説明

改良型糸貯蔵供給装置

【課題】ドラム上に貯蔵されている糸と繊維機械によって引き出される糸量を、同時に絶対的な精度で計測できる供給装置を提供する。
【解決手段】対応するボビンから引き出され、繊維機械に供給される糸Fの貯蔵供給装置1であって、回転又は固定ドラム、及び、繊維機械への糸の動きを感知するために配置される光学センサ部材13を備える。光学センサは複数の発光部及び受光部を備え、その間で光ビームが生成され、糸の動きに応じて遮断される。光学センサは第1固定部位、発光素子及び受光素子を有する第2固定部位を備え、第1固定部位は回転部材と同軸上に位置し、第2固定部位は、環状に第1固定部位を囲み、糸は、第1、第2固定部位の間を移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メインクレームの導入部に記載した糸貯蔵供給装置に関する。具体的には、本発明は、給糸量及びドラム上の糸の量を絶対的な精度で計測することが可能な糸貯蔵供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまなタイプの糸供給装置、すなわち給糸装置が知られている。これらの装置では、糸がスプール又はボビンから固定ドラムに蓄積される。固定式ドラムには、自身のモータによって駆動される外部部材によって糸が装填される。あるいは、回転式ドラムが使用され、繊維機械によってこの回転式ドラムから糸が引き出される。こういった給糸装置では、この後者の回転式ドラム上に残っている糸ストックが実質的に一定となるようにドラム上の巻き数の計測又はカウントを行うシステムが必要であり、機械で糸ストックが完全に消費されて明らかな問題が発生するのを、そのシステムによって防止する必要がある。
【0003】
ドラム上の糸量(又は巻き数)の計測方法は、さまざまな方法が知られている。その方法の1つでは、給糸装置に付随する発光部及び受光部を利用し、発光部で生成され対応する受光部で受光される光の反射を利用する。1つ又は2つの測定区間(発光部及び受光部を備える)を使用して、その中に少なくとも一巻きの糸があることを確認する。通常、一方の位置をドラムへ入る側(糸が入っていく区間)とし、もう一方をドラムから出る側(糸が出てくる区間)として、所謂最小ストック及び最大ストックをそれぞれ制御する。
【0004】
しかしながら、こういった制御が可能な給糸装置で確認できるのは、巻き数が特定の範囲内であることだけあり、正確な巻き数を確認することはできない(そのため、外側面の面積が既知のドラムに貯蔵されている糸の量を確認することはできない)。
【0005】
また、前述の反射による方法では、測定する糸の色によって左右されることがよく知られており、これによって制限を受ける。そのため、この方法で利用する光学素子による糸の感知の有効性に悪影響を与える可能性がある。
【0006】
また、同じく反射によって、ドラムから引き出される糸(すなわち、給糸量)の巻き数をカウントする給糸装置も存在する。しかしながら、これらの既知の装置でも、糸の色、及び、巻き数の計測に使用される光学素子上に堆積した埃や塵に測定の分解能が大きく影響を受けるという制限がある。
【0007】
他の給糸装置は、単一の発光部/受光部用部材に挿入されている光学素子を備えている。つまり、発光部及び受光部用に別個の部位を備えていない供給装置も存在する。この発光部/受光部の部材は、遮蔽動作により、その前を移動する糸量(すなわち、供給された糸量及びドラム上の残りの糸量)を計測できる。しかしながら、センサ内で糸の正確な位置は把握されないため、給糸装置の出口での糸の位置を把握できず、その結果、最適な分解能及び精度は得られない。
【0008】
機械的な解決策を利用する給糸装置も存在する。この給糸装置は、センサ(近傍センサ、ホールセンサ)に接続されている機械梃子の検出器を使用して、ドラム上の最小及び最大の糸ストックを測定する。
【0009】
そういった解決策でもやはりドラム上の巻き数を正確に把握することはできない。さらに、梃子の機械的な動作によって糸の張力が変わり、繊維機械に供給される糸に明らかな影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、ドラム上に貯蔵されている糸と繊維機械によって引き出される糸量を、同時に絶対的な精度で計測できる供給装置を提供することにある。
【0011】
本発明のもう1つの目的は、反射を利用する光学的な解決策が有する上述の制限から解放され、糸の供給を監視できる装置を提供することにある。この制限は、例えば糸の色や埃の堆積に関するものである。
【0012】
本発明のさらにもう1つの目的は、装置に沿った糸の経路でクリーニングが行われることで塵などの存在に影響を受けない装置を提供することにある。
【0013】
本発明のもう1つの目的は、繊維機械に取り込まれる糸量(AYL)を高い分解能で計測できる装置を提供することにある。
【0014】
本発明のさらにもう1つの目的は、給糸装置から繊維機械への経路で糸に影響を与えない装置を提供することにある。
【0015】
発明のもう1つの目的は、糸の不足や損傷を感知でき、不足や損傷がある場合は繊維機械に示すことができる装置を提供することにある。
【0016】
本発明のさらにもう1つの目的は、ドラムに糸がない状態から始まる糸の蓄積の間と、その後に繊維機械によって糸が引き出される動作の全段階において、ドラム上に蓄積される糸の巻き数を絶対的な精度でカウントできる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
これらの目的、及び当業者には明らかとなる他の目的は、添付の請求の範囲に記載された供給装置により達成される。
【0018】
本発明は、非限定的に例示される以下の添付図面からさらに明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による装置の斜視図である。
【図2】図1の線2−2に沿った断面図である。
【図3】図2の断面の正面図である。
【図4】図1の線4−4での断面図である。
【図5】図4の線5−5での断面図である。
【図6】本発明の変形態様の場合における図4と同様の図である。
【図7】図6の線7−7での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
前記の図において、1は、本発明による供給装置の全体を示している。この供給装置1は、取付用部材3とともに設けられているケーシング2を備える。取付用部材3により、繊維機械(図示せず)に付随し、又は、繊維機械に近接している支持体(図示せず)に固定することが可能である。
【0021】
ケーシング2は、内蔵されている電動モータ又はアクチュエータ6(及び中空シャフト6A)によって(公知の任意の方法で)駆動される回転部材、すなわち、ドラム5を備える。糸Fは、このドラムに巻き付けられてから、供給装置を離れて繊維機械に到達する。糸Fは、ドラム5上で複数の巻き7を形成し、繊維機械用の糸ストックとなる。これにより、特定な品目(網目など)の製造のために前記の機械によって糸が非連続的に引き出される状態であっても、常に最適な動作が可能となる。
【0022】
装置1に入る糸Fは、セラミックスなどでできた1つ以上の糸ガイド10(図示は1つのみ)に導かれる。糸ガイド10は、糸Fがケーシング2に接触しないように(接触すると、損傷や過剰な張力が発生し、装置1の適正な動作及び繊維機械への正確な糸の供給が妨げられる)、前記の装置に入る糸の軌道を規定する。
【0023】
供給装置1は、導入糸ブレーキ11及び張力センサ12を備えていることが望ましい。これらは公知のタイプであるため、ここでは説明しない。糸ガイド10及び糸ブレーキ11は、ケーシング2から突出している。
【0024】
給糸装置1は、給糸装置による操作の対象となる糸Fの量を計測する光学センサ13を備える。センサ13は、第1部位15、及び第1部位を囲む第2部位16を含む。第1部位は部位17によって構成される(例えば、公知の任意の光透過材料でできた外側面22において、全体又は一部が構成される)。第1部位は、回転ドラム5と同軸上に配置され、複数の発光部材、すなわち送信用のフォトダイオード18を備える。部位17は、チューブ19を介してケーシング2によって支持されている。チューブ19は、中空シャフト6A内に位置し、一端18Aがこのケーシングに固定されている。センサ13によって送受信される必要な信号を伝送するケーブルは、そのチューブ内を通って配置される。
【0025】
フォトダイオード18は、ドラム5の一端の静止している位置に存在する部位17に含まれる電子回路又は電子カード21に付随している。糸Fは、このドラム5の一端から繰り出されて繊維機械に到達する。
【0026】
同じく静止しているセンサ13の第2部位16は、ケーシング2にある中空環状部位23によって構成される。部位23は、少なくとも1つの透明部26を備える。透明部26は、第1部位15に対向し、受光部のフォトダイオード30を複数含む。受光部のフォトダイオード30の数は、送信部のフォトダイオード18の数と同じである。透明部26は、対応する送信部18によって送信される光信号を受光するように(例えば、これらの発光部に対向するように)部位16内に配置される。
【0027】
受光部30も、電子回路又は電子カード33に付随し、部位16に挿入されている。電子回路又は電子カード33は、給糸装置の動作を制御するために、装置1の制御ユニット35に電気的に接続されている。
【0028】
ユニット35は、特に、回転ドラム5の「物理的な」データ、すなわち直径が格納されているメモリユニット(図示せず)と連動する。また、ユニット35は、モータ6の動作の指令と制御を行う。従って、モータ6の回転速度は、公知の制御要素(ホールセンサなど)で常に把握される。
【0029】
装置1の使用時には、糸Fは、対応するボビン又はスプール(図示せず)から繰り出され、糸ガイド10及び糸ブレーキ11を通過する。
【0030】
この時点で、巻き7の所定の巻き数(場合によりプログラム可能)でドラム上に糸Fが巻き付けられている。このドラムの目的は、スプールから糸Fを引き出して繊維機械に供給すると同時に、個々の巻き7が互いに重なったり接触したりしないようにドラム上の前記の糸を分離して、糸Fを供給することである。
【0031】
この装置を離れる前に、糸Fは、公知の方法で糸Fの張力を計測するセンサ12を通過する。その後、さらなるブレーキ部材(図示せず)を通過する場合もある。このブレーキ部材は、さらにブレーキの決定と制御とを行う。
【0032】
ドラム5から繰り出されるポイントに近接において、糸Fは、光学センサ13を通過する。光学センサ13の詳細は図5で示している。例として、図5では、4つの送信部(18A、18B、18C、18Dで示す)及び4つの受光部のフォトダイオード(30A、30B、30C、30D)、繊維機械によって引き出される糸F(ドラム5から引き出される際の外周に示されている)、及び、センサ13の各部位を示している。
【0033】
フォトダイオード18及び30は、4箇所の光線あるいは光ビームが、その前を通過する糸Fによって遮断されたことを判定する。すなわち、図5のA、B、C、Dで示されている「光バリア」が判定される。
【0034】
各受光素子30A、30B、30C、30Dの適切に調整された信号(すなわち、カード33に付随している、図示されていない公知の電気的/電子的な部材によって増幅及びフィルタ処理が行われた信号)は、装置全体の制御ユニット35に供給される。この制御ユニットは、繊維機械の動作の各段階で、各バリアの状態を分析してドラムの回転方向を把握することによって、糸の位置を確認でき、糸がドラムへ蓄積されたか、又は、ドラムから引き出されたかを把握することができる。よって、糸Fが蓄積されるドラム5が時計回りに回転すると仮定すると、制御ユニット35がA→B→C→D→A→B→C…というタイプのバリア作動シーケンス(すなわち、送信部のフォトダイオード18A、18B、18C、18D、及び、受光部30A、30B、30C、30Dの対の間の光ビームの遮断の順序)を感知した場合は、この糸はドラム上で蓄積されたと判定する。このシーケンスは、「蓄積(LOAD)」のシーケンスとして規定される。
【0035】
電子制御ユニット35がD→C→B→A→D→C…というタイプのバリア作動シーケンスを感知した場合は、この糸はドラムから引き出されたと判定する。このシーケンスは、「引き出し(UNLOAD)」のシーケンスとして規定される。
【0036】
従って、光学センサ13からのデータを利用し、供給ドラムの速度及び位置を把握して調節することによって、制御ユニット35が以下の動作を行うことができることが明らかである。
1)装置1が蓄積中に(ドラム5に糸がない状態からドラムに糸が巻き付けられる間に)、ユニット35は、蓄積される巻き7の巻き数を絶対的な精度でカウントする。この巻き数から、ストックとして利用できる糸量をミリメートル単位で正確に求めることができる。よって、制御ユニット35は、(公知の任意の方法でモータ6に指令及び制御を行うことによって)ドラム5を一定又は可変の速度で回転させ、光学センサ13を監視し、切替(A→B、B→C、…)の数をカウントして、求められる回転数の4倍に等しくなった時点で即座にドラム5の動きを停止する。
2)ユニット35は、バリア作動シーケンスを分析して「引き出し(UNLOAD)」のシーケンスが進行中であると判定すると、給糸装置からの糸の引き出しを繊維機械が開始したことを検知する。このユニットは、「引き出し(UNLOAD)」のシーケンスに対応して、ストックとして残っている巻き7の巻き数が、プログラム可能な所定の値などに等しく一定となるように、ドラム5の回転を開始する。
【0037】
具体的には、制御ユニット35は、公知の制御アルゴリズム(P、PI、PD、PIDなど)に従って、ドラム上の糸量に関しての制御ループを閉じることによって、「引き出し(UNLOAD)」のシーケンス又は「蓄積(LOAD)」のシーケンスにそれぞれ対応してドラムを制御するモータ6の速度の増減を行う。
【0038】
さらに、制御ユニットは、ドラムの速度及び位置と光学センサ13の状態とに関するデータの処理を行うことによって、リアルタイムのドラム上の糸量(ストック)及び機械によって引き出された糸量を絶対的な精度で常に把握する。
【0039】
ドラム上の糸量(以下、「リアルタイム糸ストック(REAL TIME YARN STOCK)」とする)は、実際には、初期の糸量(「糸ストック(YARN STOCK)」とする)に対しての「引き出し(UNLOAD)」及び「蓄積(LOAD)」のシーケンスの代数和である。
【0040】
例えば、ドラム5の展開面長が200mmであり、蓄積の段階において装置が10巻き、すなわち2000mmの糸(巻き数×展開面→10×200=2000)を蓄積したと仮定すると、それぞれの「引き出し(UNLOAD)」のシーケンスで50mm(展開面長/センサ数→200/4=50)という値が「リアルタイム糸ストック(REAL TIME YARN STOCK)」の糸量から減算される。一方、それぞれの「蓄積(LOAD)」のシーケンスでは、50mmという値が加算される。
【0041】
簡単な数値の例は、以下のとおりである。

【0042】
繊維機械によって引き出された糸量は、初期の糸量(糸ストック(YARN STOCK))と、ドラムの回転数に加算される実際の糸量「リアルタイム糸ストック(REAL TIME YARN STOCK)」との差によって求められる。
【0043】
制御ユニット35は、機械によって引き出された糸を再蓄積するためにドラム5を回転させないと仮定する。この場合、引き出された糸量(取り込まれた糸量AYL(ABSORBED YARN QUANTITY AYL))は、各引き出し(UNLOAD)のパルスに対して50mmずつ増加させる必要がある。
【0044】
数値の例は、以下のとおりである。

【0045】
制御ユニット35が、機械によって引き出された巻きをボビン又はスプールからドラム5に再蓄積し始める時点では、糸量(AYL)は、代数和によって求められる。この代数和は、「糸ストック(YARN STOCK)」と、モータの回転ごとに200mm(ドラムの展開面長)の量が加算されなければならない「リアルタイム糸ストック(REAL TIME YARN STOCK)」との和である。以下の表にこれを示す。

【0046】
前述の例から、ユニット35が、糸Fのストックの値、及び、繊維機械によって取り込まれる糸量(AYL)を絶対的な精度で計測できることが明らかである。
【0047】
この2つの測定結果は、分解能を向上させることが可能であることに注意する必要がある。例えば、光学バリアの個数を増加させて、ドラムの外周をバリアの個数で割って算出される最小の増分及び減少の単位を小さくすることができる。
【0048】
モータ6の正確な位置、すなわちドラム5の正確な位置を把握するためにエンコーダが使用されてもよい。これにより、給糸量の算出においてモータ6の回転から求められる量をドラムの展開長の正確な倍数ではなく、その位置の関数とするようにできる(従って、エンコーダの分解能が向上し、測定結果の分解能が向上するので、わずかな回転を考慮に入れることができる。)。
【0049】
例えば、4096ポジションのエンコーダを使用することによって、10分の1ミリメートル未満の精度を実現できる。
【0050】
本発明の1つの実施形態を説明したが、前述の説明を踏まえて他の実施形態も可能である。例えば、バリアの個数は4より大きくても小さくてもよく、奇数であっても偶数であってもよい。また、少なくとも一対の発光部と少なくとも一対の受光部を備えていればよい。上述のとおり、バリアの個数の増加に応じて、カウントの精度が変動するのは明らかである。また、バリアの動作は「遮断」によるものではなく「反射」によるものであってもよい。すなわち、この後者の場合、各送信部と対応する受光部とがセンサ13の同一の部位15又は16に位置し、対向する部位(16又は15)に鏡が搭載されて、システムは同様にバリアとして動作する。
【0051】
他の変形態様では、糸Fの経路は、光ビームの遮断としてではなく、糸の摺動として遮断される。この解決策は、(バリアの光ビームを横切る)一点ではなく、受光素子を中心とする角セクタ内で糸の経路を確認できるという大きな利点を有する。この場合、瞬間的な状況からではなく、時間的に長く継続した時間の状態から導き出すので、経路状態の遮断をより確実なものとすることができる。これによりセンサの堅牢性が大きく向上し、任意の種類の糸を正確に測定できる。具体的には、非常に細い糸であっても測定が可能である。
【0052】
上述した方法とは別の方法として、バリア又は生成される光ビームが対になった状態で部分的に重ね合わされ、各高感度素子ごとに2つの信号CHA及びCHBを有し、経路及び方向のデータを遷移の状態CHA→CHB又はその逆(引き出し、巻き取り→蓄積(LOAD)、引き出し(UNLOAD))から取得できるようにしてもよい。この方法で、センサ13は、光学的なエンコーダとして動作する。
【0053】
図6及び図7は本発明のさらなる変形態様を示しており、上述した図に対応する部分は同一の符号で示されている。この後者の態様では、送信部及び対応する受光部はセンサ13の第2部位に配置され、第1部位15は取り除かれない。
【0054】
第2部位16は、部材5を離れた位置で囲んでいる(図6の下部)。この第2部位は発光部18及び受光部30を備える。
【0055】
図6及び図7で示した装置の動作が、前述の図で示した動作と同様であることは明らかである。
【0056】
最後に、供給装置が固定式ドラムを使用する方法で形成され、(内部を通る)中空シャフトが糸の経路に使用される場合は、光学センサを制御する電気信号を中空シャフトが伝送する。
【0057】
これらの実施形態についても、添付の特許請求の範囲で明らかにしている本発明の範囲内にあるものとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸貯蔵供給装置(1)であって、
前記糸(F)は、対応するボビンから引き出されて繊維機械に供給され、
前記装置(1)は、ケーシング(2)を有するとともに、自身のモータ(6)によって駆動される回転ドラム(5)を備え、
前記モータは、マイクロプロセッサのタイプであることが望ましい制御ユニット(35)によって制御及び指令が行われ、
前記糸(F)は、ドラム(5)に巻き(7)の形で巻き付けられ、
前記ユニットは、前記糸(F)の動きを感知するために配置された光学センサ部材(13)に接続され、
前記光学センサは、少なくとも一対の発光素子(18A、B、C、D)及び少なくとも一対の受光素子(30A、B、C、D)を備え、その間で光ビームが生成されて、移動する前記糸(F)によって遮断され、
前記光学センサ(13)は、前記発光素子及び受光素子(18、30)が付随している固定部位(16)を少なくとも1つ備え、
前記固定部位(16)は、前記回転部材(5)と同軸上に位置し、環状であって、回転部材(5)の周りに位置し、
前記糸(F)は、前記部位(16)及び前記部材(5)の間を移動し、
前記制御ユニット(35)は、前記発光素子(18;18A、B、C、D)及び前記受光素子(30;30A、B、C、D)に接続され、前記電動モータ(6)の回転の方向及び速度の測定結果と、前記受光素子(39;30A、B、C、D)からの電気信号とに基づいて制御を行うように構成され、
前記ユニットは、前記糸(F)が前記回転ドラム(5)に蓄積されている段階であるか、又は、前記糸(F)が前記ドラム(5)から引き出されているかを判定し、巻き(7)の数と前記繊維機械によって引き出された糸の量とを特定することによって、前記ドラム(5)上の糸の量を前記ユニットで判定することを可能としていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記光学センサ(13)は、第1固定部位(15)及び第2固定部位(16)を備え、
前記第1部位(15)は、前記回転部材(5)と同軸上に位置し、
前記第2部位(16)は、環状であって、前記第1部位(15)の周りに位置し、
前記発光素子(18;18A、B、C、D)は、前記光学センサ(13)の前記第1部位及び前記第2部位(15、16)の1つの部位に位置し、
前記受光素子(30;30A、B、C、D)は、前記第1部位及び前記第2部位(15、16)の他の部位に位置し、
前記センサは、前記素子(18、30;18A、B、C、D;30A、B、C、D)によって生成及び受光が行われる光の遮断によって動作することを特徴とする請求項1に装置。
【請求項3】
前記光学センサ(13)は、第1固定部位(15)及び第2固定部位(16)を備え、
前記第1部位(15)は、前記回転部材(5)と同軸上に位置し、
前記第2部位(16)は、環状であって、前記第1部位(15)の周りに位置し、
前記発光素子(18;18A、B、C、D)及び前記受光素子(30;30A、B、C、D)は、いずれも前記光学センサ(13)の前記第1部位と前記第2部位(15、16)の1つの同一の部位に位置し、他の部位に反射素子が付随し、
前記光学センサ(13)は、この反射による方法で動作することを特徴とする請求項1に装置。
【請求項4】
前記発光素子(18;18A、B、C、D)及び前記受光素子(30;30A、B、C、D)は、いずれも前記光学センサ(13)の前記固定部位(16)に位置し、
前記糸は、前記回転部材(5)から引き出されることによって、この後者の前を摺動することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記光学センサ(13)の前記第1部位(15)は、前記糸(F)が引き出される前記回転部材(5)の端部を超えて配置され、前記装置のケーシング(2)によって支持され、
前記第1部位は、透明な表面(22)とともに設けられている発光部(18;18A、B、C、D)を含む本体部(17)を有し、
この後者の前に、前記受光素子(30;30A、B、C、D)を含む前記センサの前記第2部位(16)の対応する透明部(26)が存在することを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記回転ドラム(5)は、中空駆動シャフト(6A)を介して電動モータ(6)によって駆動され、
前記光学センサ(13)の前記第1部位(15)のための支持部材(19)は、前記シャフト(6A)を通って挿入され、前記部位に存在する発光素子及び/又は受光素子(18、30;18A、B、C、D;30A、B、C、D)のそれぞれと電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記固定ドラムは、糸の経路としての中空シャフトによって貫通させられ、
前記中空シャフトは、前記光学センサ(13)を制御する電気信号の伝送も行うことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記回転ドラム(5)の前記モータ(6)に付随し、前記制御ユニット(35)に接続されて、この後者が前記回転部材の正確な空間的位置を特定できるようにするエンコーダを備えることによって、測定結果の分解能が前記エンコーダの分解能に近い値に増加することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
各発光素子(18;18A、B、C、D)は、選択的に光線を生成して単純なバリアとして動作する、あるいは、光ビームを生成して光線内の前記糸の存在及び摺動の両方を監視できるようにすることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記光信号、光線、又は光ビームが対になった状態で重ね合わされることによって、光学センサ(13)を光学的なエンコーダとして動作させることができることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
ケーシング(2)を有し、自身のモータ(6)によって駆動される回転ドラムを備える貯蔵供給装置によって糸(F)を繊維機械に供給する方法であって、
前記モータは、マイクロプロセッサのタイプであることが望ましい制御ユニット(35)によって指令及び制御が行われ、
前記糸は、ドラムに巻き(7)の形で巻き付けられ、
前記ユニットは、前記糸(F)の動きを感知するために配置された光学センサ部材(13)に接続され、
前記光学センサの少なくとも1つの部位(16)に付随している発光素子及び受光素子(18、30)によって生成及び受光が行われる複数の光信号が、ドラム(5)の出口で前記糸(F)によって遮断され、
前記部位(16)は、前記回転ドラムに対して環状に位置し、
前記制御ユニット(35)は、前記光信号の遮断の順序に基づいて、前記供給装置の動作の段階、すなわち、前記糸(F)が前記繊維機械に供給されているか、又は、前記糸が前記ドラム(5)に蓄積されているかを判定し、
前記制御ユニット(35)は、前記回転ドラム(5)の速度及び位置の計測及び調整を行い、これに基づいて、
前記ドラム(5)へ蓄積される糸(F)の量をカウントし、
前記繊維機械によって引き出される糸の量を算出し、
前記機械によって引き出された後に前記ドラム上に残っている糸(F)の量の計測を行うことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−104162(P2013−104162A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−247773(P2012−247773)
【出願日】平成24年11月9日(2012.11.9)
【出願人】(596111896)ビ.ティ.エッセ.エルレ.インターナショナル ソチエタ ペル アチオーニ (8)
【Fターム(参考)】