改良されたチューブ
【課題】本発明は、液密のラベル室であって、サンプルチューブの本体に溶着されるか、あるいはその一部を形成するラベル室を組み込んだサンプルチューブ組立体を提供することである。
【解決手段】本発明は、またサンプルチューブ組立体であって、
(i)底が端キャップを受け入れるようにされているチューブ部分と、
(ii)前記チューブ部分の底に接合するようにされた端キャップと、
(iii)使用時前記チューブ部分の底または底の外面と前記端キャップの内面との間の空間によって提供されるラベル室とを含み、前記端キャップが溶着、溶接あるいはその他の方法でチューブ部分の底に接合され液密シールを提供するサンプルチューブ組立体を含む。
【解決手段】本発明は、またサンプルチューブ組立体であって、
(i)底が端キャップを受け入れるようにされているチューブ部分と、
(ii)前記チューブ部分の底に接合するようにされた端キャップと、
(iii)使用時前記チューブ部分の底または底の外面と前記端キャップの内面との間の空間によって提供されるラベル室とを含み、前記端キャップが溶着、溶接あるいはその他の方法でチューブ部分の底に接合され液密シールを提供するサンプルチューブ組立体を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は独特の識別ラベルを有するチューブに関する。本発明は、特に限定的ではないが、例えばクラスタチューブのような貯蔵チューブにラベルを付けることに特に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
科学研究所において、増大する大量の試料を操作し、かつ貯蔵する必要性が増している。これらの試料は必要に応じて、かつ必要な際迅速かつ明確に検索する必要がある。更に、益々増大する数の研究所がロボットによる試料の取り扱いに移行している。
【0003】
この種類の問題の典型例は試料がクラスタプレートに貯蔵された所謂クラスタチューブに保管されている場合である。試料の貯蔵に理想的な1.2ミリリットルのマイクロチューブのクラスタプレートは標準的なマイクロプレートフォーマットで頑丈なラックによって適所に保持された96個の個々の1.2ミリリットルのチューブを含む。各チューブはポリプロピレンから作られて、ロボットシステムによって加えられる圧力に耐えるように基部において、あるいはカラーの周りに完全に支持されている。各チューブを個々にシールするためにキャップあるいはマットが設けられ、クラスタチューブの蓋は「一方向」に嵌合するように隅部が面取りされている。ラックシステムを再利用しうるようにばらのチューブのパックが利用可能である。プレート内の個々の位置はAからHまでの文字と1から12までの数字とを使用した典型的に96個のウエルフォーマットにおいて指定されている。このようにF9の位置は配列内での特定のチューブを指示する。しかしながら、特定チューブの識別は同じ貯蔵領域に保持された数万個のマイクロチューブクラスタプレートがある場合更に複雑となる。
【0004】
各チューブを独特のラベルを付すという概念は周知である。例えば、チューブの底の外側は2層のコーティングを付与しうる。次に、コードはレーザエッチング方法等によってコーティングの頂層、すなわち一番外の層にエッチングしうる。そのような技術はマトリックス(Matrix)によって使用されてきた。
【0005】
この方法は多数の固有の欠点を有する。先ず、エッチング可能なコーティングはチューブの底に付与する必要がある。これらのチューブは典型的にDMSOを含む広範囲の有機溶剤に使用される。それは、漏れがあった場合でも、2層のコーティングがしっかりしており、かつ全ての溶剤に対して完全に不活性であることの双方が必要であることを意味する。このことは達成が容易でなく、それが達成されたとしてもコストを著るしく増大させることが避けられない。
【0006】
第2に、チューブを操作している間コーティングが僅かでも引っ掻かれた場合、それは偶発的に独特のコードを変えたり、あるいは劣化させうることである。このことは実験に対して極めて深刻な関わり合いがあり、繰返し実験するうちに多大な時間の工数と高価な試薬が失われる可能性がある。元の試料が唯一のものである場合、実験を繰り返すことが全くできなくなる。
【0007】
前述したこと全てが最終製品のコストを上げることになる。
【0008】
チューブにコードを付ける別な周知の例において、不透明なゴムあるいはプラスチック材料のスラグがチューブの基部に埋設される。これは次に通常バイナリコードの形態の一連のピットにより直接レーザエッチングによってコード化される。ここでも、不適当な掻き傷あるいはピットがチューブの底まで進行する場合、唯一のコードが喪失する。さらに、小さいチューブの底に不透明なスラグあるいは層を埋設あるいは取り付ける工程は必ずしも簡単でなく、それがレーザエッチングのコストを加える以前でさえもチューブのコストを著しく増す。
【0009】
また、チューブの基部に電子コードキャリヤを取り付けることも知られている。この種の技術の例は(バリースーBallies)国際特許第89/08264号および(クリッズオイーClids OY)国際特許第99/03585号に記載されている。これらの双方の例において、メモリ装置は取り外し可能である。メモリ装置は液密ケーシングに閉じ込まれているが、これはチューブの底にシールされてはいない。
【0010】
集約すると、これは本発明の出願人に既知である身近な従来技術である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は前述の概説した問題のあるもの、あるいは全てを排除するか、あるいは少なくとも緩和することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の局面によると、液密のラベル室であって、サンプルチューブの本体に取り付けられているか、あるいはその一部を形成するラベル室を組み込んだサンプルチューブ組立体が提供される。ラベルをシールされたハウジング内に閉じ込めることによって、従来のプリント技術を使用してプリントされたラベルを使用することができる。そうすればレーザエッチングはもはや必須ではなくなるが、使用は可能である。
【0013】
チューブ組立体は、
(i)底が端キャップを受け入れるようにされているチューブ部分と、
(ii)前記チューブ部分の底に接合された端キャップと、
(iii)チューブ部分の底あるいは該底の外面と端キャップの内面との間の空間によって使用時提供されるラベル室とを含むことが好ましく、前記端キャップが液密シールを提供するように前記チューブ分の底に溶着、溶接あるいはその他の方法で接合されている。この2部分を含む構造はいずれかの都合のよいプリントされた、あるいはエッチングされたラベルが使用可能であり、かつそれが溶剤、研磨材等との接触から自動的に保護されることを意味する。
【0014】
端キャップは基部と該キャップの周囲の周りに実質的に延びている直立の側壁とを含み、前記側壁はチューブ部分の底の周りに形成された肩と協働するようにされていることが好ましい。
【0015】
前記端キャップは前記側壁の周囲の周りに実質的に延びている隆起を組み込んでいる。このような配置によっては端キャップとチューブ部分との間のシールの品質と一体性とを向上させる。
【0016】
一代替実施例において、組立て前に前記チューブ部分の底にある肩はまた該チューブ部分の周囲の周りに実質的に延びている隆起を組み込んでいる。
【0017】
特に好適な実施例において、端キャップの隆起とチューブ部分の隆起とは端キャップがチューブ部分の端に置かれると相互に接触する。
【0018】
組立ての間、2個の接触している隆起における製造工程で使用する材料は加熱され、圧縮されてチューブ部分と端キャップとの間に液密シールを形成する。
【0019】
代替実施例において、チューブ部分の肩は端キャップ側壁の端縁部にある対応の隆起と協働して係合するようにされた溝あるいはくぼみを組み込んでいる。
【0020】
代替的に、チューブ部分の肩は端キャップの側壁の端縁部にある対応の溝あるいはテャンネルと協働して係合するようにされた隆起を組み込んでいる。
【0021】
前記溝あるいはくぼみは適当にキャップおよび(または)チューブ部分の周囲の周りに実質的に延びている無端の溝あるいはくぼみを含むことが有利である。
【0022】
端キャップは直径を小さくした端領域とスナップ嵌合することが好ましい。
【0023】
前述の実施例において、前記組立体は更にラベルを含むことが好ましい。
【0024】
前記ラベルはレーザエッチングされたラベルであることが好ましい。レーザエッチングは極めて明確に画成された像を提供し、各ラベルのコードが異なる多数のラベルを製造するのにより良好に適している。
【0025】
ラベルは紙あるいはプラスチック材料から形成してもよい。
【0026】
ラベルはまたプリントしたラベルでもよい。プリントは安価で、かつ経済的であり、現在高い鮮明度のプリンタが適度のコストで入手しうる。基板が諸要素から保護されているので、プリントされた紙ラベルでも使用可能である。
【0027】
一実施例において、ラベルがバーコードを組み込んでいる。
【0028】
代替実施例において、ラベルはバイナリコードを組み込んでいる。多数の形態のバイナリコードやバーコードが利用可能で、時間と共に新しいコーディングシステムが開発されつつある。本発明は全ての周知のコード並びに今後見出されるコードも網羅する意図である。
【0029】
ラベルはバーコードあるいはバイナリコードと共に英数字コードを組み込んでいる。
【0030】
端キャップは超音波溶接を利用してチューブ部分に溶着されることが好ましい。この技術は特に小型のチューブに対して良好に作用する。
【0031】
ラベル上の端キャップの領域は可視光線に対して実質的に透過性であることが好ましい。
【0032】
本発明の第2の局面によると、ラベルがシールされたハウジングすなわちラベル室に閉じ込まれていることを特徴とするラベルを組み込んだサンプルチューブ組立体が提供される。
【0033】
ラベルは光学読み取り可能な文字から構成されるコードを組み込んでいる。
【0034】
第2の局面によるチューブ組立体は、
(i)底が端キャップを受け入れるようにされたチューブ部分と、
(ii)前記チューブ部分の底に接合するようにされた端キャップと、
(iii)チューブ部分の底あるいは底の外面と、チューブ部分の底あるいは底の外面と端キャップの内面との間の内面との間の空間によって使用時提供されるラベル室と、
(iv)ラベルとを含み、端キャップがキャップの周囲の周りに液密シールを提供するようにチューブ部分の底に溶着、溶接あるいはその他の方法で接合されることが好ましい。
【0035】
好ましくは、端キャップは基部と、該キャップの周囲の周りに実質的に延びる直立の側壁とを含み、前記側壁の一番外の端縁部が前記チューブ部分の底の周りに形成された肩と協働するようにされている。
【0036】
組立て前に、端キャップの側壁とチューブ部分の底との双方はそれぞれの要素の周囲の周りに延びる材料の隆起を組み込んでいることが好ましい。
【0037】
シールされたハウジングを形成する前に、端キャップの隆起とチューブ部分の隆起とは端キャップがチューブ部分の端に置かれると相互に接触することが好ましい。
【0038】
ラベルはバーコードあるいはバイナリコードを組み込んでいることが好ましい。
【0039】
特に好適な実施例において、ラベルはレーザでエッチングしたラベルを含むことが好ましい。
【0040】
代替的に、ラベルはプリントしたラベルを含むことが好ましい。
【0041】
本発明の第3の局面によると、
(i)チューブ部分を形成する段階と、
(ii)チューブの閉鎖端用の端キャップを形成する段階と、
(iii)端キャップにラベルを位置させる段階と、
(iv)チューブ部分の底に端キャップを置き、ラベルが液密室に閉じ込められるように2個の要素の間に液密シールを形成する段階とを含み、本明細書で説明したサンプルチューブ組立体を構成する方法が提供される。
【0042】
前記2個の要素は超音波溶接を使用して相互に溶着されることが好ましい。
【0043】
本発明の第4の局面によると、
(i)液密のラベル室にラベルを閉じ込める段階と、
(ii)前記ラベル室をチューブに取り付ける段階とを含み、本明細書で説明したサンプルチューブ組立体を構成する方法が提供される。
【0044】
本発明の第5の局面によると、
(i)相互に入れ子状に重ねた内側および外側チューブ壁要素からチューブを形成する段階と、
(ii)2個の壁要素を溶着あるいはその他の方法で接合してその間に液密のラベル室を形成する段階とを含み、本明細書で説明したサンプルチューブ組立体を構成する方法が提供される。
【実施例】
【0045】
本実施例は本発明を実施する上で本発明の出願人に周知の現在最良の方法を示す。しかしながら、それらは本発明の実施しうる唯一の方法ではない。それらは例示のみとして図示し、以下説明する。
【0046】
図1は本発明を組み込んだクラスタチューブ10を示す。前記クラスタチューブの底の詳細は図2により明瞭に示されている。以下の説明は本発明がクラスタチューブに関連して使用しうる態様を示すが、本発明はプラスチック材料あるいはガラスから作られた事実上いずれの貯蔵チューブに対しても適用可能であることが認められる。
【0047】
図2は10で全体的に示す貯蔵チューブ組立体のチューブ部分11の底端を示す。前記チューブ部分の底端は直径を小さくした端領域12を有する。この端領域に底端キャップ13が嵌合するようにされている。底端キャップ13は前記小径端領域12にスナップ嵌合されることが好ましい。キャップ13は基部すなわちカバー14と前記キャップの周囲の周りに実質的に延びている直立の側壁15とから構成されており、前記側壁の一番外の端縁部は前記チューブ部分の小径にされた端領域に形成された肩と係合するようにされている。その結果、横広がりのU字形断面形状の浅いキャップすなわちカップが得られる。使用時、キャップが適所にスナップ係合されると、側壁15の一番外の縁部16がチューブ部分の底端と小径にされた端領域12との間の境界において肩17と突き合わされる。キャップ13が適所にしっかりと保持されると、チューブ部分の底すなわちチューブ部分の端領域12の外端面とキャップの基部14の内側すなわち内面との間に空間ができる。実際にはラベル室であるこの空間がラベルを受け入れるようにされている。次に、キャップはチューブ部分の端にシールされて、実質的に液密であるシールされたハウジング内でラベルを閉じ込める。
【0048】
このようなシールは多様な方法で達成可能である。チューブ部分と端キャップとがプラスチックで作られている場合、それらは好ましくは超音波溶接技術を使用して相互に溶接することができる。その他の形態の溶接も使用可能である。代替的に接着剤も使用可能である。チューブ部分の基部に液密のラベル室を形成する好適な方法は材料の専門家によって決められる。
【0049】
超音波溶接の場合、超音波溶接の効率を上げるために各種の形成物を使用しうる。例えば、図2はチューブ部分の小径にされた端領域とキャップとの間に形成しうる「舌と溝」による効果を示している。例えば、肩領域17はキャップの側壁の端縁部の隆起21と大きさおよび形状が対応する溝20を組み込むことができる。この後者の形成物(隆起)は図4に更に明瞭に示されている。要するに、キャップの隆起とチューブの肩の溝とは相互に協働して係合する。しかしながら、これは任意の形成物であって、前記2個の要素間にのシールを形成する上で不可欠というのではない。
【0050】
外周の周りのキャップの縁にあるくぼみ22はキャップを取り外したり、位置させ易くする。
【0051】
このような液密ラベル室の配置はラベルを任意の適当な材料から作ることができるという大きな利点を提供することが認められる。前記材料は独自の空間すなわちラベル室内にシールされるので例えばDMSOのような溶剤に対して化学的抵抗性がある必要はない。このことは、またラベルが従来の高鮮明度のプリント技術を使用してプリント可能であることも意味する。必要な鮮明度を達成するためにレーザエッチングを使用することは好ましいが、個々のラベルは異なるコードを有するのでレーザエッチングは何ら必要でない。このことは、また極めて多種のコードやコード型式を使用しうることを意味する。例えば、ラベルはカラー印刷を使用するか、あるいは種々の着色をした基板を使用することによって多様なカラーでプリントすることができる。種々の型式のバーコードあるいはバイナリコードが使用可能であり、かつ新規な型式のコードが開発される都度容易に採用することも可能である。このことはバイナリコードあるいはバーコードが変造された場合のクロスチェックを可能にする。このように、バーコードあるいはバイナリコードとして、あるいはその他の何らかのコードおよび英数字のような同じ独特の識別子をプリントすることができる。コード走査装置は双方のコードを読み取り、2個のコードが合致しない場合警告を発するように配置される。
【0052】
高い鮮明度プリント技術分野の専門家はラベルとして使用するのに最も適当な基板を選択する。ラベルはプラスチック材料、紙、あるいはその他の適当な複合材でよい。当業者は、また例えばレーザプリンティング、インクジェットプリンティング、あるいはレーザエッチングのような最も適当なプリンティングあるいはエッチング方法を選択する。
【0053】
本発明の重要な特徴は機械読み取り可能な特有の識別コードすなわちラベルがチューブの基部にある液密室にシールされることである。ラベルのコードを有する面はコードがチューブの基部の下方から読み取れうるように向いている。コードはラベル上にエッチングされることが好ましい。いずれにせよ、コードはラベルの一方の面に発生し、機械読み取り可能である光学的文字あるいは形状の形態をとる。コードの正確なフォーマットおよびコードを発生させる方法は本発明にとって重要ではない。
【0054】
本発明の重要な局面はラベルが電子コードキャリヤとは対照的に光学読み取り可能な文字を組み込んでいることである。光学的文字読み取り器は周知であり、益々精巧になっている。そのような一装置が(ダニエルソン他−Danielson et al)米国特許第6138915号に記載されている。しかしながら、これは単に市販されている多数の型式の読み取り器の一つでしかない。プリントされた、あるいはエッチングされたラベルを使用することによって、当該システムのコストと複雑さとが最小に保たれる。特殊なシールされた液密のラベル室にラベルをシールすることによって、ラベルは溶剤あるいは物理的な摩擦による損傷から保護される。
【0055】
この理由から、底の端キャップは透明な、あるいは実質的に透明な材料から形成されることが好ましい。キャップの底はコード化されたラベルをそこを通して見ることができるレンズの形態として作用する。
【0056】
この型式の構造の別な利点はチューブ部分の底に底端キャップを置く作業がラベルのシートからラベルを切断あるいはせん断するために使用可能であることである。端キャップの側壁がチューブ部分の小径にされた端領域の側を通ることによってある形態のせん断作用が発生することが認められる。このせん断作用すなわち押し抜き作用がシートに対してラベルディスクを切断するために使用可能である。ラベルディスクはラベルが打ち抜かれる前に部分的に穿孔しうる。
【0057】
それで貯蔵チューブ組立体の組立てが簡単になる。ある配列のチューブ部分がチューブの開放端を下にして、すなわち底端を上にして配置される。予めプリントしたラベルのシートがチューブの配列の上に置かれ、該チューブと正確に整合される。底端キャップが1個づつ、あるいはある配列でチューブの上方に持ってこられ、適所にしっかりと押し込まれる。余ったラベル材料は除去され、次に端キャップがチューブ部分上にシールされる。
【0058】
代替的に、前記組立ては逆に行なうことも可能である。すなわち、カップがある配列で基部を下にして、すなわち開放側を上にして置かれる。ラベルのシートがキャップの頂部上に置かれ、ある配列のチューブ部分が底端を下にして下方へ持ってこられ、キャップに押し込まれる。キャップの取り扱いおよび配置をし易くするために、それらは相互に接続したリンクを備えた配列で形成することができる。これらのリンクは一旦組立て段階が完了したら初めて取り外される。
【0059】
組立ての代替的な方法において、ラベルは該ラベルのプリントした、あるいはエッチングした面がキャップの底を通して見ることができるように端キャップに置かれる。次に、ラベルを内部に保持したキャップがチューブの底に置かれ、2個の要素が相互に溶接されるか、あるいはその他の方法で溶着され液密のラベル室を形成する。
【0060】
本発明並びに本開示はこれらの種々の組立て方法も含むのを意図する。
【0061】
ここまで説明してきたチューブの断面は実質的に円形であったが、本発明においてはチューブのいずれの適当な断面形状も使用可能なことが認められる。このように、四角形、長方形、あるいは多角形のチューブは同様の仕方で底端キャップを嵌合することができる。
【0062】
代替的な構造の詳細が図3から図12までに示されている。これらの図は底端キャップとチューブ部分の底との間の液密接合あるいは溶接を形成する各種の配置を示している。この点に関して、「液体」という用語は最広義の意味を有し、液体、ガスあるいは蒸気を網羅している。
【0063】
図3および図4を組み合わせて参照すると、これらの図は図3において、端キャップの側壁が組立ての間当接する肩37を有するチューブ部分31の底を示している。この例において、端キャップの側壁の周囲の周りには隆起21があるが、チューブ部分の底にある肩37には対応の溝がない。このように、液密の接合を形成する前、隆起の先端は肩37に載置される。
【0064】
この領域に熱あるいは超音波を加えることによって隆起を溶解させ、チューブ部分と端キャップとが相互にシールされる。
【0065】
このようなシール系の展開および更なる修正が図11および図12に示されている。図11は図2および図3に示すものと類似のチューブ部分61の底を示す。しかしながら、この例においては、チューブ部分の底の周りの肩77も同じ材料の隆起70を組み込んでいる。この材料の隆起は底端キャップ73の側壁の頂縁部における類似の隆起71に対応する。2個の要素が相互に合わされると、2個の隆起70および71が相互に接触し、チューブの底の肩77と底端キャップの側壁の平坦部分76とが相互に接触しないようにする。それらがこのような形態にあるとき前記隆起に熱あるいは超音波を加えると双方の隆起が溶解し、2個の部材が液密状に相互に溶着するようになる。キャップが面76および77を合わせようとしてチューブ部分の底に押し込まれるように溶接あるいは溶着工程の間2個の部材に圧力が加えられる。隆起70および72の材料がチューブの外側まで外方と、チューブ本体の中心軸線に向って内方へとの双方に流動する。
【0066】
図11および図12に示すチューブのその他の構造上の特徴は図2、図3および図4に示すものに対応し、対応する番号系を使用している。これまで説明してきた図に示す隆起の形状は実質的に三角形として示してきた。これは単に使用しうる広範囲の形状の一つに過ぎない。基本的には、隆起はチューブ部分と底端キャップとの間の接合を形成するために溶解しうる材料源として機能する。材料の専門家はチューブ部分と端キャップとの間の液密の接合を構成するか、あるいは寄与する隆起および溝あるいは材料の最適な大きさ、形状、位置および数量を決定する。熱で活性化する接着剤が底端キャップのチューブ部分と同じ成分の溶解あるいは融合材料の代わりに、あるいはそれらと共に使用しうることが認められる。更に、材料の専門家は何れの隆起、溝、等の最適位置も決定する。
【0067】
例示のみとして、図に示す型式のクラスタチューブに対してある寸法を提供する。チューブの全長は端キャップおよびラベルを含んで47ミリメートル程度である。図12を参照すると、寸法Aは5.10ミリメートルであり、寸法Bは5.60ミリメートルであり、寸法C、すなわち隆起の高さは0.15ミリメートルである。角度Dは80度である。これらの寸法は用途に適するように変更される。ラベルは厚さが0.12ミリメートル程度である。
【0068】
これらの隆起はここまではチューブの長手方向軸線において相互に当接する肩にあるものとして示してきた。異なる配置の一例が図7、図8、図9および図10に示されている。本実施例において、底端キャップ43はチューブ部分41の底端上に嵌合するようにされている。隆起すなわち突起51が端キャップの側壁の内面に設けられている。この突起は、チューブ部分の直径がチューブの全体的な外径よりも小さい領域においてチューブ部分41の側壁にある対応の溝50に嵌合される。この結果、キャップはチューブ部分の底端にスナップ嵌合する。突起51はまたチューブ部分の周りにシールを形成しうる材料のビードとしても作用する。このシール用ビード領域に熱あるいは超音波エネルギを加えることによって2個の要素が相互に溶着するようにさせる。
【0069】
これまで説明してきた例においては、ラベルはキャップとチューブの端とを組み合わせることによって形成されるラベル室に閉じ込められてきた。これは可能な唯一の配置型式ではない。例えば、ラベルはそれ自体チューブ部分の本体から分離された存在であるラベル室に閉じ込めることが可能である。このようなラベル室はその内部にラベルを入れて溶接、溶着あるいは接着剤あるいはその他の何らかの方法によってチューブ本体に接合される。例えば、液密ラベル室は、チューブ本体の基部にある空洞にスナップ嵌合するようなチューブ本体における何らかの形成物と係合しうる。このような配置によって同じ目的を達成し、前述した実施例と同じ利点を有する。
【0070】
ラベル室をチューブ部分の基部に取り付けねばならないというような意図はない。それはチューブの作動と緩衝しないのであればチューブの底あるいは側部のいずれか適当な箇所に取り付けることができる。
【0071】
本発明の融通性の例示として、ラベル室は、また二重層のチューブを形成することによって形成することもできる。そうすれば、ラベルは2個のチューブの間の隙間空間を占め、チューブの側を介して見ることができ、かつ読み取り可能である。この配置は外側チューブ要素の少なくとも一部が透明あるいは実質的に透明である必要がある。
【0072】
本発明の別な実施例が図13および図14に示されている。これらの図面はそれぞれ外側チューブ部分81、91および内側チューブ部分82、92から形成されたチューブ80、90を概略図示する。外側チューブ部分の基部84、94は実質的に平坦である。内側および外側チューブ部分は一方が他方の内部に入れ子状に重ねられ、下側部分は滑合している。しかしながら、チューブの上側部分においては、内側部分と外側部分との間に間隙すなわち別個の隙間空間88、98が存在している。この空間は図示していないラベルを受け入れるようにされている。ラベルは前述したものと類似の情報を付けている。図において88および98で示す液密のラベル室を完成するために前記2個のチューブ部分の間にチューブの周囲の頂部の周りに液密シール87、97が形成されている。
【0073】
図13および図14は真直な側部のチューブを示しているが、従来のクラスタチューブ形状を含む任意のチューブ形状も可能である。更に、これらの図において、外側チューブ部分は内側チューブ部分全体を実質的に囲むものとして示されている。このことは必須ではなくて、外側チューブ部分はラベル室の領域のみに限定してもよく、あるいはチューブの頂部と底部との中間のある箇所において終わらせてもよい。
【0074】
チューブの頂部の周り、および何れかのその他の接合領域での詳細は材料の専門家によって決められる。スペーサ、接合部材等が使用可能である。製造時頑丈な液密溶接を提供するために超音波溶接を使用することが考えられる。
【0075】
ラベル室の透明性に関して、ラベル情報が光学読み取り可能であることが必要である。ラベルコード情報の直ぐ上のラベル室の領域はコードを検出しうるようにするのに十分透明すなわち透光性である必要がある。ラベル室の残りの部分は透明である必要はなく、ある形態のレンズ部分をラベルコード領域の前部に設けることが考えられる。このレンズ領域は凸レンズあるいは必要に応じある程度像を拡大するようなその他の形状にしてもよい。
【0076】
本発明に関連して「バーコード」という用語は極めて広い意味を有する。それは光学読み取り可能なコードを有する既知、あるいは今後発見されるいずれかの配置の記号を指示する。それは、限定的ではないが、一連のバー、ドット、スペース、ピット、網掛け部分、着色部分等も包含する。コードはまた英数字を含みうる。また、正しい方向でコードを読み取り易くしために、何らかの登録、整合用形成物あるいは方向性マークを含みうる。コードはチューブをロボットで迅速に扱い易くするために機械読み取り可能であることが想定されている。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施例によるチューブの断面図である。
【図2】図1に示すチューブの底端部の拡大図である。
【図3】小径にされた端領域を示すチューブ部分の底である。
【図4】底端キャップを示す。
【図5A】図4に示す底端キャップの平面図である。
【図5B】図4に示す底端キャップの断面図である。
【図6】図4に示す底端キャップの側面図である。
【図7】第2の実施例による底端キャップの平面図である。
【図8】第2の実施例による底端キャップの断面図である。
【図9】第2の実施例によるチューブ部分の断面図である。
【図10】第2の実施例によるチューブ組立体の拡大図である。
【図11】本発明の第3の実施例によるチューブ部分の底の断面図である。
【図12】本発明の第3の実施例による底端キャップの断面図である。
【図13】本発明の第4の実施例の概略断面図である。
【図14】本発明の第4の実施例の概略断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は独特の識別ラベルを有するチューブに関する。本発明は、特に限定的ではないが、例えばクラスタチューブのような貯蔵チューブにラベルを付けることに特に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
科学研究所において、増大する大量の試料を操作し、かつ貯蔵する必要性が増している。これらの試料は必要に応じて、かつ必要な際迅速かつ明確に検索する必要がある。更に、益々増大する数の研究所がロボットによる試料の取り扱いに移行している。
【0003】
この種類の問題の典型例は試料がクラスタプレートに貯蔵された所謂クラスタチューブに保管されている場合である。試料の貯蔵に理想的な1.2ミリリットルのマイクロチューブのクラスタプレートは標準的なマイクロプレートフォーマットで頑丈なラックによって適所に保持された96個の個々の1.2ミリリットルのチューブを含む。各チューブはポリプロピレンから作られて、ロボットシステムによって加えられる圧力に耐えるように基部において、あるいはカラーの周りに完全に支持されている。各チューブを個々にシールするためにキャップあるいはマットが設けられ、クラスタチューブの蓋は「一方向」に嵌合するように隅部が面取りされている。ラックシステムを再利用しうるようにばらのチューブのパックが利用可能である。プレート内の個々の位置はAからHまでの文字と1から12までの数字とを使用した典型的に96個のウエルフォーマットにおいて指定されている。このようにF9の位置は配列内での特定のチューブを指示する。しかしながら、特定チューブの識別は同じ貯蔵領域に保持された数万個のマイクロチューブクラスタプレートがある場合更に複雑となる。
【0004】
各チューブを独特のラベルを付すという概念は周知である。例えば、チューブの底の外側は2層のコーティングを付与しうる。次に、コードはレーザエッチング方法等によってコーティングの頂層、すなわち一番外の層にエッチングしうる。そのような技術はマトリックス(Matrix)によって使用されてきた。
【0005】
この方法は多数の固有の欠点を有する。先ず、エッチング可能なコーティングはチューブの底に付与する必要がある。これらのチューブは典型的にDMSOを含む広範囲の有機溶剤に使用される。それは、漏れがあった場合でも、2層のコーティングがしっかりしており、かつ全ての溶剤に対して完全に不活性であることの双方が必要であることを意味する。このことは達成が容易でなく、それが達成されたとしてもコストを著るしく増大させることが避けられない。
【0006】
第2に、チューブを操作している間コーティングが僅かでも引っ掻かれた場合、それは偶発的に独特のコードを変えたり、あるいは劣化させうることである。このことは実験に対して極めて深刻な関わり合いがあり、繰返し実験するうちに多大な時間の工数と高価な試薬が失われる可能性がある。元の試料が唯一のものである場合、実験を繰り返すことが全くできなくなる。
【0007】
前述したこと全てが最終製品のコストを上げることになる。
【0008】
チューブにコードを付ける別な周知の例において、不透明なゴムあるいはプラスチック材料のスラグがチューブの基部に埋設される。これは次に通常バイナリコードの形態の一連のピットにより直接レーザエッチングによってコード化される。ここでも、不適当な掻き傷あるいはピットがチューブの底まで進行する場合、唯一のコードが喪失する。さらに、小さいチューブの底に不透明なスラグあるいは層を埋設あるいは取り付ける工程は必ずしも簡単でなく、それがレーザエッチングのコストを加える以前でさえもチューブのコストを著しく増す。
【0009】
また、チューブの基部に電子コードキャリヤを取り付けることも知られている。この種の技術の例は(バリースーBallies)国際特許第89/08264号および(クリッズオイーClids OY)国際特許第99/03585号に記載されている。これらの双方の例において、メモリ装置は取り外し可能である。メモリ装置は液密ケーシングに閉じ込まれているが、これはチューブの底にシールされてはいない。
【0010】
集約すると、これは本発明の出願人に既知である身近な従来技術である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は前述の概説した問題のあるもの、あるいは全てを排除するか、あるいは少なくとも緩和することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の局面によると、液密のラベル室であって、サンプルチューブの本体に取り付けられているか、あるいはその一部を形成するラベル室を組み込んだサンプルチューブ組立体が提供される。ラベルをシールされたハウジング内に閉じ込めることによって、従来のプリント技術を使用してプリントされたラベルを使用することができる。そうすればレーザエッチングはもはや必須ではなくなるが、使用は可能である。
【0013】
チューブ組立体は、
(i)底が端キャップを受け入れるようにされているチューブ部分と、
(ii)前記チューブ部分の底に接合された端キャップと、
(iii)チューブ部分の底あるいは該底の外面と端キャップの内面との間の空間によって使用時提供されるラベル室とを含むことが好ましく、前記端キャップが液密シールを提供するように前記チューブ分の底に溶着、溶接あるいはその他の方法で接合されている。この2部分を含む構造はいずれかの都合のよいプリントされた、あるいはエッチングされたラベルが使用可能であり、かつそれが溶剤、研磨材等との接触から自動的に保護されることを意味する。
【0014】
端キャップは基部と該キャップの周囲の周りに実質的に延びている直立の側壁とを含み、前記側壁はチューブ部分の底の周りに形成された肩と協働するようにされていることが好ましい。
【0015】
前記端キャップは前記側壁の周囲の周りに実質的に延びている隆起を組み込んでいる。このような配置によっては端キャップとチューブ部分との間のシールの品質と一体性とを向上させる。
【0016】
一代替実施例において、組立て前に前記チューブ部分の底にある肩はまた該チューブ部分の周囲の周りに実質的に延びている隆起を組み込んでいる。
【0017】
特に好適な実施例において、端キャップの隆起とチューブ部分の隆起とは端キャップがチューブ部分の端に置かれると相互に接触する。
【0018】
組立ての間、2個の接触している隆起における製造工程で使用する材料は加熱され、圧縮されてチューブ部分と端キャップとの間に液密シールを形成する。
【0019】
代替実施例において、チューブ部分の肩は端キャップ側壁の端縁部にある対応の隆起と協働して係合するようにされた溝あるいはくぼみを組み込んでいる。
【0020】
代替的に、チューブ部分の肩は端キャップの側壁の端縁部にある対応の溝あるいはテャンネルと協働して係合するようにされた隆起を組み込んでいる。
【0021】
前記溝あるいはくぼみは適当にキャップおよび(または)チューブ部分の周囲の周りに実質的に延びている無端の溝あるいはくぼみを含むことが有利である。
【0022】
端キャップは直径を小さくした端領域とスナップ嵌合することが好ましい。
【0023】
前述の実施例において、前記組立体は更にラベルを含むことが好ましい。
【0024】
前記ラベルはレーザエッチングされたラベルであることが好ましい。レーザエッチングは極めて明確に画成された像を提供し、各ラベルのコードが異なる多数のラベルを製造するのにより良好に適している。
【0025】
ラベルは紙あるいはプラスチック材料から形成してもよい。
【0026】
ラベルはまたプリントしたラベルでもよい。プリントは安価で、かつ経済的であり、現在高い鮮明度のプリンタが適度のコストで入手しうる。基板が諸要素から保護されているので、プリントされた紙ラベルでも使用可能である。
【0027】
一実施例において、ラベルがバーコードを組み込んでいる。
【0028】
代替実施例において、ラベルはバイナリコードを組み込んでいる。多数の形態のバイナリコードやバーコードが利用可能で、時間と共に新しいコーディングシステムが開発されつつある。本発明は全ての周知のコード並びに今後見出されるコードも網羅する意図である。
【0029】
ラベルはバーコードあるいはバイナリコードと共に英数字コードを組み込んでいる。
【0030】
端キャップは超音波溶接を利用してチューブ部分に溶着されることが好ましい。この技術は特に小型のチューブに対して良好に作用する。
【0031】
ラベル上の端キャップの領域は可視光線に対して実質的に透過性であることが好ましい。
【0032】
本発明の第2の局面によると、ラベルがシールされたハウジングすなわちラベル室に閉じ込まれていることを特徴とするラベルを組み込んだサンプルチューブ組立体が提供される。
【0033】
ラベルは光学読み取り可能な文字から構成されるコードを組み込んでいる。
【0034】
第2の局面によるチューブ組立体は、
(i)底が端キャップを受け入れるようにされたチューブ部分と、
(ii)前記チューブ部分の底に接合するようにされた端キャップと、
(iii)チューブ部分の底あるいは底の外面と、チューブ部分の底あるいは底の外面と端キャップの内面との間の内面との間の空間によって使用時提供されるラベル室と、
(iv)ラベルとを含み、端キャップがキャップの周囲の周りに液密シールを提供するようにチューブ部分の底に溶着、溶接あるいはその他の方法で接合されることが好ましい。
【0035】
好ましくは、端キャップは基部と、該キャップの周囲の周りに実質的に延びる直立の側壁とを含み、前記側壁の一番外の端縁部が前記チューブ部分の底の周りに形成された肩と協働するようにされている。
【0036】
組立て前に、端キャップの側壁とチューブ部分の底との双方はそれぞれの要素の周囲の周りに延びる材料の隆起を組み込んでいることが好ましい。
【0037】
シールされたハウジングを形成する前に、端キャップの隆起とチューブ部分の隆起とは端キャップがチューブ部分の端に置かれると相互に接触することが好ましい。
【0038】
ラベルはバーコードあるいはバイナリコードを組み込んでいることが好ましい。
【0039】
特に好適な実施例において、ラベルはレーザでエッチングしたラベルを含むことが好ましい。
【0040】
代替的に、ラベルはプリントしたラベルを含むことが好ましい。
【0041】
本発明の第3の局面によると、
(i)チューブ部分を形成する段階と、
(ii)チューブの閉鎖端用の端キャップを形成する段階と、
(iii)端キャップにラベルを位置させる段階と、
(iv)チューブ部分の底に端キャップを置き、ラベルが液密室に閉じ込められるように2個の要素の間に液密シールを形成する段階とを含み、本明細書で説明したサンプルチューブ組立体を構成する方法が提供される。
【0042】
前記2個の要素は超音波溶接を使用して相互に溶着されることが好ましい。
【0043】
本発明の第4の局面によると、
(i)液密のラベル室にラベルを閉じ込める段階と、
(ii)前記ラベル室をチューブに取り付ける段階とを含み、本明細書で説明したサンプルチューブ組立体を構成する方法が提供される。
【0044】
本発明の第5の局面によると、
(i)相互に入れ子状に重ねた内側および外側チューブ壁要素からチューブを形成する段階と、
(ii)2個の壁要素を溶着あるいはその他の方法で接合してその間に液密のラベル室を形成する段階とを含み、本明細書で説明したサンプルチューブ組立体を構成する方法が提供される。
【実施例】
【0045】
本実施例は本発明を実施する上で本発明の出願人に周知の現在最良の方法を示す。しかしながら、それらは本発明の実施しうる唯一の方法ではない。それらは例示のみとして図示し、以下説明する。
【0046】
図1は本発明を組み込んだクラスタチューブ10を示す。前記クラスタチューブの底の詳細は図2により明瞭に示されている。以下の説明は本発明がクラスタチューブに関連して使用しうる態様を示すが、本発明はプラスチック材料あるいはガラスから作られた事実上いずれの貯蔵チューブに対しても適用可能であることが認められる。
【0047】
図2は10で全体的に示す貯蔵チューブ組立体のチューブ部分11の底端を示す。前記チューブ部分の底端は直径を小さくした端領域12を有する。この端領域に底端キャップ13が嵌合するようにされている。底端キャップ13は前記小径端領域12にスナップ嵌合されることが好ましい。キャップ13は基部すなわちカバー14と前記キャップの周囲の周りに実質的に延びている直立の側壁15とから構成されており、前記側壁の一番外の端縁部は前記チューブ部分の小径にされた端領域に形成された肩と係合するようにされている。その結果、横広がりのU字形断面形状の浅いキャップすなわちカップが得られる。使用時、キャップが適所にスナップ係合されると、側壁15の一番外の縁部16がチューブ部分の底端と小径にされた端領域12との間の境界において肩17と突き合わされる。キャップ13が適所にしっかりと保持されると、チューブ部分の底すなわちチューブ部分の端領域12の外端面とキャップの基部14の内側すなわち内面との間に空間ができる。実際にはラベル室であるこの空間がラベルを受け入れるようにされている。次に、キャップはチューブ部分の端にシールされて、実質的に液密であるシールされたハウジング内でラベルを閉じ込める。
【0048】
このようなシールは多様な方法で達成可能である。チューブ部分と端キャップとがプラスチックで作られている場合、それらは好ましくは超音波溶接技術を使用して相互に溶接することができる。その他の形態の溶接も使用可能である。代替的に接着剤も使用可能である。チューブ部分の基部に液密のラベル室を形成する好適な方法は材料の専門家によって決められる。
【0049】
超音波溶接の場合、超音波溶接の効率を上げるために各種の形成物を使用しうる。例えば、図2はチューブ部分の小径にされた端領域とキャップとの間に形成しうる「舌と溝」による効果を示している。例えば、肩領域17はキャップの側壁の端縁部の隆起21と大きさおよび形状が対応する溝20を組み込むことができる。この後者の形成物(隆起)は図4に更に明瞭に示されている。要するに、キャップの隆起とチューブの肩の溝とは相互に協働して係合する。しかしながら、これは任意の形成物であって、前記2個の要素間にのシールを形成する上で不可欠というのではない。
【0050】
外周の周りのキャップの縁にあるくぼみ22はキャップを取り外したり、位置させ易くする。
【0051】
このような液密ラベル室の配置はラベルを任意の適当な材料から作ることができるという大きな利点を提供することが認められる。前記材料は独自の空間すなわちラベル室内にシールされるので例えばDMSOのような溶剤に対して化学的抵抗性がある必要はない。このことは、またラベルが従来の高鮮明度のプリント技術を使用してプリント可能であることも意味する。必要な鮮明度を達成するためにレーザエッチングを使用することは好ましいが、個々のラベルは異なるコードを有するのでレーザエッチングは何ら必要でない。このことは、また極めて多種のコードやコード型式を使用しうることを意味する。例えば、ラベルはカラー印刷を使用するか、あるいは種々の着色をした基板を使用することによって多様なカラーでプリントすることができる。種々の型式のバーコードあるいはバイナリコードが使用可能であり、かつ新規な型式のコードが開発される都度容易に採用することも可能である。このことはバイナリコードあるいはバーコードが変造された場合のクロスチェックを可能にする。このように、バーコードあるいはバイナリコードとして、あるいはその他の何らかのコードおよび英数字のような同じ独特の識別子をプリントすることができる。コード走査装置は双方のコードを読み取り、2個のコードが合致しない場合警告を発するように配置される。
【0052】
高い鮮明度プリント技術分野の専門家はラベルとして使用するのに最も適当な基板を選択する。ラベルはプラスチック材料、紙、あるいはその他の適当な複合材でよい。当業者は、また例えばレーザプリンティング、インクジェットプリンティング、あるいはレーザエッチングのような最も適当なプリンティングあるいはエッチング方法を選択する。
【0053】
本発明の重要な特徴は機械読み取り可能な特有の識別コードすなわちラベルがチューブの基部にある液密室にシールされることである。ラベルのコードを有する面はコードがチューブの基部の下方から読み取れうるように向いている。コードはラベル上にエッチングされることが好ましい。いずれにせよ、コードはラベルの一方の面に発生し、機械読み取り可能である光学的文字あるいは形状の形態をとる。コードの正確なフォーマットおよびコードを発生させる方法は本発明にとって重要ではない。
【0054】
本発明の重要な局面はラベルが電子コードキャリヤとは対照的に光学読み取り可能な文字を組み込んでいることである。光学的文字読み取り器は周知であり、益々精巧になっている。そのような一装置が(ダニエルソン他−Danielson et al)米国特許第6138915号に記載されている。しかしながら、これは単に市販されている多数の型式の読み取り器の一つでしかない。プリントされた、あるいはエッチングされたラベルを使用することによって、当該システムのコストと複雑さとが最小に保たれる。特殊なシールされた液密のラベル室にラベルをシールすることによって、ラベルは溶剤あるいは物理的な摩擦による損傷から保護される。
【0055】
この理由から、底の端キャップは透明な、あるいは実質的に透明な材料から形成されることが好ましい。キャップの底はコード化されたラベルをそこを通して見ることができるレンズの形態として作用する。
【0056】
この型式の構造の別な利点はチューブ部分の底に底端キャップを置く作業がラベルのシートからラベルを切断あるいはせん断するために使用可能であることである。端キャップの側壁がチューブ部分の小径にされた端領域の側を通ることによってある形態のせん断作用が発生することが認められる。このせん断作用すなわち押し抜き作用がシートに対してラベルディスクを切断するために使用可能である。ラベルディスクはラベルが打ち抜かれる前に部分的に穿孔しうる。
【0057】
それで貯蔵チューブ組立体の組立てが簡単になる。ある配列のチューブ部分がチューブの開放端を下にして、すなわち底端を上にして配置される。予めプリントしたラベルのシートがチューブの配列の上に置かれ、該チューブと正確に整合される。底端キャップが1個づつ、あるいはある配列でチューブの上方に持ってこられ、適所にしっかりと押し込まれる。余ったラベル材料は除去され、次に端キャップがチューブ部分上にシールされる。
【0058】
代替的に、前記組立ては逆に行なうことも可能である。すなわち、カップがある配列で基部を下にして、すなわち開放側を上にして置かれる。ラベルのシートがキャップの頂部上に置かれ、ある配列のチューブ部分が底端を下にして下方へ持ってこられ、キャップに押し込まれる。キャップの取り扱いおよび配置をし易くするために、それらは相互に接続したリンクを備えた配列で形成することができる。これらのリンクは一旦組立て段階が完了したら初めて取り外される。
【0059】
組立ての代替的な方法において、ラベルは該ラベルのプリントした、あるいはエッチングした面がキャップの底を通して見ることができるように端キャップに置かれる。次に、ラベルを内部に保持したキャップがチューブの底に置かれ、2個の要素が相互に溶接されるか、あるいはその他の方法で溶着され液密のラベル室を形成する。
【0060】
本発明並びに本開示はこれらの種々の組立て方法も含むのを意図する。
【0061】
ここまで説明してきたチューブの断面は実質的に円形であったが、本発明においてはチューブのいずれの適当な断面形状も使用可能なことが認められる。このように、四角形、長方形、あるいは多角形のチューブは同様の仕方で底端キャップを嵌合することができる。
【0062】
代替的な構造の詳細が図3から図12までに示されている。これらの図は底端キャップとチューブ部分の底との間の液密接合あるいは溶接を形成する各種の配置を示している。この点に関して、「液体」という用語は最広義の意味を有し、液体、ガスあるいは蒸気を網羅している。
【0063】
図3および図4を組み合わせて参照すると、これらの図は図3において、端キャップの側壁が組立ての間当接する肩37を有するチューブ部分31の底を示している。この例において、端キャップの側壁の周囲の周りには隆起21があるが、チューブ部分の底にある肩37には対応の溝がない。このように、液密の接合を形成する前、隆起の先端は肩37に載置される。
【0064】
この領域に熱あるいは超音波を加えることによって隆起を溶解させ、チューブ部分と端キャップとが相互にシールされる。
【0065】
このようなシール系の展開および更なる修正が図11および図12に示されている。図11は図2および図3に示すものと類似のチューブ部分61の底を示す。しかしながら、この例においては、チューブ部分の底の周りの肩77も同じ材料の隆起70を組み込んでいる。この材料の隆起は底端キャップ73の側壁の頂縁部における類似の隆起71に対応する。2個の要素が相互に合わされると、2個の隆起70および71が相互に接触し、チューブの底の肩77と底端キャップの側壁の平坦部分76とが相互に接触しないようにする。それらがこのような形態にあるとき前記隆起に熱あるいは超音波を加えると双方の隆起が溶解し、2個の部材が液密状に相互に溶着するようになる。キャップが面76および77を合わせようとしてチューブ部分の底に押し込まれるように溶接あるいは溶着工程の間2個の部材に圧力が加えられる。隆起70および72の材料がチューブの外側まで外方と、チューブ本体の中心軸線に向って内方へとの双方に流動する。
【0066】
図11および図12に示すチューブのその他の構造上の特徴は図2、図3および図4に示すものに対応し、対応する番号系を使用している。これまで説明してきた図に示す隆起の形状は実質的に三角形として示してきた。これは単に使用しうる広範囲の形状の一つに過ぎない。基本的には、隆起はチューブ部分と底端キャップとの間の接合を形成するために溶解しうる材料源として機能する。材料の専門家はチューブ部分と端キャップとの間の液密の接合を構成するか、あるいは寄与する隆起および溝あるいは材料の最適な大きさ、形状、位置および数量を決定する。熱で活性化する接着剤が底端キャップのチューブ部分と同じ成分の溶解あるいは融合材料の代わりに、あるいはそれらと共に使用しうることが認められる。更に、材料の専門家は何れの隆起、溝、等の最適位置も決定する。
【0067】
例示のみとして、図に示す型式のクラスタチューブに対してある寸法を提供する。チューブの全長は端キャップおよびラベルを含んで47ミリメートル程度である。図12を参照すると、寸法Aは5.10ミリメートルであり、寸法Bは5.60ミリメートルであり、寸法C、すなわち隆起の高さは0.15ミリメートルである。角度Dは80度である。これらの寸法は用途に適するように変更される。ラベルは厚さが0.12ミリメートル程度である。
【0068】
これらの隆起はここまではチューブの長手方向軸線において相互に当接する肩にあるものとして示してきた。異なる配置の一例が図7、図8、図9および図10に示されている。本実施例において、底端キャップ43はチューブ部分41の底端上に嵌合するようにされている。隆起すなわち突起51が端キャップの側壁の内面に設けられている。この突起は、チューブ部分の直径がチューブの全体的な外径よりも小さい領域においてチューブ部分41の側壁にある対応の溝50に嵌合される。この結果、キャップはチューブ部分の底端にスナップ嵌合する。突起51はまたチューブ部分の周りにシールを形成しうる材料のビードとしても作用する。このシール用ビード領域に熱あるいは超音波エネルギを加えることによって2個の要素が相互に溶着するようにさせる。
【0069】
これまで説明してきた例においては、ラベルはキャップとチューブの端とを組み合わせることによって形成されるラベル室に閉じ込められてきた。これは可能な唯一の配置型式ではない。例えば、ラベルはそれ自体チューブ部分の本体から分離された存在であるラベル室に閉じ込めることが可能である。このようなラベル室はその内部にラベルを入れて溶接、溶着あるいは接着剤あるいはその他の何らかの方法によってチューブ本体に接合される。例えば、液密ラベル室は、チューブ本体の基部にある空洞にスナップ嵌合するようなチューブ本体における何らかの形成物と係合しうる。このような配置によって同じ目的を達成し、前述した実施例と同じ利点を有する。
【0070】
ラベル室をチューブ部分の基部に取り付けねばならないというような意図はない。それはチューブの作動と緩衝しないのであればチューブの底あるいは側部のいずれか適当な箇所に取り付けることができる。
【0071】
本発明の融通性の例示として、ラベル室は、また二重層のチューブを形成することによって形成することもできる。そうすれば、ラベルは2個のチューブの間の隙間空間を占め、チューブの側を介して見ることができ、かつ読み取り可能である。この配置は外側チューブ要素の少なくとも一部が透明あるいは実質的に透明である必要がある。
【0072】
本発明の別な実施例が図13および図14に示されている。これらの図面はそれぞれ外側チューブ部分81、91および内側チューブ部分82、92から形成されたチューブ80、90を概略図示する。外側チューブ部分の基部84、94は実質的に平坦である。内側および外側チューブ部分は一方が他方の内部に入れ子状に重ねられ、下側部分は滑合している。しかしながら、チューブの上側部分においては、内側部分と外側部分との間に間隙すなわち別個の隙間空間88、98が存在している。この空間は図示していないラベルを受け入れるようにされている。ラベルは前述したものと類似の情報を付けている。図において88および98で示す液密のラベル室を完成するために前記2個のチューブ部分の間にチューブの周囲の頂部の周りに液密シール87、97が形成されている。
【0073】
図13および図14は真直な側部のチューブを示しているが、従来のクラスタチューブ形状を含む任意のチューブ形状も可能である。更に、これらの図において、外側チューブ部分は内側チューブ部分全体を実質的に囲むものとして示されている。このことは必須ではなくて、外側チューブ部分はラベル室の領域のみに限定してもよく、あるいはチューブの頂部と底部との中間のある箇所において終わらせてもよい。
【0074】
チューブの頂部の周り、および何れかのその他の接合領域での詳細は材料の専門家によって決められる。スペーサ、接合部材等が使用可能である。製造時頑丈な液密溶接を提供するために超音波溶接を使用することが考えられる。
【0075】
ラベル室の透明性に関して、ラベル情報が光学読み取り可能であることが必要である。ラベルコード情報の直ぐ上のラベル室の領域はコードを検出しうるようにするのに十分透明すなわち透光性である必要がある。ラベル室の残りの部分は透明である必要はなく、ある形態のレンズ部分をラベルコード領域の前部に設けることが考えられる。このレンズ領域は凸レンズあるいは必要に応じある程度像を拡大するようなその他の形状にしてもよい。
【0076】
本発明に関連して「バーコード」という用語は極めて広い意味を有する。それは光学読み取り可能なコードを有する既知、あるいは今後発見されるいずれかの配置の記号を指示する。それは、限定的ではないが、一連のバー、ドット、スペース、ピット、網掛け部分、着色部分等も包含する。コードはまた英数字を含みうる。また、正しい方向でコードを読み取り易くしために、何らかの登録、整合用形成物あるいは方向性マークを含みうる。コードはチューブをロボットで迅速に扱い易くするために機械読み取り可能であることが想定されている。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施例によるチューブの断面図である。
【図2】図1に示すチューブの底端部の拡大図である。
【図3】小径にされた端領域を示すチューブ部分の底である。
【図4】底端キャップを示す。
【図5A】図4に示す底端キャップの平面図である。
【図5B】図4に示す底端キャップの断面図である。
【図6】図4に示す底端キャップの側面図である。
【図7】第2の実施例による底端キャップの平面図である。
【図8】第2の実施例による底端キャップの断面図である。
【図9】第2の実施例によるチューブ部分の断面図である。
【図10】第2の実施例によるチューブ組立体の拡大図である。
【図11】本発明の第3の実施例によるチューブ部分の底の断面図である。
【図12】本発明の第3の実施例による底端キャップの断面図である。
【図13】本発明の第4の実施例の概略断面図である。
【図14】本発明の第4の実施例の概略断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルチューブの本体に取り付けられているか、あるいは該本体の一部を形成する液密のラベル室を組み込んでいることを特徴とするサンプルチューブ組立体。
【請求項2】
前記チューブ組立体が、
(i)底が端キャップを受け入れるようにされているチューブ部分と、
(ii)前記チューブ部分の底に接合するようにされている端キャップと、
(iii)使用時前記チューブ部分の底あるいは底の外面と前記端キャップの内面との間の空間によって提供されるラベル室とを含み、前記端キャップが液密シールを提供するように前記チューブ部分の底に溶着、溶接あるいはその他の方法で接合されていることを特徴とする請求項1に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項3】
前記端キャップが基部と該端キャップの周囲の周りに実質的に延びている直立の側壁とを含み、前記側壁の一番外の端縁部が前記チューブ部分の底の周りに形成された肩と協働するようにされていることを特徴とする請求項2に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項4】
組立て前に前記端キャップが前記側壁の周囲の周りに実質的に延びている隆起を組み入れることを特徴とする請求項3に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項5】
組立て前に前記チューブ部分の底にある肩も該チューブ部分の周囲の周りに実質的に延びる隆起を組み入れることを特徴とする請求項3または4に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項6】
前記端キャップが前記チューブ部分の端に置かれると前記端キャップの隆起と前記チューブ部分の隆起とが相互に接触することを特徴とする請求項4に従属した請求項5に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項7】
前記組立体の製造工程の間、2個の接触する隆起の材料が加熱され、かつ圧縮されて前記チューブ部分と前記端キャップとの間に液密シールを形成することを特徴とする請求項6に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項8】
前記チューブ部分の肩が端キャップの側壁の端縁部にある対応の隆起と協働して係合するようにされた溝すなわちくぼみを組み込んでいることを特徴とする請求項3または4に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項9】
前記チューブ部分における肩が前記端キャップの側壁の端縁部における対応の溝すなわちチャンネルと協働して係合することを特徴とする請求項3に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項10】
前記溝すなわちくぼみが適当に前記キャップおよび(または)チューブ部分の周囲に実質的に延びている無端の溝すなわちくぼみを含むことを特徴とする請求項8または9に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項11】
前記端キャップが小径にされた端領域とスナップ嵌合することを特徴とする請求項8、9または10のいずれかに記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項12】
前記組立体が更にラベルを含むことを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項13】
前記ラベルがレーザでエッチングしたラベルであることを特徴とする請求項12に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項14】
前記ラベルが紙から形成されることを特徴とする請求項12または13に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項15】
前記ラベルがプラスチック材料から形成されることを特徴とする請求項12または13に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項16】
前記ラベルがプリントしたラベルであることを特徴とする請求項12、14または15のいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項17】
前記ラベルがバーコードを組み込んでいることを特徴とする請求項12から16までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項18】
前記ラベルがバイナリコードを組み込んでいることを特徴とする請求項12から16までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項19】
前記ラベルがバーコードまたはバイナリコードのいずれかと共に英数字のコードを組み込んでいることを特徴とする請求項12から18までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項20】
前記端キャップが超音波溶接を利用してチューブに溶着されることを特徴とする請求項1から19までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項21】
前記ラベルの上にある端キャップの領域が可視光線に対して実質的に透過性であることを特徴とする請求項1から20でのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項22】
ラベルがシールされたハウジングすなわちラベル室内に閉じ込まれていることを特徴とするラベルを組み込んだサンプルチューブ組立体。
【請求項23】
前記ラベルが光学読み取り可能な文字から構成されたコードを組み込んでいることを特徴とする請求項22に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項24】
前記チューブ組立体が
(i)底が端キャップを受け入れるようにされているチューブ部分と、
(ii)前記チューブ部分の底に接合するようにされた端キャップと、
(iii)使用時前記チューブ部分の底あるいは底の外面と、チューブ部分の底あるいは該底の外面と前記端キャップの内面との間の内面との間の空間によって提供されるラベル室と、
(iv)ラベルとを含み、前記端キャップが溶着、溶接あるいはその他の方法で前記チューブ部分の底に接合されて該キャップの周囲の周りに液密シールを提供することを特徴とする請求項22または23に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項25】
前記端キャップが基部と、該キャップの周囲の周りに実質的に延びている直立の側壁とを含み、前記側壁の一番外の端縁部が前記チューブ部分の底の周りに形成された肩と協働するようにされていることを特徴とする請求項24に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項26】
組立て前に、前記端キャップの側壁とチューブ部分の底との双方がそれぞれの要素の周囲の周りに実質的に延びている材料の隆起を組み込んでいることを特徴とする請求項24または25に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項27】
シールされたハウジングを形成する前に、前記端キャップの隆起と前記チューブ部分の隆起とが、前記端キャップが前記チューブ部分の端に置かれると相互に接触することを特徴とする請求項26に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項28】
前記ラベルがバーコードあるいはバイナリコードを組み込んでいることを特徴とする請求項22から27までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項29】
前記ラベルがレーザでエッチングしたラベルを含むことを特徴とする請求項22から28までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項30】
前記ラベルがプリントしたラベルを含むことを特徴とする請求項22から28までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項31】
前記ラベルがシールされた液密室内に閉じ込められ、次にサンプルチューブ組立体に取り付けられることを特徴とする請求項22または23に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項32】
前記ラベル室が内側チューブ部分と外側チューブ部分との間の隙間空間によって形成され、前記部分が相互にシールされてその間に液密室を形成することを特徴とする請求項22または23に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項33】
前記添付図面を参照して実質的に説明し、かつ前記図面のいずれかの組み合わせにおいて図示されたサンプルチューブ組立体。
【請求項34】
(i)チューブ部分を形成する段階と、
(ii)チューブの閉鎖端のための端キャップを形成する段階と、
(iii)前記端キャップにラベルを位置させる段階と、
(iv)前記端キャップを前記チューブ部分の底に置き、前記ラベルが液密室に閉じ込められるように2個の要素の間に液密のシールを形成する段階とを含むことを特徴とする請求項1から33までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体を構成する方法。
【請求項35】
前記2個の要素が超音波溶接を使用して相互に溶着されることを特徴とする請求項34に記載のサンプルチューブ組立体を構成する方法。
【請求項36】
(i)ラベルを液密の室内に閉じ込める段階と、
(ii)前記ラベル室を前記チューブに取り付ける段階とを含むことを特徴とする請求項1から33までのいずれか1項に記載にサンプルチューブ組立体を構成する方法。
【請求項37】
(i)内側および外側のチューブ壁要素からチューブを形成する段階と、
(ii)2個のチューブ壁要素を溶着あるいはその他の方法で接合してその間に液密のラベル室を形成する段階とを含むことを特徴とする請求項1から33項までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体を構成する方法。
【請求項38】
添付図面を参照して説明し、かつ該添付図面のいずれかの組み合わせにおいて図示したサンプルチューブ組立体を構成する方法。
【請求項1】
サンプルチューブの本体に取り付けられているか、あるいは該本体の一部を形成する液密のラベル室を組み込んでいることを特徴とするサンプルチューブ組立体。
【請求項2】
前記チューブ組立体が、
(i)底が端キャップを受け入れるようにされているチューブ部分と、
(ii)前記チューブ部分の底に接合するようにされている端キャップと、
(iii)使用時前記チューブ部分の底あるいは底の外面と前記端キャップの内面との間の空間によって提供されるラベル室とを含み、前記端キャップが液密シールを提供するように前記チューブ部分の底に溶着、溶接あるいはその他の方法で接合されていることを特徴とする請求項1に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項3】
前記端キャップが基部と該端キャップの周囲の周りに実質的に延びている直立の側壁とを含み、前記側壁の一番外の端縁部が前記チューブ部分の底の周りに形成された肩と協働するようにされていることを特徴とする請求項2に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項4】
組立て前に前記端キャップが前記側壁の周囲の周りに実質的に延びている隆起を組み入れることを特徴とする請求項3に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項5】
組立て前に前記チューブ部分の底にある肩も該チューブ部分の周囲の周りに実質的に延びる隆起を組み入れることを特徴とする請求項3または4に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項6】
前記端キャップが前記チューブ部分の端に置かれると前記端キャップの隆起と前記チューブ部分の隆起とが相互に接触することを特徴とする請求項4に従属した請求項5に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項7】
前記組立体の製造工程の間、2個の接触する隆起の材料が加熱され、かつ圧縮されて前記チューブ部分と前記端キャップとの間に液密シールを形成することを特徴とする請求項6に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項8】
前記チューブ部分の肩が端キャップの側壁の端縁部にある対応の隆起と協働して係合するようにされた溝すなわちくぼみを組み込んでいることを特徴とする請求項3または4に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項9】
前記チューブ部分における肩が前記端キャップの側壁の端縁部における対応の溝すなわちチャンネルと協働して係合することを特徴とする請求項3に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項10】
前記溝すなわちくぼみが適当に前記キャップおよび(または)チューブ部分の周囲に実質的に延びている無端の溝すなわちくぼみを含むことを特徴とする請求項8または9に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項11】
前記端キャップが小径にされた端領域とスナップ嵌合することを特徴とする請求項8、9または10のいずれかに記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項12】
前記組立体が更にラベルを含むことを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項13】
前記ラベルがレーザでエッチングしたラベルであることを特徴とする請求項12に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項14】
前記ラベルが紙から形成されることを特徴とする請求項12または13に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項15】
前記ラベルがプラスチック材料から形成されることを特徴とする請求項12または13に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項16】
前記ラベルがプリントしたラベルであることを特徴とする請求項12、14または15のいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項17】
前記ラベルがバーコードを組み込んでいることを特徴とする請求項12から16までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項18】
前記ラベルがバイナリコードを組み込んでいることを特徴とする請求項12から16までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項19】
前記ラベルがバーコードまたはバイナリコードのいずれかと共に英数字のコードを組み込んでいることを特徴とする請求項12から18までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項20】
前記端キャップが超音波溶接を利用してチューブに溶着されることを特徴とする請求項1から19までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項21】
前記ラベルの上にある端キャップの領域が可視光線に対して実質的に透過性であることを特徴とする請求項1から20でのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項22】
ラベルがシールされたハウジングすなわちラベル室内に閉じ込まれていることを特徴とするラベルを組み込んだサンプルチューブ組立体。
【請求項23】
前記ラベルが光学読み取り可能な文字から構成されたコードを組み込んでいることを特徴とする請求項22に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項24】
前記チューブ組立体が
(i)底が端キャップを受け入れるようにされているチューブ部分と、
(ii)前記チューブ部分の底に接合するようにされた端キャップと、
(iii)使用時前記チューブ部分の底あるいは底の外面と、チューブ部分の底あるいは該底の外面と前記端キャップの内面との間の内面との間の空間によって提供されるラベル室と、
(iv)ラベルとを含み、前記端キャップが溶着、溶接あるいはその他の方法で前記チューブ部分の底に接合されて該キャップの周囲の周りに液密シールを提供することを特徴とする請求項22または23に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項25】
前記端キャップが基部と、該キャップの周囲の周りに実質的に延びている直立の側壁とを含み、前記側壁の一番外の端縁部が前記チューブ部分の底の周りに形成された肩と協働するようにされていることを特徴とする請求項24に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項26】
組立て前に、前記端キャップの側壁とチューブ部分の底との双方がそれぞれの要素の周囲の周りに実質的に延びている材料の隆起を組み込んでいることを特徴とする請求項24または25に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項27】
シールされたハウジングを形成する前に、前記端キャップの隆起と前記チューブ部分の隆起とが、前記端キャップが前記チューブ部分の端に置かれると相互に接触することを特徴とする請求項26に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項28】
前記ラベルがバーコードあるいはバイナリコードを組み込んでいることを特徴とする請求項22から27までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項29】
前記ラベルがレーザでエッチングしたラベルを含むことを特徴とする請求項22から28までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項30】
前記ラベルがプリントしたラベルを含むことを特徴とする請求項22から28までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項31】
前記ラベルがシールされた液密室内に閉じ込められ、次にサンプルチューブ組立体に取り付けられることを特徴とする請求項22または23に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項32】
前記ラベル室が内側チューブ部分と外側チューブ部分との間の隙間空間によって形成され、前記部分が相互にシールされてその間に液密室を形成することを特徴とする請求項22または23に記載のサンプルチューブ組立体。
【請求項33】
前記添付図面を参照して実質的に説明し、かつ前記図面のいずれかの組み合わせにおいて図示されたサンプルチューブ組立体。
【請求項34】
(i)チューブ部分を形成する段階と、
(ii)チューブの閉鎖端のための端キャップを形成する段階と、
(iii)前記端キャップにラベルを位置させる段階と、
(iv)前記端キャップを前記チューブ部分の底に置き、前記ラベルが液密室に閉じ込められるように2個の要素の間に液密のシールを形成する段階とを含むことを特徴とする請求項1から33までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体を構成する方法。
【請求項35】
前記2個の要素が超音波溶接を使用して相互に溶着されることを特徴とする請求項34に記載のサンプルチューブ組立体を構成する方法。
【請求項36】
(i)ラベルを液密の室内に閉じ込める段階と、
(ii)前記ラベル室を前記チューブに取り付ける段階とを含むことを特徴とする請求項1から33までのいずれか1項に記載にサンプルチューブ組立体を構成する方法。
【請求項37】
(i)内側および外側のチューブ壁要素からチューブを形成する段階と、
(ii)2個のチューブ壁要素を溶着あるいはその他の方法で接合してその間に液密のラベル室を形成する段階とを含むことを特徴とする請求項1から33項までのいずれか1項に記載のサンプルチューブ組立体を構成する方法。
【請求項38】
添付図面を参照して説明し、かつ該添付図面のいずれかの組み合わせにおいて図示したサンプルチューブ組立体を構成する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−147644(P2007−147644A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17843(P2007−17843)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【分割の表示】特願2001−402268(P2001−402268)の分割
【原出願日】平成13年11月29日(2001.11.29)
【出願人】(501434812)アドバンスド バイオテクノロジーズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【分割の表示】特願2001−402268(P2001−402268)の分割
【原出願日】平成13年11月29日(2001.11.29)
【出願人】(501434812)アドバンスド バイオテクノロジーズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】
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