説明

放送信号に同期した拡充メディアを動的に生成配信するためのシステム及び方法

同期したメディアプレゼンテーションを動的に生成配信するためのシステム及び方法が開示される。本発明は、拡充されるメディアプレゼンテーションを自動的に検索し、アセンブル、フォーマットすると共に、そのプレゼンテーションの同期的な配信を実現する。拡充コンテンツは、その配信が放送信号又は他のメディアプログラムと同時になるよう同期化され、それは拡充コンテンツがメディアプログラムに物理的に結びつけられることを要求することなく拡充するよう設計される。本発明の別の側面は、拡充コンテンツのアセンブルと同期化が、拡充されるコンテンツを実行又は表示するために使用される配信チャネル及びプラットフォームとは独立であるという点にある。結果として、拡充コンテンツは、セットトップボックス,パーソナルコンピュータ,パーソナルビデオレコーダ,オーディオシステム,又はメディアプログラムをユーザに配信するために使用される任意の他のプラットフォーム用にフォーマットすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、双方向情報システム、特に、同期したメディアプレゼンテーション(media presentation)を動的に生成配信するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
双方向テレビ(Interactive television:ITV)は、双方向情報システムとして知られる振興技術の一形態である。ITVの場合、双方向システムは、テレビ視聴者の視聴体験を拡充させるために使用される。一般的に、斯かる拡充(enhancement)は、テレビ番組に付随した旧来の映像に伴うテキスト又はグラフィックイメージの形態にあるメディアから来ている。この技術は、テレビネットワーク(テレビ網)又はテレビコンテンツの他のプロバイダがテレビ受像機を新たなサービス及びマーケティング機会の手段として使用することを可能にする。
【0003】
テレビ受像機に接続されたセットトップボックス(set-top box)は、テレビ受像機の双方向機能を制御する。セットトップボックスは、放送サービスプロバイダによって送信された信号を受信し、拡充したテレビコンテンツを放送フィードから分離し、その信号のそれぞれの部分を復元する。セットトップボックスは、拡充したコンテンツを使用して、例えば、放送情報がテレビ受像機に伝送されると同時にアプリケーションを実行する。セットトップボックスは、その情報をテレビ受像機に伝送する前に放送フィードを拡充したコンテンツから生成された双方向グラフィックス又はオーディオと組み合わせる場合がある。双方向グラフィックス及びオーディオは、視聴者に追加情報を提示する、或いは視聴者に入力を促す場合がある。また、セットトップボックスは、モデム接続を通じて視聴者入力又は他の情報を放送サービスプロバイダに提供する場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今日存在するITVといった双方向情報システムの1つの問題は、放送信号を拡充するために使用されるメディア(放送信号を拡充するために使用されるメディアは、ここでは“メディアプレゼンテーション”と称される)を放送信号と同期させる難しさにある。このプロセスは、多くの場合に、手作業で放送運営センター(Broadcast Operations Center:BOC)からエンジニアがメディアプレゼンテーションの配信者に電話して放送の開始を口頭でカウントダウンすることが必要とされる。エンジニアからの“ゴー(go)”信号を受信すると、配信者は、メディアプレゼンテーションの伝送を開始し、そのプレゼンテーションが放送信号と同期して流れることを望む。しかし、エンジニアとメディア配信者との間の通信に間違いが生じた場合には、或いは放送信号に予期しない中断が生じた場合には、メディアプレゼンテーションは、放送信号との同期を損なう。
【0005】
メディアプレゼンテーションを放送信号と同期させることへの別の既知のアプローチは、放送テープにトリガーを加えることである。放送テープが示されると、そのテープの中のトリガーは、装置、通常はコンピュータ、に読み出され、メディアプレゼンテーションを追跡してそれと放送信号との同期を保つアプリケーションにフィードされる。更に別のアプローチでは、ITV対応のセットトップボックスは、メディアプレゼンテーションを放送フィードにそれが読み出されるところに物理的に埋め込む。
【0006】
これらのアプローチの何れのアプローチも、メディアプレゼンテーションが放送信号と物理的に結びつけられるという問題がある。このため、メディアプレゼンテーション及び/又は放送のトリガーが一旦信号に埋め込まれると、放送信号を拡充するために使用されるメディアを追加又は変更することは誰にとっても難しい。もう1つの問題は、与えられたテレビ番組の複数のバージョン若しくは複数の編集が多くの場合に存在し、放送トリガー及びメディアプレゼンテーションは、個別にそれぞれの編集を保存するために使用されるビデオテープに埋め込まれなければならないということである。
【0007】
双方向情報システムの別の知られている問題は、テレビ番組編成においてコマーシャル又は他の中断を入れるためにメディアプレゼンテーションを開始、停止する問題である。コマーシャル料を支払う広告業者は、コマーシャルが放送されている間にメディア拡充によって視聴者の気を逸らしたくないので、拡充型ビデオシステムのプロバイダは、一般に、コマーシャル中断中にはメディアプレゼンテーションを流さない。この問題に対処するために使用されてきた1つの方法は、事前に設定された時間にメディアプレゼンテーションを開始、停止するようプログラムされたアプリケーションを作成することである。しかし、実際には、これは効率を制限し、1時間以上続くテレビ番組にはほとんど機能しないことが明らかになっている。それだけでなく、このアプローチは、放送信号の予期しない中断によってメディアプレゼンテーションが放送信号との同期を損なう場合には、エラーを起こしやすい。
【0008】
以上のことから、当該技術分野において、放送信号と同期したメディアプレゼンテーション、又はそのプレゼンテーションが拡充するよう設計された他のメディアフォーマットを生成配信するシステム及び方法の必要性が認識されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
同期したメディアプレゼンテーションを動的に生成配信するためのシステム及び方法が開示される。本発明は、拡充されるメディアプレゼンテーションの自動化した検索、アセンブル(組み立て)及びフォーマッティングと、そのメディアプレゼンテーションの同期的な配信を提供する。拡充コンテンツ(enhancing content)は、その配信が放送信号又は他のメディアプログラム(media program)と同時になるよう同期され、それは拡充コンテンツが物理的にそのメディアプログラムと結びつけられることを要求することなく拡充するよう設計される。本発明の別の特徴は、拡充コンテンツのアセンブル及び同期化が配信チャネル及び拡充したコンテンツを実行又は表示するために使用されるプラットフォーム(platform)に依存しないという点にある。結果として、拡充コンテンツは、セットトップボックス,パーソナルコンピュータ,パーソナルビデオレコーダ,オーディオシステム,又はメディアプログラムをユーザに配信するために使用される他のプラットフォーム、のためにフォーマットされる。
【0010】
上記課題を解決するための手段の本発明の1つの具体的な形態として、ビデオイベントを拡充するために使用されるメディアプレゼンテーション(media presentation)をそのメディアプレゼンテーションが前記ビデオイベントの放送と同時に配信チャネルへ配信されるようにアセンブル(組み立て)して配信する双方向情報システムが開示される。この形態において本システムは、放送の予定が組まれたイベントのプレイリストをモニタし、新たなビデオイベントが前記プレイリストに登録されたことを示すオンホライズントリガー(on-horizon trigger)と前記新たなビデオイベントの放送が始まったことを示すオンエアトリガー(on-air trigger)とを生成するように構成された放送タイミングサーバ(broadcast timing server)と、前記オンホライズントリガーに応答して前記メディアプレゼンテーションをアセンブルし、前記オンエアトリガーに応答してそのメディアプレゼンテーションを前記配信チャネルに配信するメディアプレゼンテーションエンジン(media presentation engine)とを含む。
【0011】
本発明の別の形態において、前記オンホライズントリガーは、前記新たなビデオイベントを特定するイベント識別子を含み、前記メディアプレゼンテーションエンジンは、前記新たなビデオイベントに関連するスクリプトを検索するために前記イベント識別子でメディアコンテンツデータベースに問い合わせるよう構成される。
【0012】
本発明の更に別の形態において、前記メディアプレゼンテーションエンジンは、更に、タイマを前記メディア要素と結び付け、前記オンエアトリガーに応答してそのタイマを開始してそのメディア要素がタイマによって決められた時間に配信されるように構成される。一例として、前記メディアプレゼンテーションエンジンは、タイマによって決められた時間に動的データソースからメディア要素を検索する。
【0013】
本発明の別の形態では、複数のメディアプレゼンテーションを複数の配信チャネルへそれらの配信がイベントの放送と同時に行われるようアセンブルして配信する方法が開示される。この方法は、放送の予定が組まれたイベントのプレイリストに前記イベントが登録されたことを知らせる第1の通知を受信するステップと、前記通知に応答して第1及び第2のメディアプレゼンテーションをアセンブルするステップと、前記イベントの放送の始まったことを知らせる第2の通知を受信したら直ぐに、第1のメディアプレゼンテーションを第1の配信チャネルに配信し、第2のメディアプレゼンテーションを第2の配信チャネルに配信するステップと、を含む。
【0014】
本発明の更に別の形態では、前記第1の配信チャネルは、第1のプラットフォームに関連し、前記第2の配信チャネルは、第1のプラットフォームとは異なる第2のプラットフォームに関連する。加えて、この方法は、前記第1のメディアプレゼンテーションを前記イベントの放送と組み合わせて第1の拡充した放送信号を生成し、前記第2のメディアプレゼンテーションを使用して第2の拡充した放送信号を生成するステップを更に含むことができる。
【0015】
本発明の別の形態において、メディアプレゼンテーションを配信チャネルへイベントの放送と同時になるようアセンブルして配信する方法が開示される。この方法は、前記イベントに関連するイベント識別子を含んでおり前記イベントの放送の予定が組まれていることを示すオンホライズントリガーを受信するステップと、前記イベントと放送されることになっている1つ又は複数のメディア要素を特定するスクリプトを捕捉するために前記イベント識別子でメディア要素のデータベースに問い合わせるステップと、前記1つ又は複数の特定されたメディア要素に少なくとも部分的に基づいてメディアプレゼンテーションをアセンブリするステップと、前記イベントの放送が開始されたことを知らせる通知を受信したら直ぐにアセンブリされメディアプレゼンテーションを前記配信チャネルに配信するステップとを含む。
【0016】
本発明の別の形態において、前記メディアプレゼンテーションをアセンブリするステップは、更に、メディアコンテンツデータベースから前記メディア要素を検索するステップと、前記メディア要素を前記配信チャネル用にフォーマットするステップと、前記メディア要素をキャッシュに記憶するステップとに分かれる。また1つの形態として、前記アセンブリされたメディアプレゼンテーションを配信するステップは、前記イベントの放送が始まったことを知らせる通知を受信するステップと、前記通知を構文解析して前記イベントに対するオンエアイベント識別子を捕捉するステップと、前記イベントに関連する前記メディアプレゼンテーションを特定するために前記オンエアイベント識別子で前記キャッシュに問い合わせるステップと、前記メディアプレゼンテーションを前記キャッシュから前記配信チャネルへ転送するステップとを含む。
【0017】
本発明の更に別の形態において、前記アセンブリされたメディアプレゼンテーションを配信するステップは、前記イベントの放送が始まったことを知らせる通知を受信するステップと、前記通知を構文解析してオンエアイベント識別子を捕捉するステップと、前記メディアプレゼンテーションを特定するために前記オンエアイベント識別子で前記キャッシュに問い合わせるステップと、動的データソースから1つ又は複数の動的メディア要素を捕捉するステップと、前記動的メディア要素を前記キャッシュされたメディア要素と併合(merge)するステップと、前記メディアプレゼンテーションを前記キャッシュから前記配信チャネルへ転送するステップとを含む。
【0018】
本発明の別の形態において、ビデオイベントを拡充するためにメディアを使用し、その拡充メディアを前記ビデオイベントの放送と同時になるよう配信チャネルに配信する方法であって、放送の予定が組まれたイベントのプレイリストに前記ビデオイベントが登録されたことを知らせる通知を受信するステップと、前記ビデオイベントに関連する複数のスクリプトを検索するステップと、前記ビデオイベントの放送に使用するために前記複数のスクリプトの中から1つのスクリプトを選ぶステップと、前記選ばれたスクリプトに関連するメディアプレゼンテーションをアセンブリするステップと、前記メディアプレゼンテーションを前記ビデオイベントの放送と同時に前記配信チャネルへ配信するステップとを含む方法が開示される。1つの形態として、前記複数のスクリプトはそれぞれ異なるメディアプレゼンテーションを特定する。
【0019】
本発明の別の形態において、テレビネットワークに放送される予定が組まれたイベントについてメディアプレゼンテーションを同期させ、そのメディアプレゼンテーションを前記テレビネットワークに関連した配信チャネルを通じてそのテレビネットワークに配信する方法であって、前記イベントに対するイベント識別子を捕捉するステップと、前記イベント識別子に関連する1つ又は複数のメディア要素を特定するためにメディア要素のデータベースに問い合わせるステップと、前記特定されたメディア要素に少なくとも部分的に基づいて前記メディアプレゼンテーションをアセンブリするステップと、前記メディアプレゼンテーションをキャッシュするステップと、前記イベントの放送が始まったことを知らせる通知に応答して前記メディアプレゼンテーションを前記配信チャネルへ転送するステップとを含む方法が開示される。
【0020】
本発明の別の形態として、ビデオイベントの放送の開始と同時になるようメディアプレゼンテーションを配信チャネルに配信することによってそのビデオイベントを拡充する方法であって、放送の予定が組まれたビデオイベントのプレイリストに前記ビデオイベントが登録されたことを知らせる通知を受信するステップと、前記ビデオイベントに関連したスクリプトであって、静的な部分と動的な部分とを含む前記ビデオイベントに関連したメディアプレゼンテーションを記述するスクリプトを検索するステップと、前記メディアプレゼンテーションの前記静的な部分をアセンブリするステップと、前記静的な部分をメモリ領域に記憶するステップと、前記ビデオイベントの放送が始まったことを知らせる通知に応答して前記メディアプレゼンテーションの前記動的な部分を検索するステップと、前記メディアプレゼンテーションの前記静的な部分及び前記動的な部分を前記配信チャネルに配信するステップとを含む方法が開示される。
【0021】
別の形態として、前記メディアプレゼンテーションの動的な部分を検索するステップは、動的データソースからXMLフィード(XML Feed)を検索することを含み、そのプロセスは更に、前記XMLフィードを構文解析して前記スクリプトにおいて参照される1つ又は複数のメディア要素を捕捉するステップと、前記スクリプトにおいて参照される前記メディア要素とそれらのメディア要素の表示の仕方を記述するメディア表示命令とから成る内部XMLファイル(internal XML file)を生成するステップを含む。
【0022】
本発明の別の形態として、ビデオイベントを拡充するために使用されるメディアプレゼンテーションをこのメディアプレゼンテーションが前記ビデオイベントの放送と同時に配信されるようにアセンブリして配信する双方向情報システムが開示される。この形態は、放送の予定が組まれたイベントのプレイリストをモニタし、そのプレイリストに新たなビデオイベントが登録されたときに、その新たなビデオイベントに関連するイベント識別子を含むトリガーを生成する放送タイミングサーバと、前記トリガーを受信し、前記新たなビデオイベントに関連する複数のメディアプレゼンテーションを特定するために前記イベント識別子でメディアデータベースに問い合わせると共に、前記複数のメディアプレゼンテーションの中から1つのメディアプレゼンテーションを選び、前記新たなビデオイベントの放送が始まるときにその選ばれたメディアプレゼンテーションをアセンブリして配信チャネルに配信するメディアプレゼンテーションエンジンとを含む。
【0023】
本発明の別の形態として、メディアイベントのプレイリストへの登録を検出するステップと、前記メディアイベントに基づいてそのメディアイベントを拡充するためのメディアプレゼンテーションをアセンブリするステップと、前記メディアイベントが前記プレイリストの先頭に到達し放映が始まることに基づいてそのメディアイベントと一緒に放送するため前記メディアプレゼンテーションを配信するステップとを含む方法が開示される。
【0024】
本発明の更に別の形態として、放送されるメディアイベントに基づいてスクリプトを検索するステップと、前記スクリプトを実行して前記メディアイベントと放送されるメディアプレゼンテーションを生成するステップと、前記メディアイベントと一緒に放送するため前記メディアプレゼンテーションを配信するステップと含む方法が開示される。
【0025】
本発明の別の形態は、BOC(Broadcast Operations Center)からビデオプレイリストデータを直接読み出し、与えられたどの時点においても何が放送中かが分かる能力を有するITVシステムである。この情報を使って、このシステムは、同期的及び非同期的な番組編成(プログラミング)情報,スポーツデータフィード,及びその番組編成(プログラミング)で配信される作成済みコンテンツとを動的にアセンブリする。プラットフォームに適した技術上及びビジネス上のルールを使って、このシステムは、各双方向プラットフォーム(セットトップボックス,無線装置,PCなど)にコンテンツを直接的に配信し、スケジュール及びチューンイン(tune-in)情報をエンターテインメントショー特有のコンテンツ(雑学知識,事実,スコア,順位表)と組み合わせることによって、このシステムはテレビネットワークに番組内での促進販売と広告セールのツールを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
ここに開示されるシステム及び方法は、それらの様々な実施形態においてこれまでの技術の既に指摘した欠点を克服し、ここに開示されるシステム及び方法以前では不可能であった数々の利点を実現する。
【0027】
以下の記述では、本願添付図面を参照しながら本発明の実施の最良の形態をより詳細に説明する。本発明は、しかしながら、多くの異なる形態で実施することができるが、ここに述べる実施形態に限定されるものと解してはならない。むしろこれらの実施形態は、本開示が周到かつ徹底的なものとなるよう、また発明の範囲が当業者に十分明らかなものとなるよう提供される。全体を通じて類似の構成要素には類似の符号が付されてある。
【0028】
本発明に関係する技術分野の当業者であれば本願明細書及び添付図面の教えの恩恵を得て下記実施形態の多くの変更と他の実施形態を考えつくことであろう。それ故に、本発明は開示される特定の実施形態に限定されることはなく、それらの変更及び他の実施形態は、本願特許請求の範囲に含まれることが意図されている。特定の用語がここでは使用されているが、それらは、総称的かつ記述的な意味でのみ使用されているもので、限定目的で使用されているものではない。
【0029】
本発明は、以下において本発明の実施形態に基づく方法、一連の装置(すなわちシステム)及びコンピュータプログラム製品のブロック図及びフロー図を参照して説明される。それらのブロック図及びフロー図の各ブロック、そしてそれらのブロック図及びフロー図におけるブロックの組み合わせは、それぞれ、コンピュータプログラム命令で実行できることは理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ,専用(特定目的)コンピュータ,又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードされ、命令がそれらのコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置上で実行されることによってシステム又はフロー図ブロックに指定される機能を実現するための手段を生成するようなマシン(machine)を構成するようになっている場合がある。
【0030】
コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置が特定の仕方で機能するよう指示することができるこれらのコンピュータプログラム命令はコンピュータ読取可能メモリに保存され、このコンピュータ読取可能メモリに保存された命令がフロー図の1つ以上のブロックに指定される機能を実現する命令手段を含む製造品を作り出すようになっている場合もある。また、コンピュータプログラム命令は、一連の作業ステップがコンピュータ上又は他のプログラマブルデータ処理装置上で実行されるようにそれらのコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置にロードされ、命令がそれらのコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置上で実行されることによってフロー図の1つ以上のブロックに指定される機能を実現するためのステップが提供されるようなコンピュータ実施プロセスが作り出されるようになっている場合もある。
【0031】
以上のように、ブロック図及びフロー図のブロックは、指定された機能を実行するための手段の組み合わせと、指定された機能を実行するためのステップと指定された機能を実行するためのプログラム命令手段の組み合わせをサポートする。ブロック図及びフロー図の各ブロックと、そしてブロック図及びフロー図の複数のブロックの組み合わせは、指定された機能若しくはステップを実行する専用のハードウェアベースのコンピュータシステムによって、或いは専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実現できることも理解されよう。
【0032】
本発明は、一般に、ITV(双方向テレビ)システムの文脈において説明がなされるが、当業者であれば、本発明は、メディアがビデオ信号であれパーソナルビデオレコーダであれ電子メール又は当該分野において既に知られている他のメデイアであれ、そうしたメディアに拡充したコンテンツ(enhanced content)を提供する任意のシステムに同等に有利であることは容易に理解されよう。
【0033】
図1に本発明の実施の一形態に基づく拡充メディア生成配信システム(enhanced media generation and distribution system)10を示す。本システム10の機能は、メディア要素をメディアプレゼンテーションにアセンブリし、アセンブリされたメディアプレゼンテーションの配信を放送信号と同期させて視聴者に拡充した番組編成の体験を提供することにある。ここで使用されるメディア要素(media elements)という用語は、番組編成の体験を拡充するために放送信号に添付することができる任意のタイプのメディアコンテンツ又はデータ要素を指すものとする。また、メディアプレゼンテーション(media presentation)という用語は、ここでは、放送信号と同期させるためアセンブリされてフォーマットされた1つ又は複数のメディア要素をグループ化したものを指すものとして使用される。最後に、拡充した放送信号(enhanced broadcast signal)という用語は、同期したメディアプレゼンテーションで拡充された放送信号を指す。
【0034】
図1の実施形態において、システム10は、BOC15のサーバに存在するスケジュール又はプレイリスト20と、中継器(relayer)30と、放送タイミングサーバ35と、コンテンツタイミングサーバ40に存在する場合(又はしない場合)がある1つ又は複数のタイミングアプリケーション(timing applications)45と、保存コンテンツデータベース50と、コンテンツキャッシュ60と、1つ又は複数の動的データソース70と、配信チャネルサーバ80に存在する1つ又は複数のアプリケーションプログラムインタフェース(Application Program Interfaces:API)85とを含む。これらのコンポーネントの機能とそれらの間の相互作用については、以下のパラグラフで説明される。
【0035】
図1においてBOC15で示したような放送運営センターは当該分野では周知である。一般に、BOC15は、既知のシステム及び方法を使用して放送信号をテレビネットワーク(テレビ網)へ予定を組み送信する。BOC15によって放送されるテレビ番組は、一般的にビデオテープなどのオーディオビデオ媒体に保存され、放送オートメーションシステムによって予定が組まれる。好ましい実施形態として、BOC15は、カイロン/プロベル社製六分儀オートメーションスイート(Chyron/Pro-Bel sextant automation suite)を使用して放送フィードをコントロールする。というのは、この特別なオートメーションスイート(automation suite)は、プロベル社製ラックマウント(Pro-Bel rack mount)からのシリアルフィードを通じて容易にアクセスできるプレイリスト20を生成するからである。しかし、当業者であれば、番組のスケジュールが作成され拡充メディア生成配信システム10によってアクセスできるということであれば、任意の放送システム又はオートメーションスイートが本発明に使用できることは理解されよう。
【0036】
プレイリスト20は、基本的には、BOC15からの放送の予定が組まれた番組セグメント(program segments)についての情報を含むデータファイルである。好ましい実施形態では、プレイリスト20は、イベント番号,開始時間,タイトル,継続時間,イベント識別子及びイベントタイプについてのフィールドを含む。イベント番号は、番組セグメントがどの順番で放送されるかを特定するために使用される。イベント番号0(ゼロ)に対応する番組セグメントは、現在放送中の番組で、次に放送される番組セグメントは、イベント番号1といった具合である。現在放送中の番組セグメントが完了して次の番組セグメントが始まると、この新たな放送中の番組セグメントがイベント番号0(ゼロ)になり、リストされたその他の番組セグメントは、プレイリスト20を1つ上がる(番号が1つ減る)。好ましい実施形態では、プレイリスト20は放送されることになっている次の10個の番組セグメント(イベント番号0〜9)を示すウィンドウである。放送中の番組セグメントが完了すると、その番組は、プレイリスト20から外れて新たな番組セグメントがプレイリスト20の最後にイベント番号9として加わる。
【0037】
開始時間は、プレイリスト20の次のフィールドで、イベントの開始が予定されている時間を表示する。タイトルフィールドは、イベントの説明を含む。好ましい実施形態では、イベントは、テレビ番組,コマーシャル,又はネットワーク識別子の任意のセグメントを代表する。例えば、30分間の連続ホームコメディであれば、連続ホームコメディの最初の15分間を代表する1つのイベントと、コマーシャルを代表する3個又は4個のイベントと、ネットワークロゴのための1つのイベントと、そして連続ホームコメディの最後の15分間を代表する最後のもう1つのイベントとを有する場合がある。当業者であれば、1つの番組セグメントがいくつかのイベントに分割される方法は本発明にとって本質的ではないことは容易に理解されよう。従って、例えば、1つの実施形態では、各コマーシャルは単一のイベントを表し、その一方で別の代わりの実施形態では、30分間の連続ホームコメディの2つのセグメントの間の全てのコマーシャルはプレイリスト20の単一のイベントに割り当てられる場合がある。
【0038】
プレイリスト20の継続時間フィールド(duration field)は、イベントの長さを表す。イベントがイベント番号0(ゼロ)になると、すなわちイベントがオンエアになると、継続時間フィールドは、そのイベントの残り時間のカウントダウンになる。イベント識別子は、そのイベントを特定する固有の識別子である。後で議論するように、メデイアイベントをもしあれば添付してそれが続く間表示して放送番組を拡充する拡充メディア生成配信システム10は、識別子を使用する。タイプフィールドは、イベントタイプのリファレンス(参照符)を付け、好ましくは、ブレークヘッダ(B),コマーシャル(C),ジャンクション(J),ライブ(L),及び番組(P)といったイベントタイプの値を持つ。
【0039】
プレイリスト20にオプションとして含まれることがある別のフィールドは、オートメーションステータスフィールド(automation status field)又はオートメーションステータスメッセージ(automation status message)である。1つの実施形態として、オートメーションステータスメッセージは、実際に放送されているイベントがプレイリストデータと一致するどうかを知らせる。例えば、あるイベントが予定された終了時間を過ぎて流れる場合には、オペレータはイベントスケジュールの調整を待つ間又は放送中のイベントが完了するまで放送オートメーションオンホールド(broadcast automation on-hold)を間に入れる。別の例として、オートメーションステータスメッセージは、オートメーションモード(automation mode)がオフにされたことを知らせることができる。これは、放送中のイベントが必ずしもプレイリスト20に示されたイベントに対応しないということを意味し得る。当業者であれば、後述するシステム及び方法は、オートメーションステータスメッセージをチェックして、番組編成を拡充することが意図されたメディアプレゼンテーションがアセンブリされ及び/又は配信される前に、プレイリスト20に示されたイベントが実際に放送中であることを確認するステップを含むことができることは理解されよう。
【0040】
再び図1のブロック図に戻って説明する。中継器30は、BOC15からプレイリスト20を捕捉(キャプチャ)するアプリケーションを表しており、プレイリスト20を拡充メディア生成配信システム10が使用することができるフォーマットに変換する。好ましい実施形態では、中継器30は、プレイリスト20をTCP/IPプロトコルによりLAN(local area network)に放送する。図1には中継器30がプレイリスト20を放送タイミングサーバ35に送ることしか示されていないが、当業者であれば他のアプリケーションがLANを通じて中継器30と通信してプレイリスト20に含まれる情報を取得することができることは理解されよう。
【0041】
放送タイミングサーバ35は、中継器20からプレイリストフィード(playlist feed)を受信し、そのデータを構文解析して放送の予定が組まれているイベントのリストを捕捉する。好ましい実施形態では、プレイリストデータは、毎秒2回の割合で更新され放送タイミングサーバ35に渡される。1つの実施形態として、現在イベントは毎秒1回の割合で更新され、番号1から番号9までのイベント登録は現在イベントが更新されてから約1/2秒後に毎秒1回の割合で更新される。放送タイミングサーバ35の機能は、プレイリストを構文解析し、トリガーイベントが起きたかどうかを決定することにある。放送タイミングサーバ35によって識別される第1のトリガーイベントは、ここではオンエアトリガー(on-air trigger)と称され、オンエア(放送中)イベントの変化を表す。動作に関して言うと、放送タイミングサーバ35はプレイリストを構文解析し、現在放送中のイベントを調べる。現在放送中のイベントが新しいイベントであれば、放送タイミングサーバ35は、オンエアトリガーをコンテンツタイミングサーバ40のタイミングアプリケーション45に送り、それらに新たなイベントがイベント番号0(ゼロ)に移動したことを知らせる。しかし、放送タイミングサーバ35がオンエアイベントは現イベントの継続である(つまりオンエアイベントは変わっていない)ことを決定した場合には、オンエアトリガーは送られない。
【0042】
放送タイミングサーバ35によって識別される別のトリガーイベントは、ここではオンホライズントリガー(on-horizon trigger)と称され、新たなイベントがプレイリスト20に載ったことを知らせる。一般に、新たなイベントがプレイリスト20に現れると、それはイベント番号9として現れることになり、そのイベントは、新しいイベントがオンエアスロットに移動するのと同時になる。しかし、好ましい実施形態では、放送タイミングサーバ35は、プレイリスト20のあらゆるイベント番号を最近のプレイリストデータと比較して新たなイベントが現れたかどうかを判断する。こうする理由は、生中継のスポーツイベントといった一部のイベントが予定の終了時間を過ぎて流れ、プレイリスト20に予期されない変更を強いることができるということにある。場合によっては、放送が予定されていたイベントがスキップされる、或いはプレイリスト20が新しい放送スケジュールに適合するよう調整される場合がある。好ましい実施形態では、放送タイミングサーバ35はプレイリスト20の任意のイベントに対するどのような変更・変化も認識するよう構成され、タイミングアプリケーション45にその変更・変化を知らせる。
【0043】
拡充メディア生成配信システム10の次のコンポーネントは、タイミングアプリケーション45である。このタイミングアプリケーション45の動作については、より詳細に後述されるが、一般にタイミングアプリケーション45は、イベントの放送を拡充するために使用されるメディア要素を識別し検索する責務を負うメディアプレゼンテーションエンジン(media presentation engines)の機能を果たす。タイミングアプリケーション45は、様々なメディア要素のメディアプレゼンテーションへのアセンブリと、アセンブリされたメディアプレゼンテーションの配信チャネルへの同期的な配信を取り扱う。
【0044】
好ましい実施形態では、タイミングアプリケーション45は、クライアント固有(client-specific)、すなわち専用のタイミングアプリケーション45が各配信チャネル毎に構築される。従って、図1に示されたシステムでは、放送及びケーブルシステムによる双方向サービスの周知のプロバイダであるウィンク・コミュニケーションズ社(Wink Communications)は、それ自身の専用のタイミングアプリケーション45を所有する。同様に、パーソナルビデオレコーダ(Personal Video Recorders:PVR),無線,及び衛星プラットフォームの配信チャネル別に別個のタイミングアプリケーション45が図面に示されている。このリストは、包括的なものを意図しているわけでなく、当業者であればこれらは本発明に基づきオーディオビジュアルメディア及び双方向コンテンツがそれらのチャネルを通じてユーザに配信可能な多くの既知の配信チャネルのごく一部であることは理解されよう。
【0045】
各クライアントの配信チャネル毎に専用のタイミングアプリケーション45を持つ利点は、タイミングアプリケーション45がそのクライアントに特有のビジネスルールと配信チャネルの特有のハードウェア制限又は要件を取り扱うよう構成できることにある。つまり、ある特定のクライアントがコマーシャル時間中に拡充したメディアプレゼンテーションの実行を禁止する規則を有する場合には、そのクライアント用のタイミングアプリケーション45は、その特有のビジネスルールを実施するようプログラムすることが可能である。同様に、特定の配信チャネルに専用のタイミングアプリケーション45は、配信チャネルのハードウェア要件及び制限に合わせた拡充したメディアプレゼンテーションをアセンブリして配信するよう容易にプログラムすることができる。
【0046】
説明を簡明にする目的から、ここに記述されるタイミングアプリケーション45は、単一の配信チャネルに専用のクライアント固有のアプリケーション45として説明される。しかし、当業者であれば、単一のタイミングアプリケーション45が複数のクライアントと複数の配信チャネルを受け持つよう容易に構成できることは理解されよう。斯かる実施形態では、クライアント固有のビジネスルールと配信要件は、クライアントデータベースに記憶させておくことができ、必要に応じてそこから引き出せる。同様に、当業者であれば、コンテンツサーバ40は、汎用のタイミングアプリケーション40とクライアント固有のタイミングアプリケーション40が混ざったものを代わりに含むことができることは理解されよう。この代わりの実施形態では、クライアント固有のタイミングアプリケーション45によるプロセスの一部は、実際には、汎用のタイミングアプリケーション45によって実行され、その結果はクライアント固有のタイミングアプリケーション45に渡される。従って、例えば、汎用のタイミングアプリケーション45は、遠隔地からメディア要素の検索を取り扱い、クライアント固有のアプリケーション45がアクセスすることができるローカルメモリにそのメディア要素の複製を記憶する場合がある。しかし、これらは、本発明が包含するシステムの代替的な設計のごく一部であって、もっとより多くのものが通常の当業者には容易に明らかであろう。
【0047】
再び図1を参照する。図1に示されてある次のシステムコンポーネントはコンテンツデータベース50である。コンテンツデータベース50は、放送信号を拡充するために使用されるメディア要素の大部分のための記憶空間であり、同じくメディア要素が如何に放送信号を拡充するために使用されるかを記述するデータ構造(後述される)の多くのための記憶空間でもある。好ましい実施形態では、コンテンツデータベース50は静的なメディア要素を記憶する、或いは最小限において、タイミングアプリケーション45にメディア要素がどこにあるかを示すURL(Uniform Resource Locator)といった参照アドレスを記憶する。同様に、動的なメディア要素は物理的にコンテンツデータベース50に記憶されないけれども、コンテンツデータベースは動的なメディア要素をそこから検索することができる動的データソースを特定するコンテンツ識別子を含むことになる。
【0048】
ここで使用される静的メディア要素という用語は、メディア要素が検索される時間とそのメディア要素が配信チャネルに配信される時間との間の時間遅延の影響を受けない時間的に安定(静的)なメディア要素を指す。一方、動的メディア要素は、より時間的に不安定(動的)で一般的に実行時(ランタイム)又はその近辺で検索されるメディア要素を指す。静的メディア要素の1つの例はテレビ番組に登場する俳優の略歴である。俳優の履歴の詳細は時間とともに変わることがあるが、略歴のデータは略歴が検索される時間とそれが配信される時間との間の短い時間遅延には影響されないので略歴については静的メディア要素と考えられる。これとは対照的に、データの関連性と正確さが時間的に変わりやすいライブスポーツのスコアやインタネットのスポーツサービスからの統計資料のプレゼンテーションは動的メディアの一例であろう。
【0049】
次のパラグラフでは、本発明の好ましい実施形態に基づく拡充メディア生成配信システム10の動作について説明する。
【0050】
図2は、新たなイベントがプレイリスト20に現れるときに起こるプロセスの流れのフロー図を示す。ステップ10において、放送タイミングサーバ35は、BOC15から中継器30を介してプレイリスト20を受信する。ステップ20において、放送タイミングサーバ35は、そのプレイリストデータフィードを構文解析し、新しいプレイリストデータを最も最近のプレイリストと比較して新たなイベントがプレイリスト20に登録されたことを見出す。それに応答して、放送タイミングサーバ35は、オンホライズントリガーをタイミングアプリケーション45に送ってそれらに新たなイベントの存在を知らせる。好ましい実施形態では、放送タイミングサーバ35は、オンホライズントリガーを使って、新たなイベントについての、イベント番号,開始時間,タイトル,継続時間,イベント識別子及びイベントタイプ等を含む情報をタイミングアプリケーション45に渡す。
【0051】
好ましい実施形態では、オンホライズントリガーは、全てのクライアント固有のタイミングサーバ45に放送される。以下のパラグラフでは、単一のタイミングアプリケーション45によるオンホライズントリガーの処理が説明されるが、各々のタイミングアプリケーション45は、各タイミングアプリケーション45毎に設定されたクライアント固有のビジネスルール及びコンテンツ拡充基準を使用して同時に同じステップを実行することを理解されたい。
【0052】
ステップ30において、タイミングアプリケーション45は、放送タイミングサーバ35からオンホライズントリガーを受信し、新たなイベントに関連する1つ又は複数のスクリプトを捕捉するためにイベント識別子でコンテンツデータベース50を問い合わせる。スクリプト(script)という用語は、ここでは、メディア要素が当該イベント識別子に関連するイベントを拡充するためにどのように使用されるかを描写するコンピュータコードを指すのに使用される。好ましい実施形態では、多くの異なるタイプのスクリプトが単一のイベント識別子に関係し得る。また、各スクリプトは、イベントが放送されるときにどのスクリプトが実際に使用されるかを決めるスクリプト階層(script hierarchy)における優先順位が割り当てられる。異なるタイプのスクリプトの例としては、ネットワークスクリプト(network script),フランチャイズスクリプト(franchise script),タイトルスクリプト(title script),バージョンスクリプト(version script),放送スクリプト,及びタイムテーブルスクリプト(timetable script)などが含まれる。
【0053】
ネットワークスクリプトは、一般的に、スクリプト階層において優先順位が最も低いスクリプトで、イベント識別子を全く含まないか又は他のスクリプトとは全く関連のないイベント識別子を有するオンホライズントリガーが受信されたときに使用される。ネットワークスクリプトは、一例として、タイミングアプリケーション45に対し、その日のネットワーク番組スケジュール又は現在の番組の後に予定されている番組リストで放送信号を拡充することを指示する場合がある。
【0054】
スクリプト階層における次のスクリプトは、フランチャイズスクリプトであり、新たなイベントが特定のフランチャイズに関連するときに使用される。フランチャイズの例としては、“フレンズ(Friends)”といったテレビ連続ホームコメディ又は“ディナー・アンド・ムービー(Dinner & a Movie)”フランチャイズのような定期的に繰り返すネットワークプレゼンテーションが含まれる。ネットワークスクリプトとは異なり、フランチャイズスクリプトは、特定のシリーズに適用され、レギュラーキャストメンバーについての略歴情報や写真,過去のエピソードに関する質問を集めたトリビア(雑学知識)ゲーム,或いは一人以上のキャストメンバーが主役を務めた最近の映画からのカット場面のストリーミングビデオといった形の拡充したコンテンツを含む場合がある。
【0055】
タイトルスクリプトは、スクリプト階層における次のスクリプトで、新たなイベントが特定のテレビ番組に関連するときに使用される。フランチャイズスクリプトは、“フレンズ(Friends)”のような特定のフランチャイズシリーズに適用されることがあるのに対し、タイトルスクリプトは、“フレンズ(Friends)”フランチャイズの特定の1回放映分(エピソード)に適用される。つまり、全フランチャイズに触れる拡充コンテンツに加え、タイトルスクリプトは、タイミングアプリケーション45に対し放送信号を放送中の特定の1回放映分(エピソード)についての情報で拡充することを指示する場合がある。一例として、タイトルスクリプトは、特定の1回放映分(エピソード)に登場するゲストスターについての写真及び略歴情報を使用することがある。
【0056】
バージョンスクリプトは、スクリプト階層における次のスクリプトであり、特定のショー(show)の特定の編集にのみ適用されるという点でタイトルスクリプトよりも可成りショー固有のものである。テレビ産業では、単一のショーに対する複数の編集は、例えばそのショーが好ましくない内容を含んでいる場合には、編集基準が同じなので共通している。しかし、異なるネットワークは、受入可能な内容と考えられるものに対しては異なる編集基準を有する場合があるので、各ネットワークは、同じショーでも異なる編集を放送する場合がある。つまり、ネットワークは、ショーのランタイムを短くすると共にネットワークが追加のコマーシャルスポットを入れることができるようにしたショーの特別な編集を放送する場合がある。バージョンスクリプトは、ショーの特定の編集と結びついており、そして例えば、タイミングアプリケーション45に対し、ある特定のショーのより長い編集用に作成されたトリビアゲームの短くしたバージョンを放送するよう指示することがある。配信チャネルに特有のスクリプトタイプを有する利点は、チャネルに関連する特定のビジネスルール又はハードウェア要件に基づいてメディア要素が特定の配信チャネル用にアセンブリが可能であるという点にある。
【0057】
放送スクリプトは、最後のショー固有のスクリプトであり、一般に、スクリプト階層における最高のスクリプトでもある。バージョンスクリプトと同じように、放送スクリプトは、ショーの特定の編集に関連しているが、放送スクリプトは、それが当該編集が放送される特定の時間スロットに関係しているという点でさらにより特有のものである。例えば、放送スクリプトは、2003年12月31日の午後11時30分にオンエアされる“フレンズ(Friends)”フランチャイズの特定の1回放映分(エピソード)の特別な編集に対して生成される場合がある。この例では、放送スクリプトは、タイミングアプリケーション45に対し放送信号を新年に向けてカウントダウンするスクリーン下部の時報(クロック)で拡充することを指示する場合がある。
【0058】
本発明に使用できる別のタイプのスクリプトは、タイムテーブルスクリプトである。これまで議論してきたスクリプトとは異なり、タイムテーブルスクリプトは、特定の番組には関係しないが、特定のタイムスロットに関係する。タイムテーブルスクリプトは、一般にスクリプト階層においてネットワークスクリプトを除いた全てのスクリプトより低いが、その優先順位は、タイムテーブルスクリプトがその他のスクリプトの一部又は全てに優先するように調整することができる。例えば特定のメディアプレゼンテーションが特定の時間にその時間に放送中の特定のテレビ番組とは関係なく放送されなければならなかった場合に、斯かる調整が使用される場合がある。
【0059】
タイムテーブルスクリプトは、ライブスポーツイベントの放送に関連する値も有する。例えば、ネットワークは、プロフットボールの試合を毎週日曜日の午後3時と6時の間に放送することがある。このとき、タイミングアプリケーション45に対し放送信号を3時間のタイムスロットの間にスポーツスコアと統計資料の継続的なフィードで拡充することを指令するタイムテーブルスクリプトが生成可能である。
【0060】
タイムテーブルスクリプトの別の潜在的な用途は、デフォルトスクリプトとしてネットワークスクリプトと置き換わることである。タイムテーブルスクリプトは、従って、ネットワークスケジュールにおける任意のタイムスロットに対して生成することができ、タイミングアプリケーション45は、イベント識別子を持たないか又はショースクリプト(show script)に関連しないイベント識別子を持つイベントが受信された場合に、これらのタイムテーブルスクリプトをデフォルトにするよう構成される。これらの例は、説明に役立つことを意図しており、タイムテーブル及び他の既に挙げたスクリプトのより多くの用途は、当業者の誰にとっても容易に明らかであろう。
【0061】
再び図2に戻って説明を続ける。ステップ40において、タイミングアプリケーション45は、各スクリプト毎に参照されるメディア要素を検索する。複数のスクリプトは、多くの場合に単一のイベント識別子と関連しており、このステップにおいて、タイミングアプリケーション45は、あらゆる適用可能なスクリプトを構文解析してそれらの各スクリプト毎に参照されるメディア要素を検索する。それらのスクリプトに描写されたメディアプレゼンテーションを検索してアセンブリするために使用されるプロセスについては後述されるが、一般にステップ40において各スクリプトを構成する様々なメディア要素が検索され一時メモリエリアに記憶される。
【0062】
ステップ50において、タイミングアプリケーション45は、イベントに関連するスクリプトを調整(reconcile)して放送信号と同期させるメディアプレゼンテーションを生成する中で、どのスクリプトが次に来るかを決める。一般的に、タイミングアプリケーション45は、デフォルトのスクリプト優先順位を使用してスクリプトを調整(reconcile)する。従って、ネットワークスクリプト,フランチャイズスクリプト,及びバージョンスクリプトが全てある与えられたイベントに関連する場合には、タイミングアプリケーション45は、バージョンスクリプトがネットワークスクリプト及びフランチャイズスクリプトよりも高いスクリプト優先順位を有するのでそのバージョンスクリプトに従う。しかし既に議論したように、スクリプトの優先順位は、デフォルトのスクリプト階層が必要に応じて無効にできるよう変更が可能である。
【0063】
ステップ60において、タイミングアプリケーション45は、調整(reconciliation)プロセスで選ばれたスクリプトにおいて参照されるメディア要素を検索し、そのデータをメディアプレゼンテーションにアセンブリする。メディア要素をアセンブリするために使用されるプロセスは、当該分野では周知である。また、当業者であれば、任意のメディア要素をフォーマットするために必要とされる特定のプロセスは使用されるメディアのタイプとそれが表示されるクライアントに依存することは認識されよう。例えば、タイミングアプリケーション45が放送信号をテキストで拡充している場合には、タイミングアプリケーション45は程よくテキストが各ページに現れるようにそのテキストを割り付けなければならない。各ページ毎にどのくらいのテキストがしっくりするかの決定はそのテキストを放送することになっているクライアントに任せられる。同様に、メディア要素がグラフィックイメージの形態を採る場合には、テレビスクリーン上に表示されるイメージの寸法は、イメージを放送することになっているクライアントに依存する。既に指摘したように、タイミングアプリケーション45は、クライアント固有なものであり、それ故に好ましくはそれぞれのクライアントが必要とする任意の仕方でメディア要素をアセンブリしてフォーマットするよう事前設定される。
【0064】
ステップ70において、タイミングアプリケーション45は、アセンブリされたメディアプレゼンテーションをコンテンツキャッシュ60に記憶する。好ましい実施形態では、メディアプレゼンテーションを構成するメディア要素は、物理的にフォーマットされ、それらを放送するために使用されるフォーマットでコンテンツキャッシュ60に記憶される。つまり、例えば、メディアプレゼンテーションが全体にテキスト拡充部分だけから成る場合には、割り付けられたテキストプレゼンテーションの各ページが物理的にキャッシュ60に記憶される。代わりの実施形態では、アセンブリされたメディアプレゼンテーションを構成するメディア要素の一部又は全ては物理的にキャッシュ60には記憶されず、代わりにキャッシュ60は、メディア要素の場所を特定するアドレス又は他のインデックスを含む。つまり、例えば、キャッシュ60にイメージファイルを記憶する代わりに、キャッシュ60は代わりに実際のイメージファイルを指し示すURLアドレスを保有する場合がある。
【0065】
図2に示したプロセスが完了した時点で、イベントの放送を拡充するために使用されるメディアプレゼンテーションがアセンブルされてコンテンツキャッシュ60に記憶される。好ましい実施形態では、そのイベントがイベントポジション0(ゼロ)にあり、放送が始まったことを知らせる通知をタイミングアプリケーション45が受け取るまで、メディアプレゼンテーションはキャッシュ60に残り続ける。図3は、イベントが放送中(オンエア)になるときに起こるプロセスの流れのフロー図を示す。
【0066】
ステップ100において、放送タイミングサーバ35は、BOC15から中継器30を介してプレイリスト20を受信する。ステップ110では、放送タイミングサーバ35は、プレイリストデータフィードを構文解析して、その新たなプレイリストデータを最近のプレイリストと比較して新たなイベントが放送中であることを決定する。次に、放送タイミングサーバ35はタイミングアプリケーション45にその新たなオンエアイベントをオンエアトリガーを使って通知する。好ましい実施形態では、オンエアトリガーは、プレイリスト20からの、その新たなオンエアイベントについてのイベント番号,開始時間,継続時間,イベント識別子,及びイベントタイプのデータフィールドを含むデータを含む。
【0067】
ステップ120において、タイミングアプリケーション45は、オンエアトリガーからイベント識別子を捕捉し、コンテンツキャッシュ60からそのオンエアイベントに関連するメディアプレゼンテーションを検索する。このプロセスの一部として、タイミングアプリケーション45は、このイベントに対するスクリプトにおいて参照される任意の動的なメディア要素を検索する。
【0068】
好ましい実施形態では、動的コンテンツがイベントに対するスクリプトにおいて参照されるとき、その動的コンテンツのスクリプトコンテンツ識別子は、動的メディア要素がそこから検索されることになっている動的データソース70へのURL又は他のリンクを含む。動的メディアを検索するために使用される最も一般的なフォーマットは、XMLフィード(XML feed)である。しかし、当業者であれば、動的メディアを捕捉する他の方法が当該分野では知られており本発明に使用できることは容易に理解されよう。
【0069】
タイミングアプリケーション45がオンエアトリガーを受信すると、タイミングアプリケーションは、動的データソース70にリンクしてXMLフィードを捕捉する。一般的に、XMLフィードは、タイミングアプリケーション45が必要としないかもしれないデータを含んでおり、このためタイミングアプリケーション45は、XMLフィードを構文解析してスクリプトの一部であるデータを取得する。静的メディア要素と同様に、動的メディア要素もそれらが適正なフォーマットで表示されるようにアセンブルされてフォーマットされなければならない。これを実行するため、タイミングアプリケーション45は、オリジナルのXMLフィードからのデータを使用してそのスクリプトにおいて参照される情報のみを含む第2のXMLフィードを生成する。さらに、第2のXMLフィードは、好ましくは、クライアントに動的メディア要素の表示の仕方を指示する当該分野では周知のメディア表示命令又はメディア表示属性を含む。次に、このデータは、キャッシュに転送され、そこでそれは放送信号と合併(マージ)されるメディアプレゼンテーションの一部となる。
【0070】
ステップ130において、タイミングアプリケーション45は、アセンブルされたメディアプレゼンテーションを配信チャネルのアプリケーションプログラムインタフェース(Application Program Interface:API)85へ配信し、そこでメディアプレゼンテーションは放送信号と合併(マージ)される。メディアプレゼンテーションを放送信号に合併(マージ)するために必要とされるシステム及び方法は当該分野では周知で、本発明の本記述の範囲外である。また、当業者であれば、メディアプレゼンテーションを放送信号又は別のメディアフォーマットに関連付けるために必要とされるシステム及びプロセスは、イベントを視聴者に送信するために使用される配信チャネルのタイプとメディアを配信するために使用されるプラットフォームに依存することは容易に理解されよう。放送信号を拡充するために使用される一部の周知のプロセスは、限定することなく、メディアプレゼンテーションを放送信号と多重化すること、並びに、メディアプレゼンテーションを放送信号の垂直帰線消去区間に挿入することを含む。
【0071】
拡充した放送信号を放送するために使用される配信チャネルとは独立にメディアプレゼンテーションがアセンブルされるという事実は、本発明の新規の特徴であり利点でもある。上述のパラグラフでは、放送スケジュールをモニタして新たなイベントがプレイリスト20に登録されると直ぐに複数のクライアント固有のタイミングアプリケーション45に通知するシステムが説明された。各タイミングアプリケーション45は同じイベント識別子を受信する一方、そのイベントに応答してタイミングアプリケーション45が検索しかつアセンブルするスクリプト及びメディア要素は全く異なる場合がある。好ましい実施形態では、各タイミングアプリケーション45は、クライアント用にメディアプレゼンテーションを収集してアッセンブルするよう構成される。そして、各クライアントは、それぞれ自分自身の1組のビジネスルール及びハードウェア制限を有するので、第1のタイミングアプリケーション45によってアセンブルされたメディアプレゼンテーションは、第2のタイミングアプリケーション45にアセンブルされたメディアプレゼンテーションとは全く異なる場合がある。
【0072】
一例として、特定のイベント識別子に応答して、第1のタイミングアプリケーション45は、番組説明と番組に登場する各出演者の略歴と番組の放送が予定されている次週の放送予定時間のリストなどを提示する一連のタブを視聴者に提供するテキストオーバーレイの形態のメディアプレゼンテーションをアセンブルすることをそのタイミングアプリケーションに指示するスクリプトを使用する。第2のタイミングアプリケーション45は、同じイベント識別子を受信するが、この第2のタイミングアプリケーションに関連するクライアントは複数プレイヤによるトリビアゲームの形態のメディアプレゼンテーションをそれが生成するよう設定している。そして、クライアント固有の第3のタイミングアプリケーション45は、これも全く同じイベント識別子に応答して、ストリーミングビデオの形態の広告を視聴者に配信するよう設定することができる。
【0073】
図4は、メディアプレゼンテーションを構成する様々なメディア要素を検索してアセンブルするために使用されるステップのフロー図を示す。ステップ200において、タイミングアプリケーション45は、新たなイベントが放送プレイリスト20に登録されるとオンホライズントリガーを受信する。好ましい実施形態では、オンホライズントリガーは、一般的に、ステップ210においてタイミングアプリケーション45がそのイベントに関連するスクリプトを検索するためにコンテンツデータベース50に問い合わせるために使用するそのイベントのイベント識別子を含む。オンホライズントリガーがイベント識別子を含まない場合或いはそのイベント識別子での問い合わせによって関連するスクリプトが見つからない場合のいずれかの場合において、タイミングアプリケーション45は、ネットワークスクリプト又はタイムテーブルスクリプトといったスクリプトをデフォルトに設定する。しかし、多くの場合、タイミングアプリケーション45はそのイベントに関連する複数のスクリプトを見出すことができる。
【0074】
好ましい実施形態では、コンテンツデータベース50から検索されるあらゆるスクリプトはそれ自身の固有の識別子を有しており、ステップ220において、タイミングアプリケーション45は、そのスクリプト識別子を使用してコンテンツデータベース50にある別のテーブルに問い合わせて第1のスクリプトのための第1のタイマを取得する。後述するように、タイミングアプリケーション45は、タイマ(timers)をメディア要素(media elements)と結び付け、それらのタイマを使用してメディアプレゼンテーションの開始を放送信号と同期させる。例えば、ある特定のイベントは10分の継続時間を有する場合があるが、そのイベントのスクリプトは、第1のメディアプレゼンテーションがそのイベントの前半に使用されると共にイベントの開始から7分30秒のところでタイミングアプリケーションが第2のメディアプレゼンテーションを開始することを要求する場合がある。この例では、イベントがオンエアになると直ぐにそのスクリプトのための第1のタイマは第1のメディアプレゼンテーションを開始するために生成される。第2のタイマもイベントがオンエアになる瞬間に開始されるが、第2のメディアプレゼンテーションを即座に開始するのではなく、第2のタイマはタイミングアプリケーション45に第2のメディアプレゼンテーションの開始を引き起こさせる7分30秒前からカウントダウンすることになる。
【0075】
好ましい実施形態では、タイマは、動的コンテツの配信においてもある役割を果たす。例えば、スポーツイベントのライブ放送のためのスクリプトは、タイミングアプリケーション45に対しそのスポーツイベントについてのライブスコア及び統計資料を動的コンテンツソース70から捕捉し、それらのスコアと統計資料をテレビスクリーンの最下部にバナー表示することを指示することができる。斯かる場合において、タイマが生成されるがその際に、例えば15秒置きといった所定の時間間隔でタイマがタイミングアプリケーション45に動的コンテンツの更新を要求するトリガーを送り、そのトリガーがこの例では例えばタイミングアプリケーション45に対し動的データソース70から最新のスコア及び統計資料を検索させるようにすることができる。更新データが検索されると直ぐに、タイミングアプリケーション45は、そのデータをコンテンツキャッシュ60に送り、即座にそのデータをキャッシュ60から配信チャネルに放つ。
【0076】
図4に戻って説明を続ける。ステップ230において、タイミングアプリケーション45は、タイマを一意に識別するタイマ識別子を使用して、好ましくはコンテンツデータベース50に存在する放送アイテムテーブル(broadcast items table)に問い合わせる。各タイマ識別子には少なくとも1つの放送アイテムが付随するが、あらゆるタイマに2以上の放送アイテムが存在することがある。好ましい実施形態では、放送アイテムテーブルは、レコード(record)を一意に識別する放送アイテム識別子を含み、またビデオ番組を拡充するために放送信号に同期するメディア要素(すなわち未加工コンテンツ(raw content))を識別するコンテンツ識別子を更に含む。ステップ240において、タイミングアプリケーション45は、コンテンツ識別子を使用して放送アイテムレコードにおいて特定されたメディア要素を検索する。
【0077】
テレビ番組を拡充するために使用することができるあらゆる可能なコンテンツフォーマットを列挙することはほとんど不可能であり、とにかく本記述の範囲外にある。当業者であれば、限定はしないが、テキスト、グラフィック又はフォトグラフィック・イメージ、ストリーミングビデオといったものを含む拡充コンテンツがインタネットサイト又は多種多様な動的データソースにリンクすることができる幅広い種類のフォーマットにはなじみがある。
【0078】
好ましい実施形態では、放送アイテムレコードにあるコンテンツ識別子は、映像番組を拡充するために使用することができる任意のあらゆる形態のメディアにリンクすることができる。さらに、コンテンツ識別子は、メディアコンテンツを参照し、メディアコンテンツは複数の他のメディア要素を参照することがある。一例として、放送アイテムレコードにあるコンテンツ識別子は、リストコンテンツにリンクする場合がある。そして、リストコンテンツは、それ自体でそれぞれランダムにカルーセルフォーマット(carousel format)又は連結フォーム(concatenated form)でアクセス可能な複数の他のメディア要素を提示する場合がある。コンテンツリストの形態を採るメディア要素の場合、そのコンテンツリストを参照する放送アイテムレコードは、コンテンツリストによって参照されるメディア要素の一部又は全て(放送アイテムは、コンテンツリストから単一のメディア要素へのアクセス,そのリスト,又は全リストからメディア要素の部分集合へのアクセスを要求する場合がある)とそれらにアクセスする方法(すなわち、ランダム、順次、又は連結)を特定する。
【0079】
放送アイテムリストのコンテンツ識別子は、従って、特定のメディア要素又は複数のメディア要素を参照するデータ構造を参照することができる。コンテンツリストの場合、放送アイテムは、コンテンツリストを特定してそのコンテンツリストがアクセスされる最初の回に第1のメディア要素が使用されるべきこと、そのコンテンツリストがアクセスされる次の回に第2のメディア要素が使用されるべきこと等々を決めるためのフレキシビリティを有する。このように様々なレベルのコンテンツデータ構造を使用することにより、メディア要素が組み合わされイベントのスクリプトを記述することができる方法に極めて大きなフレキシビリティがもたらされる。
【0080】
図4に再び戻って説明を続ける。タイミングアプリケーション45が最初の放送アイテムにおいて参照される全てのメディア要素を検索したら、プロセスは、ステップ250に進んで追加の放送アイテムがタイマにおいて参照されるかを調べる。追加の放送アイテムが存在する場合には、プロセスは、ステップ230に戻ってそこで次の放送アイテムが検索されメディア要素を検索するプロセスが繰り返される。タイマにある全ての放送アイテムについてコンテンツが検索されたら、プロセスは、ステップ260に進んで追加のタイマがスクリプトにおいて参照されるかを調べる。追加のタイマがあれば、プロセスは、ステップ220に戻り、プロセスは新たな回で繰り返す。全てのタイマにおける全ての放送アイテムについてメディア要素が検索されたら、プロセスは、ステップ270に進んで追加のスクリプトが新たなイベントのイベント識別子と合致するかを調べる。追加のスクリプトが存在する場合には、タイミングアプリケーション45は、ステップ210に戻りプロセスは、あらゆるスクリプトにおいて参照されるコンテンツが検索されるまで繰り返す。
【0081】
ステップ280において、タイミングアプリケーション45は、各々のスクリプトの優先順位を調べ、イベントが放送されるときにどれが使用されるかを決める。デフォルトの優先順位があらゆるスクリプトに付随し、優先順位が最高のスクリプトが一般に選ばれるスクリプトである。しかし、好ましい実施形態では、スクリプトのデフォルトの優先順位は変更又は無効にすることが可能で、それにより特定のスクリプトが一定のイベントで又は特定のタイムスロットの間に実行されることを指定する能力がユーザにもたらされる。
【0082】
ステップ290において、調整プロセス(reconciliation process)により選ばれたスクリプトにおいて参照されるメディア要素は、メディア並びにアセンブルされたメディアプレゼンテーションを受け取るクライアントの特定の要件に基づいてアセンブルされてフォーマットされる。メディアプレゼンテーションがアセンブルされると直ぐに、タイミングアプリケーション45は、フォーマットされたコンテンツをコンテンツキャッシュ60に転送して、そこでそれはイベントがオンエアされるまでコンテンツキャッシュに記憶される。
【0083】
当業者であれば、本発明の利点は、メディアプレゼンテーションを放送フィードに同期させる問題に対して本発明はある対策を打ち出していることにあることは理解されよう。現時点では、拡充コンテンツは、放送スケジュールの予期しない変更に対応することができない手作業プロセスを通じて、或いは拡充コンテンツを放送信号と物理的にリンクさせるいくつかあるプロセスの1つを通じて、放送信号と同期させられる。それとは対照的に、本発明は、放送タイミングサーバ35からのオンホライズントリガーを使用してタイミングアプリケーション45に対し新たなイベントが放送プレイリスト20に登録されたことを警報(alert)する。この警報はタイミングアプリケーション45に、タイミングアプリケーション45がイベントがオンエアになる前にコンテンツを検索し、アセンブル、キャッシュする機会を有するというイベントの十分に事前の通知を与える。従って、放送タイミングサーバ35がオンエアトリガーを送ると、コンテンツの一部又は全てはそれが放送信号と同期するよう既にアセンブルされていつでも配信チャネルへ転送できる状態になる。また、放送タイミングサーバは継続的に放送プレイリスト20をモニタするので、拡充メディア生成配信システム10は、起こるかもしれない任意の予期しないスケジュール変更に対応することができる。
【0084】
詳細な説明を締めくくるに当たり、当業者にとっては本発明の原理を実質的に逸脱することなく好ましい実施形態に対して多くの変更や修正を施すことが可能なことは注意されたい。また、こうした変更や修正は本願特許請求の範囲の請求項によって画定される本発明の範囲内にあることが意図されている。さらに本願特許請求の範囲の請求項においては、構造,材料,働き及び全ての手段又はステップ・プラス・ファンクションの均等物はそれらの指定された機能を実行するための任意の構造,材料,又は働きを含むことが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の一形態に基づく双方向コンテンツ生成配信システムのブロック図である。
【図2】放送プレイリストに新たなイベントが現れるときに起こる処理のフロー図である。
【図3】イベントがオンエアになるときに起こる処理のフロー図である。
【図4】イベントの双方向コンテンツを検索し、アセンブル、フォーマットするために行われるステップのフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオイベントを拡充するために使用されるメディアプレゼンテーションを、このメディアプレゼンテーションが前記ビデオイベントの放送と同時に配信チャネルに配信されるように、アセンブルして配信する双方向情報システムにおいて、
放送が予定されたイベントのプレイリストをモニタし、かつ、新たなビデオイベントが前記プレイリストに登録されたことを示すオンホライズントリガーと、前記新たなビデオイベントの放送が始まったことを示すオンエアトリガーとを生成するように構成された放送タイミングサーバと、
前記オンホライズントリガーに応答して前記メディアプレゼンテーションをアセンブルし、かつ、前記オンエアトリガーに応答して前記メディアプレゼンテーションを前記配信チャネルに配信するメディアプレゼンテーションエンジンと、
を具備することを特徴とする双方向情報システム。
【請求項2】
前記オンホライズントリガーは、前記新たなビデオイベントを識別するイベント識別子を含むことを特徴とする請求項1に記載の双方向情報システム。
【請求項3】
前記メディアプレゼンテーションエンジンは、前記新たなビデオイベントに関連する前記メディアプレゼンテーションを特定するスクリプトを検索するために、前記イベント識別子でメディアコンテンツデータベースに問い合わせるよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載の双方向情報システム。
【請求項4】
前記スクリプトは、前記ビデオイベントに関連する1つ又は複数のメディア要素を特定し、前記メディアプレゼンテーションエンジンは、前記1つ又は複数のメディア要素から前記メディアプレゼンテーションをアセンブルするよう構成されていることを特徴とする請求項3に記載の双方向情報システム。
【請求項5】
前記メディアプレゼンテーションエンジンは、更に、少なくとも1つ又は複数のタイマを前記1つ又は複数のメディア要素と結び付け、前記オンエアトリガーに応答して前記少なくとも1つのタイマを開始するよう構成されていることを特徴とする請求項4に記載の双方向情報システム。
【請求項6】
前記メディアプレゼンテーションエンジンは、更に、前記タイマによって決められた時間に前記1つ又は複数のメディア要素の少なくとも一部を配信するよう構成されていることを特徴とする請求項5に記載の双方向情報システム。
【請求項7】
前記メディアプレゼンテーションエンジンは、更に、前記タイマによって決められた時間に動的データソースからメディア要素を検索するよう構成されていることを特徴とする請求項5に記載の双方向情報システム。
【請求項8】
前記メディアプレゼンテーションエンジンから前記メディアプレゼンテーションを受信し、前記新たなビデオイベントの放送が開始されるまで前記メディアプレゼンテーションを記憶するメディアコンテンツキャッシュを更に具備することを特徴とする請求項1に記載の双方向情報システム。
【請求項9】
前記メディアプレゼンテーションエンジンは、前記メディアプレゼンテーションがアセンブルされたら直ぐに前記メディアコンテンツキャッシュに前記メディアプレゼンテーションを記憶し、前記オンエアトリガーが受信されたら前記記憶されたメディアプレゼンテーションを前記配信チャネルに転送するよう構成されていることを特徴とする請求項8に記載の双方向情報システム。
【請求項10】
前記放送タイミングサーバは、新しいプレイリストを毎秒1回検索することによって前記プレイリストをモニタすることを特徴とする請求項1に記載の双方向情報システム。
【請求項11】
前記放送タイミングサーバは、前記新しいプレイリストを最近のプレイリストと比較することによって前記プレイリストの変更を確認することを特徴とする請求項6に記載の双方向情報システム。
【請求項12】
前記プレイリストは、放送運営センターによって作成されることを特徴とする請求項1に記載の双方向情報システム。
【請求項13】
複数のメディアプレゼンテーションを複数の配信チャネルへそれらの配信がイベントの放送と同時になるようにアセンブルして配信する方法において、
放送の予定が組まれたイベントのプレイリストに前記イベントが登録されたことを知らせる第1の通知を受信するステップと、
前記通知に応答して第1及び第2のメディアプレゼンテーションをアセンブルするステップと、
前記イベントの放送の始まったことを知らせる第2の通知を受信したら直ぐに前記第1のメディアプレゼンテーションを第1の配信チャネルに配信し、前記第2のメディアプレゼンテーションを第2の配信チャネルに配信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記第1及び第2のメディアプレゼンテーションの配信は、同時に行われることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の配信チャネルは、放送信号を配信するために使用される第1のプラットフォームに関連し、前記第2の配信チャネルは、放送信号を配信するために使用される第2のプラットフォームに関連することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1及び第2のメディアプレゼンテーションを配信するステップは、前記第1のメディアプレゼンテーションを前記第1の配信チャネルに関連する第1のアプリケーションプログラムインタフェースに配信するステップと、前記第2のメディアプレゼンテーションを前記第2の配信チャネルに関連する第2のアプリケーションプログラムインタフェースに配信するステップとを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のメディアプレゼンテーションを前記イベントの放送と組み合わせて第1の拡充した放送信号を生成し、前記第2のメディアプレゼンテーションを前記イベントの放送と組み合わせて第2の拡充した放送信号を生成するステップを更に含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の拡充した放送信号は、第1のビデオ伝送プラットフォームを通じて放送され、前記第2の拡充した放送信号は、第2のビデオ伝送プラットフォームを通じて放送されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の拡充した放送信号は、前記第1のメディアプレゼンテーションを前記イベントの放送の垂直帰線消去区間に挿入した結果であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の拡充した放送信号は、前記第1のメディアプレゼンテーションを前記イベントの放送と多重化した結果であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
メディアプレゼンテーションを配信チャネルへイベントの放送と同時になるようアセンブルして配信する方法において、
前記イベントに関連するイベント識別子を含んでおり、前記イベントが放送の予定が組まれたことを示すオンホライズントリガーを受信するステップと、
前記イベントに関連したスクリプトであって、前記イベントと一緒に放送されることになっている1つ又は複数のメディア要素を特定するスクリプトを捕捉するために、前記イベント識別子でメディア要素のデータベースに問い合わせるステップと、
前記1つ又は複数の特定されたメディア要素に少なくとも部分的に基づいてメディアプレゼンテーションをアセンブルするステップと、
前記イベントの放送が開始されたことを知らせる通知を受信したら直ぐに前記アセンブルされたメディアプレゼンテーションを前記配信チャネルに配信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記メディアプレゼンテーションをアセンブルするステップは、
メディアコンテンツデータベースから前記1つ又は複数のメディア要素を検索するステップと、
前記1つ又は複数のメディア要素を前記配信チャネル用にフォーマットするステップと、
前記メディア要素をキャッシュに記憶するステップと、
を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記アセンブルされたメディアプレゼンテーションを配信するステップは、前記フォーマットされたメディア要素を前記キャッシュから前記配信チャネルへ転送するステップを含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記アセンブルされたメディアプレゼンテーションを配信するステップは、
前記イベントの放送が始まったことを知らせる通知を受信するステップと、
前記通知を構文解析して前記イベントに対するオンエアイベント識別子を捕捉するステップと、
前記イベントに関連する前記メディアプレゼンテーションを特定するために前記オンエアイベント識別子で前記キャッシュに問い合わせるステップと、
前記メディアプレゼンテーションを前記キャッシュから前記配信チャネルへ転送するステップと、
を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記アセンブルされたメディアプレゼンテーションを配信するステップは、
前記イベントの放送が始まったことを知らせる通知を受信するステップと、
前記通知を構文解析して前記イベントに対するオンエアイベント識別子を捕捉するステップと、
前記イベントに関連する前記メディアプレゼンテーションを特定するために前記オンエアイベント識別子で前記キャッシュに問い合わせるステップと、
少なくとも1つの動的データソースから1つ又は複数の動的メディア要素を捕捉するステップと、
前記動的メディア要素を前記キャッシュされたメディア要素と併合するステップと、
前記メディアプレゼンテーションを前記キャッシュから前記配信チャネルへ転送するステップと、
を含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項26】
ビデオイベントを拡充するためにメディアを使用し、前記拡充メディアを前記ビデオイベントの放送と同時に配信チャネルに配信する方法において、
放送の予定が組まれたイベントのプレイリストに前記ビデオイベントが登録されたことを知らせる通知を受信するステップと、
前記ビデオイベントに関連する複数のスクリプトを検索するステップと、
前記ビデオイベントの放送に使用するために前記複数のスクリプトの中から1つのスクリプトを選ぶステップと、
前記選ばれたスクリプトに関連するメディアプレゼンテーションをアセンブルするステップと、
前記メディアプレゼンテーションを前記ビデオイベントの放送と同時になるように前記配信チャネルへ配信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項27】
前記複数のスクリプトの各スクリプトは、それぞれ異なるメディアプレゼンテーションを特定することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記プレイリストは、放送の予定が組まれた次の10個のイベントのリストから成ることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記次の10個のイベントの各イベントにはそれぞれ前記プレイリストにおけるイベントポジションが割り当てられており、イベントポジション0は現在放送中のイベントを表し、イベントポジション9は前記次の10個のイベントの放送されることになっている最後のイベントを表すことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記通知は、前記ビデオイベントが前記プレイリストのイベントポジション9に登録されたときに受信されることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記複数のスクリプトの中から1つのスクリプトを選ぶステップは、スクリプトの階層において最も優先順位が高いスクリプトを選ぶステップを含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
テレビネットワークで放送される予定が組まれたイベントに対してメディアプレゼンテーションを同期させ、前記メディアプレゼンテーションを前記テレビネットワークに関連する配信チャネルを通じて前記テレビネットワークに配信する方法において、
前記イベントに対するイベント識別子を捕捉するステップと、
前記イベント識別子に関連する1つ又は複数のメディア要素を特定するためにメディア要素のデータベースに問い合わせるステップと、
特定されたメディア要素に少なくとも部分的に基づいて前記メディアプレゼンテーションをアセンブルするステップと、
前記メディアプレゼンテーションをキャッシュするステップと、
前記イベントの放送が始まったことを知らせる通知に応答して前記メディアプレゼンテーションを前記配信チャネルへ転送するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項33】
ビデオイベントの放送の開始と同時になるようにメディアプレゼンテーションを配信チャネルに配信することによって前記ビデオイベントを拡充する方法において、
放送の予定が組まれたビデオイベントのプレイリストに前記ビデオイベントが登録されたことを知らせる通知を受信するステップと、
前記ビデオイベントに関連したスクリプトであって、静的な部分と動的な部分とを含む前記ビデオイベントに関連したメディアプレゼンテーションを記述するスクリプトを検索するステップと、
前記メディアプレゼンテーションの前記静的な部分をアセンブルするステップと、
前記静的な部分をメモリ領域に記憶するステップと、
前記イベントの放送が始まったことを知らせる通知に応答して前記メディアプレゼンテーションの前記動的な部分を検索するステップと、
前記メディアプレゼンテーションの前記静的な部分及び前記動的な部分を前記配信チャネルに配信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項34】
前記メディアプレゼンテーションの動的な部分を検索するステップは、動的データソースから1つ又は複数のメディア要素を検索するステップを含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記メディアプレゼンテーションの動的な部分を検索するステップは、動的データソースからXMLフィードを検索するステップを含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記XMLフィードを構文解析して前記スクリプトにおいて参照される1つ又は複数のメディア要素を捕捉するステップを更に具備することを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記スクリプトにおいて参照される前記1つ又は複数のメディア要素と、前記1つ又は複数のメディア要素の表示の仕方を記述する少なくとも1つのメディア表示命令とから成る内部XMLファイルを生成するステップを更に具備することを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
ビデオイベントを拡充するために使用されるメディアプレゼンテーションを、このメディアプレゼンテーションが前記ビデオイベントの放送と同時に配信チャネルに配信されるように、アセンブルして配信する双方向情報システムにおいて、
放送の予定が組まれたイベントのプレイリストをモニタし、前記プレイリストに新たなビデオイベントが登録されたときに、前記新たなビデオイベントに関連するイベント識別子を含むトリガーを生成する放送タイミングサーバと、
前記トリガーを受信し、前記新たなビデオイベントに関連する複数のメディアプレゼンテーションを特定するために前記イベント識別子でメディアデータベースに問い合わせると共に、前記複数のメディアプレゼンテーションの中から1つのメディアプレゼンテーションを選び、前記新たなビデオイベントの放送が始まるときに前記選ばれたメディアプレゼンテーションをアセンブルして前記配信チャネルに配信するメディアプレゼンテーションエンジンと、
を具備することを特徴とする双方向情報システム。
【請求項39】
メディアイベントのプレイリストへの登録を検出するステップと、
前記メディアイベントを拡充するためのメディアプレゼンテーションを前記メディアイベントに基づいてアセンブルするステップと、
前記メディアイベントが前記プレイリストの先頭に到達して放映を開始することに基づいて、放送のための前記メディアプレゼンテーションを前記メディアイベントと一緒に配信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項40】
前記メディアイベントは、ビデオセグメントであることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記メディアイベントは、オーディオセグメントであることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記メディアプレゼンテーションは、前記メディアイベントに関連するイベント識別子を使用してデータベースから検索されたスクリプトを実行することによってアセンブルされることを特徴とする請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記スクリプトは、前記メディアプレゼンテーション及び前記メディアイベントが配信される特定の配信チャネルに関連していることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記スクリプトは、前記メディアプレゼンテーション及び前記メディアイベントが配信される特定のクライアントに関連していることを特徴とする請求項40に記載の方法。
【請求項45】
放送されるメディアイベントに基づいてスクリプトを検索するステップと、
前記スクリプトを実行して前記メディアイベントと放送されるメディアプレゼンテーションを生成するステップと、
前記メディアイベントと一緒に放送するよう前記メディアプレゼンテーションを配信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項46】
前記スクリプトは、前記メディアプレゼンテーション及び前記メディアイベントが配信されるクライアントに関連するビジネスルールを含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記スクリプトは、前記メディアプレゼンテーション及び前記メディアイベントが配信される配信チャネルに関連するビジネスルールを含むことを特徴とする請求項45に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−500492(P2007−500492A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533387(P2006−533387)
【出願日】平成16年5月24日(2004.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2004/016373
【国際公開番号】WO2004/107759
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(505432946)ターナー・ブロードキャスティング・システム,インコーポレイテッド(ティービーエス,インコーポレイテッド) (1)
【Fターム(参考)】