説明

改質大気ろう材における拡散障壁

本出願は、2つのセラミック部分を、または1つのセラミック部分と1つの金属部分とを接合するための方法、ならびにそれにより形成される継手を開示する。該方法は、2つまたはそれ以上の部分、酸化銅と銀の混合物からなるろう材、拡散障壁を提供し、次いで、該2つまたはそれ以上の部分をひとつに固定する接着を該ろう材に形成させるために十分な時間および温度で、該ろう材を加熱する。拡散障壁は、ろう材の同種構成要素、ろう材の異種構成要素、ろう材に接する独立層、またはそれらの組み合わせのいずれかを形成する、酸化可能金属である。該酸化可能金属は、Al、Mg、Cr、Si、Ni、Co、Mn、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Au、ランタニド、およびそれらの組み合わせの群より選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックおよび耐酸化性金属の部分を接合するための方法に関する。より具体的には、本発明は、例えば大気等の酸化性雰囲気中で、セラミックおよび耐酸化性金属の部分を接合するための改良されたろう材組成物に関する。
【0002】
政府権限の陳述
本発明は、米国エネルギー省により裁定された契約書DE-AC0676RLO 1830に従って、政府の援助でなされたものである。政府は、本発明における、ある一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
セラミックおよび金属の部分の接合は、高温電気化学的用途で用いられる装置を製作する材料科学者が直面する重大な技術的課題のひとつであることが分かっている。金属部分をセラミック部分に接合する能力、またはセラミック部分を別のセラミック部分に接合する能力は、理論上は、安価で単純な形状のセラミック部分から複合セラミック構成要素を製造するため、および異質材料からなる構成要素の間の気密封止を提供するための経済的な方法を提供する。しかしながら、例えばガラス接合および活性金属ろう付等の多数の接合技術が、現在用いられるが、それぞれ、トレードオフのいくつかの形態を持っているか、あるいは、継手特性の観点におけるいくつかの不利益、加工処理の容易さ、および/またはコストを呈する。
【0004】
別の方法として、反応性大気ろう付(RAB)と称される単純で経済的な接合技術が、最近開発され、かつ数種の異なる基材を接合することに関して実証されている。J.S. Hardy、J.Y. Kim、K.S. Weilの「Joining Mixed Conducting Oxides Using An Air-Fired Electrically Conductive Braze」, J. Electrochem. Soc. Vol. 151, No. 8, pp. j43-j49(非特許文献1)、および米国特許第7,055,733号(特許文献1)に記載されるように、RABが、従来の活性金属ろう付に通常は付随する厳格な雰囲気制御を必要としないことから、RABは、従来の活性金属ろう付とは異なる。そうはせず、RAB技術はぬれを促進するための融剤または還元剤を使用せずに、大気中で直接行われる。
【0005】
RABのろう付用溶加材は、2種の成分、すなわち貴金属および酸化物化合物からなる。溶融貴金属に溶解した酸化物化合物が添加され、酸化物接合面を反応的に改質し、かつ残りの溶融溶加材が該接合面上をぬらすのを助ける。得られる継手は、接着性、延性、および耐酸化性である。銀(22.8 ppm/℃)と、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ、10.5 ppm/℃)等の典型的なセラミック構成要素との間の熱膨脹係数(CTE)に、著しい不整合があるにもかかわらず、貴金属、例えば銀の延性および伸展性のおかげで、このろう付を高温電気化学装置のために用いることができる。
【0006】
高温電気化学用途のための銀‐酸化銅(Ag-CuO)を主成分とする反応性大気ろう付系で確認されている、RAB技術のひとつの欠点は、高温脆化の形態をこうむるという銀の傾向に関する。これは、燃料電池用途において典型的であるような、銀‐酸化銅ろう材が、片側では還元雰囲気に、かつ反対側では酸化雰囲気に同時にさらされる場合、片側でろう材中に拡散した水素と、反対側でろう材中に拡散した酸素との反応によって生じる。本発明は、新規ろう材、および銀‐酸化銅(Ag-CuO)を主成分とする反応性大気ろう付系の利点を保ちながら、この問題を扱う新規ろう材を作る方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,055,733号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】J.S. Hardy、J.Y. Kim、K.S. Weilの「Joining Mixed Conducting Oxides Using An Air-Fired Electrically Conductive Braze」, J. Electrochem. Soc. Vol. 151, No. 8, pp. j43-j49
【発明の概要】
【0009】
本発明のひとつの目的は、2つのセラミック部分、または1つのセラミック部分と1つの金属部分からなる2つの部分を接合するための方法を提供することである。概して、本目的は、2つまたはそれ以上の部分を提供する工程、酸化銅と銀の混合物からなるろう材を提供する工程、拡散障壁を提供する工程、および該2つまたはそれ以上の部分をひとつに固定する接着を該ろう材に形成させるために十分な時間および温度で、ろう材を加熱する工程により達成される。好ましくは、これに限定されることを意味していないが、酸化銅は、銀の約1 mol%〜約70 mol%である。
【0010】
本発明の別の目的は、継手の弱体化の原因となり得る、継手を介した水素および酸素の拡散に対して障壁を形成する、2つの部分を接合するための方法を提供することである。従って、本明細書で用いられる「拡散障壁」とは、ろう材に溶解した酸素が、ろう材に溶解した水素と反応するのを防ぐ、任意の障壁である。例えば、「拡散障壁」は、ろう材内の合金化元素、例えばアルミニウム等からなってもよい。これらの合金化元素を、ろう材の同種構成要素として提供してもよい。あるいは、これらの合金化元素を、ろう材の異種構成要素として提供してもよく、ここで拡散層が、酸素および水素に曝されたろう材の外縁部で、ろう材と混合される。さらに、合金化元素を、ろう材と隣接させて置かれる独立層として、ろう材と酸素および水素を含有する雰囲気との間に提供してもよい。また、合金化元素は、異種、同種、および独立層の組み合わせであってもよい。全ての場合において、これらの合金化元素は、水素よりも高い酸素親和性を有するので、銀マトリックスに溶解した酸素が、溶解した水素と反応するのではなく、優先的にこれらの元素と反応して、酸化物を形成する。
【0011】
従って、拡散障壁を、ろう材の同種構成要素として、ろう材の異種構成要素として、ろう材に接する独立層として、およびそれらの組み合わせとして提供することができる。これらの用途のそれぞれにおいて、拡散障壁を酸化可能金属として提供することが好ましい。より好ましくは、Al、Mg、Cr、Si、Ni、Co、Mn、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Au、ランタニド、およびそれらの組み合わせの群より選択される、酸化可能金属である。ろう材に接する独立層からなる拡散障壁を含む用途において、酸化可能金属に加えて、拡散障壁は、ガラス、ガラスセラミック、およびそれらの組み合わせでもあり得る。
【0012】
本明細書で用いられる「酸化可能金属」は、気体酸素、酸素を含有する気体、または水と反応して金属の酸化物形態を形成するであろう、任意の金属である。例として、これに限定されないが、本発明の態様において、ろう材が、2つの構成要素、すなわちセラミックを金属に、またはセラミックをセラミックに接合するためのSOFC用途(SOFC applications)を接合するために用いられ、かつ酸化可能金属が、ろう材の同種および/または異種の構成要素として形成される場合、酸化可能金属は、継手の片側では大気中で酸素と反応し、かつ/または継手の反対側では水蒸気と反応し、このように金属の酸化物形態を形成する。この酸化物形態は、次いで、酸素および/または水素が継手の残りの部分に拡散するのを防ぐ。酸素および/または水素が継手の残りの部分に拡散するのを防ぐことにより、本発明は、孔形成および機械的分解の原因となる、継手の内部中で酸素および水素が水を形成するのを防ぐ。
【0013】
限定されることを意味していないが、本発明は、絶縁体として働くセラミックを接合するために、および導電体として働くセラミックを接合するために用いられ得る。例えば、LaxSr1-xFeO3等の混合イオン電子伝導性酸化物が、高温で、すなわち約800℃で電子を伝導することが証明されている。本発明は、このような混合イオン電子伝導性酸化物を電気的に接続または接合するため、かつこれらの環境で稼動させるために用いられ得る。
【0014】
ろう材混合物は、酸化チタンをさらに含んでもよい。好ましくは、これに限定されることを意味していないが、酸化チタンは、銀に対してろう材の約0.05 mol%〜5 mol%を構成する。ろう材混合物は、Pt、Pd、およびそれらの混合物をさらに含んでもよい。好ましくは、これに限定されることを意味していないが、Pt、Pd、およびそれらの混合物は、銀に対して約0.1 mol%〜約25 mol%を構成する。ろう材混合物は、セラミック微粒子溶加材をさらに含んでもよい。好ましくは、これに限定されることを意味していないが、セラミック微粒子は、酸化銅と銀とセラミック微粒子の混合物の総体積の約1%〜約50%を構成してもよい。また、好ましくは、これに限定されることを意味していないが、セラミック微粒子は、200μmより小さくてもよく、かつ短繊維、長繊維、粉末、フレーク、およびそれらの組み合わせとして提供されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の態様の以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて解釈されれば、さらに容易に理解されるであろう。
【0016】
【図1】AlおよびAgの二成分系状態図である。
【図2】1100℃でろう付したアルミナ継手の低倍率の横断面二次電子像(SEM顕微鏡写真)である:(a) Ag、(b) LG10、(C) LG25、および(d) LG33。
【図3】LG10(9.8 at% Al)を用いてろう付したアルミナ継手の横断面SEM顕微鏡写真(後方散乱像)である:(a) 600℃、(b) 800℃、(C) 1000℃、および(d) 1100℃。
【図4】LG25(26.5 at% Al)を用いてろう付したアルミナ継手の横断面SEM顕微鏡写真(後方散乱像)である:(a) 600℃、(b) 800℃、(C) 1000℃、および(d) 1100℃。
【図5】LG33(35.1 at% Al)を用いてろう付したアルミナ継手の横断面SEM顕微鏡写真(後方散乱像)である:(a) 600℃、(b) 800℃、(C) 1000℃、および(d) 1100℃。
【図6】1100℃でろう付したアルミナ継手のろう材/基材の界面から収集した、拡大SEM顕微鏡写真(後方散乱像)である:(a) LG10(9.8 at% Al)、(b) LG25(26.5 at% Al)、および(C) LG33(35.1 at% Al)。
【図7】(a) ろう付温度、および (b) 加熱速度の影響を示すアルミナ含量の関数として、アルミナ継手の室温での4点屈曲強度を示すグラフである。
【図8】純粋な銀を用いて接合したアルミナ棒を破断させた、2つの対応する半分のものの破断面(後方散乱像)である:(a) および (b) は1000℃で接合した棒、(c) および (d) は1100℃で接合した棒。
【図9】LG10(9.8 at% Al)を用いて接合したアルミナ棒を破断させた、2つの対応する半分のものの破断面(後方散乱像)である:(a) および (b) は1000℃で接合した棒、(c) および (d) は1100℃で接合した棒。
【図10】LG25(26.5 at% Al)を用いて接合したアルミナ棒を破断させた、2つの対応する半分のものの破断面(後方散乱像)である:(a) および (b) は1000℃で接合した棒、(c) および (d) は1100℃で接合した棒。
【図11】LG33(35.1 at% Al)を用いて接合したアルミナ棒を破断させた、2つの対応する半分のものの破断面(後方散乱像)である:(a) および (b) は1000℃で接合した棒、(c) および (d) は1100℃で接合した棒。
【発明を実施するための形態】
【0017】
好ましい態様の詳細な説明
本発明の原理の理解を促進する目的で、これから図面で説明される態様が参照されるであろうし、かつ特定の言語が該態様を記載するために用いられるであろう。本発明の範囲が、本明細書に添付される特許請求の範囲を参照して評価されるべきであるように、該態様によって本発明の範囲が限定されないことを意図することが、それでもなお理解されるであろう。説明される装置における変化およびさらなる改変、ならびに本明細書で説明される本発明の原理のこのようなさらなる適用は、本発明が関連する技術分野の当業者が、通常思いつくであろうような適用であることが予期される。
【0018】
一連の実験は、本発明の一態様の実施化を実証するために行われた。これらの実験において、インサイチューの合金化およびろう付は、アルミニウムおよび銀の箔を用いて実行された。3種の合金組成物は、Ag(試料id # LG10)、Ag3Al(試料id # LG25)、およびAg2Al(試料id # LG33)の相を表す、図1に示される状態図に基づいて選択された。これらそれぞれにおいて、組成物、すなわち試料を、アルミニウムと銀との合金化が明らかになる800℃まで加熱し、該合金化は、1000℃でほとんど完結した。継手の微細構造および機械的特性は、主として合金組成物に依存した。LG10(9.8 at% Al)を用いたろう材箔の場合、長い連続層が、本来のアルミ箔の方向と平行に形成された。これは、アルミニウムおよび銀が、箔の方向と垂直に拡散したときに、アルミニウムが同時に酸化されたことを示唆する。屈曲試験において、アルミナ/ろう付フィラー(braze filler)の長い界面を介して破断が生じ、低屈曲強度(6〜12 MPa)という結果になった。恐らく、一連の相変態および付随する急激な容積変化が原因で、LG25(26.5 at% Al)を用いてろう付した継手は、亀裂を示した。破断は、これらの前から存在する亀裂によって引き起こされ、これらの試験片で観察された継手強度において、極めて低い値の継手強度をもたらした。LG33(35.1 at% Al)を用いて作製された継手は、いくつかの界面アルミナ粒子との良好な界面、ならびにアルミナ基材と、インサイチューで形成された界面アルミナ粒子との間の界面を介するか、またはこれらの粒子を直接介した亀裂伝播を呈し、Alを添加したろう材組成物の中では最高の屈曲強度をもたらした。
【0019】
図1に示される二成分系Ag-Al状態図に基づき、3種の基本的なAg-Alろう材組成物を、表1に示されるように、10〜33 at%の範囲のAl含量で展開した。
【0020】
(表1)利用した加熱処理スケジュール

*「G」および「L」は、それぞれ銀箔およびアルミニウム箔を表す。数字は、ひとつに積み重ねられている厚さ25μmの箔の数を指す。
【0021】
それぞれの組成物は、この範囲、すなわちアルミニウム合金銀、Ag2Al、およびAg3Alにわたる3つの主要な平衡相のひとつを表す。純粋な銀を、ろう付した継手の機械的特性試験のための基準線(reference baseline)として本研究に用いた。溶加金属中に脆弱金属間層が含まれることは、融解および圧延によるろう付用箔の生産を困難にする可能性があるため、その代わりに、それぞれの溶加金属組成物を、ろう付処理中にインサイチューで合金化することにより調製した。これは、表1に記載した目標組成物を達成するために適当な厚さおよび数の、銀箔(Alfa Aesar、厚さ25μm、99.95%)およびアルミニウム箔(Alfa Aesar、厚さ25μm、99.45%)を、交互の様式で積み重ねることによりなされた。
【0022】
Al箔に対するAg箔の範囲固有のモル比(area specific molar ratio)を、全ての箔を同じ面積寸法(3 cm×5 cm)に切り出したそれぞれの箔の5つの重量を平均することにより算出した。箔の単位面積当たりのAlに対するAgのモル比は、1.081であった。このモル比に基づいて、目標としたAg/Ag比を、できるだけ近い比に維持しながら、最初の溶加金属の厚さと同様の厚さを与えるように、箔の総数を選択した。通常、Ag箔およびAl箔の総数は、約265〜290μmの箔スタック(foil stack)の厚さを与えた、11〜12であった。
【0023】
金属箔スタックを、直径で、〜2 cmの寸法である円形に、それぞれ切り出し、2つのアルミナディスク(Alfa Aesar;純度99.7%;直径2 cm×高さ3 mm)の間に挿入した。ろう付処理中、箔スタックとアルミナ基材との間の良好な接触を確保するために、〜300 gの死荷重を上部のディスク上に適用した。組み合わせたものを、大気中、2℃/分で、最終浸漬温度(600、800、1000、および1100℃)に加熱し、炉を室温に冷却する前に6分間保った。Oxfordエネルギー分散型X線分光器(EDS)を備えた走査電子顕微鏡(SEM、JEOL JSM-5900LV)を用いて、ろう付した継手の研磨した横断面について微細構造分析を実行した。
【0024】
室温4点屈曲試験を行って、ろう付したままの継手の機械的強度を測定した。2枚の長方形のアルミナプレート(Alfa Aesar;密度98%;純度99.7%;長さ100mm×幅25mm×厚さ4mm)の長端を接合して100mm×50mm×4mmのプレートを形成させることにより、屈曲棒を作製した。接合処理中、アルミナの両方の断片とろう付フィラーとを良好な接触状態に保つために、400 gの死荷重を上部のプレートに適用し、接合面に沿って、〜10 kPaの平均圧力をもたらした。大気中、1000または1100℃のどちらかの保持温度で、6分間、再びろう付を行った。試料を、2℃/分の速度で目標温度に加熱して、炉を室温に冷却した。これらのろう付した試験片の継手強度および微細構造への加熱速度の影響を理解するために、試料も、5℃/分の速度で1000℃に加熱した。一旦接合したら、それぞれのプレートを、曲げ強度試験のための4mm×3mm×50mmの長方形の棒に機械加工した。それぞれ20および40 mmの内側の接触点と外側の接触点の間の支点間距離で、0.5 mm/分の変位速度で、4点屈曲試験を実行した。屈曲(曲げ)強度は、モノリシックの弾性材料に関して誘導される下記の標準関係を用いて、破損時の荷重から算出した。
【0025】
屈曲(曲げ)強度=3P・L/4b・d2
【0026】
ここで、Pは適用された荷重であり、Lは外側の支点間の長さであり、かつbおよびdはそれぞれ試験片の幅および高さである。
【0027】
5つの試験片を、それぞれ同じプレートから切り出し、それぞれの継手に関する平均室温曲げ強度を測定するために用いた。それらの最終的な破損に関与する潜在的なメカニズムを評価する手段として、走査電子顕微鏡(SEM、JEOL JSM-5900LV)を利用して、試験片の破断面を試験した。
【0028】
低倍率のSEM顕微鏡写真を、1100℃で接合したアルミナディスクの横断面について収集し、図2(a)〜(d)に示す。最初のろう材箔スタックの厚さが類似しているが(総合した厚さが265〜290μmの11〜12枚の箔)、ろう付後の溶加金属層の厚さは、著しく、かつろう付処理中に形成された相の組成に依存して多様であった。図2(a)にみられるように、純粋な銀は、認識できるエアポケットを含有する薄いろう付フィラー層(〜20μm)をもたらした。1100℃で、溶融銀は、死荷重をかけた継手からはみ出して、アルミナプレートの外面に溶融ビーズを形成させた。継手におけるエアポケットの形成に加えて、これは、アルミナ表面上の純粋な銀の低粘性および不十分なぬれ性の両方の証拠である。あるいは、アルミナ改質ろう付フィラー(図2(b)および1(d)に示される)から作製された継手は、エアポケットを示さない。ろう付温度(1100℃)が、合金の液相温度(950℃未満であり、かつ純粋な銀の融点より低い温度)よりも実質的に高かったにもかかわらず、LG10(9.8 at% Al)でろう付された継手は、薄いろう付フィラー層(>120μm)を呈し、溶融ろう付フィラーのビーズ形成はない。この知見は、恐らく、粘性における組成依存的な増加のために、該溶加金属組成物がはみ出しに抵抗する(すなわち、それは良好な圧縮抵抗性を示す)ことを示唆している。図2(c)および2(d)に示される、より高いアルミナ含量を含有する継手は、LG 10と比較した場合に、同様の特徴を呈した(エアポケットがなく、かつビーズ形成がない)が、より薄いろう付フィラー層(50〜60μm)を呈した。アルミナプレート上にビーズ形成がみられないことから、AlおよびAgのより薄いろう付フィラー層は、アルミナと銀との合金化に起因し得、例えばAg23Al等の金属間相の形成につながる。
【0029】
600、800、1000および1100℃に加熱された後、3種のアルミナ改質溶加金属組成物から作製される継手の微細構造を、図3〜5に示す。LG10(9.8 at% Al)に関して、継手を単に600℃に加熱しただけの場合には、有意な合金化の形跡は認められない。図3(a)に示されるように、得られる横断面は、積み重なった箔の最初の構成、すなわち10枚の銀箔(点「31」とその反対側)の間にはさまれた1枚のアルミニウム箔(点「32」)を本質的に明らかにする。図3(a)〜(d)でラベル表示したそれぞれの番号の箇所で収集した定量EDS分析の結果を、表2に一覧表示する。
【0030】
(表2)図3(LG10、9.8 at% Al)で印をいれた箇所について行ったEDS定量分析の結果

*表に記載された全ての組成は、at%単位である。
【0031】
点「31」および「32」で測定された局所化学は、測定可能な合金化が、600℃で、LG10材料では起こらないことを示している。しかしながら、化学相互作用のこの欠如にもかかわらず、箔は、良好にひとつに接着されるようにみえる。800℃では、図3(b)でみられるような溶加金属の厚さの収縮をともなって、AlとAgとの間の明らかな合金化が起こる。しかしながら、これらそれぞれが、銀箔およびアルミニウム箔に関する最初の部位にそれぞれ印をつけてある、点「33」および「34」で測定された局所化学により示されるように、合金化は不完全なままである。さらに、広範囲な酸化が生じるか(ろう付が大気中で行われたという事実にもかかわらず)、または接着が溶加金属とアルミナ基材との間で起こるという形跡はみられない。
【0032】
図3 (c) および表2に示されるように、1000℃でろう付した継手は、本来のアルミ箔の方向(例えば、点「36」)と平行に形成されたアルミナの異なる領域をともなって、溶加金属内部に、より均一なアルミニウムの分布を示す。
【0033】
(表3)図4(LG25、26.5 at% Al)で印をいれた箇所について行ったEDS定量分析の結果

・表に記載された全ての組成は、at%単位である。
【0034】
ろう材/基材の界面近くの点「35」で行ったEDS分析は、この溶加金属のための当初の目標組成物(9.8 at% Al)に極めて近い、8.73 at% Alを示す。
【0035】
アルミナ基材の粗面中への溶融ろう材の浸透により示されるように、ろう付フィラーとアルミナ基材との間の良好な接着が認められた。最も高いろう付温度の1100℃でろう付した後も(図3(d)に示される)、より低いろう付温度で起こる酸化よりも、この温度でより広範な酸化が起こった(点「38」参照)ことは明らかであるにしても、アルミニウムの大部分は、なお銀マトリックスと合金化した金属形態のままである(点「37」:7.16 at% Al)。
【0036】
図4(a)〜(d)に示される一連の顕微鏡写真にみられるように、26.5 at% Al(LG25)から構成される溶加金属は、同様の温度依存合金化過程を呈した。Al箔とAg箔との間の有意な相互作用は、600℃では生じず、図4(a)に示される本来の箔の積み重ね配置を示す。
【0037】
(表4)図5(LG33、35.1 at% Al)で印をいれた箇所について行ったEDS定量分析の結果

・表に記載された全ての組成は、at%単位である。
【0038】
図4(b)に示されるように、合金化は、800℃でろう付する場合に認められる。LG10と比較して、800℃での本ろう材組成物の合金化がより広範となるのは、本組成物の液相温度がより低いこと、ならびに本溶加金属を調製する際に利用される銀箔がより薄いことに起因する。しかしながら、表3に挙げられるEDSの結果は、溶加金属マトリックスにおけるいくらかの不均質性を示す。箇所「43」により表されるマトリックスは、ろう材箔スタック中の最初のAl含量に近い24.64 at% Alを含有するが、銀に富む粒子も、該マトリックス中にみられる(例えば、2.82 at% Alのみを示す点「44」)。継手が1000℃でろう付される場合、図4(c)に示されるように、ろう材フィラーと基材との間の許容される界面が認められる。銀に富む相が、主にろう材/基材の界面でまだ認められるが、マトリックス相(点「45」)は、改善された均質性を呈する。
【0039】
本継手に認められる特有の微細構造的特徴は、点「46」に示される、溶加金属と基材との間にみられる亀裂である。脆化による亀裂は、恐らく、図1の相平衡状態図において認められるような、本組成物が冷却中に受けると思われる複雑に連続した相変態に関連する(すなわち、液体 → Ag+液体 → Ag+β-Ag3Al → Ag → Ag+α-Ag3Al)。図4(d)に示される1100℃でろう付された継手は、微粒子形態でのアルミナの広範な形成だけでなく、亀裂も呈する。この一定の酸化にもかかわらず、アルミニウムの大部分は、まだ、図4(d):21.59 at% Alにおける点「47」で示される金属マトリックス相のままである。
【0040】
図5は、4つの異なる浸漬温度で、LG33溶加金属(35.1 at% Al)を用いてろう付した継手の微細構造を示す。LG25と同様、図5(b)に示されるように、広範な合金化が、800℃で全体のろう付フィラー層において認められるが、一方、図5(a)に示されるように、600℃でAgとAlとの間の有意な相互作用は検出されない。アルミニウムの有意な酸化は、800℃で作製した試験片において認められない。マトリックス相(点「53」)は、32.33 at% Al(表4に示したように)を含有するが、一方、溶加金属/基材の界面に沿って認められる銀に富む相は、わずか1.66 at% Alを示す。図5(c)に示されるように、ろう材/基材の界面に沿ってだけでなく、ろう付フィラーにおいてもいくらかのアルミナ形成が認められるが、1000℃で形成されたマトリックス相(点「55」)は、まだ30.92 at% Alを含有する。ろう材/基材の界面の間の不十分な接着が、継手の右側に認められるが、一方、もう片側の界面は許容できるようにみえる。剥離した界面上の塊状の酸化物の形成(点「56」での)は、ろう付フィラーと基材との間の不十分な接触が、ろう材溶融物がセラミック基材をぬらす前に、ろう付フィラー表面の酸化を引き起こす可能性があり、界面の接着を低減する原因となることを意味する。広範な酸化物形成が、界面に沿ってだけでなく、バルク溶加金属においても起きているが、図5(d)に示される1100℃でろう付した継手は、まだ、ろう材マトリックス中にAlの大部分を含有する(表4の点「57」)。
【0041】
図6は、Al改質溶加金属組成物をそれぞれ用いて1100℃でろう付した試験片の溶加金属/基材の界面で収集した、拡大SEM顕微鏡写真を示す。得られる溶加金属組成物は全て、基材上での溶融ろう付フィラーのぬれ性のおかげで、良好な界面接着を呈する。加えて、LG 33材料(最高のアルミニウム含量;35.1 at% Alを含有する)は、ろう材/基材の界面に沿って、界面の酸化物形成を示す。
【0042】
図7(a)および(b)は、アルミニウム含量の作用としての室温曲げ強度の2つのプロットを示すグラフである。図7(a)は、屈曲強度に対する最終浸漬温度の影響を示し、図7(b)は、加熱速度の影響を示す。図7(a)にみられるように、1100℃ではアルミナのより広範な形成が認められるものの、1000℃および1100℃で接合した継手の間の屈曲強度における有意差はない。純粋な銀を用いて接合した棒は、1000℃で接合した試料に関しては71 MPaの、かつ1100℃で接合した試料に関しては79 MPaの平均屈曲強度を呈する。しかしながら、LG10(9.8 at% Al)試験片は、乏しい屈曲強度、すなわち1000℃で接合した後は6 MPaを、1100℃で接合した後は12 MPa示す。LG25(26.5 at% Al)試験片の場合、得られる継手は、非常に弱くて、試料の調製中に破断が起こることが多い。特にSEM試験が、それぞれにおいて一定水準の金属/基材の界面を示したことを考えれば、LG10およびLG25の継手の乏しい屈曲強度は、予想外であった。LG33(35.1 at% Al)を用いて接合した屈曲棒は、純粋な銀に匹敵する46 MPa(1000℃の浸漬温度)および52 MPa(1100℃の浸漬温度)の屈曲強度を呈する。図7(b)は、継手の機械的特性に対する加熱速度の影響を示す。5℃/分のより高速の加熱速度は、特に、アルミニウムの含有が少ない溶加金属組成物で、一般に、2℃/分のより遅い加熱速度と比較した屈曲強度において改善を示さない。Alの大部分が、銀マトリックス相中で金属形態のままであり、これらの試験片における溶加金属/基材の界面の間で認められた明白な違いはないことから、この結果は、SEMおよびEDSの分析においてみいだされた証拠と一致する。アルミナの形成を低減することができる急速な加熱速度は、溶加金属/基材の界面を有意に改善することはないかもしれない。
【0043】
これらの継手における破損形式をより良く理解するために、屈曲試験片の破断面についてSEM分析を行った。図8〜11は、異なる溶加金属組成物を用いて1000℃および1100℃でろう付された接合試験片を破断させたものを比較の一組とする、後方散乱SEM画像である。図8(a)および8(b)は、純粋な銀を用いて1000℃で接合した試験片を破断させた、2つの半分のものであり、延性破断を指し示している小さいくぼみを特徴付けるカップ-コーン(cup-cone)を示す。これらの試料において、継手破損は、界面で、またはアルミナ基材の内部でではなく、継手のバルク材の内部で生じた。これは、良好な接着性が溶加金属と基材との間に存在することを、さらに示唆する。
【0044】
1100℃でろう付した純粋な銀の試験片の破断面も、図8(c)および8(d)に示されるように、延性の同様の形跡を呈する。1000℃でろう付したLG10試験片を破断させた、対応する半分のものを、図9(a)および9(b)に示す。純粋な銀とは異なり、これらの2つの表面は、比較的なめらかなAg-Alマトリックス面(白色)上に薄いアルミナ層(暗色層)を示す。インサイチューで形成されたアルミナの形態学は、アルミナ基材のそれとははっきりと異なることから、図3(c)に示されるように、認められる薄いアルミナは、溶加金属中のインサイチューの層に起因する。従って、この試験片の破断面は、破損が、ろう材/基材の界面に沿ってではなく、溶加金属中のインサイチューのアルミナ層を介して生じたことを指し示す。これは、この特定の溶加金属が、アルミナ基材との良好な界面を形成するにもかかわらず、低い屈曲強度を呈する理由である。
【0045】
本溶加金属の強度を改善するために、インサイチューのアルミナは、より局所的な様式で、はっきりと整列した脆弱層としてではなく、中間に十分に柔軟なマトリックスをもつ独立した粒子として形成される必要がある。これは、インサイチューで合金化した材料ではなく、前合金化したろう材箔を用いることにより達成することができる。図9(c)および9(d)に示される1100℃でろう付した棒は、このより高温の試験片における酸化物の形成の程度がより大きいことによって、アルミナ層がより明白に識別できるが、同じ破断機構を呈する。
【0046】
LG25屈曲棒の試験片の破断面を、図10に示す。図10(a)および10(b)に示されるように1000℃で接合した棒、ならびに図10(c)および10(d)に示されるように1100℃で接合した棒は両方とも、図4に示される対応する横断面の顕微鏡写真においても認められた、前破断(pre-fracture)の亀裂を示す。破断は、これらの前から存在する亀裂によって始まり、これらの試験片において認められた極めて低い値の継手強度の原因となった。先に述べたように、これらのひびの存在は、溶融状態から冷却するときにこの材料で生じる一連の相変態が原因である(かつ急激な容積変化に付随する)と考えられている。
【0047】
図11に示されるように、LG33(35.1 at% Al)を用いて作製した屈曲棒の試験片は、実質的に異なる破断面を呈する。図11(a)に示される、1000℃でろう付した棒における表面の1つは、5μmより小さいサイズの微細アルミナ粒子で被覆した溶加金属を示す。対応する半分のものは、いくつかのより小さいアルミナ粒子をともなうアルミナ基材(粒度約10μm)の本質的にきれいな表面を示す。前記より小さい粒子は、ろう付処理中に形成される界面のアルミナに起因する可能性がある。従って、亀裂伝播は、アルミナ基材とインサイチューで形成される界面のアルミナ粒子との間の界面を介するか、またはこれらの粒子を直接介して起こることを明らかにする。この界面で、またはこの界面付近で生じた破断、ならびにこの継手は、図6(c)に示されるように、良好な界面を示すことから、この溶加金属組成物を用いて、Alを添加したろう材組成物の中では最高の屈曲強度が達成された。
【0048】
図面および前述の説明において、本発明を詳細に図示および説明してきたが、これらは、特徴における例示であって制限されないものとしてみなされるべきである。単に特定の態様のみが示され、かつ説明されており、本明細書で記載される本発明の精神の範囲内にある、全ての変更、等価物および改変は、保護されることが望まれる。本明細書で提供される、いかなる実験、実験例、または実験結果も、本発明の例示であることが意図され、かつ本発明の範囲に関して限定的または制限的であるとみなされるべきではない。さらに、いかなる理論、稼動の機構、証明、または本明細書で述べた知見も、本発明の理解をさらに向上させるようになっており、いかなる意味においても、本発明を、このような理論、稼動の機構、証明、または知見に限定することを意図していない。
【0049】
従って、本明細書の詳細および添付の図面が、本発明の範囲を、その詳細に限定すると解釈されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は、本明細書に添付の特許請求の範囲を参照して評価されるべきである。特許請求の範囲を読むときに、例えば「1つの(a)」、「1つの(an)」、「少なくとも1つの(at least one)」、および「少なくとも1部分の(at least a portion)」等の言葉が用いられる場合、特許請求の範囲にそれに反するものが具体的に提示されない限り、特許請求の範囲を1つの要素だけに限定することは意図されない。さらに、「少なくとも1部分の」および/または「1部分の(a portion)」という言語が用いられる場合、それに反するものが具体的に提示されない限り、特許請求の範囲は、1部分および/または全部の要素を包含してもよい。同様に、電気装置または流動加工処理装置に関して「入力」または「出力」という用語が用いられる場合、前後関係において適当な、単数または複数で、かつ1つまたは複数の信号通信路または流体ラインを包含すると理解されるべきである。最後に、本明細書で引用される、全ての出版物、特許、および特許出願は、それぞれが、参照により組み入れられることが具体的および個々に示され、かつその全体が本明細書で述べられているかのように、本開示と矛盾しない程度まで、参照により本明細書に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの部分を接合するための方法であって、以下の工程を含む方法:
a.2つまたはそれ以上の部分を提供する工程;
b.酸化銅と銀の混合物からなるろう材を提供する工程;
c.拡散障壁を提供する工程;
d.該2つまたはそれ以上の部分をひとつに固定する接着を該ろう材に形成させるために十分な時間および温度で、該ろう材を加熱する工程。
【請求項2】
拡散障壁が、ろう材の同種構成要素、ろう材の異種構成要素として、ろう材に接する独立層として、およびそれらの組み合わせより選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ろう材の同種構成要素が、酸化可能金属である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
酸化可能金属が、Al、Mg、Cr、Si、Ni、Co、Mn、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Au、ランタニド、およびそれらの組み合わせの群より選択される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
ろう材の異種構成要素が、酸化可能金属である、請求項2記載の方法。
【請求項6】
酸化可能金属が、Al、Mg、Cr、Si、Ni、Co、Mn、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Au、ランタニド、およびそれらの組み合わせの群より選択される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
ろう材に接する独立層が、酸化可能金属である、請求項2記載の方法。
【請求項8】
ろう材に接する独立層が、Al、Mg、Cr、Si、Ni、Co、Mn、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Au、ランタニド、およびそれらの組み合わせの群より選択される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
ろう材に接する独立層が、ガラス、ガラスセラミック、およびそれらの組み合わせの群より選択される、請求項7記載の方法。
【請求項10】
混合物が、酸化チタンをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
酸化チタンが、銀に対して約0.05 mol%〜5 mol%を構成する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
混合物が、Pt、Pd、およびそれらの組み合わせをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
Pt、Pd、およびそれらの組み合わせが、銀の約0.1 mol%〜約25 mol%を構成する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
酸化銅と銀の混合物からなるろう材を提供する工程が、セラミック微粒子溶加材を提供する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
酸化銅が、銀の約1 mol%〜約70 mol%である、請求項1記載の方法。
【請求項16】
セラミック微粒子が、酸化銅と銀とセラミック微粒子の混合物の総体積の約1%〜約50%を構成する、請求項14記載の方法。
【請求項17】
セラミック微粒子が、200μmよりも小さい、請求項14記載の方法。
【請求項18】
セラミック微粒子が、短繊維、長繊維、粉末、フレーク、およびそれらの組み合わせである、請求項14記載の方法。
【請求項19】
2つまたはそれ以上の部分が、導電性であり、かつろう材を加熱することにより形成される接着が、該部分の間の導電性経路を提供する、請求項1記載の方法。
【請求項20】
混合物が、酸化チタン、Pt、Pd、セラミック微粒子溶加材、およびそれらの組み合わせをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項21】
以下を含む少なくとも2つの部分の間の継手:
a.酸化銅と銀の混合物からなるろう材;および
b.拡散障壁。
【請求項22】
拡散障壁が、ろう材の同種構成要素、ろう材の異種構成要素として、ろう材に接する独立層として、およびそれらの組み合わせより選択される、請求項21記載の継手。
【請求項23】
ろう材の同種構成要素が、酸化可能金属である、請求項22記載の継手。
【請求項24】
酸化可能金属が、Al、Mg、Cr、Si、Ni、Co、Mn、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Au、ランタニド、およびそれらの組み合わせの群より選択される、請求項23記載の継手。
【請求項25】
ろう材の異種構成要素が、酸化可能金属である、請求項20記載の継手。
【請求項26】
酸化可能金属が、Al、Mg、Cr、Si、Ni、Co、Mn、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Au、ランタニド、およびそれらの組み合わせの群より選択される、請求項25記載の継手。
【請求項27】
ろう材に接する独立層が、酸化可能金属である、請求項22記載の継手。
【請求項28】
ろう材に接する独立層が、Al、Mg、Cr、Si、Ni、Co、Mn、Ti、Zr、Hf、Pt、Pd、Au、ランタニド、およびそれらの組み合わせの群より選択される、請求項28記載の継手。
【請求項29】
ろう材に接する独立層が、ガラス、ガラスセラミック、およびそれらの組み合わせの群より選択される、請求項22記載の継手。
【請求項30】
混合物が、酸化チタンをさらに含む、請求項21記載の継手。
【請求項31】
酸化チタンが、銀に対して約0.05 mol%〜5 mol%を構成する、請求項30記載の継手。
【請求項32】
混合物が、Pt、Pd、およびそれらの組み合わせをさらに含む、請求項20記載の継手。
【請求項33】
Pt、Pd、およびそれらの組み合わせが、銀の約0.1 mol%〜約25 mol%を構成する、請求項32記載の継手。
【請求項34】
酸化銅と銀の混合物からなるろう材が、セラミック微粒子溶加材をさらに含む、請求項21記載の継手。
【請求項35】
酸化銅が、銀の約1 mol%〜約70 mol%である、請求項21記載の継手。
【請求項36】
セラミック微粒子が、酸化銅と銀とセラミック微粒子の混合物の総体積の約1%〜約50%を構成する、請求項34記載の継手。
【請求項37】
セラミック微粒子が、200μmよりも小さい、請求項34記載の継手。
【請求項38】
セラミック微粒子が、短繊維、長繊維、粉末、フレーク、およびそれらの組み合わせである、請求項34記載の継手。
【請求項39】
2つまたはそれ以上の部分が、導電性であり、かつ酸化銅と銀の混合物からなるろう材が、該部分の間の導電性経路を提供する、請求項21記載の継手。
【請求項40】
混合物が、酸化チタン、Pt、Pd、セラミック微粒子溶加材、およびそれらの組み合わせをさらに含む、請求項21記載の継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−531232(P2010−531232A)
【公表日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512297(P2010−512297)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/066414
【国際公開番号】WO2008/154535
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(506283798)バッテル メモリアル インスティチュート (19)