説明

放射線治療線量を自動的に計画する方法

【課題】計画者治療目的に最も適う治療計画を認定する自動放射線治療計画システムを提供する。
【解決手段】FALCONと名づけられた、予後シミュレーションを最適化および査定基準と組み合わせる種々の分野に適用し得る任意の査定基準について自動的に多変数最適化を行う方法を用いた自動放射線療法治療計画である。計画プロセスに線量計算を実行し、利用できるビーム・デリバリ変更子パラメータを最適化し、臨床的意思決定基準に最も適う治療計画を決定する。FALCONは、外部ビーム放射線療法および強度変調式放射線療法(IMRT)を最適化するコンテキストで説明されるが、この概念は、内部(近接照射)放射線療法にも適用可能である。放射線ビームは、光子または任意の荷電または無荷電粒子からなるものでもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許出願番号08/610,917号、名称:「Calculation of Radiation Therapy Dose Using All Particle Monte Carlo Transport」の一部継続出願である。
アメリカ合衆国政府は、Lawrence Livermore National Laboratory(ローレンス・リヴァーモアー国立研究所)の運営についての米国エネルギ省とカリフォルニア大学との間で取り交わされた契約第W-7405-ENG-48号に従い、本発明によって生ずる権利を有するものである。
【背景技術】
【0002】
発明の分野
本発明は、最適化した放射線蓄積量を得るためのシステムおよび方法に関し、更に具体的に言うと、本発明は、一人の患者でも、多数の患者でも、あるいは治療現場などの様々な治療目的に対し、個々に最適化した治療戦略を自動的に引き出すためのシステムおよび方法に関する。
【0003】
関連技術の説明
放射線療法の目的は、腫瘍に高度の治療線量を与えるということと同時に、正常組織への放射線量を最小限に抑え、重要な健康な臓器構造に対する線量を放射線量許容範囲に制限する、ということにある。ここ数年来、患者の腫瘍と、正常な高感度構造とを、三次元で識別して特徴付けて、その後、腫瘍の三次元体積に合致する高度の線量を与える、といことについて著しく進歩してきた。画像形成を可能にする技術は、身体のコンピュータ断層撮影法(CT)および磁気共鳴像(MRI)スキャンであり、これらは、現在、放射線療法計画では常識的部分である。腫瘍および癌組織の場所を明白に識別するための新しい方法としては、磁気共鳴分光法(MRS)および陽子放射分光法(PET)がある。加えて、マルチリーフ・コリメータ(multileaf collimators)及びダイナミック・ウェッジ・オン・リニア・アクセラレータ(dynamic wedges on linear accelerators)のようなコンピュータ制御式ビーム・モディファイアが、放射ビームに形を与えると共に、ビーム輪郭を3次元に造形する能力を提供する。ビーム輪郭を造形することは、強度変調放射線療法(IMRT)と呼ばれる技術を使用して達成される。IMRTは、多重ビーム計画に組み込まれて、複雑な線量マップを産出することができ、このマップで、患者の腫瘍にぴたりと合致するように治療が行うことができるのである。
【0004】
最適な整合治療計画の正確なデリバリーに対して必要とされる2つの重要なリンク要素は、(線量をデリバリーする構成(a dose-delivery configuration)を与えられた)患者における線量分布を正確に予測する能力と、患者にとって最も有利な線量分布をもたらすように、治療計画や線量デリバリー構成を最適化する能力、である。ローレンス・リヴァーモアー国立研究所(Lawrence Livermore National Laboratory)で開発したPEREGRINE線量計算システムは、放射線療法に対し非常に正確な三次元線量計算を行うために、モンテカルロ輸送計算法(Monte Carlo transport calculations)を使用する。本願で説明する、FALCON自動化計画システムは、これらの精密線量計算を使用して、計画者の治療目的に最も適った治療計画を認定し、処方するものである。
【特許文献1】アメリカ合衆国特許出願番号第08/610,917号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、PEREGRINE線量計算システムを含めた、任意の正確線量計算システムからの線量計算を使用して、計画者治療目的に最も適う治療計画を認定する自動放射線治療計画システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のFALCONと名づけられた放射線治療線量自動化計画システムは、多数の治療目的に対し最適化された治療構成の識別を同時に行なうことを可能にする。もっと一般的に言えば、ここに説明する方法は、最適化構成に対して、線量計算アルゴリズムの精度によって限定された精度を与えるものであり、モンテカルロ技術を含む非常に正確なアルゴリズムに対して使用できるのである。
【0007】
このFALCONシステムは、PEREGRINE線量計算システム、或いは他の線量計算方法からの正確な線量計算を使用して、計画者の治療目的に最も適う治療計画を認定し、これによって、任意の査定基準に対する自動多変数最適化方法を提供する自動化放射線治療線量計画システムを提供するものである。このPEREGRINE線量計算システムというのは、「Calculation of Radiation Therapy Dose Using All Particle Monte Carlo Transport」という名称の米国特許出願番号08/610,917に記載されてお
り、この出願は参考資料として本明細書に取り入れられている。FALCONは、結果シミュレーションが最適化および査定基準と組み合わされるような、様々な分野に適用可能である。FALCONの実施例は、自動放射線療法治療計画に対するものである。FALCONは、計画プロセスへ線量計算を提供し、利用可能なビーム・デリバリー・モデファイア・パラメータを最適化して、臨床決定実行基準に最も適う治療計画を決定する。FALCONは、ここでは、外部ビーム放射線療法および強度変調放射線療法(IMRT)の文脈で説明されているが、その概念は、内部放射線療法(近接照射療法:brachytherapy)にも適用できる。本発明において使用し得る放射ビームは、光量子(photon)とか、荷電粒子、あるいは未荷電粒子を含む。
【0008】
放射線療法実施に際して、本発明の方法は、課題を以下の4つの個別の工程に分割する。
1.ケース・セットアップ (Case setup)
2.ビームレット線量計算 (Beamlet dose calculation)
3.ビームレット重量最適化 (Beamlet weight optimization)
4.計画査定 (Plan assessment)
この方法は、線量計算 (dose calculation)、最適化(optimization)、査定(assessment)のような時間のかかるプロセスを外し、任意の査定基準に対する治療計画を迅速に最適化するのを効果的に達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
FALCONは、以下に述べることも含めて、多くの利点を有する。
FALCONは、治療計画に対し真の三次元モンテカルロ線量計算を使用するのを可能にすることのできる、最初の治療計画最適化システムである。
FALCONは、他のシステムと異なり、ビームレット線量分布を一回しか計算しない。反復操作毎に各ビームレットからの線量を計算する必要がないのであるから、これにより、最高の精度をもってして非常に迅速な最適化を行うことができるのである。
FALCONは最適化と査定とを分けることで、各セットの査定基準に最も適った治療計画に到達するのに、最適化パラメータが迅速に平行に変化するのを可能にすることのできる、唯一の治療計画最適化システムである。
FALCONは、ブロック、固定マルチリーフ・コリメータ、ダイナミック・マルチリーフ・コリメータ、成形修飾子(補正器; compensators)、混合モダリティ(mixed modalities)(ビームタイプの組み合わせ)等と共にデリバーされる強度変調式放射線療法(IMRT:Intensity Modulated Radiation Therapy)も含めた、数多くのタイプの最適化治療デリバリー方法を支持するものである。
FALCONは、これらの特徴により、現存の治療計画システムよりも著しく進歩したものとなる。更に、FALCONは、あらゆるタイプの放射線治療計画モダリティ(radiation treatment planning modalities)に対しても使うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、FALCONの自動治療計画プロセスを説明する概略図である。以下の部分は、この方法における各主要工程を説明し、作動中のFALCONを示す一例をもたらすものである。
【実施例】
【0011】
ケース・セットアップ工程(Case Setup Step)(10)において、使用者は、患者の記述(patient description)、ビームの記述(beam description)、ペナルティ関数(penalty function)、そして査定基準(assessment criteria)に関する情報を提供する。患者の記述は、放射線量計算に都合がよいように患者の解剖学的構造を適切に記述する三次元マップを包含する。この記述は、また、自動計画プロセスに対する意思決定基準において使用されるようになる、腫瘍と高感度構造との識別(tumor and sensitive structure identification)を含む。ビームの記述は、各放射ビームのエネルギ、粒子タイプ、デリバリー装置、および方向を明記する。放射線源の数はいくつでも使用できる。ペナルティ関数は、ビームレット強度最適化に対する数学的関数である。査定基準は、(i)線量体積の分析(dose-volume analysis):目標高感度構造の体積と他の高感度構造体積における線量の相対的量を最適化したり、指定線量よりも多いか或いはそれよりも少ない線量を収容している目標高感度構造の体積を最適化するという線量体積の分析、(ii)生物学的反応(biological response):腫瘍と他の組織が放射に対してどのように反応するかという生物学的モデル(biological models)に基づいて、或いは、線量や治療目標を数学的に記述できるような別の方法に基づいて、腫瘍を制御管理したり、或いはまた、感度構造(たとえば、脊髄(spinal cord)、唾液腺(salivary glands)、直腸(rectum)、膀胱(bladder)など)を傷つけないようにすることの確率を最適化する生物学的反応、などを含む種々の概念に基づいて行うことができる。
【0012】
ビームレット線量計算工程(Beamlet Dose Calculation step)(12)では、FALC
ONは、各ビームを個々のビームレットに分割する。ビームレットは、治療ビームをタイルを張るように覆う任意形状のサブビームであり、各ビームの中心放射線に対して直角に向いたマスクによって限定される。通り抜けることのできる唯一の放射線は、シミュレーションされている特定のビームレットと関連した放射線だけである。その後、FALCONは、線量計算アルゴリズムを使用して、各ビームレットに対する患者における線量分布(dose distribution) を決定することができる。使用し得る線量計算アルゴリズムの一
例が、参考資料としてここに取り入れた特許出願に記載されているようなPEREGRI
NEモンテカルロ線量計算システム(PEREGRING Monte Carlo dose calculation system
)である。図2は、(この場合、前立腺癌治療に対して)各ビームがどのようにしてビームレットへ分解されるか、を示している。この前立腺のCTスライスは、7本のビームによって照射された状態で示してある。小棒グラフ31〜37で示すように、各治療ビームは、カスタマイズした強度を持つビームレットに分割されている。
各ビームレットに対する、モニタ面においての強度単位当たりの絶対線量分布は、ビームレット最適化位相中で使用されるように、(多分、圧縮形式で)記憶される。
【0013】
ここで再び図1を参照する。ビームレット最適化位相(14)中に、FALCONは、ペナルティ関数に従って最適化することによって、各ビームレットの強度と重量を決定する。一実施例として、FALCONは、最小二乗法タイプ二次ペナルティ関数Pを使用する。この機能の形は、
P(a1…an)=∫F・[T−D]2 dV
の形となり、
この式において、Fは「ディザイラビリティ・ファクタ」(desirability factor)(
1へ初期化される)、Tは目標線量、Dは計算線量であり、(a1…an)は、最適化プロセスにおいて決定されるべきビームレットの強度である。Dは、以下の式:D=ΣaiDi におけ
るように、各ビームレットによって与えられる線量の合計としても表現することができ、ここで、aiは、ビームレット振幅であり、Diは、i番目のビームレットの振幅単位当たりの線量であり、F,T,Dは、全て目標体積における位置関数である。この凸状の二次ペナルティ関数の利点は、この拘束された最適化問題(aiが0に等しいか0以上であるということ)に対して最小値が1つしかないということであり、それは二次プログラミング技術を使用すると迅速に到達され得る。別の特性を有する他のペナルティ関数も使用できる。
【0014】
機能的には必要ないが、速度を高めるために、使用者に特定されたパラメータから始まり、可能な治療オプションのスペースをまたいで、広範囲にわたるペナルティ関数パラメータに対して、複数のビームレット最適化を同時に行うこともできる(おそらく、PEREGRINE線量計算エンジンのようなマルチプロセッサ・ハードウェア・システム上で実行する)。この位相スペースの範囲は、無作為化選択方法(randomized selection methods)か、組織的パラメータ変更(systematic parameter variation)あるいは、多目的決定理論(multiobjective decision theory)のような目的目標化メカニズム(goal-targeted mechanisms)によって導かれるパラメータ変更(parameter variation)か、によって達成され得る。
【0015】
図1について説明すると、線量分布は、特定の基準(16)に対して査定される。使用者によって特定された、セットの査定基準に基づいて、FALCONは、すべてのビームレット最適化結果をボクセル毎(voxel by voxel)に分析して、各セットの選択基準に最も適った治療計画を決定する。身体の種々の部分に対する線量を、抑制したり、最小化したり、あるいは最大化することができるようになる、線量体積の分析(dose-volume analysis)のような概念に基づいて、そして、腫瘍対照および組織損傷を、抑制したり、最小化したり、あるいは最大化することができるというようになる推定される生物学的反応のような概念に基づいて、いくつかの異なったタイプの査定基準が使用され得る。線量分布は、目標線量の範囲およびディザイラビリティ(使用者がその特定の線量をどのくらい要求しているか)・マップ(desirability maps)に対して平行して計算される。その結果得られた線量分布は、複数セットの査定基準に対して判断される。これらの査定の結果に基づいて、FALCONは、終了するか、あるいは、目標線量およびディザイラビリティのスペースを検索し続け、各セットについてビームレットを最適化し、次いで、複数セットの査定基準に対して、新しい結果を判断する。いったん査定位相が完了すると、その結果得られ最適化された計画(18)が、各セットの査定基準について報告される。
【0016】
以下の例は、自動治療計画に対するFALCONの動作および有用性を示している。図3は、L字形の目標体積52を持つ水室50(a water box)を示している。目標体積5
2は、正方形のエア空所54に隣接して置かれ、2つの高感度構造56,58に囲まれている。この課題は、エア空所に隣接して腫瘍を有する喉頭腫瘍形態に類似しているため、そして、隣接した異種目標および高感度構造で線量を最適化することについての固有の困難性ゆえに、選択されたものである。PEREGRINE線量計算は、均一な線量分布を組織異質性を持つ領域にデリバーするために、正確なモンテカルロ線量計算の重要性、及び、強度変調に対する必要性を示して来た。
【0017】
使用者は、90°隔たって位置づけられた2本の入射ビーム60及び62を特定した。図3は、「CTスキャン」および使用者特定ビーム方向を示している。図5の表1に査定基準が明記されている。この表は、最善の治療計画を発見するために、FALCONによって使用されるべき4セットの査定基準の概要を示している。
【0018】
ひとたび「患者」記述、入力ビーム形態、そして査定基準が特定されたならば、FALCONは、治療計画プロセスを開始する。
まず最初に、FALCONが、各ビームレットに対する線量を計算する。この場合、FALCONは、第1原理物理学(first-principles physics)を使用してビームレット線量分布におけるエア異質性の影響をモデリングするという、非常に正確なPEREGRI
NE線量計算システムを利用する。単位重量ビームレット(unit-weight beamlet)各々
に対する線量分布は、個々に計算され、最適化が行なわれる前に記憶される。これは、線量計算が一度行われると、最適化プロセス中に、ビームレット線量分布が繰り返し再利用できる、ということを意味する。
【0019】
この例においては、ビームレット最適化位相中、FALCONは、ビームレット強度を最適化するために二次ペナルティ関数を使用する。実際の線量デリバリー・シナリオのスペース(the space of practical dose-delivery scenarios)をカバーするために、FALCONは、ペナルティ関数パラメータ(腫瘍への線量、高感度構造線量、及び「ディザイラビリティ」ファクター)を変化させる。各セットのペナルティ関数パラメータについて、FALCONは、照射体積においてボクセル毎(voxel by voxel)に事前に計算されたビームレット線量分布を重ね合わすことによって、ビームレット強度を最適化する。
【0020】
次に、別のペナルティ関数パラメータで決定された最適化線量分布が、査定基準に基づいて判断される。表1は、この課題に対して特定された査定基準を要約している。図4A〜Dは、別の基準セットがどのようにして異なった線量分布を生じさせるかを示している。
【0021】
図4Aについて言及すると、計画者は、基準セットIに対し、腫瘍への線量を>75G
yにして、次に、高感度構造に対する線量を最小化するように試みる。これは、高感度構造の小部分が、30Gyの許容線量より大きい線量を受ける結果となる。この計画の戦略は、最初に腫瘍を治そうと努めてから、潜在的にある複雑な問題を引きうけるという、積極的な方法を表している。これは、高感度構造に対する傷害がまずまず耐えられる状態であったり、或いは、患者の腫瘍を治す本当のチャンスがある場合の選択方法であろう。
【0022】
図4Bに示す基準セットIIは、高感度構造に対する傷害が、重篤な傷害や、生命を危うくする状態(たとえば、脊髄が切断されるような状態)を引き起こすような場合に使用し得る、もう少し用心深い方法を表している。この基準セットは、まず、高感度構造線量をその耐性より低いレベルに保つように努めてから、次に、腫瘍への線量を最大にしようとするものである。その結果、腫瘍の小部分が、75Gyの指定「治癒的」線量より低い線量で治療されることになる。
【0023】
基準セットIIIおよびIVは、高感度構造の損傷を最小限に保ちながらも、一方で腫瘍対照を最大にしようと明確に試みている2つの方策を表わしている。図4Cに示す基準セットIIIは、「線量」法(a dose-volume approach)を介してこれを達成するもので、これ
で、>75Gyの線量を受ける腫瘍の体積と、<30Gyの線量を受ける高感度構造の体積との差を最大にする。図4Dに示す基準セットIVは、α形状器官(および腫瘍)反応
曲線を数学的に記述する生物学的モデルから計算されるように、腫瘍対照と正常組織との合併症の確率間の差を最適化することによって、その目的を達成する。これら双方の明確な最適化基準が、腫瘍に対して全体線量を更に高くもたらすことができるようになり、その一方、高感度構造に対する全体線量を、基準セットI,IIとほぼ同じに保つようにする
のである。腫瘍が75Gy治癒的線量以下に落ちるといった場合に、約2〜4mm3 の線
量で、非常に小さな譲歩がなされる。
【0024】
図5は、別の4セットの査定基準に基づいて、FALCONが推薦するビームレット強度を示している。各ビームは、10本のビームレットに分割された。これら10本のビームレットのうち4本は、どの場合でもゼロである。課題は対称形であるので、ビームレット強度は、どのビームに対しても同じ(実際に、鏡面反射)である。この図は、4セットの選択基準に最も適う治療計画について決定された、1本のビームに対するビームレット強度を示している。
【0025】
上述した実施例は、FALCONが、どのように作動して、いかにして複数の査定基準に対し迅速で自動的な治療計画を促進するか、を例示している。標準(非最適化)の治療計画方法を使用していては期待できなかったであろうような、ビームレット強度パターンにおけるごく小さな差異が、種々なタイプの査定基準に対する最適化を表わす、著しく異なる線量分布を生み出す結果となることは明らかである。現在、放射線治療計画は、主に医師の経験則を通して行われているために、治療計画に対する実際の意思決定基準は、今のところ明確に知られてはいない。FALCONは、医師に、種々の基準セットに最も適った高度に正確な治療計画を迅速に決定する能力を与えることができる。これにより、医師は、計画選択において使用される明確な前提そして陰に隠れている前提の双方の意味を探求し、患者にとって最良の治療計画へ最終的に到達することができるようになるのである。FALCONを使用して経験が蓄積されるにつれて、患者に尚一層良好な治療効果をもたらすことのできる新しい治療戦略が開発されることになろう。
【0026】
ここに明白に説明した実施例に対する変更及び修正は、本発明の範囲を逸脱しない限り実行され得るもので、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の自動治療計画プロセスを説明するフローチャートである。
【図2】前立腺癌ケースについてのありそうなIMRT治療構成を示す図である。
【図3】患者(この場合、テスト仮想線)および入射ビーム方向の記述を示す図である。
【図4A】異なった査定基準が異なった最適化計画となることを明確に示す4つの特定した基準セットの内の1つの基準セットに関する線量分布を示す図である。
【図4B】異なった査定基準が異なった最適化計画となることを明確に示す4つの特定した基準セットの内の1つの基準セットに関する線量分布を示す図である。
【図4C】異なった査定基準が異なった最適化計画となることを明確に示す4つの特定した基準セットの内の1つの基準セットに関する線量分布を示す図である。
【図4D】異なった査定基準が異なった最適化計画となることを明確に示す4つの特定した基準セットの内の1つの基準セットに関する線量分布を示す図である。
【図5】4セットの選定基準に最も適う治療計画について決定された、1つのビームに対するビームレット強度を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
10 ケース・セットアップ工程
12 ビームレット線量計算工程
14 ビームレット重量最適化位相
16 特定の基準
18 最適化された計画

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線治療線量を自動的に計画する方法であって、前記方法が、
患者記述、ビーム記述、ペナルティ関数および査定基準を提供する工程と、
放射治療ビームを個々のビームレットに分割する工程と、
各ビームレットについて患者における線量分布を決定する工程と、
各ビームレットについてモニタ面においての強度単位あたりの絶対線量分布を記憶する工程と、
ペナルティ関数に従って最適化することによって各ビームレットの強度と重量を決定する工程と、
すべてのビームレット最適化結果をボクセル毎(voxel-by-voxel:最小3次元体積毎)あるいはドーセル毎(dosel by dosel;最小面毎)に分析して、各セットの査定基準に最も良く一致する治療計画を決定する工程と,
を包含することを特徴とする方法。
【請求項2】
患者記述が、或る特定治療方法の状況での放射線量計算に適した患者の解剖学的構造を適切に記述する三次元マップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
患者記述が、腫瘍と高感度構造との識別認知を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
ビーム記述が、各放射ビームのキャラクタ(エネルギ、粒子タイプ、デリバリー装置)および向きを特定することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
ペナルティ関数が、ビームレット強度最適化のための数学的な関数であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
査定基準が、線量体積の分析、腫瘍への線量最大化、および生物学的反応から成る群から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記ビームレットは、治療ビームをタイル張りするように覆い、且つ、各ビームの中心放射線に対して直角に向けられたマスクによって限定される、任意形状のサブビームであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記ペナルティ関数は、最小二乗式二次ペナルティ関数Pを包含し、Pが
P(a1…an)=∫F・[T−D]2dV
の形を有し、
ここで、Fは「ディザイラビリティ・ファクタ」(desirability factor)(1へ初期化される)、Tは目標線量、Dは計算線量であり、Dは、式:D=ΣaiDi におけるように、各ビームレットによって与えられる線量の合計としても表わすこともでき、ここで、aiは、ビームレット振幅であり、Diは、i番目のビームレットの単位振幅であたりの線量であり、F,T,Dが全て目標体積における位置関数であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記査定基準は線量体積の分析を含み、この分析で、患者の身体の様々な部分に対する線量が抑制されたり、最小化されたり、あるいは最大化されるようになり、前記査定基準はさらに、腫瘍対照および組織損傷が抑制されたり、最小化されたり、あるいは最大化されするようになる、推定される生物学的反応か、或いは適切に記述された別の査定基準を包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記査定基準は4セットの基準を包含しており、この4セットのうち、基準セットIは、腫瘍への線量を>75Gyにさせ、次いで、患者の高感度構造への線量を最小限に抑えるように努め、基準セットIIは、まず最初に高感度構造線量をその許容量より低い値に保つように努め、次いで、腫瘍への線量を最大にしよう試み、基準セットIIIおよびIVは、高感度構造の損傷を最小限に抑えながらも、腫瘍対照を最大にすることを明確に試みる2つの方策を表わしており、基準セットIIIが、>75Gyの線量を受ける腫瘍の体積と、<30Gyの線量を受ける高感度構造の体積との差を最大にし、基準セットIVが、腫瘍制御と正常組織合併症の確率間の差を最大に高めて最適化することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記線量分布を決定する工程が、
モンテカルロ輸送計算に対して必要な、患者に従属する情報を構築する工程と、
前記モンテカルロ輸送計算を実行する工程と、
前記患者に従属する情報および前記モンテカルロ輸送計算から、前記患者にデリバーされる線量の三次元マップを製作する工程と、
を包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記患者に従属する情報を構築する工程が、
(i)モンテカルロ・パラメータ、(ii)物理学オプション、(iii)出力オプションの入力から使用者特定オプションを決定し、コード制御用スイッチをセットする工程と、
原子核/原子/電子のデータから各粒子タイプの輸送のためのエネルギ・グループの数を決定し、各粒子タイプについてのエネルギ・グループの数を提供する工程と、
コンピュータ断層撮影(CT: computed tomography)情報を使用して、(i)CTスキャン処理するための使用者特定閾値からなる使用者・オプションと(ii)物質仕様アレイを製作するのに貢献するCTスキャン・アレイの入力から、各CTボクセルに対する寸法および物質組成を定める工程と、
患者構造を記述する使用者描画輪郭を読み出し、使用者描画輪郭を包含する第2セット使用者・オプションの入力から前記物質仕様アレイを修正し、前記物質仕様アレイの生成を完了すると共に、標準偏差帯域識別アレイを提供する工程と、
外部ビーム特性および変更子を包含する放射線源仕様の入力から、各放射線を特定する使用者入力を読み取って、ビーム・デリバリー成分を記述している放射線源角度と、エネルギ分布と、アレイとを提供する工程と、
内部放射線源仕様の入力から、各内部(近接照射療法)源を特定する使用者入力を読み取って、放射線角度とエネルギ分布とを提供する工程と、
コード内で内部的に限定された物質組成データの入力から、物質アレイに対する最終セットアップを完了して、問題に従属する物質と同位元素仕様アレイとを提供する工程と、
(i)前記核/原子/電子のデータと、(ii)前記各粒子タイプについての前記エネルギ・グループ数と、(iii)前記問題に従属する物質と同位元素仕様アレイとの入力から、核および原子データを読みとって、輸送アレイを構築して、(i)核および原子輸送データ・アレイと、(ii)重荷電粒子輸送データ・アレイと、(iii)各粒子タイプについてのエネルギ・グループ構造とを提供する工程と、
(i)前記核/原子/電子データと、(ii)前記問題に従属する物質および同位元素仕様アレイの入力から、電子データを読みとって、輸送アレイを構築し、電子輸送データ・アレイを得る工程と、
を包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
モンテカルロ輸送計算を実行する工程が、
(i)放射線源角度・エネルギ分布と、(ii)ビームデリバリー成分を記述しているアレイと、(iii)物質データと、(iv)核・原子輸送データ・アレイと、(v)各粒子タイプについて数・エネルギ・グループ構造のための構造との入力から、外部放射ビームから生じる一次粒子についての粒子属性を選択して、1つの粒子の属性を提供するための第1部分を与え、前記属性が、エネルギ、場所、方向およびタイプから成る、という工程と、
放射線源角度及びエネルギ分布の入力から、内部放射線源から生じる一次粒子についての粒子属性を選んで、前記1つの粒子の属性を提供するために第2部分を与える工程と、
二次粒子アレイの入力から、輸送メッシュにおける別の粒子の相互作用によって既に作られている1つの粒子を選択して、1つの粒子の前記属性を提供するために第3の部分を与え、それを完了する工程と、
(i)前記輸送メッシュを通過する中性子を追跡してから、(ii)前記中性子によって蓄積されたエネルギを記録して、(iii) (i)1粒子(前記中性子)の属性と、(ii)コード制御についてセットされたスイッチと、(iii)物質仕様アレイと、(iv)物質データと、(v)核輸送データ・アレイと、(vi)前記中性子に対する数およびエネルギ・グループ構造との入力から、二次粒子アレイにおいて生成された二次粒子の属性を記憶し、中性子に対する二次粒子アレイと、中性子に対する三次元エネルギ蓄積マップとを提供する工程と、
(i)前記輸送メッシュを通る光子を追跡してから、(ii)前記光子によって蓄積されたエネルギを記録して、(iii) (i)1光子粒子の属性と、(ii)コード制御に対して設定された前記スイッチと、(iii)前記物質仕様アレイと、(iv)前記物質データと、(v)前記原子輸送データ・アレイと、(vi)光子に対する数及びエネルギ・グループ構造との入力から、光子に対する二次粒子アレイにおいて生成された二次粒子の属性を記憶し、光子に対する二次粒子アレイと、光子に対する三次元エネルギ蓄積マップとを提供する工程と、
(i)前記輸送メッシュを通る重荷電粒子を追跡してから、(ii)前記重荷電粒子によって蓄積されたエネルギを記録して、(iii) (i)コード制御に対する前記スイッチ設定と、(ii)前記物質仕様アレイと、(iii)前記物質データと、(iv)前記核輸送データ・アレイと、(v)重荷電粒子輸送データ・アレイと、(vi)二次粒子アレイに対する数及びエネルギ・グループ構造との入力から、重荷電粒子に対する二次粒子アレイにおいて生成された二次粒子の属性を記憶し、重荷電粒子に対する二次粒子アレイと、重荷電粒子に対する三次元蓄積マップとを提供工程と、
(i)前記輸送メッシュを通る一次電子を追跡してから、(ii)前記電子によって蓄積されたエネルギを記録して、(iii) (i)1粒子(一次電子)の属性と、(ii)コード制御に対する前記スイッチ設定と、(iii)前記物質仕様アレイと、(iv)前記物質データと、(v)電子輸送データ・アレイと、(vi)前記電子に対する前記数及びエネルギ・グループ構造との入力から、一次電子に対する二次粒子アレイにおいて生成された二次粒子の属性を記憶して、一次電子に対する二次粒子アレイと、一次電子についての三次元エネルギ蓄積マップとを提供する工程と、
(i)前記輸送メッシュを通る二次電子を追跡してから、(ii)前記二次電子によって蓄積されたエネルギを記録し、(iii) (i)1粒子(二次電子)の属性と、(ii)コード制御のための前記スイッチ設定と、(iii)前記物質仕様アレイと、(iv)前記物質データと、(v)前記電子輸送データ・アレイと、(vi)電子についての前記数・エネルギ・グループ構造との入力から、二次電子に対する二次粒子アレイにおいて生成された二次粒子(二次電子)の属性を記憶して、二次電子に対する前記二次粒子アレイと、二次電子に対する三次元エネルギ蓄積マップとを提供する工程と、
単一バッチ(batch)に対して計算された三次元エネルギ蓄積マップの入力から、課題に対する三次元エネルギ蓄積マップへ、バッチを通して計算されたすべての三次元エネルギ蓄積マップを加え、積分三次元エネルギ蓄積マップを提供する工程と、
前記積分三次元エネルギ蓄積マップと標準偏差帯域IDアレイとの入力から、前記各々のバッチから決定されたエネルギ蓄積情報で、標準偏差計算に対して必要なアレイを更新し、標準偏差事前計算アレイを提供する工程と、
前記標準偏差事前計算アレイの入力から標準偏差を計算して、標準偏差アレイを提供する工程と、
を包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記患者に従属する情報および前記モンテカルロ輸送計算によって、前記患者にデリバーされた線量の三次元マップ)を生成する工程が、
課題の概要をASCII出力ファイルに書き込む工程と、
蓄積したエネルギの前記積分三次元マップから線量を計算する工程と、
前記積分三次元エネルギ蓄積アレイと前記標準偏差アレイとの入力から、三次元線量マップを書き出す工程と、を包含し、前記三次元線量マップが、ASCIIおよびバイナリから成る群から選択された形式で書かれることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記放射線治療線量計画が、光子、軽荷電粒子(電子、陽電子)、重荷電粒子(陽子、重陽子、三重陽子、ヘリウム-3、アルファ粒子)、および中性子から成る群から選択した粒子を生成する放射線源を包含することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項16】
前記放射線治療線量計画が、少なくとも1つの外部放射線源デリバリー・システムを含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項17】
前記放射線治療線量計画が、少なく一つの内部放射線源デリバリー・システムを含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項18】
前記放射線治療線量計画が、遠隔放射線療法と、近接照射療法と、ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)とから成る群から選択したソース・デリバリー・システムを含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項19】
コンピュータ読み込み可能なメモリと、
このコンピュータ読み込み可能なメモリにロードされたコンピュータ・プログラムと、を含み、
前記コンピュータ・プログラムが、患者へデリバーする放射線量を決定する手段を含むことを特徴とする装置。
【請求項20】
患者にデリバーする放射線量を決定するためのコンピュータ・システムであって、前記コンピュータ・システムが、
CPUと、メモリと、CTスキャン・データ・アレイと、核/原子/電子データと、放射線源仕様と、使用者・オプション・データとを入力するための、そして、患者への放射線量のデリバりーに対する計画を出力するための周辺機器を包含するコンピュータ・ハードウェア手段と、
モンテカルロ輸送に対するコンピュータ実行プロセスによって前記計画へ前記入力からの情報を変換するための、前記コンピュータ・ハードウェア手段内に存在しその制御の下にあるコンピュータ・ソフトウェア手段と、
を包含することを特徴とするコンピュータ・システム。
【請求項21】
自動化放射線治療線量計画のための装置であって、前記装置が、
患者記述と、ビーム記述と、ペナルティ関数と、査定基準とを提供するための手段と、
放射線治療ビームを個々のビームレットに分割する手段と、
各ビームレットについて患者の線量分布を決定する手段と、
各ビームレットに対するモニタ強度単位当たりの絶対線量分布を記憶する手段と、
ペナルティ関数に従って最適化することによって、各ビームレットの強度と重量を決定する手段と、
各セットの査定基準に最も良く適う治療計画を決定するように、全ビームレット最適化結果を、ボクセル毎に、あるいは、ドーセル毎に分析する手段と、
を包含することを特徴とする装置。
【請求項22】
患者記述を提供するための手段が、或る特有の治療方法の状況において放射線量計算に適する患者の解剖学的構造を適切に記述する三次元マップを提供するための手段を包含することを特徴とする請求項21の装置。
【請求項23】
前記患者記述を提供するための手段が、腫瘍高感度構造の識別認知のための手段を包含することを特徴とする請求項21の装置。
【請求項24】
ビーム記述を提供するための前記手段が、各放射ビームの特性(エネルギ、粒子タイプ、デリバリー装置)および向きを特定するための手段を包含することを特徴とする請求項21の装置。
【請求項25】
前記ペナルティ関数が、ビームレット強度の最適化のための数学的な関数であることを特徴とする請求項21の装置。
【請求項26】
前記査定基準が、線量体積の分析、腫瘍への線量最大化、および生物学的反応から成る群から選択されることを特徴とする請求項21の装置。
【請求項27】
前記ビームレットが、タイル張りするように治療ビームを覆う任意形状のサブビームであり、各ビームの中心放射線に対して直角に向いたマスクによって限定されることを特徴とする請求項21の装置。
【請求項28】
前記ペナルティ関数が、最小二乗式二次ペナルティ関数Pを包含し、Pが
P(a1…an)=∫F・[T−D]2dV
の形を有し、
ここで、Fは、「ディザイラビリティ・ファクタ」(1に初期化される)、Tは、目標線量、Dは、計算線量であり、Dは、式:D=ΣaiDiにおけるように、各ビームレットによって付与される線量の合計としても表現することができ、ここで、aiは、ビームレット振幅であり、Diは、i番目のビームレットの単位振幅で当たりの線量であり、F,T,Dが全て目標体積における位置関数であることを特徴とする請求項21の装置。
【請求項29】
請求項21の装置において、査定基準が、線量体積の分析を含み、この分析で、身体の種々の部分への線量が抑制されたり、最小化されたり、最大化されたりするようになり、さらに、前記査定基準は、腫瘍制御および組織損傷が抑制されたり、最小化されたり、最大化されたりする、推定される生物学的反応か、或いは、適切に記述された別の査定基準を包含することを特徴とする請求項21の装置。
【請求項30】
請求項21の装置において、査定基準が4セットの基準を包含し、基準セットIは、腫瘍への線量を強制的に>75Gyにさせて、高感度構造への線量を最小限に抑えようと試み、基準セットIIは、高感度構造線量をまずその許容量より低い値に保つように努め、次いで腫瘍線量を最大にしようと試み、基準セットIIIおよびIVは、高感度構造線量を最小限に抑えながらも腫瘍制御を最大にすることを明確に試みる2つの方策を表わしており、基準セットIIIは、>75Gyの線量を受ける腫瘍の体積と、<30Gyの線量を受ける高感度構造の体積との差を最大にし、基準セットIVは、腫瘍制御と正常組織合併症との確率の間の差異を最適化することを特徴とする請求項21の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図4B】
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【公開番号】特開2006−142043(P2006−142043A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−10126(P2006−10126)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【分割の表示】特願2000−569883(P2000−569883)の分割
【原出願日】平成11年9月10日(1999.9.10)
【出願人】(501325945)ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ カリフォルニア (10)
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
【Fターム(参考)】