説明

放送受信装置及び録画再生装置

【課題】ネットワーク機能を生かし、ユーザが活用できる情報を提供することで付加価値を向上させた放送受信装置及び録画再生装置を提供することである。
【解決手段】ネットワーク機能を有する放送受信装置10は、所定チャンネルの放送予定番組の注目度を算出する場合、ネットワーク上で複数のユーザによって書き込まれた各チャンネルに関する情報群であるそれぞれのクラスタにアクセスし、全クラスタにおける前記放送予定番組開始前の所定時間の書き込み件数に対する前記所定チャンネルに関するクラスタにおける前記放送予定番組開始前の所定時間の書き込み件数の割合を算出し、これを前記放送予定番組の注目度とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク機能を有する放送受信装置及びネットワーク機能を有する録画再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のテレビ放送の番組視聴率調査は、予め複数の調査対象者を選び、同じ時間にそれぞれの調査対象者が選局しているチャンネルを調べることによって行われている。このような調査の後、そのチャンネルを選局している調査対象者(視聴者)の調査対象者全体における割合を求め、番組の視聴率としている。
【0003】
視聴率は、番組の注目度(人気度)を判断する上で重要な資料であり、視聴者側にとってもどの番組が面白そうであるかを判断する材料となる。しかし、このような視聴率調査の結果は番組放送後に発表されるため、視聴者が現在放送中の番組の注目度を判断する材料にはできない。また、視聴者にとっては次に放送される番組の注目度も気になると考えられるが、未だ放送されていない番組の視聴率は算出できない。そこで、現在放送中又は放送予定の番組の注目度を判断する材料をリアルタイムに提供する技術が種々提案されている。
【0004】
例えば特許文献1には、過去の同時間帯において放送された複数の放送済テレビ番組それぞれの特性を示す放送済番組特性情報と、複数の視聴者それぞれが複数の放送済テレビ番組の中から選択して視聴したテレビ番組を示す選択番組情報とに基づいて、テレビ番組の選択行動をモデル化した番組選択モデルを視聴者毎に構築する番組選択モデル構築部と、上記所定日時において放送される複数の未放送テレビ番組の編成を示す番組編成情報と、複数の未放送テレビ番組それぞれの特性を示す未放送番組特性情報とに基づいて、複数の未放送テレビ番組の中から視聴者が選択して視聴すると予測される未放送テレビ番組である予測視聴番組を上記番組選択モデルを用いて視聴者毎に判定する選択番組判定部とを備えた視聴率予測装置が開示されている。
【0005】
また特許文献2には、視聴者のユーザ・プロフィールを遠隔アクセスする工程及びビデオ・コンテンツの特性をユーザ・プロフィールと比較してビデオ・コンテンツについての推奨を生成する工程を有し、好ましくは、アクセスする工程及び比較する工程が複数の視聴者について繰り返され、複数の視聴者毎に、相当する推奨がビデオ・コンテンツについて生成され、統計解析が複数の推奨に対して行われてビデオ・コンテンツについての視聴率が予測される未放送番組の視聴率予測方法が開示されている。
【0006】
また特許文献3には、番組情報提供サーバの情報作成部は、番組視聴率情報に基づいて放送予定の番組をランク付けして番組ランク予測情報に格納し、端末装置は、番組ランク予測情報及び電子番組表をダウンロードし、録画番組・ダイジェスト作成部は、番組ランク予測情報を参照して最高ランクの番組を自動録画する自動録画システムが開示されている。
【0007】
また特許文献4には、複数の受信装置における視聴予約及び/又は録画予約に関する情報を収集し、当該収集した情報と放送開始時間までの時間情報を基に、放送される番組における視聴率を予測する視聴率予測方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−130585号公報
【特許文献2】特開2006−506872号公報
【特許文献3】特開2005−184289号公報
【特許文献4】特開2004−129245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、現在放送中又は放送予定の番組の注目度を判断する材料をリアルタイムに提供する技術は色々なものが提案されているが、現在特定の技術が普及しているという訳ではなく、さらなる改良や新たな技術が誕生する余地がある。また、その注目度をどのように活用するかも色々考えることができる。
【0010】
本発明は、ネットワーク機能を生かし、ユーザが活用できる情報を提供することで付加価値を向上させた放送受信装置及び録画再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、ネットワーク機能を有する放送受信装置において、所定チャンネルの放送予定番組の注目度を算出する場合、ネットワーク上で複数のユーザによって書き込まれた各チャンネルに関する情報群であるそれぞれのクラスタにアクセスし、全クラスタにおける前記放送予定番組開始前の所定時間の書き込み件数に対する前記所定チャンネルに関するクラスタにおける前記放送予定番組開始前の所定時間の書き込み件数の割合を算出し、これを前記放送予定番組の注目度とすることを特徴とする。
【0012】
上記の放送受信装置において、前記注目度を電子番組表の一部に表示させることが好ましい。
【0013】
また上記の放送受信装置において、前記注目度を番組視聴中にOSD表示させることが好ましい。
【0014】
また上記の放送受信装置において、前記全クラスタにおける前記放送予定番組開始前の所定時間の書き込み件数は、各クラスタの前記放送予定番組開始前の所定時間の書き込み内容をそれぞれ各チャンネルにおける前記放送予定番組開始時に放送予定の番組の番組情報と比較し、合致する語句が含まれた書き込みの件数であり、前記所定チャンネルに関するクラスタにおける前記放送予定番組開始前の所定時間の書き込み件数は、前記放送予定番組開始前の所定時間の書き込み内容を該所定チャンネルにおける前記放送予定番組の番組情報と比較し、合致する語句が含まれた書き込みの件数であるとしてもよい。
【0015】
また上記の放送受信装置において、前記注目度が第1の範囲に入る番組を自動的に視聴予約するようにしてもよい。
【0016】
また上記の放送受信装置において、前記第1の範囲はユーザが設定可能であることが好ましい。
【0017】
また上記の放送受信装置において、前記注目度が第1閾値以上でかつ1番高い番組を自動的に視聴予約するようにしてもよい。
【0018】
また本発明は、上記の何れかに記載の放送受信装置を備えた録画再生装置であって、前記注目度が第2の範囲に入る番組を自動的に録画予約することを特徴とする。
【0019】
上記の録画再生装置において、前記第2の範囲はユーザが設定可能であることが好ましい。
【0020】
また、上記の何れかに記載の放送受信装置を備えた録画再生装置であって、前記注目度が第2閾値以上でかつ1番高い番組を自動的に録画予約するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、ネットワークの情報を活用して放送予定番組の注目度を視聴中のユーザに提供することで、ユーザは注目度を参考にして次に視聴するチャンネルを選択することができる。注目度は複数人の心情を反映させたものであるので、ユーザにとって有用な情報となり、装置の付加価値を向上させることができる。また、注目度は視聴予約や録画予約に利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の光ディスク装置の構成及びその周辺機器を示すブロック図である。
【図2】本発明の光ディスク装置における注目度の算出に関する動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の電子番組表の画面の一例である。
【図4】本発明のOSD表示した画面の一例である。
【図5】本発明の光ディスク装置における注目度の算出に関する動作の他の例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の光ディスク装置の視聴予約動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の光ディスク装置の録画予約動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の録画リストの画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の放送受信装置又は録画再生装置の一例として、デジタルテレビ放送を受信して録画できるハードディスクドライブ(HDD)一体型の光ディスク装置を用いて説明する。
【0024】
図1は、光ディスク装置10の構成及びその周辺機器を示すブロック図である。光ディスク装置10には、テレビ等の表示装置11と、ネットワーク12とが接続されている。以下では、ネットワーク12はインターネットであるとして説明する。また光ディスク装置10は、リモコン13によって操作可能である。
【0025】
光ディスク装置10は、アンテナ14で受信したデジタルテレビ放送信号を復調、デジタル化するチューナ16と、チューナ16から受け取った映像/音声データをMPEG2等に準拠して圧縮符号化したり、HDD記録再生部18又はBD/DVD記録再生部19で再生された圧縮された映像/音声データを伸長復号したりする映像/音声圧縮伸長部17と、映像/音声圧縮伸長部17から受け取った圧縮された映像/音声データをHDDに記録したり、HDDに記録されたデータを再生したりするHDD記録再生部18と、映像/音声圧縮伸長部17から受け取った圧縮された映像/音声データを挿入されたDVD又はBDに記録したり、DVD又はBDに記録されたデータを再生したりするBD/DVD記録再生部19と、EPG(電子番組表)やEPGの一部に後述する注目度を入れたものや後述する注目度そのものを表示装置11に表示させたり、各種設定値を表示装置11の一部に表示しながら設定できるようにするOSD(On Screen Display)部20と、OSD部20からの映像信号をアナログ化し、表示装置11へ出力する映像出力部21と、映像/音声圧縮伸長部17からの音声信号をアナログ化し、表示装置11へ出力する音声出力部22と、ROMやRAMからなるメモリ23と、リモコン13からの信号を受信するリモコン受信部24と、ネットワーク12との接続を行う通信部25と、光ディスク装置10の各部を制御する制御部26とを備えている。
【0026】
また、制御部26は、所定チャンネルの放送予定番組の注目度を算出する場合、ネットワーク上で複数のユーザによって書き込まれた各チャンネルに関する情報群であるそれぞれのクラスタにアクセスし、全クラスタにおける放送予定番組開始前の所定時間の書き込み件数に対する所定チャンネルに関するクラスタにおける放送予定番組開始前の所定時間の書き込み件数の割合を算出し、これを上記放送予定番組の注目度とする処理の制御も行う。以下に、この制御について詳しく説明する。
【0027】
クラスタとは、ここではネットワーク上で複数のユーザによって書き込まれた各チャンネルに関する情報群を指すものとし、具体的には、SNS(Social Networking Service)であれば、チャンネル(放送局)毎の掲示板、Twitterであれば、#(ハッシュタグ)付き放送局名(#Fuji、#TBS、#NHKなど)を含む書き込み群などである。
【0028】
図2は、光ディスク装置10における注目度の算出に関する動作を示すフローチャートである。ここでは、所定チャンネルの次の放送予定番組の注目度を算出する例について説明する。光ディスク装置10の電源がオン又はスタンバイの状態で、ステップS10において該放送予定番組開始前の所定時間における開始時刻になったか否かを判別する。例えば、所定時間は該放送予定番組開始前の10分前を開始時刻とする1分間とすることができる。そうすると、例えば該放送予定番組開始時刻が19:00である場合、10分前の18:50が上記開始時刻となり、18:50〜18:51の1分間が上記所定時間となる。
【0029】
ステップS10で所定時間の開始時刻になったと判別した場合、ステップS11へ進んで通信部25はインターネットに接続し、予め登録された複数のクラスタにアクセスする。なお、アクセスしたクラスタの画面は表示装置11には表示させない。
【0030】
ここで、予め登録された複数のクラスタは、例えば、特定のSNSのチャンネル毎の掲示板のそれぞれのアドレスであったり、Twitterで#付き放送局名を検索した結果であったりする。Twitterにおいて予め登録されたクラスタにアクセスするには、Twitterの検索ページのアドレスにアクセスした後、予め登録された#付き放送局名で検索することで#付き放送局名を含む書き込み群が得られる。
【0031】
なお、予め登録された複数のクラスタは、メーカー側で製造時に登録されたものでも、ユーザが任意に登録したものでもよい。例えば、Twitterのクラスタの場合、製造時には#Fujiと登録されているクラスタをユーザが設定画面等から#FujiTVなどに変更できるようにしてもよい。また、SNSのクラスタの場合、製造時にはYahooのチャンネル毎の掲示板が登録されているのをユーザが設定画面等からgooのチャンネル毎の掲示板などに変更できるようにしてもよい。
【0032】
また、予め登録された複数のクラスタは、本光ディスク装置10で受信可能な全チャンネルとすることが好ましい。例えば、光ディスク装置10が地上デジタル放送とBSデジタル放送とを受信できる場合、地上デジタル放送及びBSデジタル放送の各チャンネルに対応したクラスタを登録しておく。
【0033】
次に、ステップS11からステップS12へ進んで各クラスタの書き込み件数を取得する。ここではステップS11及びステップS12に要する時間は無視できるものと考え、ステップS10での時刻と同時刻の書き込み件数を取得できるものとする。取得した情報はメモリ23又はHDD等に記憶する。メモリ23に記憶する場合はEEPROM等に記憶すればよい。取得する書き込みの期間としては、取得するときを終期とする期間であれば始期はいつでもよい。例えば、SNSの掲示板の場合、少なくともそのときの書き込み番号を取得すればよい。また、Twitterの場合、#付き放送局名で検索した結果得られる件数を取得すればよい。
【0034】
次に、ステップS12からステップS13へ進んで、制御部26はステップS12で書き込み件数を取得した時間から所定時間(例えば1分)経過したか否かを判別する。ステップS13で所定時間経過したと判別すると、ステップS14へ進んで通信部25は上記複数のクラスタへのアクセスを更新し、ステップS15へ進んで更新後の各クラスタの書き込み件数を取得する。取得した情報は先程と同様にメモリ23又はHDD等に記憶する。
【0035】
次に、ステップS15からステップS16へ進んで、各クラスタにおいて更新前後の書き込み件数の差分を算出する。つまり、各クラスタにおける所定時間の間の書き込み件数を算出する。
【0036】
次に、ステップS16からステップS17へ進んで各クラスタにおける所定時間の書き込み件数を合算して全クラスタにおける所定時間の書き込み件数を算出する。
【0037】
次に、ステップS17からステップS18へ進んで分母をステップS17で求めた全クラスタにおける所定時間の書き込み件数とし、分子をステップS16で求めた各クラスタにおける書き込み件数のうち、所定チャンネルのクラスタにおける書き込み件数とし、所定チャンネルのクラスタの書き込み件数の割合を算出する。そして、この割合を所定チャンネルのクラスタに対応する所定チャンネルの次の放送予定番組の注目度(人気度)とする。
【0038】
ここでいう注目度とは、インターネットでの書き込み件数に基づいた予想視聴率のようなものであり、そのクラスタの所定時間の書き込み件数が多いほどそのクラスタに対応するチャンネルの放送予定番組の注目度が高くなる。ステップS18の処理を各クラスタについてそれぞれ行えば、各チャンネルの注目度を求めることができる。
【0039】
例えば、クラスタとしてSNSの掲示板を用いる場合、ステップS18で分母をNHK、TBS・・・BS1、BS2・・・という各チャンネルの掲示板における所定時間の書き込み件数の合算とし、分子をNHKの掲示板における所定時間の書き込み件数とすれば、地上デジタル放送及びBSデジタル放送の中での地上デジタル放送のNHKの注目度を求めることができる。また、クラスタとしてTwitterの#付き放送局名の検索結果を用いる場合、ステップS18で分母を#NHK、#TBS・・・#BS1、#BS2・・・でそれぞれ検索した結果得られた所定時間の書き込み件数の合算とし、分子を#NHKで検索した結果得られた所定時間の書き込み件数とすれば、地上デジタル放送及びBSデジタル放送の中での地上デジタル放送のNHKの注目度を求めることができる。
【0040】
次に、ステップS18からステップS19へ進んで注目度を更新する時間か否かを判別する。この判別は、前回クラスタへアクセスした時間から一定時間(例えば1分)経過した場合や予め設定された時刻(例えば毎時50、52、54、56、58分)になった場合などとすればよい。そして、ステップS19において注目度を更新する時間になったと判別した場合、ステップS11に戻り、新たに注目度の算出を開始する。
【0041】
このようにして算出された注目度は、リモコン13からの指示に応じて、表示装置11の電子番組表の一部に表示されたり、表示装置11で番組視聴中にOSD表示されたりする。図3は、電子番組表の画面の一例である。画面30は、例えば、リモコン13の番組表キー(不図示)が操作された場合に表示される。画面30では、18:00〜19:00の欄が現在(例えば18:55)放送中の番組であり、19:00〜20:00の欄が次の放送予定番組である。各チャンネルの次の放送予定番組の欄に番組名とその番組の注目度とが表示されている。21:00以降の番組表には放送予定の番組名は表示されているが、その番組の注目度はまだ表示されていない。そして、リモコン13の下方向の矢印キー(不図示)などが操作されると、次ページのチャンネル表示に切り替わる。
【0042】
図4は、OSD表示した画面の一例である。画面40は、視聴中の番組の下部に次の放送予定番組の注目度一覧41をOSD表示した画面である。注目度一覧41は、例えば、番組視聴中にリモコン13の注目度キー(不図示)が操作された場合に表示される。注目度一覧41では、各チャンネルの次の放送予定番組の欄に番組名とその番組の注目度とが表示されている。そして、リモコン13の右方向の矢印キー(不図示)などが操作されると、次ページのチャンネル表示に切り替わる。
【0043】
注目度の表示は、図3や図4以外の表示形態でもよく、例えば、OSD表示で注目度の高い順に10番目までを順位を付けてチャンネルと番組名と注目度とを表示してもよい。
【0044】
このように、インターネットの情報を活用して放送予定番組の注目度を視聴中のユーザに提供することで、ユーザは注目度を参考にして次に視聴するチャンネルを選択することができる。注目度は複数人の心情を反映させたものであるので、ユーザにとって有用な情報となり、装置の付加価値を向上させることができる。
【0045】
次に、注目度の他の算出方法について説明する。図5は、光ディスク装置10における注目度の算出に関する動作の他の例を示すフローチャートである。ステップS20〜ステップS26までは図2のステップS10〜ステップS16と同様の処理であるので説明を省略する。
【0046】
ステップS26からはステップS27へ進んで、書き込み件数に基づいて、各クラスタから所定時間の書き込み内容を取得する。書き込み内容はテキスト情報として取得できる。
【0047】
次に、ステップS27からステップS28へ進んで、各クラスタの所定時間の書き込み内容をそれぞれ各チャンネルにおける上記放送予定番組開始時に放送予定の番組の番組情報と比較し、合致する語句が含まれた書き込みの件数をクラスタ毎に算出する。各番組の番組情報はEPG情報に含まれるものを利用することができる。
【0048】
次に、ステップS28からステップS29へ進んで分母をステップS28で求めたクラスタ毎の書き込み件数を全クラスタについて合算した件数とし、分子をステップS28で求めたクラスタ毎の書き込み件数のうち、所定チャンネルのクラスタにおける書き込み件数とし、所定チャンネルのクラスタの書き込み件数の割合を算出する。そして、この割合を所定チャンネルのクラスタに対応する所定チャンネルの次の放送予定番組の注目度(人気度)とする。
【0049】
例えば、あるクラスタの所定時間の書き込みの1つに、例えば「今日のニュースを見ています。」という内容のものがあった場合、「今日のニュース」という語句が図3の次の放送予定番組の番組名と合致するので、この書き込みをそのクラスタの書き込み件数に加算する。
【0050】
次に、ステップS29からステップS30へ進んで注目度を更新する時間か否かを判別する。この判別は、図2のステップS19と同様である。そして、ステップS30において注目度を更新する時間になったと判別した場合、ステップS21に戻り、新たに注目度の算出を開始する。
【0051】
このようにして算出された注目度は、リモコン13からの指示に応じて、表示装置11の電子番組表の一部に表示されたり(図3参照)、表示装置11で番組視聴中にOSD表示されたりする(図4参照)。
【0052】
このように、注目度を算出するための書き込み件数として、各クラスタの所定時間の書き込み内容をそれぞれ各チャンネルにおける上記放送予定番組開始時に放送予定の番組の番組情報と比較し、合致する語句が含まれた書き込みの件数を用いることにより、注目度の精度が高くなる。
【0053】
なお、各クラスタの所定時間の書き込み件数は、上記の実施形態では光ディスク装置10内で差分を算出することで計算しているが、各クラスタを管理しているサーバから各クラスタの所定時間の書き込み件数を提供してもらうようにしてもよい。
【0054】
なお、上記の実施形態では地上デジタル放送及びBSデジタル放送の全チャンネルのクラスタを分母として各チャンネルの注目度を算出しているが、分母は分子のチャンネルと同じ放送波のみとしても構わない。例えば、TBSの注目度を算出する場合、分母は地上デジタル放送の各チャンネルのクラスタの所定時間の書き込み件数の合算としてもよい。
【0055】
なお、上記の実施形態では注目度を%で表しているが、他の表示形態でもよく、例えば、算出された注目度の値を予め決められた数段階のレベルに変換して表示してもよい。また、注目度を表示する際、10%以上であれば赤色で、1〜10%であれば黄色で、1%未満であれば青色で表示する等、値に応じて表示の仕方を変えてもよい。
【0056】
次に、注目度と視聴予約との関係について説明する。図6は、光ディスク装置10の視聴予約動作を示すフローチャートである。
【0057】
まず、ステップS40で同時間帯の番組の注目度を算出したか否かを判別する。注目度を算出した場合、ステップS41へ進んで注目度が第1の範囲に入る番組があるか否かを判別する。第1の範囲としては、例えば、注目度の高い番組を抽出するなら10%以上などとすればよく、注目度の低い番組を抽出するなら1〜2%などとすればよい。
【0058】
ステップS41において注目度が第1の範囲に入る番組がある場合、ステップS42へ進んでその番組を自動的に視聴予約する。一方、ステップS41において注目度が第1の範囲に入る番組がない場合、視聴予約せずに処理を終了する。
【0059】
なお、第1の範囲はユーザがメニュー画面等で設定できるようにすることが好ましい。また、ユーザがこの自動的に視聴予約する機能のオン、オフをメニュー画面等で選択できるようにすることが好ましい。また、ステップS42は自動的に視聴予約する代わりに、視聴予約するか否かをユーザが選択可能なように表示装置11へ表示してもよい。当然、表示装置11への表示は表示装置11の電源がオンであることが前提であり、現在オフであれば、オンになった時点でその番組の放送時間が過ぎていなければ、視聴予約するか否かを選択可能な表示をさせればよい。
【0060】
なお、ステップS41の判別の基準は、他にも例えば、注目度が第1閾値(例えば10%)以上でかつ1番高い番組があるか否かを判別するようにしてもよい。
【0061】
このように、注目度を利用して番組の視聴予約ができるので、装置としての付加価値が向上する。
【0062】
次に、注目度と録画予約との関係について説明する。図7は、光ディスク装置10の録画予約動作を示すフローチャートである。
【0063】
まず、ステップS50で同時間帯の番組の注目度を算出したか否かを判別する。注目度を算出した場合、ステップS51へ進んで注目度が第2の範囲に入る番組があるか否かを判別する。第2の範囲としては、例えば、注目度の高い番組を抽出するなら20%以上などとすればよく、注目度の低い番組を抽出するなら0.1〜1%などとすればよい。
【0064】
ステップS51において注目度が第2の範囲に入る番組がある場合、ステップS52へ進んでその番組を自動的に録画予約する。一方、ステップS51において注目度が第2の範囲に入る番組がない場合、録画予約せずに処理を終了する。
【0065】
なお、第2の範囲はユーザがメニュー画面等で設定できるようにすることが好ましい。また、ユーザがこの自動的に録画予約する機能のオン、オフをメニュー画面等で選択できるようにすることが好ましい。また、ステップS52は自動的に録画予約する代わりに、録画予約するか否かをユーザが選択可能なように表示装置11へ表示してもよい。当然、表示装置11への表示は表示装置11の電源がオンであることが前提であり、現在オフであれば、オンになった時点でその番組の放送時間が過ぎていなければ、録画予約するか否かを選択可能な表示をさせればよい。
【0066】
なお、ステップS51の判別の基準は、他にも例えば、注目度が第2閾値(例えば20%)以上でかつ1番高い番組があるか否かを判別するようにしてもよい。
【0067】
このように、注目度を利用して番組の録画予約ができるので、装置としての付加価値が向上する。
【0068】
なお、上記の視聴予約と録画予約の動作は併用することも可能である。その場合、例えば、注目度が10〜20%であれば視聴予約とし、20%以上であれば録画予約とするというような処理となる。
【0069】
また、2つのチューナを搭載した、いわゆるWチューナの録画再生装置であれば、視聴予約と録画予約とを組み合わせることもできる。図7は、Wチューナの光ディスク装置の視聴予約及び録画予約動作を示すフローチャートである。
【0070】
まず、ステップS60で同時間帯の番組の注目度を算出したか否かを判別する。注目度を算出した場合、ステップS61へ進んで注目度が第1又は第2の範囲に入る番組があるか否かを判別する。第1及び第2の範囲は上記と同様に視聴予約及び録画予約する番組を抽出するためのものであり、例えば、第1の範囲を10〜20%、第2の範囲を20%以上とすることができる。
【0071】
ステップS61において注目度が第1及び/又は第2の範囲に入る番組がある場合、ステップS62へ進んで第1の範囲に入る番組を自動的に録画予約し、第2の範囲に入る番組を自動録画する。したがって、注目度が第1の範囲に入る番組だけの場合は視聴予約のみ行い、注目度が第2の範囲に入る番組だけの場合は録画予約のみ行い、注目度が第1の範囲に入る番組と第2の範囲に入る番組とがある場合は、視聴予約と録画予約とを行う。一方、ステップS61において注目度が第1の範囲にも第2の範囲にも入る番組がない場合は、視聴予約も録画予約もせずに処理を終了する。
【0072】
なお、第1及び第2の範囲はユーザがメニュー画面等で設定できるようにすることが好ましい。また、ユーザがこの自動的に録画予約する機能のオン、オフをメニュー画面等で選択できるようにすることが好ましい。また、ステップS62は自動的に視聴予約及び録画予約する代わりに、視聴予約するか録画予約するか予約しないかをユーザが選択可能なように表示装置11へ表示してもよい。当然、表示装置11への表示は表示装置11の電源がオンであることが前提であり、現在オフであれば、オンになった時点でその番組の放送時間が過ぎていなければ、予約するか否かを選択可能な表示をさせればよい。
【0073】
なお、ステップS61の判別の基準は、他にも例えば、視聴予約の判別基準として注目度が第1から第2閾値(例えば10〜20%)の範囲内でかつ1番高い番組があるか否かを判別し、録画予約の判別基準として注目度が第2閾値(例えば20%)以上でかつ1番高い番組があるか否かを判別するようにしてもよい。
【0074】
このように、Wチューナの記録再生装置であれば注目度の値に応じて同時間帯の番組の視聴予約及び録画予約ができるので、装置としての付加価値が向上する。なお、視聴予約と録画予約とをする代わりに、2番組とも録画するようにしてもよい。
【0075】
なお、録画後については、自動で録画予約したか否かに関わらず、HDD等に録画されている番組の一覧である録画リストに注目度を表示してもよい。注目度は録画する際に記憶しておくものとする。図8に、録画リストの画面の一例を示す。画面50では、録画されている番組名とその注目度とが対応させられて一覧表示されている。なお、録画リストが表示されている状態でリモコン13の所定キーが操作されると注目度の降順に並べ替えて表示するようにしてもよい。
【0076】
なお、チャンネル毎に番組開始時間が異なる場合、上述の実施形態でも対応可能であるが、より注目度の精度を向上させるためには、所定チャンネルの放送予定番組の注目度を算出する場合、該所定チャンネルの放送予定番組開始前の所定時間に重なる時間帯に所定時間を有する他のチャンネルを抽出し、抽出した全チャンネルのクラスタの書き込み件数を分母とし、該所定チャンネルの放送予定番組の注目度を算出すればよい。
【0077】
例えば、19:00放送開始予定の1チャンネルの放送予定番組Aの注目度を算出する場合、開始前の所定時間(18:50〜19:00)に重なる時間帯に他のチャンネルの放送予定番組の所定時間が重なっているかを検索する。検索によって、例えば、18:55放送開始予定の2チャンネルの放送予定番組Bは所定時間が18:45〜18:55であるので時間帯が重なっていると判断して抽出され、18:45放送開始予定の3チャンネルの放送予定番組Cは所定時間が18:35〜18:45であるので時間帯が重なっていないと判断して抽出されない。
【0078】
そして、重なっている時間帯(18:50〜18:55)においては、放送予定番組AとBの各クラスタの書き込み件数を分母とし、放送予定番組AとBそれぞれの注目度を算出する。この場合、所定チャンネルの放送予定番組開始前の所定時間に重なる時間帯に所定時間を有する他のチャンネルの番組がない場合は、該所定チャンネルの放送予定番組の注目度は算出されない。なお、注目度の信頼性を確保するために、所定チャンネルの放送予定番組開始前の所定時間に重なる時間帯に所定時間を有する他のチャンネルの番組が所定数(例えば5つ)以上ある場合にのみ注目度を算出するようにしてもよい。
【0079】
このように、チャンネル毎に番組開始時間が異なる場合、注目度を算出する際、所定時間の重なっている時間帯においてはそれらのチャンネルのクラスタだけを利用して算出することで、放送中の番組のチャンネルのクラスタの書き込みを省くことができるので、より注目度の精度を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、セットトップボックス、テレビ受像機、HDDレコーダ、DVDレコーダ、BDレコーダ、それらの複合機などの放送受信装置又は録画再生装置であって、ネットワーク機能を備えたものに利用することができる。
【符号の説明】
【0081】
10 光ディスク装置(放送受信装置又は録画再生装置)
11 表示装置
12 ネットワーク
13 リモコン
14 アンテナ
16 チューナ
17 映像/音声圧縮伸長部
18 HDD記録再生部
19 BD/DVD記録再生部
20 OSD部
21 映像出力部
22 音声出力部
23 メモリ
24 リモコン受信部
25 通信部
26 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク機能を有する放送受信装置において、
所定チャンネルの放送予定番組の注目度を算出する場合、
ネットワーク上で複数のユーザによって書き込まれた各チャンネルに関する情報群であるそれぞれのクラスタにアクセスし、全クラスタにおける前記放送予定番組開始前の所定時間の書き込み件数に対する前記所定チャンネルに関するクラスタにおける前記放送予定番組開始前の所定時間の書き込み件数の割合を算出し、これを前記放送予定番組の注目度とすることを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記注目度を電子番組表の一部に表示させることを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記注目度を番組視聴中にOSD表示させることを特徴とする請求項1又は2記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記全クラスタにおける前記放送予定番組開始前の所定時間の書き込み件数は、各クラスタの前記放送予定番組開始前の所定時間の書き込み内容をそれぞれ各チャンネルにおける前記放送予定番組開始時に放送予定の番組の番組情報と比較し、合致する語句が含まれた書き込みの件数であり、
前記所定チャンネルに関するクラスタにおける前記放送予定番組開始前の所定時間の書き込み件数は、前記放送予定番組開始前の所定時間の書き込み内容を該所定チャンネルにおける前記放送予定番組の番組情報と比較し、合致する語句が含まれた書き込みの件数であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記注目度が第1の範囲に入る番組を自動的に視聴予約することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の放送受信装置。
【請求項6】
前記第1の範囲はユーザが設定可能であることを特徴とする請求項5記載の放送受信装置。
【請求項7】
前記注目度が第1閾値以上でかつ1番高い番組を自動的に視聴予約することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の放送受信装置。
【請求項8】
請求項1〜6の何れかに記載の放送受信装置を備えた録画再生装置であって、
前記注目度が第2の範囲に入る番組を自動的に録画予約することを特徴とする録画再生装置。
【請求項9】
前記第2の範囲はユーザが設定可能であることを特徴とする請求項8記載の録画再生装置。
【請求項10】
請求項1〜4の何れかに記載の放送受信装置を備えた録画再生装置であって、
前記注目度が第2閾値以上でかつ1番高い番組を自動的に録画予約することを特徴とする録画再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−109771(P2012−109771A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256752(P2010−256752)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】