説明

放射線検出器

【課題】熱膨張による応力破壊を解消するための、一軸光導波性を有する複合シンチレータを熱膨張に強い検出器として組み上げる構成を提供する。
【解決手段】第一の主面と第二の主面間に一軸光導波性を有する複合シンチレータと、各主面に相対する部材間に接続層を設ける放射線検出器であって、該接続層を構成する材料として流動性を有する液体を用いることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、放射線により発光を呈する材料であるシンチレータと、その発光を受ける光検出器との構成に関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場等で用いられているX線フラットパネルディテクタでは、被写体を通過したX線をシンチレータで受け、そのシンチレータが発した光を受光素子アレイで検出している。受光素子アレイは様々なサイズがあるが、1辺が数十cmに渡り、大きいもので40cm近くもある。それらの受光素子アレイに合わせるシンチレータとしては、粉末状のGd2O2S:Tbをシート状にしたものや、蒸着法で作製される針状のCsIなどが使われている。これらのシンチレータを受光素子アレイに接続させる場合に、サイズが大きいため環境温度変化による熱膨張で生じる応力が課題となる。そこで、特許文献1に記載のように、シンチレータと光検出器間にそれぞれの熱膨張率に対して中間値を採るような重合体を用いることで応力を重合体層で緩和することがなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-188085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、シンチレータ部分が主に粉末で構成されている場合(図5(a))や、針間に空隙を有する針状結晶で構成されている場合(図5(b))には、シンチレータ部分そのものにも応力の一部を緩和する効果があっため、特許文献1に開示されるようにシンチレータと受光素子間の層内で応力を緩和することが可能であった。しかし、我々が新たに見出したフラットパネルディテクタに用いるのに有効な複合シンチレータでは、優れた一軸光導波性を有しているが、前述の粉末や針状の場合のようにシンチレータ部分の内部に空間を一切有していないため、熱に起因する膨張の影響が顕著であり、特許文献1のような接合層内での応力緩和方法では不十分であることが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の主面と第二の主面間に一軸光導波性を有する複合シンチレータと、各主面に相対する部材間に接続層を設ける放射線検出器であって、該接続層を構成する材料として流動性を有する液体を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、シンチレータ部分と受光素子アレイ部分を光学的に結合させる接続層がいずれとも固着していないため、従来のように層内で応力を緩和する必要がなく、各々の界面にて応力が適宜解消されるため、応力による破損や剥がれが生じない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の複合シンチレータの模式図である。
【図2】熱膨張による応力変形を示す図である。
【図3】本発明の層構成を示す模式図である。
【図4】本発明の構成の一例を示す模式図である。
【図5】従来例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、第一の主面と第二の主面との間に一軸光導波性を有する複合シンチレータと、各主面に相対する部材間に接続層を設けた放射線検出器に関し、特に、該接続層を構成する材料として流動性を有する液体を用いることを特徴としている。
【0009】
さらに、本発明に係る放射線検出器は、前記接続層を構成する材料が、シリコーンオイルであることを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る放射線検出器は、前記接続層の厚みを薄く維持するために光出射面に垂直方向から加重が印加されていることを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明に係る放射線検出器は、前記複合シンチレータの光出射面でない面の一部に、接続層を構成する液体の溜まり場を設けていることを特徴としている。
【0012】
さらにまた、本発明に係る放射線検出器は、前記複合シンチレータが、少なくとも2相からなる相分離構造を有していることを特徴としている。
【0013】
以下、図面等を用いて本発明を実施するための形態を説明する。
【0014】
[一軸光導波異方性を有する複合シンチレータについて]
図1に本発明の一軸光導波性を有する複合シンチレータの模式的構造を示す。
【0015】
本発明のシンチレータは、一方向性を有する多数のファイバー11と、ファイバー11の側面を埋めるシンチレータ12の領域から構成されている。また、この構成は、ファイバー11がシンチレータ12でその側面領域が他材料である逆転の場合もあり得る。ファイバー11の形状は円形に限らず、楕円形や、複数の面から構成され多角形を構成してよい。また、ファイバーの直径13は、平均値で1μm以上30μm以下の範囲であることが好ましく、特に1μm以上10μm以下の範囲であることが望ましい。近接ファイバー間の周期14は、平均値で1μm以上50μm以下の範囲であることが好ましく、特に1μm以上20μm以下の範囲であることが望ましい。これらの直径や周期は、適用する光検出器の受光部のサイズよりも小さい値であることが重要である。つまり、本発明の複合シンチレータと検出器ないし検出器アレイと組み合わせた場合、光検出器の受光部領域上に多数のファイバーが配置されるような構造サイズを有したものを組み合わせることが好ましい。例えば、受光領域が正方で一辺が50μmであった場合、ファイバー直径の平均値が10μm以下でなければ、十分なファイバー本数を得られないため、ファイバーの直径で5.5μm、周期で6.5μmというような構造サイズを有している複合シンチレータを用いることが好ましい。
【0016】
さらに、複合シンチレータの厚み15に関しては、任意の厚みに調整することが可能である。実質的にファイバーは、厚み方向16に渡って真っ直ぐ続いていることが好ましいが、途中で途切れたり、直径が揺らいだり、一直線でなく曲がったりした部分が含まれている場合などを排除するものではない。あえて柱状晶を曲げることも可能である。あくまでも図1は模式図である。このとき、第一の主面とは図1における上面部分であり、第二の主面とは下面部分であると言える。また、第一と第二の主面は同一面上にないだけであって、その他は同等の面であるから、図における定義に上下はなく前述の上面と下面の関係性は逆であっても問題とならない。そして、本発明の複合シンチレータの光導波方向は、一方の主面から他方の主面に向かう方向である。
【0017】
ファイバー11は、シンチレータ12よりも低屈折率な材料で構成されており、シンチレーション光に対して透明であればいずれの材料から構成されていてもよい。また、ファイバー11の表面が、平滑であることも望ましい。さらに好ましくは、ファイバーはアモルファスである。具体的には、ガラス・石英・アルミナの繊維が好ましい。たとえば、ガラスについては、組成においてSiO2が50wt%(wt%:重量%)以上で、その他の主要成分がAl2O3、CaO、MgO、B2O3、Na2O、ZrO2等であるものなどが使用できる。石英については、95wt%以上がSiO2であるものが使用できる。また、アルミナについては、70wt%以上がAl2O3であるものが使用できる。ここで、アモルファスというのは、ファイバーの全領域にてアモルファスということではなく、少なくとも一部にアモルファス領域が含まれているものを含むものである。
【0018】
また、シンチレータ12は、上記ファイバー間に配置できるものであればいずれのシンチレータも適用可能であるが、後述の製法上の制約からファイバー11と反応して形状を崩壊させない材料を選択することが好ましい。特に、シンチレータの融点が重要で、1100℃以下の融点を有することが好ましく、より好ましくは700℃以下の融点である。たとえば、弗化物でないハライド系材料でファイバーと反応せず、低融点なものが多く好ましい。特に、CsI、CsBr、CsCl、RbI、RbBr、RbCl、BaI2、BaBr2、BaCl2、SrI2、SrBr2、SrCl2、CaI2、CaBr2、CaCl2、CuI、CuBr、CuCl、LaI3、LaBr3、LaCl3から選択することが好ましく、これらから選択した2種以上の材料であってもよい。また、シンチレータとしての母材としての上記材料には、所望の発光波長や発光輝度を得るために発光中心として用いられる材料を添加することも好ましい。特に発光中心として用いられる材料は、Tl、In、Gaや希土類元素であるEu、Ce、Tb、Prなどである。
【0019】
また、ファイバー11が結晶の場合であってもよい。その場合、特にハライド材料である場合が好ましい。ハライド材料の例としては、NaF、NaCl、NaBr、KCl、KF等が挙げられる。このように結晶の場合は、特に少なくとも2相からなる相分離構造を有する材料系を用いることが好ましい。より好ましくは、共晶組成近傍の配合比率から一方向凝固法で作製されるCsI-NaBr,-NaCl,-NaF、CsBr-NaBr,-NaCl,-NaF、RbI-NaCl,-NaF、RbBr-NaF、CsCl-NaCl、RbCl-NaF、NaI-RbI、NaI-NaCl、NaI-NaF、CuI-NaBr,-NaCl,-KBr,-KCl、CuBr-NaBr、CuCl-NaBr,-NaCl、Cs3Cu2I5-NaI,-NaBr,-NaCl,-KClなどの材料系から選択するのがよい。
【0020】
その他にも一枚板状のシンチレータ部分を構成し、光導波性を有するものであれば、本発明に好ましく適用される。たとえば、アルミニウム等の金属の型にシンチレータを組み合わせたようなものも、金属の熱膨張が大きいため本発明に好ましく適用される。
【0021】
[複合シンチレータの熱膨張率について]
本発明においては、応力に直結する複合シンチレータの熱膨張がどの程度かが重要となってくる。まず、シンチレータを構成する材料としてたとえば、NaClシリンダーにCsIシンチレータが組み合わさっている場合を例に採ると、それぞれ、熱膨張係数として44.0 x10-6 /℃、48.3 x10-6 /℃の値を有している。さらに、複合シンチレータ部分22と組み合わせる受光素子アレイ部分23がSiで構成されていることと、その保護の観点でSiO2、ガラス、SiNが使われる場合もあることを考慮して、それらの熱膨張係数を表1に示す。
【0022】
【表1】

【0023】
また、フラットパネルディテクタが400mmの大判であることを想定し、パネル温度がたとえば20℃から40℃というように20℃の温度変化が生じた場合に一辺がどの程度伸びるのか算出した。その結果、複合シンチレータ部分22を構成する材料系では350μm以上の伸びを示すことが分かる。しかし、受光素子アレイ部分23を構成する材料系では40μm以下の伸びに留まっている。この伸びの違いで材料が破壊されずに図2のように変形すると仮定した場合にどの程度パネルが反るかを算出する。シンチレータの厚みを500μmとした場合、シンチレータ側の伸びをCsIの値を用い、受光素子側の伸びをSiの値を用いると、界面でSiと同じ伸びとしたときのシンチレータ部分の反りを、円弧の高さとして算出すると反り高さ21が36.42mmの厚みになる。実際に実装したパネルでこのような反りに耐えうることは不可能であるため、このような構成で生じる応力は複合シンチレータ部分22と受光素子アレイ部分23間の接合部の破壊をもたらす。
【0024】
このように、本発明の複合シンチレータをフラットパネルディテクタに用いることで、初めて応力緩和できない状況が現れることが示せる。よって、本発明では、シンチレータ部分とそれに接する部材間に固着領域を設けず組み上げることが必要である。
【0025】
特に、上記反り高さ21が5mmを超えるような場合には、材料内で十分緩和できないと想定され、本発明の構成を採ることが好ましい。おおよそ、上記前提でSi系に対して熱膨張係数で10x10-6 /℃以上の複合シンチレータでは、本件の範疇となると言える。本発明は複合シンチレータに適用するものであるので、熱膨張係数は構成材料の体積比率を勘案した平均値で考慮することが好ましい。
【0026】
[本発明の構成]
本発明の構成は、図3に示すように、受光素子アレイ部分23と、第一の接続層32と、複合シンチレータ部分22と、第二の接続層34と、反射層35と、上部支持体部分36からなる。このほかにも、本件の本質にかかわらない構成層がありえるため、この層構成のみに限定されない。
【0027】
前述のように固着領域を設けないことが本発明の特徴であるが、まず固着とは、材料間の界面にて熱膨張等による変形を伴うときに、界面にて滑りが発生しない状態ということができる。つまり、破壊されるまで部材の弾性変形が生じているということである。以上から、本発明において固着させないというのは、熱膨張により部材間の界面にて独立に伸び縮みが可能であることで、そのような状態を達成させるためには、流動性のある物質の挿入が好ましい。特に、固体でないものである液体やゲル状のものなどが好ましい。ただし、複合シンチレータ部分22等に一切付着がないことを意味している訳ではなく、すべりが生じさえすれば第一の接続層32や第二の接続層34を構成する液体等の数分子が吸着している場合も許容される。
【0028】
また、液体はシンチレータや受光素子等にダメージを与えない物質である必要がある。特に、シンチレータに対して溶解性を有する組み合わせは好ましくない。たとえば、CsIに対して水分を多く含有した液体は不適であり、アセトンのようなCsIに対して若干でも溶解度を有する溶媒を用いることは長期安定性の点で不適である。このように無水ないし無水に近いオイル等が好ましく、その中でもシリコーンオイルが無色透明であり反応性も低く好ましい。粘度等は、特に問題とならないが、接続層自体が十分な厚みを持つことは好ましくないため、薄くなるように配置することが好ましい。
【0029】
また、本発明は複合シンチレータ部分22と受光素子アレイ部分23間における場合(第一の接続層に対応)のみならず、複合シンチレータ部分22と反射層35間、もしくは上部支持体部分36間(反射層がない場合に)に対して(第二の接続層に対応)も適用することが好ましい。
【0030】
また、複合シンチレータ部分22と受光素子アレイ部分23間の距離は空間分解能に直結するため、できる限り近い方が好ましい。したがって、液体を間に介在させる本発明においては、ある程度の加重を印加して液体領域の厚みの均一化と狭ピッチ化を行うことが好ましい。特に、図4に示すように上部支持体部分36、加重印加部分42により加重を印加することが好ましい。また、液体を用いた場合にも液体の熱膨張があるため、パネルサイドに液溜まり部分43を構成し、緩衝材部分41などを設けることで、第一の接続層32と第二の接続層34のいずれも厚みを変化させないようにすることも好ましい。
【0031】
最後に、本発明の構成は、予め複合シンチレータ部分22に何らかの膜を設けてから実施することも可能であるが、熱膨張にて破壊されないよう材料の熱膨張等を制御しておかなければならない。好ましくは、複合シンチレータ部分には何も膜状のものを設けず実施することである。
【実施例1】
【0032】
本実施例は、熱膨張により発生する応力で検出器の接続層の状態でどのような差が生ずるかに関する。
【0033】
まず、比較例として約一辺40cmのアモルファスシリコンの受光素子アレイが形成された基板に、エポキシ樹脂にて受光素子アレイ部分と同サイズの複合シンチレータを張り合わせ、さらに対面にもエポキシ樹脂にてアルミニウムの反射面を張り合わせ、それらをパッケージしたものを用いる。その時の複合シンチレータとしては、代表例として、CsI-NaCl材料系の相分離構造を有する複合シンチレータを用いた。ただし、40cmを完全な一枚板で構成することが難しい場合があるため、500μmの厚みの10cmサイズを16枚接続して構成する。次に、実施例として上述の比較例のエポキシ樹脂部分をシリコーンオイルにしたものを準備する。
【0034】
まず、両方の検出器(パネル)の全面にX線を照射し、一様に複合シンチレータが発光している状態の画像を取得する。そして、これらパネルを恒温槽の容器中に配置し、20℃の環境から40℃へ昇温させ、その後20℃に降温する。この一時間1サイクルで20サイクルさせた後に検出器を取り出す。さらに、再度両パネルにX線を全面に照射し、画像を取得する。その結果、温度印加プロセスを行う前と後の画像比較で、シリコーンオイルを用いた方は作製直後と特段変化があるようには観察されないが、エポキシ張り付けのパネルでは発光のムラが発生していることが確認できる。つまり、パネルにおいて複合シンチレータとそれに相対する部材の一部の領域で破壊が生じて剥がれが発生するとその領域にて光の散乱が生じる、また受光素子アレイへの光取り出しの悪化が発生するため、発光のムラが生じているのである。したがって、比較例のように複合シンチレータにおいて発生する熱膨張による応力による破壊が発生することが確認できると同時に、本実施例のように物理的な接続なしに液体で保持するという接続層の構成によって、応力によるパネル破壊が発生しないことを確認できる。
【実施例2】
【0035】
本実施例では、パネルの上部支持体部分に反りを与えることで複合シンチレータ部分に均一に加重を印加する場合に関する。
【0036】
実施例1のシリコーンオイルで構成しているパネルと、同様の構成で上部支持体部分に反りを与えて、加重を印加した場合のパネルを準備する。
【0037】
そして、X線をタングステンのエッジを通して照射し、そのエッジ部のコントラストの切れを比較する。まず、実施例1の場合においては、エッジにて切れているため暗く見えるはずの部分においても若干の滲みが発生していることが確認できる。実施例2の構成の場合では、この滲みが改善され切れのよいコントラストを示していることが確認できる。これは、加重の印加により接続層を構成する液体の厚みが薄くなり、光が広がって受光素子に入るのが改善されたためと理解できる。また、液体部分の厚みを均一化する効果も得ることが可能である。
【0038】
よって、本発明では、接続層に液体を用いるときに、加重も印加することがより好ましいことが確認できる。
【実施例3】
【0039】
本実施例では、接続層を液体で構成した場合の熱の影響に関する。
【0040】
実施例2で構成されるパネルと図4に示すように複合シンチレータ側面部に十分な液体の溜まり部分を設けるパネルを準備する。そして、各々のパネルについて実施例2と同様にX線を照射して画像を取得する。さらに、実施例1と同様に恒温槽にて熱を印加し、40℃に達したときに取り出しすぐさまX線照射して画像を取得し、熱印加の前後での画像を比較する。実施例2の液溜まり部分を積極的に設けていない場合には、温度の高いときにエッジ部での画像のコントラストに若干の劣化が観察できる。しかし、本実施例の液溜まり領域を設けたものでは、同様の劣化が判別できない程度であることが確認できる。
【0041】
これは、液体の熱膨張による影響が反映されていると考えられ、液体部分の厚みの変動がもたらされることによる。したがって、本実施例の液溜まり領域を設けることで、膨張時のバッファー的な役割を担って、顕著な厚みの増加を伴わない特性が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の一軸光導波性を有する複合シンチレータは、従来用いられるシンチレータ部分のように内部に空間を保有しないため、熱膨張の影響が顕著であったため、これを解消する手段を与え、従来より導波性のすぐれたシンチレータの利用の促進を促すものである。特に、フラットパネルディテクタ等の医療用の検出器にて適用することが有効である。また、大判で用いる場合であれば、非破壊検査用途やセキュリティー用途での利用も効果的である。
【符号の説明】
【0043】
11 ファイバー
12 シンチレータ
13 ファイバーの直径
14 近接ファイバー間の周期
15 複合シンチレータの厚み
16 シンチレータの厚み方向
21 反り厚み
22 複合シンチレータ部分
23 受光素子アレイ部分
32 第一の接続層
34 第二の接続層
35 反射層
36 上部支持体部分
41 緩衝材部分
42 加重印加部分
43 液溜まり部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の主面と第二の主面との間に一軸光導波性を有する複合シンチレータと、各主面に相対する部材間に接続層を設ける放射線検出器であって、該接続層を構成する材料として流動性を有する液体を用いることを特徴とする放射線検出器。
【請求項2】
前記接続層を構成する材料が、シリコーンオイルであることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
【請求項3】
前記接続層の厚みを薄く維持するために光出射面に垂直方向から加重が印加されていることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線検出器。
【請求項4】
前記複合シンチレータの光出射面でない面の一部に、接続層を構成する液体の溜まり場を設けてなる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の放射線検出器。
【請求項5】
前記複合シンチレータが、少なくとも2相からなる相分離構造を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の放射線検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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