改良された電流拡散構造を有するスケーラブルLED
【課題】LEDの活性層(14)への電流注入を改善し、そのパワーおよび光束を向上させる改良された電流拡散構造を有するLEDを提供する。
【解決手段】電流拡散構造は、従来のLEDよりも大きなLEDで使用でき、改良された電流注入が維持される。本発明は、特に、絶縁基板(12)を有するLEDに適用可能であるが、導電性基板を有するLEDの直列抵抗を小さくすることもできる。改良された構造は、協働する導電性の経路を形成する導電性フィンガ(20a、20b、22)を含み、この経路は、電流がコンタクト(19、21)からフィンガ(20a、20b、22)に拡散し、反対のドープされた層(15、16)を通って均一に拡散することを保証する。電流は、活性層(14)に拡散し、活性層(14)全体に電子および正孔を均一に注入し、電子と正孔は再結合して光を放射する。
【解決手段】電流拡散構造は、従来のLEDよりも大きなLEDで使用でき、改良された電流注入が維持される。本発明は、特に、絶縁基板(12)を有するLEDに適用可能であるが、導電性基板を有するLEDの直列抵抗を小さくすることもできる。改良された構造は、協働する導電性の経路を形成する導電性フィンガ(20a、20b、22)を含み、この経路は、電流がコンタクト(19、21)からフィンガ(20a、20b、22)に拡散し、反対のドープされた層(15、16)を通って均一に拡散することを保証する。電流は、活性層(14)に拡散し、活性層(14)全体に電子および正孔を均一に注入し、電子と正孔は再結合して光を放射する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の詳細な説明]
本出願は、1999年12月1日に出願したTarsa他の仮出願第60/168,338号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、発光ダイオード(LED)に関し、より詳細には、改良された電流拡散構造(current spreading structure)を有するLEDに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
LEDは、電流を光に変換する重要な固体デバイスである。LEDは一般に、一方はp型、他方はn型の2つの向かい合ったドープされた層に挟まれた活性半導体材料層を含む。ドープされた層の電気コンタクトを横切って駆動電流を印加すると、ドープされた層から活性層に電子および正孔が注入される。次いで、電子と正孔が再結合して光が発生し、光は、活性層から全方向に放射されて、LEDの全ての表面から出ていく。
【0004】
従来のLEDの欠点の1つは、電流を光に変換する効率がフィラメント光に比べて低いことである。そのために、LEDの使用はたいていの場合、電子装置の表示ランプなどの応用に限られ、このときのLEDのダイサイズは0.25mm2未満、光パワーは10ミリワット(mW)未満である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5959316号
【特許文献2】米国特許第5652434号
【0006】
しかし、窒化物ベースの半導体材料における最近の進歩によって、青−緑スペクトル領域で発光し、それを使用して、白色光を含むさまざまな色の光を生み出すことができる明るくて高効率のLEDが開発された(日亜社の白色LED、部品番号NSPW300BS、NSPW312BS他、およびHaydenの米国特許第5959316号「Multiple Encapsulation of Phosphor-LED Devices」を参照されたい)。これらの進歩が、高出力パワーおよび高光束を必要とする照明および信号への応用として使用する固体発光体に結びついた。このような応用の1つが交通信号機である。現行のLED信号機は、高い出力パワーが得られるように組み合わされた単一LEDデバイスのアレイからなる。しかし、LEDアレイの代わりに使用できる高出力の単一LEDデバイスがあれば、複雑さおよびコストが低減し、信頼性も高くなろう。
【0007】
LEDのパワーおよび光束を増大させる1つの方法は、LEDのサイズおよび発光面積を大きくすることである。しかし、窒化物ベースの従来のLEDのサイズは、電気コンタクトから活性層へ電流を効果的に拡散(spread)することができないことにより制限されている。窒化物ベースのp型半導体材料の導電率は比較的低く、p型コンタクトに印加された電流は、p型層内の限られた領域にしか拡散されない。電流は、活性層全体に移動せず、LEDは、コンタクト周囲の局部の加熱と早期の劣化を生じることになる。
【0008】
窒化物ベースのn型半導体材料は、良好な導体だが、電流の拡散に対してある抵抗を示す。デバイスのサイズが増大するにつれ、n型コンタクトからの電流を均一に拡散するn型材料の能力は低下する。その結果、窒化物ベースのLEDのサイズは、p型層とn型層両方の電流拡散特性によって制限される。
【0009】
電流拡散を向上させる構造を有するさまざまなLEDが開発された(G.B.Stringfellow and M.G.Crawford (1997), High Brightness Light Emitting Diodes, Semiconductors and Semimetals, Vol.48, pp.170-178を参照されたい)。このデバイスは一般に、導電性基板上に成長させたn型エピタキシャル層と、n型層上に成長させたLED活性領域およびp型層とを含む。p型層の表面の中央に導電性コンタクトが堆積され、エピタキシャル層とは反対側の導電性基板上に導電性コンタクトパッドが堆積されている。p型コンタクトからの電流は、p型層の中央から縁に向かって拡散し、活性層に達する。基板は、エピタキシャル層に比べて非常に厚く、その結果、活性領域に拡散する全電流は、p型コンタクトによって与えられる拡散によって制限される。この基本構造は、小さなLED(約0.25mm2)には有効だが、より大きなLEDにスケーリングすることはできない。LEDサイズのスケーリングを容易にするためには、LEDに変更を加えなければならない。
【0010】
このような変更の1つは、p型層の厚さを厚くして拡散抵抗(spreading resistance)を小さくし、電流がLEDの縁まで拡散するようにする。この方法は、LEDの面積を増大させるのには有効だが、p型層の厚さを際限なく増大させることはできないので、LEDのスケーリングは事実上制限される。さらに、GaNベースのLEDシステムでは、p型材料の導電率が非常に低く、この方法は実用的ではない。
【0011】
他の方法では、p型層の表面の中央にコンタクトを堆積させ、コンタクトから表面の縁に向かって薄い放射状の導電性フィンガを走らせる。コンタクトに印加された電流は、導電性フィンガおよびその下のp型面に広がる。この方法は1つの改良ではあるものの、LEDを大きなサイズに自由にスケーリングできるわけではない。サイズが増大するにつれて、放射状フィンガの端部の距離が増大し、ついにはこの距離が、p型層全体に電流が拡散するのを妨げるようになる。この構造は、絶縁基板上に製作されたLEDでは使用することができない。
【0012】
Nakamura他の米国特許第5652434号には、絶縁基板上に成長させた窒化物ベースのLEDにおける電流拡散を改善する構造が開示されている。この構造は、絶縁基板上のLED構造を含み、基板に隣接するn型層と、エピタキシャル層表面のp型層とがある。基板が絶縁基板であるので、コンタクトパッドを使用して、基板を介してn型層まで電流を拡散することはできない。その代わりに、LED構造の角を、p型層、活性層およびn型層の途中までエッチングする。エッチングした領域にコンタクトを堆積し、コンタクトに印加された電流が、相対的に導電性のn型材料を通って拡散する。p型層全体に電流を拡散するため、半透過(semi-transparent)な電流拡散層をp型層上に堆積させる。p型コンタクトは、拡散層上のn型コンタクトとは反対側の角に堆積される。p型コンタクトに印加された電流は、拡散層を通ってその下のp型層に広がる。
【0013】
この構造は、標準サイズのデバイスにおける電流拡散の改善にはなるが、標準サイズよりも大きなLEDで電流を効率的に拡散することはできない。p型層はLEDの表面であるので、拡散層は、放射された光を吸収しないようにできるだけ薄くしなければならない。しかし、拡散層を薄くすればするほど、そのシート抵抗(sheet resistance)は大きくなる。LEDのサイズが増大するにつれ、増大したシート抵抗が、p型層全体にわたって電流が十分に拡散するのを妨げる。半透過の金属材料を使用し、および/またはその厚さを厚くすることによって、拡散層のシート抵抗を小さくすることができる。しかしこのような変更は、透過度を下げ、光吸収を増大させ、LEDの光出力を減らすことになろう。
【0014】
また、n型層の増大した拡散抵抗は、過大な加熱を引き起こし、十分な電流拡散および均一な光出力を妨げる。拡散抵抗を小さくするためには、デバイスサイズの増大につれてn型層の厚さを厚くすればよい。しかし、これによって必要な材料およびプロセス時間が大幅に増大する。これらの増大はともに、とてつもなく大きなコスト増をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、新しい電流拡散構造を有する改良されたLEDを提供する。この改良されたLEDは、標準サイズとすることができ、またはより大きなサイズにスケーリングして、パワー出力および光束を増大させることができる。新しい電流拡散構造は、小型LEDと大型LEDの両方でp型およびn型層内における電流拡散を改善する。その結果、LEDの活性層への正孔および電子の注入が向上し、これにより発光効率が高まり、直列抵抗および加熱が低減する。
【0016】
新しいLEDは一般に、エピタキシャル成長させたp型およびn型層、ならびにp型層とn型層の間にエピタキシャル成長させた活性層を有するLEDコアを含む。LEDコアに隣接して第1の電流スプレッダ(spreader)層が含まれる。LEDコアを通してスプレッダ層に達する少なくとも1つの溝が形成され、この溝の中の前記第1のスプレッダ層上に、少なくとも1つの第1の導電性フィンガを有する第1のコンタクトがある。電流は、第1のコンタクトから、導電性フィンガ、第1のスプレッダ層およびLEDコアに流れる。第1の導電性層とは反対側のLEDコア上に、少なくとも1つの第2の導電性フィンガを有する第2のコンタクトが含まれ、電流は、第2のコンタクトから、第2のフィンガおよびLEDコアに流れる。
【0017】
新しいLEDはさらに、第1のスプレッダ層とは反対側のLEDコア上に第2のスプレッダ層を含むことができる。第2のスプレッダ層は、第2のコンタクト/フィンガとLEDコアの間に配置される。スプレッダ層は、隣接するLEDコア層よりも導電性が高く、これによって電流は、第2のコンタクト/フィンガから第2のスプレッダ層およびLEDコア全体に、より自由に流れることができる。
【0018】
新しいLEDの一実施形態では、第1のスプレッダ層がn型エピタキシャル層であり、第1のスプレッダ層を基板上に成長させて、基板とLEDコアの間に挟まれるようにする。第1のスプレッダ層とは反対側のLEDコアの表面に透過または半透過の第2のスプレッダ層が堆積され、第2のスプレッダ層上に第2のコンタクトおよびそのフィンガが形成される。
【0019】
LEDのコンタクトおよび各々の導電性フィンガは、電流の拡散ならびにLEDの活性層中への正孔および電子の注入が向上するように配置される。コンタクトを横切ってバイアスを印加し、各コンタクトから各々の導電性フィンガを通って電流を拡散する。隣接する第1のフィンガと第2のフィンガの間の距離は、ほぼ均一に保たれ、電流がLEDコアを横切って効果的に拡散する程度に十分に小さい。これは、LEDコアの活性層への均一な電流注入を提供する。新しい電流拡散構造を使用して、新しいLEDを、隣接するフィンガ間の同じ電流拡散関係を維持しながら、従来のLEDよりもずっと大きいサイズにスケーリングすることができる。
【0020】
LEDコア上のコンタクトおよびフィンガは、コアの表面全体を覆わず、表面の大部分を光の放射のために残す。その結果、フィンガに厚い低抵抗の金属を使用して、効率的な電流拡散経路を提供することができる。これらのフィンガは、また、第2のスプレッダ層に電流が拡散しなければならない距離を短くする。そのため、電流拡散層の厚さを薄くすることができ、これによって放射された光の吸収が低減する。さらに、LEDコアへ電流を拡散するための第2のスプレッダ層上に1または複数のフィンガを提供することによって、LEDのサイズが増大しても、第2のスプレッダ層の厚さを厚くする必要がなくなる。これによって、厚いエピタキシャル層に関連した長いプロセス時間およびコストの増大が回避される。
【0021】
新しいLED構造の利点は、導電性および絶縁基板上のLEDに対して実現される。これは、新しい構造が、基板の種類とは無関係にほぼ均一な電流注入を提供するためである。この構造では、エピタキシャル層の構成を逆にすることもできる。すなわち、p型層を第1のスプレッダの次の層とし、n型層をエピタキシャル面に置くことができる。電流拡散構成は変更しなくてよい。本発明は、デバイスサイズの増大につれてフィンガの数を増やすことによって、十分にスケーラブルなデバイスを提供する。
【0022】
本発明のこれらの特徴および利点、ならびにその他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、当業者が以下の詳細な説明を読むことによって明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】新しい電流拡散構造を有する標準サイズの新しいLEDの透視図である。
【図2】図1のLEDの平面図である。
【図3】図2の切断線3−3に沿って切った断面図である。
【図4】第2の拡散層上に中央フィンガを、LEDの周縁の第1の拡散層上にフィンガを含む、新しい電流拡散構造を有する標準サイズの新しいLEDの透視図である。
【図5】図4に示したLEDの断面図である。
【図6】図1に示した新しい電流拡散構造を使用した、スケーリングされた新しい長方形LEDの平面図である。
【図7】複数のフィンガを組み合わせた新しいLED電流拡散構造を使用した新しいLEDの平面図である。
【図8】複数のジクザグ形のフィンガの電流拡散構造を有する新しいLEDの平面図である。
【図9】第2の拡散層上の中央コンタクトから延びる導電経路を形成し、第1の拡散層上のフィンガと協働する、枝路およびフィンガを有する新しいLEDの平面図である。
【図10】図9のLEDの断面図である。
【図11】第2の拡散上の中央コンタクトから放射状に延びるフィンガを有する新しいLEDの平面図である。
【図12】フリップチップ図形の新しい電流拡散構造を有する新しいLEDの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(発明の詳細な説明)
図1〜12に、改良された電流拡散構造をそれぞれ有する、本発明に基づいて構成された新しいLEDのさまざまな実施形態を示す。これらの新しい構造は、任意の半導体材料システムから形成されたLEDで使用することができるが、炭化ケイ素(SiC)、サファイアなどの基板上に製作されたIII族窒化物ベースのLEDに特に適用可能である。SiCは、GaNなどのIII族窒化物に非常に近い結晶格子の整合を有し、高品質のIII族窒化膜が得られる。炭化ケイ素は、さらに非常に高い熱伝導率を有し、そのため、炭化ケイ素上のIII族窒化物デバイスの総出力パワーが、基板の熱放射によって制限されない(サファイア上に形成したいくつかのデバイスについても同様である)。SiC基板は、Durham, North CarolinaのCree Research社から入手可能であり、SiC基板を生産する方法は、科学文献、ならびに米国特許第RE34861号、4946547号および5200022号に記載されている。
【0025】
図1、2および3に、基板12とLEDコア13の間に挟まれた、第1のスプレッダ層を表す導電層11を有する新しい正方形LED10を示す。コア13は、エピタキシャル成長させた導電層15と16の間に挟まれたエピタキシャル成長させた活性層14を含む。n型またはp型に関して、導電層15はスプレッダ11と同じ型であり、導電層16はスプレッダ11とは反対の型である。好ましい実施形態では、層15がn型、層16がp型、第1のスプレッダ層がn型である。
【0026】
第1のスプレッダ11は、活性層14への電流拡散を容易にする厚さおよびドーピング濃度を有する。好ましいドーピング濃度は、1×1021cm-3から1×1015cm-3であり、好ましい厚さは0.2μmから100μmである。層11、14、15、16は、MOCVDリアクタにおける成長など従来の方法によって、またはVPE、MOCVDなどの成長技法を組み合わせることによって基板12上に製造することができる。
【0027】
導電層16上には、第2のスプレッダ層を表す電流拡散層18が堆積され、導電層16全体および活性層14中への電流の拡散を容易にする。この層18は、導電層16と同じドーピング型で、第1のスプレッダ11と同様の厚さおよびドーピング濃度を有するMOCVD成長させた半導体とすることができる。第2のスプレッダ18は、透過または半透過の導電性材料から形成することもできる。好ましい材料は、総厚が1nmから50nmの薄い金属または薄い金属の組合せ、あるいはこれらよりも厚くできるITOなどの透過導体である。
【0028】
第2のスプレッダ18上には、2つの第2の導電性フィンガ20aおよび20bを有する第2のコンタクト19が堆積されている。第2のコンタクトおよびフィンガは、導電層の3つの縁に隣接して延び、コンタクト19とは反対側の縁の手前で止まるU字形の経路を形成している。フィンガ20aおよび20bの外側の境界は、導電層16の縁まで延ばすことができ、または導電層16の縁からいくぶん後退させて、フィンガ20aと20bの間に第2のスプレッダ18の小領域が見えるようにすることもできる。
【0029】
デバイス全体にわたって均一な電流拡散を強化するため、第1のスプレッダ11の表面に、第1のコンタクト21および第1の導電性フィンガ22が堆積されている。この表面にある領域を確保するため、LEDコアのセクションが第1のスプレッダ11までエッチングされ、LEDコアを貫通した溝/チャネル23が形成されている。溝の中の第1のスプレッダ上には、第1のコンタクト21およびフィンガ22が堆積されている。
【0030】
LEDコア13は、化学エッチング、イオンミルエッチングなどの従来の方法を使用してエッチングすることができる。導電層18、コンタクト19、21およびコンタクトのフィンガは、蒸着、スパッタリング、電気めっきなど、従来の多くの方法によって堆積させることができる。
【0031】
動作時には、コンタクト19および21にバイアスを印加する。コンタクト21からの電流は、そのフィンガ22に沿って第1の導電性スプレッダ11に拡散する。電流は、第1のスプレッダ11全体に拡散し、キャリアは、層15を通してLED活性領域14にほぼ均一に注入される。電流は、コンタクト19からフィンガ20aおよび20bに拡散し、次いで第2のスプレッダ層18全体に広がる。キャリアは、層16を通してLED活性領域14にほぼ均一に注入される。電子と正孔は、活性層14で再結合して、ほぼ均一で非常に効率的な発光を行う。
【0032】
新しいLED10およびその電流拡散構造は、多くの異なる形状およびサイズをとることができる。図1〜3は、標準サイズ(約0.25mm2)とすることができ、あるいは標準サイズよりも小さくまたは大きくすることもできる正方形LEDを示す。LED10のサイズが増大するにつれ、導電性フィンガ間の距離も増大する。LEDのサイズは、電流がフィンガから拡散し、活性層に均一な注入を提供することをできるかどうかによって制限される。
【0033】
好ましい電流拡散フィンガは、区分的に長方形の形状を有する。第2のフィンガの幅は0.1〜30ミクロン、好ましくは2〜10ミクロンである。フィンガの幅を広くしたほうが電流を効果的に拡散することができるが、p型層16から放射された光をより多くブロックし、または吸収してしまう。第1のフィンガの幅は、0.1〜30ミクロンとすることができる。フィンガの幅を広くすると、LED構造の多くは、エピタキシャル層までエッチングする必要が生じ、光を発することができる活性層の量が低減する。第1のフィンガと第2のフィンガの距離は、5〜500ミクロンとすることができる。距離が短いほど電流拡散層内の電流拡散は良好になるが、光を吸収するフィンガによってより大きな面積が覆われることになる。フィンガの厚さは0.05〜3ミクロンとすることができる。フィンガが厚いほど直列抵抗は小さくなるが、製造により多くの時間とコストがかかる。
【0034】
新しい構造は、従来技術に優る多くの利点を有する。コンタクト19、21およびそれらの導電性フィンガ20a、20b、22は、直列抵抗の小さい導電材料から作られる。コンタクトからフィンガに流れる電流は、小さな拡散抵抗を流れ、電流を分配する効率的な経路を提供する。さらに電流は、第2のスプレッダ層18に十分に拡散するのに、電流拡散コンタクト19およびそのフィンガ20a、20bからはるかに短い距離を広がればよい。その結果、電流拡散層の厚さを薄くすることができ、これによって光の吸収を低減させることができ、第2のスプレッダ18に半透過材料を使用した場合には光出力が増大する。p型層16への十分な電流拡散および活性層14への均一な注入が維持される。エピタキシャルと電流拡散フィンガとの距離は、ほぼ均一でなければならず、各々のドープされた層および活性層14への均一な電流拡散を保証する。
【0035】
先に述べたとおり、第2のフィンガ20aおよび20bは、LEDが放射した光の一部を吸収する。また、LEDコアをエッチングして溝23を作ることによって、発光に寄与することができるLEDコアのサイズが小さくなる。しかし、活性層14への均一な電流の注入は、これらの欠点を克服し、その結果、全体的な効率が向上したLEDが得られる。実際、溝23は、全体的な光出力を向上させる可能性がある。これは、光が、LEDの活性層15から全方向に放射されるためである。平坦な表面を有するLEDでは、ある割合の光がLEDの表面で反射され、完全な内部反射となる。最終的には光は吸収されるか、またはLEDの側面から外部に逃れ出る。LED構造をエッチングして1または複数の溝を提供することによって、LEDの内部で反射した光が溝に達し、逃れ出る機会が増大する。これによって、光が吸収されることなく外部に現れ、照明に寄与する確率が高まる。
【0036】
図4および5に、図1〜3のLEDと同様の新しいLED40の他の実施形態を示す。このLEDは、同じ基板12および第1のスプレッダ層11を有する。また、LEDは、同様のLEDコア41、およびLEDコアの導電層43上に堆積させた第2のスプレッダ層42を有する。
【0037】
しかしこの実施形態では、第1のコンタクトおよびフィンガが第1のスプレッダ層11の縁から電流を拡散し、第2のコンタクトおよびフィンガが第2のスプレッダ層42の中央から電流を拡散する。LEDコア41は、LEDの周囲のうち3辺が第1のスプレッダ層11までエッチングされている。第1のスプレッダ層11において中間の辺の中点のところに第1のコンタクト44が堆積されている。第1のスプレッダ層11には第1のフィンガ45aおよび45bが堆積されており、エッチングされた縁に沿って第1のコンタクト44から反対方向に走っている。電流は、第1のコンタクト44からそのフィンガ45aおよび45bを通って、第1のスプレッダ層の周辺部に拡散する。第2のスプレッダ層42において第1のコンタクト44とは反対側の縁には、第2のコンタクト46が堆積されている。第2のコンタクト46は、第2のスプレッダ層に堆積された1つの導電性フィンガ47を有し、コンタクト46からエピタキシャル層コンタクト44の方向にLEDの中心線の大部分に沿って走る。
【0038】
LED40は、LED10と同じ電流拡散の利点を有する。電流は、コンタクト44および46から、直列抵抗の小さいそれぞれの導電性フィンガを通して拡散する。第1のコンタクト44およびそのフィンガ45aおよび45bからの電流は、第1のスプレッダ層11を通ってLEDコア41まで拡散する。第2のコンタクト46およびそのフィンガ47からの電流は、第2のスプレッダ層42およびLEDコア41に拡散する。LED10と全く同様に、LEDコア41全体をカバーするために、フィンガ47から第2のスプレッダ層42を通って電流が拡散すべき距離は、短縮される。その結果、第2のスプレッダ層42の厚さを薄くすることができ、これによって光の吸収が低減する。第2のフィンガ47と第1のフィンガ45aおよび45bとの距離は、両者がオーバーラップした区間でほぼ均一であり、その結果、LEDコアの活性層50への電流注入がより均一になる。
【0039】
新しい電流拡散構造の重要な利点は、より大きなLED上で使用しても、改良された電流の拡散が維持されることである。図6に、図1、2および3のLED10と同様の電流拡散構造を有する新しいLED60を示す。LED60は、基板、第1のスプレッダ層、LEDコア(以上は図6では見ることができない)、および第2のスプレッダ層61を有する。これらは全てLED10のものと同様である。LEDコアの一部は、第1のスプレッダ層までエッチングされ、そこにnコンタクト62およびフィンガ63が堆積されている。第2のスプレッダ層61には、第2のコンタクト64およびその導電性フィンガ65a、65bも堆積されており、フィンガはLEDの周辺に沿って走っている。
【0040】
LED60は、LED10よりも大きく、その2辺66および67の長さが延長された長方形の形状を有する。第1のフィンガ63および第2のフィンガ65a、65bの長さを、辺66および67の長さの延長分と同じだけ延長することによって、改良された電流拡散は、維持される。第1のフィンガ63と第2のフィンガ65a、65bとの距離は、両者がオーバーラップした区間で均一に維持する。LEDコア全体をカバーするために第2のフィンガ65aおよび65bから電流拡散層61を通って電流が拡散すべき距離も依然として一定である。同様に、第1のフィンガ63から第1のスプレッダ層を通って電流が拡散すべき距離も依然として一定である。辺66および67の長さをさらに長くする場合には、フィンガ間の電流関係を維持するためにフィンガの長さも長くしなければならない。
【0041】
図4および5に示した設計に基づいて、同様の長方形LEDを製作することができる。これらのデバイスでも同様に、長方形LED内の電流の拡散を均一にするために、電流拡散構造中のフィンガの長さを長くしなければならない。
【0042】
LED60の追加の利点は、同じ表面積の正方形LEDよりも効率的に熱を散逸させることである。LED60の内部で発生した熱は、より短い距離を伝わってその辺の1つに到達し散逸することができる。
【0043】
従来技術に優る本発明の他の重要な利点は、第1のスプレッダ層の厚さに関係する。この層は、普通n型エピタキシャル層であり、電流がコンタクトから第1のスプレッダ層を通って拡散する従来のLEDでは、LEDサイズの増大は、第1のスプレッダ層の厚さを厚くして、その直列抵抗を小さくすることを要求する。第1のコンタクトから1または複数の第1の導電性フィンガを通って電流を拡散することによって、直列抵抗の増大が回避される。第1のスプレッダ層の厚さを同じにすることができ、潜在的なプロセス時間およびコストの増大が回避される。
【0044】
導電性フィンガ間の電流拡散関係を維持しながらLEDをスケーリングする他の方法は、LEDの面積を大きくするごとにフィンガの数を増やす方法である。図7に、図1〜5に示したLED10および40よりも大きな表面積を有するLED70を示す。LED70は、同様の基板、第1のスプレッダ層、LEDコア(以上は図7では見ることができない)、および第2のスプレッダ層71を有する。表面積を大きくするにつれて第1および第2のフィンガの数を増やし、一方で、隣接するフィンガ間の均一な距離を維持する。
【0045】
第1および第2のコンタクト72および73は、多くの異なる形状およびサイズを有することができる。好ましい第2のコンタクト73は円形であり、LEDの縁の1つに近く、第2のスプレッダ層71に堆積される。導電性枝路74の2つの部分は、第2のスプレッダ層71の上を、隣接するLEDの縁に平行にコンタクト73から互いに反対方向に走っている。多数の導電性フィンガ75は、第2のスプレッダ層71の上を枝路74から直角に延びている。LEDコアをエッチングして、第1のコンタクト72に対して第1のスプレッダ層に領域を提供し、第1のフィンガ76に対して溝を提供する。好ましい第1のコンタクト72は正方形であり、第1のスプレッダ上の、pコンタクト73とは反対側の縁の中央に堆積される。LEDの縁に沿って第1のコンタクト72から枝路72bが延びている。枝路72bから枝路74に向かって直角にフィンガ76が延びている。第2のフィンガと第1のフィンガ75、76の距離はほぼ均一に維持され、LEDの活性層へのほぼ均一な注入を提供できる程度に十分に小さい。したがって、たとえ標準サイズのLEDより大きくても、LED70は、上記の実施形態と同じ電流拡散の利点を享受する。
【0046】
図8に、第1および第2のフィンガがジクザグ形の導電性経路を形成する新しいLED80の他の実施形態を示す。LED80は、基板から第2のスプレッダ層まで上記の実施形態と同じ層構造を有する。第2のスプレッダ層82においてLEDの角に、円形の第2のコンタクト81が堆積されている。第2のスプレッダ層には導電性枝路83も堆積されており、コンタクト81からLED表面の2辺に沿って走っている。第2のスプレッダ層82において、枝路83からLED80を斜めに横切って、ジクザグ形の第2の導電性フィンガ84が走っている。フィンガ84は、枝路83から直角に突き出し、次いで、LED80を横切るにしたがい交互に直角に曲がっている。フィンガが短いほど直角に曲がる回数は少ない。
【0047】
LED80を第1のスプレッダ層までエッチングして、第1のコンタクト85、その枝路86およびそのジグザグ形のフィンガ87に対する溝を提供する。第1のコンタクト85は、第1のスプレッダ層上の、第2のコンタクト81とは反対側のLEDの角に堆積される。導電性枝路86が第1のスプレッダ層に堆積され、電流拡散層枝路83がカバーしていない残りの2辺に沿って第1のコンタクト85からLED80の周辺に沿って走る。電流拡散層フィンガ84と同じ形状を有する第1のジクザグ形フィンガ87が、第1のスプレッダ層のフィンガ84に堆積され、第1のフィンガと第2のフィンガとの距離は、両者がオーバーラップする区間でほぼ均一である。この概念に対する代替実施形態では、曲線状のフィンガを使用して、直角ではなく丸みを帯びたコーナを有するジクザグ形のパターンを生成することもできる。
【0048】
この構造は、直列抵抗が低いこと、スケーリングが可能であること、およびより薄い電流拡散層を使用できることを含む、上記の実施形態の電流拡散に関する利点を全て有する。LED構造にエッチングされた第1のフィンガ87に対するジクザグ形の溝は、LED80から放射される光の割合を高める働きもする。溝の縁は、上記の実施形態よりも変化に富み、これによって内面反射光が外部に漏れ、LEDの発光に寄与する可能性が増大する。
【0049】
図9および10に、上記実施形態と同じ層構造を有する新しいLED90の他の長方形実施形態を示す。第2のスプレッダ層92の中央に第2のコンタクト91が堆積されており、導電性枝路93の2つの部分が、コンタクト91からLEDの縦の中心線に沿って第2のスプレッダ層を反対方向に走っている。多数の導電性フィンガ94は、枝路93の両側からLEDの縁に向かって直角に突き出している。LEDの第1のスプレッダ層に電流を拡散するため、LED構造は、周辺が第1のスプレッダ層までエッチングされている。第1のスプレッダ層のLEDの縁には、第1のコンタクト95が堆積されている。第1のスプレッダ層のLEDの周辺全体に、第1の枝路96が堆積され、コンタクト95から続く連続した導電性ループを提供する。LED構造の第2のフィンガ94の間に溝がエッチングされ、周辺から枝路93に向かって直角にエッチングされている。溝の中の第1のスプレッダ層には、第1のフィンガ97が堆積されており、第1の枝路96から延びる導電性経路を提供する。隣接する第1のフィンガと第2のフィンガとの距離は、両者がオーバーラップする区間でほぼ均一であり、この実施形態は、上記の実施形態と同じ電流拡散に関する利点を有する。
【0050】
図11に、上記の実施形態と同じ層構造を有する新しいLED110の他の実施形態を示す。LEDの第2のスプレッダ層112の中央に、第2のコンタクト111が堆積されている。導電性フィンガ113は、第2のスプレッダ層112上をコンタクト111からLEDの縁に向かって放射状に延びている。フィンガ113の起点間の距離は均一である。コンタクト111から放射状に外側へ延びるにつれて、隣接するフィンガ間の距離は広がる。この距離が大きくなりすぎて、第2のスプレッダ層112に効果的に電流を拡散することができなくなると、フィンガ113は、2本のフィンガ114に分かれる。
【0051】
LEDは、その周辺を第1のスプレッダ層までエッチングされ、第1のコンタクト115およびその周辺枝路116を提供する。LEDは、さらにエッチングされて、第2のフィンガ113の間を、第2のコンタクト111の方向へ延びる導電性経路を形成する第1のフィンガ117を提供する。フィンガ114の分割セクションが十分に長い場合には、第1のフィンガは、セクションとセクションの間に含まれる。
【0052】
隣接する第1のフィンガと第2のフィンガとの距離は、以前の実施形態よりも変化する。しかしこの距離は依然として、LED110が以前の実施形態と同じ電流拡散の利点を有することができる程度には十分に均一である。この実施形態は、より大きなサイズにスケーリングすることができる。表面積を大きくするにつれ、第2のフィンガをさらに分割することができ、これらの分割セクションの間には別の第1のフィンガが含まれる。
【0053】
上記の実施形態を透過基板上に成長させ、フリップチップ(flip-chip)装着することもできる。図12に、透過基板123に成長させたLED120を示す。LED120は、図4のLED40と同様の構造を有する。LED120は、第1のスプレッダ層126上のLEDコア130、および第1のスプレッダ層とは反対側のLEDコアにおける第2のスプレッダ層124を含む。LEDは、結合媒体121の使用によってサブマウント122に装着されている。結合媒体121は、第2のスプレッダ124(図12に示す)または第2のスプレッダ上のコンタクトパッドを、サブマウントと結合媒体121との間にある導電層の第1のセクション127に接続する。導電層127に印加されたバイアスによって、電流は、第2のスプレッダ124およびLEDの活性領域に送られる。さらに、導電層の第2のセクション128(またはコンタクト)が、サブマウント上にあり、第2の結合媒体125が、第1のスプレッダ126上の第1のコンタクト129を導電層128に接続する。導電層128に印加されたバイアスによって、電流を第1のコンタクト129に送り、第1のコンタクト129は、この電流を、第1のフィンガ131を通って第1のスプレッダ126に送る。第1のフィンガは、第1のスプレッダ層の周辺に配置されている。導電層127と128は、サブマウント122によって電気的に分離されており、LEDパッケージの接続ポイントの働きをする。
【0054】
この構造の利点の1つは、LEDの発熱位置が結合界面121に近く、熱がサブマウント122に効果的に伝達されるため、LEDが、より良好な放熱性(heat sinking)を有することである。サブマウントは高い熱伝導率を有することができ、LEDチップ基板123よりも表面積が大きい。さらに、第2のスプレッダ層124に対して半透過層を使用する場合には、フリップチップ図形によって、反射器を半透過層と一体化して、第2のスプレッダ124の全体的な光損失を低減し、基板123に向かって光を反射させることができる。
【0055】
反射器は、第2のスプレッダを覆って配置されるので、第2のコンタクトおよびフィンガは放射された光を一切吸収しない。第2のコンタクトおよびフィンガの厚さを厚くして、放射された光を吸収する恐れなしに直列抵抗を小さくすることができる。また、反射面が導電性である場合には、結合媒体121を反射器の表面全体に取り付けることができ、構造全体の熱伝導度を増大させることができる。
【0056】
上記の実施形態は、使用する材料システムに応じて、導電性基板ならびに絶縁基板上に成長させることができる。炭化ケイ素などの導電性基板上に形成されたLEDでは、通常コンタクトは、エピタキシャル層とは反対側の導電性基板の表面に直接に堆積される。コンタクトパッドに印加された電流は、基板を通してn型層に拡散し、n型層は、活性層へのほぼ均一な電子の注入を提供する。あるいは、先に記載したのと同様のやり方で、LEDコアをエッチングし、必要ならばエッチングを導電性基板まで進めることもできる。基板が導電性基板である場合には、基板を第1のスプレッダの一部と考えることができる。
【0057】
伝統的な基板コンタクトパッドの代わりに、コンタクトフィンガのアレイを使用することによって、ダイオードの直列抵抗を小さくすることができる。第1に、基板とは反対側の第2のスプレッダに対して最適な材料を使用することができるので、接触抵抗を小さくすることができる。第2に、基板に接触するのに比べて、活性領域に到達するまでに電流が移動しなければならない距離は、はるかに短く、多くの並行経路を有し、直列抵抗はさらに小さくなる。材料およびコンタクトの詳細は、どの方法が抵抗を最も低くするかを決定する。
【0058】
本発明を、いくつかの好ましい構成を参照して詳細に説明してきたが、他の構成も可能である。導電性フィンガは、多くの異なる形状およびパターンを有することができ、LED層にさまざまな方法で堆積させることができる。したがって、上記の請求項の趣旨および範囲は、それに含まれる好ましいバージョンに限定されるものではない。
【技術分野】
【0001】
[発明の詳細な説明]
本出願は、1999年12月1日に出願したTarsa他の仮出願第60/168,338号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、発光ダイオード(LED)に関し、より詳細には、改良された電流拡散構造(current spreading structure)を有するLEDに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
LEDは、電流を光に変換する重要な固体デバイスである。LEDは一般に、一方はp型、他方はn型の2つの向かい合ったドープされた層に挟まれた活性半導体材料層を含む。ドープされた層の電気コンタクトを横切って駆動電流を印加すると、ドープされた層から活性層に電子および正孔が注入される。次いで、電子と正孔が再結合して光が発生し、光は、活性層から全方向に放射されて、LEDの全ての表面から出ていく。
【0004】
従来のLEDの欠点の1つは、電流を光に変換する効率がフィラメント光に比べて低いことである。そのために、LEDの使用はたいていの場合、電子装置の表示ランプなどの応用に限られ、このときのLEDのダイサイズは0.25mm2未満、光パワーは10ミリワット(mW)未満である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5959316号
【特許文献2】米国特許第5652434号
【0006】
しかし、窒化物ベースの半導体材料における最近の進歩によって、青−緑スペクトル領域で発光し、それを使用して、白色光を含むさまざまな色の光を生み出すことができる明るくて高効率のLEDが開発された(日亜社の白色LED、部品番号NSPW300BS、NSPW312BS他、およびHaydenの米国特許第5959316号「Multiple Encapsulation of Phosphor-LED Devices」を参照されたい)。これらの進歩が、高出力パワーおよび高光束を必要とする照明および信号への応用として使用する固体発光体に結びついた。このような応用の1つが交通信号機である。現行のLED信号機は、高い出力パワーが得られるように組み合わされた単一LEDデバイスのアレイからなる。しかし、LEDアレイの代わりに使用できる高出力の単一LEDデバイスがあれば、複雑さおよびコストが低減し、信頼性も高くなろう。
【0007】
LEDのパワーおよび光束を増大させる1つの方法は、LEDのサイズおよび発光面積を大きくすることである。しかし、窒化物ベースの従来のLEDのサイズは、電気コンタクトから活性層へ電流を効果的に拡散(spread)することができないことにより制限されている。窒化物ベースのp型半導体材料の導電率は比較的低く、p型コンタクトに印加された電流は、p型層内の限られた領域にしか拡散されない。電流は、活性層全体に移動せず、LEDは、コンタクト周囲の局部の加熱と早期の劣化を生じることになる。
【0008】
窒化物ベースのn型半導体材料は、良好な導体だが、電流の拡散に対してある抵抗を示す。デバイスのサイズが増大するにつれ、n型コンタクトからの電流を均一に拡散するn型材料の能力は低下する。その結果、窒化物ベースのLEDのサイズは、p型層とn型層両方の電流拡散特性によって制限される。
【0009】
電流拡散を向上させる構造を有するさまざまなLEDが開発された(G.B.Stringfellow and M.G.Crawford (1997), High Brightness Light Emitting Diodes, Semiconductors and Semimetals, Vol.48, pp.170-178を参照されたい)。このデバイスは一般に、導電性基板上に成長させたn型エピタキシャル層と、n型層上に成長させたLED活性領域およびp型層とを含む。p型層の表面の中央に導電性コンタクトが堆積され、エピタキシャル層とは反対側の導電性基板上に導電性コンタクトパッドが堆積されている。p型コンタクトからの電流は、p型層の中央から縁に向かって拡散し、活性層に達する。基板は、エピタキシャル層に比べて非常に厚く、その結果、活性領域に拡散する全電流は、p型コンタクトによって与えられる拡散によって制限される。この基本構造は、小さなLED(約0.25mm2)には有効だが、より大きなLEDにスケーリングすることはできない。LEDサイズのスケーリングを容易にするためには、LEDに変更を加えなければならない。
【0010】
このような変更の1つは、p型層の厚さを厚くして拡散抵抗(spreading resistance)を小さくし、電流がLEDの縁まで拡散するようにする。この方法は、LEDの面積を増大させるのには有効だが、p型層の厚さを際限なく増大させることはできないので、LEDのスケーリングは事実上制限される。さらに、GaNベースのLEDシステムでは、p型材料の導電率が非常に低く、この方法は実用的ではない。
【0011】
他の方法では、p型層の表面の中央にコンタクトを堆積させ、コンタクトから表面の縁に向かって薄い放射状の導電性フィンガを走らせる。コンタクトに印加された電流は、導電性フィンガおよびその下のp型面に広がる。この方法は1つの改良ではあるものの、LEDを大きなサイズに自由にスケーリングできるわけではない。サイズが増大するにつれて、放射状フィンガの端部の距離が増大し、ついにはこの距離が、p型層全体に電流が拡散するのを妨げるようになる。この構造は、絶縁基板上に製作されたLEDでは使用することができない。
【0012】
Nakamura他の米国特許第5652434号には、絶縁基板上に成長させた窒化物ベースのLEDにおける電流拡散を改善する構造が開示されている。この構造は、絶縁基板上のLED構造を含み、基板に隣接するn型層と、エピタキシャル層表面のp型層とがある。基板が絶縁基板であるので、コンタクトパッドを使用して、基板を介してn型層まで電流を拡散することはできない。その代わりに、LED構造の角を、p型層、活性層およびn型層の途中までエッチングする。エッチングした領域にコンタクトを堆積し、コンタクトに印加された電流が、相対的に導電性のn型材料を通って拡散する。p型層全体に電流を拡散するため、半透過(semi-transparent)な電流拡散層をp型層上に堆積させる。p型コンタクトは、拡散層上のn型コンタクトとは反対側の角に堆積される。p型コンタクトに印加された電流は、拡散層を通ってその下のp型層に広がる。
【0013】
この構造は、標準サイズのデバイスにおける電流拡散の改善にはなるが、標準サイズよりも大きなLEDで電流を効率的に拡散することはできない。p型層はLEDの表面であるので、拡散層は、放射された光を吸収しないようにできるだけ薄くしなければならない。しかし、拡散層を薄くすればするほど、そのシート抵抗(sheet resistance)は大きくなる。LEDのサイズが増大するにつれ、増大したシート抵抗が、p型層全体にわたって電流が十分に拡散するのを妨げる。半透過の金属材料を使用し、および/またはその厚さを厚くすることによって、拡散層のシート抵抗を小さくすることができる。しかしこのような変更は、透過度を下げ、光吸収を増大させ、LEDの光出力を減らすことになろう。
【0014】
また、n型層の増大した拡散抵抗は、過大な加熱を引き起こし、十分な電流拡散および均一な光出力を妨げる。拡散抵抗を小さくするためには、デバイスサイズの増大につれてn型層の厚さを厚くすればよい。しかし、これによって必要な材料およびプロセス時間が大幅に増大する。これらの増大はともに、とてつもなく大きなコスト増をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、新しい電流拡散構造を有する改良されたLEDを提供する。この改良されたLEDは、標準サイズとすることができ、またはより大きなサイズにスケーリングして、パワー出力および光束を増大させることができる。新しい電流拡散構造は、小型LEDと大型LEDの両方でp型およびn型層内における電流拡散を改善する。その結果、LEDの活性層への正孔および電子の注入が向上し、これにより発光効率が高まり、直列抵抗および加熱が低減する。
【0016】
新しいLEDは一般に、エピタキシャル成長させたp型およびn型層、ならびにp型層とn型層の間にエピタキシャル成長させた活性層を有するLEDコアを含む。LEDコアに隣接して第1の電流スプレッダ(spreader)層が含まれる。LEDコアを通してスプレッダ層に達する少なくとも1つの溝が形成され、この溝の中の前記第1のスプレッダ層上に、少なくとも1つの第1の導電性フィンガを有する第1のコンタクトがある。電流は、第1のコンタクトから、導電性フィンガ、第1のスプレッダ層およびLEDコアに流れる。第1の導電性層とは反対側のLEDコア上に、少なくとも1つの第2の導電性フィンガを有する第2のコンタクトが含まれ、電流は、第2のコンタクトから、第2のフィンガおよびLEDコアに流れる。
【0017】
新しいLEDはさらに、第1のスプレッダ層とは反対側のLEDコア上に第2のスプレッダ層を含むことができる。第2のスプレッダ層は、第2のコンタクト/フィンガとLEDコアの間に配置される。スプレッダ層は、隣接するLEDコア層よりも導電性が高く、これによって電流は、第2のコンタクト/フィンガから第2のスプレッダ層およびLEDコア全体に、より自由に流れることができる。
【0018】
新しいLEDの一実施形態では、第1のスプレッダ層がn型エピタキシャル層であり、第1のスプレッダ層を基板上に成長させて、基板とLEDコアの間に挟まれるようにする。第1のスプレッダ層とは反対側のLEDコアの表面に透過または半透過の第2のスプレッダ層が堆積され、第2のスプレッダ層上に第2のコンタクトおよびそのフィンガが形成される。
【0019】
LEDのコンタクトおよび各々の導電性フィンガは、電流の拡散ならびにLEDの活性層中への正孔および電子の注入が向上するように配置される。コンタクトを横切ってバイアスを印加し、各コンタクトから各々の導電性フィンガを通って電流を拡散する。隣接する第1のフィンガと第2のフィンガの間の距離は、ほぼ均一に保たれ、電流がLEDコアを横切って効果的に拡散する程度に十分に小さい。これは、LEDコアの活性層への均一な電流注入を提供する。新しい電流拡散構造を使用して、新しいLEDを、隣接するフィンガ間の同じ電流拡散関係を維持しながら、従来のLEDよりもずっと大きいサイズにスケーリングすることができる。
【0020】
LEDコア上のコンタクトおよびフィンガは、コアの表面全体を覆わず、表面の大部分を光の放射のために残す。その結果、フィンガに厚い低抵抗の金属を使用して、効率的な電流拡散経路を提供することができる。これらのフィンガは、また、第2のスプレッダ層に電流が拡散しなければならない距離を短くする。そのため、電流拡散層の厚さを薄くすることができ、これによって放射された光の吸収が低減する。さらに、LEDコアへ電流を拡散するための第2のスプレッダ層上に1または複数のフィンガを提供することによって、LEDのサイズが増大しても、第2のスプレッダ層の厚さを厚くする必要がなくなる。これによって、厚いエピタキシャル層に関連した長いプロセス時間およびコストの増大が回避される。
【0021】
新しいLED構造の利点は、導電性および絶縁基板上のLEDに対して実現される。これは、新しい構造が、基板の種類とは無関係にほぼ均一な電流注入を提供するためである。この構造では、エピタキシャル層の構成を逆にすることもできる。すなわち、p型層を第1のスプレッダの次の層とし、n型層をエピタキシャル面に置くことができる。電流拡散構成は変更しなくてよい。本発明は、デバイスサイズの増大につれてフィンガの数を増やすことによって、十分にスケーラブルなデバイスを提供する。
【0022】
本発明のこれらの特徴および利点、ならびにその他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、当業者が以下の詳細な説明を読むことによって明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】新しい電流拡散構造を有する標準サイズの新しいLEDの透視図である。
【図2】図1のLEDの平面図である。
【図3】図2の切断線3−3に沿って切った断面図である。
【図4】第2の拡散層上に中央フィンガを、LEDの周縁の第1の拡散層上にフィンガを含む、新しい電流拡散構造を有する標準サイズの新しいLEDの透視図である。
【図5】図4に示したLEDの断面図である。
【図6】図1に示した新しい電流拡散構造を使用した、スケーリングされた新しい長方形LEDの平面図である。
【図7】複数のフィンガを組み合わせた新しいLED電流拡散構造を使用した新しいLEDの平面図である。
【図8】複数のジクザグ形のフィンガの電流拡散構造を有する新しいLEDの平面図である。
【図9】第2の拡散層上の中央コンタクトから延びる導電経路を形成し、第1の拡散層上のフィンガと協働する、枝路およびフィンガを有する新しいLEDの平面図である。
【図10】図9のLEDの断面図である。
【図11】第2の拡散上の中央コンタクトから放射状に延びるフィンガを有する新しいLEDの平面図である。
【図12】フリップチップ図形の新しい電流拡散構造を有する新しいLEDの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(発明の詳細な説明)
図1〜12に、改良された電流拡散構造をそれぞれ有する、本発明に基づいて構成された新しいLEDのさまざまな実施形態を示す。これらの新しい構造は、任意の半導体材料システムから形成されたLEDで使用することができるが、炭化ケイ素(SiC)、サファイアなどの基板上に製作されたIII族窒化物ベースのLEDに特に適用可能である。SiCは、GaNなどのIII族窒化物に非常に近い結晶格子の整合を有し、高品質のIII族窒化膜が得られる。炭化ケイ素は、さらに非常に高い熱伝導率を有し、そのため、炭化ケイ素上のIII族窒化物デバイスの総出力パワーが、基板の熱放射によって制限されない(サファイア上に形成したいくつかのデバイスについても同様である)。SiC基板は、Durham, North CarolinaのCree Research社から入手可能であり、SiC基板を生産する方法は、科学文献、ならびに米国特許第RE34861号、4946547号および5200022号に記載されている。
【0025】
図1、2および3に、基板12とLEDコア13の間に挟まれた、第1のスプレッダ層を表す導電層11を有する新しい正方形LED10を示す。コア13は、エピタキシャル成長させた導電層15と16の間に挟まれたエピタキシャル成長させた活性層14を含む。n型またはp型に関して、導電層15はスプレッダ11と同じ型であり、導電層16はスプレッダ11とは反対の型である。好ましい実施形態では、層15がn型、層16がp型、第1のスプレッダ層がn型である。
【0026】
第1のスプレッダ11は、活性層14への電流拡散を容易にする厚さおよびドーピング濃度を有する。好ましいドーピング濃度は、1×1021cm-3から1×1015cm-3であり、好ましい厚さは0.2μmから100μmである。層11、14、15、16は、MOCVDリアクタにおける成長など従来の方法によって、またはVPE、MOCVDなどの成長技法を組み合わせることによって基板12上に製造することができる。
【0027】
導電層16上には、第2のスプレッダ層を表す電流拡散層18が堆積され、導電層16全体および活性層14中への電流の拡散を容易にする。この層18は、導電層16と同じドーピング型で、第1のスプレッダ11と同様の厚さおよびドーピング濃度を有するMOCVD成長させた半導体とすることができる。第2のスプレッダ18は、透過または半透過の導電性材料から形成することもできる。好ましい材料は、総厚が1nmから50nmの薄い金属または薄い金属の組合せ、あるいはこれらよりも厚くできるITOなどの透過導体である。
【0028】
第2のスプレッダ18上には、2つの第2の導電性フィンガ20aおよび20bを有する第2のコンタクト19が堆積されている。第2のコンタクトおよびフィンガは、導電層の3つの縁に隣接して延び、コンタクト19とは反対側の縁の手前で止まるU字形の経路を形成している。フィンガ20aおよび20bの外側の境界は、導電層16の縁まで延ばすことができ、または導電層16の縁からいくぶん後退させて、フィンガ20aと20bの間に第2のスプレッダ18の小領域が見えるようにすることもできる。
【0029】
デバイス全体にわたって均一な電流拡散を強化するため、第1のスプレッダ11の表面に、第1のコンタクト21および第1の導電性フィンガ22が堆積されている。この表面にある領域を確保するため、LEDコアのセクションが第1のスプレッダ11までエッチングされ、LEDコアを貫通した溝/チャネル23が形成されている。溝の中の第1のスプレッダ上には、第1のコンタクト21およびフィンガ22が堆積されている。
【0030】
LEDコア13は、化学エッチング、イオンミルエッチングなどの従来の方法を使用してエッチングすることができる。導電層18、コンタクト19、21およびコンタクトのフィンガは、蒸着、スパッタリング、電気めっきなど、従来の多くの方法によって堆積させることができる。
【0031】
動作時には、コンタクト19および21にバイアスを印加する。コンタクト21からの電流は、そのフィンガ22に沿って第1の導電性スプレッダ11に拡散する。電流は、第1のスプレッダ11全体に拡散し、キャリアは、層15を通してLED活性領域14にほぼ均一に注入される。電流は、コンタクト19からフィンガ20aおよび20bに拡散し、次いで第2のスプレッダ層18全体に広がる。キャリアは、層16を通してLED活性領域14にほぼ均一に注入される。電子と正孔は、活性層14で再結合して、ほぼ均一で非常に効率的な発光を行う。
【0032】
新しいLED10およびその電流拡散構造は、多くの異なる形状およびサイズをとることができる。図1〜3は、標準サイズ(約0.25mm2)とすることができ、あるいは標準サイズよりも小さくまたは大きくすることもできる正方形LEDを示す。LED10のサイズが増大するにつれ、導電性フィンガ間の距離も増大する。LEDのサイズは、電流がフィンガから拡散し、活性層に均一な注入を提供することをできるかどうかによって制限される。
【0033】
好ましい電流拡散フィンガは、区分的に長方形の形状を有する。第2のフィンガの幅は0.1〜30ミクロン、好ましくは2〜10ミクロンである。フィンガの幅を広くしたほうが電流を効果的に拡散することができるが、p型層16から放射された光をより多くブロックし、または吸収してしまう。第1のフィンガの幅は、0.1〜30ミクロンとすることができる。フィンガの幅を広くすると、LED構造の多くは、エピタキシャル層までエッチングする必要が生じ、光を発することができる活性層の量が低減する。第1のフィンガと第2のフィンガの距離は、5〜500ミクロンとすることができる。距離が短いほど電流拡散層内の電流拡散は良好になるが、光を吸収するフィンガによってより大きな面積が覆われることになる。フィンガの厚さは0.05〜3ミクロンとすることができる。フィンガが厚いほど直列抵抗は小さくなるが、製造により多くの時間とコストがかかる。
【0034】
新しい構造は、従来技術に優る多くの利点を有する。コンタクト19、21およびそれらの導電性フィンガ20a、20b、22は、直列抵抗の小さい導電材料から作られる。コンタクトからフィンガに流れる電流は、小さな拡散抵抗を流れ、電流を分配する効率的な経路を提供する。さらに電流は、第2のスプレッダ層18に十分に拡散するのに、電流拡散コンタクト19およびそのフィンガ20a、20bからはるかに短い距離を広がればよい。その結果、電流拡散層の厚さを薄くすることができ、これによって光の吸収を低減させることができ、第2のスプレッダ18に半透過材料を使用した場合には光出力が増大する。p型層16への十分な電流拡散および活性層14への均一な注入が維持される。エピタキシャルと電流拡散フィンガとの距離は、ほぼ均一でなければならず、各々のドープされた層および活性層14への均一な電流拡散を保証する。
【0035】
先に述べたとおり、第2のフィンガ20aおよび20bは、LEDが放射した光の一部を吸収する。また、LEDコアをエッチングして溝23を作ることによって、発光に寄与することができるLEDコアのサイズが小さくなる。しかし、活性層14への均一な電流の注入は、これらの欠点を克服し、その結果、全体的な効率が向上したLEDが得られる。実際、溝23は、全体的な光出力を向上させる可能性がある。これは、光が、LEDの活性層15から全方向に放射されるためである。平坦な表面を有するLEDでは、ある割合の光がLEDの表面で反射され、完全な内部反射となる。最終的には光は吸収されるか、またはLEDの側面から外部に逃れ出る。LED構造をエッチングして1または複数の溝を提供することによって、LEDの内部で反射した光が溝に達し、逃れ出る機会が増大する。これによって、光が吸収されることなく外部に現れ、照明に寄与する確率が高まる。
【0036】
図4および5に、図1〜3のLEDと同様の新しいLED40の他の実施形態を示す。このLEDは、同じ基板12および第1のスプレッダ層11を有する。また、LEDは、同様のLEDコア41、およびLEDコアの導電層43上に堆積させた第2のスプレッダ層42を有する。
【0037】
しかしこの実施形態では、第1のコンタクトおよびフィンガが第1のスプレッダ層11の縁から電流を拡散し、第2のコンタクトおよびフィンガが第2のスプレッダ層42の中央から電流を拡散する。LEDコア41は、LEDの周囲のうち3辺が第1のスプレッダ層11までエッチングされている。第1のスプレッダ層11において中間の辺の中点のところに第1のコンタクト44が堆積されている。第1のスプレッダ層11には第1のフィンガ45aおよび45bが堆積されており、エッチングされた縁に沿って第1のコンタクト44から反対方向に走っている。電流は、第1のコンタクト44からそのフィンガ45aおよび45bを通って、第1のスプレッダ層の周辺部に拡散する。第2のスプレッダ層42において第1のコンタクト44とは反対側の縁には、第2のコンタクト46が堆積されている。第2のコンタクト46は、第2のスプレッダ層に堆積された1つの導電性フィンガ47を有し、コンタクト46からエピタキシャル層コンタクト44の方向にLEDの中心線の大部分に沿って走る。
【0038】
LED40は、LED10と同じ電流拡散の利点を有する。電流は、コンタクト44および46から、直列抵抗の小さいそれぞれの導電性フィンガを通して拡散する。第1のコンタクト44およびそのフィンガ45aおよび45bからの電流は、第1のスプレッダ層11を通ってLEDコア41まで拡散する。第2のコンタクト46およびそのフィンガ47からの電流は、第2のスプレッダ層42およびLEDコア41に拡散する。LED10と全く同様に、LEDコア41全体をカバーするために、フィンガ47から第2のスプレッダ層42を通って電流が拡散すべき距離は、短縮される。その結果、第2のスプレッダ層42の厚さを薄くすることができ、これによって光の吸収が低減する。第2のフィンガ47と第1のフィンガ45aおよび45bとの距離は、両者がオーバーラップした区間でほぼ均一であり、その結果、LEDコアの活性層50への電流注入がより均一になる。
【0039】
新しい電流拡散構造の重要な利点は、より大きなLED上で使用しても、改良された電流の拡散が維持されることである。図6に、図1、2および3のLED10と同様の電流拡散構造を有する新しいLED60を示す。LED60は、基板、第1のスプレッダ層、LEDコア(以上は図6では見ることができない)、および第2のスプレッダ層61を有する。これらは全てLED10のものと同様である。LEDコアの一部は、第1のスプレッダ層までエッチングされ、そこにnコンタクト62およびフィンガ63が堆積されている。第2のスプレッダ層61には、第2のコンタクト64およびその導電性フィンガ65a、65bも堆積されており、フィンガはLEDの周辺に沿って走っている。
【0040】
LED60は、LED10よりも大きく、その2辺66および67の長さが延長された長方形の形状を有する。第1のフィンガ63および第2のフィンガ65a、65bの長さを、辺66および67の長さの延長分と同じだけ延長することによって、改良された電流拡散は、維持される。第1のフィンガ63と第2のフィンガ65a、65bとの距離は、両者がオーバーラップした区間で均一に維持する。LEDコア全体をカバーするために第2のフィンガ65aおよび65bから電流拡散層61を通って電流が拡散すべき距離も依然として一定である。同様に、第1のフィンガ63から第1のスプレッダ層を通って電流が拡散すべき距離も依然として一定である。辺66および67の長さをさらに長くする場合には、フィンガ間の電流関係を維持するためにフィンガの長さも長くしなければならない。
【0041】
図4および5に示した設計に基づいて、同様の長方形LEDを製作することができる。これらのデバイスでも同様に、長方形LED内の電流の拡散を均一にするために、電流拡散構造中のフィンガの長さを長くしなければならない。
【0042】
LED60の追加の利点は、同じ表面積の正方形LEDよりも効率的に熱を散逸させることである。LED60の内部で発生した熱は、より短い距離を伝わってその辺の1つに到達し散逸することができる。
【0043】
従来技術に優る本発明の他の重要な利点は、第1のスプレッダ層の厚さに関係する。この層は、普通n型エピタキシャル層であり、電流がコンタクトから第1のスプレッダ層を通って拡散する従来のLEDでは、LEDサイズの増大は、第1のスプレッダ層の厚さを厚くして、その直列抵抗を小さくすることを要求する。第1のコンタクトから1または複数の第1の導電性フィンガを通って電流を拡散することによって、直列抵抗の増大が回避される。第1のスプレッダ層の厚さを同じにすることができ、潜在的なプロセス時間およびコストの増大が回避される。
【0044】
導電性フィンガ間の電流拡散関係を維持しながらLEDをスケーリングする他の方法は、LEDの面積を大きくするごとにフィンガの数を増やす方法である。図7に、図1〜5に示したLED10および40よりも大きな表面積を有するLED70を示す。LED70は、同様の基板、第1のスプレッダ層、LEDコア(以上は図7では見ることができない)、および第2のスプレッダ層71を有する。表面積を大きくするにつれて第1および第2のフィンガの数を増やし、一方で、隣接するフィンガ間の均一な距離を維持する。
【0045】
第1および第2のコンタクト72および73は、多くの異なる形状およびサイズを有することができる。好ましい第2のコンタクト73は円形であり、LEDの縁の1つに近く、第2のスプレッダ層71に堆積される。導電性枝路74の2つの部分は、第2のスプレッダ層71の上を、隣接するLEDの縁に平行にコンタクト73から互いに反対方向に走っている。多数の導電性フィンガ75は、第2のスプレッダ層71の上を枝路74から直角に延びている。LEDコアをエッチングして、第1のコンタクト72に対して第1のスプレッダ層に領域を提供し、第1のフィンガ76に対して溝を提供する。好ましい第1のコンタクト72は正方形であり、第1のスプレッダ上の、pコンタクト73とは反対側の縁の中央に堆積される。LEDの縁に沿って第1のコンタクト72から枝路72bが延びている。枝路72bから枝路74に向かって直角にフィンガ76が延びている。第2のフィンガと第1のフィンガ75、76の距離はほぼ均一に維持され、LEDの活性層へのほぼ均一な注入を提供できる程度に十分に小さい。したがって、たとえ標準サイズのLEDより大きくても、LED70は、上記の実施形態と同じ電流拡散の利点を享受する。
【0046】
図8に、第1および第2のフィンガがジクザグ形の導電性経路を形成する新しいLED80の他の実施形態を示す。LED80は、基板から第2のスプレッダ層まで上記の実施形態と同じ層構造を有する。第2のスプレッダ層82においてLEDの角に、円形の第2のコンタクト81が堆積されている。第2のスプレッダ層には導電性枝路83も堆積されており、コンタクト81からLED表面の2辺に沿って走っている。第2のスプレッダ層82において、枝路83からLED80を斜めに横切って、ジクザグ形の第2の導電性フィンガ84が走っている。フィンガ84は、枝路83から直角に突き出し、次いで、LED80を横切るにしたがい交互に直角に曲がっている。フィンガが短いほど直角に曲がる回数は少ない。
【0047】
LED80を第1のスプレッダ層までエッチングして、第1のコンタクト85、その枝路86およびそのジグザグ形のフィンガ87に対する溝を提供する。第1のコンタクト85は、第1のスプレッダ層上の、第2のコンタクト81とは反対側のLEDの角に堆積される。導電性枝路86が第1のスプレッダ層に堆積され、電流拡散層枝路83がカバーしていない残りの2辺に沿って第1のコンタクト85からLED80の周辺に沿って走る。電流拡散層フィンガ84と同じ形状を有する第1のジクザグ形フィンガ87が、第1のスプレッダ層のフィンガ84に堆積され、第1のフィンガと第2のフィンガとの距離は、両者がオーバーラップする区間でほぼ均一である。この概念に対する代替実施形態では、曲線状のフィンガを使用して、直角ではなく丸みを帯びたコーナを有するジクザグ形のパターンを生成することもできる。
【0048】
この構造は、直列抵抗が低いこと、スケーリングが可能であること、およびより薄い電流拡散層を使用できることを含む、上記の実施形態の電流拡散に関する利点を全て有する。LED構造にエッチングされた第1のフィンガ87に対するジクザグ形の溝は、LED80から放射される光の割合を高める働きもする。溝の縁は、上記の実施形態よりも変化に富み、これによって内面反射光が外部に漏れ、LEDの発光に寄与する可能性が増大する。
【0049】
図9および10に、上記実施形態と同じ層構造を有する新しいLED90の他の長方形実施形態を示す。第2のスプレッダ層92の中央に第2のコンタクト91が堆積されており、導電性枝路93の2つの部分が、コンタクト91からLEDの縦の中心線に沿って第2のスプレッダ層を反対方向に走っている。多数の導電性フィンガ94は、枝路93の両側からLEDの縁に向かって直角に突き出している。LEDの第1のスプレッダ層に電流を拡散するため、LED構造は、周辺が第1のスプレッダ層までエッチングされている。第1のスプレッダ層のLEDの縁には、第1のコンタクト95が堆積されている。第1のスプレッダ層のLEDの周辺全体に、第1の枝路96が堆積され、コンタクト95から続く連続した導電性ループを提供する。LED構造の第2のフィンガ94の間に溝がエッチングされ、周辺から枝路93に向かって直角にエッチングされている。溝の中の第1のスプレッダ層には、第1のフィンガ97が堆積されており、第1の枝路96から延びる導電性経路を提供する。隣接する第1のフィンガと第2のフィンガとの距離は、両者がオーバーラップする区間でほぼ均一であり、この実施形態は、上記の実施形態と同じ電流拡散に関する利点を有する。
【0050】
図11に、上記の実施形態と同じ層構造を有する新しいLED110の他の実施形態を示す。LEDの第2のスプレッダ層112の中央に、第2のコンタクト111が堆積されている。導電性フィンガ113は、第2のスプレッダ層112上をコンタクト111からLEDの縁に向かって放射状に延びている。フィンガ113の起点間の距離は均一である。コンタクト111から放射状に外側へ延びるにつれて、隣接するフィンガ間の距離は広がる。この距離が大きくなりすぎて、第2のスプレッダ層112に効果的に電流を拡散することができなくなると、フィンガ113は、2本のフィンガ114に分かれる。
【0051】
LEDは、その周辺を第1のスプレッダ層までエッチングされ、第1のコンタクト115およびその周辺枝路116を提供する。LEDは、さらにエッチングされて、第2のフィンガ113の間を、第2のコンタクト111の方向へ延びる導電性経路を形成する第1のフィンガ117を提供する。フィンガ114の分割セクションが十分に長い場合には、第1のフィンガは、セクションとセクションの間に含まれる。
【0052】
隣接する第1のフィンガと第2のフィンガとの距離は、以前の実施形態よりも変化する。しかしこの距離は依然として、LED110が以前の実施形態と同じ電流拡散の利点を有することができる程度には十分に均一である。この実施形態は、より大きなサイズにスケーリングすることができる。表面積を大きくするにつれ、第2のフィンガをさらに分割することができ、これらの分割セクションの間には別の第1のフィンガが含まれる。
【0053】
上記の実施形態を透過基板上に成長させ、フリップチップ(flip-chip)装着することもできる。図12に、透過基板123に成長させたLED120を示す。LED120は、図4のLED40と同様の構造を有する。LED120は、第1のスプレッダ層126上のLEDコア130、および第1のスプレッダ層とは反対側のLEDコアにおける第2のスプレッダ層124を含む。LEDは、結合媒体121の使用によってサブマウント122に装着されている。結合媒体121は、第2のスプレッダ124(図12に示す)または第2のスプレッダ上のコンタクトパッドを、サブマウントと結合媒体121との間にある導電層の第1のセクション127に接続する。導電層127に印加されたバイアスによって、電流は、第2のスプレッダ124およびLEDの活性領域に送られる。さらに、導電層の第2のセクション128(またはコンタクト)が、サブマウント上にあり、第2の結合媒体125が、第1のスプレッダ126上の第1のコンタクト129を導電層128に接続する。導電層128に印加されたバイアスによって、電流を第1のコンタクト129に送り、第1のコンタクト129は、この電流を、第1のフィンガ131を通って第1のスプレッダ126に送る。第1のフィンガは、第1のスプレッダ層の周辺に配置されている。導電層127と128は、サブマウント122によって電気的に分離されており、LEDパッケージの接続ポイントの働きをする。
【0054】
この構造の利点の1つは、LEDの発熱位置が結合界面121に近く、熱がサブマウント122に効果的に伝達されるため、LEDが、より良好な放熱性(heat sinking)を有することである。サブマウントは高い熱伝導率を有することができ、LEDチップ基板123よりも表面積が大きい。さらに、第2のスプレッダ層124に対して半透過層を使用する場合には、フリップチップ図形によって、反射器を半透過層と一体化して、第2のスプレッダ124の全体的な光損失を低減し、基板123に向かって光を反射させることができる。
【0055】
反射器は、第2のスプレッダを覆って配置されるので、第2のコンタクトおよびフィンガは放射された光を一切吸収しない。第2のコンタクトおよびフィンガの厚さを厚くして、放射された光を吸収する恐れなしに直列抵抗を小さくすることができる。また、反射面が導電性である場合には、結合媒体121を反射器の表面全体に取り付けることができ、構造全体の熱伝導度を増大させることができる。
【0056】
上記の実施形態は、使用する材料システムに応じて、導電性基板ならびに絶縁基板上に成長させることができる。炭化ケイ素などの導電性基板上に形成されたLEDでは、通常コンタクトは、エピタキシャル層とは反対側の導電性基板の表面に直接に堆積される。コンタクトパッドに印加された電流は、基板を通してn型層に拡散し、n型層は、活性層へのほぼ均一な電子の注入を提供する。あるいは、先に記載したのと同様のやり方で、LEDコアをエッチングし、必要ならばエッチングを導電性基板まで進めることもできる。基板が導電性基板である場合には、基板を第1のスプレッダの一部と考えることができる。
【0057】
伝統的な基板コンタクトパッドの代わりに、コンタクトフィンガのアレイを使用することによって、ダイオードの直列抵抗を小さくすることができる。第1に、基板とは反対側の第2のスプレッダに対して最適な材料を使用することができるので、接触抵抗を小さくすることができる。第2に、基板に接触するのに比べて、活性領域に到達するまでに電流が移動しなければならない距離は、はるかに短く、多くの並行経路を有し、直列抵抗はさらに小さくなる。材料およびコンタクトの詳細は、どの方法が抵抗を最も低くするかを決定する。
【0058】
本発明を、いくつかの好ましい構成を参照して詳細に説明してきたが、他の構成も可能である。導電性フィンガは、多くの異なる形状およびパターンを有することができ、LED層にさまざまな方法で堆積させることができる。したがって、上記の請求項の趣旨および範囲は、それに含まれる好ましいバージョンに限定されるものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改良された電流拡散構造を有するスケーラブル発光ダイオード(LED)であって、
エピタキシャル成長させたp型層(16)、
エピタキシャル成長させたn型層(15)、および
前記p型層とn型層(16、15)の間に設けられたエピタキシャル成長させた活性層(14)
を有するLEDコア(13)と、
前記LEDコア(13)に隣接した第1のスプレッダ層(11)と、
前記LEDコア(13)を通して前記第1のスプレッダ層(11)に達する少なくとも1つの溝(23)と、
前記少なくとも1つの溝(23)の中の前記第1のスプレッダ層(11)の上に少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)を有する第1のコンタクト(21)であって、前記第1のコンタクト(21)から、前記少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)、前記第1のスプレッダ層(11)および前記LEDコア(13)に電流が流れるようにした第1のコンタクト(21)と、
前記第1のスプレッダ層(11)とは反対側の前記LEDコア(13)の上に少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)を有する第2のコンタクト(19)であって、前記第2のコンタクト(19)から、前記少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)および前記LEDコア(13)に電流が流れるようにした第2のコンタクト(19)と
を備えたことを特徴とするスケーラブルLED。
【請求項2】
前記第1のスプレッダ層(11)は、n型エピタキシャル層であることを特徴とする請求項1に記載のLED。
【請求項3】
前記n型層(15)は、前記第1のスプレッダ層(11)に隣接していることを特徴とする請求項1に記載のLED。
【請求項4】
前記第2のコンタクト(19)および前記少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)は、前記p型層上にあることを特徴とする請求項1に記載のLED。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)および前記少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)は、それらの長さの一部分について概ね平行であることを特徴とする請求項1に記載のLED。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)および前記少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)は、それらの長さの一部分について、およそ互いに均一な距離にあり、前記LEDコア(13)に均一な電流注入を行うことを特徴とする請求項1に記載のLED。
【請求項7】
前記第1のスプレッダ層(11)に隣接し、前記LEDコア(13)とは反対側に設けた基板(12)をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のLED。
【請求項8】
前記基板(12)は、導電性基板であることを特徴とする請求項7に記載のLED。
【請求項9】
前記第1のスプレッダ層(11)とは反対側の前記LEDコア(13)に第2のスプレッダ層(18)をさらに備え、前記第2のコンタクト(19)および前記少なくとも1つの導電性フィンガ(20a、20b)は、前記第2のスプレッダ層(18)に堆積され、前記コンタクト(19)に印加された電流が、前記少なくとも1つの導電性フィンガ(20a、20b)に拡散し、前記第2のスプレッダ層(18)を通じて、前記LEDコア(13)に拡散することを特徴とする請求項1に記載のLED。
【請求項10】
前記第2のスプレッダ層(18)は、透過導体であることを特徴とする請求項9に記載のLED。
【請求項11】
1つの前記第1の導電性フィンガ(22)を含み、前記第2のコンタクト(19)および少なくとも1つの導電性フィンガ(20a、20b)は、概ねU字形の導電性経路を形成し、前記第1のコンタクト(21)および前記第1の導電性フィンガ(22)が、前記U字形経路内に細長い導電性経路を形成していることを特徴とする請求項9に記載のLED。
【請求項12】
1つの前記第2の導電性フィンガ(47)を含み、前記第1のコンタクト(44)および少なくとも1つの導電性フィンガ(45a、45b)は、概ねU字形の導電性経路を形成し、前記第2のコンタクト(46)および前記第2の導電性フィンガ(47)が、前記U字形経路内に細長い導電性経路を形成していることを特徴とする請求項9に記載のLED。
【請求項13】
複数の前記第1および第2の導電性フィンガ(76、75)と、前記LEDの一つの縁に近い前記第2のコンタクト(73)と、反対側の縁に近い前記第1のコンタクト(72)とを含み、前記第2の導電性フィンガ(75)が、前記第2のコンタクト(73)から前記反対側の縁に向けて複数の導電性経路を形成し、前記第1のフィンガ(76)が、前記第1のコンタクト(72)から前記第2のコンタクト(73)に向けて、前記第2の導電性フィンガ(75)間に櫛形に交互に並ぶ複数の導電性経路を形成していることを特徴とする請求項9に記載のLED。
【請求項14】
前記第2のコンタクト(111)は、前記電流拡散層(112)の中央近くに位置し、前記第2の導電性フィンガ(113、114)は、前記第2のコンタクト(111)から前記LEDの縁に向けて導電性経路を形成し、前記第1の導電性フィンガ(117)は、前記第1のコンタクト(115)から前記第2のコンタクト(111)に向けて、前記第2の導電性フィンガ(113、114)間に櫛形に交互に並ぶ導電性経路を形成していることを特徴とする請求項9に記載のLED。
【請求項15】
前記第2のコンタクト(91)は、前記電流拡散層(92)の中央に位置し、前記コンタクト(91)から前記LEDの中心線に沿ってそれぞれ反対方向に延びる導電性経路を形成する2つの導電性枝路(93)をさらに備え、前記第2の導電性フィンガ(94)が、前記枝路(93)に概ね直角な導電性経路を形成し、前記第1のフィンガ(97)が、前記第1のコンタクト(95)および前記LEDの縁から前記枝路(93)に向けて、前記第2のフィンガ(94)間に櫛形に交互に並ぶ導電性経路を形成していることを特徴とする請求項9に記載のLED。
【請求項16】
複数の前記第1および第2の導電性フィンガ(84、87)を含み、前記第2のフィンガ(84)は、前記第2のコンタクト(81)から延びる概ね平行なジクザグ形の導電性経路を形成し、前記第1のフィンガ(87)は、前記第1のコンタクト(85)から延び、前記第2のジクザグ形フィンガ(84)の間に櫛形に交互に並ぶ概ね平行なジクザグ形の導電性経路を形成していることを特徴とする請求項9に記載のLED。
【請求項17】
フリップチップ実装を使用し、改良された電流拡散構造を有するスケーラブル発光ダイオード(LED)であって、
エピタキシャル成長させたp型層、
エピタキシャル成長させたn型層、および
前記p型層とn型層の間に設けられたエピタキシャル成長させた活性層
を有するLEDコア(130)と、
前記LEDコア(130)に隣接した第1のスプレッダ層(126)と、
前記LEDコアを通して前記第1のスプレッダ層(126)に達する少なくとも1つの溝と、
前記少なくとも1つの溝の中の前記第1のスプレッダ層(126)の上に少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(131)を有する第1のコンタクト(129)であって、前記第1のコンタクト(129)から、前記少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(131)、前記第1のスプレッダ層(126)および前記LEDコア(130)に電流が流れるようにした第1のコンタクト(129)と、
前記LEDコア(130)に隣接し、前記第1のスプレッダ(126)とは反対側に設けた第2のスプレッダ層(124)と、
2つの個別のセクション(127、128)を有する導電層であって、該導電層の第1のセクション(127)を前記第2のスプレッダに結合した導電層(127、128)と、
前記導電層の前記第1のセクション(127)に隣接し、前記第2のスプレッダ(124)とは反対側に設けたサブマウント(122)であって、前記導電層の第2のセクション(128)も前記サブマウント(122)に隣接するようにしたサブマウント(122)とを備え、前記LEDは、前記第2のセクション(128)と前記コンタクト(129)との間に導電材料(125)をさらに備え、前記導電層の第1および第2のセクション(127、128)に印加されたバイアスによって前記LEDコア(130)を発光させるようにしたことを特徴とするスケーラブルLED。
【請求項18】
前記第1のスプレッダ層(126)に隣接し、前記LEDコア(130)とは反対側に設けた基板(123)をさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載のLED。
【請求項19】
前記基板(123)は、透過または半透過基板から作られており、前記LEDコア(130)によって生成された光の主放射面であることを特徴とする請求項18に記載のLED。
【請求項20】
前記第2のスプレッダ(124)層は、半透過材料から作られており、LEDコア(130)からの光を前記基板(123)に向けて反射する反射器をさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載のLED。
【請求項21】
前記導電層の第1のセクションと前記第2のスプレッダとの間に結合媒体(121)をさらに備え、前記導電材料(125)が結合媒体を備えたことを特徴とする請求項17に記載のLED。
【請求項22】
電流拡散構造を有する半導体LEDであって、
不純物をドープした2以上の隣接する層(11、14、15、16)と、
前記層(11、14、15、16)のうち1または複数の層を通してエッチングされ、前記層(11、14、15、16)の1つの上または内部に表面を露出する少なくとも1つの溝(23)と、
前記少なくとも1つの溝(23)の中の前記露出した面の上に少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)を有する第1のコンタクト(21)であって、前記コンタクト(21)から、前記少なくとも1つの第1のフィンガ(22)および前記露出した面を有する前記層(11、14、15、16)に電流が流れるようにした第1のコンタクト(21)と、
前記隣接する層(11、14、15、16)の表面の上に少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)を有する第2のコンタクト(19)であって、前記第2のコンタクト(19)から、前記少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)および前記隣接する層(11、14、15、16)に電流が流れるようにした第2のコンタクト(19)と
を備えたことを特徴とする半導体LED。
【請求項23】
前記少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)および隣接する前記少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)は、それらの長さの一部分について概ね平行であることを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項24】
前記少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)および隣接する前記少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)は、およそ互いに均一な距離にあり、不純物をドープした前記2以上の隣接する層に均一な電流注入を行うことを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項25】
1つの前記第1の導電性フィンガ(22)を含み、前記第2のコンタクトおよび少なくとも1つの導電性フィンガ(20a、20b)は、概ねU字形の導電性経路を形成し、前記第1のコンタクト(21)および前記第1の導電性フィンガ(22)が、前記U字形経路内に細長い導電性経路を形成していることを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項26】
1つの前記第1の導電性フィンガ(47)を含み、前記第1のコンタクト(44)および少なくとも1つの導電性フィンガ(45a、45b)は、概ねU字形の導電性経路を形成し、前記第2のコンタクト(46)および前記第2の導電性フィンガ(47)が、前記U字形経路内に細長い導電性経路を形成していることを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項27】
複数の前記第1および第2の導電性フィンガ(76、75)と、前記隣接する層(11、14、15、16)の1つの縁に近い前記第2のコンタクト(73)と、反対側の縁に近い前記第1のコンタクト(72)とを含み、前記第2の導電性フィンガ(75)が、前記第2のコンタクト(73)から前記反対側の縁に向けて複数の導電性経路を形成し、前記第1のフィンガ(76)が、前記第1のコンタクト(72)から前記第2のコンタクト(73)に向けて、前記第2の導電性フィンガ(75)間に櫛形に交互に並ぶ複数の導電性経路を形成していることを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項28】
前記第2のコンタクト(111)は、前記隣接する層(11、14、15、16)の表面の中央近くに位置し、前記第2の導電性フィンガ(113、114)は、前記第2のコンタクト(111)から前記隣接する層(11、14、15、16)の表面の縁に向けて導電性経路を形成し、前記第1の導電性フィンガ(117)は、前記第1のコンタクト(115)から前記第2のコンタクト(111)に向けて、前記第2の導電性フィンガ(113、114)間に櫛形に交互に並ぶ導電性経路を形成していることを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項29】
前記第2のコンタクト(91)は、前記隣接する層(11、14、15、16)の表面の中央に位置し、前記コンタクト(91)から前記表面の中心線に沿ってそれぞれ反対方向に延びる導電性経路を形成する2つの導電性枝路(93)をさらに備え、前記第2の導電性フィンガ(94)が、前記枝路(93)に概ね直角な導電性経路を形成し、前記第1のフィンガ(97)が、前記第1のコンタクト(95)および前記表面の縁から前記枝路(93)に向けて、前記第2のフィンガ(94)間に櫛形に交互に並ぶ導電性経路を形成していることを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項30】
複数の前記第1および第2の導電性フィンガ(84、87)を含み、前記第2のフィンガ(84)は、前記第2のコンタクト(81)から延びる概ね平行なジクザグ形の導電性経路を形成し、前記第1のフィンガ(87)は、前記第1のコンタクト(85)から延び、前記第2のジクザグ形フィンガ(84)間に櫛形に交互に並ぶ概ね平行なジクザグ形の導電性経路を形成していることを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項31】
改良された電流拡散構造を有するスケーラブル発光ダイオード(LED)であって、
エピタキシャル成長させたp型層(16)と、
エピタキシャル成長させたn型層(15)と、
前記p型層とn型層(15、16)の間に設けられたエピタキシャル成長させた活性層(14)と、
少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)を有する第1のコンタクト(21)と、
前記p型層および活性層(16、14)を通して前記n型層(15)までエッチングされた少なくとも1つの溝(23)であって、前記第1のコンタクト(21)および少なくとも1つのフィンガ(22)が、前記エッチングされた領域の前記n型層(15)にあるようにした少なくとも1つの溝(23)と、
前記p型層(16)の第2のコンタクト(19)および少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)とを備え、前記少なくとも1つの第1および第2の導電性フィンガ(22、20a、20b)は、それらの長さの少なくとも一部分について概ね平行であるようにしたことを特徴とするスケーラブルLED。
【請求項1】
改良された電流拡散構造を有するスケーラブル発光ダイオード(LED)であって、
エピタキシャル成長させたp型層(16)、
エピタキシャル成長させたn型層(15)、および
前記p型層とn型層(16、15)の間に設けられたエピタキシャル成長させた活性層(14)
を有するLEDコア(13)と、
前記LEDコア(13)に隣接した第1のスプレッダ層(11)と、
前記LEDコア(13)を通して前記第1のスプレッダ層(11)に達する少なくとも1つの溝(23)と、
前記少なくとも1つの溝(23)の中の前記第1のスプレッダ層(11)の上に少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)を有する第1のコンタクト(21)であって、前記第1のコンタクト(21)から、前記少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)、前記第1のスプレッダ層(11)および前記LEDコア(13)に電流が流れるようにした第1のコンタクト(21)と、
前記第1のスプレッダ層(11)とは反対側の前記LEDコア(13)の上に少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)を有する第2のコンタクト(19)であって、前記第2のコンタクト(19)から、前記少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)および前記LEDコア(13)に電流が流れるようにした第2のコンタクト(19)と
を備えたことを特徴とするスケーラブルLED。
【請求項2】
前記第1のスプレッダ層(11)は、n型エピタキシャル層であることを特徴とする請求項1に記載のLED。
【請求項3】
前記n型層(15)は、前記第1のスプレッダ層(11)に隣接していることを特徴とする請求項1に記載のLED。
【請求項4】
前記第2のコンタクト(19)および前記少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)は、前記p型層上にあることを特徴とする請求項1に記載のLED。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)および前記少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)は、それらの長さの一部分について概ね平行であることを特徴とする請求項1に記載のLED。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)および前記少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)は、それらの長さの一部分について、およそ互いに均一な距離にあり、前記LEDコア(13)に均一な電流注入を行うことを特徴とする請求項1に記載のLED。
【請求項7】
前記第1のスプレッダ層(11)に隣接し、前記LEDコア(13)とは反対側に設けた基板(12)をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のLED。
【請求項8】
前記基板(12)は、導電性基板であることを特徴とする請求項7に記載のLED。
【請求項9】
前記第1のスプレッダ層(11)とは反対側の前記LEDコア(13)に第2のスプレッダ層(18)をさらに備え、前記第2のコンタクト(19)および前記少なくとも1つの導電性フィンガ(20a、20b)は、前記第2のスプレッダ層(18)に堆積され、前記コンタクト(19)に印加された電流が、前記少なくとも1つの導電性フィンガ(20a、20b)に拡散し、前記第2のスプレッダ層(18)を通じて、前記LEDコア(13)に拡散することを特徴とする請求項1に記載のLED。
【請求項10】
前記第2のスプレッダ層(18)は、透過導体であることを特徴とする請求項9に記載のLED。
【請求項11】
1つの前記第1の導電性フィンガ(22)を含み、前記第2のコンタクト(19)および少なくとも1つの導電性フィンガ(20a、20b)は、概ねU字形の導電性経路を形成し、前記第1のコンタクト(21)および前記第1の導電性フィンガ(22)が、前記U字形経路内に細長い導電性経路を形成していることを特徴とする請求項9に記載のLED。
【請求項12】
1つの前記第2の導電性フィンガ(47)を含み、前記第1のコンタクト(44)および少なくとも1つの導電性フィンガ(45a、45b)は、概ねU字形の導電性経路を形成し、前記第2のコンタクト(46)および前記第2の導電性フィンガ(47)が、前記U字形経路内に細長い導電性経路を形成していることを特徴とする請求項9に記載のLED。
【請求項13】
複数の前記第1および第2の導電性フィンガ(76、75)と、前記LEDの一つの縁に近い前記第2のコンタクト(73)と、反対側の縁に近い前記第1のコンタクト(72)とを含み、前記第2の導電性フィンガ(75)が、前記第2のコンタクト(73)から前記反対側の縁に向けて複数の導電性経路を形成し、前記第1のフィンガ(76)が、前記第1のコンタクト(72)から前記第2のコンタクト(73)に向けて、前記第2の導電性フィンガ(75)間に櫛形に交互に並ぶ複数の導電性経路を形成していることを特徴とする請求項9に記載のLED。
【請求項14】
前記第2のコンタクト(111)は、前記電流拡散層(112)の中央近くに位置し、前記第2の導電性フィンガ(113、114)は、前記第2のコンタクト(111)から前記LEDの縁に向けて導電性経路を形成し、前記第1の導電性フィンガ(117)は、前記第1のコンタクト(115)から前記第2のコンタクト(111)に向けて、前記第2の導電性フィンガ(113、114)間に櫛形に交互に並ぶ導電性経路を形成していることを特徴とする請求項9に記載のLED。
【請求項15】
前記第2のコンタクト(91)は、前記電流拡散層(92)の中央に位置し、前記コンタクト(91)から前記LEDの中心線に沿ってそれぞれ反対方向に延びる導電性経路を形成する2つの導電性枝路(93)をさらに備え、前記第2の導電性フィンガ(94)が、前記枝路(93)に概ね直角な導電性経路を形成し、前記第1のフィンガ(97)が、前記第1のコンタクト(95)および前記LEDの縁から前記枝路(93)に向けて、前記第2のフィンガ(94)間に櫛形に交互に並ぶ導電性経路を形成していることを特徴とする請求項9に記載のLED。
【請求項16】
複数の前記第1および第2の導電性フィンガ(84、87)を含み、前記第2のフィンガ(84)は、前記第2のコンタクト(81)から延びる概ね平行なジクザグ形の導電性経路を形成し、前記第1のフィンガ(87)は、前記第1のコンタクト(85)から延び、前記第2のジクザグ形フィンガ(84)の間に櫛形に交互に並ぶ概ね平行なジクザグ形の導電性経路を形成していることを特徴とする請求項9に記載のLED。
【請求項17】
フリップチップ実装を使用し、改良された電流拡散構造を有するスケーラブル発光ダイオード(LED)であって、
エピタキシャル成長させたp型層、
エピタキシャル成長させたn型層、および
前記p型層とn型層の間に設けられたエピタキシャル成長させた活性層
を有するLEDコア(130)と、
前記LEDコア(130)に隣接した第1のスプレッダ層(126)と、
前記LEDコアを通して前記第1のスプレッダ層(126)に達する少なくとも1つの溝と、
前記少なくとも1つの溝の中の前記第1のスプレッダ層(126)の上に少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(131)を有する第1のコンタクト(129)であって、前記第1のコンタクト(129)から、前記少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(131)、前記第1のスプレッダ層(126)および前記LEDコア(130)に電流が流れるようにした第1のコンタクト(129)と、
前記LEDコア(130)に隣接し、前記第1のスプレッダ(126)とは反対側に設けた第2のスプレッダ層(124)と、
2つの個別のセクション(127、128)を有する導電層であって、該導電層の第1のセクション(127)を前記第2のスプレッダに結合した導電層(127、128)と、
前記導電層の前記第1のセクション(127)に隣接し、前記第2のスプレッダ(124)とは反対側に設けたサブマウント(122)であって、前記導電層の第2のセクション(128)も前記サブマウント(122)に隣接するようにしたサブマウント(122)とを備え、前記LEDは、前記第2のセクション(128)と前記コンタクト(129)との間に導電材料(125)をさらに備え、前記導電層の第1および第2のセクション(127、128)に印加されたバイアスによって前記LEDコア(130)を発光させるようにしたことを特徴とするスケーラブルLED。
【請求項18】
前記第1のスプレッダ層(126)に隣接し、前記LEDコア(130)とは反対側に設けた基板(123)をさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載のLED。
【請求項19】
前記基板(123)は、透過または半透過基板から作られており、前記LEDコア(130)によって生成された光の主放射面であることを特徴とする請求項18に記載のLED。
【請求項20】
前記第2のスプレッダ(124)層は、半透過材料から作られており、LEDコア(130)からの光を前記基板(123)に向けて反射する反射器をさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載のLED。
【請求項21】
前記導電層の第1のセクションと前記第2のスプレッダとの間に結合媒体(121)をさらに備え、前記導電材料(125)が結合媒体を備えたことを特徴とする請求項17に記載のLED。
【請求項22】
電流拡散構造を有する半導体LEDであって、
不純物をドープした2以上の隣接する層(11、14、15、16)と、
前記層(11、14、15、16)のうち1または複数の層を通してエッチングされ、前記層(11、14、15、16)の1つの上または内部に表面を露出する少なくとも1つの溝(23)と、
前記少なくとも1つの溝(23)の中の前記露出した面の上に少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)を有する第1のコンタクト(21)であって、前記コンタクト(21)から、前記少なくとも1つの第1のフィンガ(22)および前記露出した面を有する前記層(11、14、15、16)に電流が流れるようにした第1のコンタクト(21)と、
前記隣接する層(11、14、15、16)の表面の上に少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)を有する第2のコンタクト(19)であって、前記第2のコンタクト(19)から、前記少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)および前記隣接する層(11、14、15、16)に電流が流れるようにした第2のコンタクト(19)と
を備えたことを特徴とする半導体LED。
【請求項23】
前記少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)および隣接する前記少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)は、それらの長さの一部分について概ね平行であることを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項24】
前記少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)および隣接する前記少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)は、およそ互いに均一な距離にあり、不純物をドープした前記2以上の隣接する層に均一な電流注入を行うことを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項25】
1つの前記第1の導電性フィンガ(22)を含み、前記第2のコンタクトおよび少なくとも1つの導電性フィンガ(20a、20b)は、概ねU字形の導電性経路を形成し、前記第1のコンタクト(21)および前記第1の導電性フィンガ(22)が、前記U字形経路内に細長い導電性経路を形成していることを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項26】
1つの前記第1の導電性フィンガ(47)を含み、前記第1のコンタクト(44)および少なくとも1つの導電性フィンガ(45a、45b)は、概ねU字形の導電性経路を形成し、前記第2のコンタクト(46)および前記第2の導電性フィンガ(47)が、前記U字形経路内に細長い導電性経路を形成していることを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項27】
複数の前記第1および第2の導電性フィンガ(76、75)と、前記隣接する層(11、14、15、16)の1つの縁に近い前記第2のコンタクト(73)と、反対側の縁に近い前記第1のコンタクト(72)とを含み、前記第2の導電性フィンガ(75)が、前記第2のコンタクト(73)から前記反対側の縁に向けて複数の導電性経路を形成し、前記第1のフィンガ(76)が、前記第1のコンタクト(72)から前記第2のコンタクト(73)に向けて、前記第2の導電性フィンガ(75)間に櫛形に交互に並ぶ複数の導電性経路を形成していることを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項28】
前記第2のコンタクト(111)は、前記隣接する層(11、14、15、16)の表面の中央近くに位置し、前記第2の導電性フィンガ(113、114)は、前記第2のコンタクト(111)から前記隣接する層(11、14、15、16)の表面の縁に向けて導電性経路を形成し、前記第1の導電性フィンガ(117)は、前記第1のコンタクト(115)から前記第2のコンタクト(111)に向けて、前記第2の導電性フィンガ(113、114)間に櫛形に交互に並ぶ導電性経路を形成していることを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項29】
前記第2のコンタクト(91)は、前記隣接する層(11、14、15、16)の表面の中央に位置し、前記コンタクト(91)から前記表面の中心線に沿ってそれぞれ反対方向に延びる導電性経路を形成する2つの導電性枝路(93)をさらに備え、前記第2の導電性フィンガ(94)が、前記枝路(93)に概ね直角な導電性経路を形成し、前記第1のフィンガ(97)が、前記第1のコンタクト(95)および前記表面の縁から前記枝路(93)に向けて、前記第2のフィンガ(94)間に櫛形に交互に並ぶ導電性経路を形成していることを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項30】
複数の前記第1および第2の導電性フィンガ(84、87)を含み、前記第2のフィンガ(84)は、前記第2のコンタクト(81)から延びる概ね平行なジクザグ形の導電性経路を形成し、前記第1のフィンガ(87)は、前記第1のコンタクト(85)から延び、前記第2のジクザグ形フィンガ(84)間に櫛形に交互に並ぶ概ね平行なジクザグ形の導電性経路を形成していることを特徴とする請求項22に記載の半導体LED。
【請求項31】
改良された電流拡散構造を有するスケーラブル発光ダイオード(LED)であって、
エピタキシャル成長させたp型層(16)と、
エピタキシャル成長させたn型層(15)と、
前記p型層とn型層(15、16)の間に設けられたエピタキシャル成長させた活性層(14)と、
少なくとも1つの第1の導電性フィンガ(22)を有する第1のコンタクト(21)と、
前記p型層および活性層(16、14)を通して前記n型層(15)までエッチングされた少なくとも1つの溝(23)であって、前記第1のコンタクト(21)および少なくとも1つのフィンガ(22)が、前記エッチングされた領域の前記n型層(15)にあるようにした少なくとも1つの溝(23)と、
前記p型層(16)の第2のコンタクト(19)および少なくとも1つの第2の導電性フィンガ(20a、20b)とを備え、前記少なくとも1つの第1および第2の導電性フィンガ(22、20a、20b)は、それらの長さの少なくとも一部分について概ね平行であるようにしたことを特徴とするスケーラブルLED。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−62543(P2013−62543A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−81(P2013−81)
【出願日】平成25年1月4日(2013.1.4)
【分割の表示】特願2001−542395(P2001−542395)の分割
【原出願日】平成12年11月22日(2000.11.22)
【出願人】(592054856)クリー インコーポレイテッド (468)
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年1月4日(2013.1.4)
【分割の表示】特願2001−542395(P2001−542395)の分割
【原出願日】平成12年11月22日(2000.11.22)
【出願人】(592054856)クリー インコーポレイテッド (468)
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]