説明

放射線放出保護部を備える皮膚処理装置

本発明は、皮膚処理装置1,Fに関するものである。該装置はハウジング内に放射源13を有し、該ハウジングの出射開口を介して放射線を放出することができる。該装置は、複数の対応する位置における皮膚7の存在を測定することができる少なくとも1つの皮膚存在センサ43,63と、制御ユニット37とを更に有する。該制御ユニット37は、上記皮膚存在センサの測定信号から上記出射開口15の覆われた部分を決定すると共に、放射線13の放出を、例えば放射線ビーム操作部11の制御を修正することにより又は出射開口15におけるブラインド等の放射線阻止手段を制御することにより出射開口15の前記覆われた部分に制限するように構成されている。本発明は、一層効率的で、それでいて、安全な処理装置1,1'を提供する。何故なら、一層大きな出射開口15を選択することができる一方、出射開口15の覆われていない部分を介しての放射線13の不所望な放出が防止されるからである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線により皮膚を処理する皮膚処理装置に係り、該装置が放射源を収容すると共に放射線を放出する出射開口を備えるハウジングと、上記出射開口の直ぐ前の皮膚の存在を検出する検出器システムと、制御ユニットとを有し、上記検出器システムは上記出射開口の近傍に配置されると共に皮膚を特徴付けることができるような生物物理学的特性のセンサ信号を供給することができる少なくとも1つの皮膚存在センサを有し、上記制御ユニットが放射線の放出を上記少なくとも1つの皮膚存在センサのセンサ信号の関数として制御するような皮膚処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭の段落で述べたようなタイプの装置は、国際特許出願公開第WO02/078559号から既知である。該既知の装置は、例えば脱毛に使用されるような皮膚の処理のための装置である。上記ハウジングには放射源が配設され、該放射源は動作時に出射開口を介して放射線を放出する。該出射開口の周囲には1以上の皮膚接触センサが配設され、これらセンサは出射開口の直ぐ前に皮膚が存在するか否かを計測する。全てのセンサが皮膚の存在を示す場合のみ、出射開口は完全に覆われており、従って制御ユニットは放射源を駆動することができる。他の場合には、即ち出射開口が完全に覆われていない場合には、放射線は漏れる場合があり、目等に害があり得る。従って、放射源は上記制御ユニットにより不能化される。
【0003】
このような装置の欠点は、非常に安全且つ効率的ではないということである。例えば、当該装置が、人の顔面等の、該装置の出射開口と比較して強く凹凸のある表面上で使用される多くの場合において、上記制御ユニットは放射源を不能化する。これは、これらの場合には出射開口が完全には覆われないからである。特に髭剃り装置の場合には、顔面上での使用は普通であるが、顔面の不規則な形状は斯かる装置の効率的な使用を妨げる一方、目の存在は依然として最大限の放射線の安全性を必要とする。可能性のある解決策は、出射開口を一層小さくすることであろう。何故なら、このことは、出射開口に対する顔面の相対的平坦さを増加させるからである。しかしながら、これも当該装置の効率を低下させることになる。何故なら、小さな出射開口はユーザによる多くの髭剃り動作を必要とする一方、皮膚の全ての所望個所を合理的な量の努力で処理することが一層困難となるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、冒頭の段落で述べたようなタイプの装置であって、一層多くの場合において一層効率的に使用することができ、それでいて、放射線の望ましくない放出に対する保護も依然として提供することができるような装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するため、冒頭の段落で述べたタイプの装置は、本発明によれば、前記制御ユニットが前記センサ信号から皮膚により覆われた前記出射開口の覆われた(covered)部分を決定するように構成され、且つ、該制御ユニットが放射線の放出を多くても上記出射開口の覆われた部分に制限するように構成されることを特徴とする。本発明による該装置においては、出射開口を介しての放射線の放出が該出射開口のうちの皮膚により覆われた部分に制限されるので、上記出射開口が皮膚により完全に覆われていない場合においても放射線の放出が可能となる。例えば、上記出射開口の例えば90%が皮膚により覆われている場合、本装置は該90%の処理を可能にするが、従来技術の装置は処理を全く許さない。同様の理由により、ここでは、一層大きな出射開口を使用することが可能となる。従来技術の装置では、これは一層長い処理時間につながる可能性があった。何故なら、出射開口が完全に覆われない機会のみが増加し、これにより、該出射開口の全表面積の処理を妨げ、放射源の一層長い遮断時間の原因となるからである。対照的に、この後者の状況は本発明の装置に対しては何の影響もない。何故なら、出射開口の追加的表面面積は、覆われない限り単に処理されないだけであり、常に処理時間を生じさせるようになる一方、出射開口の上記追加的表面面積の少なくとも一部が覆われると、該追加部分は同時に確実に処理されるからである。
【0006】
放射線の安全性は、出射開口の上記覆われた部分に放射線の放出を制限することにより依然として保証され、これは、直の放射線が漏れないことを保証する。最小限の量の漏れ放射線しか存在しないであろう。何故なら、これは、皮膚から(殆どの場合においては、皮膚のうちの反射放射線が漏れるのを許すように向けられた小部分から)反射された放射線によるもののみであり得るからである。更に、この最小量の放射線は、皮膚における吸収によりエネルギの大部分を失っている反射放射線である。加えて、この反射放射線は拡散放射線である。何故なら、皮膚は拡散性反射体であり、拡散放射線は自身の強度を進行距離の関数として非常に急速に失うからである。鏡面反射された放射線は主要な役割は果たさない。何故なら、通常は、極少量の放射線しか、例えば光沢のある皮膚上で鏡面反射されないからである。更に、放射線が小さな入射角で、即ち殆ど垂直に鏡面反射された場合(全ての実用的装置における限られた範囲の入射角により、殆どの場合に当てはまる)、斯様な放射線の殆どは当該装置内に鏡面反射されて戻される。例えば皮膚の突起(lobe)又は皺がある場合にのみ、放射線は、恐らくは外界へと鏡面的に反射され得る。しかしながら、これは、数ミリより大きな規模では平らではないような非常に狭い表面に過ぎないであろう。従って、殆どの放射線は捕捉され、依然として漏れる可能性がある部分は強く発散的である。全体として、鏡面反射された放射線が当該装置から漏れる確率は余り大きくない一方、何らかの害を生じさせ得るような全体のパワーは更に一層少ない。更に、収束する放射線の場合、該放射線は更に一層急速に強度を失う。
【0007】
本発明の根本には、上述した理由により、出射開口が皮膚により完全に覆われていない場合、放射源を阻止する必要はないとの思想が存在する。放射線が外界に直接的に放出されるのを防止するには、放射線の放出が覆われた部分に限定されることで十分である。放射線の放出が限定される特定の方法は、本発明には関係せず、従って特に限定されない。これのための多数の可能性のある有利な手段を後述するが、これらのうちの少なくとも幾つかが、従属請求項に対応する。
【0008】
前記ハウジングが放射源を収容することに注意されたい。これは、外部の放射線発生器が使用され、該発生器の放射線が例えば光導波器によりハウジング内に導入される場合も含むことを意図するものである。実際には放射線を発生するのではないが、斯様な導波器の出射開口を放射源と見なすこともできる。
【0009】
"直ぐ前"なる表現は、例えば出射開口に隣接して又はその近傍でハウジングに接触する皮膚の存在及び出射開口を部分的又は完全に覆うことを指すものと解釈されるべきである。原理的に、皮膚存在センサ又は複数のセンサは、自身の前の皮膚の存在を測定し、これに基づいて検出器システム及び/又は制御ユニットが出射開口の全体又は一部の前の皮膚の存在を決定する。皮膚存在センサの数に関しては、複数のセンサを、例えば規則的な相互間距離で使用することが好ましい。しかしながら、複数の独立に作用するセグメントを有するような単一のセンサを使用することも可能である。
【0010】
本発明による装置の特別な実施例においては、当該装置は、出射開口の覆われた部分の外側での該出射開口を介しての放射線の放出を防止するために、制御ユニットにより調整することが可能な少なくとも1つの可調整放射線阻止手段を更に有する。このような可調整放射線阻止手段は、動的装置に、即ち有効出射開口を皮膚により実際に覆われた部分に動的に調整することができるような装置に役立つ。出射開口の残りの覆われていない部分は放射線を放出することから実効的に阻止されるので、この実施例は、本質的に、静的な開口に、出射開口が完全に覆われていない場合に放射源をオフする皮膚接触センサを加えた装置と同様に安全である。
【0011】
好ましくは、上記可調整放射線阻止手段は出射開口の面内に又は該面に隣接して設けられる。これは、放射線が不所望に漏れ得ないことを保証する。何故なら、放射線は出射開口を覆う皮膚上に放出されるか、又は該可調整放射線阻止手段により阻止されるかの何れかとなるからである。他の例として、該放射線阻止手段は例えば鏡面内に又は鏡面上に設けることもできる。不所望な光が反射されるのを防止することは、同様の機能を果たすことができる。
【0012】
有利には、上記可調整放射線阻止手段は移動可能なブラインド又は絞りを有する。斯かるブラインド(若しくは複数のブラインド)又はダ絞りの位置は、例えば制御ユニットにより、出射開口の覆われていない部分に一致するように制御することができる。この目的のために、電気モータ又は圧電素子等の1以上のブラインド又は絞り駆動手段を設けることができる。出射開口が長方形の場合は1以上のブラインドが好ましく、より丸められた出射開口にとっては絞りの方が一層有効であり得るが、これは全て処理されるべき人体部分の形状にも依存する。
【0013】
他の放射線阻止手段は、例えばエレクトロクロミックフィルタとすることができ、該フィルタの透過率は例えば薄い蒸着電極等を介して局所的に印加される電圧により局所的に影響を受け得る。この場合、前記制御ユニットは該エレクトロクロミックフィルタのうちの出射開口の覆われていない部分に対応する部分を適切にアドレス指定することができ、かくして、放射線の不所望な放出が防止される。プログラマブルミラー等の種々の他の可調整放射線阻止手段も、当業者の範囲内である。
【0014】
本発明による装置は、一つの出射開口を有するものとして説明される。本発明が2つの出射開口のような2以上の出射開口を備える装置にも関係することは言うまでもない。
【0015】
本発明による装置の他の有利な実施例においては、前記放射源は放射ビームを供給する放射ビーム源を有することができる。"ビーム"なる用語は、ここでは、たいまつの灯り対電球と比較されるように、放射線が、拡散又は全方向放出とは対照的に優先方向に放出されることを示す。これは、出射開口の覆われた部分を介して実際に放出される放射線が優先方向に放出されるという利点を提供する。従って、出射開口の覆われていない部分を介しての不所望な漏れを許すような方向に放出される放射線の量が減少される。
【0016】
有利には、上記放射ビームは、ハウジングの外側の出射開口の前に焦点を有するような収束ビームとする。これは、出射開口の覆われていない部分を介して漏れる可能性のある如何なる放射線も、特に焦点位置が出射窓の(非常に)近くとなるように選択された場合に概ね強く発散的となることを保証する。これは、当該装置の安全性を更に向上させる。しかしながら、収束エレメント又は一般的に収束は必要ではないことに注意されたい。というのは、本発明による装置の元来の安全性は、殆どの用途に対して十分であるからである。
【0017】
特別な実施例では、当該装置は、動作時に前記放射ビーム源により供給される放射ビームを、出射開口を介して処理されるべき皮膚上の目標位置に指向させるための可調整放射ビーム操作器を更に有し、該放射ビーム操作器は前記制御ユニットにより放射ビームの指向を出射開口の覆われた部分に限定するように制御することができる。この実施例において、前記検出器システムにより決定される覆われた部分に基づいて調整されるのは出射開口ではなく、例えば出射開口の或る部分領域に制御されることはない国際特許出願公開第WO02/078559号に開示されたレーザ髭剃り装置とは対照的に、供給される放射線の制御が所望の領域に限定される。
【0018】
特別な実施例では、前記放射源は、所望の波長、エネルギ及び/又は強度の放射パルスを供給するような閃光ランプを有する。このような閃光ランプは、例えばガス放電ランプとすることができる。他の特別な実施例では、前記放射源は1以上のLED又はレーザ源を有することができる。全ての場合において、前記放射線はビーム状とするか又はビームに整形することができ、該放射線は好ましくはレンズ、放物面鏡等の光学素子により収束ビームに整形することができる。
【0019】
特別な実施例では、当該装置は前記出射開口を覆う透明材料の窓を有する。これは、特に収束ビームの場合に、当該放射ビームに対して、処理されるべき皮膚の位置を一層良好に規定するという利点を有している。これは、少なくとも前記覆われた部分において皮膚が略平らにされるという利点を更に提供する。これは、出射開口の覆われた部分を介して皮膚上に放出される放射線の全てではなくても殆どが、当該装置内に(鏡面)反射して戻されるか、又はせいぜい拡散的に散乱されることを保証する。全ての斯様な場合において、意図せずに当該装置を離脱する放射線の量を許容可能な最小値に制限することは容易であろう。
【0020】
本発明の特別な実施例においては、前記検出器システムは少なくとも2行の皮膚存在センサを有し、出射開口の2つの対向する辺(sides)の各々に1行のセンサが存在する。出射開口の覆われた部分を、斯かる少なくとも2行のセンサからの測定信号に基づいて決定することができる。例えば、センサ開口の対向する辺に2つの行を有する検出器システムの場合、覆われた部分は以下のようにして決定することができる。すなわち、第1の行において、この行の一端から開始して、複数の隣接するセンサが"このセンサには皮膚は存在しない"ことを示す。同じ行において、これらのセンサの隣の他の数の隣接するセンサは、"このセンサには皮膚が存在する"ことを示し、次いで、当該行の他端までの更に他の数の隣接するセンサは全て"このセンサには皮膚は存在しない"ことを示す。言い換えると、全てが皮膚の存在を示すような1つの範囲のセンサが存在し、該範囲は、皮膚が存在しないことを示す2つの範囲により囲まれる。同様に、反対側の第2の行においては、斯かる範囲のセンサは皮膚の存在を示す一方、端側の範囲のセンサは、そこには皮膚が存在しないことを示す。ここで、出射開口の覆われた部分を、第1の行における隣接する"皮膚存在"センサの範囲と第2の行における対応するセンサとの間に延在する部分として、例えば斯様な2つの対向する行における斯かる"皮膚存在"範囲内の最初及び最後のセンサ間に線を引くことにより決定することができるであろう。
【0021】
この方法の代替例も勿論可能である。このような決定のための多くの方法自体は従来技術において既知であり、好ましい実施例は後に開示及び説明する。更に、2以上の覆われた領域も可能である。また、操作者又はプログラム若しくはアルゴリズムを備える制御ユニットの何れかにより、例えば2つの対向する行における"皮膚存在"範囲が過度に離れており、例えば2つの指が出射開口を部分的に覆っていること等を示している故に、実際には覆われている部分は存在しないと判定することもできる。更に、例えば共に出射開口を横切って延びる2本の指等の、2以上の覆われた部分が存在することもあり得る。
【0022】
好ましくは、上記少なくとも2つの行は、各々、少なくとも3つの皮膚存在センサ、更に好ましくは、5と100との間のように多数の皮膚存在センサを有する。多数のセンサが、例えば2以上の覆われた部分を決定するための高度の柔軟性を提供することは明らかであろう。出射開口の前の連続する皮膚部分の存在を肯定的に決定するには、1つの行における2個だけの皮膚存在センサでは常に十分であるとは限らないことに注意されたい。例えば、間が開いているような2本の指が、出射開口の前に各指が各行の1つのセンサに接触するようにして配置されることがあり得る。この場合、肯定的なセンサの読みは、誤って、開口が完全に覆われていることを示す。同様の状況が、行当たり一層多くのセンサ及び一層多くの指に対しても生じ得るが、通常は、センサからセンサへの距離を減少させることが、斯様な誤った読みに対する一層高い安全性を保証する。従って、好ましくは、センサ間距離は、指の幅等の所定の皮膚細部の寸法より小さくする。
【0023】
本発明による装置の特別な実施例においては、前記制御ユニットは、第1の辺において前記2つの行のうちの第1の行の或る区域により仕切られ、反対の第2の辺においては前記2つの行のうちの第2の行の或る区域により仕切られ、これら区域が、各々、皮膚が存在するという測定信号を供給する少なくとも3つの隣接する皮膚存在センサからなるような前記出射開口の部分を、覆われた部分として決定するように構成される。この場合、該制御ユニットは前記出射開口の覆われた部分を、ここで述べるもののような、それ自体が既知の原理に基づいて決定することができる。覆われた部分を、各行において少なくとも2つの隣接するセンサにより、又は第1の行においては少なくとも1つのセンサにより且つ第2の行においては少なくとも2つの隣接するセンサにより境界が接せられるような部分として決定することも可能であることに注意されたい。より一般的な形では、これは、直線上にない3つのセンサに基づく決定の場合に関係し、覆われた部分は、皮膚の存在を示す3つの(又はそれ以上の)センサの間の三角形(又は多角形)により形成される。しかしながら、誤った決定の危険性が一層高くなることに注意されたい。何故なら、覆われた部分として決定された部分は、皮膚により覆われていない唯一の部分でもあり得るからである。後者の危険性は、斯様な決定のために3つ又は(多くの)それ以上のセンサが使用される場合に、大幅に少なく、又は略零にもなる。
【0024】
例えば各々が上記行の一方に沿って配置された2つの指の間のような、2つの皮膚部分の間の開口が上記行に平行に存在するような場合における放射線の不所望な放出を防止するために、1以上の皮膚存在センサを、前記少なくとも2つの行に略垂直な少なくとも1つの辺に(例えば、長方形の出射開口の第3及び第4の辺に沿って)追加的に設けることができる。
【0025】
出射開口は好ましくは長方形であるが、円形又は楕円形等の別の形状を有することもできる。このような場合においても、厳密には平行ではないが、対向する辺を識別することができる。更に、覆われる部分は、一般的に、2行の皮膚存在センサと交差し、且つ、皮膚の存在を肯定的に示すセンサの対応する最初のもの及び最後のものを接続するような2つの線により仕切られるものと判定することができる。言い換えると、各行には、全てが皮膚の存在を示すような隣接するセンサの区域が存在する。斯様な各区域は、所定の方向に見て、最初及び最後のセンサを有する。上記2つの線は、対応する最初のものを、及び対応する最後のものを接続する。必ずしもということではないが、好ましくは、上記2つの線が上記センサの行に対して略垂直に、又は出射開口の対称軸(長い出射開口の場合は好ましくは主対称軸)に対して垂直に延びるようにさせることも可能である。このような場合、出射開口の一部は、両方の行に沿うと共に、上記対称軸に沿った同一の距離に沿うセンサが皮膚の存在を示す場合にのみ、覆われたとして判定される。言い換えると、該覆われた部分自体は、上記対称軸に沿って対称であるとされる。このことは、前述したように必要ではないが、当該装置の安全性を更に増加させる。
【0026】
上記検出器システム又は皮膚存在センサの型式は特別に限定されることはない。当該装置の特別な実施例においては、前記検出器システムは、物理的圧力センサ、ガス圧力センサ、ガスフローセンサ、及び/又は熱伝導センサのうちの少なくとも1つを有する。このような各センサは、当業者にとり既知の原理に従って使用することができる。例えば、上記物理的圧力センサは、押圧されると電気信号を供給する圧電エレメント、又は押圧(圧縮)されると電気的接触を形成若しくは遮断するリレー等を備える接触センサ等とすることができる。
【0027】
ガス圧力センサ又はガスフローセンサは、例えば、ハウジングにおける前記出射開口の周囲の開口を介してガスの流れが維持されるような状況において使用することができる。これは、ガスの供給により又は真空の供給により生じさせることができる。いずれの場合においても、ガスフロー(又は圧力)は、当該センサが皮膚に接触すると突然変化するであろう。
【0028】
上記両者のセンサの型式は、皮膚を他のタイプの物質又は物体から区別するのに特に適してはいない。接触する物質の熱伝導度を測定する熱伝導センサは、この点では、より良好である。何故なら、皮膚は、或る範囲内の熱伝導度を有するからである。
【0029】
特別な実施例では、前記検出器システムは複数の導電接点センサを有する。電気的センサは、汎用的である、即ち測定器具のタイプに応じて抵抗、電圧位相変化等の複数の特性を測定するのに使用することができるという利点を有する。
特に、前記検出器システムは接点センサの選択可能な対の間のインピーダンスを測定するように構成される。これを達成するために、該検出器システムは、例えば各行に1つの、2つの接点センサを選択し、これらの間のインピーダンスを測定する。測定されるインピーダンスは、一方又は両方の接点センサが皮膚に接触し損なった場合は常に非常に高い(事実上無限である)が、両接点センサが皮膚に接触している場合、測定されるインピーダンスは大幅に低く、確かに、或る既知の限界の間となり、これら限界はなかでも皮膚の状態(乾燥している、湿っている、石鹸で洗われている、脂ぎっている等)のみならず、2つのセンサの間に直接的電気経路が存在するか、又は斯かる経路が他の人体部分を介して延びているかにも依存する。後者は、例えば、各々が2つのセンサのうちの一方に接触する2つの別の指の場合に生じ得る。このような場合には、測定されるインピーダンスは、1本の指が両センサに接触している場合等よりも、一層長い電気経路長により大幅に高くなる。それにも拘わらず、斯様な状況を考慮に入れて、信頼性の高い判定を測定インピーダンス値に基づいてなすことができる。このような判定は、覆われた部分の十分に高い信頼度の判定がなされるまで、他の対の接点センサに対して繰り返される。このような判定の手順は、マイクロコンピュータ、電子回路等により提供することができる。
【0030】
他の実施例においては、当該装置の検出器システムは、相手側電極を更に有すると共に、該相手側電極と上記接点センサのうちの選択可能なものとの間のインピーダンスを測定するように構成される。この場合、選択される接点センサの各対は、上記相手側電極と自由に選択された1つの接点センサとからなる。これは、一層良好に制御され且つ一層安定した測定を可能にするが、該測定は上記相手側電極自体が皮膚に実際に接触するか否かに依存する。この目的のために、2以上の相手側電極(これらのうちの1つが各組の測定のために使用される)を設けるか、又は前記接点センサのうちの1つを各組の測定のための相手側電極として選択することができる。
【0031】
上記インピーダンス測定電極の幾つかを、出射開口を覆う透明窓上に透明電極として組み込むのが有利であり得る。これは、上述したような放射線に対する皮膚の良好に規定された位置等の利点のみならず、出射開口の覆われた部分を非常に高信頼度で決定することができるという利点を有する。何故なら、出射開口の周りのセンサの測定信号の解釈を行う必要がないからである。特に、エレクトロクロミックフィルタと組み合わされた場合、原理的に放射源に対して及び放射ビーム源に対して等しく効率的な非常に精密且つ高信頼度の装置が得られる。
【0032】
本発明による装置の他の有利な実施例においては、前記少なくとも1つの皮膚存在センサは、所定の波長の光に対する皮膚の散乱係数及び/又は吸収係数を測定することができる。人の皮膚内の血液、水、細胞、角質及びメラニンの存在は、光が人の皮膚内で光の波長の関数として非常に特徴的な態様で吸収及び散乱されるようにする。所定の波長を持つ光に対する散乱係数及び/又は吸収係数を前記皮膚存在センサにより測定することは、出射開口を覆う媒質が人の皮膚であるかの非常に高信頼度の判定につながる。このような測定の詳細は国際特許出願公開第WO02/078559号に開示されており、これにより該文献に対する参照がなされる。
【0033】
特別な実施例では、前記検出器システムに複数の光センサと前記所定の波長の光のための少なくとも1つの光源とが設けられ、該少なくとも1つの光源は前記光センサのうちの少なくとも1つに隣接して配置されると共に該光センサから光学的に分離され、前記皮膚存在センサは上記光センサにより測定された光の量を上記光源により発生された光の量と比較することにより反射係数を決定する。上記光源は上記光センサから光学的に分離されているので、該光源から発する光は該光センサに直接的に到達することはできない。上記光源からの光は、皮膚内での散乱を経て上記光センサに到達することができる。上記光源からの光のかなりの部分が皮膚内での散乱を介して上記光センサに到達するようにするには、光源及び光センサの両方が皮膚に接触することが必要になる。皮膚と光源及び/又は光センサとの間の不充分な接触又は非接触は、光センサに到達する光の量の大幅な減少につながる。このようにして、皮膚存在センサは散乱係数及び/又は吸収係数の値を高信頼度で検出することができ、更に、皮膚が皮膚接触エレメントに実際に接触しているかが高信頼度で検出される。
【0034】
本発明による装置の他の実施例は、前記検出器システムに、他の所定の波長の光のための他の光源が設けられることを特徴とし、この光源も前記光センサのうちの少なくとも1つに隣接して配置されると共に前記光センサから光学的に分離される。当該検出器は、両波長に対する散乱係数及び/又は吸収係数を、上記光センサにより測定される光の量を上記2つの光源により発生される光の量と比較することにより決定する。この特定の対策の詳細は、全体として異なる装置に採用されているが、国際特許出願公開第WO02/078559号において見付けることができ、ここにおいて該文献に対する参照がなされる。本発明による装置の斯かる他の実施例において、上記検出器システムは光の2つの異なる波長に対して散乱係数及び/又は吸収係数を決定する。光の2つの異なる波長に対する散乱係数及び/又は吸収係数の値により、人の皮膚の更に一層良好な特徴付けが達成され、当該装置の信頼性が更に一層改善される。
【0035】
測定の間における皮膚の状態を規定することが重要であろう。例えば、皮膚インピーダンスの測定の間に冷却ジェル等の付加物が使用される場合、結果として誤りにつながる測定となり得る。反射又は散乱係数の測定が実行される場合にも、同様のエラーが生じ得る。斯様な付加物及び皮膚温度、汗等の可能性のある他の状況を考慮に入れることが有利であろう。代わりに、皮膚を整えるために特定の付加物を使用することもできる。例えば、特定の油を、皮膚の上部(表皮)を放射線に対して一層透明にするために使用することができる。これは、個人間で及び人体部分間でさえも比較的強く変化し得る表皮の厚さ及び他の特性が余り重要な役割を果たさないことを保証する。
【0036】
本発明による装置の特定の実施例は、少なくとも1つの光源がLEDであり、少なくとも1つの光センサがフォトダイオードであることを特徴とする。上記LED及びフォトダイオードは比較的安価であり、小さな寸法を有しているので、特に、より多くの又は全ての光源及び光センサが斯様に選定された場合、皮膚存在センサの価格及び寸法は限られたものとなる。
【0037】
本発明による装置の他の実施例は、前記検出器システムが、所定の波長の光に対する皮膚の拡散反射率を測定するのに適していることを特徴とする。人の皮膚内の血液、水、細胞、角質及びメラニンの存在により、光は人の皮膚により光の波長の関数として非常に特徴的に拡散反射される。当該検出器システムによる所定の波長に対する拡散反射率の測定は、出射開口の直ぐ前に存在する媒体が人の皮膚であるか否かを高い信頼度で確定する。
【0038】
本発明による装置の更に他の実施例は、前記検出器システムに前記所定の波長の光のための光源と複数の光センサとが設けられ、上記光源は上記光センサのうちの少なくとも1つに隣接して配置されると共に該センサから光学的に分離され、上記検出器システムは反射係数を上記光センサの各々により測定される光の量を上記光源により発生される光の量と比較することにより決定する。上記光源は上記光センサから光学的に分離されているので、該光源からの光は上記光センサに直接的には到達することができない。上記光源からの光は、皮膚の表面を介しての反射により上記光センサに到達することができる。上記光センサに到達する光の量は、反射係数に依存すると共に、上記光源及び光センサから皮膚までの距離に依存する。上記光源からの所定の量の光が反射により上記光センサに到達することを保証するために、一方においては光が皮膚により実際に反射されることが必要であり、即ち出射開口が皮膚により実際に覆われなければならず、他方においては皮膚と光源との間及び皮膚と光センサとの間に所定の距離が例えばスペーサエレメント等により存在しなければならない。この様にして、当該皮膚存在センサは、出射開口の直ぐ前に存在する媒質が人の皮膚であるかを高信頼度で検出する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明による装置の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
【0040】
図1は、放射線により皮膚を処理するための本発明による装置1の第1実施例を概念的に示すもので、該装置は除毛装置、特にはレーザ脱毛又は髭剃り装置であり、該装置により皮膚上に存在する毛はレーザ光により比較的長期間にわたり又は永久的にさえ除去される。該装置1は取手5を備えるハウジング3を有し、従って該装置1は携帯型であって、処理されるべき皮膚7上に配置し又は斯かる皮膚上を移動させることができる。ハウジング3は、特にはダイオードレーザ等のレーザ源9であるような放射源と、可調整レーザビーム操作部11とを収容しており、該操作部によって、動作時に上記レーザ源9により発生される(好ましくは収束された)レーザビーム13をハウジング3に設けられた出射開口15を介して皮膚7上の目標位置16に位置合わせすることができる。出射開口15は、使用される放射線に対して透明な材料の窓(図示略)により覆うことができる。図示の例において、レーザビーム操作部11は第1可調整傾動ミラー17と第2可調整傾動ミラー19とを有し、これら両ミラーは、図示の例において上記出力開口15が配置されると共にハウジング3の底壁を形成する平らな皮膚接触エレメント21に対して約45度の角度で配置されている。第1アクチュエータ23及び第2アクチュエータ25により、傾動ミラー17及び19は、第1傾動ミラー17の面上に延びると共に第2皮膚接触エレメント21と略平行に向く第1傾動軸27、及び第2傾動ミラー19の面上に延びると共に上記第1傾動軸27と略垂直に交差する第2傾動軸29の廻りで各々傾動することができる。2つの傾動ミラー17及び19を傾動させることにより、レーザビーム13の目標位置16は、皮膚7上においてX方向及び該方向に対し垂直に延びるY方向に対し平行な方向に変位させることができるが、これら両方向は皮膚接触エレメント21に対して平行である。
【0041】
順次の目標位置を決定するために、装置1には図示の例ではCCD画像センサ又はCMOS画像センサ等の画像センサ31が設けられ、該画像センサは皮膚7のうちの出射開口15の直ぐ前に位置する部分の画像を補助ランプ33及び(ダイクロイック)ビームスプリッタ35により記録する。装置1は更に制御ユニット37を有し、該制御ユニットには画像センサ31が該画像センサ31により記録された画像に対応する電気信号Uを供給する。制御ユニット37はセンサを有し、該センサにより、皮膚7の上記部分上にある毛41の毛根39の各位置が、上記の記録された画像に基づいて皮膚7の上記部分上で決定される。制御ユニット37は、電気信号UM1及び電気信号UM2の各々により2つのアクチュエータ23及び25を、レーザビーム13が上記のようにして決定された各毛根39の位置に対応する一連の位置に順次位置決めされるように、制御する。各目標位置16において、レーザ源9は電気信号Uによって制御ユニット37により所定の期間にわたり所定の強度で駆動され、これにより、存在する各毛根39が順次加熱され、損傷又は打撃される。ここでは簡単にしか説明しない該装置1の動作の詳細な説明に関しては、国際特許出願公開第WO-A-00/62700号を参照されたい。
【0042】
レーザ源9により発生されるレーザビーム13は比較的高い強度を有し、従って例えば目等に接触すると害がある。本発明による装置1には、出力開口15のうちの、人の皮膚により覆われ且つ閉じられていないか、又はガラス等の人の皮膚以外の媒体により覆われている部分を介してのレーザビーム13の放出を可能な限り防止するために使用することができるような手段が設けられる。該手段の信頼性は非常に高く、従って、本発明による装置1は消費者市場において当業技術に熟練していない非経験者により使用されるのに特に適している。
【0043】
図1及び図2に示されるように、上記手段は上記出射開口15近傍において皮膚接触エレメント21に設けられた一連の皮膚存在センサ43を備える検出器システムを有している。図示の例では、上記手段は54個の皮膚存在センサ43−1〜43−54を有し、これらセンサは出射開口15の周りに互いから小さな一定の距離で配置されている。勿論、如何なる他の数のセンサも適切に使用することができ、好ましくは少なくとも3つのセンサの少なくとも2つの行に配列される。
【0044】
上記センサ43は、人の皮膚を特徴付けることができるような生物物理学的特性を測定するために適切に使用することができる。例えば、該生物物理学的特性は所定の波長の光に対する皮膚7のインピーダンス、反射係数、散乱係数及び/又は吸収係数である。
【0045】
図2は、部分的に皮膚7上に配置された、図1による装置の検出器システムを備える出射開口を概念的に示している。
【0046】
皮膚7が出射開口15を完全には覆っていないことがわかる。皮膚存在センサ43−1〜43−7及び43−41〜43−54は否定信号(即ち、皮膚不存在)を供給する一方、皮膚存在センサ43−8〜43−40は肯定信号(即ち、皮膚存在)を供給する。センサ43−8及び43−40は境界線ケースであり、これらセンサの信号は皮膚の境界の正確な位置、斯かるセンサの感度及び斯かるセンサの信号を比較する所定の限界に依存することに注意されたい。
【0047】
本例において、皮膚存在センサ43はインピーダンスセンサである。これらセンサ43は、各々、皮膚7に接触すべき電気接点を有している。制御ユニット37(図2には図示せず)は、上記54個のうちの、電気信号(例えば既知の周波数の所定の電圧信号)が印加される2つのセンサを選択するように構成される。応答(この場合は、例えば電流)を測定することにより、当該制御ユニットは、上記2つの選択された皮膚存在センサを有する回路のインピーダンスを決定することができる。次いで、この結果をメモリに記憶されたテーブルからの値と比較することにより、該制御ユニットは上記2つの皮膚存在センサが皮膚に接触しているか、又は斯かるセンサのうちの1つ若しくは2つが皮膚に接触していないかを決定することができる。例えば、約50kHzと1kHzとの間の周波数において数kΩないし約100kΩの測定値は両センサが皮膚に接触していることの十分に信頼性のある指示情報となる一方、数MΩより十分に高い値は閉回路が存在しないことを明らかに示す。両センサが皮膚の存在を示す場合、これは、制御測定は別として、これらのセンサに関しては更なる測定は実行する必要がないことを意味する。一方、測定信号が、上記2つのセンサのうちの少なくとも1つが皮膚に接触していないことを示す場合、更なる測定が必要となる。上記2つの以前のセンサの一方を選択すると共に、この1つのセンサを他の1つのセンサと組み合わせることにより、2つのセンサの新たな組が形成され、これにより当該測定手順を繰り返すことができる。ここで、もし低いインピーダンスが測定された場合、上記他の(新たな)センサと、元の組の2つのセンサのうちの上記の選択された1つのセンサとが皮膚に接触していることが確定される一方、上記元の組の2つのセンサのうちの選択されなかったセンサが皮膚に接触していないことが同時に確定される。この様にして、特定のセンサが皮膚に接触しているか否かを決定することができる。
【0048】
このように、制御ユニット37は、皮膚存在センサ43−1〜43−54のうちの何のセンサが、対応する位置における皮膚の存在を決定したか、即ち、測定された値が所定の限界内の人の皮膚に特徴的な値に対応するかを決定することができる。
【0049】
かくして、上記制御ユニットは出射開口の覆われた部分を、1つの辺において点線により仕切られた斜線領域40として決定することができる。何故なら、該領域40に隣接する全ての皮膚存在センサが"皮膚存在"信号を供給するからである。斜線と点線との間の交差斜線領域も皮膚により覆われるが、斯かる領域の境界から生じるセンサ信号からは正確な位置を容易に決定することはできないので、該領域は"覆われていない"と評価するのが一層安全である。もっとも、これは必ずしもそうである必要はない。出射開口15の残りの部分、即ち図2における斜線の左側は、従って、制御ユニット37により"覆われていない"と判定される。この覆われていない部分は、当該装置のレーザビーム13を放出するための出射開口として使用してはならない。この目的のために、制御ユニット37は、レーザビーム操作部11の制御を、傾動ミラー17及び19が当該レーザビームを出射開口15の上記覆われた(斜線が付された)部分を介してのみ指向されるように修正する。これは、例えば、上記ミラーによる偏向の各範囲を制限することにより実施することができる。繋がっていない2つ以上の覆われた部分が存在する場合も、上記制御ユニットは、これら覆われた部分のみを介してのレーザビームの放出を可能にするように、上記レーザビーム操作部11を修正することができる。
【0050】
当該装置の他の実施例は、覆われた部分の外側の放射線を阻止することが可能な照射線阻止手段(図示略)を有する。これを達成するために、可動ブラインドが好ましくは出射開口15の面内に設置される。他の例として、前記制御ユニットにより制御可能なエレクトロクロミックフィルタが出射開口15に配置される。
【0051】
図3の概略代替実施例に示されるように、図示の例の皮膚存在センサ43は、各々、2つの異なる所定の波長を有するような光のための2つの光源45及び47(図示の例では2つのLED)、並びにこれら光源45及び47に隣り合って配置された単一の光センサ49(図示の例ではフォトセンサ)を有している。光源45、47及び光センサ49は、当該検出器システムの別個の室51、53及び55内に各々配置されており、結果として、光センサ49は光源45、47から光学的に分離されている(即ち、光源45、47からの光は光センサ49に直接到達することはできない)。しかしながら、図3に示されるように、光源45及び47からの光ビーム57及び59は、皮膚7における散乱を介して光センサ49に到達することができる。光源45及び47からの光ビーム57及び59のかなりの部分が光センサ49に到達することができるのを確実にするために、光源45、47と光センサ49とは皮膚47に直に接触していなければならない。当該皮膚存在センサ43は電気回路61を更に有し、該回路は2つの光源45及び47を2つの電気信号ULED1及びULED2により短い期間にわたり順次駆動する。結果として、回路61は光センサ49から2つの順次の電気信号UPD1及びUPD2を入力するが、これら信号は該光センサが上記2つの光源45及び47の各々から皮膚7における散乱を介して入力した光の各量に対応する。次いで、回路61は、2つの光源45及び47の2つの異なる波長に対する皮膚7の散乱係数及び/又は吸収係数の各値を、入力された光の各量を信号ULED1及びULED2により決まるような光源45及び47により発生される光の各量と比較することにより決定する。回路61は、斯様にして測定された散乱係数及び/又は吸収係数の各値を電気信号UCOに変換する。図1に示すように、全てのセンサ43の電気信号UCOは当該装置1の制御ユニット37により入力される。制御ユニット37は図示せぬ比較器を有し、該比較器は上記散乱係数及び/又は吸収係数等の測定値を、該制御ユニット37のメモリに記憶された人の皮膚に特徴的な散乱係数及び/又は吸収係数等に関する値と比較する。インピーダンスに基づくセンサに対する該光に基づく皮膚存在センサの利点は、これらセンサが、追加のセンサ(相手側電極)の必要性無しに、自身で皮膚の存在を決定することができる点にある。
【0052】
図3に示すように、光源45、47及び光センサ49は室51、53及び55内に、皮膚接触エレメント21が対応する皮膚存在センサ43の位置において皮膚7と接触する場合にのみ、即ち皮膚接触エレメント21と皮膚7との間に開きがない場合にのみ、光源45、47及び光センサ49が皮膚7と接触するように、各々配置されている。このようにして、皮膚存在センサ43は皮膚接触エレメント21が皮膚7と完全に接触しているかも検出することができるようになる。センサ43のうちの1つのセンサの位置において皮膚接触エレメント21が皮膚7と接触していない場合、当該皮膚存在センサ43の光源45、47及び/又は光センサ49は皮膚と接触しておらず、結果として、これら光源45、47から発し該光センサ49に到達する光の量が大幅に減少し、該光センサにより測定される散乱係数及び/又は吸収係数の値は前記所定の範囲内で人の皮膚に特徴的な値に一致しなくなる。かくして、制御ユニット37は、全ての皮膚存在センサ43に関して、これらセンサが皮膚と接触しているか否かを判定する。この処理の結果から、上記制御ユニットは出射開口の覆われた部分を決定し、もし必要なら、前記レーザビーム操作部及び放射線阻止手段(図示略)等の制御を修正する。
【0053】
この様にして、出射開口15の覆われていない部分を介してのレーザビーム13の偶発的又は故意の放出に対する当該装置1の非常に信頼性のある保護が提供される。一連の皮膚存在センサ43が出射開口15の周囲で使用されるので、レーザ源9は該出射開口15の覆われた部分を介してのみ指向され得る。装置1が皮膚7上に斜めに又は皮膚7から短い距離離れて位置された場合、レーザ源9は駆動され得ない。何故なら、このような場合には、出射開口15の少なくとも2つの対向する辺上には当該制御ユニットが該出射開口の覆われた部分を判定するのに充分な数だけの隣接する皮膚存在センサが存在しないからである。更に、出力開口15の前に存在する媒体が人の皮膚でない場合にも、レーザ源9は駆動され得ない。人の皮膚においては、光は該光の波長の関数として非常に特徴的な態様で散乱及び吸収されるが、これは、血液、水、細胞、角質及びメラニン等の種々の成分の存在に帰すことができるものである。上記皮膚存在センサ43は散乱係数及び/又は吸収係数の値を、図示の例では2つの異なる波長の光、即ち比較的短い波長を持つ緑色光及び比較的長い波長を持つ赤色光、に対して測定する。上記2つのタイプの光に対するこれら係数の値の組合せは、人の皮膚の場合は非常に固有のものとなるので、これは、人の皮膚を実質的に固有な態様で特徴付けるのを可能にする。かくして、皮膚存在センサ43は皮膚接触エレメント21に当接する人の皮膚の存在を非常に高い確実度で検出することができる。出射開口15が、ガラス、透明合成樹脂又は紙等の異なる媒体で覆われた場合、皮膚存在センサ43は、これら係数に対して異なる値を検出するので、制御ユニット37はレーザ源9を駆動することができない。
【0054】
54個の皮膚存在センサ43の代わりに、異なる数の皮膚存在センサを装置1に適用することもできることに注意すべきである。出射開口15の対向する辺上に、該出射開口15の近傍において互いから或る距離で配置されるような少なくとも2つの皮膚存在センサ43が設けられれば、既に、合理的な程度の保護が達成されるので、出射開口15が部分的にのみ覆われるような状況でも、合理的な程度の保護は達成される。好ましくは、可能な限り覆われた部分の誤った判定を防止するために、図2に示されるように、出射開口15の全ての辺上に皮膚存在センサ43が配設されるようにする。
【0055】
上記皮膚存在センサ43の代わりに、1つの値の光の波長に対してのみ散乱係数及び/又は吸収係数が測定されるような皮膚存在センサを使用することも可能である。光は人の皮膚内において波長の関数として非常に特徴的な態様で散乱及び吸収されるので、1つのみの所定の波長において測定を実行することにより、既に、非常に信頼性のある検出を達成することができる。しかしながら、本発明は、皮膚存在センサが3以上の値の波長に対して測定を実行するような実施例も含む。更に、皮膚存在センサ43の構成は簡素であり、これは光源49が両光センサ45及び47に対して使用されるという事実に帰すことができることに注意すべきである。しかしながら、本発明は別個の光センサが各光源45、47に対して使用され、該光センサが例えば対応する光源の波長の光に対してのみ感応するような実施例も含む。更に、皮膚存在センサ43内の2つの光源45及び47が光センサ49の一方の側に配置されることに注意すべきである。これは、2つの光源45及び47からの光が、皮膚7の同一の部分における該光の散乱により光センサ49に到達するので、該皮膚存在センサ43の精度が改善されるという利点を有している。
【0056】
しかしながら、光源45及び47が光センサ49の両側に配置されるような本発明による装置の他の実施例においても、許容可能な結果が達成される。皮膚存在センサ43に使用されるLED及びフォトセンサは比較的安価であり、且つ、小さな寸法を有しているので、当該皮膚存在センサ43の価格及び寸法は限られたものとなる。また、本発明は、異なるタイプの光源及び/又は異なるタイプの光センサが皮膚存在センサ43に使用されるような実施例も含む。更に、本発明は、図3に示した例とは相違して、回路61が皮膚存在センサ43又は関連する検出器システムの一部を形成するのではなく、制御ユニット37の一部を形成するような実施例も含むことに注意すべきである。
【0057】
図1に示されるように、本発明による装置の第2実施例1'は、上記第1実施例による装置1と略同一である。該装置1'は上記装置1とは、装置1'が皮膚存在センサ43の代わりに皮膚存在センサ63を備え、これら皮膚存在センサ63が所定の波長の光に対する皮膚7の反射係数を測定することができる点で主に相違している。従って、以下の説明においては装置1'の皮膚存在センサ63のみが議論され、これら皮膚存在センサの1つが図4に概念的に示されている。図4に示されるように、皮膚存在センサ63は、各々、図示の例では、2つの異なる所定の波長の光を発生するための2つの光源65及び67を有している。図示の例において、上記光源は2つのLEDである。該皮膚存在センサ63は、更に、単一の光センサ69(即ち、図示の例ではフォトセンサ)を有し、該センサは2つの光源65及び67の間に配置されている。
【0058】
光源65、67及び光センサ69は、各々、当該皮膚存在センサ63の別個の室71、73及び75内に設けられ、結果として、光センサ69は光源65、67からは光学的に分離される。図4に示されるように、光源65及び67からの光ビーム77及び79は皮膚7の表面を介しての反射を経て光センサ69に到達することができる。
【0059】
当該皮膚存在センサ63は電気回路81を更に有し、該回路は2つの光源65及び67を2つの電気信号U'LED1及びU'LED2により短い期間にわたり順次駆動する。結果として、回路81は光センサ69から2つの電気信号U'PD1及びU'PD2を順次入力するが、これら電気信号は該光センサ69により上記2つの光源65及び67の各々から皮膚7を介しての反射を経て入力された光の各量に対応する。次いで、回路81は、光源65及び67の2つの異なる波長に対する皮膚7の反射係数の各値を、入力された光の各量を信号U'LED1及びU'LED2により与えられるような光源65及び67により発生される光の各量と比較することにより決定する。
【0060】
回路81は、斯様にして測定された反射係数の各値を電気信号U'COに変換し、該信号は、図1に示すように、当該装置1'の制御ユニット37により入力される。制御ユニット37は、上記反射係数の測定値を、該制御ユニットのメモリに記憶された人の皮膚に特徴的な値と比較するが、該制御ユニット37はレーザ源9を出射開口15の覆われた部分のみに、即ち皮膚存在センサ63により測定された上記各値が所定の範囲内で上記人の皮膚に特徴的な値に一致する(即ち、対応する皮膚存在センサ63が人の皮膚の存在を検出する)部分のみに、指向させることができる。光は人の皮膚により該光の波長の関数として非常に特徴的な態様で反射されるので、上記皮膚存在センサ63により、出射開口15の直ぐ前に存在する媒体が実際に人の皮膚であるかが高信頼度で決定される。図示の例においては、この信頼性は、上記皮膚存在センサ63が波長の2つの異なる値に対して(即ち、本例では、比較的短い波長を持つ黄色光及び比較的長い波長を持つ赤色光に対して)反射係数を測定することにより、更に大幅に改善される。図4に示されるように、光源65、67及び光センサ69は、皮膚接触エレメント21'が当該皮膚存在センサ63の位置において皮膚7と接触している場合にのみ、皮膚7の表面から所定の距離dにある。当該光センサにより入力される光の量は、光源65、67と皮膚7との間の距離、及び光センサ69と皮膚7との間の距離に依存し、斯かる光の量は、皮膚接触エレメント21'が皮膚7の表面と接触していない場合(この場合、光源65、67からの或る量の光りが、皮膚接触エレメント21'と皮膚7との間に存在する空間を介して逃げる)に特に大幅に減少する。
【0061】
従って、皮膚存在センサ63により測定される反射係数の値が、所定の範囲内において、人の皮膚に特徴的な値と一致するようにするには、一方においては、出射開口15は好ましくは人の皮膚により可能な限り多く覆われなければならず、他方においては、皮膚接触エレメント21'が皮膚7の表面に接触していなければならない。しかしながら、皮膚存在センサ63が皮膚接触エレメント21'に当接する皮膚7の存在を決定することができる信頼度は、装置1の前記皮膚存在センサ43が皮膚接触エレメントに当接する皮膚の存在を決定することができる信頼度よりも小さい点に注意すべきである。更に、本発明は、前述した皮膚存在センサ43の変形例のような、皮膚存在センサ63の変形例並びに斯かる皮膚存在センサの数及び位置の変形例も含むものであることに注意すべきである。
【0062】
本発明による装置1及び装置1'の皮膚存在センサ43及び皮膚存在センサ63は、上述したように、皮膚の散乱係数及び/又は吸収係数並びに皮膚の反射係数を各々測定するために好適に使用することができる。しかし、本発明は、皮膚を特徴付けることが可能な異なる生物物理学的特性を測定するのに適した皮膚存在センサが使用され、前記制御ユニットの比較器を、該皮膚存在センサにより測定された上記特性の値又は状況を該特性の皮膚に特徴的な値又は状況と比較するために好適に使用することができるような実施例も含むものであることに注意すべきである。代わりとなる生物物理学的特性は、例えば、皮膚のDC電気抵抗である。しかしながら、この特性は前述した特性よりは信頼性が低いであろう。何故なら、皮膚の電気抵抗は皮膚上の水分又は付着物の存在により影響を受けるからである。
【0063】
他の考えられる生物物理学的特性は血液の存在である。皮膚内の血液の流れは、例えば、レーザ・ドプラ測定により検出することができ、結果としての測定信号は人の皮膚に非常に特徴的である。しかしながら、必要なセンサ及びプロセッサは、上述した皮膚存在センサ43及び63に使用される光源及び光りセンサよりは一層高価である。本発明による装置において皮膚の存在を検出するために使用するのに好適な他の技術は、光干渉断層撮影(optical coherence tomography)、共焦点顕微鏡撮影(confocal microscopy)、超音波、2光子顕微鏡撮影(two-photon microscopy)及び分光技術(spectroscopic techniques)等の皮膚画像化技術である。これらの技術は非常に信頼性があるが、複雑さのために、消費者向け市場での使用には余り適しておらず、専門家市場用の装置により適している。
【0064】
本発明による上述した装置1及び1'は、レーザ脱毛装置である。しかしながら、本発明は、出射開口から放出される放射線により毛が短縮又は除去されるような他の型式の除毛装置も含むものである。斯様な除毛装置の一例は、レーザシェーバである。斯様なレーザシェーバの動作は基本的に上述したレーザ脱毛装置のものと同一であるが、レーザビームの目標位置は毛根にあるのではなく、皮膚の表面の直上における毛上の位置にある。本発明が適用可能な他の型式の除毛装置は、例えば、IPL(強力パルス光)脱毛装置である。
【0065】
上述した装置1及び1'は全て除毛装置である。しかし、本発明は放射線により皮膚を処置する他のタイプの装置も含むものであることに注意すべきである。斯様な装置の例は、レーザ光、フラッシュライト又は比較的高い強度を持つ他の型式の放射線を用いるような、放射線により皮膚を治療するための装置である。斯様な装置は、例えば、皮膚上に存在する色素性母斑及びヴィノサス母斑等の出産斑、乾癬、ニキビ及び皺、又は皮膚内に存在する血管の異常を治療するために使用される。斯様な装置の他の例は、放射線による肌若返り療法用の装置を含む。
【0066】
最後に、本発明は前記皮膚存在センサ又は複数の皮膚存在センサが当該装置の前記皮膚接触エレメントにおける位置とは異なる位置に配置されるような装置も含むものであることに注意すべきである。しかしながら、上述した装置1及び1'におけるような、前記皮膚接触エレメントにおける出射開口内又は近傍の皮膚存在センサの位置は、通常は、装置の最適な保護に繋がるものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、本発明による装置の第1実施例を概略図示する。
【図2】図2は、図1による装置の、検出器システムを備える出射開口を概略図示する。
【図3】図3は、図2に示した検出器システムの皮膚存在センサを概念的に示す。
【図4】図4は、本発明による装置の第2実施例の皮膚存在センサを概念的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線により皮膚を処理する皮膚処理装置であって、
− 放射源を収容すると共に前記放射線を放出するための出射開口が設けられたハウジングと、
− 前記出射開口の直ぐ前の皮膚の存在を検出する検出器システムであって、前記出射開口の内部又は近傍に配置されると共に前記皮膚を特徴付けることができるような生物物理的特性のセンサ信号を供給することができる少なくとも1つの皮膚存在センサを有する検出器システムと、
− 前記放射線の放出を、前記少なくとも1つの皮膚存在センサのセンサ信号の関数として制御する制御ユニットと、
を有するような皮膚処理装置において、
前記制御ユニットが、前記センサ信号から皮膚により覆われた前記出射開口の覆われた部分を決定するように構成され、
前記制御ユニットが、前記放射線の放出を、多くても前記出射開口の前記覆われた部分に制限するように構成されている、
ことを特徴とする皮膚処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記出射開口の前記覆われた部分の外側を介しての前記放射線の放出を防止するように前記制御ユニットにより調整される少なくとも1つの可調整放射線阻止手段を更に有するような装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、前記放射源は放射ビームを供給する放射ビーム源を有し、当該装置は動作時に前記放射ビーム源により供給される前記放射ビームを前記出射開口を介して処理されるべき前記皮膚上の目標位置に向ける可調整放射ビーム操作部を更に有し、前記放射ビーム操作部は前記制御ユニットにより前記放射ビームを前記出射開口の前記覆われた部分に専ら向けるように制御可能であるような装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、前記検出器システムが少なくとも2つの行の皮膚存在センサを有し、1つの行が前記出射開口の2つの互いに対向する辺の各辺上にあるような装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置において、前記少なくとも2つの行が、各々、少なくとも3つの皮膚存在センサを有しているような装置。
【請求項6】
請求項4に記載の装置において、前記制御ユニットは、前記出射開口のうちの、第1の辺においては前記2つの行のうちの第1の行の或る区域により仕切られると共に第2の反対側の辺においては前記2つの行のうちの第2の行の或る区域により仕切られ、これら区域の各々が皮膚が存在することを示す測定信号を供給する少なくとも3つの互いに隣接する皮膚存在センサからなるような部分を、覆われた部分として判定するように構成されている装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置において、前記検出器システムが、物理的圧力センサ、ガス圧センサ、及び/又は熱伝導センサのうちの少なくとも1つを有するような装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置において、前記検出器システムが複数の導電接点センサを有するような装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、前記検出器システムが前記接点センサの選択可能な対の間のインピーダンスを測定するように構成されている装置。
【請求項10】
請求項8に記載の装置において、相手側電極を更に有し、前記検出器システムが、前記接点センサのうちの選択された接点センサと前記相手側電極との間のインピーダンスを測定するように構成されている装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置において、前記少なくとも1つの皮膚存在センサが所定の波長の光に対する前記皮膚の散乱係数、吸収係数及び/又は反射係数を測定することができるような装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−515477(P2008−515477A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534166(P2007−534166)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053224
【国際公開番号】WO2006/038168
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】