説明

放送番組録画方法

【課題】
ユーザーが録画を希望する放送番組を、「頭切れ」又は「尻切れ」等の事態を招来することなく、録画を希望する放送番組を確実に記録することができる放送番組録画方法を提供する。
【解決手段】
TV放送番組録画装置によりTV放送の映像及び音声を所定時間連続して録画し、各放送局の発行する番組表に基づき選択した番組の個別録画ファイルを作成して上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させることを特徴とする放送番組録画方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーが希望するテレビの特定の放送番組を確実に録画及び再生することができる放送番組録画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、テレビの放送番組をビデオレコーダ等の録画装置を使用して録画しようとする場合、予め公表された番組表に基づいて録画の予約を行う「番組録画機能」を使用すると番組の録画が非常に楽にできる。
【0003】
この場合、このように特定の番組を録画装置において録画予約した場合、録画装置のソフトウェアによる機器作動のパラメータ設定のための時間及びTV放送番組録画装置作動のための立ち上がりの時間が不可避的に必要となる。
【0004】
その結果、非常に短時間であるが、録画装置の起動のためのタイムラグが発生し、録画予約した当該番組の開始部分が僅かに録画されず、いわゆる「頭切れ」の事態が生ずる場合がある。
【0005】
従って、録画機のメーカーによっては、上記の「頭切れ」の事態を防止するために予約番組の開始時間よりも数秒早く録画機能が作動するように構成されている機器もある。
【0006】
しかしながら、このような録画装置にあっては、「頭切れ」の事態は回避できたとしても、録画開始時間が早くなることから、放送番組の終了時間よりも5秒程度早く録画が終了する場合もあり、逆に、いわゆる「尻切れ」の事態が生ずることもあった。
【0007】
また、このような、録画予約したい番組を確実に録画するための録画マージンとしての、当該録画を希望する番組以前又は以後の放送映像を含めて録画する、いわゆる「のりしろ」の時間設定に関しては、各TV放送番組録画装置の製造メーカーによって異なることから、ユーザー側では各メーカーに応じて対応せざるをえず、操作対応が煩雑であった。
【0008】
上記の事態に対処するためには、各録画装置に搭載されている「録画のりしろ設定機能」を利用することも考えられるが、常にそのような操作をしなければならないとすれば同様に非常に煩雑である。また、このような「録画のりしろ設定機能」を利用したとしても、時間的に連続する複数の番組を「番組録画予約方式」により録画する場合、ある番組と次の番組との間で、一度録画が終了した後に再度録画が開始することから、早い番組の「のりしろ」により次の番組の映像音声が邪魔され、後ろの番組の映像音声の録画の欠落が発生する事態が発生する。
【0009】
特に、上記の事情は、地上デジタル放送の場合には実際の時間よりも放送が2〜3秒ほど遅れることから、上記の事態は深刻なものとなる。従って、従来より、このような事態に有効に対処できる技術が要望されていた。
【0010】
このような観点から本件特許出願人は、過去の特許、実用新案公報に関する先行技術調査を行い下記の公報を抽出した(特許文献1)。
【0011】
この公報所載の技術は、最初の番組放送開始時刻に録画を開始すると共に、最後の番組の放送終了時刻に録画を終了するものであり、制御部は、予約情報に基づいて録画の開始指示と終了指示を出し、この指示に応じて記録処理部は録画を終了するように構成されている。
この場合、録画をパソコン上で再生したい場合には、録画装置のハードディスクに希望する個別の番組のファイルを生成する必要があるが、本特許文献所載の技術によれば、連続する複数の番組が完全に終了するまでは録画は完了しないことから、希望する番組のファイル作成ができない。従って、連続する番組が多数ある場合には、迅速にパソコンで再生することが不可能になる、という不具合があった。
【0012】
また、本件の番組録画装置の制御部は、最後の番組の放送終了時刻を必ず検出する必要があると共に、エンコーダは開始指示に応答してエンコードを開始すると共に、終了指示を受け取るまでエンコードを継続するように制御構成されており、制御手法が複雑であることから、誤動作により放送終了時刻を検知できず、結果的に録画が成功しない危険性も孕んでいた。
【特許文献1】再表2005−117432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明はこのような従来からの不具合を解決するためのものであって、その課題は、ユーザーが録画を希望する放送番組が複数あった場合に、複数の番組間での「頭切れ」又は「尻切れ」による録画欠落の事態を招来することなく、希望する放送番組を確実、完全に録画し再生することができる放送番組録画方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題達成のため、請求項1記載の発明にあっては、TV放送番組録画装置によりTV放送の映像及び音声を所定時間連続して録画し、各放送局の発行する番組表に基づき選択した番組の個別録画ファイルを作成して上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させることを特徴とする。
従って、請求項1記載の発明にあっては、ユーザーは上記個別録画ファイルをパソコンを使用して再生することができる。
また、請求項1記載の発明にあっては、TV放送番組録画装置によりTV放送の映像及び音声を所定時間連続して録画した後に、個別録画ファイルを作成することもできれば、TV放送番組録画装置によりTV放送の映像及び音声を所定時間連続して録画しつつ、同時に個別録画ファイルを作成することもできる。
【0015】
請求項2記載の発明にあっては、TV放送番組録画装置によりTV放送の映像及び音声を所定時間連続して録画し、上記所定時間内に存在する各番組の番組名、上記番組の開始時刻および終了時刻、放送局名を関連付けて上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させるマーキング処理を行うことを特徴とする。
【0016】
従って、請求項2記載の発明にあっては、各番組の番組名、上記番組の開始時刻および終了時刻、放送局名は、上記TV放送番組録画装置の記憶装置内のテーブルに記録される。また、ユーザーは、TV放送番組録画装置により所定時間録画されたTVの所定チャンネルの映像及び音声をTVモニターで再生することができる。
【0017】
請求項3記載の発明にあっては、上記マーキング処理が行われた映像音声情報の中からユーザーが希望する映像音声情報を特定して個別録画ファイルとして上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させることを特徴とする。
従って、請求項3記載の発明にあっては、ユーザーは上記個別録画ファイルをパソコンを使用して再生することができる。
【0018】
請求項4記載の発明にあっては、上記ユーザーは、番組名又はキーワードにより特定した映像音声情報を再生できることを特徴とする。従って、請求項4記載の発明にあっては、ユーザーは番組名に基づき映像音声情報である番組を検索することもできれば、キーワード(例えば、「福島原発」の語)を使用して各番組内の映像音声情報を検索することもできる。
【0019】
請求項5記載の発明にあっては、特定の放送番組の放送時間が、放送局により予め広報された番組表に掲載された時間から変更になり、当該番組以後に放送される予定の番組の放送開始時刻又は放送終了時刻が変更になった場合、もしくは放送予定の番組が変更された場合に、TV放送番組録画装置により所定時間に亘り連続して録画し、放送された番組により構成された実績番組表に基づき、希望する番組の個別録画ファイルを作成して上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させることを特徴とする。
【0020】
即ち、番組の放送においては、ある放送番組の終了時刻が延長され、その後の放送番組の開始時間又は終了時間が、予め広報された番組表とは異なってしまう場合がある。例えば、野球中継、国会中継等が放送予定時間よりも延長されるような場合、又は地震等の天変地異に関する放送の場合である。
このような場合には、従来の「番組予約録画方式」又は「時間予約録画方式」では、予め広報された番組表及び放送時間に基づくものであることから、時間変更、番組名変更、及び内容変更後の番組に対しては対応することができない。
【0021】
しかしながら、請求項5記載の発明にあっては、実際に放送された番組を所定時間に亘り連続して録画し、実際に放送された番組から実績番組表を作成して、当該実績番組表に基づき個別録画ファイルを作成してTV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させることから、ユーザーはパソコンを介して個別録画ファイルを再生することができる。
【0022】
請求項6記載の発明にあっては、特定の放送番組の放送時間が、放送局により予め広報された番組表に掲載された時間から変更になり、当該番組以後に放送される予定の番組の放送開始時刻又は放送終了時刻が変更になった場合、もしくは放送予定の番組が変更された場合に、TV放送番組録画装置により所定時間に亘り連続して録画し、上記所定時間内に存在する各番組の番組名、上記番組の開始時刻および終了時刻、放送局を関連付けて上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させるマーキング処理を行うことを特徴とする。
【0023】
請求項6記載の発明にあっては、ユーザーは、TV放送番組録画装置により所定時間録画された、放送開始時刻又は放送終了時刻が変更された番組、もしくは内容が変更されたマーキング処理が施された映像音声情報をTVモニターで再生することができる。
【0024】
請求項7記載の発明にあっては、上記マーキング処理が行われた映像音声情報の中からユーザーが希望する映像音声情報を特定して個別録画ファイルとして上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させることを特徴とする。従って、ユーザーはパソコンを使用して上記個別録画ファイルを再生することができる。
【0025】
請求項8記載の発明にあっては、上記ユーザーが希望する映像音声情報は、番組名又はキーワードにより特定されることを特徴とする。
従って、請求項8記載の発明にあっては、ユーザーは番組名に基づき映像音声情報を選択することもできれば、キーワード(例えば、「福島原発」の語)を使用して映像音声情報の中から希望する映像音声情報を検索することもできる。
【0026】
請求項9記載の発明にあっては、実際に放送された番組に基づく実績番組表を、予め放送局が広報した番組表とは別個に作成し、上記実績番組表に基づき希望する番組の個別録画ファイルを作成して上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させる場合には、上記実績番組表に記載された番組名を上記個別録画ファイルに付すことを特徴とする。
【0027】
請求項10記載の発明にあっては、上記各記憶装置に記憶される個別映像音声情報は、当該映像音声情報の放送時間の開始前及び終了後の所定時間に亘って、当該映像音声情報開始前の映像音声情報及び当該番組開始後の映像音声情報を記録するマージンを有して上記各ファイルが作成されることを特徴とする。
【0028】
請求項11記載の発明にあっては、上記マージンの時間は任意に設定できることを特徴とする。
【0029】
請求項12記載の発明にあっては、上記TV放送番組録画装置は、複数放送局による放送番組を24時間以上記録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
請求項1〜3記載の発明にあっては、ユーザーは、複数の番組が連続する場合であっても、TV放送番組録画装置に内装されたソフトウェアによる機器作動のパラメータ設定のための時間及び、TV放送番組録画装置作動のための立ち上がりに必要な時間の影響を受けることがなく、複数の番組の間において「頭切れ」、「尻切れ」による録画の欠落のない完全な映像音声を再生することができる。
【0031】
即ち、従来は、予約番組表に基づく録画予約又は録画時間の設定により録画を行っていたことから、録画装置のソフトウェアによる機器作動のパラメータ設定のための時間及びTV放送番組録画装置作動のための立ち上がりの時間により発生する「頭切れ」又は「尻切れ」の事態が生じ、特に、複数の番組が連続する場合に、「番組予約録画」方式により録画した場合には、番組間に上記事情による録画の欠落が生じていたが、請求項1〜3記載の発明によれば、TV放送番組録画装置によりTVの所定放送局による番組が所定時間連続して予め録画されていることから、ユーザーは録画されている番組の中で希望する番組を「頭切れ」又は「尻切れ」等の事態のない、完全な映像及び音声を視聴することができる。
また、従来の録画器に装備されている、各録画装置に搭載されている「録画のりしろ設定機能」を利用することなく、希望する番組の完全な映像音声を録画することができるため、その都度、「録画のりしろ設定機能」を利用する煩雑さを回避することができる。
【0032】
また、地上波デジタル放送にあっては、実際の時間よりも放送が2〜3秒ほど遅れることとなるが、このような遅れのない録画を視聴することができる。
特に、請求項1記載の発明にあっては、ユーザーは、TV放送番組録画装置に内装されたソフトウェアによる機器作動のパラメータ設定のための時間及び、TV放送番組録画装置作動のための立ち上がりに必要な時間の影響を受けることのない、「頭切れ」又は「尻切れ」のない録画を、パソコン又はTVモニターを介して再生することができる。
【0033】
また、上記特許文献1に記載された従来技術との対比においても、録画をパソコン上で再生するために、録画装置のハードディスクに番組のファイルを生成する場合に、特許文献所載の技術によれば、連続する複数の番組が終了するまでは録画は完了しないことから、ファイル作成ができず、連続する番組が多数ある場合には、迅速にパソコンで再生することが不可能になる、という問題があったが、本願発明にあっては、TV放送番組録画装置によりTV放送の映像及び音声を所定時間連続して録画しつつ、各放送局の発行する番組表に基づき選択した番組の個別録画ファイルを作成して上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させるように構成されていることから、従来技術では達成できない「迅速に個別録画ファイルを作成することができる」という効果を奏することができる。
【0034】
さらに、特許文献所載の技術にあっては、番組録画装置の制御部は、最後の番組の放送終了時刻を必ず検出する必要があると共に、エンコーダは開始指示に応答してエンコードを開始すると共に、終了指示を受け取るまでエンコードを継続するように制御構成されており、制御手法が複雑であることから、誤動作により放送終了時刻を検知できず、結果的に録画が成功しない危険性もあったが、本願発明にあっては、放送される映像音声を所定時間に亘り録画して個別録画ファイルを作成する簡易な手法に基づくものであることから、制御手法も複雑ではなく、誤作動の可能性もない。
【0035】
請求項2記載の発明にあっては、上記効果に加えて、ユーザーは、TVモニターを利用して、TV放送番組録画装置に内装されたソフトウェアによる機器作動のパラメータ設定のための時間及び、TV放送番組録画装置作動のための立ち上がりに必要な時間の影響を受けることのない、「頭切れ」又は「尻切れ」のない録画を見ることができる。
請求項3記載の発明にあっては、上記効果に加えて、ユーザーは、パソコンを利用して、TV放送番組録画装置に内装されたソフトウェアによる機器作動のパラメータ設定のための時間及び、TV放送番組録画装置作動のための立ち上がりに必要な時間の影響を受けることのない、「頭切れ」又は「尻切れ」のない録画を見ることができる。
【0036】
請求項4記載の発明にあっては、ユーザーは、番組名又はキーワードにより特定した映像音声情報を再生できるように構成され、ユーザーは番組名に基づき映像音声情報である番組を検索することもできれば、キーワード(例えば、「福島原発」の語)を使用して番組内の映像音声情報を検索することもできることから、ユーザーは希望する映像音声情報を容易かつ迅速に検索して再生することができる。
【0037】
請求項5〜8記載の発明にあっては、野球中継、国会中継が延長されるような場合や、突然発生した大地震の被災地の中継のように、特定の放送番組の放送時間が、予め広報された番組表に掲載された時間から変更になり、その結果、その後の番組の放送開始時刻又は放送終了時刻、もしくは放送番組の内容そのものが変更された場合であっても、従来の「番組予約録画方式」又は「時間予約録画方式」とは異なり、TV放送番組録画装置により現実に放送された放送番組を所定時間連続して記録することから、現実に放送された放送番組の録画及び、実際に放送された番組により構成される実績番組表を基にして個別録画ファイルの作成を行うことができる。
その結果、特殊な事情による放送番組の時間変更又は、放送番組の内容そのものの変更の事態に対して確実に対応し、ユーザーに正確かつ完全な録画を提供することができる。
【0038】
特に、請求項5記載の発明にあっては、上記効果に加え、特殊な事情による放送番組の時間変更又は放送番組の内容そのものの変更の事態があった場合であっても、実際に放送された番組の、TV放送番組録画装置に内装されたソフトウェアによる機器作動のパラメータ設定のための時間及び、TV放送番組録画装置作動のための立ち上がりに必要な時間の影響を受けることのない、「頭切れ」又は「尻切れ」のない録画を、ユーザーはパソコンを介して見ることができる。
【0039】
請求項6記載の発明にあっては、上記効果に加えて、特殊な事情による放送番組の時間変更又は放送番組の内容そのものの変更の事態があった場合であっても、実際に放送された番組の、TV放送番組録画装置に内装されたソフトウェアによる機器作動のパラメータ設定のための時間及び、TV放送番組録画装置作動のための立ち上がりに必要な時間の影響を受けることのない、「頭切れ」又は「尻切れ」のない録画を、ユーザーはTVモニターを介して見ることができる。
請求項7記載の発明にあっては、上記効果に加えて、特殊な事情による放送番組の時間変更又は放送番組の内容そのものの変更の事態があった場合であっても、実際に放送された番組の、TV放送番組録画装置に内装されたソフトウェアによる機器作動のパラメータ設定のための時間及び、TV放送番組録画装置作動のための立ち上がりに必要な時間の影響を受けることのない、「頭切れ」又は「尻切れ」のない録画を、ユーザーはパソコンを介して見ることができる。
【0040】
請求項8記載の発明にあっては、上記効果に加えて、ユーザーは、番組名又はキーワードにより特定した映像音声情報を再生できるように構成され、ユーザーは番組名に基づき映像音声情報である番組を検索することもできれば、キーワード(例えば、「福島原発」の語)を使用して番組内の映像音声情報を検索することもできることから、ユーザーは希望する映像音声情報の容易かつ迅速に検索して再生することができる。
【0041】
請求項9記載の発明にあっては、例えば、ある放送番組の放送時間が延長になり、その後の放送番組が変更になり、実際に放送された放送番組を録画し、個別録画ファイルを作成する場合には、作成された実績番組表から当該番組のタイトルを取得し、上記個別録画ファイルに当該番組のタイトルを付することができるため、上記効果に加えて、放送予定が変更された場合であっても完全な形での個別録画ファイルを作成することができる。
【0042】
請求項10及び11記載の発明にあっては、作成された録画ファイルに記録された映像音声情報は、当該映像音声情報の開始時間よりも前、及び及び終了時間の後に所定時間に亘る放送時間が付加されて、いわゆる「マージン」(のり代)が設けられていることから、ユーザーは、番組の最初から確実に記録されていることを確認できると共に番組の最後まで確実に記録されていることを確認することができる。
【0043】
上記TV放送番組録画装置は、複数放送局の放送番組を24時間以上記録することができることから、各放送局で放送されている全ての番組を漏れなく録画することができ、各放送局において放送されている各番組を個別録画ファイルとしてTV放送番組録画装置の記憶装置に記録し、パソコンにより再生することもでき、また、作成された録画をマーキングしてTVのモニターを介して視聴することができると共に、各番組をマーキングした後、個別録画ファイルを作成しTV放送番組録画装置の記憶装置に記録し、パソコンにより再生することもできる。
その結果、ユーザーはそれらの録画ファイルの中から適宜、所望の番組の録画ファイルを抽出して、再生して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る放送番組録画方法の第一の実施の形態を示す概念図である。
【図2】本発明に係る放送番組録画方法の第二の実施の形態を示す概念図である。
【図3】本発明に係る放送番組録画方法の第三の実施の形態を示す概念図である。
【図4】本発明に係る放送番組録画方法の第四の実施の形態を示す概念図である。
【図5】本発明に係る放送番組録画方法の第五の実施の形態を示す概念図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
図1に示すように、第一の実施の形態に係る放送番組録画方法30は、TV放送番組録画装置11によりTV放送の映像及び音声を所定時間連続して録画し、各放送局の発行する番組表31に基づき希望する番組の個別録画ファイル32を作成して上記TV放送番組録画装置11の記憶装置13に記憶させる。
【0046】
図1に示すように、TV放送番組録画装置11は、所定のチャンネルから放送される映像及び音声を所定時間(例えば、24時間)に亘り、例えば、TVキー局全6チャンネル〜8チャンネルの全ての番組を、連続して自動的に、TV放送番組録画装置11に内蔵された記憶装置であるハードディスク13に録画しアーカイブ化して保存するように構成されている。
【0047】
本実施の形態にあっては、上記TV放送番組録画装置11に所定時間連続して録画されハードディスク13に保存された映像音声情報33の内、放送局が発行する番組表31に基づき、例えば、時間的に連続する番組A、Bを個別録画ファイル32、32として作成してTV放送番組録画装置11の記憶装置13に記憶させる。
この場合、本実施の形態に係る放送番組録画方法30によれば、ハードディスク13に保存された映像音声情報33を基にして、従来のような番組A及び番組Bを個別録画ファイル化するため、時間的に連続する番組Aと番組Bとの間において映像音声の欠落のない個別録画ファイルを作成することができる。
【0048】
このように上記TV放送番組録画装置11の記憶装置13に記憶させた個別録画ファイルA、Bは、パソコン16により再生することができる。また、個別録画ファイル32、32は、DVD録画機17によりDVD18にコピーとして記録し、バックアップファイルとして保存することもできる。
さらに、上記のように所定時間に亘り録画されハードディスク13に保存された全映像音声情報そのものをバックアップファイルとして保存することもできる。
【0049】
図2に示すように、第二の実施の形態に係る放送番組録画方法10にあっては、TV放送番組録画装置11によりTV放送の映像及び音声を所定時間連続して録画し、上記所定時間内に存在する各番組の番組名、上記番組の開始時刻および終了時刻、放送局名を関連付けて上記TV放送番組録画装置11の記憶装置13に記憶させるマーキング処理を行うように構成されている。
【0050】
本実施の形態にあっては、上記録画と同時に、各番組の開始時刻と終了時刻の記録、即ち、マーキング処理が行われる。
図2に示すように、例えば、番組Aの開始時刻はt1、終了時刻はt2であり、番組Aに連続する番組Bの開始時刻はt2、終了時刻はt3、連続する番組Cの開始時刻はt3、終了時刻はt4、同様の番組Eの開始時刻はt5、終了時刻はt6、番組fの開始時刻はt6、終了時刻はt7であり、上記マーキング処理により各番組A、B、C、D、E、F・・・の各開始時刻と終了時刻とが、放送番組名及び放送局名と関連付けられてTV放送番組録画装置11のハードディスク13内のテーブル34に参照情報として格納される。
【0051】
即ち、テーブル34には、時間的に連続する番組名A,B,C,D,E,F・・・、各番組の開始時刻t1、t2、t3、t4・・・、終了時刻t2、t3、t4、t5・・・、放送局名及び、放送内容、さらに、本実施の形態にあっては、当該番組の内容を記載したテキストデータ(TEXT)が記録されている。
【0052】
従って、本実施の形態に係る放送番組録画方法10にあっては、TV放送番組録画装置11により所定時間録画され、上記マーキング処理が施された映像音声情報12はTV放送番組録画装置11のハードディスク13に記録されており、ユーザーは、この映像音声情報12を、上記テーブル34に記録された上記参照情報を参照することにより希望する番組等を検索して、TVモニター14を利用して再生し、視聴することができる。
【0053】
この場合、ユーザーは、番組名A、B、C、D、E、F・・・、又はキーワードにより特定した映像音声情報12を再生することができる。即ち、本実施の形態にあっては、テーブル34には、各番組A、B、C,D・・・の番組内容をキーワード化したテキスト情報も格納されている。
従って、ユーザーは、映像音声情報12の中から番組名A、B、C,D・・・に基づき番組を検索することもできれば、キーワード(例えば、「福島原発」の語)を使用して複数の番組内の関連映像音声情報を検索することもできる。
【0054】
さらに、図3に示すように、ユーザーが希望する場合には、上記マーキングが行われた映像音声情報12の中からユーザーが希望する映像音声情報を特定して個別録画ファイル15として上記TV放送番組録画装置11のハードディスク13に記憶させることもできる。
【0055】
図3に示す第三の実施の形態においては、ユーザーが希望する番組B及び番組Cを、番組名により検索して抽出した個別録画ファイル15、15として上記ハードディスク13に記憶させている。
このように個別録画ファイル15が作成されてハードディスク13に記憶させた場合には、パソコン16を使用して個別録画ファイル15、15を再生して視聴することもできる。この場合、ユーザーは、時間的に連続する各番組Bと番組Cとの間に、映像音声の欠落のない、完全な状態の映像音声を再生することができる。
【0056】
なお、個別録画ファイル15を作成する場合に、ユーザーは番組名により抽出して個別録画ファイル15として作成することもできるが、上記実施の形態におけるように、各番組の内容のキーワードがテキストデータ化されて上記ハードディスク13のテーブル34内に記録されていることから、キーワード(例えば、「東北大震災」等)により上記絵テーブル34を参照しつつ、各番組A、B、C、D・・・内の関連情報をまとめて個別録画ファイルとして抽出することもできる。
【0057】
さらに、上記ハードディスク13に記録された個別録画ファイル15をTV放送番組録画装置11外の別個の記憶装置であるDVD録画機17によりコピーしてDVD18に記憶させることもできる。
【0058】
図4は第4の実施の形態に係る放送番組録画方法を示す。
本実施の形態に係る放送番組録画方法25にあっては、上記各記憶装置13、18に記憶される映像音声情報は、マーキングされた映像音声情報12において、当該映像音声情報、例えば、番組Bの放送時間の開始時刻t2前の所定時間tx及び、放送時間の終了時刻t3後の所定時間tyに亘って、当該番組Bの開始前の映像音声情報及び当該番組Bの終了後の映像音声情報が記録されたマージン19、19を有して上記各個別録画ファイル15が作成されるように構成されている。なお、上記マージン19の時間はユーザーが任意に設定できる。
【0059】
ユーザーの中には、上記の例によれば、個別録画ファイル15に録画された番組Bが放送開始時刻t2から放送終了時刻t3まで確実に欠落することなく完全に録画されていることを確認したい、という希望を持っているユーザーもいる。
従って、当該番組Bの開始時刻よりも前、及び及び終了時刻の後に所定時間tx,tyに亘る放送時間が付加されて、いわゆるマージン(「のり代」)を設けて個別録画ファイル15を作成した場合には、このようなユーザーの要望に応えることができる。
【0060】
さらに、野球中継、国会中継が延長された場合、もしくは、大震災の場合のように、突発的な天変地異により、放送時間が延長されたり、又は、放送番組そのものが変更される場合がある。
【0061】
このような場合には、従来の「番組予約録画方式」や「時間予約録画方式」では、番組の開始、終了時刻が変更になり、また、番組そのものが変更になることから番組の予約が確実にはできない、もしくは、不可能な事態となる。
しかしながら、本実施の形態に係る放送番組録画方法はこのような事態に対して有効に対応でき、確実に希望する番組の映像音声情報を得ることができる。
【0062】
即ち、図5に示すように、本実施の形態に係る放送番組録画方法26にあっては、特定の放送番組Aの放送時間が、突発的な大地震等の天変地異等の事情から、予め当該放送局23により広報された番組表に掲載された放送番組24における終了時刻t2からtxへ変更になり、当該番組A以後に放送される予定の番組、例えば放送番組Bの放送開始時刻t2がtxに変更になると共に、放送終了時刻t3がtyに変更になった場合、もしくは放送予定の番組内容そのものが変更された場合には、時間又は内容変更後の放送番組20を所定時間に亘り連続して録画し、実際に放送された番組により構成された実績番組表(図示せず)に基づき、希望する番組の個別録画ファイルを作成して上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させるように構成されている。
【0063】
従って、本実施の形態に係る放送番組録画方法にあっては、実際に放送された、時間又は内容変更後の放送番組20を所定時間(例えば、24時間)に亘り録画しつつ、変更になった各番組の開始時刻tx及び終了時刻ty等を、番組名、放送局名と共に、放送番組録画装置11の記憶装置13が保持するテーブルに参照情報として記録するマーキング処理を行う。
その結果、ユーザーは放送終了時刻、放送開始時刻又は内容変更後の放送番組20をTVモニター14により再生することができる。
【0064】
また、この場合にも、ユーザーは、上記マーキングが行われた変更後の映像音声情報20の中からユーザーが希望する番組A、Bを特定して個別録画ファイル21、21として上記TV放送番組録画装置11のハードディスク13に記憶させて、パソコン16を使用して再生することもできる。また、
さらに、上記個別録画ファイル21、21はDVD録画器17においてDVD18にコピーして記録し、バックアップファイルとして保存することもできる。
【0065】
なお、上記テーブルには、各番組の番組内容をキーワード化したテキスト情報も格納されている。従って、ユーザーは、映像音声情報の中から番組名に基づき番組を検索することもできれば、キーワード(例えば、「福島原発」の語)を使用して番組内の映像音声情報を検出することもできる。
【0066】
さらに、この場合、本実施の形態に係る放送番組録画方法26にあっては、予め放送局が広報した番組表とは別個に作成された上記実績番組表(図示せず)に基づき希望する番組の個別録画ファイルを作成して上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させる場合には、上記実績番組表に記載された番組名を上記個別録画ファイルに付すように構成されている。
【0067】
その結果、上記のような急な放送番組の変更等の事態が発生した場合には、一般に製造販売されているTV番組の録画機における予約録画機能では、放送番組の延長、又は放送番組そのものの変更等の事態が生じた場合に、その後の放送番組の録画には有効に対応することはできない。
【0068】
例えば、図5に示すように、放送局により広報された番組表に掲載された放送番組24のうち、番組A及び番組Bを番組録画予約していたような場合には、番組Aの終了時刻t2において、実際には、未だ番組Aの放送は継続しているにもかかわらず、録画は終了してしまう。その後、番組Bも録画予約されていることから、再度、番組Bの録画を開始するが、開始時点で、上述の「頭切れ」が発生する可能性もある。
その結果、従来の番組予約録画方法により録画された映像を再生した場合には、予定終了時刻t2において、一度、切断された映像となる。
【0069】
しかしながら、本実施の形態に係る放送番組録画方法26によれば、予定よりも延長して放送された番組A、及び、その影響により放送開始時刻t2がtxに変更になった番組B、さらにそれに続く番組を、「頭切れ」や「尻切れ」のない状態で、正確かつ完全な映像として再生することができる。また、番組内容そのものの変更があった場合には、新たな番組の録画を、正しい番組名を付した状態で再生することができる。
【0070】
なお、本実施の形態にあっては、上記TV放送番組録画装置11は、複数チャンネルの放送番組を24時間に亘って記録する場合を例に説明したが、上記実施の形態に限定されず、24時間以下でもよく、また、48時間、更には一週間連続して録画するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10 放送番組録画方法
11 TV放送番組録画装置
12 マーキング処理が施された映像音声情報
13 ハードディスク
14 TVモニター
15 個別録画ファイル
16 パソコン
17 DVD録画機
18 DVD
19 マージン
20 時間又は内容変更後の放送番組
21 個別録画ファイル
24 放送局により広報された番組表に掲載された放送番組
25 放送番組録画方法
26 放送番組録画方法
30 放送番組録画方法
31 番組表
32 個別録画ファイル
33 映像音声情報
34 テーブル
A 番組
B 番組
C 番組
D 番組
E 番組
F 番組
t 番組の開始時刻又は終了時刻

【特許請求の範囲】
【請求項1】
TV放送番組録画装置によりTV放送の映像及び音声を所定時間連続して録画し、各放送局の発行する番組表に基づき選択した番組の個別録画ファイルを作成して上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させることを特徴とする放送番組録画方法。
【請求項2】
TV放送番組録画装置によりTV放送の映像及び音声を所定時間連続して録画し、上記所定時間内に存在する各番組の番組名、上記番組の開始時刻および終了時刻、放送局名を関連付けて上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させるマーキング処理を行うことを特徴とする放送番組録画方法。
【請求項3】
上記マーキング処理が行われた映像音声情報の中からユーザーが希望する映像音声情報を特定して個別録画ファイルとして上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させることを特徴とする請求項2記載の放送番組録画方法。
【請求項4】
上記ユーザーは、番組名又はキーワードにより特定した映像音声情報を再生できることを特徴とする請求項2又は3記載の放送番組録画方法。
【請求項5】
特定の放送番組の放送時間が、放送局により予め広報された番組表に掲載された時間から変更になり、当該番組以後に放送される予定の番組の放送開始時刻又は放送終了時刻が変更になった場合、もしくは放送予定の番組が変更された場合に、TV放送番組録画装置により所定時間に亘り連続して録画し、実際に放送された番組により構成された実績番組表に基づき、希望する番組の個別録画ファイルを作成して上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させることを特徴とする放送番組録画方法。
【請求項6】
特定の放送番組の放送時間が、放送局により予め広報された番組表に掲載された時間から変更になり、当該番組以後に放送される予定の番組の放送開始時刻又は放送終了時刻が変更になった場合、もしくは放送予定の番組が変更された場合に、TV放送番組録画装置により所定時間に亘り連続して録画し、上記所定時間内に存在する各番組の番組名、上記番組の開始時刻および終了時刻、放送局を関連付けて上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させるマーキング処理を行うことを特徴とする放送番組録画方法。
【請求項7】
上記マーキング処理が行われた映像音声情報の中からユーザーが希望する映像音声情報を特定して個別録画ファイルとして上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させることを特徴とする放送番組録画方法。
【請求項8】
上記ユーザーが希望する映像音声情報は、番組名又はキーワードにより特定されることを特徴とする請求項7記載の放送番組録画方法。
【請求項9】
予め放送局が広報した番組表とは別個に作成された上記実績番組表に基づき希望する番組の個別録画ファイルを作成して上記TV放送番組録画装置の記憶装置に記憶させる場合には、上記実績番組表に記載された番組名を上記個別録画ファイルに付すことを特徴とする請求項6、7又は8のいずれか1項に記載の放送番組録画方法。
【請求項10】
上記各記憶装置に記憶される個別映像音声情報は、当該映像音声情報の放送時間の開始前及び終了後の所定時間に亘って、当該映像音声情報開始前の映像音声情報及び当該番組開始後の映像音声情報を記録するマージンを有して上記各ファイルが作成されることを特徴とする請求項1、3、5又は7のいずれか1項に記載の放送番組録画方法。
【請求項11】
上記マージンの時間は任意に設定できることを特徴とする請求項10記載の放送番組録画方法。
【請求項12】
上記TV放送番組録画装置は、複数の放送局の放送番組を24時間以上記録することを特徴とする請求項1、2、5又は6記載の放送番組録画方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−55486(P2013−55486A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191928(P2011−191928)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(305020745)JCC株式会社 (5)
【Fターム(参考)】