説明

放送記録装置およびそのプログラム

【課題】 CMデータ以外の本編データの始まり(または終わり)に必ず同じ放送データが放送される場合に、同じ放送データを繰返し再生することを防止する。
【解決手段】 基準本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分と、対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分とが同じであるか否かが判断される。同じであれば、対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向の基準本編データと同じデータ部分が対象本編データとは別のチャプターとして分割される。従って、この新たに分割したチャプターをユーザ操作によって又は自動的にスキップして再生しないことにより、同じ放送データを繰返し再生することを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送記録装置およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ブルーレイディスクレコーダやHDDレコーダ等の放送記録装置は、TV放送を記憶媒体に記録し、記録された放送データをEPG(電子番組表)に基づいて番組単位でチャプター分割を実行する。また、CM(コマーシャルメッセージ)データと、CM以外の本編データとを自動的に異なるチャプターとして分割する。これにより、CMデータを再生せずに、本編データのみを続けて再生すること等ができる。ここで、ある番組において、CMデータの終了直後の本編データの始まりの数秒(例えば15秒や30秒)間に、必ず同一の番組宣伝が複数回にわたって放送される場合がある。従って、放送記録装置に記録した放送データを、CMデータを再生せずに本編データのみを再生する場合でも、ユーザは、1つの番組の中で、同一の番組宣伝を複数回にわたり視聴することになり不快である。記録した放送データを後から再生して視聴する場合に、番組宣伝は過去の情報になるので、視聴者にとって視聴する価値は低いからである。
【0003】
また、本編データの終わりの数秒(例えば15秒や30秒)間に、必ず同一の番組宣伝が複数回にわたって放送される場合がある。この場合にも、同様に、CMデータを再生せずに本編データのみを再生する場合でも、ユーザは、1つの番組の中で、同一の番組宣伝を複数回にわたり視聴することになり不快である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−57749号公報
【特許文献2】特開2002−247524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、CMデータ以外の本編データの始まり(または終わり)に必ず同じ放送データが放送される場合に、同じ放送データを繰返し再生することを防止できる放送記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態による放送記録装置は、放送データをチャプター分割して記憶媒体に記録する放送記録装置であって、放送データを、CMデータと、前記CMデータ以外の本編データとにチャプター分割する第1分割手段と、前記本編データの1つを基準本編データとして特定し、他の本編データを対象本編データとして特定する特定手段と、前記基準本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分と、前記対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分とが同じであるか否かを判断する同一判断手段と、前記基準本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分と、前記対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分とが同じであると判断された場合、前記対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向の前記基準本編データと同じデータ部分を前記対象本編データとは別のチャプターとして分割する第2分割手段とを備える。
【0007】
基準本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分と、対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分とが同じであるか否かが判断される。同じであれば、対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向の基準本編データと同じデータ部分が、本編データとは別のチャプターとして分割される。従って、この新たに分割したチャプターを、ユーザ操作によって又は自動的に、スキップして再生しないことにより、同じ放送データを繰返し再生することを防止することができる。
【0008】
好ましい実施形態においては、前記基準本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分と、全ての前記対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分とが同じではないと判断された場合、前記特定手段が、別の本編データを新たに基準本編データとして特定する。
【0009】
最初に、ある本編データが基準本編データに特定されたものの、全ての対象本編データについて、同一のデータ部分がない場合、他の本編データが新たな基準本編データとして特定され、新たな基準本編データ以外の本編データが対象本編データとして特定される。そして、新たな基準本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分と、対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分とが同じであるか否かが判断される。同じであれば、対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向の新たな基準本編データと同じデータ部分が、本編データとは別のチャプターとして分割される。従って、より確実に、本編データの同一部分をチャプター分割することができる。
【0010】
本発明の別の好ましい実施形態による放送記録装置は、放送データをチャプター分割して記憶媒体に記録する放送記録装置であって、放送データをCMデータと、前記CMデータ以外の本編データとにチャプター分割する第1分割手段と、前記本編データの1つを基準本編データとして特定し、他の本編データを対象本編データとして特定する特定手段と、前記基準本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向のデータ部分と、前記対象本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向のデータ部分とが同じであるか否かを判断する同一判断手段と、前記基準本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向のデータ部分と、前記対象本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向のデータ部分とが同じであると判断された場合、前記対象本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向の前記基準本編データと同じデータ部分を前記対象本編データとは別のチャプターとして分割する第2分割手段とを備える。
【0011】
基準本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向のデータ部分と、対象本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向のデータ部分とが同じであるか否かが判断される。同じであれば、対象本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向の基準本編データと同じデータ部分が、対象本編データとは別のチャプターとして分割される。従って、この新たに分割したチャプターを、ユーザ操作によって又は自動的に、スキップして再生しないことにより、同じ放送データを繰返し再生することを防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
CMデータ以外の本編データの始まり(または終わり)に必ず同じ放送データが放送される場合に、同じ放送データを繰返し再生することを防止できる放送記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好ましい実施形態による放送記録装置1を示すブロック図である。
【図2】制御部11の処理を示すフローチャートである。
【図3】チャプター分割処理を示す図である。
【図4】制御部11の処理を示すフローチャートである。
【図5】チャプター分割処理を示す図である。
【図6】制御部11の処理を示すフローチャートである。
【図7】チャプター分割処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本発明の好ましい実施形態による放送記録装置1を示すブロック図である。放送記録装置1は、本編データの開始位置からのデータ部分が他の本編データの開始位置からのデータ部分と同じであるかを判断し、同一である場合に、同一部分を別のチャプターとして自動的に分割する。これにより、複数の本編データに重複して放送されている放送データ部分を、スキップすることによって、再生しないことができる。ここで、本編データとは、CM(コマーシャルメッセージ)データ以外の部分の放送データである。
【0015】
放送記録装置1は、制御部11、メモリ(ROM、RAM等)12、受信部13、HDD等の記憶媒体14、再生部15、および、チャプター処理部16等を備える。
【0016】
制御部11は、放送記録装置1の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。制御部11は、メモリ12またはHDD14に格納されている放送記録装置1の動作プログラムに基づいて後述する処理を実行する。受信部13は図示しない放送局から放送される放送データを受信し、受信した放送データをHDD14に記録させる。本例では、放送データはTV放送であり、デジタル放送、アナログ放送、衛星放送またはインターネット放送等の任意のTV放送が採用され得る。
【0017】
HDD14は、受信部13によって受信された放送データを記録する。再生部15は、HDD14に記録されている放送データを読み出して再生(デコード、DA変換等)する。
【0018】
チャプター処理部16は、制御部11の指示に応じて、受信部13によって受信されHDD14に記録された放送データを複数のチャプターに分割する。チャプター処理部16は、放送データを、第1に、CMデータと、CMデータ以外の本編データとにチャプター分割する。制御部11は、本編データの1つを基準本編データとして特定し、他の本編データを対象本編データとして特定する。制御部11は、基準本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分と、対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分とが同じであるか否かを判断する。同じである場合、チャプター処理部16は、対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向の基準本編データと同じデータ部分を対象本編データとは別のチャプターとして分割する。
【0019】
なお、基準本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分と、全ての対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分とが同じではない場合、制御部11は、別の本編データを新たに基準本編データとして特定し、他の本編データを対象本編データとして特定する。制御部11は、新たな基準本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分と、対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分とが同じであるか否かを判断する。同じである場合、チャプター処理部16は、対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向の新たな基準本編データと同じデータ部分を対象本編データとは別のチャプターとして分割する。
【0020】
以下、本発明の動作を説明する。図2は制御部11の処理を示すフローチャートであり、詳細には、制御部11がチャプター処理部16を制御して、放送データを自動的にチャプター分割させる処理を示す。図3はチャプター分割の概念図である。図3において、左側が時間的に前方向(古いデータ)であり、右側が時間的に後方向(新しいデータ)を示す。
【0021】
受信部13は、TV放送データを受信し、HDD14に放送データを記録する。制御部11は、HDD14に記録した放送データを、チャプター処理部16に、CMデータと本編データとに分割させる(S1)。図3(a)に示すように、例えば、チャプター1(CMデータ)、チャプター2(本編データ)、チャプター3(CMデータ)、チャプター4(本編データ)、チャプター5(CMデータ)、チャプター6(本編データ)・・に分割される。実際には、チャプター1の前にさらなるチャプターが存在し、チャプター6の後にさらなるチャプターが存在してもよい。
【0022】
制御部11は、複数の本編データのチャプターの中から基準本編データとなるチャプターを1つ特定する(S2)。基準本編データは、ユーザ操作によって指定されてもよく、制御部11によって自動的に指定されてもよい。制御部11は、基準本編データの開始位置を特定する(S3)
【0023】
続いて、制御部11は、基準本編データの2つ後ろのチャプターを対象本編データとして特定する(S4)。すなわち、基準本編データ以外の本編データ(例えば、基準本編データよりも後の本編データであるが、前の本編データでもよい。)を対象本編データとする。そして、制御部11は、対象本編データの開始位置を特定する(S5)。
【0024】
図3(a)に示す例では、チャプター2が基準本編データとして特定され、チャプター4が対象本編データとして特定される。
【0025】
制御部11は、基準本編データであるチャプター2と、対象本編データであるチャプター4とをそれぞれ開始位置から順に再生し、音声データ(および/または映像データ)が同じであるか否かを判断する(S6、S7)。つまり、それぞれのチャプターの最初の部分が同じ放送データ(つまり、番組宣伝等)であるか否かが判断される。音声データ(および/または映像データ)が同じであるか否かを判断する技術的手法については、上記特許文献1および2等に開示されているように周知技術であるので、ここではその詳細を割愛する。
【0026】
基準本編データであるチャプター2の開始位置からの音声データ(および/または映像データ)と、対象本編データであるチャプター4の開始位置からの音声データ(および/または映像データ)とが同じである場合(S7でYES)、制御部11は、基準本編データであるチャプター2の開始位置からの音声データ(および/または映像データ)と、対象本編データであるチャプター4の開始位置からの音声データ(および/または映像データ)とが最初に異なる位置(つまり、番組宣伝等の重複部分の終わり)を特定する。そして、制御部11は、対象本編データであるチャプター4における、その特定した位置を新たなチャプター分割点とし、チャプター分割を実行する(S8)。その後、処理はS9に進む。
【0027】
例えば、図3(b)に示すように、チャプター2の開始位置A〜位置Bの放送データと、チャプター4の開始位置C〜位置Dの放送データとが同一であると判断される。そして、チャプター4の位置Dがチャプター分割点として特定され、図3(c)に示すように、制御部11は、チャプター4の位置Dにおいてチャプター4を2つのチャプターに分割し、チャプター4Aおよびチャプター4Bを生成する。つまり、チャプター4におけるチャプター2と重複している放送データ部分(つまり番組宣伝に相当する部分)が本編データとは別個独立したチャプターとして生成される。従って、放送データをHDDから読み出して再生する際に、重複した番組宣伝に相当する部分をユーザ操作によって容易にスキップすることができる。
【0028】
一方、基準本編データであるチャプター2の開始位置からの音声データ(および/または映像データ)と、対象本編データであるチャプター4の開始位置からの音声データ(および/または映像データ)とが異なる場合(S7でNO)、処理はS9に進む。
【0029】
S9において、制御部11は、対象本編データであるチャプター4の2つ後ろのチャプター(つまり、チャプター6)が存在するか否かを判断する(S9)。存在する場合(S9でYES)、制御部11は、対象本編データであるチャプター4の2つ後ろのチャプター(つまりチャプター6)を本編チャプターとして特定し(S10)、S6に戻って、上記の処理を繰り返す。すなわち、基準本編チャプターよりも後ろに位置する全ての本編チャプターに関して、開始位置からの放送データが、基準本編データの開始位置からの放送データと同じであるかが判断され、同じであれば、重複する番組宣伝データであると認識され、本編データとは独立したチャプターとして分割される。一方、S9で存在しない場合(S9でNO)、チャプター分割処理を終了する。
【0030】
以上のように、本実施形態によると、本編データの最初に番組宣伝等の他の本編データと重複する放送データ部分が存在する場合に、重複部分を独立したチャプターとして分割することができ、再生時にそのチャプターをスキップして再生しないようにすることができる。
【0031】
図4は、別の好ましい実施形態による制御部11の処理を示すフローチャートであり、図2と同じ処理には同一符号を付し、説明を省略する。S9でNOと判断された場合、制御部11は、基準本編データの開始位置からの放送データと、対象本編データの開始位置からの放送データとが同一であり、重複部分が別チャプターとなるようにチャプター分割処理が実行された対象本編データが少なくとも1つ存在したか否かを判断する(S11)。
【0032】
存在する場合(S11でYES)、処理を終了する。存在しない場合(S11でNO)、制御部11は、基準本編データの2つ後ろのチャプターが存在するか否かを判断する(S12)。存在しない場合(S12でNO)、処理を終了する。存在する場合(S12)、基準本編データの2つ後ろのチャプターを新たな基準本編データとして特定し(S13)、処理はS4に戻る。従って、新たに特定した基準本編データと、それよりも後ろの対象本編データとで開始位置からの放送データが同一か否かを判断し、同一であれば対象本編データの同一部分をチャプター分割する。
【0033】
例えば、図5に示すように、最初にチャプター2が基準本編データとして特定されたが、図5(b)に示すように、チャプター2よりも後ろの全ての対象本編データと同一部分が存在しなければ(つまり。チャプター2には他の本編データと重複する放送データが存在しない場合)、基準本編データであるチャプター2の2つ後ろのチャプターであるチャプター4が新たな基準本編データに特定される。そして、基準本編データであるチャプター4の開始位置からの放送データと、対象本編データであるチャプター6の開始位置からの放送データとが同じであれば、図5(c)に示すように、チャプター6のチャプター4と同じ部分を新たなチャプター6Aとして分割する。
【0034】
以上の処理によって最初に特定されたチャプターに番組宣伝等の他のチャプターと同一の部分が含まれていないときにも、自動的に次の本編データを基準本編データとして特定して、番組宣伝等の他のチャプターと同一の部分を探し出して、チャプター分割できる。なお、新たな基準本編データは、現在の基準本編データの2つ後のチャプターに限定されず、任意の他の本編データでもよい。
【0035】
次に、本発明の別の好ましい実施形態を説明する。本例は、番組宣伝等の重複部分を本編データの最初ではなく最後に含む場合を想定した実施例である。制御部11は、基準本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向のデータ部分と、対象本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向のデータ部分とが同じであるか否かを判断する。同じである場合、チャプター処理部16は、対象本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向の基準本編データと同じデータ部分を対象本編データとは別のチャプターとして分割する。
【0036】
図6は、本例の処理を説明するフローチャートである。図7はチャプター分割の概念図である。受信部13は、TV放送データを受信すると、HDD14に放送データを記録する。制御部11は、HDD14に記録した放送データを、チャプター処理部16に、CMデータと本編データとに分割させる(S21)。図7(a)に示すように、例えば、チャプター1(CMデータ)、チャプター2(本編データ)、チャプター3(CMデータ)、チャプター4(本編データ)、チャプター5(CMデータ)、チャプター6(本編データ)・・に分割される。実際には、チャプター1の前にさらなるチャプターが存在し、チャプター6の後にさらなるチャプターが存在し得る。
【0037】
制御部11は、複数の本編データのチャプターの中から基準本編データとなるチャプターを1つ特定する(S22)。基準本編データは、ユーザ操作によって指定されてもよく、制御部11によって自動的に指定されてもよい。制御部11は、基準本編データの終了位置を特定する(S23)。
【0038】
続いて、制御部11は、基準本編データの2つ前のチャプターを対象本編データとして特定する(S24)。すなわち、基準本編データ以外の本編データを対象本編データとする。そして、制御部11は、対象本編データの終了位置を特定する(S25)。
【0039】
図7(a)に示す例では、チャプター6が基準本編データとして特定され、チャプター4が対象本編データとして特定される。
【0040】
制御部11は、基準本編データであるチャプター6と、対象本編データであるチャプター4とをそれぞれ終了位置から時間的に前方向に向かって再生し、音声データ(および/または映像データ)が同じであるか否かを判断する(S26、S27)。つまり、それぞれのチャプターの最後の部分が同じ放送データ(つまり番組宣伝等)であるか否かが判断される。
【0041】
基準本編データであるチャプター6の終了位置からの音声データ(および/または映像データ)と、対象本編データであるチャプター4の終了位置からの音声データ(および/または映像データ)とが同じである場合(S27でYES)、制御部11は、基準本編データであるチャプター6の終了位置からの音声データ(および/または映像データ)と、対象本編データであるチャプター4の終了位置からの音声データ(および/または映像データ)とが最初に異なる位置を特定する。そして、制御部11は、対象本編データであるチャプター4における、その特定した位置をチャプター分割点とし、チャプター分割を実行する(S28)。その後、処理はS29に進む。
【0042】
例えば、図7(b)に示すように、チャプター6の位置A〜位置Bの放送データと、チャプター4の位置C〜位置Dの放送データとが同一であると判断される。そして、チャプター4の位置Dがチャプター分割点として特定され、図7(c)に示すように、制御部11は、チャプター4の位置Dにおいてチャプター4を2つのチャプターに分割し、チャプター4Aおよびチャプター4Bを生成する。つまり、チャプター4におけるチャプター6と重複している放送データ部分(つまり番組宣伝に相当する部分)が本編データとは別個独立したチャプターとして生成される。従って、放送データをHDDから読み出して再生する際に、重複した番組宣伝に相当する部分をユーザ操作によって容易にスキップすることができる。
【0043】
一方、準本編データであるチャプター6の終了位置からの音声データ(および/または映像データ)と、対象本編データであるチャプター4の終了位置からの音声データ(および/または映像データ)とが異なる場合(S27でNO)、処理はS29に進む。
【0044】
S29において、制御部11は、対象本編データであるチャプター4の2つ前のチャプター(つまり、チャプター2)が存在するか否かを判断する(S29)。存在する場合(S29でYES)、制御部11は、対象本編データであるチャプター4の2つ前のチャプター(つまり、チャプター2)を本編チャプターとして特定し(S30)、S26に戻って、上記の処理を繰り返す。すなわち、基準本編チャプターよりも前に位置する全ての本編チャプターに関して、終了位置からの放送データが、基準本編データの終了位置からの放送データと同じであるかが判断され、同じであれば、重複する番組宣伝データであると認識されるので、本編データとは独立したチャプターとして分割される。一方、S29で存在しない場合(S29でNO)、チャプター分割処理を終了する。
【0045】
以上のように、本実施形態によると、本編データの終わりに番組宣伝等の他の本編データと重複する放送データ部分が存在する場合に、重複部分を独立したチャプターとして分割することができ、再生時にそのチャプターをスキップして再生しないようにすることができる。なお、本実施形態においても、図4のS11〜13のような処理を追加して、自動的に別の本編データを新たな基準本編データとして特定してもよい。
【0046】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。本発明の上記各処理をコンピュータに実行させるプログラム又はこれを記憶した記録媒体という形態で提供されてよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、PCアプリケーション、HDDレコーダ等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0048】
1 放送記録装置
11 制御部
12 メモリ
13 受信部
14 HDD
15 再生部
16 チャプター処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送データをチャプター分割して記憶媒体に記録する放送記録装置であって、
放送データを、CMデータと、前記CMデータ以外の本編データとにチャプター分割する第1分割手段と、
前記本編データの1つを基準本編データとして特定し、他の本編データを対象本編データとして特定する特定手段と、
前記基準本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分と、前記対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分とが同じであるか否かを判断する同一判断手段と、
前記基準本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分と、前記対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分とが同じであると判断された場合、前記対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向の前記基準本編データと同じデータ部分を前記対象本編データとは別のチャプターとして分割する第2分割手段とを備える、放送記録装置。
【請求項2】
前記基準本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分と、全ての前記対象本編データの開始位置から時間的に後に向かう方向のデータ部分とが同じではないと判断された場合、前記特定手段が、別の本編データを新たに基準本編データとして特定する、請求項1に記載の放送記録装置。
【請求項3】
放送データをチャプター分割して記憶媒体に記録する放送記録装置であって、
放送データをCMデータと、前記CMデータ以外の本編データとにチャプター分割する第1分割手段と、
前記本編データの1つを基準本編データとして特定し、他の本編データを対象本編データとして特定する特定手段と、
前記基準本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向のデータ部分と、前記対象本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向のデータ部分とが同じであるか否かを判断する同一判断手段と、
前記基準本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向のデータ部分と、前記対象本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向のデータ部分とが同じであると判断された場合、前記対象本編データの終了位置から時間的に前に向かう方向の前記基準本編データと同じデータ部分を前記対象本編データとは別のチャプターとして分割する第2分割手段とを備える、放送記録装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の放送記録装置の各手段をコンピュータに実行させる、放送記録プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−182608(P2012−182608A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43558(P2011−43558)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】