説明

放射線治療装置

【課題】 多分割絞り装置の放射線照射野を高精度に設定する。
【解決手段】 リーフ141の移動方向に沿って配置した帯状の固定子電極210と、この固定子電極に対峙するようにリーフに設けた移動子電極220とから成る静電エンコーダ200を用い、固定子電極側から得られる検出情報に基づき、リーフを所望の位置へ移動させるように駆動モータを制御装置30で制御する。
これにより、リーフの移動量を直接検知してリーフの位置を制御するので、駆動機構として種々の歯車を介してリーフへ駆動力を伝える場合の歯車のバックラッシュの影響を排除することができる。そのためリーフの位置を高い精度に設定でき、高精度の放射線治療を可能とする放射線治療装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば悪性腫瘍などの疾患の治療に供される放射線治療装置に係り、被検体に対する放射線の照射範囲(以下、放射線照射野という。)を精度よく設定するようにした多分割絞り装置を備えた放射線治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線治療装置では、放射線防護の見地から、被検体の治療部位に限定的に放射線を照射するように、タングステンなどの放射線を透過させない材料から成る絞り装置が備えられている。この絞り装置は、治療部位の形状に近似させた放射線照射野を、半影を生ずることなくより木目細かく形成することが求められることから、放射線の照射方向に沿って重なるように配置される第1の絞り体と第2の絞り体とから構成される。
【0003】
そして、放射線源に近い側に設けられる第1の絞り体は、放射線の照射軸を間にして対峙するように配置される一対の単体として形成されており、放射線源を中心に含む同心円上を円弧状の軌道面に沿って互いに接近、離反するように駆動される。一方、放射線源より遠い側に設けられる第2の絞り体は、第1の絞り体の移動方向に対して直交する方向に放射線の照射軸を間にして対峙するように配置される一対のブロックとして形成され、この第2の絞り体の各ブロックは、放射線源を中心に含む同心円上を円弧状の軌道面に沿って互いに接近、離反するように移動する複数枚のリーフを密接して配列したものとなっている。
【0004】
この第2の絞り体は多分割絞り装置と称され、例えば数十枚のリーフを密に隣接させて集合体とした一対のブロックから構成されており、各リーフは円弧状の軌道面を有し、リーフ毎に設けられた駆動装置によって、各別に円弧状の軌道面に沿って移動可能に駆動されるようになっている。なお、第1の絞り体と第2の絞り体を含めて多分割絞り装置と称する場合もある。
【0005】
さて、図19に、第2の絞り体の1枚のリーフとそのリーフを駆動する駆動装置が示されている。リーフ141は、平面は放射線源へ向けて収束するような扇型形状に形成されるとともに、側面は平板状または楔状に形成され、放射線源を中心に含む円弧状の軌道面を有している。そして、リーフ141の円弧状の軌道面すなわち、湾曲した外側端面141edには歯が切られており、この歯に駆動歯車143aが噛み合わされている。この駆動歯車143aは、シャフト143bの先端に固着されており、シャフト143bは駆動源であるモータ143cからウォームギヤ143dなどの駆動力伝達機構を介して駆動される。なお、駆動量を検出するために、ポテンショメータ143eやエンコーダ143fなども配置されており、これらからの情報を基にモータ143cは図示しない制御手段によって制御され、リーフ141を治療部位の形状に近似させた放射線照射野を形成するように所望の位置に設定する。
【0006】
このように、対峙する単体から成る第1の絞り体を、X方向に互いに接近、離反するように移動させるとともに、対峙するリーフの集合体から成る第2の絞り体の各リーフを、それぞれ個別にY方向に互いに接近、離反するように移動させることを組合せることによって、治療部位の形状に近似させた不規則形状の放射線照射野が形成される。
【0007】
なお、不規則形状の放射線照射野を、より治療部位の形状に近似させて形成するためには、第2の絞り体の各リーフの厚みを薄く形成して、その枚数を増加させることが必要になる。しかし、リーフの枚数を増加させると、これらを駆動する各駆動装置の数も増加させなければならず、絞り装置が大型化してしまうという問題が生ずる。そこで、第2の絞り体の各リーフを駆動する駆動装置の回転軸を、同軸的に二重または三重の多軸構造に形成して、駆動力伝達系の一部が共通化されるようにすることにより、駆動装置が大型化することを避けながらリーフ枚数の増加を図るようにした多分割絞り装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
この特許文献1に開示された多分割絞り装置は、駆動モータから駆動歯車、伝達歯車、中間歯車など種々の歯車を介してリーフへ駆動力を伝えて、リーフを所望の位置へ移動制御するものであり、リーフの位置をエンコーダやポテンショメータによって検出するようにしている。しかしながら、歯車には必ずバックラッシュを生じさらに磨耗なども生じるため、リーフの位置の検出精度を向上させるには限界があった。さらに、リーフの位置を検出するエンコーダやポテンショメータが複数の歯車で構成されていると、駆動歯車のバックラッシュ分が検出できないため、このことも検出精度向上の障害となっていた。
【0009】
ところで、リーフの位置検出を複数の歯車を介することなく、リーフに抵抗体を塗布しておくとともに、リーフの移動に伴ってこの抵抗体上をなぞるようなブラシを設けることにより、リーフの移動に伴って検出される抵抗値の変化から、リーフの移動量を検出するようにしたものも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−117464号公報
【特許文献2】米国特許第6696694号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献2に開示されたものは、リーフに塗布した抵抗体による抵抗値の変化から、リーフの移動量を検出するものであるため、検出精度が低く放射線治療装置における放射線照射野を設定するための多分割絞り装置に適用するには難点があった。
【0012】
本発明は、歯車のバックラッシュの影響を排除して、リーフの位置を精度よく検出して設定できるようにすることにより、高精度の放射線治療を可能とする放射線治療装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の課題を解決するため、本発明は、放射線源からの放射線を遮蔽するための複数のリーフを密接して配置し、このリーフを移動することにより、前記放射線源から放射される放射線の照射範囲を制限するようにした放射線治療装置において、前記リーフを移動させる駆動手段と、前記リーフの移動方向に沿って配置した帯状の固定子電極およびこの固定子電極に対峙するように前記リーフに設けた移動子電極とから成る静電エンコーダと、この静電エンコーダの前記固定子電極側から得られる検出情報に基づき、前記リーフを所望の位置へ移動させるように前記駆動手段を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、静電エンコーダによってリーフの移動量を直接検知することによって、リーフの位置を制御するようにしたので、駆動モータから種々の歯車を介してリーフへ駆動力を伝える場合の歯車のバックラッシュの影響を排除することができる。そのためリーフの位置を精度よく検出して放射線照射野を設定できるようになり、高精度の放射線治療を可能とする放射線治療装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る放射線治療装置の使用状態を示した外観図である。
【図2】放射線治療装置に備えられている絞り装置の説明図である。
【図3】図2に直交する方向から見た絞り装置の説明図である。
【図4】絞り装置によって形成される放射線照射野の説明図である。
【図5】駆動力伝達系の一部を共通化した絞り装置の配置構成を示した説明図である。
【図6】図5における第1の駆動機構の、一例の詳細を説明するために示した説明図である。
【図7】図6におけるリーフに対する駆動歯車および中間歯車の配置関係を説明するために示した説明図である。
【図8】図5における第2の駆動機構の、一例の詳細を説明するために示した説明図である。
【図9】第1の駆動機構および第2の駆動機構の他の実施態様を示した説明図である。
【図10】本発明で使用する位置検出機構としての静電エンコーダの一例を示した説明図である。
【図11】リーフに静電エンコーダを組み合わせた本発明に係る放射線治療装置の一実施例を示した説明図である。
【図12】隣接するリーフの側面を模式的に示した断面図である。
【図13】図12のA部を拡大して示した説明図である。
【図14】リーフに静電エンコーダを組み合わせた他の実施例を示した説明図である。
【図15】隣接するリーフに静電エンコーダを組み合わる場合の実施例を示した説明図である。
【図16】図15に示したリーフと静電エンコーダの組み合わせ状態を、図9のリーフ部分に適用した実施例を示した説明図である。
【図17】水平に移動するリーフに静電エンコーダを組み合わせた実施例の説明図である。
【図18】水平に移動するリーフに静電エンコーダを組み合わせた他の実施例の説明図である。
【図19】多分割絞り装置のリーフを駆動する従来の駆動装置を説明した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る放射線治療装置の実施例について、図1ないし図18を参照して詳細に説明する。なおこれらの図において、同一部分には同一符号を付して示してある。
【0017】
先ず、放射線治療装置の概略的な構成について、その使用状態を示した図1を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように放射線治療装置は、大別すると、放射線源からの放射線を被検体Pへ照射する放射線照射装置10と、被検体Pを載置して放射線の照射部位の位置決めをする治療台20と、放射線照射装置10および治療台20を始め、放射線治療装置を構成する各機器を有機的に制御する制御装置30とから構成されている。
【0019】
放射線照射装置10は、床に据付られる固定架台11と、固定架台11に回転可能に支持された回転架台12と、回転架台12の一端から横方向へ延びた先端部に設けられた照射ヘッド13と、照射ヘッド13に組み込まれた絞り装置14とを有している。そして、回転架台12は固定架台11の水平な回転中心軸Hの周りに、略360度にわたって回転可能であり、絞り装置14も、照射ヘッド13から照射される放射線の照射軸Iの周りに回転可能となっている。なお、回転架台12の回転中心軸Hと放射線の照射軸Iとの交点をアイソセンタ(isocenter)ICと称している。また、回転架台12は、放射線の固定照射はもとより、それ以外の各種の照射態様例えば、回転照射、振子照射、間欠照射などに対応した回転が可能なように構成されている。
【0020】
一方、治療台20は、アイソセンタICを中心とする円弧に沿って、矢印G方向に所定角度範囲にわたって回転可能に床に設置されている。そして、治療台20の上部には、上部機構21に支持された被検体Pを載置するための天板22が設けられている。この上部機構21は、天板22を矢印eで示す前後方向と、矢印fで示す左右方向に移動させる機構を備えている。
【0021】
また、上部機構21は、昇降機構23に支持されている。この昇降機構23は、例えばリンク機構で構成されるもので、矢印dで示す上下方向にそれ自体が昇降することによって、上部機構21および天板22を所定範囲だけ昇降させるものである。さらに、昇降機構23は、下部機構24に支持されている。この下部機構24は、アイソセンタICから距離L離れた位置を中心として、矢印Fで示す方向に昇降機構23を回転させる機構を備えている。よって、昇降機構23とともに、上部機構21および天板22が矢印F方向に所定角度回転可能である。
【0022】
なお、治療に際して被検体Pの位置決めや絞り装置14による放射線照射野の設定などは、医師などの医療スタッフDにより制御装置30に備えられている操作部(図示せず。)を操作することによって行われる。
【0023】
ところで、放射線治療を実施する際には、悪性腫瘍などの治療部位にのみ放射線を集中的に照射して、正常組織にダメージを与えないようにすることが重要である。この正常組織に極力放射線を照射しないように、放射線照射位置を規制するのが絞り装置14であり、絞り装置14は放射線の照射軸Iの周りに回転可能に、照射ヘッド13に組み込まれている。
【0024】
次に、絞り装置14の概略構成について説明する。
【0025】
図2および図3は、絞り装置14の側面図であり、これらは、絞り装置14を互いに直交する方向から見た図となっていて、絞り装置14の容器は図示されていない。また、図4は絞り装置14によって形成される放射線照射野の説明図である。
【0026】
絞り装置14は、タングステンなどの重金属から成る通常2種類の絞り体140、141によって構成され、これらは放射線源Sからの放射線の照射方向に重なるように設けられる。そして、各絞り体140、141は、図2および図3にそれぞれ符号140A、140B、141A、141Bを付して示してあるように、対をなすように分割されて対向配置されている。ここで符号A、Bは、各絞り体140、141が対であることを分かり易くするために便宜上付したものである。
【0027】
さて、放射線源Sに近い側に設けられる第1の絞り体140A、140Bは、図2に示されているように、単体として構成されているとともに、各絞り体140A、140Bの端面を放射線の照射軸Iを間にして対峙するように対向配置され、放射線源Sを中心に含む同心円上を円弧状の軌道面に沿って矢印Xの方向へ移動して、互いに接近、離反するように、駆動装置142A、142Bによって駆動されるようになっている。
【0028】
一方、放射線源Sから遠い側に設けられる第2の絞り体141A、141Bも、図3に示されているように円弧状の軌道面を有し、各絞り体141A、141Bの端面を放射線の照射軸Iを間にして対峙するように対向配置され、放射線源Sを中心に含む同心円上を円弧状の軌道面に沿って、第1の絞り体140A、140Bに対して直交する方向、すなわち、矢印Yの方向に移動して、互いに接近、離反するように、駆動装置143A、143Bによって駆動されるようになっている。
【0029】
ただし、第2の絞り体141A、141Bは、図2に示されているように複数のリーフ141A1〜141An、141B1〜141Bnを密に隣接させた集合体として構成した多分割絞り装置であり、各リーフ141A1〜141An、141B1〜141Bnに、それぞれ駆動装置143A1〜143An、143B1〜143Bnが設けられている。すなわち、第2の絞り体141A、141Bの各リーフ141A1〜141An、141B1〜141Bnの軌道面には歯が形成されており、この歯に駆動歯車が噛み合わされ、駆動歯車の軸を駆動装置143A1〜143An、143B1〜143Bnで個別に駆動することにより、リーフ141A1〜141An、141B1〜141Bnが所望の位置へ移動させられる。
【0030】
このように、第1の絞り体140A、140Bを、X方向に互いに接近、離反するように移動させるとともに、第2の絞り体141A、141Bの各リーフ141A1〜141An、141B1〜141Bnを、それぞれ個別にY方向に互いに接近、離反するように移動させることを組合せることによって、図4に示すような、治療部位の形状Tに近似させた不規則形状の照射野Uを形成する。
【0031】
ところで、第2の絞り体141A、141Bの各リーフ141A1〜141An、141B1〜141Bnを駆動する場合、駆動装置143A1〜143An、143B1〜143Bnの駆動力を駆動歯車に伝えるための回転軸を、同軸的に二重または三重にする多軸構造に形成して、駆動力伝達系の一部を共通化することができる。このような駆動力伝達系を有する絞り装置14の配置構成を図5に示してある。
【0032】
図5に示すように、第2の絞り体141A、141Bの各リーフ141A1〜141An、141B1〜141Bnの外周側に形成されている歯には、詳細は後で図6ないし図8を参照して説明するが、駆動歯車を含む駆動機構150、180が結合される。ここで駆動機構150(以下、第1の駆動機構という。)は、駆動シャフトを同軸的に二重にしたものを2段組み合わせたものであり、駆動機構180(以下、第2の駆動機構という。)は、駆動シャフトを同軸的に二重にしたものと同軸的に三重にしたものとを2段組み合わせたものである。
【0033】
従って、第1の駆動機構150では4枚のリーフを各別に駆動できるとともに、第2の駆動機構180では5枚のリーフを各別に駆動できる。そして、例えば、第2の絞り体141A、141Bがそれぞれ27枚のリーフで構成されているものとすれば、各絞り体141A、141Bに第1の駆動機構150と第2の駆動機構180を3組ずつ組み合わせて使用することによって、第1の駆動機構150は4枚×3組で12枚、第2の駆動機構180は5枚×3組で15枚、合計27枚のリーフを駆動できることになる。
【0034】
次に、第1の駆動機構150について図6を参照して詳細に説明する。図6は、1例として2組の第1の駆動機構150によって、8枚のリーフ141を駆動する様子を示したものであり、図が複雑になるのを避けるために、便宜上一部のリーフ141a〜141nに符号を付して示している。ここで、2組の第1の駆動機構150を駆動機構150Aと駆動機構150Bに分け、両者は同様の構成なので、一方の駆動機構150Aについてのみ説明するものとする。なお、駆動機構150Aでは4枚のリーフ141a、141b、141cおよび141dを駆動する。
【0035】
駆動機構150Aは、上下2段に並行に配置された同軸的に回転可能な2本の二重軸50a、50bを有しており、上段の二重軸50aは筒状軸51a内を中心軸52aが通り、下段の二重軸50bは筒状軸51b内を中心軸52bが通っている。そして、筒状軸51aの先端に駆動歯車53aが嵌着されており、この駆動歯車53aはリーフ141aの歯に噛み合わされている。筒状軸51aの基端には中間歯車54aが嵌着されており、この中間歯車54aは駆動モータ60aの駆動軸に嵌着された出力歯車55aに噛み合わされている。
【0036】
一方、下段の二重軸50bの筒状軸51bの両端にそれぞれ中間歯車54b、54cが嵌着されており、先端側の中間歯車54bはリーフ141bの歯に噛み合わされる駆動歯車53bに噛み合わされている。また、筒状軸51bの基端側の中間歯車54cは、駆動モータ60dの駆動軸に嵌着された出力歯車55bに噛み合わされている。なお、筒状軸51bの両端に嵌着されている中間歯車54b、54cの中心部には軸受56が形成されており、この軸受56に支持されて中心軸52bが回転可能になっている。さらに、中心軸52bの先端には中間歯車54dが嵌着されており、この中間歯車54dはリーフ141cの歯に噛み合わされる駆動歯車53cに噛み合わされているとともに、その基端は駆動モータ60cの駆動軸に結合されている。
【0037】
さらにまた、上段の二重軸50aの筒状軸51aの先端に嵌着された駆動歯車53aおよび基端に嵌着された中間歯車54aの中心部には軸受56が形成されており、駆動歯車53bおよび駆動歯車53cの中心部にも軸受56が形成されていて、これらは直線状に配置されている。そして、これらの軸受56に中心軸52aが支持されて回転可能になっており、中心軸52aの先端にはリーフ141dの歯に噛み合わされる駆動歯車53dが嵌着されているとともに、その基端は駆動モータ60dの駆動軸に結合されている。
【0038】
このように、リーフ141の歯に近い方、すなわち上段の二重軸50aの中心軸52aには、所定の間隔をおいて2つの駆動歯車53b、53cが軸受56を介して係合され、2つの駆動歯車53b、53cに下段の二重軸50bの筒状軸51bの先端側の中間歯車54bと、中心軸52bの先端の中間歯車54dとが噛み合わされた構成となっている。
【0039】
このようなリーフ141に噛み合わされる駆動歯車53a、53b、53c、53dと、駆動歯車53b、53cに噛み合わされる中間歯車54b、54dとの関係は、図6におけるリーフ141の側面方向から見た平面図に相当する図7に示されている。ただし、本来同軸上にある駆動歯車53a、53b、53c、53dであるが、これらはそれぞれ異なるリーフ141の外周側の歯に噛み合わされるので、図7では、軸をずらせて示してあり、中間歯車54b、54dも同様である。
【0040】
よって、駆動モータ60a〜60dを駆動することにより、その回転が一方の二重軸50aの筒状軸51aおよび中心軸52aについては、それぞれ駆動歯車53a、53dに直接伝達されてリーフ141a、141dを移動させ、他方の二重軸50bの筒状軸51bおよび中心軸52bについては、中間歯車54b、54dを介して、それぞれ駆動歯車53b、53cに伝達されてリーフ141b、141cを移動させる。なお駆動モータ60a〜60dは、減速機やブレーキなどを一体的に組み合わせたものでよい。またリーフ141は、図7に矢印で示すように、外周側の歯に沿って弧状に移動するものであることは言うまでもない。
【0041】
次に、第2の駆動機構180について図8を参照して説明する。図8は、1例として2組の第2の駆動機構180によって、10枚のリーフ141を駆動する様子を示したものであり、ここでも図が複雑になるのを避けるために、便宜上一部のリーフ141e〜141nに符号を付して示している。ここで、2組の第2の駆動機構180を駆動機構180Aと駆動機構180Bに分け、両者は同様の構成なので、一方の駆動機構180Aについてのみ説明するものとする。なお、駆動機構180Aでは5枚のリーフ141e、141f、141g、141hおよび141iを駆動する。
【0042】
駆動機構180Aは、上下2段に並行に配置された同軸的に回転可能な三重軸80aと二重軸80bを有し、これらは駆動力伝達系の一部が共通化されるように組み合わされている。上段に位置する三重軸80aは、第1の筒状軸81aと第2の筒状軸82aが同軸的に配置され、さらに第2の筒状軸82a内を中心軸83aが通って、互いに干渉することなく回転可能に構成されている。一方、下段に位置する二重軸80bは、筒状軸81b内を中心軸82bが通っており、両者は互いに干渉することなく回転可能に構成されており、この二重軸80bの構成は図6で説明した二重軸50bと同様である。
【0043】
そして、三重軸80aの第1の筒状軸81aの先端には駆動歯車53eが嵌着されており、この駆動歯車53eはリーフ141eの歯に噛み合わされている。また、第1の筒状軸81aの基端には中間歯車84aが嵌着されており、この中間歯車84aは駆動モータ60eの駆動軸に嵌着された出力歯車85eに噛み合わされている。さらに、第1の筒状軸81aの両端に嵌着されている駆動歯車53eおよび中間歯車84aは、それぞれ中心部に軸受56を有しており、この軸受56に支持された第2の筒状軸82aが第1の筒状軸81a内を通っている。そして、第2の筒状軸82aの先端には駆動歯車53gが嵌着されており、この駆動歯車53gはリーフ141gの歯に噛み合わされている。さらに、第2の筒状軸82aの基端には中間歯車84bが嵌着されており、この中間歯車84bは駆動モータ60gの駆動軸に嵌着された出力歯車85gに噛み合わされている。
【0044】
一方、二重軸80bの筒状軸81bの両端にそれぞれ中間歯車84c、84dが嵌着されており、先端側の中間歯車84cはリーフ141fの歯に噛み合わされている駆動歯車53fに噛み合わされている。また、筒状軸81bの基端側の中間歯車84dは、駆動モータ60fの駆動軸に嵌着された出力歯車85fに噛み合わされている。なお、筒状軸81bの両端に嵌着されている中間歯車84c、84dの中心部には軸受56が形成されており、この軸受56に支持されて中心軸82bが筒状軸81b内に回転可能に挿通されている。さらに、中心軸82bの先端には中間歯車84eが嵌着されており、この中間歯車84eはリーフ141hの歯に噛み合わされている駆動歯車53hに噛み合わされているとともに、その基端は駆動モータ60hの駆動軸に結合されている。
【0045】
なお、リーフ141fの歯に噛み合わされている駆動歯車53fの中心部にも軸受56が形成されており、三重軸80aの第2の筒状軸82aはこの軸受56に支持されて駆動歯車53fを貫通し、先端に駆動歯車53gを嵌着している。さらに、第2の筒状軸82aの先端に嵌着された駆動歯車53gと基端に嵌着された中間歯車84b、およびリーフ141hの歯に噛み合わされている駆動歯車53hにも軸受56が形成されていて、これらは直線状に配置されており、この軸受56に支持されて三重軸80aの中心軸83aが挿通されている。そして、中心軸83aの先端に駆動歯車53iが嵌着され、この駆動歯車53iはリーフ141iの歯に噛み合わされている。
【0046】
このように、リーフ141の歯に近い方、すなわち上段に位置する三重軸80aの中心軸83aには、駆動歯車53g、53hが軸受56を介して係合され、第2の筒状軸82aには、駆動歯車53e、53fが軸受56を介して係合されて、2つの駆動歯車53f、53hに下段の二重軸80bの筒状軸81bの先端側の中間歯車84cと中心軸82bの先端の中間歯車84eが噛み合わされた構成となっている。
【0047】
よって、駆動モータ60e〜60iを駆動することにより、その回転が上段の三重軸80aの第1の筒状軸81a、第2の筒状軸82aおよび中心軸83aを介して、それぞれ駆動歯車53e、53g、53iに伝達されてリーフ141e、141g、141iを移動させ、下段の二重軸80bの筒状軸81bおよび中心軸82bについては、中間歯車84c、84eを介してそれぞれ駆動歯車53f、53hに伝達されてリーフ141f、141hを移動させる。なお駆動モータ60e〜60iは、減速機やブレーキなどを一体的に組み合わせたものでよい。
【0048】
なお、図6および図8に示した駆動機構150および駆動機構180の構成を、図9に示すように、一部変更した態様にすることも可能である。この場合、駆動機構150および駆動機構180とも同様な変更を施すことになるので、ここでは、駆動機構150Aについて、図9と図6とを対比しながらその実施態様を説明する。なお、図9において図6と同一部分には同一符号を付してある。
【0049】
すなわち、上下2段に並行に配置されて同軸的に回転可能な2本の二重軸50a、50bを有する駆動機構150Aにおいて、各駆動モータ60a〜60dの回転軸に夫々ウォーム歯車61a〜61dを結合し、ウォーム歯車61aを筒状軸51aの基端の中間歯車54aをウォームホイル62aに変更してこれに噛み合わせ、ウォーム歯車61bを中心軸52aの基端に新たに嵌着したウォームホイル62bに噛み合わせ、ウォーム歯車61cを中心軸52bの基端に新たに嵌着したウォームホイル62cに噛み合わせ、ウォーム歯車61dを筒状軸51bの基端の中間歯車54cをウォームホイル62dに変更してこれに噛み合わせるようにするものである。
【0050】
ここまで、図5ないし図9を参照して、リーフ141を駆動する駆動機構150、180について説明したが、次に、リーフ141の位置を高精度に検出することによって、精度良く放射線照射野を設定するための、位置検出機構について説明する。
【0051】
本発明で採用する位置検出機構を、概念的な構成図として図10に示してある。すなわち、この位置検出機構は、フィルム状の固定子電極210の上に、同じ素材で形成された移動子電極220を乗せた静電エンコーダ200であり、電極のみで構成された厚さが例えば0.2mm程度の薄いものである。なお、固定子電極210はスケールと呼ばれ、レール状に4相の誘導電極が形成されており、移動子電極220はヘッド部と呼ばれ、櫛歯状電極が形成されている。そして、移動子電極220には信号線や給電線は接続されず、固定子電極210側に受信回路211、212が接続される。
【0052】
そこで、固定子電極210上で移動子電極220を移動させると、静電誘導の原理によりに移動子電極220の櫛歯状電極にプラスとマイナスの電荷が交互に誘起されるので、この電荷の分布を固定子電極210の4相の誘導電極で検出する。そして、検出した信号を受信回路211、212で増幅して、「REAL」分と「IMAG」分の複素数成分として取り出し、これをベクトルとして処理することにより、移動子電極220の変位距離に相当する位相量を呈するAB2相パルスが得られる。
【0053】
そこで、このAB2相パルスを、被検体の治療部位の形状Tに適した放射線照射野Uに合わせるための、各リーフ141の駆動用の制御信号として、放射線治療装置の制御装置30(図1参照)へ供給し、使用される。
【0054】
このような位置検出機構としての静電エンコーダ200を、リーフ141に適用した場合の一例を図11に示してある。
【0055】
すなわち、図11は図7と同様に、第2の絞り体141A、141Bの内の或る1枚のリーフ141の平面図であり、リーフ141の矢印で示す弧状の移動方向に沿って静電エンコーダ200の固定子電極210を配置するとともに、固定子電極210に対峙するように移動子電極220をリーフ141に設けている。なお、固定子電極210の後端側は受信回路211、212(図10参照。)に接続されているとともに、絞り装置14(図1参照。)の図示しない容器側に固定されている。
【0056】
また、リーフ141は、先端側(図11の左側。)の約半分は放射線の遮蔽用として使用され、残りの後端側(図11の右側。)はリーフの保持と駆動に使用されている。そのため、後端側の部分に静電エンコーダ200の固定子電極210を位置させ、リーフ141を移動子電極220とともに、固定子電極210に沿って移動させるようにする。
【0057】
従って、リーフ141を移動させることによって、静電エンコーダ200の固定子電極210に沿って、リーフ141とともに移動子電極220も移動し、この移動子電極220の移動量に応じた信号が、固定子電極210に接続されている受信回路211、212から検出される。よって、この検出信号が放射線治療装置の制御装置30(図1参照。)へ供給されて、各リーフ141を駆動する駆動機構150、180の制御信号として利用され、治療部位の形状Tに適した放射線照射野Uを形成するようにリーフ141の開閉移動を制御する。なお、図11は、リーフ141が図の右側に最大限後退して、放射線照射野が最も大きくなる状態にあり、リーフ141が図の左側に移動するのに従って放射線照射野は狭くなることを示している。
【0058】
ところで、多分割絞り装置は、隣接するリーフ141同士の間に隙間ができないようにした集合体として構成されているので、隣接するリーフ141相互の間に固定子電極210を配置することは極めて困難を伴うことになる。そこで本発明の1つの実施例では、隣接するリーフ141の隙間から放射線が漏洩するのを防止するために、リーフ141に形成されている凹凸部の凹部に静電エンコーダ200を配置するものとする。
【0059】
すなわち、隣接するリーフ141の側面を模式的な断面図で示すと、図12に示すように、リーフ141にはその幅方向の中央部付近に、弧状の移動方向に沿って凹凸部141Xが形成されている。そこで、図12のA部を拡大すると、この凹凸部141Xは図13のようになり、隣接するリーフ141について見ると、一方のリーフ141の凸部が他方のリーフ141の凹部に係合し、凹凸部141Xにおける凸部と凹部の間に微小の隙間Gpが形成されていることが分かる。そこで、この隙間Gpに、静電エンコーダ200を配置するようにする。
【0060】
この場合、静電エンコーダ200の移動子電極220は、リーフ141に固定されるので問題はないが、静電エンコーダ200の固定子電極210は、薄いフィルム状を呈しているので、配置上不安定になりかねない。そのような虞がある場合は、固定子電極210をある程度の硬さのある樹脂などの補強用の支持部材に貼付して所定の場所に配置するようにする。
【0061】
なお、図12、図13に矢印で示すように、リーフ141の上方から照射される放射線が、隣接するリーフ141同士の隙間に進入したとしても、この凹凸部141Xで遮断されることにより、放射線はリーフ141の下方へ通過することはなく、凹凸部141Xはこのような放射線の漏洩防止を目的として形成されている。
【0062】
また第2の実施例としては、図14に示すように、保持と駆動に使用されているリーフ141の後端側部分に、移動方向に沿って弧状の切り欠き141Hを形成しておき、この切り欠き141H部分に静電エンコーダ200の固定子電極210を配置するようにした。この場合も、固定子電極210に対峙するように移動子電極220をリーフ141に設けることは言うまでもない。なお図14も、リーフ141が図の右側に最大限後退して、放射線照射野が最も大きくなる状態にあり、リーフ141が図の左側に移動するのに従って放射線照射野は狭くなることを示している。
【0063】
これまで図11ないし図14を参照して、1枚のリーフ141に対する静電エンコーダ200の固定子電極210と移動子電極220の配置について説明したが、何れもリーフ141に対しては、放射線の入射方向のほぼ中間部に静電エンコーダ200を配置するものとしていた。しかし、隣接するリーフ141に対して、静電エンコーダ200の位置を、放射線の入射方向に沿って交互にずらせて配置するようにすることもできる。
【0064】
このような配置例が図15に示されている。ここで図15は、図6、図8および図9に示されている集合体としてのリーフ141部分を切り出して示したものであり、放射線は第2の絞り体141A、141Bを構成しているリーフ141に対して、図の上方から下方へ向けて照射されることになる。
【0065】
すなわちこの実施例では、図15に示されているように、例えばリーフ141aに対しては、放射線源から遠い側に静電エンコーダ200の固定子電極210と移動子電極220を配置し、リーフ141bに対しては、放射線源に近い側に静電エンコーダ200の固定子電極210と移動子電極220を配置するようにする。さらに次のリーフに対しては、放射線源から遠い側に静電エンコーダ200の固定子電極210と移動子電極220を配置する如く、隣接するリーフ141について、静電エンコーダ200の設置位置を、放射線の入射方向に沿って交互にずらせている。従って、このようにすれば、リーフ141をより薄くしても静電エンコーダ200の配置スペースを確保することができる。
【0066】
なお、このような図15に示したリーフ141部分を、リーフ141の駆動機構150、駆動機構180を説明した図9のリーフ141部分に置き換えて示すと、図16のようになることは言うまでもない。
【0067】
以上詳述したように本発明によれば、静電エンコーダ200の固定子電極210を、リーフ141の移動方向に沿って配置するとともに、この固定子電極210に対峙するように、移動子電極220をリーフ141に設けることにより、固定子電極210からリーフ141の移動量を直接検知することができる。よって、駆動モータから出力歯車、中間歯車、駆動歯車など種々の歯車を介してリーフへ駆動力を伝える場合の歯車のバックラッシュの影響を排除することができる。また、リーフの位置を精度よく検出して放射線照射野を設定できるようになり、高精度の放射線治療を可能とする放射線治療装置が提供される。
【0068】
さらに、静電エンコーダ200は極めて薄く形成することができるので、隣接するリーフ141の間に配置するのが容易であり、加えて、移動子電極220には電気的な配線を必要とせず、固定子電極210から検出信号を取り出すので、放射線照射野設定の信頼性をより高めることができる。
【0069】
なお本発明は、上述の一実施例に限定されることなく要旨を逸脱しない範囲で種々の態様での実施が可能である。例えば、ここまでは、リーフ141が円弧状の軌道面を有するものとして説明したが、図17、図18に示すように、直方体の一端が半円状に形成された水平に移動するリーフ141の位置検出にも適用できる。
【0070】
すなわち、図17に示したものは、水平に移動するリーフ141の面に平行に、静電エンコーダ200の固定子電極210を水平方向に直線的に配置し、この固定子電極210に対峙するように、静電エンコーダ200の移動子電極220をリーフ141に固定したものである。この場合固定子電極210は、図11ないし図13で説明したものと同様に、リーフ141に形成されている凹凸部141Xにおける凸部と凹部の間の微小隙間Gpに配置させれば良い。
【0071】
また、図18に示したものは、図14で説明したものと同様に、リーフ141の後端側部分に、水平の移動方向に沿って直線状の切り欠き141Hを形成しておき、この切り欠き141H部分に静電エンコーダ200の固定子電極210を配置したものである。この場合も、固定子電極210に対峙するように、移動子電極220をリーフ141に設けることは言うまでもない。なおこれらの図でも、リーフ141が図の右側に最大限後退して、放射線照射野が最も大きくなる状態にあり、リーフ141が図の左側に移動するのに従って放射線照射野は狭くなることを示している。
【符号の説明】
【0072】
53 駆動歯車
141 リーフ
200 静電エンコーダ
210 固定子電極
220 移動子電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源からの放射線を遮蔽するための複数のリーフを密接して配置し、このリーフを移動することにより、前記放射線源から放射される放射線の照射範囲を制限するようにした放射線治療装置において、
前記リーフを移動させる駆動手段と、
前記リーフの移動方向に沿って配置した帯状の固定子電極およびこの固定子電極に対峙するように前記リーフに設けた移動子電極とから成る静電エンコーダと、
この静電エンコーダの前記固定子電極側から得られる検出情報に基づき、前記リーフを所望の位置へ移動させるように前記駆動手段を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする放射線治療装置。
【請求項2】
前記静電エンコーダの固定子電極は、前記リーフの面に形成される凹部または切り欠き部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の放射線治療装置。
【請求項3】
前記静電エンコーダの固定子電極は、前記リーフに平行に配置される支持体に貼付されることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の放射線治療装置。
【請求項4】
前記静電エンコーダは、隣接する前記リーフに対して、放射線の入射方向に沿って交互にずらせて配置することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の放射線治療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−36477(P2011−36477A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187446(P2009−187446)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】