説明

放射性物質含有物の安全密閉型保管容器

【課題】 放射性物質を含む汚泥や焼却灰などの廃棄物をより保管場所を限ることなく安全でしかも多量に保管可能なようにした放射性物質含有物の安全密閉型保管容器を提供することを目的とする。
【解決手段】 放射性物質の透過を遮断可能な機能をもち上部に投入口を開設した容器本体と、同本体の上部に開閉自在に設けられて前記投入口を密閉可能な蓋とを有し、前記容器本体は、上下に積み重ねられる他の容器本体との間において平面方向に相対移動を規制しながら積み重ね可能な接続手段を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性物質含有物の安全密閉型保管容器に関する。
【背景技術】
【0002】
先の東日本大震災においては、原子力発電所の被害から周辺一帯にセシウムなどの放射性物質が大量飛散し、その被害は上・下水処理施設やごみ焼却施設内にまで及んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、上・下水処理施設においては、そこで発生する汚泥にまで放射性物質が含まれていることが判明し、当面はそれらの汚泥を汚泥パッケージに詰め込んで密閉し、該施設の空きスペースに仮置きしているのが実情である。しかし、汚泥パッケージは日毎に増え続ける一方において空きスペースの方はなくなり、処理し切れない状況になってきている。それだけでなく汚泥パッケージに密閉しているとはいえ、その密閉性は保障されるものではなく、安全面からの対策も必要になってきた。
【0005】
本発明は、このような問題を解決しようとするものであり、放射性物質を含む汚泥や焼却灰などの廃棄物をより保管場所を限ることなく安全でしかも多量に保管可能なようにした放射性物質含有物の安全密閉型保管容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、放射性物質の透過を遮断可能な機能をもち上部に投入口を開設した容器本体と、同本体の上部に開閉自在に設けられて前記投入口を密閉可能な蓋とを有し、前記容器本体は、上下に積み重ねられる他の容器本体との間において平面方向に相対移動を規制しながら積み重ね可能な接続手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上述したように本発明は、放射性物質の透過を遮断可能な機能をもち上部に投入口を開設した容器本体と、同本体の上部に開閉自在に設けられて前記投入口を密閉可能な蓋とを有し、前記容器本体は、上下に積み重ねられる他の容器本体との間において平面方向に相対移動を規制しながら積み重ね可能な接続手段を有することを特徴とするので、放射性物質を含む汚泥や焼却灰などの廃棄物をより保管場所を限ることなく安全でしかも多量に保管可能なようにした放射性物質含有物の安全密閉型保管容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 本発明の一実施形態を示す図2の保管容器平面図。
【図2】 図1の容器正面図。
【図3】 容器の積み重ね作業の様子を示す正面図。
【図4】 容器の積み重ね作業の次の段階の様子を示す正面図。
【図5】 他の実施形態を示す容器平面図。
【図6】 図5の積み重ね時の様子を示す正面図。
【図7】 図5のH矢視図。
【図8】 付加的な提案例を示す正面図。
【図9】 害獣忌避対策例を示す平面図。
【図10】 害獣忌避具の平面図。
【図11】 害獣忌避具の正面図。
【図12】 図10の害獣忌避具のD−D線拡大断面図。
【図13】 害獣忌避装置の一例を示す平面図。
【図14】 図13のX部拡大図。
【図15】 図13のY部横断拡大断面図。
【図16】 害獣忌避装置の他の実施形態を示す縦断面図。
【図17】 害獣忌避装置の他の実施形態を示す正面図。
【図18】 図19のE−E線断面模式図。
【図19】 図18の家屋の左側面図。
【図20】 他の実施形態を示す断面図。
【図21】 他の実施形態を示す断面図。
【図22】 他の実施形態を示す左側面図。
【図23】 他の実施形態を示す図24のF−F線断面図。
【図24】 図23の左側面図。
【図25】 他の実施形態を示す津波襲来側上方からみた正面図。
【図26】 他の実施形態を示す正面模式図。
【図27】 図26の縦断側面図。
【図28】 付加的な提案例を示す平面図。
【図29】 図28の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
各実施形態で説明する各案は他の実施形態においても適用することができる。
図1および図2において、1は設置面で、同面1は、図1および図2のような下水処理施設内の荷積み用のスペース面である場合と図3および図4のような荷積みしたものを搬送中のトラック床面や搬送後の保管先のスペース面であることがある。符号は同じもので示してある。
【0010】
Aは保管容器の全体を示し、この保管容器Aは、容器本体3と蓋4とを備える。
容器本体3は、保管槽5を備え、同保管槽5は、前後左右の4面と底面および上面とを備えた略立方体の箱状体でなっている。これらはセシウムなどの放射性物質が外へ漏出しない(内面の結露など水分が外へ漏出しないことも含む)ような、セラミック焼成体、セラミック塗装体、鉛・ガラス・コンクリート・コールタール層を一部に含む槽体などが好適である。いわゆる、ホーロー仕上げのように内芯を金属成形体としその表裏(表裏の一方でもよい)をセラミック焼付塗装を施したものもここに含まれる。
【0011】
容器本体3の上面には、図1のように上からみて四角(あるいは丸)形をした投入口6が形成されている。この投入口6は、内部に入れられる放射性物質含有物パッケージ(汚泥や汚泥焼却灰などを入れたもの)7を投入可能な口径とされているとともに、その断面は、図2の上欄に示すように、2段折り返し形状とされている。
【0012】
この投入口6にはフランジ4aをもつ蓋4が密閉状に被せられ、同蓋4と投入口縁部および保管槽5上面との間は蓋4側に設けた第1パッキン8および第2パッキン9によって放射性物質が漏出しないように完全密閉化されている。蓋4は図示しない開閉錠(起倒レバー式など)でワンタッチ操作で開閉するようにしてもよいし、完全施錠型のもので勝手に開けられないようにしてもよい。
尚、蓋4の上面には、スポンジやゴムなどの弾性質による受盤14を設けておいて、図3および図4のように上に積み重ねられる保管槽5の底面がこの受盤14を押し付けてその押圧力によって蓋4を完全密閉化するように構成してもよい。受盤14は、保管槽5の底面に設けてもよい。この底面と前記蓋4上の双方に設けてもよい。
【0013】
保管槽5の4つのコーナーには、アングル材による縦補強材10が一体化されている。この縦補強材10の上端には上受盤(接続手段の1つ)11が、また下端には下受盤(接続手段の1つ)12が一体化されている。下受盤12は、図2の右欄にその断面を示すように、下向きに拡がる円錐状案内孔12aとその上端のストレートな挿入孔12bとを有するやや厚め(高さ50mm前後)の円盤体とされている。
【0014】
上受盤11の上には挿入孔12bに通るような先端丸形の挿入ピン(接続手段の1つ)13が突設されている。このピン13は前記挿入孔12bの位置に合致する。同ピン13は、10〜15cmと充分長いものにして地震の揺れなどで容易には抜けないようにする。
【0015】
尚、保管槽5の上端縁部には、係合孔15aを開けた吊掛突片15が設けられて図3に示すように吊り掛けのためのフック16を掛けることができるようになっている。
また、図2に示すように、保管槽5の下縁部にはアングル材による底縁補強材17を付してもよい。
さらに、図2に示すように、保管槽5の面内には、面上補強材18を付してもよい。
また、図2の右下欄に示すように、下受盤12にはキャスタ19の軸が通されて取り付けられるようにし保管容器を移動可能にすることもできる。
【0016】
図1および2のように、密閉の必要のある放射性物質含有物パッケージ(汚泥入り)7を用意し、蓋4を開けて吊り下げたパッケージ7を投入口6より入れて容器本体3内に収納する。蓋4を閉めて前記ロックを適宜施して密閉性を保つ。そのあと、パッケージ7入りの保管容器Aの多数を保管限度にきた処理施設から保管可能な目的地まで搬送する。そして、図3のようにフォーク21やクレーン吊り具22などにより重ね積みしてゆく、この際、一番下段の保管容器Aには、図2のキャスタ19を装着して移動・ロック可能にしておいてもよい。
【0017】
下側の挿入ピン13は、図2のように開いた案内孔12aによって容易確実に案内されて挿入孔12bに導かれ上側の下受盤12が下側の上受盤11に当たるところで挿入がストップされる。挿入ピン13は少し長目であるので、地震の揺れで上側の保管容器Aが抜けて倒れたりするおそれがない。積み重ねた保管容器Aの全体は地震で倒れないように全体の外回りをワイヤロープなどで締め付けるようにすることができる。その場合、放射性物質の遮蔽シートで包むこともできる。
【0018】
尚、数段積みにしたものを放射性物質遮蔽料を内張りあるいは内塗りした密閉型コンテナに入れ、そのコンテナをそのまま搬送して目的地に積み上げて置くようにしてもよい。
また、図2の左上欄に示すように、蓋4は引掛パチン錠16でワンタッチで独自に開閉できるようにしてもよいし、蓋4を投入口6の外周にねじ付けるようにしてもよい。
さらに、図4の右下欄に示すように、保管容器Aの多数を沈澱池23内の空き水域に貯蔵するようにしてもよい。この場合、保管容器Aの全体はさらに密閉シートで囲むようにする。
また、容器本体3内には、パッケージ7以外に汚泥や汚泥灰、あるいは焼却灰などの放射性物質含有物を直接投入することがある。
【0019】
図5ないし図7は他の実施形態を示す。同実施形態は、接続手段についての他の実施形態を示し、保管容器Aの下端に脚26を付けておくとともに、保管容器Aの上端4辺に接続受具27をまた保管容器Aの下縁4辺にも接続具28を突設して互いが弾性変形を介して嵌まり合うことで倒れないように積み重ねることができるようにしたものである。接続受具27は、保管容器Aから立ち上がるもので、その途中の段階に弾性変形を可能とする曲がり部27aが、また上端には接続具28を案内するための案内面部27bが設けられている。接続具28は、曲がり部27aに嵌まり込むように同じ形状のものになっている。図6のように上からの保管容器Aが下げられてくると、接続具28が案内面部27bに案内されることで下の保管容器Aの上に同心状にマッチするようになり、さらに上の保管容器Aを下げてゆくと、接続受具27が背方へ弾性変形しそのあと接続具28が曲がり部27a内に嵌まりこんで上下の保管容器Aは連結されるようになる。
尚、図3の右欄に示すように、挿入ピン13は、下受盤12にねじ込みにより取り付けるようにしてもよい。12aはねじ孔である。この場合、上受盤11に案内孔11aを付けて挿入しやすくすることができる。最も下段にくる容器Aの下受盤12に形成されたねじ孔12cを利用してキャスタなどの転輪19を取り付けることもできる。
また、上記放射性物質含有物の中には、一般土壌であって放射性物質が飛散浸潤したような所謂汚染土壌を含む他に、放射性物質を受けて死んだ犬や猫などの動物あるいは植物、樹木その他の全てを含む。
【0020】
図8は付加的な提案例を示す。この例は、各家庭や学校などに常備され津波や洪水などの発生時に装着することによりたとえ流されたとして助かる確率が高くなるように構成した非常用着装型救命浮き具に関する。
【0021】
この救命浮き具は、胸胴部43と各袖部44および頭部45からなり、これら各部43,44,45は全て連続するように接着処理されて完全水密式に形成されている。各部43,44,45は、内外二重生地構造で、その二重構造間に空気が常に含まれるように例えば、撥水式ダウン(人工のものも含まれる)のような拡張繊維が充填され二重構造の内生地には通気多孔が明けられてダウンに内在する空気が非常時の吸気分を確保できるようになっている。ダウンは漂流物などが当った際のクッションとして機能する。
【0022】
胸胴部43の下端は開放状になっているとともに下から水が入り込まないように締めることのできるゴムバンド46と係着具47とを備え、さらに浮いたときのバランスを考慮してウエイト48を数個備えている。
また、この胸胴部43の腹部に相当する内面には、複数個の酸素ボンベ49…が常備され、それが外部から作動ボタン50を押し操作することで作動するようになっている。この作動ボタン50に代えて、水がかかると酸素ボンベ49の内部バルブが開くようなものにしてもよい。リブリーザー方式(吐気中酸素再利用型)を採用することもある。
【0023】
袖部44は先が密閉式になって水が入らないようになっているが、先が通常の被服のように開放状で手首まわりに密着できるようなものであってもよい。
頭部45は、強度のある殻体になっているが、水圧が作用した場合中の人が呼吸できるような一定の保形力のあるものであればよい。51は覗き部、52は救急報知灯、53はガードを兼ねる平時掛け具である。
【0024】
この救命浮き具は、平時は掛け具53を家庭などのフック54(図8の右欄参照)に引っ掛けておくことにより常備される。津波が襲ってくることを知らされると、この救命浮き具をフック54から外して、図のように平時の服を着たままその上から浮き具をすっぽりと被る。そして、係着具47を引っ張って止め付けることにより下からの水の浸入を阻止するとともに浮き具が身体から抜けない状態にする。これで浮き具を身に付けた人は完全密閉状態になり、何時津波が来ても安全な状態となる。浮き具を身に付けた人は外に出て津波流Tに乗り身を任せれば図8のように自動的に浮いた状態となる。津波が襲う前あるいは浮いた状態になるとボタン50を押すことにより酸素ボンベ49…を作用させて酸素を内部に充填して呼吸可能にする。浮き具は二重構造になっているので一定の時間は内填の空気により呼吸することができる。そして、浮き具は二重構造であるので、図のように隋流物があってもこれに耐えることができる。このようにして津波流に乗って自在に流されることによって命は保障される。
55は一定圧力で作動するチェックバルブ式の炭酸ガス用の吐気口、56は背面補強材である。頭部45にはシュノーケル57を付けておくことができる。このシュノーケル57は頭部45との間を手動で開閉可能なバルブを装備したものにすることができる。
【0025】
図9ないし図12は付加的な提案例を示すもので、例えば、図9のようなイノシシである害獣60…が川61に渡された橋62を通って下手前の民家の側に侵入してきて被害を加えないようにしたものである。害獣60…には、サル、クマ、シカなども対象になる。
【0026】
63は害獣忌避具であり、この忌避具63の複数個は、当地域での害獣の通り道である橋62の両脇に添って配置することにより忌避剤から発し漂う忌避成分64により害獣60…がそれを嫌がって橋62から民家の方まで侵入しないようにするものである。尚、害獣忌避具63は、図9に示すように、橋62の渡り口近くに多く配置して橋62に入ろうとする害獣60…に対して効き目が得られるようにしてあるが、橋62の長手方向に等しい間隔で配備してもよい。
害獣忌避具63は、図12にその断面構造が示されているように、底部に架台66がまたその上部にはボディ67を備えて構成されている。
架台66とボディ67は一体円筒状(角型でもよい)のもので、架台66は、下面開放状でその周部に外気取入口68…を明けるとともに上面に通気口69を有するものとされている。この架台66は、少し高くしてあるので、降雨に伴い設置面70上に雨水が溜まってきても一定のレベルまでは外気取入口68…および通気口69から空気を取り入れることができるようになっている。
【0027】
71は底付きで上面開放状をした中筒で、その内部にはファン72を駆動するためのモーター73と、交換可能なバッテリ74を内蔵するボックス75、および制御部76とが防水型として内装されている。
78は通気板でボディ67の下寄りに横断状に固定され、ファン72により吸入された空気を上向きに通すようになっているとともに、スポンジ質で矩形板状にした基材79を図10のように放射配置した状態で下から受け止める板部になっている。基材79には、例えば、相手がイノシシであれば最も嫌がるタカノツメ、ゴボウ、ショウガ、シソ、白ネギ、ウコン、ミントあるいはニンニクで代表される忌避剤80…が択一的にあるいは組み合わせて付着混入されている。その他、トウガラシやコンニャク、パプリカ、ピーマンなども忌避剤として使用され得る。
【0028】
ボディ67の上端は開放状とされ、その開放端には放散口81…を明けた蓋82が脱着自在に取り付けられている。この蓋82には、受け材83が付されて図11のようなフック材84が係合され、橋62の適所に軟弾性変形により係合できるようにしてもよい。
【0029】
この害獣忌避具63は、バッテリ74によりファン72を駆動して外気取入口68から通気口69を経由して外気を吸引し、通気板78の多孔を通じて空気を忌避剤80…に当てることにより忌避成分を揮散させて放散口81よりあたり一帯に拡散するようにする。
尚、害獣忌避具63はコードでつなぎ1あるいは2個のバッテリで全てのモーター73…を駆動するようにしてもよい。
【0030】
害獣忌避具63は、設置したあと、連続あるいは定期間欠駆動したり、制御部76によりタイマー制御してイノシシの出没しやすい時間帯にのみ駆動するようにしてもよい。また、ボディ67に備えたセンサー85による感知によりイノシシの出現を捉えてその時間帯でのみ駆動させるようにしてもよい。
【0031】
尚、基材79は、図12右欄上に示すように、揮散を促進させる孔79a…を明けておいてもよい。また、右欄下に示すように、基材79を、中筒71に嵌め込まれる中央孔79bと通気促進用の周孔79cとを有する円筒状にしてボディ67内に嵌め込みセットしたり脱着交換自在なものにしてもよい。
【0032】
図13ないし図15は害獣忌避装置についての他の実施形態を示す。同忌避装置は、例えば、図13のようなイノシシである害獣90…が川91に渡された橋92を通って下手前の民家の側に侵入してきて被害を加えないようにしたものである。害獣90…には、サル、クマ、シカなども対象になる。
【0033】
93は放散管で、金属あるいはプラスチックパイプでなりチューブと呼ばれるものでもよく、図14のように放散口94…を多数配列したものでなっている。この放散管93は、図13のように橋92の両脇に添う一対の側部a、aとこれら側部a、aの両端間をつなぐ連通部b、bとを備えて全体が平面矩形状に形成されている。そして、この放散管93には供給管95が接続されるとともに、供給管95にはコンプレッサー96と害獣忌避剤容器97とが接続されている。
コンプレッサー96は電動で、図13のようなソーラー98による発電・充電方式にしてもよいし、また水力発電装置99によってもよい。コンプレッサー96は、前記実施形態のように、設置したあと連続駆動したり、タイマー制御してイノシシの出没しやすい時間帯にのみ駆動するようにしてもよい。また、センサー感知によりイノシシの出現を捉えてその時間帯でのみ駆動させるようにしてもよい。前記コンプレッサー96は簡易ブロアで足りる。このブロアは、設置の簡易化のため容器97に内装するタイプとしてもよい。
【0034】
コンプレッサー96あるいはブロアの駆動により害獣忌避剤容器97内の忌避剤が放出され、供給管95から放散管93を経由して放散口94…から放散される結果、害獣90…は橋92を通ることができず民家や田畑などに近寄ることがなくなる。
【0035】
尚、図13のように橋92を連通部bが横切るような場合には、通過車両により管が潰されるおそれもあるので、その場合は、図15に示すように反発防護型のガード100で保護するものとする。
また、図16に示すように、放散管93の端部あるいは長手中間に門型放散管101を連通状に接続してもよい。この場合、同管101の上部にセンサ102を付しておけば害獣が出現したタイミングに忌避剤を放散することができる。
図9ないし図16の実施形態では橋を害獣の通り道として具体化したが、この方式は他のすべての通り道を対象に実施できるものである。
【0036】
図17は忍び返し柵などの害獣防止柵105に害獣忌避装置を装備した実施形態を示す。害獣防止柵105は、複数本の固定杭106と横桟材107を受け材として図示手前側が害獣の近寄る側として設置されている。108は放散管で、害獣防止柵105手前の上下端位置に沿って平行状に通され、多数の放散口108a…から忌避成分が一帯に拡散するようになっている。これら放散管108には害獣忌避剤容器109および簡易ブロア110が接続されており、ブロア110は、害獣が出現しそうな想定時間帯でのみ電気あるいはエンジン駆動されるものとされたり、出現センサー111…と制御回路による害獣の検知があった際にのみ駆動されるようにしてもよい。前記想定時間帯とセンサー検知時のいずれにも駆動されるようにしてもよい。前記放散管108は、横桟材107を兼用するものであってもよい。
【0037】
図18(図19のE−E線断面図)および図19は、既設あるいは新設木造家屋についての津波防護対策案を示す。先の震災時の大津波においては木造家屋が土台から浮脱・漂流して破壊に至り、その結果、家屋・家財を失くしてしまうこととなっていた。
【0038】
これらの図に示すように、家屋は、割栗石113・捨てコンクリート114の上に布基礎などの基礎115を設け、この基礎115の上に基礎ボルト(図示省略)を介して土台116を固定してある。土台116の上には、柱117…が立設され、所定の外壁などを施して2階建ての家屋が構築されている。柱117…は便宜上コーナーのもののみが図示されている。図において矢印Tは津波の押し波の方向、−Tは引き波の方向を示す。
【0039】
119は防護柱で、津波Tおよび−Tが襲来する面における柱117前に対応して設けられている。この防護柱119は、リップ付きの溝形鋼でなり、下部が、基礎孔120を介して地盤内に打込まれるとともに中程が基礎の立ち上がり部前から土台116前を通り、さらに上部が1階柱117前の外壁前を通るように配されている。そして、この防護柱119は、基礎115・土台116・柱117に前方から止着具121…により取り付けられている。また、防護柱119には側板122が設けられ、柱117に側面から取付具123により取り付けられている。止着具121と取付具123とは直角に交差する関係でねじ込まれる。
【0040】
上記のように、家屋は基礎115を通じて地中まで打込まれた防護柱119に一体保持されることで津波が襲来してきても浮いたり流されることもなく安全に護られる。
尚、124は基部固着具で、防護柱119の基部に溶着されて基礎115に取付けられ、防護柱119の固定力を増すようにする。
また、防護柱119は、図19の左上欄に示すように、丸あるいは角パイプとしてその下部外周に多孔状の通水孔125を配備しておけば液状化のときに地中の保水分が通水孔125を通じて地上に抜けるようになるので家屋沈下など液状化による災害を防止することができる。
【0041】
図20は防護柱の他の実施形態を示す。同実施形態の防護柱128は、穴掘りヘッド129付きの下部パイプ130と、基礎115から柱117の前側にくるようにして取付具131により支柱117に固着される上部パイプ132、およびこれら上部パイプ132と下部パイプ130とをつなぐ長さ調節式のねじ軸133とを備える一本の軸体でなる。134は止着具で、上部パイプ130にアングル板135を取付けるためのものである。
【0042】
下部パイプ130は、基礎115に明けられた基礎孔136を通じて挿し入れられて回転されることによって先端の穴掘りヘッド129が地中を掘り進みそのまま地盤内に固定されてゆく。この下部パイプ130にはねじ軸133を介して上部パイプ132がねじ付けられ、そのあと止着具134によりアングル板135が装着されてのち、取付具131により上部パイプ132は柱117側へ固着される。これにより、下部パイプ130が基礎115から地盤内に固定される一方上部パイプ132が柱117へ固着された状態になり、家屋が地盤側に固着されて津波から防護される。
【0043】
図21は津波から家屋を防護するための他の実施形態を示す。同実施形態の防護柱140は、穴掘りヘッド141付きの下部軸142と、基礎115から柱117の前側にくるようにして取付具143により支柱117に固着される上部部材144、およびこれら上部部材144と下部軸142とをつなぐ長さ調節式のねじ軸145とを備える一本の軸体でなる。
この防護柱140に加えて、基礎115の前方に縦向きに打込まれた前防護柱146が設けられている。この前防護柱146は、基礎115から地盤内に斜め打込み式に設けられた斜交部材147に連結ジョイント148を介して互いに連結され強化されている。尚、これら前防護柱146や斜交部材147などの基部には通水孔149…が明けられ液状化対策がとられている。
これら斜交部材147で支持された前防護柱146並びに防護柱140が設けられていると、津波が襲来してきてもまず前防護柱146により大きな漂流物が受け止められるので家屋の破損がなく、さらに防護柱140により家屋が浮上・漂流したりするおそれがなくなる。
【0044】
図22は近年の家屋の殆どで採用されている、いわゆる総2階建て(軸組み工法)の家屋を対象にその家屋を津波から防護するための装置を示している。この家屋において、152は基礎、153は土台、154は柱、155は外壁で、柱154は土台153から2階部分まで高く設けられている。尚、柱154は、各階層だけの短いものもあるが、ここでは便宜上通し柱のみを示している。
【0045】
157は防護柱で図18のように津波Tおよび−Tが襲来してくる家屋前面両側位置のコーナー柱154に対応するように垂直で合計4本設けられている。各防護柱157は、基部が、基礎孔158を通じて地盤内に打込まれるとともに基礎152の前面から土台153および1階・2階を通る柱154の前面に添う形で建て付けられている。同防護柱157は、図18に示すような溝形鋼や通孔付き四角パイプあるいはアングル材などの5〜6mものを使用してある。
【0046】
防護柱157は、止着具160…により基礎152・土台153・柱154に対し固着されている。この実施形態ではさらに、側板161を介して柱154の側面から止着具160により固着する。側板161には斜め板状の基部側板162も含まれ、同基部側板162は基礎152・土台153・柱154の三者を一体化するものとなっている。
【0047】
さらに、家屋の前方には前防護柱164が基部埋設により立設され、この前防護柱164と防護柱157とを斜材165により連結しておくことで更なる補強がなされている。
【0048】
図23および図24は津波から家屋を護るための防護装置の他の実施形態を示す。同実施形態において、168は基礎、169は土台、170は柱、171は外壁を示し、この家屋の津波(押し波)Tが襲来する側と津波(引き波)−Tが襲来する側のそれぞれ左右2個所には、コーナーの柱170前方に離れて対応するようにして前側防護装置173と後側防護装置174が基部埋め込み式に立設固定されている。
【0049】
前側防護装置173は、上からみて三角形の頂点位置にあるようにして1本の前杭175と左右一対の後杭176とが設けられ、前杭175は家屋の2階層レベルまで高く伸び、後側防護装置174は1階層高さ一杯まで伸びている。
前側防護装置173における前杭175と後杭176の三者は互いに横桟177…で上下複数段に溶接あるいは脱着可能な止着具により連結されている。これら横桟177の間には斜め補強材178が設けられている。そして、前杭175から伸びた支保材179は取付板180を介して止着具181により柱170に固定されている。取付板180は上下にあり、下のものは、基礎168・土台169・柱170の三者に結合されている。
【0050】
後側防護装置174も同じく上からみて三角形の頂点位置にあるようにして1本の前杭183と左右一対の後杭184とを有し、前杭183と後杭184相互間は避難梯子段を兼ねる横桟185…で連結されている。後側防護装置174の側において梯子段を構成したのは津波Tが襲来してくる裏側に相当して安全でありしかも時間が稼げることによる。187は支保材、188は取付板である。
【0051】
後側防護装置174の避難梯子190は図24の仮想線のように前杭183あるいは後杭184に添って設けてもよい。
後側防護装置174の上側には、左右の前杭183と柱170を支持役にして避難装置の本体枠192を構築し、同枠192上に避難部193を敷設して避難装置を構成してある。
尚、家屋幅間中央の前方および後方には、3点配置の前方防護杭195…が基部埋め込み式に立設固定されている。3点配置にしたのは津波T,−Tや漂流物を左右に切り分けて家屋の正面を襲来しないようにするためである。この前方防護杭195…にはメッシュ状の排除網(あるいはワイヤロープ)196を張設して津波流や漂流物が左右により確実に切り分けられるようにしいてもよい。
【0052】
図25は他の実施形態を示す。同実施形態は、3点配置の杭198…を1組としたものを家屋の左右に埋め込み式に配置し、それら杭198相互間を梯子桟199…で連結した防護装置としたものである。さらに、左右の防護装置の上側には避難装置200を構成したものである。201は避難部、202は手摺である。図25の右欄に示すように、梯子桟199を柵状のものにしてもよい。
尚、こうした津波から一般家屋を防護する工法は、ここで「耐波住宅補強工法」と呼ぶこととし、またこうした家屋自体を、「タスカルハウス」、「耐波ハウス」、「耐波耐震ハウス」、「耐波装置」、あるいは「津波補強ハウス」と呼ぶこととする。
【0053】
図26および図27は法面用災害避難装置を示し、海岸線近くに図のような急傾斜の法面205が立ちはだかっているような地域において襲来してくる津波から避難できるようにしたものである。
【0054】
法面205の裾下スペースと頂上スペースには、一定高さの避難スペース206と発着建屋207をもつ避難施設208が設けられ、これらの間を法面に添った形で蛇行状の登降路209でつながれている。登降路209は、図26のZ部拡大図である右欄図に示すように、路床枠210と斜め支保材211により設置されるとともに、避難登降路209の外側に添うようにして手摺212が連設されている。この手摺212は、モノレールを兼ねるもので、その上を添って登降するモノレール式登降機213はエンジン駆動によるものとする。避難登降路209は登降機213に搭乗する者以外の比較的健全な人が利用する。登降機213は平時は下の避難施設208の建屋207内に待機しており、津波襲来などの緊急時には建屋207は開放されて稼動され、上の避難施設208まで人を乗せて避難させ得るようになっている214は津波防護杭である。
【0055】
図28及び図29は他の提案例を示すもので、同例は、池、湖沼、河川、水を溜めた田圃などを対象に支柱30を立設し、そのまわりに回転制御盤31を設けてフロート32で浮設しながらデバイス33で回転可能とするとともに、同制御盤31上に配備したソーラーパネル34…が太陽の光の向きに対応するように好適な向きに回転制御するようにして、効率的な発電を実施できるようにしたものである。尚35は風力発電装置である。回転制御盤31の周りには、波風によるゆれを防止するフード36を付してある。尚、回転制御盤31などは、図28の右欄に示すように円形でもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…設置面 3…容器本体 4…蓋 5…保管槽 6…投入口 7…放射性物質含有物パッケージ 11,12,13…接続手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性物質の透過を遮断可能な機能をもち上部に投入口を開設した容器本体と、同本体の上部に開閉自在に設けられて前記投入口を密閉可能な蓋とを有し、前記容器本体は、上下に積み重ねられる他の容器本体との間において平面方向に相対移動を規制しながら積み重ね可能な接続手段を有することを特徴とする放射性物質含有物の安全密閉型保管容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2013−50431(P2013−50431A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205258(P2011−205258)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(594100838)フジワラ産業株式会社 (51)