説明

改良表示装置

電気泳動表示装置のような移動粒子表示装置を駆動するシステムが記載される。表示装置は、目標光学状態に設定されセルの目標光学外観を提供する第1及び第2のセル(30)を有する。第1及び第2のセルは互いに異なる方法で駆動されるので、第1のセルの目標光学状態の誤差は、第2のセルの目標光学状態の誤差と反対方向に生じる。従って、表示装置の閲覧者がセルを離れた所から見ると、第1及び第2のセルからの光は一緒に混合され、光学状態の誤差は互いに補償又は打ち消し合う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動粒子表示装置に関し、より詳細には当該表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気泳動表示装置のような従来の移動粒子表示装置は、例えば特許文献1から長年知られている。
【0003】
電気泳動表示装置の基本原理は、表示装置に入れられた電気泳動材料の外観が電界により制御可能であることである。このため電気泳動材料は、標準的に、液体のような流動体に含まれる第1の光学的外観(例えば、黒)を有する帯電粒子、又は当該第1の光学的外観と異なる第2の光学的外観(例えば、白)を有する空気を有する。表示装置は、標準的に、複数の画素を有する。各画素は、電極装置により供給される別個の電界により別個に制御可能である。粒子は、従って、電界により可視位置と不可視位置、場合によっては半可視位置の間を移動可能である。それにより、表示装置の外観が制御可能である。粒子の不可視位置は、例えば液体の底又は黒色マスクの背後であってよい。
【0004】
粒子が電気泳動材料を通じて移動する距離は、印加電界の時間に関する積分に略比例する。従って、電界強度が強いほど、電界は長く印加され、粒子は更に移動するだろう。
【0005】
例えば最近の電気泳動表示装置の設計は、E Ink社により特許文献2に記載されている。インプレーン(In−plane)型面内電気泳動表示装置は、表示装置基板の横方向の電界を用い、閲覧者から隠されたマスクされた領域から可視領域へ粒子を移動させる。可視領域へ/から移動された粒子の数が多いほど、可視領域の光学的外観の変化が大きい。出願人の国際出願WO2004/008238は、インプレーン型電気泳動表示装置の一例を記載している。
【0006】
標準的に、移動粒子表示装置の極端な光学状態(例えば、黒及び白)は、全ての粒子が1つの特定の電極へ引き付けられることにより、良好に定められる。しかしながら、中間の光学状態(グレー階調)では、粒子間に常に空間的広がりがある。
【0007】
電気泳動表示装置のグレースケール又は中間の光学状態は一般的に、電気泳動材料全域に粒子を空間的に分布させるために、特定の時間期間の間、電圧パルスを印加することにより提供される。しかしながら、電気泳動材料内の粒子の実際の位置を正確に制御し及び追跡することが非常に困難である、及び小さな空間的変位でも目に見えるグレースケールの歪みを生じてしまうという根本的な問題がある。このような空間的変位は、印加電圧の誤差により、及び電気泳動材料の温度変化により、簡単に生じうる。印加電界の誤差は、粒子が感知する電界強度を変化させ、結果として粒子を意図しているよりも多く又は少なく移動させてしまう。電気泳動材料の温度変化は、当該材料の粘度を変化させ、結果として粒子が移動する速度を変えてしまう。粒子の速度は、最終的な粒子位置を定める重要な要素である。従って表示装置の出力は、表示装置の温度が変化すると有意に変化してしまう。
【0008】
更に、表示装置に連続的なグレー階調を割り当てることは、グレー階調誤差を生じ、連続する粒子位置の誤差を通じて積算されてしまう。
【0009】
出願人の国際公開WO2004/034366は、レール安定化手法を用いることにより、グレー階調の精度が改善されることを記載している。レール安定化手法では、グレー階調が常に良好に定められたリセット状態、標準的には全ての粒子が1つの特定の電極に引き付けられる1つの極端な状態(つまり、レール)を介してアドレス指定される。当該手法の利点は、中間状態があまり良好に定められないのと対照的に、極端な状態が安定しており且つ良好に定められることである。極端な状態は、従って、各グレースケールの遷移に、基準状態として用いられる。従って、この方法を用いることにより、初期粒子位置が分かっているので、各グレー階調の不確実性は、理論上は当該特定のグレー階調の実際のアドレス指定にのみ依存する。
【特許文献1】米国特許第3612758号明細書
【特許文献2】国際公開第99/53373号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、この形式の表示装置は、電気泳動媒体内の粒子の実際の位置を正確に制御し及び追跡することが非常に困難である、及びグレースケール又は中間光学状態の正確な設定を行うことが困難であるという根本的な欠点がある。
【0011】
従って、本発明の目的は、従来技術を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様によると、表示装置を駆動する方法が提供される。当該方法は、前記表示装置は第1及び第2のセルの少なくとも1つの対を有し、前記対の第1及び第2のセルは互いに隣接して位置付けられ、各セルは:
−移動可能帯電粒子;
−格納領域であって前記格納領域内へ少なくとも幾つかの前記帯電粒子が移動する格納領域;
−ゲート領域であって前記ゲート領域内へ少なくとも幾つかの前記帯電粒子が移動するゲート領域;
−表示領域であって前記表示領域内へ少なくとも幾つかの前記帯電粒子が移動する表示領域;を有し、前記表示領域内の帯電粒子の数は前記セルの光学状態を定め;
前記方法は:
−前記第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルの格納領域へ電気的に引き付けることにより、前記対の前記第1のセルを格納モードに設定する段階;
−前記第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルのゲート領域へ電気的に引き付けることにより、前記対の前記第2のセルをゲート・モードに設定する段階;
−表示数の前記第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルの格納領域から前記第1のセルのゲート領域へ、次に前記第1のセルのゲート領域から前記第1のセルの表示領域へ電気的に引き付けることにより、前記第1のセルを前記格納モードから目標光学状態に設定する段階;及び
−余剰数の前記第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの格納領域へ電気的に引き付け、前記第2のセルのゲート領域内に表示数の前記第2のセルの帯電粒子を残し、次に前記第2のセルの表示数の粒子を前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの表示領域へ電気的に引き付けることにより、前記第2のセルを前記ゲート・モードから目標光学状態に設定する段階、を有する。
【0013】
第1の態様により、意図されたより多くの又は少ない数の粒子が格納領域とゲート領域の間を移動することによる、セル内の光学状態の誤差は、閲覧者がセルを見たときに、互いに実質的に除去し合うよう見える。これは、表示数の粒子が、第1のセルではある方法を用いて設定され、第2のセルでは別の方法を用いて設定されるからである。第1のセルでは、表示数はゲート領域へ粒子を移動することにより設定される。一方で、第2のセルでは、表示数はゲート領域から粒子を移動することにより設定される。従って、両方のセルに共通の変化(例えば温度上昇)が生じた場合、及び当該変化により予定より多くの粒子が格納領域からゲート領域へ移動した場合、第1のセルの表示数の粒子は増大し(より多くの粒子がセルのゲート領域へ移動するからである)、第2のセルの表示数の粒子は減少する(より多くの粒子がセルのゲート領域から移動するからである)。従って、各セルの表示数の粒子がセルの表示領域へ移動した後、第1のセルの表示領域は意図されたより多数の第1のセルの粒子を有し、第2のセルの表示領域は意図されたより少数の第2のセルの粒子を有する。2つのセルを離れた所から見ると、当該2つのセルのそれぞれからの光は統合されるので、ユーザーは実際には当該2つのセルが両方とも元来意図された数と実質的に同一の表示数の粒子を有するかのように見せる光を感知する。従って、本発明により、個々のセル内の光学状態の誤差は、表示装置を閲覧する閲覧者には非常に小さくしか見えないので、目に見えるグレー階調の精度は大きく改善される。
【0014】
有利なことに、第1の態様の方法の段階は、第1及び第2のセルが重複する時間期間の間、当該セルの光学状態に設定され、閲覧者がセルを見たときに光学状態の誤差の見かけ上の打ち消しを向上すような順序で実行されてよい。
【0015】
更に、当該方法の段階は繰り返され、前記第1のセルは前記第2のセルであるかのように駆動され、前記第2のセルは前記第1のセルであるかのように駆動される。このような駆動方式の逆転は、粒子が1つの位置に「貼り付く」のを防ぎ、又は不要な残留電圧が表示装置の構造内で増加するのを防ぎうる。
【0016】
更に望ましくは、各セルはセル電極を有する。セル電極は格納電極、ゲート電極、及び表示電極を有する。各セルの格納電極、ゲート電極、及び表示電極は、それぞれセルの格納領域、ゲート領域、及び表示領域と関連付けられる。格納電極、ゲート電極、及び表示電極は、駆動回路により駆動可能であり、各セルの種々の領域内に電界を生じさせ、それにより各セルの帯電粒子の動きを制御する。この構成は、セルを駆動するために3つの電極(格納、ゲート、表示)しか必要ないので有利である。同様の構成は、出願人の米国特許出願US60/726854(出願人参照番号PH002317)に記載されている。
【0017】
代替のセル電極構成が用いられてもよい。例えば、単一の表示電極が複数の表示電極を置き換え、表示領域全体の粒子の分布を改善するか、又は表示領域を通じて粒子が移動する速度を改善してもよい。
【0018】
粒子が移動する距離は、標準的に時間に関する電界の積分に依存する。従って、望ましくは種々のセル電極が駆動され、特定の時間長の間、特定の電界強度を生じることにより、所要数の粒子がセルの種々の領域間を移動する。
【0019】
有利なことに、当該方法の表示装置は、行及び列の配列に配置されたセルの複数の対を有してよい。偶数に番号付けされた行を形成するセルは第1のセルとして駆動され、奇数に番号付けされた行を形成するセルは第2のセルとして駆動されてよい。この構成は、第1及び第2のセルを駆動するために必要な回路を簡単にしうる。代案として、各行のセルは第1又は第2のセルとして駆動されるセルが交互に並べられてよく、各列のセルは第1又は第2のセルとして駆動されるセルが交互に並べられてよく、それにより第1及び第2のセルの構成を市松模様のように形成する。当該構成の利点は、第1のセルのそれぞれが4つの直接隣接する第1のセル及び4つの直接隣接する第2のセルを有することである。従って、第1及び第2のセルの間の光学状態の誤差の見かけ上の打ち消し合いが改善される。第1及び第2のセルを配列に構成する他の類似の方法も当業者に明らかであろう。
【0020】
本発明の第2の態様によると、表示装置が提供される。当該装置は第1及び第2のセルの少なくとも1つの対を有し、前記対の第1及び第2のセルは互いに隣接して位置付けられ、各セルは:
−移動可能帯電粒子;
−格納領域であって前記格納領域内へ少なくとも幾つかの前記帯電粒子が移動する格納領域;
−ゲート領域であって前記ゲート領域内へ少なくとも幾つかの前記帯電粒子が移動するゲート領域;
−表示領域であって前記表示領域内へ少なくとも幾つかの前記帯電粒子が移動する表示領域;を有し、前記表示領域内の帯電粒子の数は前記セルの光学状態を定め;
前記装置はアドレス電極及び電子駆動回路を更に有し、前記駆動回路は前記アドレス電極を駆動することにより:
−前記第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルの格納領域へ電気的に引き付けることにより、前記対の前記第1のセルを格納モードに設定し;
−前記第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルのゲート領域へ電気的に引き付けることにより、前記対の前記第2のセルをゲート・モードに設定し;
−表示数の前記第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルの格納領域から前記第1のセルのゲート領域へ、次に前記第1のセルのゲート領域から前記第1のセルの表示領域へ電気的に引き付けることにより、前記第1のセルを前記格納モードから目標光学状態に設定し;及び
−余剰数の前記第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの格納領域へ電気的に引き付け、前記第2のセルのゲート領域内に表示数の前記第2のセルの帯電粒子を残し、次に前記第2のセルの表示数の粒子を前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの表示領域へ電気的に引き付けることにより、前記第2のセルを前記ゲート・モードから目標光学状態に設定する。
【0021】
第2の態様により、意図されたより多くの又は少ない数の粒子が格納領域とゲート領域の間を移動することによるセル内の光学状態の誤差が、閲覧者がセルを見たときに、互いに実質的に除去し合うよう見える表示装置が提供される。
【0022】
有利なことに、当該表示装置は、行及び列の配列に配置された第1及び第2のセルの複数の対を有してよい。例えば、標準的な表示装置は、数百又は数千個ものセルの対を有してよい。セルは、駆動回路により駆動される行及び列アドレス電極により制御されてよい。
【0023】
更に、表示装置は、透過型、反射型、又は透過反射型表示動作を可能にする+インプレーン型電気泳動表示装置のような電気泳動表示装置であってよい。
【0024】
本発明の第3の態様によると、電子駆動回路が提供される。当該電子駆動回路は、本発明の第2の態様の表示装置のアドレス電極を駆動することにより:
−前記第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルの格納領域へ電気的に引き付けることにより、前記対の前記第1のセルを格納モードに設定し;
−前記第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルのゲート領域へ電気的に引き付けることにより、前記対の前記第2のセルをゲート・モードに設定し;
−表示数の前記第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルの格納領域から前記第1のセルのゲート領域へ、次に前記第1のセルのゲート領域から前記第1のセルの表示領域へ電気的に引き付けることにより、前記第1のセルを前記格納モードから目標光学状態に設定し;
−余剰数の前記第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの格納領域へ電気的に引き付け、前記第2のセルのゲート領域内に表示数の前記第2のセルの帯電粒子を残し、次に前記第2のセルの表示数の粒子を前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの表示領域へ電気的に引き付けることにより、前記第2のセルを前記ゲート・モードから目標光学状態に設定する。
【0025】
本願明細書では、セルを駆動するために異なる駆動方法が用いられるため、各対の第1及び第2のセルは単に第1及び第2のセルとして参照される。第1のセルを第2のセルであるかのように駆動することにより、第1のセルは効果的に第2のセルになることが可能である。第1及び第2のセルの物理的構造は同一であってもよく、又は例えば異なるアドレス電極接続を有するために異なってもよい。
【0026】
更に、本発明の特徴は、例として限定でない以下の図から明らかになるだろう。
【0027】
図中の同一の参照符号は同一又は同様の特徴を示す。図は実物の縮尺と異なり、従って相対的寸法/時間期間は図から導出し得ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1は、本発明の実施例による、移動粒子表示装置を駆動する方法のフロー図を示す。移動粒子表示装置は、標準的にそれぞれ第1又は第2のセル対を形成する数百又は数千個の移動粒子セルを有する。各セルは、移動可能な帯電粒子を有し、格納領域であって当該格納領域へ少なくとも幾つかの移動可能帯電粒子が移動しうる格納領域、ゲート領域であって当該ゲート領域へ少なくとも幾つかの移動可能帯電粒子が移動しうるゲート領域、及び表示領域であって当該表示領域へ少なくとも幾つかの移動可能帯電粒子が移動しうる表示領域、を有する。セルの表示領域は、セルの光学状態を定めるセル領域である。光学状態は、セルの表示領域内に存在する(移動可能帯電)粒子の数により定められる。セルのゲート領域は、粒子が当該ゲート領域から表示領域へ移動するセル領域である。セルの格納領域は、セルの粒子が一時的に格納される領域であり、標準的に表示領域内で必要ない余剰粒子を格納するために用いられる。
【0029】
段階10で、セルの実質的に全ての粒子が電気的にセルの格納領域へ引き付けられることにより、ある対の第1のセルは格納モードに設定される。格納モードの語は、本願明細書を通じて、実質的に全ての粒子を格納領域内に有するセルを示すために用いられる。
【0030】
段階12で、セルの実質的に全ての粒子が電気的にセルのゲート領域へ引き付けられることにより、第2のセルはゲート・モードに設定される。ゲート・モードの語は、本願明細書を通じて、実質的に全ての粒子をゲート領域内に有するセルを示すために用いられる。
【0031】
段階14で、表示数の粒子は第1のセルの格納領域からセルのゲート領域へ引き付けられ、次にゲート領域から表示領域へ引き付けられ、それによりセルを目標の光学状態に設定する。表示数のセルの粒子は、セルの光学状態を設定するために、セルの表示領域へ転送されるセルの粒子の数/比である。
【0032】
段階16で、余剰数の粒子は第2のセルのゲート領域からセルの格納領域へ引き付けられ、セルのゲート領域内に表示数の粒子が残される。次に、ゲート領域内の表示数の粒子は、表示領域へ引き付けられ、それによりセルを目標光学状態に設定する。余剰数のセルの粒子は、セルのゲート領域内に表示数の粒子を残すために、セルのゲート領域からセルの格納領域へ転送されるセルの粒子の数又は比である。他の実施例では、これらの方法の段階は、異なる順序で又は互いに同時に実行されてよい。例えば、別の実施例では、第2のセルがゲート・モードに設定されるのと同時に、第1のセルは格納モードに設定される。次に、第1のセルの表示数の粒子は、セルのゲート領域へ移動する。次に、第2のセルの余剰数の粒子は、セルの格納領域へ移動する。そして次に、各セルのゲート領域内の表示数の粒子は、各セルの表示領域へ同時に移動する。
【0033】
図2は、図1の方法での使用に適した電気泳動セル20の図を示す。図は、不透明な白色流動体212及び移動可能な黒色帯電粒子28により満たされた単一のセル20の断面図を示す。粒子28の動きを制御するため、セル20はセル電極を有する。セル電極は、透明な表示電極22、ゲート電極24、及び格納電極26を有するセルは方向210から見られる。全ての黒色粒子が格納電極26の領域の下部にあり、不透明な白色流動体212により視界が覆い隠されるので、セルの現在の光学状態は白である。
【0034】
セル20が第1のセルとして駆動される場合、黒色粒子28の表示数はゲート電極24の領域へ、次に不透明な表示電極22へ引き付けられ、方向210から見たときにセルに黒色の光学状態又はグレーの陰影を与える。
【0035】
セルが第2のセルとして駆動される場合、先ず全ての粒子28はゲート電極24の領域に引き付けられ、セルをゲート・モードに設定する。余剰数の粒子28は格納電極26の領域へと下方に引き付けられ、ゲート電極24の領域内に表示数の粒子28が残される。次に、表示数の粒子28は透明表示電極22へと上方へ引き付けられ、方向210から見たときに、セルは黒色又はグレーの陰影の光学状態である。
【0036】
セルが黒色又はグレーの陰影として見えるかは、表示電極22へ移動する粒子の数に明らかに依存する。従って、表示数の粒子が多いほど、セルの光学状態は黒色に近付く。
【0037】
別の実施例では、異なる色の光学状態を与えるために、流動体及び粒子の色は上述のものと異なる。
【0038】
図3は、図1の方法での使用に適したインプレーン型電気泳動セルの図を示す。図はインプレーン型電気泳動セル30の断面図を示す。当該セル30は、透明な流動体及び移動可能な黒色帯電粒子38により満たされる。セル30はセル電極を有する。セル電極は、透明な表示電極32、ゲート電極34、及び格納電極36を有する理解のため、図には2つの破線が描かれ、格納領域314、ゲート領域316、及び表示領域318の間の区分がある場所を大まかに示している。光源312が表示領域318の下に位置付けられるので、セルは透過的に動作する。全ての粒子28がセルの格納領域314内にあるので、セルは現在格納モードである。従って、如何なる黒色粒子も表示領域318内に存在しないので、セルは透過な光学状態を有する。それにより、方向310からセルを見ると、光源312からの白色光が見える。
【0039】
セル30が第1のセルとして駆動される場合、黒色粒子38の表示数は格納電極の領域314からゲート電極34の領域316へ、次に透明な表示電極32の領域318へ引き付けられ、表示数の粒子は光源312からの光を覆い隠し、方向310から見たときにセルは黒色又はグレーの陰影に見える。
【0040】
セルが第2のセルとして駆動される場合、先ず全ての粒子38はゲート電極34の領域316に引き付けられ、セルをゲート・モードに設定する。余剰数の粒子38は格納電極36の領域314へ引き付けられ、ゲート電極34の領域316内に表示数の粒子38が残る。次に、表示数の粒子38は透明表示電極32へ引き付けられ、光源312からの光を覆い隠し、方向310から見たときにセルは黒色又はグレーの陰影になる。
【0041】
セルが黒色又はグレーの陰影として見えるかは、表示電極32の領域へ移動する粒子の数に明らかに依存する。表示数の粒子が多いほど、光源312からの白色光の多くが覆い隠され、方向310から見たときにセルがより黒色に近く見える。
【0042】
他の実施例では、光源312及び粒子38の色は上述の色と異なってよい。例えば、3つのセル対として扱われる6個のセルを有する実施例では、第1のセル対は下に赤色光源を有し、第2のセル対は下に緑色光源を有し、第3のセル対は下に青色光源を有する。6個のセル全ての粒子が黒色であり、従って6個のセルが一緒に単一のRGB色画素を構成する。
【0043】
図3のインプレーン型電気泳動セルは、光源312を反射面、例えば透明導体32の下に置かれた白色面で置き換えることにより変更され、透過的動作の代わりに反射を提供してよい。従って、如何なる黒色粒子も表示領域内に存在しない場合にセルは白色に見え、複数の黒色粒子が表示領域内に存在する場合にセルは黒色又はグレーの陰影に見える。
【0044】
図4は、図1の方法での使用に適した、図3の電気泳動セルの2つの対の図を示す。簡単のため、これらのセルは反射型セルである。つまり、セルが透明な光学状態を有するときに当該セルは白色に見え、セルが黒色又はグレーの陰影の反射光学状態を有するときに当該セルは黒色又はグレーの陰影に見える。簡単のため図4に示されないが、反射器は透明表示電極D1−D4の下に置かれる。他の実施例では、表示電極自体は透明ではなく反射型であり、別個の反射器の必要を除去する。
【0045】
図4では、セル41及び42は1つのセル対を形成し、セル43及び44は別のセル対を形成する。各セルはセル電極を有する。セル電極は、格納電極(S1−S4)、ゲート電極(G1−G4)、及び表示電極(D1−D4)を有する。セル電極D1−D4は全てアドレス電極(Disp)と接続される。
【0046】
各セル内の移動可能粒子は負に帯電され、従って高位の正の電位、つまり印加電界と反対方向へ向かって移動する。例えば、アドレス電極Dispは高位電位に駆動され、各セルのゲート領域から各セルの表示領域へ粒子を移動する(引き付ける)。
【0047】
セル電極G1、S2、S3、及びG4は全て0Vに接続される。セル電極S1、G2、G3、及びS4は、アクティブ切り替え回路及び行と列のアドレス電極を有するアクティブ・マトリックスを用いそれぞれ別個に制御される。アクティブ・マトリックスは簡単のため図4に示されないが、図5に示され以下に詳細に説明される。セル41及び44は第1のセルとして駆動され、正電圧をS1及びS4に印加することにより格納モードに設定され、それによりセルの粒子S1及びS4を引き付ける。セル42及び43は第2のセルとして駆動され、正電圧をG2及びG3に印加することによりゲート・モードに設定され、それによりセルの粒子G2及びG3を引き付ける。更に、セルを格納モード又はゲート・モードに設定するとき、アドレス電極Dispは負電圧で駆動され、それによりセルの表示領域からセルのゲート領域へ粒子を引き付ける。
【0048】
図4では、第1及び第2の各セル対は、互いに直接隣接しているように示される。代案として、第1及び第2の各セル対は、他のセルにより互いに離れていてもよい。この場合でも、離れた所からセルを見たとき第1及び第2のセルからの光が依然として統合されて見え、従ってセルの光学状態の誤差が依然として互いに保証するように見えるので、第1及び第2のセルは依然として互いに隣接していると考えられる。
【0049】
図5は、図4の2対の電気泳動セルを組み込んだ、本発明の実施例による表示装置の回路図を示す。回路図は、セル電極S1、G2、G3、G4に印加する電位を制御するために用いられる、電子駆動回路50及びアドレス電極Row1、Row2、Col1、Col2を有する。電子駆動回路50は、アドレス電極Row1、Row2を駆動する行駆動装置52、及びアドレス電極Col1、Col2を駆動する列駆動装置54を有する。
【0050】
薄膜トランジスタ(TFT)T1−T4は、アドレス電極Row1、Row2により制御されるアクティブ・スイッチとして用いられ、アドレス電極Col1及びCol2の電圧をセル電極S1、G2、G3、S4に選択的に印加する。キャパシタCs1−Cs4は、対応するTFTがオフに切り替えられた後も、印加された列電圧をセル電極S1、G2、G3、S4に維持するのを助けるために用いられる。更なる実施例(示されない)では、アドレス電極は、S1、G2、G3、S4を制御するためにアクティブ・スイッチング回路を制御せず、受動型マトリックスの部分を形成する。例えば、受動型マトリックスでは、当業者に明らかなように、セル電極はアドレス電極に直接接続されてよい。
【0051】
駆動回路50は、表示基板上のTFT装置、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は当業者に明らかなように特定の方法でアドレス電極を駆動する駆動信号を生成する如何なる他の回路であってよい。
【0052】
図6は、図5の表示装置を駆動する、本発明の実施例によるタイミング図を示す。タイミング図は、アドレス電極Disp、Row1、Row2、Col1、Col2に印加される電圧波形を示し、更に各セルの格納領域とゲート領域との間に結果として生じる粒子の分布も示す。線PG41−44は個々のセル41―44のゲート領域内の粒子数を示す。線PS41−44は個々のセル41―44の格納領域内の粒子数を示す。例えば、時間期間64の始めに、線PG41はセル41の粒子の33%がセル41のゲート領域内にあることを示し、線PS41はセル41の粒子の66%がセル41の格納領域内にあることを示す。時間期間64の終わりに、ゲート領域PG41内の粒子数は0%に降下し、一方で格納領域PS41内の粒子数は66%のままである。これは表示粒子の33%がセル41の表示領域へ移動していることを示す。
【0053】
タイミング図は、行及び列が駆動され、第1のセル対41及び42を33%のグレー階調の目標光学状態に駆動すること(つまり、セルの移動黒色粒子の33%をセルの表示領域へ移動させることにより透明から黒色までの途中33%)、及び第2のセル対43及び44を66%のグレー階調の目標光学状態に駆動すること(つまり、セルの黒色粒子の66%をセルの表示領域へ移動させることにより透明から黒色までの途中66%)を示す。先ず、時間期間60中、第1のセル(41、44)の全てが格納モードに設定され、第2のセル(42、43)の全てがゲート・モードに設定される。これを行うため、Disp電極は負電圧に設定され、各セル毎にセルの格納電極又はゲート電極の一方が正電圧に設定される。従って、各セルの負に帯電された粒子は、正電圧に設定されたセルの電極へ移動する。例えば、時間期間60の終わりに、線PS41は、セル41の粒子の100%がセル41の格納領域内にあること、つまりセル41が格納モードであることを示す。
【0054】
次に、時間期間62中、列Col1、Col2は電極S1、G2、G3、S4に設定された電圧で駆動され、行Row1、Row2はパルスで駆動され各セルのTFTを適切な時にオンに切り替える。例えば、セル41は電極S1、G1、D1を有し、ゲート電極G1は0Vに接続され、格納電極S1はRow1及びCol1により制御される。図6に示されるように、Row1は第1の時間に高位のパルスを供給され、T1は電極S1を負のCol1電圧に接続し、S1をG1より低い電位に設定し、粒子を格納領域PS41からゲート領域PG41へ移動させる。負の列電圧は、Row1の電圧が降下しT1がオフに切り替わった後でも、キャパシタCs1により格納電極S1に保持される。次に、Row1が第2の時間に高位パルスを供給され、T1は電極S1を0VのCol1電圧に接続し、S1をG1と同じ電圧に設定し、従って更なる粒子の移動を停止する。
【0055】
セル43の場合には、第1及び第2のRow1のパルスの両方が電極G3に印加されるべき負電位を生じ、粒子の移動は更に長い時間期間の間継続し、結果としてより多くの粒子数がゲート領域と格納領域との間を移動する。従って、各セルのゲート領域と格納領域との間を移動する粒子数(及び従ってセルの光学状態)は、負電圧が当該セルのゲート電極又は格納電極に印加される行パルスの数により制御されてよい。
【0056】
時間期間62の終わりに、セル41及び42はゲート領域内に33%の粒子を有し、セル43及び44はゲート領域内に66%の粒子を有する。セル41及び44は第1のセルであり、従って格納モードに設定され次に表示数の粒子を格納領域からゲート領域へ移動させることによりこの状態に達する。セル42及び43は第2のセルであり、従ってゲート・モードに設定され次に余剰粒子数をゲート領域から格納領域へ移動させることによりこの状態に達する。
【0057】
時間期間64中、電極Dispは高位に駆動され、各セルのゲート領域内の粒子をセルの表示領域に引き付ける。各セルの格納領域内の粒子数は、如何なる有意な電界もゲート電極と格納電極との間に存在しないときから同一に維持される。時間期間64の終わりまでに、各セルの表示数の粒子はセルの表示領域へ移動され、それにより各セルを当該セルの目標光学状態に設定する。
【0058】
例えば温度の低下、列電圧の大きさの減少、又は0V電位の負のオフセットにより、全てのセルの粒子が予想よりゆっくり移動した場合、時間期間62中の線PG41−PS44の勾配は減少する。これは、セル41の33%より少ない粒子をセル41の表示領域に移動させ、セル42の33%より多い粒子をセル42の表示領域に移動させる。従って、セル41は意図されたより黒から離れた光学状態を有し、セル42は意図されたより黒に近い光学状態を有する。従って、セル41及び42を離れた所から見たとき、各セルからの光は統合されて見え、従ってこれらのセルの両方は一緒になって正しい光学状態、つまり33%のグレー階調を有するかのように見える。従って、遅い粒子移動による誤差は互いに効果的に打ち消し合う。
【0059】
以上では、電気泳動表示装置のような移動粒子表示装置を駆動するシステムが記載された。表示装置は、目標光学状態に設定されセルの目標光学外観を提供する第1及び第2のセルを有する。第1及び第2のセルは互いに異なる方法で駆動されるので、第1のセルの目標光学状態の誤差は、第2のセルの目標光学状態の誤差と反対方向に生じる。従って、表示装置の閲覧者がセルを離れた所から見ると、第1及び第2のセルからの光は一緒に混合され、光学状態の誤差は互いに補償又は打ち消し合う。
【0060】
本願明細書に記載されたセル構成及び駆動方式には多くの変形が存在し、当業者に明らかなように、これらの変形も添付の特許請求の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施例による、表示装置を駆動する方法のフロー図を示す。
【図2】図1の方法での使用に適した電気泳動セルの図を示す。
【図3】図1の方法での使用に適したインプレーン型電気泳動セルの図を示す。
【図4】図1の方法での使用に適した、2対の図3の電気泳動セルの平面図を示す。
【図5】図4の2対の電気泳動セルを組み込んだ、本発明の実施例による表示装置の回路図を示す。
【図6】図5の表示装置を駆動する、本発明の実施例によるタイミング図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置を駆動する方法であって、前記表示装置は第1及び第2のセルの少なくとも1つの対を有し、前記対の第1及び第2のセルは互いに隣接して位置付けられ、各セルは:
−移動可能帯電粒子;
−格納領域であって前記格納領域内へ少なくとも幾つかの前記帯電粒子が移動する格納領域;
−ゲート領域であって前記ゲート領域内へ少なくとも幾つかの前記帯電粒子が移動するゲート領域;
−表示領域であって前記表示領域内へ少なくとも幾つかの前記帯電粒子が移動する表示領域;を有し、前記表示領域内の帯電粒子の数は前記セルの光学状態を定め;
前記方法は:
−前記第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルの格納領域へ電気的に引き付けることにより、前記対の前記第1のセルを格納モードに設定する段階;
−前記第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルのゲート領域へ電気的に引き付けることにより、前記対の前記第2のセルをゲート・モードに設定する段階;
−表示数の前記第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルの格納領域から前記第1のセルのゲート領域へ、次に前記第1のセルのゲート領域から前記第1のセルの表示領域へ電気的に引き付けることにより、前記第1のセルを前記格納モードから目標光学状態に設定する段階;及び
−余剰数の前記第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの格納領域へ電気的に引き付け、前記第2のセルのゲート領域内に表示数の前記第2のセルの帯電粒子を残し、次に前記第2のセルの表示数の粒子を前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの表示領域へ電気的に引き付けることにより、前記第2のセルを前記ゲ―ト・モードから目標光学状態に設定する段階、を有する方法。
【請求項2】
前記方法の段階は、少なくとも部分的に重複する時間期間の間、前記第1及び第2のセルが当該セルの目標光学状態に設定される順序で実行する段階、を有する請求項1記載の方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法の段階を繰り返す段階、を更に有し、前記第1のセルは前記第2のセルであるかのように駆動され、前記第2のセルは前記第1のセルであるかのように駆動される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
各セルは、前記セルの格納領域と関連付けられた格納電極、及び前記セルのゲート領域と関連付けられたゲート電極を更に有し:
−前記表示数の前記第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルの格納領域から前記第1のセルのゲート領域へ電気的に引き付けることは、前記第1のセルの格納領域から前記第1のセルのゲート領域へ帯電粒子を引き付けるのに十分な駆動信号を、前記第1のセルの格納電極及びゲート電極の少なくとも1つに印加する段階を有し;及び
−前記余剰数の前記第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの格納領域へ電気的に引き付けることは、前記第2のセルの計数領域から前記第2のセルの貯蔵領域へ帯電粒子を引き付けるのに十分な駆動信号を、前記第2のセルの格納電極及びゲート電極の少なくとも1つに印加する段階を有する、請求項1乃至3の何れか1項記載の方法。
【請求項5】
−前記第1のセルの格納電極及びゲート電極の少なくとも1つに印加される前記駆動信号は、前記表示数の第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルのゲート領域へ引き付けるのに十分な時間長の間印加され;及び
−前記第2のセルの格納電極及びゲート電極の少なくとも1つに印加される前記駆動信号は、前記余剰数の第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルの格納領域へ引き付けるのに十分な時間長の間印加される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
各セルは、前記セルの表示領域と関連付けられた表示電極を更に有し:
−前記表示数の前記第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルのゲート領域から前記第1のセルの表示領域へ電気的に引き付けることは、前記第1のセルのゲート領域から前記第1のセルの表示領域へ帯電粒子を引き付けるのに十分な駆動信号を、前記第1のセルのゲート電極及び表示電極の少なくとも1つに印加する段階を有し;及び
−前記余剰数の前記第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの表示領域へ電気的に引き付けることは、前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの表示領域へ帯電粒子を引き付けるのに十分な駆動信号を、前記第2のセルのゲート電極及び表示電極の少なくとも1つに印加する段階を有する、請求項1乃至5の何れか1項記載の方法。
【請求項7】
−前記第1のセルのゲート電極及び表示電極の少なくとも1つに印加される前記駆動信号は、前記表示数の第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルの表示領域へ引き付けるのに十分な時間長の間印加され;及び
−前記第2のセルのゲート電極及び表示電極の少なくとも1つに印加される前記駆動信号は、前記表示数の第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルの表示領域へ引き付けるのに十分な時間長の間印加される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記表示装置は、行と列の配列に配置されたセルの複数の対を有し、偶数で番号付けされた行を形成する前記セルは第1のセルとして駆動され、奇数で番号付けされた行を形成する前記セルは第2のセルとして駆動される、請求項1乃至7の何れか1項記載の方法。
【請求項9】
前記表示装置は、行と列の配列に配置されたセルの複数の対を有し、各行の前記セルは第1のセル及び第2のセルとして駆動されるセルが交互に並べられ、各列の前記セルは第1のセル及び第2のセルとして駆動されるセルが交互に並べられる、請求項1乃至7の何れか1項記載の方法。
【請求項10】
表示装置であって、第1及び第2のセルの少なくとも1つの対を有し、前記対の第1及び第2のセルは互いに隣接して位置付けられ、各セルは:
−移動可能帯電粒子;
−格納領域であって前記格納領域内へ少なくとも幾つかの前記帯電粒子が移動する格納領域;
−ゲート領域であって前記ゲート領域内へ少なくとも幾つかの前記帯電粒子が移動するゲート領域;
−表示領域であって前記表示領域内へ少なくとも幾つかの前記帯電粒子が移動する表示領域;を有し、前記表示領域内の帯電粒子の数は前記セルの光学状態を定め;
前記装置は、アドレス電極及び電子駆動回路を更に有し、前記駆動回路は前記アドレス電極を駆動することにより:
−前記第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルの格納領域へ電気的に引き付けることにより、前記対の前記第1のセルを格納モードに設定し;
−前記第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルのゲート領域へ電気的に引き付けることにより、前記対の前記第2のセルをゲート・モードに設定し;
−表示数の前記第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルの格納領域から前記第1のセルのゲート領域へ、次に前記第1のセルのゲート領域から前記第1のセルの表示領域へ電気的に引き付けることにより、前記第1のセルを前記格納モードから目標光学状態に設定し;及び
−余剰数の前記第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの格納領域へ電気的に引き付け、前記第2のセルのゲート領域内に表示数の前記第2のセルの帯電粒子を残し、次に前記第2のセルの表示数の粒子を前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの表示領域へ電気的に引き付けることにより、前記第2のセルを前記ゲート・モードから目標光学状態に設定する、表示装置。
【請求項11】
各セルはセル電極を有し、前記セル電極は:
−前記セルの格納領域と関連付けられ、帯電粒子を前記セルの格納領域へ電気的に引き付ける格納電極;
−前記セルのゲート領域と関連付けられ、帯電粒子を前記セルのゲート領域へ電気的に引き付けるゲート電極;及び
−前記セルの表示領域と関連付けられ、帯電粒子を前記セルの表示領域へ電気的に引き付ける表示電極、を有する、請求項10記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示装置は電気泳動表示装置である、請求項10又は11記載の表示装置。
【請求項13】
前記電気泳動セルはインプレーン型電気泳動セルである、請求項12記載の電気泳動表示装置。
【請求項14】
前記表示装置は、行及び列の配列に配置された第1及び第2のセルの複数の対を有する、請求項10乃至13の何れか1項記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1のセルは偶数で番号付けされた行を形成し、前記第2のセルは奇数で番号付けされた行を形成し、前記駆動回路は前記アドレス電極を駆動することにより:
−前記第1のセルを前記格納モードと前記ゲート・モードの一方に設定し;
−前記第2のセルを前記格納モードと前記ゲート・モードの他方に設定し;
−前記第1及び第2のセルを前記格納モード及びゲート・モードから目標光学状態に設定する、請求項14記載の表示装置。
【請求項16】
各行の前記セルは第1及び第2のセルが交互に並べられ、各列の前記セルは第1及び第2のセルが交互に並べられ、前記駆動回路は前記アドレス電極を駆動することにより:
−前記第1のセルを前記格納モードと前記ゲート・モードの一方に設定し;
−前記第2のセルを前記格納モードと前記ゲート・モードの他方に設定し;
−前記第1及び第2のセルを前記格納モード及びゲート・モードから目標光学状態に設定する、請求項14記載の表示装置。
【請求項17】
電子駆動回路であって、請求項10乃至16の何れか1項記載のアドレス電極を駆動することにより:
−前記第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルの格納領域へ電気的に引き付けることにより、前記対の前記第1のセルを格納モードに設定し;
−前記第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルのゲート領域へ電気的に引き付けることにより、前記対の前記第2のセルをゲート・モードに設定し;
−表示数の前記第1のセルの帯電粒子を前記第1のセルの格納領域から前記第1のセルのゲート領域へ、次に前記第1のセルのゲート領域から前記第1のセルの表示領域へ電気的に引き付けることにより、前記第1のセルを前記格納モードから目標光学状態に設定し;
−余剰数の前記第2のセルの帯電粒子を前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの格納領域へ電気的に引き付け、前記第2のセルのゲート領域内に表示数の前記第2のセルの帯電粒子を残し、次に前記第2のセルの表示数の粒子を前記第2のセルのゲート領域から前記第2のセルの表示領域へ電気的に引き付けることにより、前記第2のセルを前記ゲート・モードから目標光学状態に設定する、電子駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−537857(P2009−537857A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510583(P2009−510583)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【国際出願番号】PCT/IB2007/051733
【国際公開番号】WO2007/132403
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】