放電ランプ
【課題】製造が容易で耐久性のある大電流の放電ランプを提供する。
【解決手段】電極から延設される電極リード棒の端部が、石英板および外周に複数の導電箔を有する集電板を貫通して前記密封体に挿入され、前記集電板は、密封体の電極リード棒挿入側端面の直径(r1)に対して0.7〜1.5倍の直径(r2)を有する集電板円盤部と、該集電板円盤部の外周に設けられた複数の集電板片部とからなり、前記導電箔は、前記集電板片部から延設され、かつ前記導電箔は前記密封体を長軸方向に被覆することを特徴とする。大電流に対応しうる放電ランプとなる。
【解決手段】電極から延設される電極リード棒の端部が、石英板および外周に複数の導電箔を有する集電板を貫通して前記密封体に挿入され、前記集電板は、密封体の電極リード棒挿入側端面の直径(r1)に対して0.7〜1.5倍の直径(r2)を有する集電板円盤部と、該集電板円盤部の外周に設けられた複数の集電板片部とからなり、前記導電箔は、前記集電板片部から延設され、かつ前記導電箔は前記密封体を長軸方向に被覆することを特徴とする。大電流に対応しうる放電ランプとなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐久性に優れかつ大電流に対応できる放電ランプに関し、より詳細には、大電流の場合でも、使用時の熱膨張や振動に対する耐久性に優れる、放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の導電箔を有する放電ランプは、図12に示すように、発光管部(111a)とその両端に円筒状に延設された封止管部(111b)とからなる透光性封体(111)内に、陽電極(120)と陰電極(130)との一対の電極を含み、前記電極から延設される電極リード棒(121)は、導電体(122)を貫通させ、その後端を密封体(124)に挿入される構造となっている。また、密封体(124)の後端には、導入線(126)の端部が固定された集電用ディスク(125)が面同士を接して配設されている。そして前記導電体(122)と密封体(124)および集電用ディスク(125)の表面にはストリップ状の導電箔(123)が巻装され、密封体(124)は封止管部(111b)に気密に固定されている。
【0003】
放電ランプは、使用時の発熱によって各部材が熱膨張するが、部材によって膨張率が相違する。特に、モリブデンからなる導電体(122)と石英ガラスからなる密封体(124)とは膨張率が大きく異なる。このため、熱膨張による封止管部(111b)の破損を防止するため、導電体(122)と封止管部(111b)との間には微小空間Sが設けられ、かつ導電体(122)と封止管部(111b)との間は溶着などによる固着はされておらず、導電体(122)は、導電箔(123)によって支持される構造となっている。
【0004】
このような放電ランプ(110)は、一般に垂直点灯、すなわち陰電極側の電極リード棒(121)が垂下するように固定して使用される。しかしながら、取付時や運搬時の振動によって、電極(陽電極120または陰電極130)、電極リード棒(121)や導電体(122)の重量が導電体(122)を傾ける力となる。前記したように、導電体(122)と封止管部(111b)との間には微小空間Sが設けられているため、このような負荷力によって導電体(122)が微小空間S内で傾き、導電体(122)と密封体(124)との表面に巻装される導電箔(123)に引っ張り力が付加される。その結果、図13に示すように、導電箔(123)は引き延ばされ、ついには切断されてしまう。
【0005】
この問題を解決するために、導電体を軸方向に厚くすることによって、導電体の傾きを少なくする放電ランプが提案されている(特許文献1)。前記特許文献1に記載される放電ランプは、導電体を厚くすることで導電体の傾きを少なくし、その結果、導電箔が引っ張られる距離を短くして切断に至らなくする、というものである。
【0006】
また、導電体の外周を特定の形状に加工した放電ランプもある(特許文献2)。前記特許文献2に記載される放電ランプは、導電体の外周に凹部を形成し、封止管部には、前記凹部に所定の間隙W2をもって嵌合する凸部を形成し、前記微小空間W1と前記所定の間隙W2とをW1>W2となるように構成することで導電体の傾きを抑制し、これによって導電箔の引張りによる切断を防止する、というものである。
【0007】
さらに、他の構成の放電ランプにおける封止部の破壊を抑制する放電ランプとして、リード棒が石英製のビーズ管を貫通し封止用ガラス棒内に嵌合される形状の放電ランプにおいて、上記ビーズ管と封止用ガラス棒との間隙Dを所定範囲に確保するショートアーク型放電ランプもある(特許文献3)。前記特許文献3に記載される放電ランプは、前記ビーズ管と封止用ガラス棒との間に、複数枚のモリブデン箔をスポット溶接したタンタルディスクを挟みこみ、前記モリブデン箔が前記封止用ガラス棒後端で外部導入線と接触して通電する構成となっているものである。この放電ランプにおける最も破壊の生じやすい箇所が前記ビーズ管と封止用ガラス棒との間隙Dであるとし、その間隙Dの範囲を制限することで、封止部の破壊を防止する、というものである。
【0008】
また、上記と同様に、複数枚のモリブデン箔を溶接したタンタルディスクを挟みこむ放電ランプにおいて、タンタルディスクとモリブデン箔との溶接を、タンタルディスクおよびモリブデン箔に対して非接触状態となる溶接手段によって1箇所以上溶接し、かつタンタルディスクとモリブデン箔との溶接強度を15N以上とするものもある(特許文献4)。前記特許文献4記載の放電ランプは、抵抗溶接は、溶接面の表面状態や抵抗溶接機の電極の表面状態に影響されやすく、タンタルディスクとモリブデン箔との溶接強度にばらつきが生じ、その結果、溶接面で断線等が発生しやく、放電ランプを長時間、安定して点灯させることが困難であったことに鑑みてなされたものである。非接触状態となる溶接手段として、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、アルゴンイオンレーザ等を利用したレ−ザ溶接、光ビーム等を利用した光集光溶接、ゴールドイメージ炉等を利用したIRヒータ溶接等を例示している。
【特許文献1】特公平4−67297号公報
【特許文献2】特開2006−228440号公報
【特許文献3】特開2003−331790号公報
【特許文献4】特開2003−323866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、放電ランプには放射光量増加の要請があり、上記特許文献1記載の方法は、このような要請に十分対応できるものではない。
【0010】
というのも、放射光量を増加するには入力電流を増加すればよいが、入力電流を増加すると電極間を流れる電子流も増加し、増加した電子流に耐えられるように電極を大きくし、これに伴い放電ランプ全体を大型化する必要が生ずる。放電ランプを大型化すると、電極の重量が増大するばかりか電極の重心から導電体(122)までの距離も増大し、放電ランプに振動が加わった場合には、導電体(122)を傾けようとする力も大きくなり、より大きな引っ張り力が導電箔(123)に加わるためこれを切断してしまう。
【0011】
また、電極の大型化に伴って封止管部(111b)の内径も大きくする必要があり、封止管部(111b)、と微小空間Sをもって遊嵌する導電体(122)の直径も大きくする必要がある。上述のように導電体(122)の方が封止管部(111b)よりも膨張率が大きいので、導電体(122)の直径を大きくする場合には、導電体(122)と封止管部(111b)との間に設けられる微小空間Sも大きくする必要があり、導電体(122)が傾く角度も大きくなり、より大きな引っ張り力が導電箔(123)に加わりこれを切断しやすくする。
【0012】
このような大型化した放電ランプにおいて、前記特許文献1記載のように導電体(122)の厚みを軸方向に大きくする方法を用いると、導電体(122)の重量も増大するため、放電ランプに振動が加えられた場合には導電箔(123)に加わる引っ張り力も増大し、かえって導電箔(123)が切断されやすくなる場合がある。更に、導電体(122)の厚みを大きくした分だけ放電ランプを更に大型化する必要があり、放電ランプを組み込んだ装置(例えば液晶のカラーフィルターの製造工程における露光装置など)全体も大型化し、不利である。
【0013】
また、特許文献2記載の構造は、所定形状の凹部と凸部とを形成するものであり、性能に優れるが、より構造が簡便な放電ランプがあればより好ましい。
【0014】
また、特許文献3、特許文献4記載の放電ランプは、タンタルディスクに複数枚のモリブデン箔を溶接するものであり、溶接箇所に制限があるため大電流の放電ランプとすることは困難である。
【0015】
そこで、本発明の目的は、耐久性に優れ、ランプの大型化、大電流に対応できる放電ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、封止管部における導電箔の切断状況を詳細に検討した結果、所定サイズの集電板円盤部とその外周に設けた複数の集電板片部とからなる集電板を用い、電極から延設される電極リード棒を、石英板、前記集電板を貫通させ、かつ電極リード棒の端部を前記密封体に挿入し、前記集電板から延設した導電箔によって前記密封体を長軸方向に被覆すると、電極リード棒の破損や導電箔の切断を効率的に防止し、かつ電流量を増大しうる放電ランプとなること、そのような集電板と前記密封体との間には、さらに導電体を有していてもよく、その際に、前記集電板と導電体とを溶接などによって固定すると簡便に大電流量の放電ランプを製造しうること、および前記導電体の厚さおよび直径を所定範囲とすることで石英板と密封体との間、集電板片部と導電体との間に間隙を形成すると、使用時に導電体が熱膨張した場合にも前記間隙によって溶接部や集電板、導電箔の破断を効率的に回避できることを見出し、本発明を完成させた。
【0017】
すなわち、密封体を内包する筒状の封止管部を両端に有する透光性封体内に前記両端の密封体にそれぞれ支持される一対の電極を有する放電ランプであって、
少なくとも陽電極または陰電極のいずれかは、前記電極から延設される電極リード棒の端部が、石英板および外周に複数の導電箔を有する集電板を貫通して前記密封体に挿入され、
前記集電板は、所定長の直径(r2)を有する集電板円盤部と、該集電板円盤部の外周に設けられた複数の集電板片部とからなり、
前記導電箔は、前記集電板片部から延設され、かつ
前記導電箔は前記密封体を長軸方向に被覆することを特徴とする、放電ランプを提供するものである。
【0018】
また、更に、前記集電板と前記密封体との間に、導電体を有することを特徴とする、放電ランプを提供するものである。
【0019】
また、本発明は、密封体を内包する筒状の封止管部を両端に有する透光性封体内に前記両端の密封体にそれぞれ支持される一対の電極を有する放電ランプであって、
少なくとも陽電極または陰電極のいずれかは、前記電極から延設される電極リード棒の端部が、石英板、外周に導電箔を有する所定直径(r4)の円盤状集電板および導電体を貫通して前記密封体に挿入され、
前記導電箔は、溶接によって前記円盤状集電板に放射状に固定され、かつ
前記導電箔は前記密封体を長軸方向に被覆することを特徴とする、放電ランプを提供するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の放電ランプによれば、前記電極から延設される電極リード棒の端部が石英板および導電箔を延設する集電板を貫通して前記密封体に挿入され、かつ前記密封体の端面の広範囲が前記集電板によって被覆されるため、大電流を流すことができ、かつ、振動などの引っ張り抵抗性に優れ、大電流量と長寿命とを両立しうる。
【0021】
本発明の放電ランプは、前記密封体と集電板との間に導電体を配置することができ、これにより集電板の強度を確保することができ、大電流かつ一定の品質の放電ランプを提供しうる。
【0022】
本発明の放電ランプは、前記密封体と接触する導電体の直径(3)を、密封体の端部直径(r1)よりも短径とすることで、集電板や導電箔が接触しない間隙を形成することができ、このため集電板や導電箔またはこれらの溶接部の引張りに対する抵抗性を向上させ、超寿命の放電ランプとすることができる。
【0023】
本発明によれば、放電ランプのサイズによらず封止部の破断を抑制できるため、放電ランプの大型化にも適応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の第一は、密封体を内包する筒状の封止管部を両端に有する透光性封体内に前記両端の密封体にそれぞれ支持される一対の電極を有する放電ランプであって、
少なくとも陽電極または陰電極のいずれかは、前記電極から延設される電極リード棒の端部が、石英板および外周に複数の導電箔を有する集電板を貫通して前記密封体に挿入され、
前記集電板は、下記式で示される直径(r2)を有する集電板円盤部と、該集電板円盤部の外周に設けられた複数の集電板片部とからなり、
前記導電箔は、前記集電板片部から延設され、かつ
前記導電箔は前記密封体を長軸方向に被覆することを特徴とする、放電ランプである。
【0025】
【数1】
本発明の好適な実施態様を示す図1を用いて、本発明を説明する。
【0026】
図1において、10は放電ランプ、11は透光性封体、11aは発光管部、11bは封止管部、20は陽電極、30は陰電極、40は密封体、50は外部端子、60は電極リード棒、65は導入線、70は石英板、80は導電体、85は集電用ディスク、90は集電板、95は集電板の導電箔を示す。
【0027】
本発明の放電ランプは、密封体(40)を内包する筒状の封止管部(11b)を両端に有する透光性封体(10)内に前記両端の密封体(40)にそれぞれ支持される一対の電極(20,30)を有する放電ランプである。
【0028】
筒状の封止管部(11b)を有する透光性封体(10)内に、陽電極(20)と陰電極(30)とからなる一対の電極を有し、前記電極は電極リード棒(60)が延設され、電極リード棒(60)の後端は密封体(40)に挿入されている。陽電極または陰電極のいずれかの封止管部(11b)には、前記電極側から順に石英板(70)および集電板(90)が配設され、これらはいずれも円盤状であり、その中央部で電極リード棒(60)を貫通させている。また、密封体(40)の後ろには、導入線(65)を固定した集電用ディスク(85)が配置され、該集電用ディスク(85)は前記導入線(65)を介して外部端子(50)と接続している。なお、前記集電板(90)には複数枚のストリップ状の導電箔(95)が延設され、該導電箔(95)は、密封体(40)および集電用ディスク(85)の表面を軸方向にほぼ全周にわたって被覆している。密封体(40)と封止管部(11b)とは、前記導電箔(95)を介して溶着され、放電ランプ(10)内を気密にするとともに導電箔(95)の介在によって導電を可能としている。導電箔(95)と集電用ディスク(85)とは溶接などによって導電的に固着されている。
【0029】
なお、図1では、陽電極(20)の電極リード棒(60)のみが上記構成となっているが、陰電極(30)側が上記構成となっていてもよく、陽電極(20)および陰電極(30)の双方が上記構成となっていてもよい。なお、図2では、陰電極(30)側の封止管部(11b)には、前記電極側から順に石英板(70)および導電体(80)が配設され、これらはいずれも円盤状であり、その中央部で電極リード棒(60)を貫通させる態様を示す。
【0030】
(1)石英板
本発明は、密封体(40)の電極側に石英板(70)を配設する。これにより、密封体(40)に挿入された電極リード棒(60)の移動範囲を限定し、電極リード棒(60)の振動を抑制して、導電箔(95)の切断を防止することができる。
【0031】
石英板(70)は、その中央部に電極リード棒(60)を貫通させる貫通孔を有し、該貫通孔は、電極リード棒(60)の熱膨張による管径の増加に対応できるように、および隣接する集電板(90)の熱膨張による電極方向への移動に対応できるように、熱膨張の際に電極リード棒(60)の管径と同じかそれよりも大きくなるように調整されている。
【0032】
前記封止管部(11b)の内径に対する前記石英板(70)の直径の比(石英板(70)の直径/封止管部の内径)は、0.5〜1.0であることが好ましく、より好ましくは0.8〜1.0である。0.5を下回ると、電極リード棒(60)の振動を抑制する効果が十分でなく、導電箔(95)が切断される場合がある。
【0033】
また、前記封止管部(11b)の内径に対する前記石英板(70)の幅の比(石英板(70)の幅/封止管部の内径)は、0.1〜2.0であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.0である。0.1を下回ると電極リード棒(60)の固定効果が弱い場合があり、一方2.0を超えると、リード線が長くなり温度が下がりすぎて水銀などを透光性封体内に導入した場合にこの水銀などがたまるので不利となる。
【0034】
なお、透光性封体の原料は石英であるため、封止管部(11b)と石英板(70)との熱膨張率が等しく、熱膨張率の相違による封止管部(11b)の破損を効率的に抑制することができる。
【0035】
(2)集電板
本発明では、石英板(70)と密封体(40)との間に、集電板(90)が配設される。前記集電板は、集電板円盤部と該集電板円盤部の外周に設けられた複数の集電板片部とからなり、前記集電板片部は導電箔を延設され、前記導電箔が密封体を長軸方向に被覆するものである。本発明で使用する集電板(90)を図2に示す。図2(a)は、集電板(90)の平面図であり、集電板円盤部(90a)の外周に複数の集電板片部(90b)が形成される構成となっている。
【0036】
本発明において、集電板円盤部(90a)は、下記式で示される直径(r2)を有し、より好ましくは、r2=r1×(0.8〜1.3)である。
【0037】
【数2】
r2がr1×0.7より短径では、密封体(40)の端面を覆う面積が少ないため、大電流を流すことが困難となる場合がある。一方、r2がr1×1.5より長径では、密封体(40)の外周上で集電板片部(90b)が相互に重なり合い、密封体(40)による封止管部(11b)の封止が困難となる場合がある。なお、密封体の電極リード棒挿入側端面の直径(r1)と集電板円盤部(90a)の直径(r2)との関係は、図6に示されている。
【0038】
なお、本発明で使用する集電板(90)は、その中央部に電極リード棒(60)を貫通させる貫通孔(91)を有する。該貫通孔(91)は、電極リード棒(60)の熱膨張による管径の増加に対応できるように、熱膨張の際に電極リード棒(60)の管径と同じかそれよりも大きくなるように調整される。
【0039】
また、集電板片部(90b)の長さ(L1)は、5〜30mm、より好ましく8〜15mmである。5mm未満では、溶接を行う際の断面積が少なく電流密度が取れない場合があり、一方30mmを超えると集電板片部と導電箔の重なっている部分が長くなり、密封部のリークの要因となる場合があり、不利である。なお、本発明で使用する集電板(90)は、上記構造により、外周に切れ込みを有する円盤状物となる。
【0040】
集電板(90)における集電板円盤部(90a)や集電板片部(90b)の厚みは、50〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは100〜300μmである。50μmより薄いと、強度を十分確保することができず、一方、1000μmより厚くても流せる電流量が増大せず、むしろ重量が増加し、かつ折り曲げ操作が困難となり、不利となる。なお、集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)の厚みは、同一であっても異なっていてもよい。
【0041】
集電板(90)は、図2(b)に示すように平板であってもよいが、たとえば中央に穴をあけた反発力のあるエンボス円板であってもよい。エンボス円板であれば緩衝材として機能でき、封止管部(11b)が熱膨張した際にも、密封体(40)との接触面に緩衝性を確保することができる。なお、集電板(90)は、電極リード棒(60)と接触して導電する必要がある。このため、例えば図2(c)に示すように、電極リード棒(60)との接触部を広く確保できるように、集電板円盤部(90a)の貫通孔(91)に沿って、電極リード棒(60)を貫通させる筒状部(90c)を有していてもよい。なお、集電板(90)が筒状部(90c)を有する場合には、密封体(40)の前部端面に対応する凹部を設ければよい。
【0042】
本発明で使用する集電板(90)は単体で構成されていてもよいが、複数の部材を溶接によって結合したものであってもよい。例えば、図2(d)に示す集電板円盤部(90a)と図2(e)で示す集電板片部(90b)とを溶接によって一体に構成したものを例示できる。図2(d)、図2(e)における斜線部は溶接部である。本発明では、集電板(90)は、集電板円盤部(90a)の外周に集電板片部(90b)を溶接によって導電可能に固定したものを好適に使用することができる。このように、集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)とを溶接によって固定すると、溶接面積に比例して電流量を増大できるため、大電流の放電ランプを簡便に製造することができるからである。なお、この導電箔(95)を集電板(90)に溶接する部位は前記集電板片部(90b)となるが、本発明では、集電板円盤部(90a)の直径(r2)は、前記したようにr2=r1×(0.7〜1.5)であり、このため集電板円盤部(90a)の広い面積を集電板片部(90b)との溶接部位とすることができ、このため、大電流を流しうる放電ランプを製造することができる。
【0043】
溶接方法としては、高周波溶接、アーク溶接、抵抗溶接、レ−ザ溶接、光集光溶接、IRヒータ溶接などのいずれであってもよい。
【0044】
また、集電板(90)が集電板円盤部(90a)の外周に集電板片部(90b)を溶接する場合に、使用される集電板円盤部(90a)の形状は平板であってもよく、図2(c)と同様に、電極リード棒(60)との接触部を広く確保するよう電極リード棒(60)を貫通させる貫通孔(91)に沿って筒状部(90c)を有していてもよい(図2(f)参照)。
【0045】
本発明において、上記集電板(90)を構成する材質は導電性を有する必要があり、モリブデン、タングステンもしくはタンタルのいずれか、または、モリブデン、タングステン、タンタル、ルテニウム、レニウムおよびイットリウムからなる群から選択される2種以上の合金であることが好ましい。この中でも、特にモリブデン単体、モリブデンとレニウムとの合金、モリブデンとイットリウムとの合金であることが好ましい。その理由は、高温下でも再結晶しにくく、強度が上がるためである。また、溶接部材は、ジルコニウム、チタン、白金であることが好ましい。
【0046】
なお、放電ランプの封止管部(11b)の横断面は円盤状であり、前記石英板(70)、密封体(40)などの断面は通常円盤状であるため、本発明では、集電板(90)などの円盤状物のサイズを直径で表示するが、必ずしも正円である必要はなく、上記目的を害しない範囲で楕円などであってもよい。
【0047】
(3)導電箔
本発明では、集電板(90)に導電箔(95)が延設される。図3(a)に導電箔(95)を集電板(90)に延設したものの部分平面図を示し、図3(b)にその側面部分透視図を示す。図3で示す集電板(90)は、集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)とが溶接によって一体に固定されたものであり、導電箔(95)が前記集電板片部(90b)の外周に延設されている。本発明では、集電板片部(90b)と導電箔(95)との延設方法に限定はないが、簡便であり導電性を損なわない点で溶接が好ましい。また、溶接方法としては、スポット溶接、抵抗溶接、レ−ザ溶接、光集光溶接、IRヒータ溶接などのいずれであってもよい。
【0048】
導電箔(95)は、通常、密封体(40)の外周面を2〜3mm程度の間隔で被覆する。これによって密封体(40)と封止管部(11b)とが導電箔(95)を介して溶着され、放電ランプ(10)内を気密にすると導電箔(95)の介在によって導電を可能としうる。従って、各集電板片部(90b)の幅やこれに延設される導電箔(95)の幅は、封止管部(11b)に内包する密封体(40)の外周長を勘案して好適な被覆幅とすればよい。また、図3では、集電板片部(90b)の幅と導電箔(95)の幅とは等しいが、これに限定されず、電極リード棒(60)から集電用ディスク(85)への導電を可能とでき、気密性を確保できれば幅が異なっていてもよい。なお、導電箔(95)の長さは、その終端が密封体(40)の終端部および前記密封体(40)に連設する集電用ディスク(85)と接触でき、これによって導電可能とするに足る長さである。
【0049】
また、導電箔の厚さは、10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは20〜70μmである。
【0050】
図3では、集電板円盤部(90a)、集電板片部(90b)、導電箔(95)の順に溶接される態様を示すが、本発明はこれに限定されるものでない。
【0051】
(4)封止管部の態様(I)
本発明の導電箔(95)を延設した集電板(90)を有する放電ランプの封止管部内の構成を図4を用いて説明する。本発明では、前記電極側から順に石英板(70)および集電板(90)、密封体(40)が配設され、その後方に導入線(65)を固定した集電用ディスク(85)が配置され、該集電用ディスク(85)は前記導入線(65)を介して外部端子(50)と接続している。前記集電板(90)は、複数枚のストリップ状の導電箔(95)が延設され、かつこの導電箔(95)が密封体(40)および集電用ディスク(85)の表面を軸方向にほぼ全周にわたって被覆している。電極リード棒(60)が集電板(90)と接触または固定され、密封体(40)の外周が集電板(90)から延設される導電箔(95)によって被覆され、かつ導電箔(95)の終端が密封体(40)の後端に連接される集電用ディスク(85)と接触または固定されることで、導電可能となっている。
【0052】
図4(a)において、密封体(40)は、その電極リード棒挿入側の端面に前記集電板円盤部(90a)が隣接され、前記密封体前部端面の外周は前記集電板片部(90b)で被覆され、その長軸方向は、延設される導電箔(95)によって被覆されている。前記集電板(90)は、集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)との境界部で折り曲げると、容易に上記構成で密封体(40)と嵌合しうる。なお、前記集電板(90)は前記した所定の厚みを有するため、図4(b)に示すように、集電板片部(90b)が隣接される密封体(40)の端面外周部を、集電板片部(90b)の厚み分だけ後方より薄くすれば、集電板片部(90b)と導電箔(95)とを密封体(40)に沿わせて被覆した場合に、封止管部(11b)との接触部分の厚みを均一にすることができる。
【0053】
なお、この前記集電板(90)がその貫通孔(91)や筒状部(90c)を有する場合には、筒状部(90c)の内壁と電極リード棒(60)とを溶接によって固定することができ、これにより電極リード棒(60)のがたつきを防止できると同時に、導電性を確保することができる。
【0054】
(5)導電体
本発明の放電ランプは、前記集電板(90)と前記密封体(40)との間に、導電体(80)を有していてもよい。放電ランプの大型化に伴い電極も重くなるため、集電板(90)のみの厚みでは、電極を保持することが困難となり、放電ランプの製作中に集電板(90)が曲がってしまう可能性がある。導電体(80)を配置し、集電板(90)の支持部材として集電板(90)と導電体(80)とを一体することで、大型化した放電ランプの製造時の作業性を向上させることができる。
【0055】
本発明で使用する導電体(80)の構造を図5に示す。図5(a)は導電体(80)の平面図であり、図5(b)は、その縦断面図である。
【0056】
導電体(80)は、その中央部に電極リード棒(60)を貫通させる貫通孔(81)を有する。該貫通孔(81)は、電極リード棒(60)の熱膨張による管径の増加に対応できるように、電極リード棒(60)の外径よりも大きい孔径の貫通孔(81となっている。
【0057】
また、導電体(80)は、例えば図5(b)に示すように、電極リード棒(60)との接触部を広く確保するように、前記貫通孔(81)に沿わせ電極リード棒(60)を貫通させる筒状部(80c)を有していてもよい。導電体(80)がこのような筒状部(80c)を有する場合には、これと一体的に固定される集電板(90)は、筒状部(90c)のない図2(b)に示す平板状またはエンボス円盤であることが好ましい。集電板(90)と導電体(80)とを固定する際の溶接などの作業が容易だからである。なお、導電体(80)や集電板(90)が筒状部(80c,90c)を有する場合には、この筒状部(80c,90c)に対応して、密封体(40)の前部端面にこれと嵌合しうる凹部を設ける(図6(a)参照)。筒状部(80c)が電極リード棒(60)と共に密封体(40)の前面端部に嵌合されると、電極リード棒(60)の固定がより確実になるため、特に重量の重い陽電極(20)側でこのような構成とすることが好ましい。
【0058】
本発明で使用する導電体(80)は、厚み(D)が0.5〜5mmであることが好ましく、より好ましくは1〜3mmである。0.5mmを下回ると電極リード棒(60)の支持が十分でなく、一方、3mmを超えると、その重量によって電極リード棒(60)に負担を与え、不利となる。なお、本発明において、導電体(80)の厚み(D)は、筒状部(80c)の厚みを含まないものとする。
【0059】
本発明で使用する導電体(80)は、前記集電板(90)と溶接により一体化された後に前記導電箔(95)を溶接などによって延設されてもよい。図6(a)に、導電箔(95)、密封体(40)、集電板(90)、導電体(80)の各側面透視図を示す。
【0060】
本発明では、図6(c)に示すように、密封体(40)は、その電極リード棒挿入側の端面に導電体(80)が隣接され、更に電極側に前記集電板円盤部(90a)が隣接され、前記密封体前部端面の外周は前記集電板片部(90b)で被覆され、その長軸方向は、延設される導電箔(95)によって被覆される。
【0061】
導電体(80)を併用する場合は、図6(b)に示すように、あらかじめ導電体(80)と集電板円盤部(90a)と導電体(80)とを溶接などで一体化し、集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)との境界部で折り曲げる、これを密封体(40)に嵌合させればよい。なお、前記集電板(90)は前記した所定の厚みを有するため、図6(b)に示すように、集電板片部(90b)が隣接される密封体(40)の端面外周部を、集電板片部(90b)の厚み分だけ後方より薄くすれば、集電板片部(90b)と導電箔(95)とを密封体(40)に沿わせて被覆する場合に、封止管部(11b)との接触部分の厚みを均一にすることができる。上記によれば、図6(b)に示すように、集電板(90)と導電体(80)と導電箔(95)とが一体となり、図6(c)に示すような態様で密封体(40)に装着される。
【0062】
本発明で使用する導電体(80)の直径(r3)は、下記式で示される長さであることが好ましい。
【0063】
【数3】
r3=r1×0.5を下回ると、集電板(90)に対する支持部材としての機能が十分でない。また、集電板(90)と溶接などによって導電性を確保しつつ固定する場合、溶接面積が小さくなるため、大電流を維持することが困難となる場合がある。一方、r3=r1×0・98を超えると、熱膨張時に封止管部(11b)の内径を超える場合があり、封止管部(11b)を破損する恐れがある。より好ましくは、r3=r1×(0.8〜0・98)である。この点を詳記すると以下のようになる。
【0064】
本発明の放電ランプは、図7に模式的に示すように、熱膨張による封止管部(11b)の破損を防止するため、石英板(70)と密封体(40)との間にL2で示される間隙が設けられている。この間隙(L2)は、導電体(80)の厚さをDとした場合に下記式で示される長さであり、これによって導電体(80)などの熱膨張による封止管部(11b)の破損を防止するものである。
【0065】
【数4】
しかしながら、放電ランプの点灯時には熱膨張によって好適な間隙となるが、放電ランプの製造時には熱膨張がないため、この範囲で導電体(80)が傾く可能性がある。このため、傾きによる引っ張りによって導電箔(95)が切断される。しかしながら、このような場合でも、導電体(80)の直径r3を上記の範囲にすると、集電板円盤部(90a)の直径は密封体(40)の端面直径(r1)以上であるため、密封体(40)の直径(r1)と導電体(80)の直径(r3)との差(r1−r3=r1×(0.2〜0.02))以上の間隙(L3)を導電体(80)の外周と集電板円盤部(90a)との間隙に設けることができ、この間隙(L3)によって、たとえ電極の重量によって導電体(80)や集電板(90)が傾斜した場合でも、導電箔(95)の切断を効果的に防止することができる。
【0066】
導電体の素材としては、モリブデンまたは、モリブデンとタンタル、タングステン、モリブデン、ルテニウム、レニウムまたはイットリウムとの合金であることが好ましい。
【0067】
本発明において、前記封止管部(11b)の内径に対する前記導電体(80)の幅の比(導電体(80)の幅/封止管部の内径)は、0.07〜0.5であることが好ましく、より好ましくは0.25〜0.5である。0.07を下回ると、導電体(80)による電極リード棒(60)の支持強度が十分でなく、一方、0.5を超えると使用時の熱膨張によって隣接する密封体(40)を破損する場合がある。
【0068】
(6)封止管部の態様(II)
本発明の、更に導電体(80)を配設する放電ランプの封止管部の構成を図8を用いて説明する。本発明では、石英板(70)についで、集電板(90)とを溶接によって一体化された導電体(80)が、密封体(40)と隣接するように配置される。
【0069】
本発明では、電極リード棒(60)の端部は密封体(40)に挿入され、かつ密封体(40)に接触して導電体(80)が配設されている。この導電体(80)は、その中央部で電極リード棒(60)を貫通させているが、該電極リード棒(60)は導電体(80)の貫通孔(81)内で溶接固定などによって固定されている。このように電極リード棒(60)が導電体(80)と溶着され、かつ電極側から、石英板(70)を経て密封体(40)に挿入されることで、石英板(70)との固定をより確実にでき、電極リード棒(60)の動きを抑制して導電箔(95)の切断を防止することができる。
【0070】
(7)封止管部の態様(III)
本発明の放電ランプが導電体(80)を配設する場合には、導電体(80)に設けられた筒状部(80c)は、図8に示すように密封体(40)に嵌合する方向に限定されず、図9に示すように電極(20,30)側に向かうように装着されるものであってもよい。この構成にすれば、密封体(40)に筒状部(80c)と嵌合する凹部を形成する必要がないため部材の調製が容易である。また、集電板(90)と石英板(70)との間には、前記L2の間隙が設けられるため、石英板(70)の終端面にも筒状部(80c)と嵌合する凹部を形成する必要がない。ただし、凹部との嵌合を行わないため、電極リード棒(60)の固定が緩やかとなりやすい。そこで、重量の軽い陰電極(30)の電極リード棒(60)でこのような構成とすることが好適である。
【0071】
(8)封止管部の態様(IV)
以下、本発明の第二の放電ランプについて説明する。
【0072】
本発明の第二の放電ランプは、密封体を内包する筒状の封止管部を両端に有する透光性封体内に前記両端の密封体にそれぞれ支持される一対の電極を有する放電ランプであって、
少なくとも陽電極または陰電極のいずれかは、前記電極から延設される電極リード棒の端部が、石英板、外周に導電箔を有する円盤状集電板および導電体を貫通して前記密封体に挿入され、
前記円盤状集電板は、下記式で示される直径(r4)を有し、
前記導電箔は、溶接によって前記円盤状集電板に放射状に固定され、かつ
前記導電箔は前記密封体を長軸方向に被覆することを特徴とする、放電ランプである。
【0073】
【数5】
第一の発明との相違は、導電箔(95)が、集電板片部を介さずに直径(r4)の集電板(90‘)に放射状に溶接され、かつ前記集電板(90’)は導電体(80)と溶接により一体化して密封体(40)と隣接される点にある。
【0074】
前記したように、本発明の第一は、集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)とを溶接によって固定すると溶接面積の拡大に比例して電流密度を確保でき、かつ石英板(70)などを所定間隔で配置することで、電極リード棒(60)の物理的破損を抑制しつつ大電流の放電ランプを製造するものであった。
【0075】
しかしながら、導電箔(95)を放射状に、前記直径(r4)の円盤状集電板に溶接によって固定し、かつ導電体(80)とこの円盤状集電板とを溶接によって導電可能に固定した場合でも、電極リード棒(60)の支持性に優れ、かつ大電流を流せることが判明した。
【0076】
このような集電板(90)の構造を図10に示す。図10(a)は導電箔(95)であり、これが図10(c)に示す円盤状集電板(90')に放射状に溶接される。図10(b)に導電箔(95)を6枚溶接した円盤状集電板(90‘)の平面図を示す。
【0077】
本発明では、この円盤状集電板(90‘)を導電体(80)と溶接により一体化した後、密封体(40)の外周を導電箔(95)で被覆する。なお、円盤状集電板(90’)と導電箔(95)との溶接箇所が異なる以外は、第一の発明と同じ部材を使用して放電ランプとすることができる。なお、第一の発明では密封体(40)の端面直径を集電板片部の幅分だけ短径としたが、第二の発明では集電板片部が存在しないためそのような必要はない。薄い導電箔(95)が導電体(80)と共に密封体(40)の前部端面以降を被覆するからである。なお、導電体(80)の筒状部(90c)の方向は、密封体(40)の方向でもよく、電極側に向いていてもよく適宜選択することができる。図11に、このような第二の発明の封止管部(11b)の態様の一例を示す。
【0078】
(9)緩衝材
本発明の放電ランプは、石英板(70)と集電板(90)との間、集電板(90)と密封体(40)との間、さらに密封体(40)と集電用ディスク(85)との間に、緩衝材などを併用して圧縮力の調整を行うことができる。このような緩衝材としては、上記間隙に中心部に穴をあけた反発力のあるエンボス円板などの緩衝材などを挟むことができる。緩衝材の配設によって使用時の熱膨張によって密封体(40)や石英板(70)を破壊することを回避できる。
【0079】
(10)製造方法
本発明の放電ランプは、上記構成であればその製造方法に限定はない。また、本発明の放電ランプは、封止管部において電極リード棒が上記構成によって固定される以外は、従前のいずれの態様であってもよい。例えば、発光管部(11a)と封止管部(11b)とからなる透光性封体(11)は、石英ガラスなど従来公知の材料にて構成され、陽電極(20)および陰電極(30)は放電に適した材料にて形成され、通常タングステンなどの高融点の金属にて形成される。また、電極リード棒(60)は導電性材料にて形成され、通常タングステンにて形成される。密封体(40)は透光性封体(11)と膨張率が近く、かつ、密閉に適した材料にて形成され、通常、石英ガラスにて形成される。集電用ディスク(85)は導電性材料にて形成され、通常モリブデンにて形成される。導入線(65)は従来公知の導電性材料にて構成される。
【0080】
また、陽電極(20)および陰電極(30)の形状には限定はないが、一般には、円錐または円錐を軸と垂直に切断した一部と円柱とを結合した形状である。さらに、電極リード棒(60)の形状にも限定はなく、一般には丸棒状に形成されている。外部端子(50)は装置の取付け形状により任意の形状とすることができ、集電用ディスク(85)と外部端子(50)を接続する導入線(65)は丸棒やフレキシブルな導電可能なリード線を使用することができる。
【0081】
上記部材を使用し、集電板(90)として集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)とを溶接してなるものを使用して本発明の放電ランプを製造する場合は、あらかじめ集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)とを溶接によって固定し、ついで集電板(90)の集電板円盤部(90a)と導電体(80)とを溶接で固定する。このように、溶接面積を広く確保することで大電流に対応しうる放電ランプとすることができる。
【0082】
そして、電極リード棒(60)を、この管径に適するように貫通孔を設けた石英板(70)、導電体(80)、集電板(90)に順次貫通させる。次いで、密封体(40)に電極リード棒(60)の端部を圧入によって固定する。また、導入線(65)の端部を溶接固定した集電用ディスク(85)を調製し、前記密封体(40)の電極リード棒(60)が存在しない側に密着させ、集電用ディスク(85)、密封体(40)の外周に複数枚の導電箔(95)を長軸方向に巻装する。
【0083】
電極リード棒(60)は導電体(80)に溶接などの手段によって固定され、導入線(65)も集電用ディスク(85)の中央部に溶接などの手段によって導電的に固定される。また、外部端子(50)と導入線(65)とも、溶接などの手段によって導電的に固定される。なお、外部端子(50)は、金属製のキャップ状に形成され、外部端子(50)の内径は封止管部(11b)の外径よりも大きく、両者はセメントなどの従来公知の技術を利用して固定できる。なお、外部端子(50)の中心部には導入線(65)を貫通するための貫通孔が形成され、導入線(65)と外部端子(50)の貫通孔との隙間は溶接によって導通状態で封じられている。
【0084】
このようにして固定化部材を連結した電極をあらかじめ調製し、この電極を、封止管部を有する透光性封体内に挿入し、封止管部を通常酸水素バーナーを使用して加熱して溶融させ気密に固定すれば、本発明の放電ランプを製造することができる。
【0085】
本発明の放電ランプは、石英板(70)を封止管部(11b)に固定するが、両者は材質が同じであるから熱融着が容易である。また、密封体(40)と石英板(70)との間に、L2で示される間隙を有するため、熱膨張による封止管部の破損を防止することができる。
【0086】
本発明では、陽電極、陰電極の少なくともいずれか一方において、電極リード棒(60)が封止管部(11b)で上記構成を有すればよく、陽電極と陰電極との双方が、上記構成であってもよい。しかしながら、重量が重くそのため導電箔(95)の切断率が高い陽極において本発明の構成とすることがより好ましい。
【0087】
本発明の放電ランプは、封止管内に石英板を配置して電極リード棒の振動を抑制するものであり、かつ石英板のサイズは、放電ランプの封止管部の直径に準じて調整することができる。このため、放電ランプの大型化に容易に対応できる利点があり、一般には電極重量が100〜5,000gのものに適用することができる。
【0088】
本発明の放電ランプとしては、例えば、箔シール構造を有する放電ランプがあげられ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプおよびキセノンランプなどが含まれる。なかでも、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプが好ましい。また、ショートアーク型放電ランプであるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の放電ランプの全体を説明する横断面図である。
【図2】本発明で使用する集電板を説明する図である。図2(a)は、集電板(90)の平面図であり、図2(b)はその横断面図の一例、図2(c)は他の横断面図の一例、図2(d)は集電板円盤部の平面図、図2(e)は集電板片部の平面図、図2(f)は、集電板円盤部の横断面図の一例を示す。
【図3】本発明で使用する集電板に導電箔を延設したものを説明する図である。図3(a)は、その平面図であり、図3(b)は集電板円盤部、集電板片部、導電箔の溶接箇所を説明する図である。
【図4】本発明の放電ランプにおける封止管部の一態様を説明する部分断面模式図であり、電極リード棒は、石英板、集電板を経て、密封体に挿入される態様である。
【図5】本発明で使用する導電体を説明する図であり、図5(a)は導電体の平面図を、図5(b)は導電体の側面透視図である。
【図6】本発明の放電ランプにおける封止管部の一態様を説明する部分断面模式図であり、図6(a)は、導電箔、密封体、集電板、導電体の各側面透視図であり、図6(b)は導電箔と集電板と導電体とが溶接により一体化され、密封体に嵌合する際の態様を示し、図6(c)はこれらが一体に成型されたものの横断面図である。
【図7】本発明の放電ランプにおける封止管部の石英板と密封体との間隙を説明する図である。
【図8】本発明の放電ランプにおける封止管部の一態様を説明する部分断面模式図であり、電極リード棒は、石英板、導電体、集電板を経て、密封体に挿入される態様である。なお、導電体の筒状部は、密封体の方向を向いている。
【図9】本発明の放電ランプにおける封止管部の一態様を説明する部分断面模式図であり、電極リード棒は、石英板、導電体、集電板を経て、密封体に挿入される態様である。なお、導電体の筒状部は、電極の方向を向いている。
【図10】本発明の第二の放電ランプに使用する集電板と導電箔の溶接箇所を説明する図である。
【図11】本発明の第二の放電ランプにおける封止管部の一態様を説明する部分断面模式図であり、電極リード棒は、石英板、導電体、集電板を経て、密封体に挿入される態様である。導電箔が導電体と密封体とを被覆する態様となる。
【図12】従来の放電ランプを説明する横断面図である。
【図13】導電箔の切断を説明する図である。
【符号の説明】
【0090】
10・・・放電ランプ、
11・・・透光性封体、
11a・・・発光管部、
11b・・・封止管部、
20・・・陽電極、
30・・・陰電極、
40・・・密封体、
49・・・スプリング、
50・・・外部端子、
60・・・電極リード棒、
65・・・導入線、
70・・・石英板、
73・・・スプリング
80・・・導電体、
81・・・貫通孔、
80c・・・導電体筒状部
85・・・集電用ディスク、
90,90‘・・・円盤状集電板、
90a・・・集電板円盤部、
90b・・・集電板片部、
90c・・・集電板筒状部、
91・・・貫通孔、
95・・・導電箔、
110・・・放電ランプ、
111・・・透光性封体、
111a・・・発光管部、
111b・・・封止管部、
120・・・陽電極、
121・・・電極リード棒、
122・・・導電体、
123・・・導電箔、
124・・・密封体、
125・・・集電用ディスク、
126・・・導入線、
127・・・外部端子、
130・・・陰電極、
s・・・スペース。
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐久性に優れかつ大電流に対応できる放電ランプに関し、より詳細には、大電流の場合でも、使用時の熱膨張や振動に対する耐久性に優れる、放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の導電箔を有する放電ランプは、図12に示すように、発光管部(111a)とその両端に円筒状に延設された封止管部(111b)とからなる透光性封体(111)内に、陽電極(120)と陰電極(130)との一対の電極を含み、前記電極から延設される電極リード棒(121)は、導電体(122)を貫通させ、その後端を密封体(124)に挿入される構造となっている。また、密封体(124)の後端には、導入線(126)の端部が固定された集電用ディスク(125)が面同士を接して配設されている。そして前記導電体(122)と密封体(124)および集電用ディスク(125)の表面にはストリップ状の導電箔(123)が巻装され、密封体(124)は封止管部(111b)に気密に固定されている。
【0003】
放電ランプは、使用時の発熱によって各部材が熱膨張するが、部材によって膨張率が相違する。特に、モリブデンからなる導電体(122)と石英ガラスからなる密封体(124)とは膨張率が大きく異なる。このため、熱膨張による封止管部(111b)の破損を防止するため、導電体(122)と封止管部(111b)との間には微小空間Sが設けられ、かつ導電体(122)と封止管部(111b)との間は溶着などによる固着はされておらず、導電体(122)は、導電箔(123)によって支持される構造となっている。
【0004】
このような放電ランプ(110)は、一般に垂直点灯、すなわち陰電極側の電極リード棒(121)が垂下するように固定して使用される。しかしながら、取付時や運搬時の振動によって、電極(陽電極120または陰電極130)、電極リード棒(121)や導電体(122)の重量が導電体(122)を傾ける力となる。前記したように、導電体(122)と封止管部(111b)との間には微小空間Sが設けられているため、このような負荷力によって導電体(122)が微小空間S内で傾き、導電体(122)と密封体(124)との表面に巻装される導電箔(123)に引っ張り力が付加される。その結果、図13に示すように、導電箔(123)は引き延ばされ、ついには切断されてしまう。
【0005】
この問題を解決するために、導電体を軸方向に厚くすることによって、導電体の傾きを少なくする放電ランプが提案されている(特許文献1)。前記特許文献1に記載される放電ランプは、導電体を厚くすることで導電体の傾きを少なくし、その結果、導電箔が引っ張られる距離を短くして切断に至らなくする、というものである。
【0006】
また、導電体の外周を特定の形状に加工した放電ランプもある(特許文献2)。前記特許文献2に記載される放電ランプは、導電体の外周に凹部を形成し、封止管部には、前記凹部に所定の間隙W2をもって嵌合する凸部を形成し、前記微小空間W1と前記所定の間隙W2とをW1>W2となるように構成することで導電体の傾きを抑制し、これによって導電箔の引張りによる切断を防止する、というものである。
【0007】
さらに、他の構成の放電ランプにおける封止部の破壊を抑制する放電ランプとして、リード棒が石英製のビーズ管を貫通し封止用ガラス棒内に嵌合される形状の放電ランプにおいて、上記ビーズ管と封止用ガラス棒との間隙Dを所定範囲に確保するショートアーク型放電ランプもある(特許文献3)。前記特許文献3に記載される放電ランプは、前記ビーズ管と封止用ガラス棒との間に、複数枚のモリブデン箔をスポット溶接したタンタルディスクを挟みこみ、前記モリブデン箔が前記封止用ガラス棒後端で外部導入線と接触して通電する構成となっているものである。この放電ランプにおける最も破壊の生じやすい箇所が前記ビーズ管と封止用ガラス棒との間隙Dであるとし、その間隙Dの範囲を制限することで、封止部の破壊を防止する、というものである。
【0008】
また、上記と同様に、複数枚のモリブデン箔を溶接したタンタルディスクを挟みこむ放電ランプにおいて、タンタルディスクとモリブデン箔との溶接を、タンタルディスクおよびモリブデン箔に対して非接触状態となる溶接手段によって1箇所以上溶接し、かつタンタルディスクとモリブデン箔との溶接強度を15N以上とするものもある(特許文献4)。前記特許文献4記載の放電ランプは、抵抗溶接は、溶接面の表面状態や抵抗溶接機の電極の表面状態に影響されやすく、タンタルディスクとモリブデン箔との溶接強度にばらつきが生じ、その結果、溶接面で断線等が発生しやく、放電ランプを長時間、安定して点灯させることが困難であったことに鑑みてなされたものである。非接触状態となる溶接手段として、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、アルゴンイオンレーザ等を利用したレ−ザ溶接、光ビーム等を利用した光集光溶接、ゴールドイメージ炉等を利用したIRヒータ溶接等を例示している。
【特許文献1】特公平4−67297号公報
【特許文献2】特開2006−228440号公報
【特許文献3】特開2003−331790号公報
【特許文献4】特開2003−323866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、放電ランプには放射光量増加の要請があり、上記特許文献1記載の方法は、このような要請に十分対応できるものではない。
【0010】
というのも、放射光量を増加するには入力電流を増加すればよいが、入力電流を増加すると電極間を流れる電子流も増加し、増加した電子流に耐えられるように電極を大きくし、これに伴い放電ランプ全体を大型化する必要が生ずる。放電ランプを大型化すると、電極の重量が増大するばかりか電極の重心から導電体(122)までの距離も増大し、放電ランプに振動が加わった場合には、導電体(122)を傾けようとする力も大きくなり、より大きな引っ張り力が導電箔(123)に加わるためこれを切断してしまう。
【0011】
また、電極の大型化に伴って封止管部(111b)の内径も大きくする必要があり、封止管部(111b)、と微小空間Sをもって遊嵌する導電体(122)の直径も大きくする必要がある。上述のように導電体(122)の方が封止管部(111b)よりも膨張率が大きいので、導電体(122)の直径を大きくする場合には、導電体(122)と封止管部(111b)との間に設けられる微小空間Sも大きくする必要があり、導電体(122)が傾く角度も大きくなり、より大きな引っ張り力が導電箔(123)に加わりこれを切断しやすくする。
【0012】
このような大型化した放電ランプにおいて、前記特許文献1記載のように導電体(122)の厚みを軸方向に大きくする方法を用いると、導電体(122)の重量も増大するため、放電ランプに振動が加えられた場合には導電箔(123)に加わる引っ張り力も増大し、かえって導電箔(123)が切断されやすくなる場合がある。更に、導電体(122)の厚みを大きくした分だけ放電ランプを更に大型化する必要があり、放電ランプを組み込んだ装置(例えば液晶のカラーフィルターの製造工程における露光装置など)全体も大型化し、不利である。
【0013】
また、特許文献2記載の構造は、所定形状の凹部と凸部とを形成するものであり、性能に優れるが、より構造が簡便な放電ランプがあればより好ましい。
【0014】
また、特許文献3、特許文献4記載の放電ランプは、タンタルディスクに複数枚のモリブデン箔を溶接するものであり、溶接箇所に制限があるため大電流の放電ランプとすることは困難である。
【0015】
そこで、本発明の目的は、耐久性に優れ、ランプの大型化、大電流に対応できる放電ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、封止管部における導電箔の切断状況を詳細に検討した結果、所定サイズの集電板円盤部とその外周に設けた複数の集電板片部とからなる集電板を用い、電極から延設される電極リード棒を、石英板、前記集電板を貫通させ、かつ電極リード棒の端部を前記密封体に挿入し、前記集電板から延設した導電箔によって前記密封体を長軸方向に被覆すると、電極リード棒の破損や導電箔の切断を効率的に防止し、かつ電流量を増大しうる放電ランプとなること、そのような集電板と前記密封体との間には、さらに導電体を有していてもよく、その際に、前記集電板と導電体とを溶接などによって固定すると簡便に大電流量の放電ランプを製造しうること、および前記導電体の厚さおよび直径を所定範囲とすることで石英板と密封体との間、集電板片部と導電体との間に間隙を形成すると、使用時に導電体が熱膨張した場合にも前記間隙によって溶接部や集電板、導電箔の破断を効率的に回避できることを見出し、本発明を完成させた。
【0017】
すなわち、密封体を内包する筒状の封止管部を両端に有する透光性封体内に前記両端の密封体にそれぞれ支持される一対の電極を有する放電ランプであって、
少なくとも陽電極または陰電極のいずれかは、前記電極から延設される電極リード棒の端部が、石英板および外周に複数の導電箔を有する集電板を貫通して前記密封体に挿入され、
前記集電板は、所定長の直径(r2)を有する集電板円盤部と、該集電板円盤部の外周に設けられた複数の集電板片部とからなり、
前記導電箔は、前記集電板片部から延設され、かつ
前記導電箔は前記密封体を長軸方向に被覆することを特徴とする、放電ランプを提供するものである。
【0018】
また、更に、前記集電板と前記密封体との間に、導電体を有することを特徴とする、放電ランプを提供するものである。
【0019】
また、本発明は、密封体を内包する筒状の封止管部を両端に有する透光性封体内に前記両端の密封体にそれぞれ支持される一対の電極を有する放電ランプであって、
少なくとも陽電極または陰電極のいずれかは、前記電極から延設される電極リード棒の端部が、石英板、外周に導電箔を有する所定直径(r4)の円盤状集電板および導電体を貫通して前記密封体に挿入され、
前記導電箔は、溶接によって前記円盤状集電板に放射状に固定され、かつ
前記導電箔は前記密封体を長軸方向に被覆することを特徴とする、放電ランプを提供するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の放電ランプによれば、前記電極から延設される電極リード棒の端部が石英板および導電箔を延設する集電板を貫通して前記密封体に挿入され、かつ前記密封体の端面の広範囲が前記集電板によって被覆されるため、大電流を流すことができ、かつ、振動などの引っ張り抵抗性に優れ、大電流量と長寿命とを両立しうる。
【0021】
本発明の放電ランプは、前記密封体と集電板との間に導電体を配置することができ、これにより集電板の強度を確保することができ、大電流かつ一定の品質の放電ランプを提供しうる。
【0022】
本発明の放電ランプは、前記密封体と接触する導電体の直径(3)を、密封体の端部直径(r1)よりも短径とすることで、集電板や導電箔が接触しない間隙を形成することができ、このため集電板や導電箔またはこれらの溶接部の引張りに対する抵抗性を向上させ、超寿命の放電ランプとすることができる。
【0023】
本発明によれば、放電ランプのサイズによらず封止部の破断を抑制できるため、放電ランプの大型化にも適応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の第一は、密封体を内包する筒状の封止管部を両端に有する透光性封体内に前記両端の密封体にそれぞれ支持される一対の電極を有する放電ランプであって、
少なくとも陽電極または陰電極のいずれかは、前記電極から延設される電極リード棒の端部が、石英板および外周に複数の導電箔を有する集電板を貫通して前記密封体に挿入され、
前記集電板は、下記式で示される直径(r2)を有する集電板円盤部と、該集電板円盤部の外周に設けられた複数の集電板片部とからなり、
前記導電箔は、前記集電板片部から延設され、かつ
前記導電箔は前記密封体を長軸方向に被覆することを特徴とする、放電ランプである。
【0025】
【数1】
本発明の好適な実施態様を示す図1を用いて、本発明を説明する。
【0026】
図1において、10は放電ランプ、11は透光性封体、11aは発光管部、11bは封止管部、20は陽電極、30は陰電極、40は密封体、50は外部端子、60は電極リード棒、65は導入線、70は石英板、80は導電体、85は集電用ディスク、90は集電板、95は集電板の導電箔を示す。
【0027】
本発明の放電ランプは、密封体(40)を内包する筒状の封止管部(11b)を両端に有する透光性封体(10)内に前記両端の密封体(40)にそれぞれ支持される一対の電極(20,30)を有する放電ランプである。
【0028】
筒状の封止管部(11b)を有する透光性封体(10)内に、陽電極(20)と陰電極(30)とからなる一対の電極を有し、前記電極は電極リード棒(60)が延設され、電極リード棒(60)の後端は密封体(40)に挿入されている。陽電極または陰電極のいずれかの封止管部(11b)には、前記電極側から順に石英板(70)および集電板(90)が配設され、これらはいずれも円盤状であり、その中央部で電極リード棒(60)を貫通させている。また、密封体(40)の後ろには、導入線(65)を固定した集電用ディスク(85)が配置され、該集電用ディスク(85)は前記導入線(65)を介して外部端子(50)と接続している。なお、前記集電板(90)には複数枚のストリップ状の導電箔(95)が延設され、該導電箔(95)は、密封体(40)および集電用ディスク(85)の表面を軸方向にほぼ全周にわたって被覆している。密封体(40)と封止管部(11b)とは、前記導電箔(95)を介して溶着され、放電ランプ(10)内を気密にするとともに導電箔(95)の介在によって導電を可能としている。導電箔(95)と集電用ディスク(85)とは溶接などによって導電的に固着されている。
【0029】
なお、図1では、陽電極(20)の電極リード棒(60)のみが上記構成となっているが、陰電極(30)側が上記構成となっていてもよく、陽電極(20)および陰電極(30)の双方が上記構成となっていてもよい。なお、図2では、陰電極(30)側の封止管部(11b)には、前記電極側から順に石英板(70)および導電体(80)が配設され、これらはいずれも円盤状であり、その中央部で電極リード棒(60)を貫通させる態様を示す。
【0030】
(1)石英板
本発明は、密封体(40)の電極側に石英板(70)を配設する。これにより、密封体(40)に挿入された電極リード棒(60)の移動範囲を限定し、電極リード棒(60)の振動を抑制して、導電箔(95)の切断を防止することができる。
【0031】
石英板(70)は、その中央部に電極リード棒(60)を貫通させる貫通孔を有し、該貫通孔は、電極リード棒(60)の熱膨張による管径の増加に対応できるように、および隣接する集電板(90)の熱膨張による電極方向への移動に対応できるように、熱膨張の際に電極リード棒(60)の管径と同じかそれよりも大きくなるように調整されている。
【0032】
前記封止管部(11b)の内径に対する前記石英板(70)の直径の比(石英板(70)の直径/封止管部の内径)は、0.5〜1.0であることが好ましく、より好ましくは0.8〜1.0である。0.5を下回ると、電極リード棒(60)の振動を抑制する効果が十分でなく、導電箔(95)が切断される場合がある。
【0033】
また、前記封止管部(11b)の内径に対する前記石英板(70)の幅の比(石英板(70)の幅/封止管部の内径)は、0.1〜2.0であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.0である。0.1を下回ると電極リード棒(60)の固定効果が弱い場合があり、一方2.0を超えると、リード線が長くなり温度が下がりすぎて水銀などを透光性封体内に導入した場合にこの水銀などがたまるので不利となる。
【0034】
なお、透光性封体の原料は石英であるため、封止管部(11b)と石英板(70)との熱膨張率が等しく、熱膨張率の相違による封止管部(11b)の破損を効率的に抑制することができる。
【0035】
(2)集電板
本発明では、石英板(70)と密封体(40)との間に、集電板(90)が配設される。前記集電板は、集電板円盤部と該集電板円盤部の外周に設けられた複数の集電板片部とからなり、前記集電板片部は導電箔を延設され、前記導電箔が密封体を長軸方向に被覆するものである。本発明で使用する集電板(90)を図2に示す。図2(a)は、集電板(90)の平面図であり、集電板円盤部(90a)の外周に複数の集電板片部(90b)が形成される構成となっている。
【0036】
本発明において、集電板円盤部(90a)は、下記式で示される直径(r2)を有し、より好ましくは、r2=r1×(0.8〜1.3)である。
【0037】
【数2】
r2がr1×0.7より短径では、密封体(40)の端面を覆う面積が少ないため、大電流を流すことが困難となる場合がある。一方、r2がr1×1.5より長径では、密封体(40)の外周上で集電板片部(90b)が相互に重なり合い、密封体(40)による封止管部(11b)の封止が困難となる場合がある。なお、密封体の電極リード棒挿入側端面の直径(r1)と集電板円盤部(90a)の直径(r2)との関係は、図6に示されている。
【0038】
なお、本発明で使用する集電板(90)は、その中央部に電極リード棒(60)を貫通させる貫通孔(91)を有する。該貫通孔(91)は、電極リード棒(60)の熱膨張による管径の増加に対応できるように、熱膨張の際に電極リード棒(60)の管径と同じかそれよりも大きくなるように調整される。
【0039】
また、集電板片部(90b)の長さ(L1)は、5〜30mm、より好ましく8〜15mmである。5mm未満では、溶接を行う際の断面積が少なく電流密度が取れない場合があり、一方30mmを超えると集電板片部と導電箔の重なっている部分が長くなり、密封部のリークの要因となる場合があり、不利である。なお、本発明で使用する集電板(90)は、上記構造により、外周に切れ込みを有する円盤状物となる。
【0040】
集電板(90)における集電板円盤部(90a)や集電板片部(90b)の厚みは、50〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは100〜300μmである。50μmより薄いと、強度を十分確保することができず、一方、1000μmより厚くても流せる電流量が増大せず、むしろ重量が増加し、かつ折り曲げ操作が困難となり、不利となる。なお、集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)の厚みは、同一であっても異なっていてもよい。
【0041】
集電板(90)は、図2(b)に示すように平板であってもよいが、たとえば中央に穴をあけた反発力のあるエンボス円板であってもよい。エンボス円板であれば緩衝材として機能でき、封止管部(11b)が熱膨張した際にも、密封体(40)との接触面に緩衝性を確保することができる。なお、集電板(90)は、電極リード棒(60)と接触して導電する必要がある。このため、例えば図2(c)に示すように、電極リード棒(60)との接触部を広く確保できるように、集電板円盤部(90a)の貫通孔(91)に沿って、電極リード棒(60)を貫通させる筒状部(90c)を有していてもよい。なお、集電板(90)が筒状部(90c)を有する場合には、密封体(40)の前部端面に対応する凹部を設ければよい。
【0042】
本発明で使用する集電板(90)は単体で構成されていてもよいが、複数の部材を溶接によって結合したものであってもよい。例えば、図2(d)に示す集電板円盤部(90a)と図2(e)で示す集電板片部(90b)とを溶接によって一体に構成したものを例示できる。図2(d)、図2(e)における斜線部は溶接部である。本発明では、集電板(90)は、集電板円盤部(90a)の外周に集電板片部(90b)を溶接によって導電可能に固定したものを好適に使用することができる。このように、集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)とを溶接によって固定すると、溶接面積に比例して電流量を増大できるため、大電流の放電ランプを簡便に製造することができるからである。なお、この導電箔(95)を集電板(90)に溶接する部位は前記集電板片部(90b)となるが、本発明では、集電板円盤部(90a)の直径(r2)は、前記したようにr2=r1×(0.7〜1.5)であり、このため集電板円盤部(90a)の広い面積を集電板片部(90b)との溶接部位とすることができ、このため、大電流を流しうる放電ランプを製造することができる。
【0043】
溶接方法としては、高周波溶接、アーク溶接、抵抗溶接、レ−ザ溶接、光集光溶接、IRヒータ溶接などのいずれであってもよい。
【0044】
また、集電板(90)が集電板円盤部(90a)の外周に集電板片部(90b)を溶接する場合に、使用される集電板円盤部(90a)の形状は平板であってもよく、図2(c)と同様に、電極リード棒(60)との接触部を広く確保するよう電極リード棒(60)を貫通させる貫通孔(91)に沿って筒状部(90c)を有していてもよい(図2(f)参照)。
【0045】
本発明において、上記集電板(90)を構成する材質は導電性を有する必要があり、モリブデン、タングステンもしくはタンタルのいずれか、または、モリブデン、タングステン、タンタル、ルテニウム、レニウムおよびイットリウムからなる群から選択される2種以上の合金であることが好ましい。この中でも、特にモリブデン単体、モリブデンとレニウムとの合金、モリブデンとイットリウムとの合金であることが好ましい。その理由は、高温下でも再結晶しにくく、強度が上がるためである。また、溶接部材は、ジルコニウム、チタン、白金であることが好ましい。
【0046】
なお、放電ランプの封止管部(11b)の横断面は円盤状であり、前記石英板(70)、密封体(40)などの断面は通常円盤状であるため、本発明では、集電板(90)などの円盤状物のサイズを直径で表示するが、必ずしも正円である必要はなく、上記目的を害しない範囲で楕円などであってもよい。
【0047】
(3)導電箔
本発明では、集電板(90)に導電箔(95)が延設される。図3(a)に導電箔(95)を集電板(90)に延設したものの部分平面図を示し、図3(b)にその側面部分透視図を示す。図3で示す集電板(90)は、集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)とが溶接によって一体に固定されたものであり、導電箔(95)が前記集電板片部(90b)の外周に延設されている。本発明では、集電板片部(90b)と導電箔(95)との延設方法に限定はないが、簡便であり導電性を損なわない点で溶接が好ましい。また、溶接方法としては、スポット溶接、抵抗溶接、レ−ザ溶接、光集光溶接、IRヒータ溶接などのいずれであってもよい。
【0048】
導電箔(95)は、通常、密封体(40)の外周面を2〜3mm程度の間隔で被覆する。これによって密封体(40)と封止管部(11b)とが導電箔(95)を介して溶着され、放電ランプ(10)内を気密にすると導電箔(95)の介在によって導電を可能としうる。従って、各集電板片部(90b)の幅やこれに延設される導電箔(95)の幅は、封止管部(11b)に内包する密封体(40)の外周長を勘案して好適な被覆幅とすればよい。また、図3では、集電板片部(90b)の幅と導電箔(95)の幅とは等しいが、これに限定されず、電極リード棒(60)から集電用ディスク(85)への導電を可能とでき、気密性を確保できれば幅が異なっていてもよい。なお、導電箔(95)の長さは、その終端が密封体(40)の終端部および前記密封体(40)に連設する集電用ディスク(85)と接触でき、これによって導電可能とするに足る長さである。
【0049】
また、導電箔の厚さは、10〜100μmであることが好ましく、より好ましくは20〜70μmである。
【0050】
図3では、集電板円盤部(90a)、集電板片部(90b)、導電箔(95)の順に溶接される態様を示すが、本発明はこれに限定されるものでない。
【0051】
(4)封止管部の態様(I)
本発明の導電箔(95)を延設した集電板(90)を有する放電ランプの封止管部内の構成を図4を用いて説明する。本発明では、前記電極側から順に石英板(70)および集電板(90)、密封体(40)が配設され、その後方に導入線(65)を固定した集電用ディスク(85)が配置され、該集電用ディスク(85)は前記導入線(65)を介して外部端子(50)と接続している。前記集電板(90)は、複数枚のストリップ状の導電箔(95)が延設され、かつこの導電箔(95)が密封体(40)および集電用ディスク(85)の表面を軸方向にほぼ全周にわたって被覆している。電極リード棒(60)が集電板(90)と接触または固定され、密封体(40)の外周が集電板(90)から延設される導電箔(95)によって被覆され、かつ導電箔(95)の終端が密封体(40)の後端に連接される集電用ディスク(85)と接触または固定されることで、導電可能となっている。
【0052】
図4(a)において、密封体(40)は、その電極リード棒挿入側の端面に前記集電板円盤部(90a)が隣接され、前記密封体前部端面の外周は前記集電板片部(90b)で被覆され、その長軸方向は、延設される導電箔(95)によって被覆されている。前記集電板(90)は、集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)との境界部で折り曲げると、容易に上記構成で密封体(40)と嵌合しうる。なお、前記集電板(90)は前記した所定の厚みを有するため、図4(b)に示すように、集電板片部(90b)が隣接される密封体(40)の端面外周部を、集電板片部(90b)の厚み分だけ後方より薄くすれば、集電板片部(90b)と導電箔(95)とを密封体(40)に沿わせて被覆した場合に、封止管部(11b)との接触部分の厚みを均一にすることができる。
【0053】
なお、この前記集電板(90)がその貫通孔(91)や筒状部(90c)を有する場合には、筒状部(90c)の内壁と電極リード棒(60)とを溶接によって固定することができ、これにより電極リード棒(60)のがたつきを防止できると同時に、導電性を確保することができる。
【0054】
(5)導電体
本発明の放電ランプは、前記集電板(90)と前記密封体(40)との間に、導電体(80)を有していてもよい。放電ランプの大型化に伴い電極も重くなるため、集電板(90)のみの厚みでは、電極を保持することが困難となり、放電ランプの製作中に集電板(90)が曲がってしまう可能性がある。導電体(80)を配置し、集電板(90)の支持部材として集電板(90)と導電体(80)とを一体することで、大型化した放電ランプの製造時の作業性を向上させることができる。
【0055】
本発明で使用する導電体(80)の構造を図5に示す。図5(a)は導電体(80)の平面図であり、図5(b)は、その縦断面図である。
【0056】
導電体(80)は、その中央部に電極リード棒(60)を貫通させる貫通孔(81)を有する。該貫通孔(81)は、電極リード棒(60)の熱膨張による管径の増加に対応できるように、電極リード棒(60)の外径よりも大きい孔径の貫通孔(81となっている。
【0057】
また、導電体(80)は、例えば図5(b)に示すように、電極リード棒(60)との接触部を広く確保するように、前記貫通孔(81)に沿わせ電極リード棒(60)を貫通させる筒状部(80c)を有していてもよい。導電体(80)がこのような筒状部(80c)を有する場合には、これと一体的に固定される集電板(90)は、筒状部(90c)のない図2(b)に示す平板状またはエンボス円盤であることが好ましい。集電板(90)と導電体(80)とを固定する際の溶接などの作業が容易だからである。なお、導電体(80)や集電板(90)が筒状部(80c,90c)を有する場合には、この筒状部(80c,90c)に対応して、密封体(40)の前部端面にこれと嵌合しうる凹部を設ける(図6(a)参照)。筒状部(80c)が電極リード棒(60)と共に密封体(40)の前面端部に嵌合されると、電極リード棒(60)の固定がより確実になるため、特に重量の重い陽電極(20)側でこのような構成とすることが好ましい。
【0058】
本発明で使用する導電体(80)は、厚み(D)が0.5〜5mmであることが好ましく、より好ましくは1〜3mmである。0.5mmを下回ると電極リード棒(60)の支持が十分でなく、一方、3mmを超えると、その重量によって電極リード棒(60)に負担を与え、不利となる。なお、本発明において、導電体(80)の厚み(D)は、筒状部(80c)の厚みを含まないものとする。
【0059】
本発明で使用する導電体(80)は、前記集電板(90)と溶接により一体化された後に前記導電箔(95)を溶接などによって延設されてもよい。図6(a)に、導電箔(95)、密封体(40)、集電板(90)、導電体(80)の各側面透視図を示す。
【0060】
本発明では、図6(c)に示すように、密封体(40)は、その電極リード棒挿入側の端面に導電体(80)が隣接され、更に電極側に前記集電板円盤部(90a)が隣接され、前記密封体前部端面の外周は前記集電板片部(90b)で被覆され、その長軸方向は、延設される導電箔(95)によって被覆される。
【0061】
導電体(80)を併用する場合は、図6(b)に示すように、あらかじめ導電体(80)と集電板円盤部(90a)と導電体(80)とを溶接などで一体化し、集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)との境界部で折り曲げる、これを密封体(40)に嵌合させればよい。なお、前記集電板(90)は前記した所定の厚みを有するため、図6(b)に示すように、集電板片部(90b)が隣接される密封体(40)の端面外周部を、集電板片部(90b)の厚み分だけ後方より薄くすれば、集電板片部(90b)と導電箔(95)とを密封体(40)に沿わせて被覆する場合に、封止管部(11b)との接触部分の厚みを均一にすることができる。上記によれば、図6(b)に示すように、集電板(90)と導電体(80)と導電箔(95)とが一体となり、図6(c)に示すような態様で密封体(40)に装着される。
【0062】
本発明で使用する導電体(80)の直径(r3)は、下記式で示される長さであることが好ましい。
【0063】
【数3】
r3=r1×0.5を下回ると、集電板(90)に対する支持部材としての機能が十分でない。また、集電板(90)と溶接などによって導電性を確保しつつ固定する場合、溶接面積が小さくなるため、大電流を維持することが困難となる場合がある。一方、r3=r1×0・98を超えると、熱膨張時に封止管部(11b)の内径を超える場合があり、封止管部(11b)を破損する恐れがある。より好ましくは、r3=r1×(0.8〜0・98)である。この点を詳記すると以下のようになる。
【0064】
本発明の放電ランプは、図7に模式的に示すように、熱膨張による封止管部(11b)の破損を防止するため、石英板(70)と密封体(40)との間にL2で示される間隙が設けられている。この間隙(L2)は、導電体(80)の厚さをDとした場合に下記式で示される長さであり、これによって導電体(80)などの熱膨張による封止管部(11b)の破損を防止するものである。
【0065】
【数4】
しかしながら、放電ランプの点灯時には熱膨張によって好適な間隙となるが、放電ランプの製造時には熱膨張がないため、この範囲で導電体(80)が傾く可能性がある。このため、傾きによる引っ張りによって導電箔(95)が切断される。しかしながら、このような場合でも、導電体(80)の直径r3を上記の範囲にすると、集電板円盤部(90a)の直径は密封体(40)の端面直径(r1)以上であるため、密封体(40)の直径(r1)と導電体(80)の直径(r3)との差(r1−r3=r1×(0.2〜0.02))以上の間隙(L3)を導電体(80)の外周と集電板円盤部(90a)との間隙に設けることができ、この間隙(L3)によって、たとえ電極の重量によって導電体(80)や集電板(90)が傾斜した場合でも、導電箔(95)の切断を効果的に防止することができる。
【0066】
導電体の素材としては、モリブデンまたは、モリブデンとタンタル、タングステン、モリブデン、ルテニウム、レニウムまたはイットリウムとの合金であることが好ましい。
【0067】
本発明において、前記封止管部(11b)の内径に対する前記導電体(80)の幅の比(導電体(80)の幅/封止管部の内径)は、0.07〜0.5であることが好ましく、より好ましくは0.25〜0.5である。0.07を下回ると、導電体(80)による電極リード棒(60)の支持強度が十分でなく、一方、0.5を超えると使用時の熱膨張によって隣接する密封体(40)を破損する場合がある。
【0068】
(6)封止管部の態様(II)
本発明の、更に導電体(80)を配設する放電ランプの封止管部の構成を図8を用いて説明する。本発明では、石英板(70)についで、集電板(90)とを溶接によって一体化された導電体(80)が、密封体(40)と隣接するように配置される。
【0069】
本発明では、電極リード棒(60)の端部は密封体(40)に挿入され、かつ密封体(40)に接触して導電体(80)が配設されている。この導電体(80)は、その中央部で電極リード棒(60)を貫通させているが、該電極リード棒(60)は導電体(80)の貫通孔(81)内で溶接固定などによって固定されている。このように電極リード棒(60)が導電体(80)と溶着され、かつ電極側から、石英板(70)を経て密封体(40)に挿入されることで、石英板(70)との固定をより確実にでき、電極リード棒(60)の動きを抑制して導電箔(95)の切断を防止することができる。
【0070】
(7)封止管部の態様(III)
本発明の放電ランプが導電体(80)を配設する場合には、導電体(80)に設けられた筒状部(80c)は、図8に示すように密封体(40)に嵌合する方向に限定されず、図9に示すように電極(20,30)側に向かうように装着されるものであってもよい。この構成にすれば、密封体(40)に筒状部(80c)と嵌合する凹部を形成する必要がないため部材の調製が容易である。また、集電板(90)と石英板(70)との間には、前記L2の間隙が設けられるため、石英板(70)の終端面にも筒状部(80c)と嵌合する凹部を形成する必要がない。ただし、凹部との嵌合を行わないため、電極リード棒(60)の固定が緩やかとなりやすい。そこで、重量の軽い陰電極(30)の電極リード棒(60)でこのような構成とすることが好適である。
【0071】
(8)封止管部の態様(IV)
以下、本発明の第二の放電ランプについて説明する。
【0072】
本発明の第二の放電ランプは、密封体を内包する筒状の封止管部を両端に有する透光性封体内に前記両端の密封体にそれぞれ支持される一対の電極を有する放電ランプであって、
少なくとも陽電極または陰電極のいずれかは、前記電極から延設される電極リード棒の端部が、石英板、外周に導電箔を有する円盤状集電板および導電体を貫通して前記密封体に挿入され、
前記円盤状集電板は、下記式で示される直径(r4)を有し、
前記導電箔は、溶接によって前記円盤状集電板に放射状に固定され、かつ
前記導電箔は前記密封体を長軸方向に被覆することを特徴とする、放電ランプである。
【0073】
【数5】
第一の発明との相違は、導電箔(95)が、集電板片部を介さずに直径(r4)の集電板(90‘)に放射状に溶接され、かつ前記集電板(90’)は導電体(80)と溶接により一体化して密封体(40)と隣接される点にある。
【0074】
前記したように、本発明の第一は、集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)とを溶接によって固定すると溶接面積の拡大に比例して電流密度を確保でき、かつ石英板(70)などを所定間隔で配置することで、電極リード棒(60)の物理的破損を抑制しつつ大電流の放電ランプを製造するものであった。
【0075】
しかしながら、導電箔(95)を放射状に、前記直径(r4)の円盤状集電板に溶接によって固定し、かつ導電体(80)とこの円盤状集電板とを溶接によって導電可能に固定した場合でも、電極リード棒(60)の支持性に優れ、かつ大電流を流せることが判明した。
【0076】
このような集電板(90)の構造を図10に示す。図10(a)は導電箔(95)であり、これが図10(c)に示す円盤状集電板(90')に放射状に溶接される。図10(b)に導電箔(95)を6枚溶接した円盤状集電板(90‘)の平面図を示す。
【0077】
本発明では、この円盤状集電板(90‘)を導電体(80)と溶接により一体化した後、密封体(40)の外周を導電箔(95)で被覆する。なお、円盤状集電板(90’)と導電箔(95)との溶接箇所が異なる以外は、第一の発明と同じ部材を使用して放電ランプとすることができる。なお、第一の発明では密封体(40)の端面直径を集電板片部の幅分だけ短径としたが、第二の発明では集電板片部が存在しないためそのような必要はない。薄い導電箔(95)が導電体(80)と共に密封体(40)の前部端面以降を被覆するからである。なお、導電体(80)の筒状部(90c)の方向は、密封体(40)の方向でもよく、電極側に向いていてもよく適宜選択することができる。図11に、このような第二の発明の封止管部(11b)の態様の一例を示す。
【0078】
(9)緩衝材
本発明の放電ランプは、石英板(70)と集電板(90)との間、集電板(90)と密封体(40)との間、さらに密封体(40)と集電用ディスク(85)との間に、緩衝材などを併用して圧縮力の調整を行うことができる。このような緩衝材としては、上記間隙に中心部に穴をあけた反発力のあるエンボス円板などの緩衝材などを挟むことができる。緩衝材の配設によって使用時の熱膨張によって密封体(40)や石英板(70)を破壊することを回避できる。
【0079】
(10)製造方法
本発明の放電ランプは、上記構成であればその製造方法に限定はない。また、本発明の放電ランプは、封止管部において電極リード棒が上記構成によって固定される以外は、従前のいずれの態様であってもよい。例えば、発光管部(11a)と封止管部(11b)とからなる透光性封体(11)は、石英ガラスなど従来公知の材料にて構成され、陽電極(20)および陰電極(30)は放電に適した材料にて形成され、通常タングステンなどの高融点の金属にて形成される。また、電極リード棒(60)は導電性材料にて形成され、通常タングステンにて形成される。密封体(40)は透光性封体(11)と膨張率が近く、かつ、密閉に適した材料にて形成され、通常、石英ガラスにて形成される。集電用ディスク(85)は導電性材料にて形成され、通常モリブデンにて形成される。導入線(65)は従来公知の導電性材料にて構成される。
【0080】
また、陽電極(20)および陰電極(30)の形状には限定はないが、一般には、円錐または円錐を軸と垂直に切断した一部と円柱とを結合した形状である。さらに、電極リード棒(60)の形状にも限定はなく、一般には丸棒状に形成されている。外部端子(50)は装置の取付け形状により任意の形状とすることができ、集電用ディスク(85)と外部端子(50)を接続する導入線(65)は丸棒やフレキシブルな導電可能なリード線を使用することができる。
【0081】
上記部材を使用し、集電板(90)として集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)とを溶接してなるものを使用して本発明の放電ランプを製造する場合は、あらかじめ集電板円盤部(90a)と集電板片部(90b)とを溶接によって固定し、ついで集電板(90)の集電板円盤部(90a)と導電体(80)とを溶接で固定する。このように、溶接面積を広く確保することで大電流に対応しうる放電ランプとすることができる。
【0082】
そして、電極リード棒(60)を、この管径に適するように貫通孔を設けた石英板(70)、導電体(80)、集電板(90)に順次貫通させる。次いで、密封体(40)に電極リード棒(60)の端部を圧入によって固定する。また、導入線(65)の端部を溶接固定した集電用ディスク(85)を調製し、前記密封体(40)の電極リード棒(60)が存在しない側に密着させ、集電用ディスク(85)、密封体(40)の外周に複数枚の導電箔(95)を長軸方向に巻装する。
【0083】
電極リード棒(60)は導電体(80)に溶接などの手段によって固定され、導入線(65)も集電用ディスク(85)の中央部に溶接などの手段によって導電的に固定される。また、外部端子(50)と導入線(65)とも、溶接などの手段によって導電的に固定される。なお、外部端子(50)は、金属製のキャップ状に形成され、外部端子(50)の内径は封止管部(11b)の外径よりも大きく、両者はセメントなどの従来公知の技術を利用して固定できる。なお、外部端子(50)の中心部には導入線(65)を貫通するための貫通孔が形成され、導入線(65)と外部端子(50)の貫通孔との隙間は溶接によって導通状態で封じられている。
【0084】
このようにして固定化部材を連結した電極をあらかじめ調製し、この電極を、封止管部を有する透光性封体内に挿入し、封止管部を通常酸水素バーナーを使用して加熱して溶融させ気密に固定すれば、本発明の放電ランプを製造することができる。
【0085】
本発明の放電ランプは、石英板(70)を封止管部(11b)に固定するが、両者は材質が同じであるから熱融着が容易である。また、密封体(40)と石英板(70)との間に、L2で示される間隙を有するため、熱膨張による封止管部の破損を防止することができる。
【0086】
本発明では、陽電極、陰電極の少なくともいずれか一方において、電極リード棒(60)が封止管部(11b)で上記構成を有すればよく、陽電極と陰電極との双方が、上記構成であってもよい。しかしながら、重量が重くそのため導電箔(95)の切断率が高い陽極において本発明の構成とすることがより好ましい。
【0087】
本発明の放電ランプは、封止管内に石英板を配置して電極リード棒の振動を抑制するものであり、かつ石英板のサイズは、放電ランプの封止管部の直径に準じて調整することができる。このため、放電ランプの大型化に容易に対応できる利点があり、一般には電極重量が100〜5,000gのものに適用することができる。
【0088】
本発明の放電ランプとしては、例えば、箔シール構造を有する放電ランプがあげられ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプおよびキセノンランプなどが含まれる。なかでも、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプが好ましい。また、ショートアーク型放電ランプであるのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の放電ランプの全体を説明する横断面図である。
【図2】本発明で使用する集電板を説明する図である。図2(a)は、集電板(90)の平面図であり、図2(b)はその横断面図の一例、図2(c)は他の横断面図の一例、図2(d)は集電板円盤部の平面図、図2(e)は集電板片部の平面図、図2(f)は、集電板円盤部の横断面図の一例を示す。
【図3】本発明で使用する集電板に導電箔を延設したものを説明する図である。図3(a)は、その平面図であり、図3(b)は集電板円盤部、集電板片部、導電箔の溶接箇所を説明する図である。
【図4】本発明の放電ランプにおける封止管部の一態様を説明する部分断面模式図であり、電極リード棒は、石英板、集電板を経て、密封体に挿入される態様である。
【図5】本発明で使用する導電体を説明する図であり、図5(a)は導電体の平面図を、図5(b)は導電体の側面透視図である。
【図6】本発明の放電ランプにおける封止管部の一態様を説明する部分断面模式図であり、図6(a)は、導電箔、密封体、集電板、導電体の各側面透視図であり、図6(b)は導電箔と集電板と導電体とが溶接により一体化され、密封体に嵌合する際の態様を示し、図6(c)はこれらが一体に成型されたものの横断面図である。
【図7】本発明の放電ランプにおける封止管部の石英板と密封体との間隙を説明する図である。
【図8】本発明の放電ランプにおける封止管部の一態様を説明する部分断面模式図であり、電極リード棒は、石英板、導電体、集電板を経て、密封体に挿入される態様である。なお、導電体の筒状部は、密封体の方向を向いている。
【図9】本発明の放電ランプにおける封止管部の一態様を説明する部分断面模式図であり、電極リード棒は、石英板、導電体、集電板を経て、密封体に挿入される態様である。なお、導電体の筒状部は、電極の方向を向いている。
【図10】本発明の第二の放電ランプに使用する集電板と導電箔の溶接箇所を説明する図である。
【図11】本発明の第二の放電ランプにおける封止管部の一態様を説明する部分断面模式図であり、電極リード棒は、石英板、導電体、集電板を経て、密封体に挿入される態様である。導電箔が導電体と密封体とを被覆する態様となる。
【図12】従来の放電ランプを説明する横断面図である。
【図13】導電箔の切断を説明する図である。
【符号の説明】
【0090】
10・・・放電ランプ、
11・・・透光性封体、
11a・・・発光管部、
11b・・・封止管部、
20・・・陽電極、
30・・・陰電極、
40・・・密封体、
49・・・スプリング、
50・・・外部端子、
60・・・電極リード棒、
65・・・導入線、
70・・・石英板、
73・・・スプリング
80・・・導電体、
81・・・貫通孔、
80c・・・導電体筒状部
85・・・集電用ディスク、
90,90‘・・・円盤状集電板、
90a・・・集電板円盤部、
90b・・・集電板片部、
90c・・・集電板筒状部、
91・・・貫通孔、
95・・・導電箔、
110・・・放電ランプ、
111・・・透光性封体、
111a・・・発光管部、
111b・・・封止管部、
120・・・陽電極、
121・・・電極リード棒、
122・・・導電体、
123・・・導電箔、
124・・・密封体、
125・・・集電用ディスク、
126・・・導入線、
127・・・外部端子、
130・・・陰電極、
s・・・スペース。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密封体を内包する筒状の封止管部を両端に有する透光性封体内に前記両端の密封体にそれぞれ支持される一対の電極を有する放電ランプであって、
少なくとも陽電極または陰電極のいずれかは、前記電極から延設される電極リード棒の端部が、石英板および外周に複数の導電箔を有する集電板を貫通して前記密封体に挿入され、
前記集電板は、下記式で示される直径(r2)を有する集電板円盤部と、該集電板円盤部の外周に設けられた複数の集電板片部とからなり、
前記導電箔は、前記集電板片部から延設され、かつ
前記導電箔は前記密封体を長軸方向に被覆することを特徴とする、放電ランプ。
【数1】
【請求項2】
前記導電箔は、前記集電板片部に溶接によって固定されることを特徴とする、請求項1記載の放電ランプ。
【請求項3】
前記集電板は、前記集電板円盤部に前記集電板片部を溶接によって固定したものである、請求項1または2記載の放電ランプ。
【請求項4】
前記集電板と前記密封体との間に、更に、導電体を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項5】
前記導電体と前記集電板とは、溶接によって固定されていることを特徴とする、請求項4記載の放電ランプ。
【請求項6】
前記集電板は、モリブデン、タングステンもしくはタンタルのいずれか、または、モリブデン、タングステン、タンタル、ルテニウム、レニウムおよびイットリウムからなる群から選択される2種以上の合金である、請求項1〜5のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項7】
前記導電箔は、モリブデンまたは、モリブデンとタンタル、タングステン、モリブデン、ルテニウム、レニウムまたはイットリウムとの合金である、請求項1〜6のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項8】
前記石英板の後端と前記密封体の前端とは、前記導電体の厚さをDとした場合に、下記式で示される長さL2の間隙を有することを特徴とする、請求項4〜7のいずれかに記載の放電ランプ。
【数2】
【請求項9】
前記導電体の直径は、下記式で示される長さr3であることを特徴とする、請求項4〜8のいずれかに記載の放電ランプ。
【数3】
【請求項10】
前記導電体の外周に、前記集電板片部が配設されることを特徴とする、請求項4〜9のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項11】
前記導電体は、モリブデンまたは、モリブデンとタンタル、タングステン、モリブデン、ルテニウム、レニウムまたはイットリウムとの合金である、請求項4〜10のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項12】
前記溶接が、高周波溶接、アーク溶接、抵抗溶接、レ−ザ溶接、光集光溶接、またはIRヒータ溶接のいずれかである、請求項2〜11のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項13】
密封体を内包する筒状の封止管部を両端に有する透光性封体内に前記両端の密封体にそれぞれ支持される一対の電極を有する放電ランプであって、
少なくとも陽電極または陰電極のいずれかは、前記電極から延設される電極リード棒の端部が、石英板、外周に導電箔を有する円盤状集電板および導電体を貫通して前記密封体に挿入され、
前記円盤状集電板は、下記式で示される直径(r4)を有し、
前記導電箔は、溶接によって前記円盤状集電板に放射状に固定され、かつ
前記導電箔は前記密封体を長軸方向に被覆することを特徴とする、放電ランプ。
【数4】
【請求項1】
密封体を内包する筒状の封止管部を両端に有する透光性封体内に前記両端の密封体にそれぞれ支持される一対の電極を有する放電ランプであって、
少なくとも陽電極または陰電極のいずれかは、前記電極から延設される電極リード棒の端部が、石英板および外周に複数の導電箔を有する集電板を貫通して前記密封体に挿入され、
前記集電板は、下記式で示される直径(r2)を有する集電板円盤部と、該集電板円盤部の外周に設けられた複数の集電板片部とからなり、
前記導電箔は、前記集電板片部から延設され、かつ
前記導電箔は前記密封体を長軸方向に被覆することを特徴とする、放電ランプ。
【数1】
【請求項2】
前記導電箔は、前記集電板片部に溶接によって固定されることを特徴とする、請求項1記載の放電ランプ。
【請求項3】
前記集電板は、前記集電板円盤部に前記集電板片部を溶接によって固定したものである、請求項1または2記載の放電ランプ。
【請求項4】
前記集電板と前記密封体との間に、更に、導電体を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項5】
前記導電体と前記集電板とは、溶接によって固定されていることを特徴とする、請求項4記載の放電ランプ。
【請求項6】
前記集電板は、モリブデン、タングステンもしくはタンタルのいずれか、または、モリブデン、タングステン、タンタル、ルテニウム、レニウムおよびイットリウムからなる群から選択される2種以上の合金である、請求項1〜5のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項7】
前記導電箔は、モリブデンまたは、モリブデンとタンタル、タングステン、モリブデン、ルテニウム、レニウムまたはイットリウムとの合金である、請求項1〜6のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項8】
前記石英板の後端と前記密封体の前端とは、前記導電体の厚さをDとした場合に、下記式で示される長さL2の間隙を有することを特徴とする、請求項4〜7のいずれかに記載の放電ランプ。
【数2】
【請求項9】
前記導電体の直径は、下記式で示される長さr3であることを特徴とする、請求項4〜8のいずれかに記載の放電ランプ。
【数3】
【請求項10】
前記導電体の外周に、前記集電板片部が配設されることを特徴とする、請求項4〜9のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項11】
前記導電体は、モリブデンまたは、モリブデンとタンタル、タングステン、モリブデン、ルテニウム、レニウムまたはイットリウムとの合金である、請求項4〜10のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項12】
前記溶接が、高周波溶接、アーク溶接、抵抗溶接、レ−ザ溶接、光集光溶接、またはIRヒータ溶接のいずれかである、請求項2〜11のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項13】
密封体を内包する筒状の封止管部を両端に有する透光性封体内に前記両端の密封体にそれぞれ支持される一対の電極を有する放電ランプであって、
少なくとも陽電極または陰電極のいずれかは、前記電極から延設される電極リード棒の端部が、石英板、外周に導電箔を有する円盤状集電板および導電体を貫通して前記密封体に挿入され、
前記円盤状集電板は、下記式で示される直径(r4)を有し、
前記導電箔は、溶接によって前記円盤状集電板に放射状に固定され、かつ
前記導電箔は前記密封体を長軸方向に被覆することを特徴とする、放電ランプ。
【数4】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−152993(P2008−152993A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−337866(P2006−337866)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(505470937)株式会社ワコム電創 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(505470937)株式会社ワコム電創 (7)
【Fターム(参考)】
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