説明

放射エネルギーを用いる医療流体ヒーター

透析治療において使用される透析流体のような流体を加熱するためのインライン流体ヒーターが提供される。この流体ヒーターは、第1の赤外ヒーターおよび第2のプレートヒーターを有する二重のヒーターである。コントローラーは、赤外ヒーターおよびプレートヒーターと作動可能的に接続され、赤外ヒーターおよびプレートヒーターの1つまたは両方を作動し、流体の温度を維持する。使い捨て透析ユニットを通じて流れる流体のインライン加熱のためのデバイスもまた提供される。このデバイスは、赤外ヒーターが使用されている場合、使い捨てユニットに面する開口部を規定するハウジング中に配置される、赤外エミッタを有する。ここで、この赤外ヒーターは、開口部を覆う赤外透過材料および赤外エミッタからの赤外エネルギーが実質的に赤外透過材料に向かうようにこの赤外エミッタに対して配置された赤外反射器を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、一般に、流体ヒーターに関する。より詳細には、本発明は、非経口流体ヒーターおよび非経口流体を加熱する方法に関する。1つの実施形態では、本発明は、透析システムにおける使用のための流体ヒーターに関する。
【背景技術】
【0002】
疾患、障害またはその他の原因に起因して、個体の腎臓系は損なわれ得る。任意の原因の腎不全において、いくつかの生理学的混乱が存在する。水、ミネラルおよび日々の代謝負荷排泄物のバランスは、腎不全ではもはや可能ではない。腎不全の間、窒素代謝物の毒性最終生産物(尿素、クレアチニン、尿酸など)は血液および組織中に蓄積し得る。
【0003】
腎不全および低下した腎臓機能は透析で処理されている。透析は、そうでなければ正常に機能する腎臓により除去されたであろう、老廃物、トキシンおよび過剰の水を身体から除去する。腎臓機能の補充のための透析処置は多くの人々にとって重要である。なぜなら、この処置は生命を救うからである。損傷した腎臓をもつヒトは、少なくとも腎臓の濾過機能を補充することなく生存し続けることは出来なかった。血液透析および腹膜透析は、腎臓機能の損失を処置するために一般に用いられている2つのタイプの透析療法である。
【0004】
腹膜透析は、患者の腹腔中に注入される透析溶液または透析液を利用する。この透析液は、腹腔中の患者の腹膜と接触する。老廃物、トキシンおよび過剰の水は、患者の血流中から腹膜を通じて透析液に通過する。血流から透析液への老廃物、トキシンおよび水の移動は、拡散および浸透圧によって起こる。なぜなら、腹膜を横切る浸透圧勾配があるからである。消耗した透析液は、患者の腹腔から排液され、患者から老廃物、トキシンおよび水を取り除き、そして次に置き換えられる。
【0005】
腹腔中への注入の前に、透析液は、しばしば体温より低い温度である。例えば、透析溶液は室温またはなおより低くあり得る。透析溶液は、冷所に貯蔵または冷たい天候に曝されるとき特に冷たくあり得る。患者より冷たい透析液を用いることは患者を所望されずに冷却し、そして透析手順の間患者を不快にし得る。従って、患者の腹腔中に注入する前に透析液をほぼ体温に加熱することが所望される。
【0006】
血液透析処理は、患者から老廃物、トキシンおよび過剰の水を除去するために患者の血液を利用する。患者は、血液透析機械に接続され、そして患者の血液がこの機械を通じてポンプ輸送される。カテーテルが患者の静脈および動脈中に挿入され、血液透析機械にそしてそれから血液流れを接続する。血液は、血液透析機械中の透析器を通過し、この透析器は、患者の血液から老廃物、トキシンおよび過剰の水を取り除き、そして血液を患者に注入して戻す。血液透析で用いられる、流体、例えば、血液および透析液を、ほぼ体温まで加熱することがまた所望される。
【0007】
透析流体を患者に心地よい温度まで加熱することは、歴史的に、電気抵抗プレートヒーターを用いて達成されていた。抵抗プレートヒーターは、電気がこの抵抗プレートに印加されるとき温度を増加する。この抵抗プレートヒーターは、流体コンテナーと直接接触し、そして熱をプレートからコンテナー中の流体に移動する。
【0008】
2つのタイプの現存する抵抗プレートヒーターは、バルクプレートヒーターおよびインラインプレートヒーターを含む。バルクプレートヒーターは、ヒータープレートの頂部に配置された2リットルの透析液リザーバーバッグのような、相対的に大きな透析液コンテナーを有し得る。このバルクプレートヒーターは、流体を、リザーバーバッグ中のヒータープレートに近接して加熱し、経時的に温度は増加してバッグ中の流体を通じて拡散し、すべての透析液を加熱する。インラインプレートヒーターは、流体がヒータープレートと接触している相対的により小さなバッグを通じて流れるとき、透析液流体を加熱する。インラインプレートヒーターは、流体がヒータープレートを超えて流れるとき、要求に応じて流体を加熱することを目的とする。その一方、バルクプレートヒーターは、加熱された流体のリザーバーを提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
抵抗プレートヒーターもまた、血液透析および流体の静脈内投与の間に流体を加熱するために用いられている。抵抗プレートヒーターは透析処置およびその他の適用のために流体を加熱するために用いられているが、抵抗プレートヒーターは制限を有している。例えば、プレートヒーターの加熱能力は、ヒータープレートの表面積に依存している。より大きな透析液負荷が加熱されるべき場合、ヒータープレートの表面積のサイズは増加されなければならない。ヒーターのサイズを増加することは、より大きなスペースまたはより高い電力消費を必要とするなど、種々の理由のために所望されないかもしれない。あるいは、ヒータープレートの温度を増加し得る;しかし、より高い温度は所望されないかもしれない。例えば、ヒータープレートの温度は、加熱されている流体にとって安全レベルに、またはヒータープレートと接触している流体コンテナーにとって安全レベルに制限され得る。
【0010】
抵抗プレートヒーターにともなう別の制限は、これらヒーターが二次元、すなわち、これらヒーターは、熱エネルギーをヒータープレートの二次元表面領域に亘って熱エネルギーを移動することである。加熱されている流体の温度の増加は、流体と流体コンテナーとの間の界面、すなわち、ヒータープレートと接触する堰板(sheeting)で起こる。従って、プレートヒーターは、流体の1つの表面を直接加熱するだけである。残りの流体は、加熱された表面から熱伝導および対流により加熱される。この透析液流体の二次元加熱は、バルク加熱操作中の透析液コンテナーの深さ、およびインライン操作中の流体流速を制限する。さらに、いずれのタイプの操作においても、透析液コンテナーの壁は、熱源との流体の直接接触に比較してシステムの加熱応答時間を必然的に低下する。可撓性のプラスチック透析液バッグ材料は、代表的には、良好な熱伝導性を有していない。公知のバルクヒーターおよびインラインヒーターは、結果として、相対的に大きな透析液負荷が加熱される必要があるとき、遅い応答時間を有し得る。
【0011】
公知のバルクヒーターおよびインラインヒーターにともなう別の問題は、いずれのシステムにおいても必要な部品である透析液バッグまたはコンテナーが、バルク熱プレートまたはインライン熱プレートが透析液流体を加熱することを試みるとき、熱を放つことである。熱プレートは、コンテナーの1つの側面を加熱し、その一方、コンテナーの残りの側面は、対流冷却または蒸発冷却に起因して雰囲気に熱を放つ。
【0012】
現在のバルクおよびインライン透析液ヒーターにともなうさらなる問題は、熱プレートがスイッチオフ後の所定の時間熱いままであることである。すなわち、プレートに電力を与える電気が切断されるとき、加熱されたプレートの貯蔵された熱エネルギーが即座に消失しない。この結果は、システムはさらなる熱を投げ捨てるか、または流体をその所望の温度まで加熱するために残存熱を用いる試みにおいて、流体がその所望の温度に到達する時間の前にヒーターをシャットダウンするかのいずれかであることである。第1の選択肢は非能率を生成し、その一方、第2の選択肢は複雑さ、および誤りの機会を増加する。一般に、流体温度の正確な制御は、バルク流体ヒーターでは困難である。
【0013】
従って、相対的に大きな透析液負荷を加熱し得、そして改良されたオフ応答時間をもつより効率的な透析液ヒーターを提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の要旨)
一般に、本発明は、新規な流体ヒーター、流体を加熱する方法および流体ヒーターシステムを提供する。本発明は、医療流体一般、および無菌を維持しなければならず、かつ熱源に直接接触しない医療流体を含む医療流体と作動可能である。例えば、本発明は、血液透析および腹膜透析で用いられる流体のような透析流体、および静脈内流体を加熱し得る。特に、本発明は、連続流れ腹膜透析のような腹膜透析に用いられる透析液を加熱することに関する。より詳細には、本発明は、放射エミッタまたは赤外エミッタからのエネルギーのようなエミッタからの放射エネルギーを利用し、流体がエミッタを超えて流れるとき医療流体を加熱する。
【0015】
この目的のために、本発明の実施形態では、医療流体を加熱するための流体ヒーターが提供される。このヒーターは、エネルギーを発する放射ヒーターを含み、ここで、このエネルギーは流体に向かって方向付けられる。第2のヒーターが、流体に対して流体加熱位置に配置される。コントローラーが赤外ヒーターおよび第2のヒーターに作動可能に接続され、ここでこのコントローラーは、流体の所望の温度を維持するためにヒーターの片方または両方を作動する。
【0016】
1つの実施形態では、上記第2のヒーターはプレートヒーターである。
【0017】
1つの実施形態では、上記放射ヒーターは、エネルギーを流体に向ける赤外反射器を含む。
【0018】
1つの実施形態では、上記ヒーターはまた、上記放射ヒーターと上記流体との間に配置される少なくとも1つの透過材料を含む。
【0019】
1つの実施形態では、上記第2のヒーターは、上記赤外ヒーターの流体的に上流に配置される。
【0020】
1つの実施形態では、上記放射ヒーターは、赤外線、マイクロ波、レーザー、紫外線、γ線、超音波、高周波、誘導エネルギーおよびそれらの組合せからなる群から選択されるタイプのエネルギーを発する。
【0021】
本発明の別の実施形態では、使い捨て透析ユニットを通じて流れる流体のインライン加熱のためのデバイスが提供される。このデバイスは赤外ヒーターを含む。この赤外ヒーターは、ハウジング中に配置される赤外エミッタを有する。このハウジングは、この赤外ヒーターが使用されているとき、上記使い捨てユニットに面する開口部を規定する。この赤外ヒーターは、上記開口部を覆う赤外透過材料を有する。この赤外ヒーターは、上記赤外エミッタに対して、この赤外エミッタからの赤外エネルギーが上記赤外透過材料に実質的に向かうように配置される赤外反射器を有する。
【0022】
1つの実施形態では、このデバイスは、上記使い捨てユニットに隣接するプレートヒーターを含む。
【0023】
1つの実施形態では、このプレートヒーターは、上記赤外ヒーターから上記使い捨てユニットの対向する側面上に配置される。
【0024】
1つの実施形態では、上記デバイスは、上記赤外ヒーターから上記赤外透過材料の対向する側面上に配置される赤外吸収材料を含む。この赤外吸収材料は、赤外エネルギーを吸収することから温度を増加し、上記使い捨てユニット中の流体を加熱する。
【0025】
1つの実施形態では、上記デバイスは、上記赤外ヒーターから上記透過材料の対向する側面上に配置される赤外反射材料を含む。この赤外反射材料は、上記ハウジングの外側の上記赤外エネルギーの少なくとも一部分を、上記使い捨てユニット中の流体に向ける。
【0026】
本発明のさらなる実施形態では、患者への透析処置のために、使い捨てユニットを通じて流れる流体のインライン加熱のためのデバイスが提供される。このデバイスは、赤外エミッタを含む。この赤外エミッタは、この赤外エミッタが使用されるとき、上記使い捨てユニットに向かう方向の赤外放射を有している。プレートヒーターは、この使い捨てユニットに隣接して配置されている。コントローラーが、上記赤外エミッタおよびプレートヒーターに作動可能に接続されている。このコントローラーは、上記赤外エミッタおよびプレートヒーターの1つまたは両方を作動し、所望の流体温度を達成する。
【0027】
本発明のなお別の実施形態では、少なくとも1つの可撓性メンバーを有する使い捨てカセットを通じて流れる流体にインライン加熱のための流体加熱デバイスが提供される。このデバイスは、第1の方向の赤外放射を有する赤外エミッタを含む。赤外透過物質が、上記赤外エミッタと、上記カセットの少なくとも1つの可撓性膜との間に隣接して配置されている。プレートヒーターはまた、上記カセットの少なくとも1つの可撓性膜に隣接して配置されている。
【0028】
ある実施形態において、赤外透過材料およびプレートヒーターが、カセットの1つの側の同じ可撓性膜に近接する。
【0029】
ある実施形態において、赤外線透過材料およびプレートヒーターが、カセットの反対側の異なる可撓性膜に近接する。
【0030】
ある実施形態において、透過材料が、サファイアガラス、光学ガラス、赤外ガラス、ガラスセラミックス、ホウケイ酸塩、アルミノ珪酸塩、ヒューズドシリカ(石英)、硫酸亜鉛、シリコン、ゲルマニウム、フッ素化合物/臭素化合物/塩素化合物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0031】
本発明のなおさらなる実施形態において、流体容器中の流体を加熱するための透析流体ヒーターが提供される。ヒーターは、放射エネルギーヒーターを含む。放射エネルギーヒーターは、放射エネルギー発生装置および第1の流体容器インターフェースを有する。この放射エネルギー発生装置は、第1の流体容器インターフェースに向かう方向での放射エネルギー放出を有する。第2のヒーターは、熱発生装置および第2の流体容器インターフェースを有する。この熱発生装置は、第2の流体容器インターフェースに向かう熱伝達放出を有する。透析流体は、透析流体が容器を介して動く場合、放射エネルギー発生装置および熱発生装置によって加熱される。
【0032】
ある実施形態において、放射エネルギーヒーターが、透析ヒーターを、約37℃まで加熱し得る。
【0033】
ある実施形態において、少なくとも約125ml/分で移動する透析流体が、約5℃から約37℃まで加熱され得る。
【0034】
ある実施形態において、第2の流体容器インターフェースが、第2のヒーターの温度よりも高い溶融温度を有する。
【0035】
ある実施形態において、第1の流体容器インターフェースが、第2の流体容器インターフェースの流路ではなく、異なる容積を有する容器中の流路に接する。
【0036】
ある実施形態において、第2の流体容器インターフェースが、透析流体のための容器における調節流路に接する。
【0037】
さらに、別の実施形態において、流体容器中の透析流体を加熱するための透析流体ヒーターが、提供される。このヒーターは、第1のヒーターおよび第1のヒーターと協同して透析流体を加熱する第2のヒーターを含む。患者は、約13分の間、約10℃から加熱された2リットルの透析流体を受け取り得る。
【0038】
ある実施形態において、第1のヒーターおよび第2のヒーターは、約±0.5℃内の所望される流体温度を達成し得る。
【0039】
なおさらに、別の実施形態において、透析システムが、提供される。このシステムは、流体流路を含む。放射ヒーターが、流体流路に沿って移動する透析流体を加熱する。第2のヒーターが、流体流路に沿って放射ヒーターと一緒に透析流体を加熱する。
【0040】
ある実施形態において、このシステムは、放射ヒーターおよび第2のヒーターの少なくとも1つを選択的に作動させ、透析流体のための所望の温度を達成するコントローラーを含む。
【0041】
ある実施形態において、放射のヒーターおよび第2のヒーターが、流体流路に沿って透析流体を移すようさらに作動するデバイス中に配置される。
【0042】
本発明のなお別の実施形態において、使い捨て流体流動容器を有する透析のシステムにおける使用のためのインラインの流体加熱システムが、提供される。このシステムは、コントローラーを含む。第1の放射エネルギーヒーターが、コントローラーと作動可能に連結する。第1の放射エネルギーヒーターが、コントローラーによって作動される場合、透析のシステム中に使い捨て流体流動容器に向かう放射エネルギー放出を有する。第2のヒーターが、コントローラーと動作可能に連結する。第2のヒーターが、コントローラーによって作動される場合、透析のシステム中に使い捨て流体流動容器に向かう熱エネルギー放出を有する。温度センサーが、コントローラーに結合し、透析流体の感知される温度の信号の表示を有する。
【0043】
ある実施形態において、流体流動コネクタは、少なくとも1つのバルブと流体連絡している。
【0044】
ある実施形態において、コントローラーが、透析流体温度を感知する複数の温度センサから入力を受ける。
【0045】
ある実施形態において、第1の流体流動容器は、透析流体温度を感知する少なくとも1つの温度センサを含む。
【0046】
ある実施形態において、流体流動容器は、少なくとも1つのポンプと流体連絡している。
【0047】
ある実施形態において、流体流動容器は、透析流体格納デバイスと流体連絡している。
【0048】
ある実施形態において、流体流動容器が、透析の患者内に配置されたカテーテルと流体連絡している。
【0049】
本発明のなおさらなる実施形態において、透析流体を加熱する方法が、提供される。この方法は、使い捨て流体経路を介して透析流体を流す工程を包含する。二次元熱エネルギー供給源からのエネルギーは、使い捨て可能な流体経路内の透析流体に適用される。三次元熱エネルギー供給源からのエネルギーが、使い捨て可能な流体経路内の透析流体に適用される。
【0050】
ある実施形態において、三次元熱エネルギー供給源からのエネルギーを適用することが、三次元的熱を反射または吸収する少なくとも1つのデバイスを利用する工程を包含する。
【0051】
ある実施形態において、三次元熱エネルギー供給源からのエネルギーを適用することが、三次元熱供給源を冷却する工程を包含する。
【0052】
ある実施形態において、この方法はまた、コントローラーを持つ三次元熱エネルギー供給源および二次元熱エネルギー供給源の作動を制御する工程を包含し、その結果、三次元熱エネルギー供給源および二次元熱エネルギー供給源の選択された1つまたはその両方が、透析流体を加熱する。
【0053】
ある実施形態において、透析流体を流す工程は、二次元熱エネルギー供給源を通り過ぎて透析流体を流す工程および三次元熱エネルギー供給源を通り過ぎて透析流体を流す工程を包含する。
【0054】
なおさらに、本発明の実施形態において、透析流体のインラインの加熱方法が、提供される。この方法は、使い捨て可能な流体経路を介して透析流体を流す工程を包含する。この透析流体は、透析流体がプレートヒーターを通り過ぎて流れる際にプレートヒーターで加熱される。透析流体は、透析流体が赤外ヒーターを通り過ぎて流れる際に赤外ヒーターで加熱される。
【0055】
ある実施形態において、透析流体を流す工程は透析流体を連続して流す工程を包含する。
【0056】
ある実施形態において、赤外ヒーターで透析流体を加熱する工程およびプレートヒーターで透析流体を加熱する工程は、透析流体の同じ部分を加熱する工程を包含する。
【0057】
本発明のなお別の実施形態において、透析を患者に提供する方法が、提供される。この方法は、放射ヒーターおよび第2のヒーターで透析流体を加熱し、加熱した流体を患者の一部に通す工程を包含する。
【0058】
ある実施形態において、その一部が、患者の腹膜腔を含む。
【0059】
ある実施形態において、その方法が、患者からの流体を再循環し、流体を浄化する工程をさらに包含する。
【0060】
ある実施形態において、その方法は、リサイクルされた流体を、必要ならば、放射ヒーターおよび第2のヒーターの少なくとも1つで再加熱する工程をさらに包含する。
【0061】
ある実施形態において、その方法は、加熱された流体を眠っている患者に注入する工程をさらに包含する。
【0062】
ある実施形態において、その方法は、加熱された流体を夜間に患者に注入する工程をさらに包含する。
【0063】
ある実施形態において、その方法が、患者が眠っている間に流体を加熱する工程をさらに包含する。
【0064】
従って、透析を実施するための改善されたシステムを提供することが、本発明の利点である。
【0065】
本発明の別の利点は、透析を実施するための改善された方法を提供することである。
【0066】
なお別の利点は、改善された流体ヒーターを提供することである。
【0067】
本発明の別の利点は、医用の流体を加熱する改善された方法を提供することである。
【0068】
さらに、本発明の利点は、連続フロー透析を含む透析を実施する改善されたシステムおよび方法を提供することである。
【0069】
さらに、本発明の利点は、赤外線エネルギーのような放射エネルギーで流体を加熱することである。
【0070】
本発明のなお別の利点は、患者が眠る間、夜間に透析を実施するシステムおよび方法を提供することである。
【0071】
本発明のなお別の利点は、複数の異なる型のヒーターを利用する流体ヒーターを提供することである。
【0072】
本発明のなお別の利点は、電源を切って作動しなくなるとすぐに冷却するヒーターを提供することである。
【0073】
本発明のなおさらなる利点は、比較的小さな大きさのヒーターで比較的大量の流体を効果的に加熱することである。
【0074】
本発明の別の利点は、加熱された流体から空気を取り除くことである。
【0075】
本発明のなおさらなる利点は、流体がヒーターを通り過ぎる際に、三次元様式で流体を加熱することである。
【0076】
本発明のなお別の利点は、使い捨て可能なカセットを大きさおよび費用において減少させることを可能にする透析のヒーターを提供することである。
【0077】
本発明のさらなる特徴および利点が、本発明および図面の以下の詳細な説明に記載され、そしてここから明らかになる。
【0078】
(発明の詳細な説明)
本発明は、医用の流体を用いる、特に透析流体を用いる、そして最も特に連続フロー腹膜透析を含む腹膜透析を用いる使用のための二重のインラインヒーターを提供する。ある実施形態において、本発明は、赤外ヒーターおよびプレートヒーターを提供する。赤外ヒーターおよびプレートヒーターの組み合わせは、広範な加熱の需要にわたる流体の効率的かつ効果的な加熱を提供する。
【0079】
赤外ヒーターおよびプレートヒーターの内の1つまたはその両方のいずれかを使用して、流体温度を所望の温度に増加するのに必要な熱量を供給し得る。赤外ヒーターは、より高い能力のヒーターであり、これは大きな熱の需要に対して選択的に作動させられ得る。より低い能力のプレートヒーターは、熱の需要が比較的小さい場合に単独で代替的に用いられるか、またはより大きな熱の需要に適合するように、放射ヒーターと同時に用いられる。
【0080】
本発明は、既存のヒーター、特にかさばるプレートヒーターに対して流体加熱の有意に増加した制御を提供する。2つのヒーターからなる本発明においてヒーターの両方が、個別にまたは組み合わされて、流体の有意に増加した温度制御を提供する。
【0081】
ある実施形態において、本発明は、連続フロー腹膜透析システムにおけるインラインの赤外ヒーターを提供する。この透析システムは、、例えば、患者がうたた寝もしくは眠っている間に、夜間に、または患者が眠っている間の夜間に、自動的に患者に透析治療を実施する。いかなる場合においても、透析処置の間に用いられる透析流体は、適切な温度に加熱しなければならない。
【0082】
赤外ヒーターは、すぐに温まり、冷却し、これはこのヒーターが、流体温度における変化または熱の需要にすぐに応答することを可能にする。さらに、放射ヒーターまたは赤外ヒーターは、ヒーターが電源を切られる瞬間に、実質的に熱を生じるのを止める。
【0083】
ある実施形態において、赤外ヒーターおよびプレートヒーターの出力は、選択的に変動し得る。例えば、赤外ヒーターの出力は、より小さな加熱の需要のために減少し得る。または、プレートヒーターの出力は、より高い能力の赤外ヒーターを使用するのを正当化するほど十分は大きくない加熱の需要に適合するように上げられ得る。
【0084】
従って、本発明は、広範な加熱の需要にわたって流体を加熱するための大きな可撓性および効率を有するヒーターを提供する。このヒーターは、比較的小さな空間しか必要とせず、既存の腹膜透析システムおよび他の透析システムで作動するよう適合し得る。本発明のヒーターは三次元的加熱を利用し、かつ比較的高いワット−熱密度を有する。このヒーターは、赤外線放射が最小の吸収で使い捨て可能な成分の間を透過可能に通るために、使い捨て可能な成分を損傷することを避ける。手短に言えば、放射熱は、透析物質の流体を加熱する傾向にあり、流体の容器を加熱する傾向にない。
【0085】
ここで図面、特に図1および図2に言及すると、本発明に従うヒーター10は、模式的に示される。ヒーター10は、二段階ヒーターであり、放射または赤外ヒーターユニット12およびプレートヒーターユニット14を有する。流体フロー経路18を規定する流体容器16は、赤外ヒーター12とプレートヒーター14との間に配置される。ある実施形態において、ヒーター10は、プレートヒーター14および赤外ヒーター12を通り過ぎて流体フロー経路18を介して流体が流れる際に所望の温度に流体を加熱するインラインヒーターである。しかし、別の実施形態において、ヒーター10は、バッチ操作、例えば、かさばる腹膜の透析移転を行なうために適切な大きさに合わせられる。
【0086】
図1によって例示されるある実施形態において、経路18は、赤外線部分およびプレートヒーター部分に分割される。図2に例示されるある実施形態において、経路18は、とぎれなく、その結果、ヒーター10のヒーター12およびヒーター14の両方が、同時に同じ容積の流体を加熱する。赤外ヒーター12およびプレートヒーター14が、容器またはカセット16の反対側にあるものとして例示されているが、別の実施形態において、ヒーター12およびヒーター14は、カセットまたは容器16と同じ側に配置され得、または存在し得る。
【0087】
流体流動容器16は、ある実施形態において、図5A〜図5Cと関係して記載される使い捨て可能なカセットのような使い捨て可能なカセットである。容器または使い捨て可能なカセット16は、透過可能な側を含む。ある実施形態において、この側は、カセット16の反対側に接着した薄い可撓性のあるシート20である。カセットシート20は、放射エネルギーまたは赤外線エネルギーに対してほぼ透明である。例えば、8ミリ厚までのポリエチレンシートが、用いられ得る。他の透過可能なプラスチックが、用いられ得る。
【0088】
図1は、ある実施形態において、流体フロー経路18が、最初プレートヒーター14に沿って、次いで放射ヒーター12に沿って移動することを例示する。しかし、別の実施形態において、経路18は、代替的に放射ヒーター12を通って移動し、その後プレートヒーター14に沿って通過する。
【0089】
赤外ヒーター12は、放射エネルギーを用いて3次元的様式で流体ボリュームの深部を加熱するために放射エネルギーを使用する。すなわち、透析液は、種々の深さで放射エネルギーを吸収する。透析流体は、大量の水を含み、(5.0ミクロンの波長を超える約1.0ミクロンの波長からの)赤外線波動スペクトルは、水によって高度に吸収された。赤外ヒーター12はまた、使い捨て可能なカセット16の内部表面を加熱し、これがさらに流体を加熱する。赤外ヒーター12または他の放射エネルギーエミッタによる流体ボリュームの3次元的加熱は、2次元的プレートヒーターと比べてより効果的かつ効率的なヒーターである。従って、赤外ヒーター12は、透析液について効果的なヒーターを提供する。
【0090】
インラインの赤外ヒーター12は、第2のインラインプレートヒーター14と比べて比較的高い熱容量を持つ第一のヒーターである。赤外ヒーター12が、プレートヒーター14で透析流体を加熱することによって達する温度を超えて透析流体の温度を迅速に増加させるために、適合される。例えば、本発明の1つのヒーター10は、約300ワット〜約500ワットの熱容量を有する赤外ヒーター12および約100ワットの熱容量を有するプレートヒーター14を含む。
【0091】
プレートヒーター14は、1つの実施形態において、透析物の最初のより低い温度を上昇させる。次に、放射ヒーター12は、その予め温められた透析物を所望の温度に加熱する。代替的実施形態において、その放射ヒーター12は、透析物の最初のより低い温度を上昇させ、そのプレートヒーター14は、その予め温められた透析物を所望の温度に加熱する。
【0092】
ヒーター10のプレートヒーター14および放射ヒーター12が組み合わさって、約5℃〜約37℃まで、約125ml/分で移動するその透析物を加熱し得ることが見いだされた。別の例において、二重のインラインヒーター10は、約10℃〜約37℃まで、約150ml/分で移動する流体を加熱し得る。さらなる例において、そのヒーター10は、約15℃〜約37℃まで、約200ml/分で移動する流体を加熱し得る。当然のことながら、赤外ヒーター12およびプレートヒーター14は、所望の熱容量の任意の適切な組み合わせを提供するように構築され得る。従って、2リットルの流体または透析物を必要とする患者は、約16分で約5℃、約13分で約10℃および約10分で約15℃から加熱される量を受容し得るはずである。ヒーター10は、1つの実施形態において、所望の流体温度を達成し得る(例えば、37℃±0.5℃以内)。
【0093】
インライン型ヒーターとして、ヒーター10は、流体が、ヒーター10を通り過ぎて流れるにつれて、流体の温度を上昇させる。その流体は、温度Tで流体入口22に入り、プレートヒーター14および放射ヒーターもしくは赤外ヒーター12の一方または両方によって流体出口24において温度Tまで加熱される。その流体加熱は、その流体が入口22から出口24まで連続して流れるにつれて生じる。すなわち、その流体は、一般に、加熱されている間、流路18内に静止したままでいるのではない。代替的な実施形態において、そのヒーター10は、バルク流体レザバ加熱適用において使用される。
【0094】
ここで図1〜3を参照すると、図3は、本発明のヒーター10の分解されたアセンブリを例示する。そのヒーター10は、別個の赤外ヒーター12および抵抗ヒーター14のプレートを備える。この赤外ヒーター12は、反射器26を備える。この反射器26は、概して細長いU字型またはV字型の構造であり、これは、エンドキャップ28によって、2つの末端でキャップが外されている。このエンドキャップ28は、バルブ30を保持する。このバルブ30は、以下により詳細に記載されるように、放射線を発する。この反射器26は、バルブ30およびチャネルを収容するか、またはカセット16に向かってバルブ30から光を反射する。エンドキャップ28はまた、カセット16に向かってバルブ30から光を向けるための反射表面を有し得る。
【0095】
図1および2は、放射エネルギーが、バルブ30から発せられ、反射器26から反射し、透過ガラス36に向かって、これを通ることが象徴的に例示される。この透過ガラスは、カセット16の透過プラスチックシート20と直接接してもよいし、そうでなくてもよい。図1は、カセットまたは容器20の対向する壁上に、放射ヒーター12から流路18を横切って存在する反射器40を例示する。その反射器40(これは、1つの実施形態において、アルミニウム反射表面である)は、放射エネルギーを捕捉して、戻す傾向があり、このことにより、透析物が有効性を増大させ、システムの三次元加熱特徴を高めることを避ける。図2はまた、自然に対流するかまたは押し込まれた空気42が、放射ヒーターまたは赤外ヒーター12を冷却するために使用され得ることを例示する。
【0096】
図3において、放射ヒーター12の反射器26は、支持体32に直接的にまたは間接的に取り付けられる。支持体32は、カットアウト34を規定する金属片またはプラスチック片であり、このカットアウト34は、バルブ30からの放射エネルギーが、本明細書中に記載されるように、透過ガラス36の一断片を通って流体(これは、容器またはカセット16を通って移動する)へと支持体32から通り抜けることを可能にする。
【0097】
抵抗性ヒーターまたはプレートヒーター14は、1つの実施形態において、図1および2に見られるように、カセット16の対向する表面上にあるか、またはこの対向する表面に隣接している。抵抗ヒーターマウント38は、プレートヒーター14を保持し、収容する。マウント38は、1つの実施形態において、金属または成形プラスチックから形成される。適切な圧縮性の(例えば、シリコン)ガスケット44は、ヒーター10のアセンブリが、医療システムまたは透析システムの残りにきつく接続または取り付けられ得る。
【0098】
赤外ヒーター12は、1つの実施形態において、流体流動容器またはカセット16に隣接する。バルブ30は、1つの実施形態において、タングステンフィラメントバルブまたはエミッターである。赤外バルブまたはエミッター30は、1つの実施形態において、2000°Kを超える色温度で作動し、波長1ミクロン〜2ミクロンの間のピーク発光スペクトルを有し、波長5ミクロンを超えて延びる赤外エネルギーを提供する。バルブ出力が、その定格ワット数より低く設定されると、バルブ30のフィラメント色温度は低下し、2ミクロンを超えるより長い波長が優勢になる。
【0099】
図4も参照すると、反射器26の支持体32は、ハウジング46と一体化されるか、またはこのハウジングに取り付けられる。赤外反射器26は、このハウジング46内にある。1つの実施形態において、赤外反射器26は、放物線状である。あるいは、この反射器26は、任意の所望の形状を有し得、この反射器は、ハウジング46の支持体32によって規定されるウィンドウ開口部またはカットアウト34から赤外エネルギーを効率的に向ける。例えば、赤外反射器26は、代わりに、球状、楕円状であり得るか、または複合曲線を有し得る。その反射器26およびエンドキャップ28は、高効率コーティング(例えば、当業者に公知の方法によって基部材料に付与される金コーティング)を有し得る。
【0100】
赤外ヒーター12の赤外透過ガラスまたはウィンドウ36は、バルブ30からの赤外エネルギーの大部分を伝達し、その結果、このウィンドウ36は、赤外エネルギーへの曝露による温度の有意な上昇をもたらさない。ウインドウ36は、赤外バルブ30に対して相対的に冷たいままであり、カセットシーティング20と接触しているので、このシーティングは、ガラス36からの過剰な熱伝導を経験しない。このことは、赤外ヒーター12の作動の間に、その作動温度または融解温度を超えて、シーティングの温度を上昇させ得る。そのウィンドウは、流体温度を超える温度で維持され得、そして実際、プレートヒーターとして機能し、同じ界面での赤外加熱を増大させる。1つの実施形態において、その透過ガラス36は、サファイアガラスである。代替的実施形態において、このウィンドウ36としては、光学ガラス、赤外ガラス、ガラスセラミック、ホウケイ酸塩、アルミケイ酸塩、石英ガラス(石英)、硫化亜鉛、シリコン、ゲルマニウム、フッ化/臭化/塩化化合物ならびに他の型のガラスが挙げられる。
【0101】
図1、2、および3において、そのプレートヒーター14は、当該分野で公知の抵抗型プレートヒーターである。このヒーターは、流体流動容器またはカセット16に隣接して配置され得る。1つの実施形態において、そのプレートヒーター14はまた、放射ヒーター12に面する赤外吸収材料(例示せず)を含み得る。その赤外吸収材料は、流体および種々のシーティング層20を通り抜ける赤外エネルギーを吸収するにつれて温度が上昇する。ここで、その反射材料40(図1)は、使用されない。代わりに、プレートヒーター14の吸収材料が、流体をより加熱し、赤外エネルギーをより効率的に使用するために、別の失われた残りの赤外エネルギーを吸収する。
【0102】
別の代替的実施形態において、赤外吸収材料(例示せず)および赤外反射器40の両方は、組み合わせて使用される。赤外吸収材料および赤外反射器40は、所望されるように、プレートヒーター上および/またはカセット内の異なる位置において、個々にまたはまとめて配置され得る。赤外吸収材料および/または反射器40は、1つの実施形態において、カセットの可撓性シーティング20と直接接触して配置される。
【0103】
ヒーター10は、赤外ヒーター12を有すると主に記載されてきたが、他の放射エネルギーデバイスまたは三次元エネルギーデバイスが、赤外ヒーターの代わりに使用され得る。他の適切なエネルギー源としては、マイクロ波、紫外線、γ線、レーザー、超音波、無線周波数(RF)、誘導加熱などが挙げられる。当然のことながら、選択されるエネルギー放射デバイスの型は、加熱されている流体と適合性でなければならない。
【0104】
ここで図5A、5B、および5Cを参照すると、容器またはカセット16の1つの実施形態の立面図が例示される。図5Aは、カセット16の側面の抵抗ヒーターを示す。可撓性または剛性の透過プラスチックシート20aは、図5Aにおいて容器16の頂部表面として存在する。シート20aは、カセット16に結合され得、密封された流体流路を提供し得る。このカセット16は入り口22を規定し、ここでその流体は、最初の温度T1で入り、通路18aを移動する。例示されるように、通路18aは、複数のバッフルプレート48を備える。バッフルプレート48は、この流体が経路18aを通って移動するときに、透析物または医療流体を混合し、この経路は、プレートヒーター14によって提供される熱伝導を増大させる傾向がある。
【0105】
図5Bは、カセット16の側面の赤外ヒーターを例示する。可撓性または剛性の透過プラスチックシート20bは、図5Bにおいて容器16の頂部表面として存在する。シート20bは、カセット16に結合され得、密封された流体流路を提供し得る。このカセットは、出口24を規定し、ここで流体は、最終的な温度Tで出る。図5Cは、線5Cに沿って見たカセット16の内部の断面図である。図5Cに見られるように、そのカセット16は、図5Aの抵抗性ヒーターを図5Bの赤外ヒーターから分離する透過性または非透過性分離壁50を備える。流体が、入り口22から経路18aを通って移動する場合、その流体は、開口部52を通り、分離壁50を通って、カセット16の赤外側に配置された経路18bへと通過する。経路18bは、バッフル48を有するようには示されていないが、代替的実施形態において、経路18bは、経路18aにおいて見られるバッフル48と同様なまたは異なって構成されるバッフルを備え得る。
【0106】
図5Cは、容器16が、概して薄く、小型であることを例示する。この容器16は、1つの実施形態において、使い捨てであり、ヒーター10にフィットするように適合され、このヒーターは、医療流体流動システム(例えば、腹膜透析システム)にフィットする。経路18(18aおよび18b)およびカセット16は、多くの入り口ポート(例えば、入り口22)および多くの出口ポート(例えば、出口24)を備え得る。すなわち、その流体は、システムの流動論理に依存して、1つ以上の異なる場所から来てもよいし、またはその場所へと出てもよい。
【0107】
図5Cに例示される実施形態において、分離壁50は、カセット16の赤外側面のプラスチックシート20bより、抵抗性側面のプラスチックシート20aに近接して配置される。言い換えると、流体の深さは、経路18aより経路18bにおいてより深い。分離壁50の一様でない配置によって規定される容積の差異は、抵抗性ヒーター側面での透析物の速度を、赤外ヒーター側面での速度より高くする。1つ以上の分離壁50は、容器16内に位置づけられて、任意の所望の流体速度を達成し得る。この流体速度は、構成要素ヒーター12および14に関して同じであっても異なってもよい。
【0108】
カセット16はまた、カセット16を通って流れる流体からの空気または気体の分離を提供し得る。図5A、5B、および5Cに示されるカセットの実施形態において、例えば、そのカセット16は、上に向かって配置された開口部52とともに示されるように、垂直方向に配置される。流体が、経路18aから開口部52を通って経路18bへと流れる場合、気体は、液体から分離され、開口部52の頂部にある気体収集領域49中に集められる。次いで、収集領域49中の気体は、所望されるように、排気ライン51を通って、連続的または周期的に除去され得る。従って、カセット16は、空気分離および液体からのパージを提供する。
【0109】
連続流動再生腹膜透析システムの模式図を示す図6を参照すると、本発明の医療流体ヒーターの作動が例示される。当然のことながら、本発明のヒーター10は、腹膜透析処置に限定されることを意味せず、任意の型の透析または医療処置のために使用され得る。しかし、腹膜透析は、本発明のヒーター10についての1つの重要な用途であり、腹膜透析システムにおけるその用途は、他の医療システムにおけるヒーター10の用途の指標である。
【0110】
例示されるように、種々のポンプ53および54は、患者56へとまたは患者56から、患者−流体ループ58を介して、透析流体を連続的にポンプ輸送する。患者流体ループ58は、患者の腹腔におけるカテーテル60から延びた連続的流体流路であり、これは、透析機62を通って、流体ヒーター10を通ってポンプ輸送され、カテーテル60を通って腹腔へと戻る。再生流体ループ66は、透析機62を通って延び、患者流体ループ58中の使用済み透析物を再生する。透析物は、必要に応じて、透析物供給源64から、例えば、患者の腹腔の最初の充填の間に引き出され得る。
【0111】
流動論理は、コントローラー(図示せず)によって制御され、このコントローラーは、プログラム可能な論理コントローラー(「PLC」)または専用の論理コントローラーであり得、ここで、このコントローラーは、電気的または気学的作動バルブ(例えば、バルブ68〜82)を開閉するようにプログラムされる。これらのバルブは、任意の所望のメカニズム(例えば、電気的作動メカニズム、機械的作動メカニズム、または気学的作動メカニズム)によって、作動され得る。例えば、バルブ68およびバルブ70は、流体が患者56に流れるか、またはバイパス線94を通って流れるかを制御する。バルブ72〜80は、ペアになって、ポンプ53およびポンプ54を囲む。バルブ76〜82は、ポンプ53およびポンプ54が、患者56に流体をポンピングするか、患者56から流体をポンピングするか、または透析物供給源64から流体をポンピングするかを制御する。図6は、患者56に入る前に、透析物がヒーター10を通って流れることを示す。流体はまず、プレートヒーター14を通って流れ、そして次に放射性ヒーター12を通って流れる。もちろん、これら2つのヒーター12およびヒーター14は、順序が逆でもよい。
【0112】
液体加熱に対する要求は、多くの理由から生じ得る。例えば、透析物供給源64からの透析物は、体温より低い温度で貯蔵され得る。ここで、ヒーター10は、例えば、バイパス線94を用いて初めは高要求下に置かれ、バルク、冷却流体を加熱し、その結果、システムが切り替わり、液体を患者56にポンピングし始める。
【0113】
熱損失もまた、透析システムの連続作動の間、生じ得る。ここで、一定であるがより少ない要求量が、このシステムを「最高レベルにする(top−off)」するために必要である。例えば、患者−液体ループ58中の液体は、患者56の体温より低い周囲の温度に曝され得る。この患者−液体ループ58における透析物からの熱損失は、絶縁線、絶縁バルブ、および絶縁ポンプを通って生じる。同様に、透析機66の再生流体ループ66中の流体は、取り巻く周囲の環境に熱を放出し得る。周囲の熱損失を補正するために、流体ヒーター10が、所望の温度(例えば、約37℃の体温)まで、患者−流体ループ58中の透析液を加熱する。
【0114】
図1および図6は、ヒーター10および患者ループ58のシステムが、多数の温度センサー84、86、88、90および92を用いることを示す。図1において、センサー84は、透過ガラス36の温度をモニターする。センサー86は、プレートヒーター14から赤外ヒーター12まで送られる流体の温度をモニターする。センサー88は、プレートヒーター14の温度をモニターする。これらのセンサーは、危険な温度または融解温度を感知し得、その結果、このシステムのコントローラーは、成分ヒーター12および成分ヒーター14を自動的に閉じ得る。
【0115】
コントローラーは、任意の所望の温度まで流体を加熱するために、赤外ヒーター12およびプレートヒーター14のどちらか1つまたは両方をコ制御する。コントローラー(示さない)は、所望であれば、赤外ヒーター14のみを作動させ得るか、またはコントローラーは、代替的にまたはさらにプレートヒーター14を作動させ得る。コントローラーは、プレートヒーター14を作動させるため(例えば、連続的に作動する場合に、このシステムを最高レベルにするために)にのみ必要であり得る。もちろん、このコントローラーは、ヒーター10の成分ヒーター12および14を作動させるための多くの異なるアルゴリズムを使用するように、プログラム化され得る。
【0116】
この目的のために、流体の作動温度範囲が決定され、そしてコントローラーは、作動範囲内に流体温度を維持する必要があれば、赤外ヒーター12およびプレートヒーター14を自動的に作動する。ヒーター10のオペレーターは、許容温度範囲内の特定の流体温度を選択するために、このコントローラーを調節することが可能であり得る。さらに、このコントローラーは、ヒーター12およびヒーター14の1つまたは両方を作動させる電力量を変化させ得るアナログ出力を有するように適合され得、その結果、ヒーター12およびヒーター14の1つまたは両方の温度が、上下され得る。すなわち、コントローラーは、ヒーター12およびヒーター14を単に付けたり消したりすることによって、透析液の全体の温度を制御し得る。または、コントローラーは、それぞれのヒーター12およびヒーター14の温度を代替的にまたはさらに変化させ得る。1つの実施例において、コントローラーは、比例、積分および微分コントローラー(「PID」)であり、このコントローラーは、3つの制御成分を用いる。
【0117】
本発明のヒーターの他の構造もまた、発明の範囲であると考えられ得る。例えば、赤外ヒーター12およびプレートヒーター14は各々、廃棄可能な容器または他の流体流動容器16の任意の構造に適合するような、サイズ、形状、および位置を有し得る。例として、流体流動容器16は、可撓性バッグであり得、ここで、赤外ヒーター12およびプレートヒーター14は、これらのヒーターに近接してかまたはこれらのヒーターに対して設置される。本発明の別の実施形態において、赤外ヒーター12は、1つの流体容器16に近接して設置され、そしてプレートヒーター14は、第2の離れた流体容器16に近接して設置され、この容器は、第1流体容器と流体接続されている。
【0118】
1つの実施形態において、ヒーター10は、赤外ヒーター12およびプレートヒーター14の両方を備える。しかし、プレートヒーター14は、代替の実施形態において省略される。この実施形態において、赤外ヒーター12のみが、流体を加熱するために存在する。上述のように、他の放射性エネルギーデバイスが赤外ヒーター12の代わりに使用され得る。同様に、他のヒーター(例えば、対流ヒーター)が、抵抗プレートヒーター14の代わりに使用され得る。複数の放射性エネルギーヒーター(例えば、複数の赤外ヒーター12)および/または複数の伝導ヒーター(例えば、プレートヒーター14)が使用され得る。これらの複数の放射性エネルギーヒーターおよび複数の伝導ヒーターは、任意の所望の熱容量を有するように構築され得る。
【0119】
さらに、本発明は、図1に示した流体流路18以外の流体流路とともに使用され得る。例えば、流体流路18は、赤外ヒーター流路と、プレートヒーター流露との間のカセット16の向きを必ずしも逆にする必要はないし、この通路は、複数の時間、向きが逆になってもよい。さらに、図2に示すように、図1における赤外ヒーター流路およびプレートヒーター流路18から離れたカセット壁が除去され得、その結果、赤外ヒーター12およびプレートヒーター14の両方を同時につなぐ1つの共通の流路がある。
【0120】
本明細書中で記載した、本発明の好ましい実施形態に対する種々の変化および改変は、当業者に明らかであることを理解されるべきである。このような変化および改変は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、そしてその意図される利点を損なうことなく、なされ得る。従って、このような変化および改変は、添付の特許請求の範囲によって網羅されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】図1は、本発明の原理に従う流体ヒーターの1つの実施形態の概略図である。
【図2】図2は、本発明の原理に従う流体ヒーターの1つの実施形態の概略図である。
【図3】図3は、本発明の放射ヒーターおよびプレートヒーターの1つの実施形態のアセンブリを示す分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の原理に従う赤外ヒーターのアセンブリの1つの実施形態の透視図である。
【図5A】図5Aは、本発明のヒーターで作動可能な使い捨て可能カセットの1つの実施形態の正面図である。
【図5B】図5Bは、本発明のヒーターで作動可能な使い捨て可能カセットの1つの実施形態の正面図である。
【図5C】図5Cは、本発明のヒーターで作動可能な使い捨て可能カセットの1つの実施形態の正面図である。
【図6】図6は、本発明に従うヒーターを有する腹膜透析システムの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療流体を加熱するための流体ヒーターであって、該ヒーターは以下:
該流体に向かう方向で、エネルギーを放射する放射ヒーター;
該流体に向かう方向で、エネルギーを放射する第2のヒーター;
赤外ヒーターおよび該第2のヒーターの少なくとも1つに該流体の所望の温度を維持させるコントローラー
を備える、流体ヒーター。
【請求項2】
前記コントローラーが、前記赤外ヒーターおよび前記第2のヒーターの両方で、前記流体の所望の温度を維持させる、請求項1に記載の流体ヒーター。
【請求項3】
前記第2のヒーターが、プレートヒーターである、請求項1に記載の流体ヒーター。
【請求項4】
前記放射ヒーターが、前記エネルギーを前記流体に方向付ける赤外反射器を備える、請求項1に記載の流体ヒーター。
【請求項5】
前記放射ヒーターと前記流体との間に配置された少なくとも1つの透過材料をさらに含む、請求項1に記載の流体ヒーター。
【請求項6】
前記第2のヒーターが、前記赤外ヒーターの流体的に上流に配置される、請求項1に記載の流体ヒーター。
【請求項7】
前記放射ヒーターが、赤外線、マイクロ波、レーザー、紫外線、γ線、超音波、高周波、誘導エネルギーおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される型のエネルギーを放射する、請求項1に記載の流体ヒーター。
【請求項8】
使い捨て透析ユニットを通じて流れる流体のインライン加熱のためのデバイスであって、該デバイスは以下:
ハウジング中に配置される赤外エミッタを有する赤外ヒーターであって、該ハウジングは、該赤外ヒーターが使用されている場合、該使い捨てユニットに面する開口部を規定し、該赤外ヒーターは、該開口部を覆う赤外透過材料を有し、そして該赤外ヒーターは、該赤外エミッタからの赤外エネルギーが実質的に該赤外透過材料に向かうように該赤外エミッタに対して配置された赤外反射器を有する、赤外ヒーター、
を備える、デバイス。
【請求項9】
前記の使い捨てユニットに隣接するプレートヒーターをさらに備える、請求項8に記載の流体のインライン加熱のためのデバイス。
【請求項10】
前記プレートヒーターが、前記赤外ヒーターから前記使い捨てユニットの対向する側面上に配置される、請求項8に記載の流体のインライン加熱のためのデバイス。
【請求項11】
前記赤外ヒーターから前記赤外透過材料の対向する側面上に配置された赤外吸収材料をさらに含み、ここで該赤外吸収材料は、該赤外エネルギーを吸収することから温度を増加し、該使い捨てユニット中の流体を加熱する、請求項8に記載の流体のインライン加熱のためのデバイス。
【請求項12】
前記赤外ヒーターから前記赤外透過材料の対向する側面上に配置された赤外反射材料をさらに含み、ここで該赤外反射材料は、前記ハウジングの外側の前記赤外エネルギーの少なくとも一部を、前記使い捨てユニット中の流体に向ける、請求項8に記載の流体インライン加熱のためのデバイス。
【請求項13】
患者への透析処置のための前記使い捨てユニットを通じて流れる流体のインライン加熱のためのデバイスであって、該デバイスは以下:
該使い捨てユニット中の流体の少なくとも一部を加熱するように構築および配置された、赤外エミッタ;
該使い捨てユニット中の流体の少なくとも一部を加熱するように構築され、そして配置された、プレートヒーター;および
該赤外エミッタおよび該プレートヒーターの少なくとも一つに、所望の流体温度を達成させるコントローラー
を備える、デバイス。
【請求項14】
少なくとも1つの可撓性膜を有する使い捨てカセットを通じて流れる流体のインライン加熱のための流体加熱デバイスであって、該デバイスは以下:
第1の方向の赤外放射を有する赤外エミッタ;
該赤外エミッタの間および該カセットの該少なくとも1つの可撓性膜に隣接して配置された、赤外透過材料;および
該カセットの該少なくとも1つの可撓性膜に隣接して配置された、プレートヒーター
を備える、デバイス。
【請求項15】
前記赤外透過材料および前記プレートヒーターが、前記カセットの片面上の同じ可撓性膜に隣接する、請求項14に記載の流体加熱デバイス。
【請求項16】
前記赤外透過材料および前記プレートヒーターが、前記カセットの対向する側面上の異なる可撓性膜に隣接する、請求項14に記載の流体加熱デバイス。
【請求項17】
前記透過材料が、サファイアガラス、光学ガラス、赤外ガラス、ガラスセラミックス、ホウケイ酸塩、アルミノ珪酸塩、ヒューズドシリカ(石英)、硫酸亜鉛、シリコン、ゲルマニウム、フッ素化合物/臭素化合物/塩素化合物、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14に記載の流体加熱デバイス。
【請求項18】
流体容器中の流体を加熱するための透析流体ヒーターであって、該ヒーターは以下:
流体容器の少なくとも第1の部分を加熱する放射エネルギーヒーターであって、該放射エネルギーヒーターは、第1の部分に向かう方向で放射エネルギー放射を有する、放射エネルギーヒーター;および
流体容器の少なくとも第2の部分を加熱する第2のヒーターであって、該第2のヒーターは、該第2の部分に向かう方向の熱伝達放射を有する、第2のヒーター;
を備え、ここで、該容器中の透析流体は、該透析流体が該容器を通じて移動する場合、該放射エネルギーヒーターおよび該第2のヒーターの少なくとも1つによって加熱される、透析流体ヒーター。
【請求項19】
少なくとも約125ml/分で移動する前記透析流体が、約5℃から約37℃まで加熱され得る、請求項18に記載の透析流体ヒーター。
【請求項20】
前記第2の流体容器インターフェースが、前記第2のヒーターの温度よりも高い溶融温度を有する、請求項18に記載の透析流体ヒーター。
【請求項21】
前記第1の流体容器インターフェースが、前記第2の流体容器インターフェースに接触する流路とは異なる容量を有する容器中の流路に接触する、請求項18に記載の透析流体ヒーター。
【請求項22】
前記第2の流体容器インターフェースが、前記透析流体のための容器中の調節流路に接触する、請求項18に記載の透析流体ヒーター。
【請求項23】
流体容器中の前記透析流体を加熱するための透析流体ヒーターであって、該ヒーターは以下:
第1のヒーター;および
該第1のヒーターと協同して該透析流体を加熱する、第2のヒーター、
を備え、ここで、該第1のヒーターおよび該第2のヒーターは、少なくとも約13分間で約10℃から約37℃まで、約2リットルの透析流体を加熱する、透析流体ヒーター。
【請求項24】
前記第1のヒーターおよび前記第2のヒーターが、約±0.5℃内の所望の流体温度を達成し得る、請求項23に記載の透析流体ヒーター。
【請求項25】
前記第1のヒーターおよび前記第2のヒーターが、使い捨てカセットに隣接して提供される、請求項23に記載の透析流体ヒーター。
【請求項26】
前記第1のヒーターおよび前記第2のヒーターが、異なる型である、請求項23に記載の透析流体ヒーター。
【請求項27】
透析システムであって、該システムは以下:
流体流路;
該流体流路に沿って移動する透析流体の少なくとも一部を加熱する、放射ヒーター;および
該流体流路に沿って移動する透析流体の少なくとも一部を加熱する、第2のヒーター、
を備える、透析システム。
【請求項28】
前記放射ヒーターおよび前記第2のヒーターの少なくとも1つを選択的に作動させ、前記透析流体の所望の温度を達成するコントローラーを備える、請求項27に記載の透析システム。
【請求項29】
前記放射ヒーターおよび前記第2のヒーターが、前記流体流路に沿って前記透析流体を移すようにさらに作動するデバイス中に配置される、請求項27に記載の透析システム。
【請求項30】
使い捨て流体流動透析容器とともに使用するためのインライン流体加熱システムであって、該インライン流体加熱システムは、以下:
コントローラー;
該コントローラーと作動可能に接続された放射エネルギーヒーターであって、該放射エネルギーヒーターは、該コントローラーによって作動される場合、該透析システム中の該使い捨て流体流動容器に向かう放射エネルギー放射を有する、放射エネルギーヒーター;
該コントローラーと作動可能に接続された第2のヒーターであって、該第2のヒーターは、該コントローラーによって作動される場合、該透析システム中の該使い捨て流体流動容器に向かう加熱エネルギー放射を有する、第2のヒーター;および
該コントローラーと接続された温度センサであって、該温度センサは、透析流体の感知温度を示す信号を有する、温度センサ、
を備える、インライン流体加熱システム。
【請求項31】
前記流体流動コネクタが、少なくとも1つのバルブと流体的に接続する、請求項30に記載のインライン流体加熱システム。
【請求項32】
前記コントローラーが、透析流体温度を感知する複数の温度センサからの入力を受信する、請求項30に記載のインライン流体加熱システム。
【請求項33】
前記第1の流体流動容器が、透析流体温度を感知する少なくとも1つの温度センサを備える、請求項30に記載のインライン流体加熱システム。
【請求項34】
前記流体流動容器が、少なくとも1つのポンプと流体的に接続される、請求項30に記載のインライン流体加熱システム。
【請求項35】
前記流体流動容器が、大容量の透析流体容器と流体的に接続される、請求項30に記載のインライン流体加熱システム。
【請求項36】
前記流体流動容器が、透析を受ける患者内に配置可能なカテーテルと流体的に接続する、請求項30に記載のインライン流体加熱システム。
【請求項37】
透析流体を加熱する方法であって、該方法は、以下の工程:
使い捨て流体経路を介して、該透析流体を流す工程;
2次元熱エネルギー供給源からのエネルギーを、前記使い捨て流体経路内の該透析流体に適用する、工程;および
3次元熱エネルギー供給源からのエネルギーを、前記使い捨て流体経路内の該透析流体に適用する工程、
を包含する、方法。
【請求項38】
前記3次元熱エネルギー供給源からのエネルギーを適用する工程、前記3次元的熱を反射または吸収する少なくとも1つのデバイスを利用する工程を包含する、請求項37に記載の透析流体を加熱する方法。
【請求項39】
前記3次元熱エネルギー供給源からのエネルギーを適用する工程、該3次元熱供給源を冷却する工程を包含する、請求項37に記載の透析流体を加熱する、方法。
【請求項40】
コントローラーにより、前記3次元熱エネルギー供給源および前記2次元熱エネルギー供給源の作動を制御し、それにより、該3次元熱エネルギー供給源および該2次元熱エネルギー供給源の選択された1つまたはその両方が、前記透析流体を加熱する工程をさらに包含する、請求項37に記載の透析流体を加熱する方法。
【請求項41】
前記透析流体を流す工程が、前記2次元熱エネルギー供給源を通過して該透析流体を流す工程、その後の前記3次元熱エネルギー供給源を通過して、該透析流体を流す工程をさらに包含する、請求項37に記載の透析流体を加熱する方法。
【請求項42】
前記3次元熱エネルギー供給源が、放射ヒーターである、請求項37に記載の透析流体を加熱する方法。
【請求項43】
透析流体をインライン加熱する方法であって、該方法は以下:
使い捨て流体経路を介して、該透析流体を流す、工程;
該使い捨て流体経路中の該透析流体が、プレートヒーターを通過して流れる際に、該プレートヒーターで該透析流体を加熱する、工程;および
該使い捨て流体経路中の該透析流体が、該赤外ヒーターを通過して流れる際に、赤外ヒーターで該透析流体を加熱する、工程、
を包含する、方法。
【請求項44】
前記透析流体を流す工程が、該透析流体を連続して流す工程を包含する、請求項43に記載の透析流体のインライン加熱の方法。
【請求項45】
赤外ヒーターで前記透析流体を加熱する工程およびプレートヒーターで該透析流体を加熱する工程が、該透析流体の同じ部分を加熱する工程を包含する、請求項43に記載の透析流体のインライン加熱の方法。
【請求項46】
透析を必要とする患者に透析を提供する方法であって、該方法は以下の工程:
放射ヒーターおよび第2のヒーターで透析流体を加熱する工程;および
該加熱した流体を患者の一部に通過させる工程、
を包含する、方法。
【請求項47】
前記一部が、前記患者の腹膜腔を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
連続流動腹膜透析を患者に提供する方法であって、該方法は以下の工程:
放射ヒーターおよび第2のヒーターで透析流体を加熱する工程;
患者の一部に該加熱流体を通過させる工程;および
該患者からの流体を再循環し、そして該流体を浄化する工程、
を包含する、方法。
【請求項49】
必要な場合、前記放射ヒーターおよび前記第2のヒーターの少なくとも1つで、前記再循環した流体を再加熱する工程をさらに包含する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
患者に透析を提供するための方法であって、該方法は以下の工程:
放射ヒーターおよび第2のヒーターで透析流体を加熱する工程;および
眠っている患者に該加熱した流体を注入する工程、
を包含する、方法。
【請求項51】
前記加熱した流体を夜間、前記患者に注入する工程を包含する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
患者が眠っている間に、前記流体を加熱する工程を包含する、請求項50に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−500968(P2006−500968A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−561680(P2003−561680)
【出願日】平成14年12月13日(2002.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2002/040028
【国際公開番号】WO2003/061740
【国際公開日】平成15年7月31日(2003.7.31)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】