説明

改良されたソーイングワイヤスプール

本発明は、コアおよび前記コアの両端に連結された2つのフランジを備えている、細径金属ワイヤを巻き付けるためのスプールにおいて、前記フランジの各々の外側が、前記コアから半径方向に延在している多数のデボス領域であって、前記コアの周囲に均等に分配されている、デボス領域を備えている、スプールに関する。これらのデボス領域によって、細径金属ワイヤを巻き付けるときに、フランジの拡がりが低減されることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細径金属ワイヤを巻き付けるためのスプールに関する。さらに詳細には、本発明は、ソーイングワイヤ(sawing wire)を巻き付けるための金属薄板から作製されたスプールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスプールは、コアおよび2つのフランジを有している。2つのフランジは、例えば、前記コアの両端に溶接されている。コアおよび2つのフランジは、炭素鋼から作製された1〜6mmの厚い金属薄板である。
【0003】
前記スプールに巻き付けられることになる細径金属ワイヤの例は、ソーイングワイヤである。ソーイングワイヤは、0.08mmから0.16mmの間の直径、最も典型的には、0.12mmの直径を有している。しかし、0.25mmのソーイングワイヤが存在していることも知られている。さらに一層細径のソーイングワイヤをさらに長く巻き付ける傾向にある。ソーイングワイヤは、遊離砥粒式ソーイング機に用いられるものである。この方式のソーイング機では、ソーイングワイヤは、液体キャリアおよび砥粒を含むスラリーを被鋸断材料の漸進する切口内に引き込む働きをする。この種のソーイング機は、半導体工業または太陽電池製造に用いられるシリコンインゴットを切断するために、広く用いられている。代替的に、スプールは、固定砥粒ソーイングワイヤを巻き付けるために用いられてもよい。この場合、砥粒がワイヤにしっかりと付着されており、キャリアスラリーは、必要ではない。
【0004】
スプールは、ホース補強ワイヤを巻き付けるのに用いられてもよい。この種のワイヤは、ホースを補強するために、内側ホース体の周囲に編組みまたは螺旋巻きされている。このようなホースは、とりわけ、油圧作動機械に用いられるものである。ホースワイヤは、一般的に、0.16mmから0.25mmの間またはそれ以上の直径を有している。
【0005】
ワイヤの層をスプールに巻き付けるとき、スプールに加えられる各層は、その下の層に圧力を加えることになる。この圧力は、ワイヤをスプールに巻き付けるのに用いられる力および巻き付けられる層の数に比例している。圧力は、スプールのコアのみならずフランジにも伝達される。この圧力によって、両方のフランジが、外方に押し拡げられることになる。極端な場合、この力が余りにも大きく、フランジがコアから離脱し、さらに極端な場合、コアが完全に崩壊することもある。
【0006】
前述したソーイング用途では、800kmの長さの0.12mm径の単一ワイヤがスプールに巻き付けられている。金属ワイヤの直径が小さくなると、ワイヤの層の累積数が大きくなる(層の数は、500から800にまで大きくなることがある)。巻付け張力は、典型的には、2から40ニュートンである。従って、フランジに生じる側圧は、大きい。フランジは、ワイヤがスプールに巻き付けられている間に、変形し、拡がることになる。これは、後続の切断プロセスに用いられる場合、極めて不利である。何故なら、切断中、層の数の減少と共に圧力が減少すると、スプールフランジが元の位置に戻る傾向にあるからである。従って、フランジの内側のすぐ近くの残りのワイヤループが、残りのワイヤパックとフランジとの間に捕捉され、次いで、スプールから引き出されるときに破断するという本質的な危険性がある。
【0007】
このような側圧に耐えるのに十分な強度および剛性をもたらすために、先行技術によるいくつかのスプールは、約20mmから50mmの厚みを有する金属円板からなるフランジを有している(例えば、特許文献1参照)。しかし、このようなスプールは、余りにも重いので、その操作性が極めて劣悪である。さらに、このスプールは、材料費、処理費、および輸送費が高くなる。しかも、この機械的に強靭なスプールであっても、極めて高い側圧によって、フランジおよびコアの塑性変形を避けることができない。繰返し使用の後、スプールは、さらなる変形または破断によって、使用不能になる。従って、このスプールは、その高コストと比べて、適切な耐久性を確保することができない。
【0008】
他の解決策として、フランジの剛性を高めるために、一緒に溶接された互いに異なる金属薄板の層を備えるフランジを有するスプールを作製しようとする試みがある。このような解決策の例が、特許文献2に記載されている。しかし、この種のスプールは、巻付け容量が低くなる。
【0009】
さらに他の解決策が、特許文献3に見出される。ここでは、ワイヤ巻付けの側圧によるフランジの変形を低減させるために、フランジの外側にショットピービングが施されている。
【0010】
最も広く用いられているソーイングワイヤ用スプールが、特許文献4に記載されているが、このスプールは、厚い金属薄板から作製されている。このスプールは、頑丈であるが、一回のみしか使用できない。何故なら、一回の使用サイクル後に、フランジが塑性変形するからである。さらに、このスプールは、0.120mm以下の直径のワイヤを巻き付けるように設計されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国デザイン特許第399,857号明細書
【特許文献2】欧州特許第1295836B1号明細書
【特許文献3】特開2006−240865号公報
【特許文献4】米国デザイン特許第441,772号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、先行技術の欠点を解消することにある。本発明の具体的な目的は、ソーイングワイヤのような細径ワイヤを巻き付けるためのスプールであって、フランジの変形を最小限に抑えるのに十分な機械的強度を有し、再使用可能性を得ることができる、スプールを提供することにある。また、本発明の目的は、重量およびコストの低減を達成することにある。本発明のさらに他の目的は、1000km以上の長さのより細い、例えば、0.08mmの直径を有するワイヤを巻き付けることを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の態様によれば、金属ワイヤを巻き付けるための金属薄板から作製されたスプールであって、コアおよび前記コアの両端に連結された2つのフランジを備えている、スプールにおいて、前記フランジの各々の外側が、前記コアから半径方向に延在している多数のデボス領域を備えている、スプールが提供されることになる。好ましい実施形態では、前記デボス領域は、前記コアの周囲に角度的に均等に分配されている。
【0014】
スプールのフランジは、例えば、スプールに溶接されていてもよい。代替的に、フランジは、コアにろう付けされていてもよいし、または機械的な締付け手段によって、コアに取り付けられていてもよい。さらに他の可能性として、フランジは、その中心孔に予め取り付けられたカラーを備えていてもよい。ここでは、カラーのリムが、コアに溶接されることになる。あるいは、カラーをコアの端内にすべり込ませ、そこに点溶接するようになっていてもよい。当業者であれば、コアをフランジに接続する他の方法を十分に見出すことができるだろう。
【0015】
「半径方向に延在しているデボス領域(debossed areas that extend radial)」という用語は、デボス領域がコアからフランジの外側リムに向かう半径方向においてより長い寸法を有していることを意味している。
【0016】
本出願の目的では、「デボス領域(debossed area)」という用語は、金属薄板の塑性圧縮された領域を意味している。従って、デボス加工された領域は、該領域を取り囲んでいる領域よりも低くなっている。これは、例えば、コインの「表(head)」に刻印するための「エンボス加工(embossing)」と逆である。エンボス加工された領域は、該領域を囲んでいる領域よりも高くなっている。
【0017】
デボス領域の凹みは、材料の圧縮によってのみ得られるものである。このデボス領域の凹みは、凹んだ領域を得るために表面材料を取り去った結果として、得られるものではない。
【0018】
同様に、デボス加工は、金属薄板のスタンピング加工によって局部的に変形させるものではない。スタンピング加工中、金属薄板の厚みは、殆ど変化することなく、刻印部の裏部が、スタンピング加工側と反対の側から肉眼で見えることになる。デボス加工が行われた領域は、フランジの内側、すなわち、フランジの互いに向き合っている側から殆ど見えない。フランジの内側は、巻付け中に、フランジの内側に近い位置においてワイヤの巻き乱れをもたらさないように、可能な限り滑らかであるべきである。
【0019】
材料の局部的な圧縮が材料の降伏応力に影響を及ぼし得ることが、材料科学から知られている。例えば、金属帯片を圧縮することによって、金属帯片の引張降伏強度を増大させることができる。従って、この金属を降伏させるのに、より高い応力が必要になる。これは、材料科学では、(ドイツ人技師Johann Baushingerの名前に由来する)「バウシンガー効果(Bauschinger effect)」として知られている。この理論に縛られることなく、金属薄板から作製されたフランジを局部的にデボス加工することによって、フランジの降伏強度が有利に高められ、これによって、ワイヤ層の圧力に対する抵抗がより大きくなることが考えられる。
【0020】
単一デボス領域の表面積の上限は、用いられる工具によって制限されることになる。すなわち、表面積が大きくなると、深さが小さくなる。何故なら、用いられるプレスは、最大圧縮力を生成するように決められているにすぎないからである。下限に関しては、単一デボス領域の面積は、小さすぎてはならない。何故なら、小さすぎると、材料が圧縮領域の外側に流れ、その結果として、領域の内側の有効圧縮が小さくなるからである。
【0021】
第1の実施形態では、デボス領域の数は、4つであり、好ましくは、デボス領域は、90°ごとに配置されている。他の実施形態では、デボス領域の数は、6つであり、好ましくは、デボス領域は、60°間隔で規則的に配置されている。さらに他の実施形態では、デボス領域の数は、4から18の間である。
【0022】
本発明のスプールは、外径D1を有するコアおよび外径D2を有する2つのフランジを有しており、前記フランジの自由半径は、(D2−D1)の半分である。スプールは、前記デボス領域が、前記自由半径の少なくとも25%、好ましくは、少なくとも35%、最も好ましくは、少なくとも50%にわたって半径方向に延在していることによって、さらに特徴付けられている。これは、半径方向において測定される領域の最大寸法が、自由半径の少なくとも25%、さらに好ましくは、少なくとも35%、最も好ましくは、少なくとも50%であることを意味している。一実施形態では、前記フランジの自由半径は、5cmから20cmの間であり、前記デボス領域の半径方向長さは、2.5cmから10cmの間である。
【0023】
前記デボス領域の表面積は、合計で、前記コアと前記フランジの1つのリムとの間の環状表面積の2%よりも大きく、40%よりも小さい。
【0024】
前記デボス領域の深さは、前記フランジの厚みの3%から50%の間である。一実施形態では、前記フランジは、2.5mmから6.0mmの間の厚みを有しており、前記デボス領域の深さは、0.2mmから1.25mmの間である。特定の実施形態では、前記フランジは、4.0mmから5.0mmの間の厚みを有しており、前記デボス領域は、0.15mmから2.0mmの深さを有している。さらに特定の実施形態では、前記フランジは、4.5mmの厚みを有しており、前記デボス領域は、0.15mmから1.5mmの間の深さを有している。
【0025】
好ましい実施形態では、前記デボス領域は、実質的に矩形状であり、前記矩形形状の長辺は、半径方向に沿っている。一実施形態では、前記矩形状のデボス領域の幅は、5mmから20mmの間である。
【0026】
代替的形態では、前記デボス領域は、切頭扇状である。扇状部は、スプールのフランジの中心に先端を有している。前記扇状部の各々は、スプールの中心から見て、ある角度を画定している。前記切頭扇状部によって画定されている円弧角の合計は、好ましくは、10°から180°の間である。
【0027】
本発明の一実施形態では、前記フランジの一方または両方に、使用中に前記スプールを連れ回転させるための1つまたは2つ以上の突出した駆動スタッドが設けられている。駆動スタッドは、ソーイング機の駆動板の円形または半円形の切欠きに係合するようになっている。駆動板が回転すると、スプールは、スタッドの運動を介して駆動板によって駆動されることになる。スタッドは、リングとすることができ、リングの内側がフランジに溶接されることになる。外側を溶接すると、スタッドの足部に溶接バリが生じ、スタッドを駆動孔内に適切に係合させることができない。代替的におよび最も好ましくは、2つの互いに向き合った半月状の切欠きを有する円板が用いられるとよい。この場合、溶接は、外側から切欠き部に行われることになるが、これは、密閉されたリング空間内で溶接しなければならない場合よりも、はるかに都合がよい。
【0028】
以下、添付の図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明によるスプールを示す斜視図である。
【図2】本発明によるスプールの側面図である。
【図3】図2のフランジのB−B’に沿った断面図である。
【図4】本発明の実施形態によるスプールの側面図である。
【図5】本発明の特定の実施形態によるスプールの側面図である。
【図6】本発明の特定の実施形態によるスプールの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明によるスプール10の第1の実施形態を示している。スプール10は、コア12およびコア12の両端に溶接された2つのフランジ14を備えている。2つのフランジ14には、角度的に均等に配置されて、コア12から半径方向に延在している6つのデボス領域16が設けられている。デボス領域16は、実質的に矩形状である。2つの突出した駆動スタッド18が、使用中にスプール10を連れ回転させるために、設けられている。2つのフランジは、リム20を有しているとよいが、これは、必ずしも、本発明に必要なものではない。
【0031】
図2は、本発明によるスプールの第1の実施形態の側面図である。コア12は、外径D1を有しており、2つのフランジ14は、外径D2を有している。第1の実施形態では、D1は、156mmであり、D2は、310mmである。フランジの自由半径は、(D2−D1)/2、すなわち、77mmである。6つのデボス領域16は、40mmの半径方向寸法を有する実質的に矩形の形状を有している。すなわち、自由半径の約50%が、デボス加工されている。デボス領域の幅は、約8mmである。自由領域の約3%が、デボス加工されている。
【0032】
図3は、図2のフランジのB−B’に沿った断面図である。この図は、フランジ14が厚み‘d’を有しており、デボス領域16が厚み‘δ’を有していることを示している。 ‘δ’は、フランジ14の厚み‘d’の50%から97%の間であり、これは、鋼薄板が3%から50%圧縮されていることを意味している。第1の実施形態では、金属薄板の厚み‘d’は、4.5mmであり、凹み領域の厚み‘δ’は、4.0mmであり、これによって、デボス領域は、0.5mmの深さを有していることになる。実際には、凹み領域の深さを直接測定するよりも、両方の厚み‘d’および‘δ’を測定し、次いで、デボス領域の深さを導く方が、容易である。
【0033】
デボス加工は、例えば、衝撃プレスによって、所望の領域形状を有する焼入鋼からなる押し型をフランジとは別体の平面に対してフランジに押し込むことによって、行われるものである。これは、常温で行われ、他の処理は、必要ではない。重要なことは、型押しの痕跡が、フランジの内側にそれほど大きく現れないこと、すなわち、フランジの内側には、わずかな跡が見えたとしても、どのような突出部も生じてはならないことである。このような突出部は、細径金属ワイヤの巻付き品質を損なうことになるだろう。
【0034】
図3は、フランジ14が、2つの溶接シーム15,17を介して、フランジの内側および外側のそれぞれでコア12にいかに取り付けられているかも示している。スタッド18は、27mmの直径および12mmの高さを有するリングから作製されており、このリングがフランジ14に内側から溶接されている。
【0035】
図4は、突出した駆動スタッド18が異なる形状を有している点においてのみ第1の実施形態と異なっている、本発明の代替的な実施形態によるスプールの側面図である。これらのスタッドは、2つの半月部分が切り取られている27mmの直径および12mmの高さを有する中実円板から作製されている。この場合、フランジへのスタッドの溶接は、極めて容易である。何故なら、スタッドの切取られた部分に外側から溶接を行うことができるからである。図5および図6は、デボス領域16の総表面積が先の図に示されている6つのデボス領域16の表面積よりも大きくなっている、本発明の他の好ましい実施形態を示している。
【0036】
図5は、切頭扇状の形態にある6つのデボス領域16を有するフランジを示している。1つのデボス領域16の円弧角‘α’は、約30°である。前記切頭扇状部によって画定されている円弧角の合計は、約180°である。コアとリムとの間の環状表面積の約23%が、デボス加工されている。
【0037】
図6は、2つのフランジの各々が18個のデボス領域16を備えている、本発明の特定の実施形態を示している。
【0038】
本発明のスプールをフランジにデボス領域が存在していない点においてのみ異なっている従来のスプールと比較する試験を行った。スプールの寸法およびデボス領域は、第1の実施形態に記載されているものである。
【0039】
従来のスプールおよび本発明のスプールを以下のように試験した。すなわち、各スプールに、0.14mmの直径の細径ワイヤを約3.5ニュートンの制御巻付け張力および0.15mmの巻付けステップで巻き付けた。これらは、通常よりも厳しい条件である。200km、400km、および800kmのそれぞれの細径ワイヤ長さで、巻付けを停止した。停止時に、スプールのリム(直径D2)において、内側フランジ幅をインサートゲージによって軸方向に正確に測定した。スプールのリムにおいて、変形は最大になる。表1に示されている結果は、従来のスプールと比較して、本発明のスプールの場合、フランジの両端の変形が少ないことを示している。細径ワイヤが200km巻装されたスプールは、従来のスプールが0.2mmの変形を示しているのと比較して、全く変形していないことを示している。細径ワイヤが400km巻装されたスプールは、従来のスプールの2/3の変形を示している。細径ワイヤが800km巻装されたスプールも、依然として変形がいくらか少なく、改良を示している。従って、これらの結果によって、デボス領域をより長い半径方向長さにわたって延在させることによって、より一層の改良が得られることが推測される。
【0040】
最後に、例えば、米国デザイン特許第441,772号明細書に記載されているような先行技術のスプールにおけるフランジの変形と比較した場合、かなりの改良が得られている。実際、先行技術によるスプールは、従来のスプールおよび本発明のスプールに対してなされた試験におけるのと同じ試験条件下で、10mmを超えるフランジの拡がりを示している。
【0041】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ワイヤを巻き付けるための金属薄板から作製されたスプール(10)であって、コア(12)および前記コア(12)の両端に連結された2つのフランジ(14)を備えている、スプール(10)において、前記フランジ(14)の各々の外側は、金属薄板の塑性圧縮された多数のデボス領域(16)であって、前記コア(12)から半径方向に延在している、デボス領域(16)を備えている一方、前記フランジの内側は、実質的に平坦になっていることを特徴とするスプール。
【請求項2】
前記デボス領域(16)は、前記コア(12)の周囲に角度的に均等に分配されていることを特徴とする、請求項1に記載のスプール。
【請求項3】
前記デボス領域(16)の数は、4から8の間であることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のスプール。
【請求項4】
前記コア(12)は、外径D1を有しており、前記2つのフランジ(14)は、外径D2を有しており、これによって、前記フランジ(14)の自由半径は、(D2−D1)の半分であり、さらに、前記デボス領域(16)は、前記自由半径の少なくとも25%、好ましくは、少なくとも35%、最も好ましくは、少なくとも50%にわたって、半径方向に延在していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のスプール。
【請求項5】
前記フランジ(14)の前記自由半径は、5cmから20cmの間にあり、前記デボス領域(16)の半径方向長さは、2.5cmから10cmの間にあることを特徴とする、請求項4に記載のスプール。
【請求項6】
前記デボス領域(16)の表面積は、合計で、前記コア(12)と前記フランジ(14)の1つのリム(20)との間の環状表面積の2%よりも大きく、40%よりも小さくなっていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のスプール。
【請求項7】
前記デボス領域(16)の深さは、前記フランジ(14)の厚み(‘d’)の3%から50%の間にあることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のスプール。
【請求項8】
前記フランジ(14)は、2.5mmから6.0mmの間の厚みを有しており、前記デボス領域(16)の深さは、0.2mmから1.25mmの間にあることを特徴とする、請求項7に記載のスプール。
【請求項9】
前記フランジ(14)は、4.0mmから5.0mmの間の厚みを有しており、前記デボス領域(16)は、0.15mmから2.0mmの間の深さを有していることを特徴とする、請求項7に記載のスプール。
【請求項10】
前記フランジ(14)は、4.5mmの厚みを有しており、前記デボス領域(16)は、0.15mmから1.5mmの間の深さを有していることを特徴とする、請求項7に記載のスプール。
【請求項11】
前記デボス領域(16)は、実質的に矩形状であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のスプール。
【請求項12】
前記矩形状のデボス領域(16)の幅は、5mmから20mmの間にあることを特徴とする、請求項11に記載のスプール。
【請求項13】
前記デボス領域(16)は、切頭扇状であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のスプール。
【請求項14】
前記切頭扇状部によって画定されている円弧角の合計は、10°から180°の間にあることを特徴とする、請求項13に記載のスプール。
【請求項15】
前記フランジ(14)の片方または両方に、使用中に前記スプール(10)を連れ回転させるための1つまたは2つ以上の突出した駆動スタッド(18)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載のスプール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−509824(P2012−509824A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537918(P2011−537918)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064821
【国際公開番号】WO2010/060779
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(592014377)ナムローゼ・フェンノートシャップ・ベーカート・ソシエテ・アノニム (81)
【氏名又は名称原語表記】N V BEKAERT SOCIETE ANONYME
【Fターム(参考)】