説明

放送通信連携システム、サーバ及びプログラム

【課題】受信機において所望のコンテンツを入手することができること。
【解決手段】受信機4は、サービス毎のサーバ321に対してコンテンツをリクエストし、サービス毎のサーバ321は、受信機4からのリクエストを受けて、コンテンツ管理・配信サーバ311に対して、Web APIで、コンテンツを加工して自機に送信することをリクエストし、コンテンツ管理・配信サーバ311は、Web APIでのリクエストに従って、コンテンツを加工して、加工後のコンテンツをサービス毎のサーバ321に送信し、サービス毎のサーバ321は、コンテンツ管理・配信サーバ311から送信されたコンテンツを受信して、受信機4に送信し、受信機4は、サービス毎のサーバ321から送信されたコンテンツを受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送と通信の連携を図る機能を有する放送通信連携システム、サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送のデジタル化と通信のブロードバンド化の進展に伴い、放送通信連携サービスの実現に向けた研究開発が行われている。
【0003】
また、この放送通信連携サービスにおいては、放送と通信という異なる伝送路を用いて複数のコンテンツを配信し、デジタルテレビ等の受信機において、配信された複数のコンテンツを統合して提示する形態が想定される。
【0004】
ところで、現在、データ放送では、XML(eXtensible Markup Language)をベースとした、マルチメディア符号化用に開発されたBML(Broadcast Markup Language)という放送サービスに必要な機能を拡張した言語を用いて、様々なコンテンツが提供されている(特許文献1を参照)。
【0005】
例えば、特許文献2によれば、ビデオオンデマンド(Video On Demand:以下、VODという)による、過去に放送されたコンテンツが提供可能になっている。この場合のコンテンツの伝送方法は、FTP(File Transfer Protocol)に準拠した方法が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−60931号公報
【特許文献2】特開2009−246815号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「デジタル放送におけるアプリケーション実行環境 標準規格 ARIB STD−B23 1.2版」 第二部10.16,平成21年7月29日策定,社団法人 電波産業会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、データ放送では、全ての情報を放送波に多重化させる必要があるため、放送波で送信可能なデータ容量に一定の制限がある。
【0009】
このような状況の下、送信可能なデータの容量に制限のない通信を、放送と連携させるシステムの実現が要求されている。
【0010】
このようなシステムでは、受信機等の受信側が、保存元のコンテンツそのものではなく、何らかの加工が施されたコンテンツを要求する場合が想定される。しかしながら、上述のFTPを採用しても、保存元のコンテンツそのものが単に伝送されるだけであり、このような要求に応えることができない。
【0011】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、放送と通信の連携を図るシステムにおいて、受信側で要求される形態でのコンテンツの伝送を実現することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る放送通信連携システムは、放送局と、前記放送局により管理される第1サーバと、前記第1サーバと通信する第2サーバと、前記第2サーバと通信すると共に前記放送局から放送された放送信号を受信する受信機と、を備える放送通信連携システムであって、前記受信機は、前記第2サーバに対してコンテンツをリクエストし、前記第2サーバは、前記受信機からの前記リクエストを受けて、前記第1サーバに対して、Web APIで、前記コンテンツを加工して自機に送信することをリクエストし、前記第1サーバは、Web APIでの前記リクエストに従って、前記コンテンツを加工して、加工後の前記コンテンツを前記第2サーバに送信し、前記第2サーバは、前記第1サーバから送信された前記コンテンツを受信して、前記受信機に送信し、前記受信機は、前記第2サーバ群から送信された前記コンテンツを受信する構成とした。
【0013】
かかる構成によれば、第2サーバでは、第1サーバからのWeb APIでのリクエストに従って、コンテンツが加工されて、加工後のコンテンツが第1サーバに送信されるので、受信側で要求される形態でのコンテンツの伝送を実現することができる。
【0014】
また、放送通信連携システムでは、前記第2サーバは、前記第1サーバから受信した前記コンテンツをさらに加工して、加工後の前記コンテンツを前記受信機に送信するようにしてもよい。
【0015】
かかる構成によれば、第1のサーバに加えて、第2のサーバでもコンテンツをさらに加工するので、受信側でのより高度な要求にも容易に応えることができる。
【0016】
また、本発明に係る第1のサーバは、放送局と、サーバ群と、前記サーバ群と通信すると共に前記放送局から放送された放送信号を受信する受信機と、を備える放送通信連携システムにおけるサーバであって、前記受信機からのコンテンツのリクエストを受信する第1通信手段と、前記第1通信手段に受信された前記リクエストに従って、前記放送局により管理される別サーバに対するリクエストであって、前記コンテンツを加工して自機に送信させるリクエストをWeb APIで生成する生成手段と、前記生成手段により前記Web APIで生成された前記リクエストを前記別サーバに送信する第2通信手段と、を備え、前記別サーバにおいて、前記Web APIによるリクエストに従って、前記コンテンツが加工されて送信されてきた場合、前記第2通信手段は前記コンテンツを受信し、前記第1通信手段は前記コンテンツを前記受信機に送信する構成とした。
【0017】
かかる構成によれば、第1のサーバが別サーバに対してWeb APIでのリクエストをすると、別サーバでは、第1のサーバからのWeb APIでのリクエストに従って、コンテンツが加工されて、加工後のコンテンツが第1のサーバに送信されるので、受信機側で要求される形態でのコンテンツの伝送を実現することができる。
【0018】
また、上記第1のサーバは、前記別サーバから受信した前記コンテンツを加工する加工手段をさらに備え、前記第1通信手段は、前記加工手段による加工後の前記コンテンツを、前記受信機に送信することが好ましい。
【0019】
かかる構成によれば、別サーバに加えて、第1のサーバでもコンテンツをさらに加工するので、受信側でのより高度な要求にも容易に応えることができる。
【0020】
また、本発明に係る第1のプログラムは、放送局と、サーバ群と、前記サーバ群と通信すると共に前記放送局から放送された放送信号を受信する受信機と、を備える放送通信連携システムにおけるサーバを制御するコンピュータを、前記受信機からのコンテンツのリクエストを前記サーバに受信させる制御を実行する第1通信制御手段、前記第1通信制御手段の制御により前記サーバに受信された前記リクエストに従って、前記放送局により管理される別サーバに対するリクエストであって、前記コンテンツを加工して自機に送信させるリクエストをWeb APIで生成する生成手段、前記生成手段により前記Web APIで生成された前記リクエストを前記サーバから前記別サーバに送信させる制御を実行する第2通信制御手段、として機能させ、前記別サーバにおいて、前記Web APIによるリクエストに従って、前記コンテンツが加工されて送信されてきた場合、前記第2通信制御手段として機能するコンピュータは、前記コンテンツを前記サーバに受信させる制御を実行し、前記第1通信制御手段として機能するコンピュータは、前記コンテンツを前記サーバから前記受信機に送信させる制御を実行するように構成した。
【0021】
かかる構成によれば、かかる構成によれば、サーバが別サーバに対してWeb APIでのリクエストをすると、別サーバでは、サーバからのWeb APIでのリクエストに従って、コンテンツが加工されて、加工後のコンテンツがサーバに送信されるので、受信機側で要求される形態でのコンテンの伝送を実現することができる。
【0022】
また、本発明に係る第2のサーバは、放送局と、サーバ群と、前記サーバ群と通信すると共に前記放送局から放送された放送信号を受信する受信機と、を備える放送通信連携システムにおけるサーバであって、別サーバにおいて、前記受信機からのコンテンツのリクエストに従って、自機に対するリクエストであって、前記コンテンツを加工して前記別サーバに送信させるリクエストがWeb APIで生成されて、送信されてきた場合、前記リクエストを解析して処理するAPIと、前記APIにより解析された前記リクエストに従って、前記コンテンツを加工する加工手段と、前記APIにより解析された前記リクエストに従って、前記加工手段により加工された前記コンテンツを、前記APIを介して前記別サーバに配信する配信管理手段と、を備えるように構成した。
【0023】
かかる構成によれば、第2のサーバでは、別サーバからのWeb APIでのリクエストに従って、コンテンツが加工されて、加工後のコンテンツが別サーバに送信されるので、受信側で要求される形態でのコンテンの伝送を実現することができる。
【0024】
また、第2の本発明に係るプログラムは、放送局と、サーバ群と、前記サーバ群と通信すると共に前記放送局から放送された放送信号を受信する受信機と、を備える放送通信連携システムにおけるサーバを制御するコンピュータを、別サーバにおいて、前記受信機からのコンテンツのリクエストに従って、自機に対するリクエストであって、前記コンテンツを加工して前記別サーバに送信させるリクエストがWeb APIで生成されて、送信されてきた場合、前記リクエストを解析して処理させる制御を実行するAPI手段、前記APIにより解析された前記リクエストに従って、前記コンテンツを加工する加工手段、前記APIにより解析された前記リクエストに従って、前記加工手段により加工された前記コンテンツを、前記APIを介して前記別サーバに配信させる制御を実行する配信管理手段、として機能させるように構成した。
【0025】
かかる構成によれば、サーバでは、別サーバからのWeb APIでのリクエストに従って、コンテンツが加工されて、加工後のコンテンツが別サーバに送信されるので、受信側で要求される形態でのコンテンの伝送を実現することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、受信機において所望のコンテンツを入手することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】放送通信連携システムの全体構成図である。
【図2】デジタル放送に係る放送信号の伝送プロトコルのスタックを示す図である。
【図3】受信機の機能構成を示すブロック図である。
【図4】XML形式で記述されたAITの一例を示す図である。
【図5】サーバ群を放送局サーバ群とサービス事業者サーバ群とに区別した場合における、放送通信連携システムの機能構成を示すブロック図である。
【図6】コンテンツ配信処理を実行するためのサーバ群の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図7】コンテンツ配信処理の流れを示すアローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る放送通信連携システム100の全体構成図である。放送通信連携システム100は、放送局1と、放送用アンテナ2と、サーバ群3と、受信機4とを含んで構成される。
この放送通信連携システム100では、受信機4において、ISDB(Integrated Services Digital Broadcasting:統合デジタル放送サービス)方式によって放送局1から提供される放送サービスと、インターネット等により構成される通信ネットワークNを介してサーバ3から提供される通信サービスとが連携される。これにより、放送通信連携サービスが、受信機4のユーザに提供される。
本実施形態では、放送通信連携システム100は、Hybridcast(登録商標)システムであるものとする。Hybridcastとは、同報性、高品質、高信頼という放送の特徴と、視聴者の個別の要求に応えることができるという通信の特徴とを生かしたシステムを構築するための仕組みである。Hybridcastシステムは、放送サービスを中心に置きながら、通信の活用によってサービスを強化するという観点で、放送と通信のハイブリッドサービスを実現することができる。
【0029】
放送局1は、番組編成設備と、番組送出設備と、送信設備とを含んで構成される一般的なデジタル放送用の放送設備(図示省略)を備える。
放送局1は、放送設備によって、コンテンツや、イベント情報(Event Information Table:EIT)や、AIT(以下、アプリケーション管理情報とも適宜呼ぶ)等を制作する。そして、放送局1は、放送設備によって、これらコンテンツ、イベント情報及びAIT等を多重化した放送信号を生成し、当該放送信号を放送波に変調して放送用アンテナ2から送信する。
【0030】
このような放送波に含まれるコンテンツとしては、放送スケジュールに従って放送される番組を構成する映像や音声の各データを含むコンテンツ(以下、番組コンテンツと呼ぶ)の他、番組コンテンツとは非同期に発生するコンテンツ、例えば緊急地震速報等を含むコンテンツ(以下、緊急コンテンツと呼ぶ)も存在する。
【0031】
イベント情報は、番組コンテンツの名称、番組コンテンツの放送日時、番組コンテンツの説明等、コンテンツに関するメタ情報を含む。以下、テーブル形式のイベント情報をEITと呼ぶ。
AIT(アプリケーション管理情報)は、受信機4で実行可能な1以上のアプリケーションを管理するための情報である。AITには、1以上のアプリケーションのそれぞれに対応し、当該1以上のアプリケーションのそれぞれを管理するための個別管理情報が含まれる。個別管理情報には、管理対象のアプリケーションを識別するアプリケーションID、当該アプリケーションのライフサイクルを制御するライフサイクル制御情報、当該アプリケーションの所在を示すロケーション情報等が含まれている(後述の図4参照)。
【0032】
アプリケーションにより受信機4に提供されるコンテンツには、番組コンテンツに連動するコンテンツ及び番組コンテンツに連動しないコンテンツが含まれる。以下、アプリケーションにより提供されるコンテンツをアプリ用コンテンツという。
【0033】
放送信号は、従来のデジタル放送の放送信号と同一であり、ARIB(登録商標)(Association of Radio Industries and Broadcast:社団法人電波産業会)標準規格で規定される。
【0034】
図2は、デジタル放送に係る放送信号の伝送プロトコルのスタックを示す図である。図2に示すように、デジタル放送によって提供される映像、音声等の各種データは、国際標準規格MPEG−2 Systemsで規定されるTSパケット(トランスポートストリームパケット)に格納されて、時分割で多重伝送される。
【0035】
TSパケットには、図2に示すように、セクション(Section)に対してPSI(Program Specific Information)/SI(Service Information)が規定されている。PSI/SIには、TSパケットに格納されているデータの種別を示す情報や、コンテンツの種別を示す情報が含まれている。上述のEITは、SIに含まれている。
【0036】
TSパケットによるデータ伝送は、セクションを用いてデータを伝送する方式とPES(Packetized Elementary Stream)パケットを用いてデータを伝送する方式(データストリーム伝送方式)とに分類される。
【0037】
セクションを用いてデータを伝送する方式には、データカルーセル伝送方式と、イベントメッセージ伝送方式がある。
【0038】
データカルーセル伝送方式は、1以上のデータを一定周期で繰り返し伝送する伝送方式である。データカルーセル伝送方式によって伝送される個々のデータ(モジュール)には、それらを一意に識別するための識別情報が付されている。データカルーセル伝送方式は、受信機4側に個々のデータを任意のタイミングで取得させるために用いられる。
【0039】
イベントメッセージ伝送方式は、放送局1から受信機4に対して、トリガ信号を送るための方式である。イベントメッセージ伝送方式は、データ量が少ないメッセージを放送局1から受信機4に伝送する場合に用いられる。
【0040】
データストリーム伝送方式は、伝送するデータをPESパケットに収容してストリームとして伝送する伝送方式である。データストリーム伝送方式は、映像、音声、字幕データ等のリアルタイム型のデータや、他のストリームとの同期を要するデータの伝送に用いられる。
【0041】
ここで、AITは、TSパケットを用いて様々な方法によって伝送可能である。
すなわち、AITは、TSパケットのSIに含まれるEITに対して記述することによって伝送可能である。
【0042】
また、AITは、セクションを用いてデータカルーセル伝送方式により伝送可能である。AITをデータカルーセル伝送方式により伝送する場合、受信機4側でAITであることを認識できるようにモジュールに対して識別情報が付される。
【0043】
また、AITは、PESとしてコンテンツの映像や音声に多重させて伝送可能である。
【0044】
また、AITは、バイナリ表現又はXML(Extensible Markup Language)によるテキスト表現で記述して、TSパケットに格納することができる。
本実施形態では、AITの伝送方法は、上記の伝送方法の少なくともいずれかに予め規定されているものとする。
【0045】
なお、XMLをベースとした、マルチメディア符号化用に開発されたBMLは、W3C(登録商標)(World Wide Web Consortium)が定義したxHTMLを基礎とし、手続き型言語にはJavaScript(登録商標)を基礎としたECMAScriptを用いて国際標準との整合性を考慮して定義された規格である。
【0046】
サーバ群3は、インターネット等のネットワークを介する通信により、他のサーバや受信機4等と各種情報を送受信することができる。サーバ群の詳細については、図5を参照して後述する。
【0047】
受信機4は、放送局1からの放送又はサーバ群3との通信を介して受信する番組コンテンツに対して所定の処理を行うことにより、番組コンテンツを構成する映像や音声を同期して出力する。また、受信機4は、AITに基づいて、アプリケーションを適宜取得し、取得したアプリケーションを起動して実行する。また例えば、受信機4は、実行されているアプリケーションによってサーバ群3からアプリ用コンテンツを取得し、番組コンテンツに連携させて出力することも可能である。なお、アプリ用コンテンツの出力は、必ずしも番組コンテンツに連携させる必要はない。
以下、このような受信機4の機能について詳述する。
【0048】
図3は、受信機4の機能構成を示すブロック図である。
受信機4は、放送波受信部11と、第1分離部12と、放送AIT取得部13と、通信部14と、第2分離部15と、通信AIT取得部16と、アプリケーション実行制御部17と、音声制御部18と、表示制御部19と、スピーカ20と、ディスプレイ21と、メモリ22と、AIT記憶部23とを備える。
【0049】
放送波受信部11は、放送用アンテナ2を介して放送局1から送信されてくる放送波を受信する。
【0050】
第1分離部12は、放送波受信部11に受信された放送波を復調することによって、放送信号、すなわちTSパケットを抽出する。そして、第1分離部12は、TSパケットのPSI/SIを参照して、TSパケットに含まれているデータの種別を判別し、映像、音声、EIT等の各種データを分離して抽出する。また、第1分離部12は、予め規定されているAITの伝送方法に応じて、セクションやPESを参照してAITを分離して抽出する。
【0051】
続いて、第1分離部12は、TSパケットのPESに含まれているデータが音声データである場合、この音声データを音声制御部18に出力する。また、第1分離部12は、TSパケットのPESに含まれているデータが映像データである場合、この映像データを表示制御部19に出力する。
【0052】
また、第1分離部12は、抽出したEITやその他の各種データをメモリ22に記憶させる。また、第1分離部12は、AITを抽出した場合、抽出したAITを放送AIT取得部13に出力する。
【0053】
放送AIT取得部13は、第1分離部12から出力されたAITを取得し、AIT記憶部23に記憶させる。
【0054】
通信部14は、通信ネットワークNを介するサーバ群3との間で各種情報を送受信したり、リモートコントローラR(以下、リモコンRと略記する)からの操作信号を受信する。
【0055】
第2分離部15は、サーバ群3から通信ネットワークNを介して送信されてきて通信部14に受信されたデータの種別を判別し、その判別結果に基づいてデータの出力先を分離する。例えば、第2分離部15は、受信したデータがAITであると判別した場合、このAITを通信AIT取得部16に出力する。また、第2分離部15は、受信したデータがアプリケーションであると判別した場合、このアプリケーションをアプリケーション実行制御部17に出力する。
【0056】
また、第2分離部15は、受信したデータがTSパケットであると判別した場合、映像、音声、AIT等の各種データをTSパケットから分離して抽出する。そして、第2分離部15は、AITを抽出した場合、このAITを通信AIT取得部16に出力し、AIT以外のデータを抽出した場合、このデータをアプリケーション実行制御部17に出力する。
【0057】
通信AIT取得部16は、第2分離部15から出力されたAITを取得し、AIT記憶部23に記憶させる。
【0058】
アプリケーション実行制御部17は、AITに基づいてアプリケーションを取得し、取得したアプリケーションの起動及び実行を制御する。
【0059】
ここで、アプリケーション実行制御部17により実行が制御されるアプリケーションの管理用のAITの構造の例を詳細に説明する。
図4は、XML形式で記述されたAITの構造の一例を示す図である。
上述したように、AITには、1以上のアプリケーションそれぞれに対応し、1以上のアプリケーションそれぞれを管理するための個別管理情報がそれぞれ含まれる。
具体的には、図4に示される<mhp:Application>タグから</mhp:Application>タグまでに記述されているコードは、一のアプリケーションを管理するための個別管理情報に対応している。AITには、</mhp:Application>タグの後に、他のアプリケーションの個別管理情報を新たに記述することによって、複数の個別管理情報を記述することができる。
【0060】
また、個別管理情報に対応するコードのうち、例えば、<mhp:appId>タグに対応するコードは、アプリケーションのID(識別情報)を示している。また、<mhp:controlCode mhp:type=“ARIB−J”>タグに対応するコードは、このアプリケーションのライフサイクル制御情報を示しており、図4に示す「AUTOSTART」は、受信機4によってアプリケーションを自動実行させるライフサイクル制御情報である。また、<mhp:location>タグに対応するコードは、このアプリケーションの所在を示すロケーション情報を示している。図4の例では、ロケーション情報には、アプリケーションの所在として、サービスサーバ3のアドレスが記述されている。
なお、ロケーション情報には、アプリケーションの所在として、受信機4を指定することもできる。
【0061】
アプリケーション実行制御部17は、AIT記憶部23を監視し、新たにAITが記憶された場合に、このAITに記述されているライフサイクルに係る制御情報を参照する。そして、アプリケーション実行制御部17は、ライフサイクルに係る制御情報が「自動実行」を示すものである場合、AITに記述されているロケーション情報をアプリケーションの取得先として認識する。例えば取得先がサーバ群3であった場合には、アプリケーション実行制御部17は、通信部14及び第2分離部15を介してサーバ群3からアプリケーションを取得し、取得したアプリケーションを起動して実行する。この場合、アプリケーションは、受信機4のユーザから明示的な操作指示を受けることなく自動的に実行される。
【0062】
また、アプリケーション実行制御部17は、受信機4のユーザからリモコンRを介してアプリケーションの実行指示を受け付ける。例えば、リモコンRには、Hybridcast(登録商標)ボタンが設けられており、アプリケーション実行制御部17は、受信機4のユーザによってHybridcastボタンが押下されたことに応じて、実行するアプリケーションの選択を受け付けるためのメニュー画面の実行指示を受け付ける。アプリケーション実行制御部17は、メニュー画面の実行指示を受け付けたことに応じて、AIT記憶部23を参照し、実行可能なアプリケーションのAITを特定する。そして、アプリケーション実行制御部17は、特定したAITに対応するアプリケーションを選択可能なメニューの画像データを生成して、当該画像データを表示制御部19に出力することで、このメニューをディスプレイ21に表示させる。受信機4のユーザからリモコンRを介してアプリケーションの選択操作を受け付けた場合、アプリケーション実行制御部17は、AITに記述された当該アプリケーションのロケーション情報を参照してアプリケーションを取得し、アプリケーションを起動して実行する。
【0063】
アプリケーション実行制御部17は、必要に応じて、実行中のアプリケーションに関するアプリ用コンテンツをサービスサーバ3から取得する。そして、アプリケーション実行制御部17は、アプリ用コンテンツのうち、音声のデータを音声制御部18に、映像のデータを表示制御部19に、それぞれ出力する。ここで、実行中のアプリケーションが、番組コンテンツに連動するアプリ用コンテンツを提供するアプリケーションである場合には、アプリ用コンテンツの映像データ及び音声データが番組コンテンツの映像データ及び音声データに連動して出力される。
【0064】
また、アプリケーション実行制御部17は、AIT記憶部23に記憶されたAITに基づいて、具体的には当該AITのうち個別管理情報に含まれるライフサイクル制御情報に基づいて、実行中のアプリケーションのライフサイクルを制御する。例えば、アプリケーション実行制御部17は、アプリケーションのライフサイクル制御情報が「終了」を示すものであるとき、アプリケーションを終了させる。
【0065】
音声制御部18は、第1分離部12から出力された音声のデータを、表示制御部19により表示が制御される映像のデータと同期をとりながらスピーカ20に出力する。また、音声制御部18は、アプリケーション実行制御部17から出力された音声のデータが表示制御部19により表示が制御される映像のデータと同期可能である場合、この映像のデータと同期をとりながら音声のデータをスピーカ20に出力する。
【0066】
表示制御部19は、第1分離部12から出力されたデータに対応する映像を、音声制御部18により出力制御される音声のデータと同期をとりながらディスプレイ21に表示させる。また、表示制御部19は、アプリケーション実行制御部17から出力された映像のデータが音声制御部18により出力制御される音声のデータと同期可能である場合、この音声のデータと同期をとりながら当該映像をディスプレイ21に表示させる。
【0067】
スピーカ20は、音声制御部18から出力されたデータに基づいて、当該データに対応する音声を出力する。ディスプレイ21は、表示制御部19から出力されたデータに基づいて、当該データに対応する映像を表示する。
【0068】
メモリ22は、EIT等の番組コンテンツのメタ情報や、緊急コンテンツに含まれる緊急地震速報等、その他各種情報を記憶する。
AIT記憶部23は、放送AIT取得部13又は通信AIT取得部16によって取得された各種AITを記憶する。
【0069】
さらに以下、サーバ群3の詳細も含め、放送通信連携システム100の機能構成について説明する。
図5は、サーバ群3を放送局サーバ群31とサービス事業者サーバ群32とに区別した場合における、放送通信連携システム100の機能構成を示すブロック図である。
【0070】
図1のサーバ群3は、図5に示すように、放送局により管理される放送局サーバ群31と、各種サービスを提供するサービス事業者により管理されるサービス事業者サーバ群32とに大別される。
【0071】
放送局サーバ群31は、コンテンツ管理・配信サーバ311と、放送局サービスサーバ312と、API313とを備える。
【0072】
コンテンツ管理・配信サーバ311は、各種番組コンテンツや、これらの番組コンテンツに関するメタデータを管理し、必要に応じて、サービス事業者サーバ群32に配信する。ここで、メタデータには、番組タイトル、番組ID、番組概要、番組出演者、放送日時、台本、字幕、解説等の各種情報が含まれる。
【0073】
放送局サービスサーバ312は、サービス事業者に対して各種のサービス、例えば、放送局1が運営するソーシャルネットサービス、放送局1が運営する放送番組毎のブログサービス等を提供するサーバである。
【0074】
API313は、サービス事業者サーバ群32からの要求に応じて、放送局サーバ群31からデータを提供するためのAPI(Application Program Interface)である。APIのデータフォーマットは、放送局とサービス事業者間(B to B)の合意により決められる。本実施形態では、APIのデータフォーマットは、後述するWeb APIを用いる。
【0075】
サービス事業者サーバ群32は、サービス毎のサーバ321と、管理・配信サーバ322とを備える。
【0076】
サービス毎のサーバ321は、その名の如くサービス事業者が受信機4(そのユーザ)に対して各種サービスを提供するために1つずつ設けられるサーバである。サービス毎のサーバ321は、サービスに必要なコンテンツ(受信機4側でいうアプリ用コンテンツ)を、通信により受信機4に提供する。
【0077】
管理・配信サーバ322は、サービスに必要な各種アプリケーションを管理し、通信による受信機4からのリクエストに応じて、アプリケーションを通信により受信機4に提供する。
【0078】
受信機4は、APIを備える。APIは、受信機に依存することなく、アプリの動作が同様になるようにするために規定される。なお、アプリケーションは、APIを介さずに受信機4の固有機能にアクセスすることができない仕様となっている。
また、受信機4は、Hybridcast機能と、基本機能とを有している。
Hybridcast機能とは、Hybridcastのサービスを実現するために必要な機能である。Hybridcast機能には、AIT等によるアプリケーションの制御、描画制御、同期制御、セキュリティ等の各種機能が含まれる。
基本機能には、現行方式の放送(地上デジタル放送、BSデジタル放送、データ放送)が受信でき表示できる機能と、インターネットに接続することができる機能とが含まれる。
【0079】
以上のように構成される放送通信連携システム100では、サービス毎のサーバ321は、コンテンツの配信のリクエストが受信機4からなされると、そのリクエストに従ってコンテンツを受信機4に配信する。ここで、リクエストされたコンテンツが放送局サーバ群31に存在する場合、サービス毎のサーバ321は、放送局サーバ群31に対してコンテンツの配信のリクエストをする。この場合、放送局サーバ群31は、そのリクエストに従ってコンテンツをサービス毎のサーバ321に配信する。サービス毎のサーバ321は、このような放送局サーバ群31から配信されたコンテンツを受信すると、当該コンテンツを受信機4に配信する。
このように、受信機4、サービス毎のサーバ321、及び放送局サーバ群31において、受信機4のリクエストに応じて、コンテンツが受信機4に配信されるまでの一連の処理が実行される。このような一連の処理を、以下、コンテンツ配信処理と呼ぶ。
【0080】
図6は、このようなコンテンツ配信処理を実行するためのサーバ群の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0081】
放送通信連携システム100においては、コンテンツ配信処理が実行される場合、受信機4と、サービス毎のサーバ群321と、放送局サーバ群31におけるコンテンツ管理・配信サーバ311及びAPI313とが機能する。
【0082】
受信機4は、サービス毎のサーバ321に対して、所定のコンテンツの配信のリクエスト(以下、コンテンツリクエストと呼ぶ)をし、その後、サービス毎のサーバ321から送信されてくるコンテンツを受信する。
【0083】
サービス毎のサーバ321においては、コンテンツ配信処理が実行される場合、第1通信部3211と、コンテンツ記憶部3212と、コンテンツ配信管理部3213と、コンテンツ要求生成部3214と、第2通信部3215と、加工部3216とが機能する。
【0084】
第1通信部3211は、受信機4と通信により各種情報を送受信する。例えば、第1通信部3211は、受信機4からのコンテンツリクエストを受信する。
【0085】
コンテンツ記憶部3212は、サービス事業者側で生成されたコンテンツを、第2コンテンツとして記憶する。
【0086】
コンテンツ配信管理部3213は、第1通信部3211に受信されたコンテンツリクエストに基づいて、受信機4にコンテンツを配信するまでの処理を管理する。
【0087】
例えば、コンテンツリクエストで求められているコンテンツの全てが、自機内のコンテンツ記憶部3212に記憶されている場合、コンテンツ配信管理部3213は、当該コンテンツ記憶部3212からコンテンツを取得して、当該コンテンツを第1通信部3211を介して受信機4に配信する。
【0088】
これに対して、例えば、コンテンツリクエストで求められているコンテンツの少なくとも一部が、放送局サーバ群31に記憶されている場合、コンテンツ配信管理部3213は、放送局サーバ群31に対するコンテンツリクエストの生成指示を、後述のコンテンツ要求生成部3214に対して行う。
この指示を受けてコンテンツ要求生成部3214によりコンテンツリクエストが生成されて、後述の第2通信部3215から放送局サーバ群31に送信される。そのコンテンツリクエストを受けて、放送局サーバ群31からコンテンツが送信されてくると、コンテンツ配信管理部3213は、当該コンテンツを第2通信部3215を介して受信する。
そして、コンテンツ配信管理部3213は、当該コンテンツを第1通信部3211を介して受信機4に配信する。
【0089】
なお、以下、放送局サーバ群31に記憶されているコンテンツを、第1コンテンツと呼び、サーバ毎のサーバ32のコンテンツ記憶部3212に記憶されているコンテンツを、第2コンテンツと呼ぶ。
ここで、受信機4からのコンテンツリクエストによって、第1コンテンツと第2コンテンツとの合成(単なる加算や合体も合成に含む)が求められる場合がある。
このような場合には、コンテンツ配信管理部3213は、第1コンテンツと第2コンテンツとの各々を個別に取得した後、これらの第1コンテンツと第2コンテンツとを合成する。合成後のコンテンツを、以下、合成コンテンツと呼ぶ。
そして、コンテンツ配信管理部3213は、当該合成コンテンツを第1通信部3211を介して受信機4に配信する。
【0090】
コンテンツ要求生成部3214は、コンテンツ配信管理部3213の指示を受けると、受信機4からのコンテンツリクエストに基づいて、Web APIに準拠したコンテンツリクエストを生成する。
【0091】
ここで、Web APIとは、HTTPを利用してネットワーク越しに処理を実行して結果を受け取る仕組みである。本実施形態においては、Web APIのうち、REST(Representational State Transfer)のソフトウェアアーキテクチャのスタイルが採用されている。
RESTでは、以下のコマンドフォーマットがURL(Uniform Resource Locator)形式で提供される。
http://○○○.org/{サーバ名}/{パラメータ1}/{パラメータ2}/・・・
このような形式のRESTは、先頭のURLでサーバ等のコンテンツの場所が特定可能であるという特徴に加えて、パラメータ1,2・・・によって各種各様のパラメータを指定することができるという特徴を有する。
このパラメータ1,2・・・には、任意のパラメータを指定することが可能であり、単純にコンテンツの取得を示すパラメータのみならず、コンテンツの加工を指示したり、その加工方法を指定するパラメータを指定することができる。
例えば、とあるドラマ番組に対する多数のユーザのレビューを含むオリジナルコンテンツが放送局サーバ群3に記憶されている場合には、当該オリジナルコンテンツから、ドラマ番組の出演者の1人である役者に対して、好意的なレビューだけを抽出したものを第1コンテンツとして配信してもらうといった指示内容を、各種パラメータで指定することが可能になる。
即ち、コンテンツ要求生成部3214は、第1通信部3211に受信されたコンテンツリクエストに従って、例えば、放送局サーバ群31に対するコンテンツリクエストであって、第1コンテンツを加工して自機に送信させるコンテンツリクエストをWeb APIで生成することができる。
【0092】
第2通信部3215は、コンテンツ要求生成部3214により生成されたコンテンツリクエストを放送局サーバ群31(詳細には、後述するAPI313)に送信する。このコンテンツリクエストを受けて放送局サーバ群31から第1コンテンツが送信されてくると、第2通信部3215は、当該第1コンテンツを受信して、コンテンツ配信管理部3213に供給する。
【0093】
加工部3216は、コンテンツ配信管理部3213の指示に基づいて、第2コンテンツをコンテンツ記憶部3212から取得して加工する。ここで、加工とは、単なる加算や合体の他、減算や抽出、編集、フォーマットやデータ形式の変更、圧縮/復号、符号化/復号、その他、元のデータと少なくとも一部が同一ではないデータを生成することを意味する。
【0094】
このような機能的構成のサービス毎のサーバ321に対して、コンテンツ配信処理が実行される場合、サービスサーバ群3では、コンテンツ管理・配信サーバ311と、API313とが機能する。詳細には、コンテンツ管理・配信サーバ311においては、コンテンツ配信管理部3111と、コンテンツ記憶部3112と、加工部3113とが機能する。
【0095】
API313は、サービス毎のサーバ321からコンテンツリクエストを受信すると、当該コンテンツリクエストを解析する。
API313は、解析したコンテンツリクエストに従って、コンテンツ管理・配信サーバ311に対して各種要求をし、それらの各種要求に対する返答としてコンテンツ管理・配信サーバ311から送信されてくる第1コンテンツを受信し、サービス毎のサーバ321に送信する。
例えば、API313は、コンテンツリクエストにコンテンツの加工の要求が含まれていると解析した場合、コンテンツ加工要求を生成して、コンテンツ管理・配信サーバ311に送信する。コンテンツ管理・配信サーバ311によって、元の第1コンテンツが加工されたものが送信されてくると、API313は、当該第1コンテンツを受信してサービス毎のサーバ321に送信する。
【0096】
コンテンツ管理・配信サーバ311のコンテンツ配信管理部3111は、API313からの要求に基づいて、API313を介してサービス毎のサーバ321に第1コンテンツを配信するまでの処理を管理する。
【0097】
例えば、API313からの要求が、コンテンツ記憶部3112に記憶されている第1コンテンツを加工せずに送信するというものである場合、コンテンツ配信管理部3111は、当該コンテンツ記憶部3112から第1コンテンツを取得して、API313を介してサービス毎のサーバ321に配信する。
【0098】
これに対して、例えば、API313からの要求が、コンテンツ記憶部3112に記憶されている第1コンテンツを加工して送信するというものである場合、コンテンツ配信管理部3111は、その旨及び加工方法等を後述の加工部3113に通知する。その後、加工後の第1コンテンツが加工部3113から供給されてきた場合、コンテンツ配信管理部3111は、当該加工後の第1コンテンツを取得して、API313を介してサービス毎のサーバ321に配信する。
【0099】
コンテンツ記憶部3112は、放送局1により用意されたコンテンツ等を第1コンテンツとして記憶する。コンテンツ記憶部3112には、例えば、放送局が提供する放送局提供情報や、視聴者から吸い上げた視聴者情報が第1コンテンツとして記憶されている。
ここで、放送局提供情報とは、例えば、放送番組毎のブログサービスで提供される番組出演者やスタッフのブログ等の情報である。視聴者情報は、例えば、放送局が運営するソーシャルネットワークサービスで提供される掲示板の書き込みやブログのコメント欄の書き込み等の情報である。
【0100】
加工部3113は、コンテンツ配信管理部3111の指示に基づいて、第1コンテンツをコンテンツ記憶部3112から取得して加工する。ここで、加工の解釈は、加工部3216に対するものと同様であり説明済みであるため、ここではその説明は省略する。
【0101】
図7は、このような図6の機能的構成を有する、受信機4、サーバ毎のサーバ3、並びに放送局サーバ群31のコンテンツ管理・配信サーバ311及びAPI313により実行されるコンテンツ配信処理の流れの一例を示すアローチャートである。
即ち、図7には、受信機4から、特定の役者に関する好意的な情報をコンテンツとして取得したというコンテンツリクエストが送信された場合における、コンテンツ配信処理の流れが示されている。
【0102】
ステップS1において、受信機4は、コンテンツリクエストを送信する。
ステップS2において、サービス毎のサーバ321の第1通信部3211は、コンテンツリクエストを受信する。
ステップS3において、サービス毎のサーバ321のコンテンツ要求生成部3214は、コンテンツリクエストに基づいて、Web APIのRESTフォーマットに準拠したコンテンツリクエストを生成する。本例では、送信先となる放送局サーバ群31の所在を示すURLを先頭にして、その後、{役者名}、{好意的な情報}といった各種パラメータが設定されたコンテンツリクエストが生成される。
そして、第2通信部3215は、このようなコンテンツリクエストをAPI313に送信する。
【0103】
ステップS4において、API313は、コンテンツリクエストを受信する。
ステップS5において、API313は、コンテンツリクエストを解析する。具体的には、API313は、コンテンツリクエストに含まれる{役者名}、{好意的な情報}というパラメータから、その役者名の役者の情報を少なくとも含む第1コンテンツに対して、当該役者の好意的な情報のみを抽出する(抽出という加工をする)処理を施す必要があると解析する。
ステップS6において、API313は、ステップS5において解析されたコンテンツリクエストに基づいて、第1コンテンツを加工した上で配信する旨の要求(以下、コンテンツ加工要求と呼ぶ)を、コンテンツ管理・配信サーバ311に対して行う。具体的には本例では、第1コンテンツに対して、当該役者の好意的な情報のみを抽出し(抽出という加工をし)、抽出後の第1コンテンツを配信するというコンテンツ加工要求がなされる。
【0104】
ステップS7において、コンテンツ管理・配信サーバ311のコンテンツ配信管理部3111は、コンテンツ加工要求に基づいて、コンテンツ記憶部3112から第1コンテンツを取得する。ただし、本例では、取得された第1コンテンツは、加工部3113に供給される。
ステップS8において、加工部3113は、ステップS7の処理で取得された第1コンテンツを加工する。具体的には、加工部3113は、第1コンテンツに含まれる役者の情報の中からさらに、当該役者に好意的な情報を抽出(加工)する。
ステップS9において、コンテンツ配信管理部3111は、加工後の第1コンテンツを送信する。
これにより、コンテンツ管理・配信サーバ311におけるコンテンツ配信処理は終了する。
【0105】
ステップS10において、API313は、第1コンテンツの送信の中継を制御する。即ち、ステップS9の処理でコンテンツ管理・配信サーバ311から送信された、加工後の第1コンテンツは、ステップS10の処理でAPI313を経由してサービス毎のサーバ321に送信される。
【0106】
ステップS11において、サービス毎のサーバ321の第2通信部3215は、第1コンテンツを受信する。
ステップS12において、サービス毎のサーバ321のコンテンツ配信管理部3213は、コンテンツ記憶部3212から第2コンテンツを取得する。本例では、コンテンツ配信管理部3213は、サービス事業者が独自に収集した役者に関する情報のコンテンツを第2コンテンツとして取得する。ただし、本例では、取得された第2コンテンツは、加工部3216に供給される。
ステップS13において、加工部3216は、ステップS12の処理で取得された第2コンテンツを加工する。具体的には、加工部3216は、第2コンテンツに含まれる役者の情報の中からさらに、当該役者に好意的な情報を抽出(加工)する。
ステップS14において、コンテンツ配信管理部3213は、加工後の第1コンテンツと加工後の第2コンテンツとを合成することによって、合成コンテンツを生成する。具体的には、放送局が保有する役者に好意的な情報(加工後の第1コンテンツ)と、サービス事業者が独自に収集した役者に好意的な情報(加工後の第2コンテンツ)とが合算されたものが、合成コンテンツとして生成される。
ステップS15において、第1通信部3211は、合成コンテンツを受信機4に送信する。
これにより、サービス毎のサーバ321におけるコンテンツ配信処理が終了する。
【0107】
ステップS16において、受信機4は、合成コンテンツを受信する。
これにより、受信機4におけるコンテンツ配信処理は終了する。
その後、受信機4においては、所定のアプリケーションによって、取得された合成コンテンツが表示されたり、当該合成コンテンツを用いた処理が実行される。
【0108】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)放送通信連携システム100では、リクエストに従って、コンテンツを加工して、加工後のコンテンツをコンテンツ管理・配信サーバ311から受信するので、受信機4において所望のコンテンツを入手することができる。
【0109】
(2)放送通信連携システム100では、コンテンツ管理・配信サーバ311に加えて、サービス毎のサーバ321でもコンテンツをさらに加工するので、より高度なリクエストにも対応したコンテンツを提供することができる。
【0110】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図6の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。すなわち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が受信機4やコンテンツ管理・配信サーバ311やサービス毎のサーバ321等に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図6の例に限定されない。
また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0111】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0112】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0113】
また、上記実施形態では、コンテンツの加工は、第1コンテンツを加工部3113が加工し、第2コンテンツを加工部3216が加工するように構成したがこれに限られない、例えば、第1コンテンツ、又は第2コンテンツのいずれかを加工しても、第1コンテンツを加工部3113が加工した後にさらに加工部3216が加工したり、加工部3216のみが加工したりするように構成してもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、受信機4はリクエスト対象を、放送局提供情報や視聴者情報をコンテンツとしたがこれに限られない。例えば、メタデータをリクエスト対象としてもよい。また、コンテンツは、掲示板の書き込み、映像、字幕、音声を含む。また、メタデータは、番組タイトル、番組ID、番組概要、出演者、放送日時、台本、字幕、解説等のコンテンツに付随する情報を含む。
【0115】
また、上記実施形態では、サービス事業者サーバ群と放送局サーバ群とのやり取りをWeb APIのうち、RESTのフォーマットにおいて行ったがこれに限られない。サービス事業者サーバ群、放送局サーバ群、受信機のやり取りは、リクエストに応じて、所望のデータを取得できるような方法であれば種々の方法を採用することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 放送局
4 受信機
100 放送通信連携システム
311 コンテンツ管理・配信サーバ
313 API
321 サービス毎のサーバ
3113 加工部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送局と、前記放送局により管理される第1サーバと、前記第1サーバと通信する第2サーバと、前記第2サーバと通信すると共に前記放送局から放送された放送信号を受信する受信機と、を備える放送通信連携システムであって、
前記受信機は、前記第2サーバに対してコンテンツをリクエストし、
前記第2サーバは、前記受信機からの前記リクエストを受けて、前記第1サーバに対して、Web APIで、前記コンテンツを加工して自機に送信することをリクエストし、
前記第1サーバは、Web APIでの前記リクエストに従って、前記コンテンツを加工して、加工後の前記コンテンツを前記第2サーバに送信し、
前記第2サーバは、前記第1サーバから送信された前記コンテンツを受信して、前記受信機に送信し、
前記受信機は、前記第2サーバから送信された前記コンテンツを受信する、
放送通信連携システム。
【請求項2】
前記第2サーバは、前記第1サーバから受信した前記コンテンツをさらに加工して、加工後の前記コンテンツを前記受信機に送信する、
請求項1に記載の放送通信連携システム。
【請求項3】
放送局と、サーバ群と、前記サーバ群と通信すると共に前記放送局から放送された放送信号を受信する受信機と、を備える放送通信連携システムにおけるサーバであって、
前記受信機からのコンテンツのリクエストを受信する第1通信手段と、
前記第1通信手段に受信された前記リクエストに従って、前記放送局により管理される別サーバに対するリクエストであって、前記コンテンツを加工して自機に送信させるリクエストをWeb APIで生成する生成手段と、
前記生成手段により前記Web APIで生成された前記リクエストを前記別サーバに送信する第2通信手段と、
を備え、
前記別サーバにおいて、前記Web APIによるリクエストに従って、前記コンテンツが加工されて送信されてきた場合、前記第2通信手段は前記コンテンツを受信し、前記第1通信手段は前記コンテンツを前記受信機に送信する、
サーバ。
【請求項4】
前記別サーバから受信した前記コンテンツを加工する加工手段をさらに備え、前記第1通信手段は、前記加工手段による加工後の前記コンテンツを、前記受信機に送信する、
請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
放送局と、サーバ群と、前記サーバ群と通信すると共に前記放送局から放送された放送信号を受信する受信機と、を備える放送通信連携システムにおけるサーバを制御するコンピュータを、
前記受信機からのコンテンツのリクエストを前記サーバに受信させる制御を実行する第1通信制御手段、
前記第1通信制御手段の制御により前記サーバに受信された前記リクエストに従って、前記放送局により管理される別サーバに対するリクエストであって、前記コンテンツを加工して自機に送信させるリクエストをWeb APIで生成する生成手段、
前記生成手段により前記Web APIで生成された前記リクエストを前記サーバから前記別サーバに送信させる制御を実行する第2通信制御手段、
として機能させ、
前記別サーバにおいて、前記Web APIによるリクエストに従って、前記コンテンツが加工されて送信されてきた場合、前記第2通信制御手段として機能するコンピュータは、前記コンテンツを前記サーバに受信させる制御を実行し、前記第1通信制御手段として機能するコンピュータは、前記コンテンツを前記サーバから前記受信機に送信させる制御を実行する、
プログラム。
【請求項6】
放送局と、サーバ群と、前記サーバ群と通信すると共に前記放送局から放送された放送信号を受信する受信機と、を備える放送通信連携システムにおけるサーバであって、
別サーバにおいて、前記受信機からのコンテンツのリクエストに従って、自機に対するリクエストであって、前記コンテンツを加工して前記別サーバに送信させるリクエストがWeb APIで生成されて、送信されてきた場合、前記リクエストを解析して処理するAPIと、
前記APIにより解析された前記リクエストに従って、前記コンテンツを加工する加工手段と、
前記APIにより解析された前記リクエストに従って、前記加工手段により加工された前記コンテンツを、前記APIを介して前記別サーバに配信する配信管理手段と、
を備えるサーバ。
【請求項7】
放送局と、サーバ群と、前記サーバ群と通信すると共に前記放送局から放送された放送信号を受信する受信機と、を備える放送通信連携システムにおけるサーバを制御するコンピュータを、
別サーバにおいて、前記受信機からのコンテンツのリクエストに従って、自機に対するリクエストであって、前記コンテンツを加工して前記別サーバに送信させるリクエストがWeb APIで生成されて、送信されてきた場合、前記リクエストを解析して処理させる制御を実行するAPI手段、
前記APIにより解析された前記リクエストに従って、前記コンテンツを加工する加工手段、
前記APIにより解析された前記リクエストに従って、前記加工手段により加工された前記コンテンツを、前記APIを介して前記別サーバに配信させる制御を実行する配信管理手段、
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−244408(P2012−244408A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112536(P2011−112536)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】