説明

改良された匂いセンサ機能を有する空気処理剤分配装置

交換可能なリフィルから揮発性空気処理剤を蒸発させるための装置が、本明細書で説明され、この装置は、蒸発した空気処理剤が該装置から出ていくための少なくとも1つの出口オリフィスを有するハウジングと、リフィルを取り外し可能に受け入れ、装置に固定するための、ハウジング内の受け入れ手段と、ハウジング内の電気加熱手段と、制御手段と、下部オリフィス及び上部オリフィスを有し、それらの間に第1の空気流チャネルを定める、ハウジング内の煙突手段と、空気中の空中物質を検出するように動作可能な空中物質検出器手段とを含み、ここで空中物質検出器手段には、使用中、装置の外部から空気を空中物質検出器手段に入るのを可能にするように、装置の外部に通じる少なくとも1つのアパーチャが設けられ、装置と共に使用するためのリフィルは、一定量の揮発性空気処理剤を保持するためのリザーバ部分と、リザーバ部分の基部に実質的に隣接した、リザーバ部分内の近位端と、リザーバ部分の上方に延びる遠位端とを有する芯とを含み、装置は、使用中、固定手段がリフィルを保持して芯の遠位端が煙突手段内に配置されるように適合されるように構成される、第2の空気流チャネルが、空中物質検出器手段の少なくとも1つのアパーチャと出口オリフィスとの間に設けられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲環境の特性の判断に基づいて、周囲環境への流体の発散(emanation)に適合するように構成され、特定的には、限定ではないが、芳香剤、脱臭剤、及び/又は害虫駆除剤のような空気処理剤の形態の空気処理剤を発散するための電気発散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
揮発性液体の瓶が、上向きに突出する芯を有し、ヒータが、芯の上端部の近くに配置されて芯からの揮発性液体の蒸発を加速する装置が知られている。瓶、芯及びヒータは、電気プラグを支持するハウジング内に保持される。ヒータを動作させるために、装置のプラグが壁コンセントに差し込まれる。このタイプの装置は、一般に、例えばヒータと芯との間の間隔を変えることによって、揮発性液体の蒸発速度の制御を可能にすること言われる。
【0003】
周知の従来技術の装置には、効率及び利便性の欠点に悩まされる。典型的には、ユーザは、装置を「通常」モードから「ブースト(boost)」モードに手動で変更し、次に、この効果がもはや不要になったとき(例えば、部屋が空のとき又は夜に)、装置を再び「通常」モードに切り換える必要がある。壁上の電力供給源の典型的な位置(床に近い低レベルの)又は電気装置の配置が与えられた場合、これにより切り換えプロセスが非効率かつ不便になる。
【0004】
所定の時間周期で空気処理剤(air treatment agent)を放出するように構成された時限式装置が入手可能であるが、これらの装置は、周囲環境の変化を考慮に入れてその動作を動的に調整することができない。
【0005】
タイマー機能を有する装置と関連した欠点の一部を克服するために、時限機能と動きセンサ機能の組み合わせからなる装置が入手できるようになり、この装置はこの問題に対処するいくらかの助けになるが、装置の周囲の動きの増大が、必ずしも、空気処理剤の増大に対する必要性と直線的に一致するものではない。
【0006】
周知の装置を、それらの周囲環境に適切に適応するようにさらに改良するために、匂いセンサをそうした装置に含ませることができ、その結果、装置の「電子鼻」が悪臭などを検出したときに、空気処理剤を発散できることが示唆されているが、こうした装置は、感度及び信頼性の問題をはらんでおり、そのため、それらは大量生産に殆ど適さないものになっている。
【0007】
従って、従来技術の欠点を克服する装置に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第1の態様によると、交換可能なリフィルから揮発性空気処理剤を蒸発させるための装置が提供され、この装置は、
蒸発した空気処理剤が装置から出ていくための少なくとも1つの出口オリフィスを有するハウジングと、
リフィルを取り外し可能に受け入れ、装置に固定するための、ハウジング内の受け入れ手段と、
ハウジング内の電気加熱手段と、
制御手段と、
下部オリフィス及び上部オリフィスを有し、それらの間に第1の空気流チャネルを定める、ハウジング内の煙突手段と、
空気中の空中物質を検出するように動作可能な空中物質検出器手段(airborne agent detector means)と、
を含み、空中物質検出器手段には、使用中、装置の外部から空気が空中物質検出器手段に入るのを可能にするように、装置の外部に通じる少なくとも1つのアパーチャが設けられ、
装置と共に使用するためのリフィルは、
一定量の揮発性空気処理剤を保持するためのリザーバ部分と、
リザーバ部分の基部に実質的に隣接した、リザーバ部分内の近位端と、リザーバ部分の上方に延びる遠位端とを有する芯と、
を含み、
装置は、使用中、固定手段がリフィルを保持するように適合され、芯の遠位端が煙突手段内に配置されるように構成され、
第2の空気流チャネルが、空中物質検出器手段の少なくとも1つのアパーチャと出口オリフィスとの間に設けられる、
ことを特徴とする。
【0009】
ハウジングは、底壁と、そこから遠く離れた上壁と、それらの間の1つ又はそれ以上の側壁とを含むことが好ましい。1つ又はそれ以上の側壁は、前壁と、これに対向する後壁と、前壁と後壁との間の左側壁及び右側壁とからなることが好ましい。出口オリフィスは、上壁内及び/又は側壁内の、上壁に実質的に隣接した位置に設けられるので、使用中、装置から発散される空気処理剤は、ハウジングの上壁に対して概ね垂直である概ね上向き方向又は概ね上前方方向に向けられることが好ましい。
【0010】
空中物質検出器手段のための少なくとも1つのアパーチャは、出口オリフィスから離間配置されることが好ましい。1つの好ましい実施形態において、少なくとも1つのアパーチャは、出口オリフィスのハウジング壁と実質的に垂直なハウジング壁内に配置することができる。代替的な好ましい配置において、少なくとも1つのアパーチャは、出口オリフィスのハウジング壁とは実質的に反対側のハウジング壁内に配置することができる。少なくとも1つのアパーチャは、底壁に隣接した又は実質的に隣接したハウジングの側壁又は後壁内に配置されることがより好ましい。
【0011】
第2の空気流チャネルは、第1の空気流チャネルから実質的に完全に分離しており、かつ、2つの空気流チャネルのいずれかの交差部が存在する限り、交差部は、上部オリフィスのところにあるか又はこれに隣接していることが好ましい。
【0012】
第1の空気流チャネルと第2の空気流チャネルとの間のいずれの交差部も、第1の空気流チャネル内の切り欠き部分などによって促進され得る。
【0013】
代替的に、第2の空気流チャネルは、第1の空気流チャネルと実質的に連続しており、その結果、2つの空気流チャネル間の交差部は、下部オリフィスのところにあるか又はこれに隣接している。
【0014】
さらに別の代替案として、第2の空気流チャネルは、第1の空気流チャネルから完全に分離することができ、かつ、これと交差しておらず、第2の空気流チャネルは、空中物質検出器手段の少なくとも1つのアパーチャと出口オリフィスとの間の空気の通過のみを可能にする。
【0015】
さらに別の代替案として、第2の空気流チャネルは、第1の空気流チャネルから完全に分離することができ、かつ、これと交差しておらず、第2の空気流チャネルは、空中物質検出器手段の少なくとも1つのアパーチャを通り、空中物質検出器手段を過ぎて、ハウジングの内部に入る空気の通過のみを促進するために存在している。この構成においては、ひとたび空気流が空中物質検出器手段を過ぎると、装置内に定められた第2の空気流チャネルは存在せず、空気流は、出口オリフィスに向かって装置内を自然に流れるままにされる。
【0016】
上記の構成は、第2の空気流チャネルが、大量の空気を空中物質検出器手段内に及び/又はこれを過ぎて取り込むことを可能にし、その結果、より広範な装置の周囲の空気を分析してリフィルから空気処理剤を発散すること又はその発散速度を上げることが適切かどうかを判断できるので、有利であり得る。装置の動作中、空気処理剤を発散する際に放射される熱もまた、第2の空気流チャネルを通る空気流を駆動する助けになり得る。
【0017】
第2の空気流チャネルには、第1の空気流チャネルとの交差部に又はこれに隣接して、或いは出口オリフィスに又はこれに隣接して、蛇行経路を設けられるので、第2の空気流チャネル内で凝縮するいずれの空気処理剤も、空中物質検出器手段に向かってチャネル内を流下することができなくなり、可能な汚染及び/又はそれによる飽和の危険にさらされることがなくなる。
【0018】
第2の空気流チャネルには、第1の空気流チャネルとの交差部にといったその上端部に又はこれに隣接して、或いは出口オリフィスに又はこれに隣接して、フィルター膜を設けることができ、ここで、フィルター膜は、そこを通るガス拡散を可能にしながら、空中物質検出器手段の粒子汚染を防止する又は実質的に防止するように構成され、その結果、第2の空気流チャネル内で又はその付近で凝縮するいずれの空気処理剤も、空中物質検出器手段に向かってチャネル内を流下することができなくなり、可能な汚染及び/又はそれによる飽和の危険にさらされなくなる。フィルター膜は、ポリエチレン膜のような適切な拡散特性を有するプラスチック材料とすることができる。
【0019】
装置には、1つより多くの空中物質検出器手段が設けられ、この複数の検出器手段がハウジング内で互いから離間配置される場合、それぞれの空気流チャネルを、検出器手段の各々に対して設けることができる。
【0020】
本発明の好ましい構成において、ハウジングの出口オリフィスは、煙突手段の上部オリフィスである。
【0021】
煙突手段は、デバイスの使用時に、リフィルの芯に向かって加熱手段から伝えられる熱のユーザ制御による変更を可能にするように、ハウジングに対して回転可能にすることができる。
【0022】
リフィルが受け入れ手段により装置内の適所に固定されたとき、煙突手段は、断面が実質的に円形であるリフィルの芯に面するように意図された内面を有することが好ましく、リフィルの芯は、煙突手段の内面のものより小さい直径を有する、断面が実質的に円形である外面を有することが好ましく、誤解を避けるために、本明細書での断面についての言及は、断面が、芯/煙突手段の長手方向軸に対して実質的に垂直に取られた場合である。
【0023】
煙突手段の外面は、断面が実質的に円形であることが好ましく、ここで断面は、該手段の長手方向軸に対して実質的に垂直に取られる。
【0024】
加熱手段は、煙突手段に隣接して配置されることが好ましい。煙突手段には、加熱手段と位置合わせした切り欠き部分を設けることができ、これによりユーザにより煙突手段を回転させ得る機能は、ユーザが加熱手段に対して煙突手段を回転させることを可能にし、従って、煙突手段の切り欠き部分又は非切り欠き部分が芯と加熱手段との間にあるかどうかを変更することができ、これが芯に向けられる熱量に影響を及ぼす。
【0025】
第2の空気流チャネルには、使用中、加熱手段からの熱がチャネルに入り、そこを通る空気流を増大させるのを可能にする、加熱手段に隣接した切り欠き部分を設けることができる。
【0026】
煙突手段は、プラスチック材料から作られることが好ましく、ナイロン又はポリプロピレンのような熱の良伝導体であるプラスチック材料から作られることが好ましい。
【0027】
加熱手段を装置内の適所に固定して、煙突手段から所定の距離に留まるようにすることが好ましい。
【0028】
代替的に、加熱手段は、煙突手段の回転と協働して煙突手段に向かって及びこれから遠ざかるように横方向に移動可能にすることができ、このことにより装置の性能を高めることができる。
【0029】
加熱手段は、棒ヒータ又は少なくとも1つのポイントソース(point source)抵抗のようないずれかの適切な形態で設けることができる。加熱手段は、サーミスタのような少なくとも1つの電気抵抗の形態で設けることが好ましい。少なくとも1つの電気抵抗が、加熱手段として、本発明の装置内で用いられることが好ましい。
【0030】
装置に印加される電力は、例えば、電気の幹線、バッテリ又は太陽電池のような、いずれかの適切な形態により供給することができる。しかしながら、加熱手段及び空中物質検出器手段の電力需要のために、電気幹線が好ましい。
【0031】
装置が電気幹線と共に用いることを意図している場合、装置には、電気幹線ソケットの開口部に係合するように構成されたプラグ構成物を設けることができる。
【0032】
装置にプラグ構成物が設けられている場合、この構成物は、ハウジングの後ろ向きの壁に向かって配置され、この構成において、受け入れ手段はハウジングの下向きの面内に配置することができる。
【0033】
装置には、回転可能な煙突手段と直接的又は間接的に係合又は連通して、装置のユーザが煙突手段を回転できるようにして、使用中、加熱手段からリフィルの芯に加えられる熱を変え、従って、装置の周囲の環境への揮発性液体の発散速度を変更する、変更手段を設けることができる。
【0034】
装置にはまた、その熱出力を増大させるように、従って、空気処理剤の発散速度を増大させるように、加熱手段に加えられる電力を増大させることができる電子制御手段を設けることもできる。
【0035】
ハウジングは、固定手段により解放可能に保持されるとき、リフィルに便利にアクセスすること及びリフィルを見ることを可能にするように、その下面に向かって実質的に開いていることが好ましい。この構成は、ユーザがリフィル内に残っている揮発性液体のレベルを視覚的に監視できるので、有利であり得る。
【0036】
代替的には、ハウジングは、リフィルが固定手段によって保持されるとき、リフィルを実質的に囲むことができる。この構成は、係合したリフィルに不正変更しにくくするので、有利であり得る。さらに、この構成により、装置が消費者の観点からの改善された美観を有することが可能になる。
【0037】
固定手段をリフィルのいずれかの部分に係合させて、装置に対するリフィルの位置を確実にすることができる。この構成は、煙突手段内の芯のより確実な位置決めを容易にすることができるので、受け入れ手段は、リフィルの上部と係合するように配置されることが好ましい。
【0038】
代替的に、受け入れ手段は、リフィルの下部に係合することができる。この構成は、ハウジングが、係合されたリフィルを実質的に囲むように配置された場合に特に有用であり得る。
【0039】
さらに別の代替案として、受け入れ手段は、リフィルの1つより多い部分に係合するように配置することができる。
【0040】
空中物質検出器手段は、ハウジングの内部に存在するいずれの流体からも実質的に完全に隔離され、その結果、ハウジングの内部に存在するいずれの流体も、1つ又はそれ以上のハウジング壁を通過して、空中物質検出器手段により検出可能になることが実質的に完全に防止されることが好ましい。
【0041】
ハウジングには、その壁内に、ハウジングの内部に延びる窪んだ凹部が設けられることが好ましい。この窪んだ凹部は、空中物質検出器手段を内部に受け入れるような大きさにされることが好ましい。窪んだ凹部には、該凹部を塞ぐような大きさにされ、側壁の形状及び/又は輪郭に実質的に従い、かつ少なくとも1つのアパーチャを含むカバーを設けることができる。好ましい構成において、空中物質検出器手段が、凹部内に配置され、カバーは、隣接した側壁に対して実質的に恒久的に密封され、いずれの不要な物質も、カバー内のアパーチャを通らずに凹部内に侵入することを実質的に完全に防止し、さらにより好ましくは、いずれの不要な物質も、カバー内のアパーチャを通らずに凹部内に侵入するのを完全に防止する。
【0042】
空中物質検出器手段を凹部内に設けて、これをハウジングの内部から実質的に完全に隔離することは、装置による空気処理剤の発散に起因する検出器手段による誤検出から装置をより良好に保護できる限り、特に有利であることが分かった。多くの周知の装置を用いた場合、空気処理剤が発散されるときに、少量の発散済み物質が周囲環境に成功裏に発散されず、代わりに、装置内に閉じ込められ又はハウジング壁上に当たって装置内を循環し、及び/又は装置内に溜まり、その後装置内で蒸発する。検出器手段が隔離されない場合、閉じ込められた発散剤が検出器手段を妨げ、場合によっては、これを完全に飽和させ、その結果、検出器手段は、装置の周囲環境における空中物質の変動を殆ど完全に読みとることができなくなる。そのような高レベルの検出可能な物質への露出及び特に長期の露出は、感度の低下、検出器手段の汚染、検出器手段の寿命の低下、及び最終的に検出器手段の機能の低下と関連した問題につながることもある。
【0043】
空中物質検出器手段は、閉じ込められた発散済み空気処理剤の侵入から凹部の完全性を保護するように、制御手段と無線通信するように構成することができる。代替的に、凹部内に小さな導管を設けて、空中物質検出器手段と制御手段との間の有線通信を可能にすることができ、ここで、導管と配線との間の如何なる隙間も実質的に完全に密封され、好ましくは完全に密封されて、閉じ込められた発散済み空気処理剤の凹部への侵入を防止する。
【0044】
アパーチャにフィルター膜を設けて、そこを通るガス拡散を可能にしながら、空中物質検出器手段の粒子汚染を防止するか又は実質的に防止することができる。フィルター膜は、ポリエチレン膜のような適切な拡散特性を有するプラスチック材料とすることができる。
【0045】
ハウジング壁には、空中物質検出器手段と連通するアパーチャに隣接した外向きに延びる突起部を設けて、発散した空気処理剤がアパーチャに入って空中物質検出器手段を誤作動すること、及び/又は、これを飽和させることを防止することができる。外向きに延びる突起部は、いずれの空気処理剤もアパーチャから遠ざかるように方向転換する、アパーチャの上方に配置されたカウルの形態で設けられることが好ましい。
【0046】
空中物質検出器手段は、少なくとも1つの匂いセンサ手段を含むことが好ましい。匂いセンサは、1つ又はそれ以上の金属酸化膜半導体センサ及び/又は1つ又はそれ以上の金属酸化物センサを含むことができる。少なくとも1つの匂いセンサ手段は、動きセンサ、人センサ、光センサ、音センサ、湿度センサ、煙センサ、温度センサのリストからの1つ又はそれ以上の付加的なセンサと組み合せることができる。
【0047】
いずれかの金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサを動作可能にするために、センサを動作温度まで加熱し、センサ上の活性表面化学を適切に助長する必要があり、この温度は、典型的には300℃から380℃までのオーダーである。そのような高い動作温度に到達する必要性により、そのようなセンサを含む装置が大量のエネルギーを消費するようになる。本発明の更に別の目的は、金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサを含む装置のエネルギー消費を改善することであり、この目的を達成するために、本発明者等は、センサに加えられるエネルギーのパルス化により、この目的の達成が可能であることに気付いた。
【0048】
1つの好ましい構成において、電力をセンサに実質的に連続的に加えてセンサを動作温度にし、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されることを確実にし、その後、電力をセンサに断続的に加えて、センサを動作温度又はその近くに保持し、及び/又は、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されることを確実にする。
【0049】
別の好ましい実施形態において、電力をセンサに実質的に連続的に加えて、センサを動作温度にし、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されることを確実にした後、その後に電力をセンサに断続的に加えて、センサを動作温度に保持し、及び/又は、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されることを確実にし、匂いセンサが、実質的に連続的に又は定期的に、アパーチャに入る空中物質の量を測定することができるようになる。
【0050】
代替的な好ましい実施形態において、電力をセンサに実質的に連続的に加えてセンサを動作温度にし、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されることを確実にした後、その後に電力をセンサに概ね断続的に加えて、センサを動作温度付近に保持し、及び/又は、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されることを確実にする。断続的な電力印加期間内において、センサを一時的に動作温度におくように、及び/又は、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されることを確実にするように、連続的な電力印加及び/又は増大した電力印加の期間があってもよく、ここで、匂いセンサは、この電力印加と協働して、センサが動作温度にあるときにアパーチャに入る空中物質の量だけを測定するように、及び/又は、センサの表面化学が電力印加サイクルにおいてセンサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されるのを確実にするように構成される。
【0051】
更に別の代替的な好ましい実施形態において、電力をセンサに実質的に連続的に加えてセンサを動作温度にして、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化された後、その後に電力非印加期間が続き、ここで電力非印加に続いて、電力を実質的に連続的に加えてセンサを動作温度にして、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されるのを確実にし、サイクルは、装置の動作の全体を通して同じパターンに従って継続する。
【0052】
ひとたび金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサが動作温度まで加熱されると、電力パルスは、0.5秒から10秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから1000msまでの期間続くことが好ましく、より好ましくは、電力パルスは0.5秒から7.5秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから250msまでの間続き、さらにより好ましくは、電力パルスは0.5秒から5.5秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから100msまでの間続き、最も好ましくは、電力パルスは0.5秒から3.5秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから60msまでの間続き、理想的には、電力パルスは、実質的に2.2秒間続くオフ期間を有した状態で実質的に35msの間続く。
【0053】
本発明の文脈において、誤解を避けるために、「動作温度」は、本発明との関連において、センサ上の活性表面化学を適切に助長するためにセンサが到達しなければならない温度に関連して用いられる。さらに誤解を避けるために、本発明の文脈において「動作温度付近」は、センサへの電力印加下で装置を動作温度まで加熱するのに要する時間(上で定められたような)によって定められる動作温度を下回ることのみが許容されることを意味するように理解される。当業者であれば、「付近(close)」の限界は、0.5秒から10秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから1000msまでの間装置のセンサに電力供給できるときに、システムがどのように調整されたかに基づいており、センサが、装置が調整された動作境界内の動作温度に達することができなかった場合、温度を「動作温度付近」と定めることはできないことを理解するであろう。
【0054】
空中物質検出器手段の感度を維持し及び/又は向上させ、かつ、その誤作動を防止するために、ひとたび一定量の空気処理剤が発散されると、制御手段は、空中物質検出器手段が一定期間動作しないようにして、空気処理剤が周囲環境にさらに発散するにつれて、発散直後の装置の周囲の空気処理剤の初期の高濃度が弱まることを可能にし、検出器手段30による空中物質の誤検出を防止することができる。制御手段は、好ましくは発散後1秒から30分までの間、より好ましくは発散後5秒から15分までの間、さらにより好ましくは発散後10秒から10分までの間、最も好ましくは発散後15秒から5分まで間、理想的には発散後実質的に90秒から180秒まで間、空中物質検出器手段が動作するのをディスエーブルにするように動作可能であり、この構成によって、空中物質検出器手段は、電力消費量も節約し、このことは、装置が電気幹線以外を電力供給源にする場合に特に有用である。代替的に、制御手段は、発散後1秒から30分までの間、より好ましくは発散後5秒から15分までの間、さらにより好ましくは発散後10秒から10分までの間、最も好ましくは発散後15秒から5分までの間、理想的には発散後実質的に90秒から180秒まで間、空中物質検出器手段からの信号を無視する及び/又は退けるように動作可能であり得る。
【0055】
空中物質検出器手段の感度をさらに維持及び/又は向上させるために、制御手段には自動測距(auto−ranging)機能を設けることができ、この機能により、検出器手段は、検出器手段が既に以前から存在していた空中物質又は他の環境要因の影響下にある間、さらなる空中物質に対して一貫した応答が保持されることを保証するように、空中物質検出器手段から受け取った信号の正しい範囲を選択するように動作可能である。
【0056】
少なくとも1つの空中物質検出器手段は、使用中、現在の空中物質レベルが、所定量より多く、検出されたバックグラウンドの空中物質レベルから逸脱しているかどうかを検出するように動作可能であることが好ましい。ここで、バックグラウンドの空中物質レベル及び現在の空中物質レベルは、装置によって、好ましくは制御手段によって計算される。
【0057】
制御手段は、空中物質検出器手段の所定数の最新の測定値の平均を計算することにより、現在の空中物質レベルを計算するように動作可能であることが好ましい。2個から5個までの最新測定値が好ましく、3個の最新測定値がより好ましい。
【0058】
制御手段は、一方を他方から減算することによって、及び/又は一方の他方に対する比率によって現在の空中物質レベルのバックグラウンド・レベルからの偏差を計算するように動作可能とすることができる。
【0059】
現在の空中物質レベルからバックグラウンド・レベルを減算し、その量をバックグラウンド・レベル値で除算することによって、偏差を計算することが好ましい。表示及び/又は使用を容易にするために、結果に定数を乗算することができる。
【0060】
幾つかの周知の従来技術の装置とは異なり、本発明の装置は、バックグラウンドの空中物質レベルについての所定値を用いて動作するのではなく、むしろ本発明の装置はこのレベルを計算し、この計算したレベルを用いて少なくとも1つの空気処理剤の放出を制御する。装置は、これが用いられる周囲環境の特性に応じて、1つ又はそれ以上の空気処理剤を放出する方法を適合させるように動作可能であるため、この構成は有利であり得る。
【0061】
制御手段は、現在の空中物質レベルを計算する時間よりも長い時間の平均を計算することによって、バックグラウンドの空中物質レベルを計算するように動作可能であることが好ましい。
【0062】
バックグラウンドの空中物質レベル及び現在の空中物質レベルは、好ましくは少なくとも5秒、より好ましくは少なくとも10秒、より好ましくは少なくとも20秒だけ時間的にオフセットされる。
【0063】
ひとたび装置が動作モードにおかれると、バックグラウンドの空中物質レベルは、この動作モードの継続時間全体を通じて装置により検出された空中物質レベルの平均とすることができる。この構成において、装置は、その局所環境の特性をより良く「学ぶ」ことができ、使用中、現在の空中物質レベルが、所定量より多くバックグラウンド・レベルから逸脱している場合、空気処理剤の放出をより良好に行うことができる。ユーザが装置を別の場所に動かしたいと望む場合、ユーザは、装置を動作モードから自由にリセットすることができ、このリセットにより、バックグラウンドの物質の平均レベルがゼロになるという効果が得られ、その結果、装置は、再び動作モードにおかれたときに、存在しない開始点からバックグラウンドの平均物質レベルを計算することによりその新しい環境の特性を「学ぶ」ように動作可能となる。
【0064】
制御手段は、検出器の所定の数の最新測定値の幾つか又は全ての平均を計算することにより、バックグラウンドの空中物質レベルを計算するように動作可能であることが好ましい。10個から10,000個までの最新測定値が好ましく、20個から5000個までの最新測定値がより好ましく、50個から1000個までの最新測定値が最も好ましい。
【0065】
装置に初期設定モードを与えることができ、この場合、最初に装置の電源を入れたたとき、制御手段は、装置のスイッチが最初にオンになったときに存在するバックグラウンドの匂いに基づいて自動的に校正を行う。
【0066】
代替的又は付加的な構成において、好ましくは、制御手段は、空中物質検出器手段からの測定値のローリング・ウィンドウから一連の平均を計算することに基づいて、バックグラウンド・レベルを計算するように動作可能である。各々のローリング・ウィンドウは、2個から10個までの測定値、好ましくは6個の測定値の平均とすることができる。ウィンドウは重なり合わないことが好ましい。ウィンドウは、5分から30分までの間、10分から25分までの間、15分から20分までの間の時間間隔に及ぶことが好ましい。約30個から50個までのウィンドウが存在してもよい。
【0067】
制御手段は、新しいウィンドウが利用可能になった場合、最も古いウィンドウを廃棄するように動作可能であることが好ましく、現在のレベルとバックグラウンド・レベルとの間のオフセットを考慮に入れることが好ましい。
【0068】
制御手段は、空気処理剤の放出をもたらす、バックグラウンド・レベルからの所定の偏差レベルを調整するように動作可能であることが好ましい。この所定のレベルは、手動で調整することができる。偏差は、正の偏差であっても、又は負の偏差でもあってもよい。
【0069】
空中物質検出器手段が1つ又はそれ以上の金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサの形態で与えられる場合、センサには、1つ又はそれ以上の抵抗器がこれと直列に備えられ、センサの動作中に空中物質の検出に応じてそれらの抵抗が変化するとき、センサからの一貫した信号出力を保証することができる。装置には、1KΩから300KΩまでの範囲を有する3個から5個までのダイナミックレンジ抵抗器が設けられることが好ましい。
【0070】
装置には、装置内に固定された空気処理剤の交換可能リフィルごとに1つの出口オリフィスが設けられることが好ましく、この構成は、空気処理剤の二次汚染を防止するために好ましい。
【0071】
空気処理剤の容器は、装置のハウジング内に完全に受け入れられることが好ましい。
【0072】
装置には、ユーザ制御式ブースト機構を設けることができる。装置の使用中、ブースト機構の作動により、少なくとも1つの空気処理剤の分配を実質的に即座にもたらすことができる。
【0073】
空中物質検出器手段によって検出される空中物質は、通常の家庭の匂い(及びこれらの悪臭を構成する化学物質)とすることができる。例えば、台所の悪臭、風呂の悪臭、タバコの煙、ペットの臭い、カビ及び/又は白カビ、体臭、魚、玉ネギ、生ごみ、他の製品(例えば、洗剤、磨き粉、掃除用品など)からの香りである。こうした検出を容易にするために、匂いセンサ手段は、次の化学成分:すなわち、アミン及び窒素化合物;メルカプタン、チオ酸、チオエステル、スルフィド、フェノール及びスカトールの匂いのような、酸及び/又は硫黄化合物の少なくとも幾つかを検出するように動作可能であり得る。
【0074】
上述の態様のいずれかの装置に表示器を設けることもでき、この表示器は、装置が現在どの機能を実行しているかをユーザに示すように動作可能である。表示器は、視覚的表示及び/又は可聴式表示をもたらすように動作可能であり得る。
【0075】
表示器は、1つ又はそれ以上の光源から、好ましくは1つ又はそれ以上のLEDから光を発することによる視覚的表示をもたらすように構成されることが好ましい。
【0076】
1つ又はそれ以上の光源は、様々な色の光を発し、装置が実行している現在の機能を示すように適合させることができる。付加的に又は代替的に、1つ又はそれ以上の光源は、明滅又は点滅して装置が実行している現在の機能を示すことができる。
【0077】
代替的に又は付加的に、装置は、スクリーンを介して、現在装置が実行している機能を視覚的に示すように動作可能であり得る。スクリーンは、ユーザにメッセージを与えることができるように適合されたLCDスクリーンとすることができ、例えば、こうしたメッセージは、「ON(オン状態)」、「SENSING(検出中)」、「MOTION DETECTEDD(検出された動き)」、「RESTING(休止している)」、[NORMAL MODE(通常モード)]、「DETECTION MODE(検出モード)」、「OFF(オフ状態)」を含むことができる。
【0078】
本発明の第2の態様によると、従って、揮発性の空気処理剤を蒸発させるための装置が提供され、この装置は、
蒸発した空気処理剤が装置から出ていくための少なくとも1つの出口オリフィスを有するハウジングと、
リフィルを取り外し可能に受け入れ、装置に固定するための、ハウジング内の受け入れ手段と、
ハウジング内の電気的加熱手段と、
制御手段と、
下部オリフィス及び上部オリフィスを有し、それらの間に第1の空気流チャネルを定める、ハウジング内の煙突手段と、
空気中の空中物質を検出するように動作可能な空中物質検出器手段と、
を含み、空中物質検出器手段には、使用中、装置の外部から空気が空中物質検出器手段の内部に入るのを可能にするように、装置の外部に通じる少なくとも1つのアパーチャが設けられ、
装置は、受け入れ手段と係合する交換可能なリフィルをさらに含み、
リフィルは、
一定量の揮発性空気処理剤を保持するためのリザーバ部分と、
リザーバ部分の基部に実質的に隣接した、リザーバ部分内の近位端と、リザーバ部分の上方に延びる遠位端とを有する芯と、
を含み、
この装置は、第2の空気流チャネルが、空中物質検出器手段の少なくとも1つのアパーチャと出口オリフィスの間に設けられる、
ことを特徴とする。
【0079】
本明細書で説明される特徴のいずれも、上記の態様のいずれかと任意の組み合わせで組み合せることができる。
【0080】
ここで、次の図面を参照して本発明の実施形態を単なる一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明によるプラグイン電気装置の正面図を示す。
【図2】本発明によるプラグイン電気装置の上面図を示す。
【図3】本発明によるプラグイン電気装置の断面図を示す。
【図4】本発明によるプラグイン電気装置の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0082】
図1−図4は、本発明による装置20を示し、具体的には、装置20は電気幹線ソケットに接続されることを意図したプラグイン装置であり、この装置は、装置20の後側から外に延びる電気プラグ構成物21上に取り付けられるか又はこれによって支持される。図1及び図2において、装置20は、これと係合し、受け入れ手段34によって所定の位置に保持された、揮発性液体空気処理剤のリフィル22と共に示されている。リフィル22は、空気処理剤24を含むガラス瓶の形態のリザーバ部分23と、リザーバ23からシール(図示せず)を通って瓶の上方に延び、装置20の煙突手段26に入る芯25とを有する。芯25は実質的に円筒形とすることができ、リフィル22が芯と係合したとき、装置20がひっくり返された、及び/又は、逆さにされたとしても、空気処理剤24を瓶の内部に保持するために、シールが存在する。
【0083】
装置20は、リフィル22の上部の上に部分的に延びるハウジング27を有する。ハウジング27の上部は、煙突手段26の上部オリフィス35と位置合わせされた、ほぼ円形の中央出口オリフィス28を有する。その下部オリフィス36と上部オリフィス35の間の煙突手段26は、第1の空気流チャネルを定める。空気は、シール(図示せず)と下部オリフィス36との間を流れ、加熱手段29から放射する熱によって部分的に駆動され、上部オリフィス35に向かって出口オリフィス28の外に流出することができる。
【0084】
加熱手段29は、例えば、正の温度係数(PTC)のサーミスタのような抵抗器として示されるが、この手段は、リング・ヒーター等、又はそれらの組み合わせとして設けることもできる。
【0085】
図示しないが、装置20には、少なくとも2つの別個の液体容器22を受け入れるための手段を設けることができる。この構成において、装置20には、空気処理剤24の発散を引き起こすための付加的な加熱手段を設けることができる。
【0086】
最も好ましくは、ハウジング27の上壁27’は、前壁27’’に向かって下向きに傾斜するように角度が付けられ、出口オリフィス28は、上壁27’内に設けられる。使用中、以下でより詳しく説明するように、装置20から発散される空気処理剤24は、概ね上向き方向に、又は上壁27’の傾斜に対して垂直な概ね上前方方向に向けられる。
【0087】
空中物質検出器手段30は、該検出器手段30がハウジングの内部から実質的に完全に隔離されるように、点線内に配置されたハウジング27の底壁27’’’’に概ね隣接した側壁27’’’内に設けられるので、ハウジングの内部に誤って存在するいずれの空気処理剤もハウジング壁を通過して検出器により検出できるようになることが実質的に完全に防止される。
【0088】
ハウジング27には、該ハウジング27の内部に延びる凹部31が設けられ、この凹部31は、空中物質検出器手段30を内部に受け入れるような大きさにされ、かつ、そこから延びる第2の空気流チャネル37を有する。凹部には、凹部を塞ぐような大きさにされ、かつ、外側に面する側壁27’’’の形状及び/又は輪郭に実質的に従うカバー32が設けられる。カバー32には、装置20の外部の空気が入り、その内容物が検出器手段30により分析されるのを可能にするための少なくとも1つのアパーチャ33が設けられる。空中物質検出器手段30は凹部31内に配置され、カバー32は隣接した側壁27’’’に対して実質的に恒久的に密封され、如何なる不要な物質も、カバー32内のアパーチャ33を通らずに凹部に侵入することが実質的に完全に防止される。
【0089】
第2の空気流チャネル37は、第1の空気流チャネルの大部分から実質的に完全に分離されるので、2つの空気流チャネルの交差部は出口オリフィスに隣接する。
【0090】
図示しないが、第2の空気流チャネルを第1の空気流チャネルと実質的に連続するようにし、2つの空気流チャネル間の交差部が下部オリフィス36のところにあるか、又はこれに隣接するようにすることができる。
【0091】
同じく図示しないが、更に別の代替案として、第2の空気流チャネル37が、第1の空気流チャネルから完全に分離することができ、かつ、これと交差しておらず、ここで、第2の空気流チャネルだけが、空中物質検出器手段の少なくとも1つのアパーチャと出口オリフィスとの間の空気の通過を可能にする。
【0092】
さらに同じく図示しないが、第2の空気流チャネル37が、第1の空気流チャネルから完全に分離することができ、かつ、これと交差しておらず、ここで、第2の空気流チャネルは、少なくとも1つのアパーチャ33を通り、空中物質検出器手段30を過ぎて、ハウジング27の内部に入る空気の通過を促進するためだけに存在する。この構成において、ひとたび空気流が空中物質検出器手段30を通過すると、装置内に第2の空気流チャネルが定められず、空気流は、自然に装置を通って出口オリフィスに向かうようにされる。
【0093】
上述の構成の一部又は全ては、第2の空気流チャネルが空中物質検出器手段内に及び/又はこれを通過して大量の空気を引き込むことを可能にし、装置の周囲の空気の広い断面を分析して、リフィルからの空気処理剤を発散させること又はその発散速度を増大させることが適切かどうかを判断できるようにするので、有利であり得る。装置の動作中、空気処理剤の発散において放出される熱もまた、第2の空気流チャネルを通る空気流の駆動を助けることができる。
【0094】
第2の空気流チャネル37には、第1の空気流チャネルとの交差部に又はこれに隣接して、或いは出口オリフィスに又はこれに隣接して、蛇行経路(図示せず)を設けることができ、その結果、第2の空気流チャネル37内で凝縮する如何なる空気処理剤も、チャネルを空中物質検出器手段30に向かって流下することができず、検出器手段の可能な汚染及び/又はその飽和の危険にさらされることはない。
【0095】
第2の空気流チャネル37には、第1の空気流チャネルとの交差部にといったその上端部に又はこれに隣接した、或いは、出口オリフィス28に又はこれに隣接した、フィルター膜(図示せず)を設けることができ、このフィルター膜は、そこを通るガス拡散を可能にしながら、空中物質検出器手段30の粒子汚染を防止する又は実質的に防止するように構成され、その結果、第2の空気流チャネル37内で又はその付近で凝縮する如何なる空気処理剤も、チャネル37内を空中物質検出器手段30に向かって流下することができず、検出器手段の可能な汚染及び/又はその飽和の危険にさらされることはない。
【0096】
装置20は、空中物質検出器手段30がハウジングの内部から実質的に完全に隔離されるように構成され、このことは、空気処理剤がハウジングの内部で装置20により誤って及び/又は定期的に発散されることに起因する検出器手段30による誤検出から装置をより良く保護することができる限り、有利であると考えられる。凹部内に通じる小さな導管(図示せず)を設けて、空中物質検出器手段30と制御手段(図示せず)との間の有線通信を可能にし、導管と配線との間の隙間は、樹脂又は接着剤などを用いて、閉じ込められた発散済み空気処理剤が凹部内に侵入するのを防止するように密閉される。図示しないが、空中物質検出器手段30は、制御手段と無線通信して、ハウジングの内部に存在する空気処理剤24の侵入に対して凹部31の完全性を維持することができる。
【0097】
図示しないが、アパーチャ33をフィルター膜で塞いで、そこを通るガス拡散を可能にしながら、空中物質検出器手段の粒子汚染を防止する又は実質的に防止することができる。フィルター膜は、ポリエチレン膜のような適切な拡散特性を有するプラスチック材料とすることができる。
【0098】
空中物質検出器手段30は、一般に、少なくとも1つの匂いセンサ手段を含み、好ましくは1つ又はそれ以上の金属酸化膜半導体センサ、及び/又は1つ又はそれ以上の金属酸化物センサを含む。
【0099】
ここで、装置20の動作モード及び構成要素の相互関係について説明する。
【0100】
いずれの金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサも動作可能にするために、センサを動作温度まで加熱する必要があり、典型的には、この温度は300℃から350℃までのオーダーである。装置20は、その制御手段により、電力をセンサに実質的に連続的に加えてセンサを動作温度にし、その後、電力をセンサに断続的に加えてセンサを動作温度に又はその付近に保持し、匂いセンサが、アパーチャ14、33に入る空中物質の量を実質的に連続的に又は定期的に測定するのを可能にするように構成することができる。
【0101】
ひとたび金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサが動作温度まで加熱されると、電力パルスは0.5秒から10秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから1000msまでの間続くことができ、電力パルスが0.5秒から7.5秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから250msまでの間続くことがより好ましく、電力パルスが0.5秒から5.5秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから100msまでの間続くことがさらにより好ましく、電力パルスが0.5秒から7.5秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから60msまでの間続くことが最も好ましく、電力パルスが、実質的に2.2秒間続くオフ期間を有した状態で実質的に35ms間続くことが理想的である。
【0102】
空中物質検出器手段30の感度を向上させ及び/又は維持し、その誤作動を防止するために、ひとたび一定量の空気処理剤が発散され、及び/又は、所定の期間より高い発散速度が維持されると、制御手段は、空中物質検出器手段30が一定期間動作しないようにして、空気処理剤が周囲環境にさらに発散するに従って発散直後の装置の周囲の空気処理剤の初期の高濃度が弱まるのを可能にし、検出器手段30による空中物質の誤検出を防止する。制御手段は、好ましくは発散後1秒から30分までの間、より好ましくは発散後及び/又はより高い発散速度の後5秒から15分までの間、さらにより好ましくは発散後及び/又はより高い発散速度の後10秒から10分までの間、最も好ましくは発散後及び/又はより高い発散速度の後15秒から5分までの間、理想的には発散後及び/又はより高い発散速度の後実質的に100秒間、空中物質検出器手段30が動作するのをディスエーブルにするように動作可能である。
【0103】
使用中、制御手段は、空中物質検出器手段30から受け取った信号を分析して、現在の空中物質濃度が、所定量より多く、検出されたバックグラウンドの空中物質レベルから逸脱しているかどうかを検出するように構成され、ここでバックグラウンドの空中物質レベル及び現在の空中物質レベルは、制御手段によって計算される。
【0104】
制御手段は、空中物質検出器手段30の所定数の最新測定値の平均を計算することにより、現在の空中物質レベルを計算するように動作可能である。2個から5個までの最新測定値が好ましく、3個の最新測定値がより好ましい。
【0105】
制御手段は、一方を他方から減算することによって、及び/又は一方の他方に対する比率によって現在の空中物質レベルのバックグラウンド・レベルからの偏差を計算するように動作可能とすることができる。
【0106】
しかしながら、現在の空中物質レベルからバックグラウンド・レベルを減算し、その量をバックグラウンド・レベル値で除算することにより、偏差を計算することが好ましい。表示及び/又は使用を容易にするために、結果に定数を乗算することができる。
【0107】
制御手段は、現在の空中物質レベルを計算する時間間隔よりも長い時間間隔の平均を計算することにより、バックグラウンドの空中物質レベルを計算するように動作可能である。感度を向上させるために、バックグラウンドの空中物質レベル及び現在の空中物質レベルは、好ましくは少なくとも5秒だけ、より好ましくは少なくとも10秒だけ、より好ましくは少なくとも20秒だけ、時間的にオフセットされる。
【0108】
ひとたび装置20が動作モードにおかれると、バックグラウンドの空中物質レベルは、この動作モードの継続時間全体を通じて装置により検出された空中物質レベルの平均とすることができる。この構成において、装置20は、その局所環境の特性をより良く「学ぶ」ことができ、使用中、現在の空中物質レベルが、所定量より多くバックグラウンド・レベルから逸脱している場合、空気処理剤をより良好に放出することができる。
【0109】
ユーザが装置20を別の場所に動かしたいと望む場合、ユーザは、装置を動作モードから自由にリセットすることができ、この装置のリセットにより、バックグラウンドの物質の平均レベルがゼロになるという効果が得られ、その結果、装置は、再び動作モードにおかれたときに、存在しない開始点からバックグラウンドの平均物質レベルを計算することによりその新しい環境の特性を「学ぶ」ように動作可能である。
【0110】
制御手段は、検出器の所定数の最新測定値の幾つか又は全てを、好ましくは10個から10,000個までの最新測定値の平均を計算することにより、バックグラウンドの空中物質レベルを計算するように動作可能である。
【0111】
装置20に初期設定モードを与えることができ、ここで、最初に装置の電源を入れたとき、制御手段は、装置のスイッチが最初にオンになったときに存在する既存のバックグラウンドの匂いに基づいて自動的に較正を行う。その後、制御手段は、空中物質検出器手段からの計測値のローリング・ウィンドウから一連の平均を計算することに基づいて、バックグラウンド・レベルを計算するように動作可能である。各々のローリング・ウィンドウは、2個から10個までの測定値、好ましくは6個の測定値の平均とすることができる。ウィンドウは重なり合わないことが好ましい。ウィンドウは、5分から30分までの間、好ましくは10分から25分までの間、好ましくは15分から20分までの間の時間間隔に及ぶことが好ましい。約30個から50個までのウィンドウがあってよい。制御手段は、新しいウィンドウが利用可能になった場合、最も古いウィンドウを廃棄するように動作可能であり、現在のレベルとバックグラウンド・レベルとの間のオフセットを考慮に入れることが好ましい。
【0112】
制御手段は、空気処理剤の放出をもたらす、バックグラウンド・レベルからの所定の偏差レベルを調整するように動作可能であることが好ましい。この所定のレベルは、手動で調整することができる。偏差は、正の偏差であっても、又は負の偏差であってもよい。
【0113】
空中物質検出器手段が1つ又はそれ以上の金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサの形態で与えられる場合、センサには、1つ又はそれ以上の抵抗器がこれと直列に備えられ、センサの動作中に空中物質の検出に応じてそれらの抵抗が変化するとき、センサからの一貫した信号出力を保証することができる。装置には、1KΩから300KΩまでの範囲を有する3個から5個までのダイナミックレンジ抵抗器が設けられることが好ましい。
【0114】
装置20には、ユーザ制御式ブースト機構(図示せず)を設けることができる。装置の使用中、ブースト機構の作動により、実質的に、少なくとも1つの空気処理剤の分配及び/又はより高い発散速度をもたらすことができる。
【0115】
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)で開示した特徴の全て、及び/又はそこで開示した任意の方法又はプロセスのステップの全てを、このような特徴及び/又はステップの少なくとも幾つかが互いに相容れない組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0116】
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)で開示した各々の特徴を、特に明記しない限り、同じ目的、同等の目的、又は類似の目的を果たす代替的な特徴と置き換えることができる。従って、特に明記しない限り、開示した各々の特徴は、一般的な一連の同等の又は類似の特徴の一例にすぎない。
【0117】
本発明は、上述の実施形態の詳細に制限されるものではない。本発明は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)で開示した特徴の任意の新規なもの、又は任意の新規な組み合わせにまで及ぶものであり、或いは、本明細書で開示した任意の方法又はプロセスのステップの任意の新規なもの、又は任意の新規な組み合わせにまで及ぶものである。
【符号の説明】
【0118】
20:装置
21:電気プラグ構成物
22:リフィル
23:リザーバ部分
24:空気処理剤
25:芯
26:煙突手段
27:ハウジング
27’:ハウジングの上壁
27’’:ハウジングの前壁
27’’’:ハウジングの側壁
27’’’’:ハウジングの底壁
28:出口オリフィス
29:加熱手段
30:空中物質検出器手段
31:凹部
32:カバー
33:アパーチャ
34:受け入れ手段
35:上部オリフィス
36:下部オリフィス
37:第2の空気流チャネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能なリフィルから揮発性空気処理剤を蒸発させるための装置であって、
蒸発した空気処理剤が前記装置から出ていくための少なくとも1つの出口オリフィスを有するハウジングと、
前記リフィルを取り外し可能に受け入れ、前記装置に固定するための、前記ハウジング内の受け入れ手段と、
前記ハウジング内の電気加熱手段と、
制御手段と、
下部オリフィス及び上部オリフィスを有し、それらの間に第1の空気流チャネルを定める、前記ハウジング内の煙突手段と、
空気中の空中物質を検出するように動作可能な空中物質検出器手段と、
を含み、前記空中物質検出器手段には、使用中、前記装置の外部から空気が前記空中物質検出器手段に入るのを可能にするように、前記装置の外部に通じる少なくとも1つのアパーチャが設けられ、
前記装置と共に使用するための前記リフィルは、
一定量の揮発性空気処理剤を保持するためのリザーバ部分と、
前記リザーバ部分の基部に実質的に隣接した前記リザーバ部分内の近位端と、前記リザーバ部分の上方に延びる遠位端とを有する芯と、
を含み、
前記装置は、使用中、前記固定手段が前記リフィルを保持するように適合されて、前記芯の前記遠位端が前記煙突手段内に配置されるように構成され、
第2の空気チャネルが、前記空中物質検出器手段の前記少なくとも1つのアパーチャと前記出口オリフィスとの間に設けられる、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、底壁と、そこから遠く離れた上壁と、それらの間の1つ又はそれ以上の側壁とを含み、前記出口オリフィスは、前記上壁に実質的に隣接した位置において前記上壁及び/又は前記側壁内に設けられ、前記空中物質検出器手段についての少なくとも1つのアパーチャは、前記出口オリフィスから離間配置されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのアパーチャは、前記底壁に隣接した又は実質的に隣接した前記ハウジングの前記側壁又は後壁内に配置されることを特徴とする、請求項1〜請求項2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
前記第2の空気流チャネルは、前記第1の空気流チャネルから実質的に完全に分離しており、前記2つの空気流チャネルのいずれかの交差部が存在する限り、前記交差部は、上部オリフィスのところにあるか又はこれに隣接していることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記第2の空気流チャネルは、前記第1の空気流チャネルと実質的に連続しており、前記2つの空気流チャネル間の前記交差部は、前記下部オリフィスのところにあるか又はこれに隣接していることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記第2の空気流チャネルは、前記第1の空気流チャネルから完全に分離しており、かつ、これと交差しておらず、前記第2の空気流チャネルは、前記空中物質検出器手段の前記少なくとも1つのアパーチャと前記出口オリフィスとの間の空気の通過のみを可能にすることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記第2の空気流チャネルは、前記第1の空気流チャネルと完全に分離しており、かつ、これと交差しておらず、前記第2の空気流チャネルは、前記空中物質検出器手段の前記少なくとも1つのアパーチャを通り、前記空中物質検出器手段を過ぎて、前記ハウジングの内部に入る空気の前記通過のみを促進するために存在することを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記第2の空気流チャネルには、前記第1の空気流チャネルとの交差部に又はこれに隣接して、或いは前記出口オリフィスに又はこれに隣接して、蛇行経路が設けられ、前記第2の空気流チャネル内で凝縮するいずれの空気処理剤も、前記チャネルを前記空中物質検出器手段に向かって流下することができないことを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記第2の空気流チャネルには、前記第1の空気流チャネルとの交差部などのその上端部に又はこれに隣接して、或いは前記出口オリフィスに又はこれに隣接して、フィルター膜が設けられ、前記フィルター膜は、そこを通るガス拡散を可能にしながら、前記空中物質検出器手段の粒子汚染を防止する又は実質的に防止するように構成されることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記装置には、1つより多い空中物質検出器手段が設けられ、前記複数の検出器手段は、前記ハウジング内で互いから離間配置され、それぞれの空気チャネルが、前記検出器手段の各々に対して設けられることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記ハウジングの前記出口オリフィスは、前記煙突手段の前記上部オリフィスであることを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記加熱手段は、前記煙突手段に隣接して配置され、前記煙突手段には、使用中、前記手段からの熱が前記チャネルに入り、そこを通る空気流を増大させるのを可能にする、前記加熱手段と位置合わせされた切り欠き部分が設けられることを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記第2の空気流チャネルには、使用中、前記加熱手段からの熱が前記チャネルに入り、そこを通る空気流を増大させるのを可能にする、前記加熱手段に隣接した切り欠き部分が設けられることを特徴とする、請求項1〜請求項12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記装置には、前記煙突手段と直接的又は間接的に係合又は連通してその回転を可能にし、前記装置のユーザが前記煙突手段を回転できるようにして、使用中、加熱手段から前記リフィルの前記芯に加えられる温度を変える、変動手段が設けられることを特徴とする、請求項1〜請求項13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記装置には、その熱出力を増大させるために前記加熱手段に加えられる電力を増大させることができる電気制御手段が設けられることを特徴とする、請求項1〜請求項14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記空中物質検出器手段は、前記ハウジングの内部に存在するいずれの流体からも実質的に完全に隔離され、前記ハウジングの内部に存在するいずれの流体も、前記1つ又はそれ以上のハウジング壁を通過し、前記空中物質検出器手段により検出可能となることが実質的に完全に防止されることを特徴とする、請求項1〜請求項15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記ハウジング壁には、前記空中物質検出器手段と連通する前記アパーチャに隣接した外向きに延びる突起部が設けられることを特徴とする、請求項1〜請求項16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記空中物質検出器手段は、少なくとも1つの匂いセンサ手段を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記匂いセンサは、1つ又はそれ以上の金属酸化膜半導体センサ及び/又は1つ又はそれ以上の金属酸化物センサを含むことを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
使用中、前記金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサに加えられるエネルギーはパルス状であることを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
使用中、電力を前記センサに実質的に連続的に加えて前記センサを動作温度にし、その後、電力を前記センサに断続的に加えて前記センサを動作温度に保持することを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
使用中、電力を前記センサに実質的に連続的に加えて前記センサを動作温度にし、その後、前記電力を前記センサに断続的に加えて前記センサを動作温度付近に保持することを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
使用中、電力を前記センサに実質的に連続的に加えて前記センサを動作温度にし、その後、電力非印加期間が続き、前記電力非印加期間の後、電力を実質的に連続的に加えて前記センサを動作温度にし、結果として生じるサイクルが、その後、前記装置の前記動作全体を通して継続することを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
使用中、ひとたび前記金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサが動作温度まで加熱されると、電力パルスは、0.5秒から10秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから1000msまでの間続くことができることを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項25】
使用中、ひとたび前記金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサが加熱されて動作温度になると、電力パルスは、0.5秒から7.5秒まで間続くオフ期間を有した状態で5msからから250msまでの間続くことができることを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項26】
使用中、ひとたび前記金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサが加熱されて動作温度になると、電力パルスは、0.5秒から5.5秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから100msまでの間続くことができることを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項27】
使用中、ひとたび前記金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサが加熱されて動作温度になると、電力パルスは、実質的に2.2秒間続くオフ期間を有した状態で実質的に35msの間続くことができることを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項28】
使用中、ひとたび一定量の空気処理剤が発散されると、及び/又は、前記発散速度が増大すると、前記制御手段は、前記空中物質検出器手段を一定時間動作させないようにすることを特徴とする、請求項1〜請求項27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
使用中、前記制御手段は、発散後1秒から30分までの間、前記空中物質検出器手段が動作するのをディスエーブルにするように動作可能であることを特徴とする、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
使用中、前記制御手段は、発散後、実質的に100秒間、前記空中物質検出器手段が動作するのをディスエーブルにするように動作可能であることを特徴とする、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
使用中、前記少なくとも1つの前記空中物質検出器は、前記現在の空中物質レベルが、所定量より多く、検出されたバックグラウンドの空中物質レベルから逸脱しているかどうかを検出するように動作可能であり、前記バックグラウンドの空中物質レベル及び前記現在の空中物質レベルは、前記装置によって計算されることを特徴とする、請求項1〜請求項30のいずれかに記載の装置。
【請求項32】
使用中、前記制御手段は、前記空中物質検出器手段の所定数の最新測定値の平均を計算することにより、前記現在の空中物質レベルを計算するように動作可能であることを特徴とする、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
揮発性空気処理剤を蒸発させるための装置であって、
蒸発した空気処理剤が前記装置から出ていくための少なくとも1つの出口オリフィスを有するハウジングと、
リフィルを取り外し可能に受け入れ、前記装置に固定するための、前記ハウジング内の受け入れ手段と、
前記ハウジング内の電気加熱手段と、
制御手段と、
下部オリフィス及び上部オリフィスを有し、それらの間に第1の空気流チャネルを定める、前記ハウジング内の煙突手段と、
空気中の空中物質を検出するように動作可能な空中物質検出器手段と、
を含み、前記空中物質検出器手段には、使用中、前記装置の外部から空気が前記空中物質検出器手段の内部に入るのを可能にするように、前記装置の外部に通じる少なくとも1つのアパーチャが設けられ、
前記装置は、前記受け入れ手段と係合する交換可能なリフィルをさらに含み、
前記リフィルは、
一定量の揮発性空気処理剤を保持するためのリザーバ部分と、
前記リザーバ部分の基部に実質的に隣接した、前記リザーバ部分内の近位端と、前記リザーバ部分の上方に延びる遠位端とを有する芯と、
を含み、
前記装置は、第2の空気チャネルが、前記空中物質検出器手段の前記少なくとも1つのアパーチャと前記出口オリフィスとの間に設けられることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−507998(P2013−507998A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533698(P2012−533698)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【国際出願番号】PCT/GB2010/051747
【国際公開番号】WO2011/045615
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(509134020)レキット アンド コールマン (オーヴァーシーズ) リミテッド (14)
【Fターム(参考)】