層シール面に対面する第2の層シール面を有する柔軟な熱可塑性の材料の第2の層と、
前記第1の層シール面および前記第2の層シール面間で所定の周辺の回りに気密的な封止を形成する周辺シールであって該周辺シールの内側に膨張可能な空気袋を形成する周辺シールと、
空気袋シーリングフランジであって該空気袋シーリングフランジの回りで前記第1の層シール面に密封された空気袋シーリングフランジを有するポートとを含み、
前記周辺シールは、熱可塑性材料の第1および第2の層が共に融合されたビード部を含み、該ビード部は、前記膨張可能な空気袋中に突出し、また前記ビード部の近傍の前記空気袋内で前記第1のシール面を前記第2のシール面から引き離すためのビード厚さ寸法を有し、これにより前記周辺シールに沿って空気袋空気通路を形成し、
前記ポートは、前記第1の層の外の遠位ポート端から前記ポートを通って前記空気袋シーリングフランジに形成された溝に沿って前記空気袋シーリングフランジの縁部近傍で前記空気袋内へ至るポート通路を形成すべく、前記第1の層を通り抜ける、改善された空気通路を有するタニケットカフ。
【請求項2】
前記フランジを経る複数の空気通路を形成すべく前記フランジに形成された複数の溝を含む、請求項1に記載のタニケットカフ。
【請求項3】
前記ポートは、さらに、前記第1の層に直角な方向へ前記フランジを経て伸びる所定の横断面積の窪んだ細長い溝を含む、請求項1に記載のタニケットカフ。
【請求項4】
さらに、前記遠位ポート端につながるポート管であって該ポート管の空気通路を経て前記空気袋と空気的に連通するために前記遠位ポート端から伸長するポート管を含み、前記空気通路は所定の非円形の横断面形状を有する、請求項1に記載のタニケットカフ。
【請求項5】
前記ポート管は、前記空気通路に隣接する1つのリッジ部を含む、請求項4に記載のタニケットカフ。
【請求項6】
前記ポート管は、前記空気通路に隣接する複数のリッジ部を含む、請求項4に記載のタニケットカフ。
【請求項7】
前記ポート管端の近傍で前記ポート管の外面に取り外し不能に結合されたポートコネクタを含み、該コネクタが、前記空気袋とタニケット機器との間に気密的な通路を形成すべく前記タニケット機器への接続に適用される、請求項4に記載のタニケットカフ。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【公開番号】特開2012−75912(P2012−75912A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233525(P2011−233525)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【分割の表示】特願2008−516084(P2008−516084)の分割
【原出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(505295226)ウエスタン クリニカル エンジニアリング リミテッド (8)
【Fターム(参考)】