放電式セキュリティ装置
【課題】 放電発生装置の動作を外部に通知し、その通知を専用の受信機で受信して放電発生装置の動作を検知することができる放電式セキュリティ装置を得ること。
【解決手段】 導電体が接触したときに放電を起こす一対の放電電極2を有する放電発生装置1と、該放電発生装置1の作動に伴う電磁ノイズを受信し、該電磁ノイズに含まれる所定の周波数帯域の信号のレベルが所定レベル値以上のとき該放電発生装置1が動作したと検知する専用受信機6とを備えて構成されている。
【解決手段】 導電体が接触したときに放電を起こす一対の放電電極2を有する放電発生装置1と、該放電発生装置1の作動に伴う電磁ノイズを受信し、該電磁ノイズに含まれる所定の周波数帯域の信号のレベルが所定レベル値以上のとき該放電発生装置1が動作したと検知する専用受信機6とを備えて構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気的ショックを与えて侵入者を排除する放電式セキュリティ装置、特に放電発生装置の動作を通知することにより侵入の事実と時と場所を特定できるようにしたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の侵入防止装置は、電源及びこの電源によって発生させた電圧を昇圧する昇圧器を備えた高電圧発生装置を内蔵した装置本体と、この装置本体より展張される陽極線と陰極線とからなる1以上の電線対と、この電線対に設けられた複数の放電電極と、電線対を展張させるために電線対に設けられた固定手段と、電線対に作用する張力を検知する張力検知手段と、張力検知手段での所定の張力の検知により高電圧発生装置が電線対に電圧を与えて放電電極を放電させ、放電電極が放電したことを外部に送信する送信装置とを備えて構成され、侵入者に対して放電電極を放電させて予想しない突然の電気ショックを与えて侵入者を排除するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−312862号公報(第2頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかる従来の侵入防止装置では、高電圧発生装置の動作を遠方まで通知する手段として無線による送信装置を用いており、受信側にも無線による受信装置を必要としていたため、装置の動作を通知するためのコストが増大し、さらに送信装置を装備するための寸法、重量の増大が避けられないという問題があった。
また、送信装置と受信装置との無線通信の場合は、単一ないしは複数の定められた無線帯域を使用することになるため、その帯域が明らかにされれば、妨害を受けて装置の動作を通知することが困難になり、また、所定の無線帯域を占有するため、他の通信に支障を来すことも考えられるという問題もあった。
【0004】
本発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、送信装置を必要とせず、放電発生装置の動作を外部に通知し、その通知を専用の受信機で受信して放電発生装置の動作を検知することができる放電式セキュリティ装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る放電式セキュリティ装置は、導電体が接触したときに放電を起す一対の放電電極を有する放電発生装置と、該放電発生装置の作動に伴う電磁ノイズを受信し、該電磁ノイズに含まれる所定の周波数帯域の信号のレベルが所定レベル値以上のとき該放電発生装置が動作したと検知する専用受信機とを備えて構成されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明は以上説明したとおり、導電体が接触したときに放電を起す一対の放電電極を有する放電発生装置と、該放電発生装置の作動に伴う電磁ノイズを受信し、該電磁ノイズに含まれる所定の周波数帯域の信号のレベルが所定レベル値以上のとき該放電発生装置が動作したと検知する専用受信機とを備えて構成されているので、放電発生装置に接触した導電体である例えば人が電気的ショックを受けるため、侵入者を排除することができ、専用受信機では放電発生装置が動作したことを検知することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る放電式セキュリティ装置の構成を示すブロック図、図2は放電発生装置の構成を示すブロック図、図3は放電発生装置の昇圧トランスの出力波形図である。
図1において、放電式セキュリティ装置の箱状型放電発生装置1の一対の放電電極2には、被覆された電線であるリード線3、4が取り付けられている。その箱状型放電発生装置1は一対の放電電極2に人が接触すると、一対の放電電極2間に放電を発生させ、人体にパルス状の電流を流すものである。
そして、一対の放電電極2間に放電が起こると、放電電極2間は短絡状態になるため、後述のX接点基板27のX接点で空中放電が発生し、電磁ノイズ5が放射されるが、リード線3、4の効果によりX接点のみよりも、強い電磁ノイズ5が放射される。
【0008】
その電磁ノイズ5は、箱状型放電発生装置1とは離れたところにある放電式セキュリティ装置の専用受信機6で受信される。その専用受信機6は、電磁ノイズ5を受信するアンテナ7と、アンテナ7で高周波電気信号に変換された電磁ノイズを増幅する高周波増幅回路8と、増幅された電磁ノイズのうち、待ち受け周波数成分のみを通過させる同調回路9と、同調回路9を通過した電磁ノイズを検波する検波回路10と、検波された電磁ノイズ信号のレベルと予め定めたレベルとを比較してレベル判定を行うレベル判定回路11とで構成されている。
レベル判定回路11では、検波回路10によって検波された電磁ノイズ信号のレベルと予め定めたレベルとを比較し、電磁ノイズ信号のレベルが予め定めたレベルを超えていれば、電磁ノイズありと判定し、動作検知信号を出力するものである。
【0009】
図2において、箱状型放電発生装置1は、直列に接続された4つの乾電池20と、乾電池20と放電スイッチ21及びコネクタ22を介して接続された放電発生装置本体23とで構成されている。
放電発生装置本体23は、乾電池20から入力されたDC電圧を約5KHz周期のパルス電圧に変換する発振回路24と、発振回路24から出力されたパルス電圧を約5KV、5KHz周期の高圧パルス電圧に昇圧する昇圧トランス25と、昇圧トランス25から出力された約5KV、5KHz周期の高圧パルス電圧を、約20倍増幅して約10万V(100KV)の直流電圧に変換に昇圧し、出力側が一対の放電電極2に接続された倍電圧回路26と、一対の放電電極2が短絡した状態で電圧を印加したときに、接点で放電させて内部回路の破損を防ぐX接点基板27とを有して構成されている。
図3は昇圧トランス25の高圧パルス電圧の出力波形を示しており、50μs間隔で約5KV、5KHz周期の高圧パルス電圧を出力していることが分かる。
【0010】
図4は棒状型放電発生装置31の構成を示しており、図4の(a)は棒状型放電発生装置31を伸張した状態を示し、図4の(b)は棒状型放電発生装置31を縮めた状態を示し、図4の(c)は棒状型放電発生装置31の断面を示している。
この棒状型放電発生装置31は円柱状のボデイの表面に相対向するように一対の放電電極32が設けられているものである。
この棒状型放電発生装置31の回路構成は、図1及び2に示す箱状型放電発生装置1と同様の構成である。
【0011】
次に、本発明の実施の形態1の放電式セキュリティ装置の箱状型放電発生装置1又は棒状型放電発生装置31が作動し、X接点27が放電を起した場合に発生する電磁ノイズを装置の動作を外部に通知することに利用できる原理について、箱状型放電発生装置1の一対の放電電極2の放電に伴って発生する電磁ノイズの計測結果から説明する。
図5は電磁ノイズ計測方法を示す説明図、図6は電磁ノイズの水平偏波の計測結果を示すグラフ、図7は電磁ノイズの垂直偏波の計測結果を示すグラフ、図8は箱状型放電発生装置の放電電極にリード線を取り付けた状態を示す斜視図、図9はリード線を取り付けた場合の電磁ノイズの水平偏波の計測結果を示すグラフ、図10はリード線を取り付けた場合の電磁ノイズの水平偏波の計測結果を示すグラフである。
図5に示すように、計測アンテナAを水平と垂直に設置し、箱状型放電発生装置1を縦置きし、計測アンテナAに対して放電電極2が向けられた角度を0度としたときの放電にともなう電磁ノイズを計測するもので、EMC計測法に準じた方法によって計測した。
【0012】
このEMC計測法はElectromagnetic Compatibility:電磁適合性(電磁両立性)といい、電子機器が発生する電磁ノイズが他の電子機器に影響を与えないレベルであることを確認するために行う、「電子機器等の発する連続的な電磁ノイズのアンテナを用いた測定法」である。
図6と図7の計測結果は、箱状型放電発生装置1又は棒状型放電発生装置31と計測アンテナAの距離を3mとし、#5は棒状型放電発生装置31で、それ以外は全て箱状型放電発生装置1を使用し、放電電圧50KVA〜625KVAまでの範囲をそれぞれの放電発生装置に割り当てたものである。また、図6と図7とでは計測アンテナAの姿勢が異なり、図6は計測用アンテナaの姿勢をホリゾンタル(水平)に、図7は計測用アンテナAの姿勢をバーチカル(垂直)にしてデータをとったものである。
【0013】
図6と図7の計測データを見ると、太線で示した家庭用TVやラジオなどを対象にした電磁ノイズの電界強度規制値に対して、200〜300MHzより低周波域において電界強度が大幅に増大し、30〜300MHzの周波数帯域まで規制値をこえていることも分かる。従って、この30〜300MHzの周波数帯域全般にわたって広く電磁ノイズが放射されていることが分かる。
従って、200〜300MHzより低周波域を使用すれば、通信機器(家庭用TVやラジオ)に妨害を与えるレベルであるため、放電が行ったことを通知することができる可能性がある。
また、放射伝播の電界強度はそれが球面拡散すると仮定すると、電界強度は距離に比例して低下する。従って、図6と図7によれば、30MHzにおいて、概ね20dB以上の差がある。20dBを真数に直すと10倍に相当するため、3mの10倍即ち30m程度の距離までは規制値を上回るがそれ以上の距離になると規制値を下回る可能性がある。
そこで、通信距離をのばすために電界強度のレベルを増大させる必要がある。
【0014】
図8に示すように、箱状型放電発生装置1の一対の放電電極2にリード線を取り付け、この状態において、電磁ノイズを計測した結果が図9、図10である。なお、図9、図10は一対の放電電極2に取り付けるリード線3、4の長さによって電磁ノイズがどのように変化するかを示すグラフである。また、図9と図10とでは計測アンテナAの姿勢が異なり、図9は計測用アンテナAの姿勢をホリゾンタル(水平)に、図10は計測用アンテナAの姿勢をバーチカル(垂直)にしてデータをとったものである。
図9と図10のグラフを見ると、20dB(10倍)程度レベルが上がっているのが分かる。よって、リード線を取り付けることにより、電界強度のレベルが増大し、30m程度の距離で規制値と同程度となったものが、その10倍の300m程度で規制値と同程度となることを示している。
【0015】
また、リード線3、4の長さが2mとした場合を示したが、1mの方がレベルが下がる傾向があり、リード線3、4の長さによってレベルをある程度調整できることをを示している。
なお、アンテナとして使用するリード線の長さは、各電極ごとに1/4波長の長さが望ましい。
その理由は電磁ノイズが大きくなる波長は概ね100〜300MHz程度であり、この帯域の電波の波長は
波長(m)=300(m)/対象周波数(MHz)
よって、3m〜1mとなるからである。
そして、アンテナのサイズはこの波長と密接に関連しており、波長の1/4という寸法が最も簡単なアンテナである1/4波長モノポールアンテナとしての1つの目安となるからである。よって、このアンテナタイプでは、具体的な数値としては、0.75〜0.25mということになる。
【0016】
また、図9、図10においては、30〜300MHzの周波数帯域まで規制値をこえている。従って、この30〜300MHzの周波数帯域全般にわたって広く電磁ノイズが放射されていることが分かる。
従って、これまで説明した図6、図7、図9、図10のグラフに示す試験結果に基づき、30〜300MHzの帯域にわたって放電に伴う電磁ノイズ放射を通信手段として利用することができることが分かる。
【0017】
次に、放電発生装置の放電に伴う電磁ノイズの放射を装置の動作の通知を行う送信手段とし、電磁ノイズを受信する受信装置を備えた放電式セキュリティ装置について図1に基づいて説明する。
箱状型放電発生装置1の放電電極2にリード線3、4が取り付けられており、放電電極2に導電体である例えば人が接触すると、放電電極2間に放電が発生し、人体を介して放電電極2間は短絡状態になるため、X接点基板27のX接点で空中放電が発生し、電磁ノイズ5が放射されるが、リード線3、4を取り付けたことにより、X接点のみよりも強い電磁ノイズが放射される。
その電磁ノイズを箱状型放電発生装置1から離れたところにある受信機6のアンテナ7で受信し、アンテナ7で高周波電気信号に変換された電磁ノイズは高周波増幅回路8で増幅される。
【0018】
そして、同調回路9で増幅された高周波電気信号のうち、一番電界強度が強い例えば50MHzの待ち受け周波数成分のみを通過させ、同調回路9を通過した受け周波数成分を検波回路10で検波し、検波した信号をレベル判定回路11に入力する。
レベル判定回路11では検波した信号のレベルと、箱状型放電発生装置1の放電による電磁ノイズであることを示す予め定めたレベルとを比較し、検波した信号のレベルが予め定めたレベルを超えていれば、電磁ノイズあり、即ち、箱状型放電発生装置1が放電発生の動作をしたと判定し、動作検知信号を出力する。
従って、その動作検知信号を受けた監視装置(図示省略)では、箱状型放電発生装置1が動作したと知ることができ、箱状型放電発生装置1の放電電極2に接触した人は電気的ショックを受けるため、侵入者を排除することができる。
また、レベル判定回路11に、箱状型放電発生装置1を設置した場所を記憶させておくと共に時計機能を持たせるようにしておくことにより、侵入の事実と場所と時を特定することができる。
【0019】
また、箱状型放電発生装置1が動作した場合、発振回路24の回路構成に応じた固有の断続的な放電を繰り返し、放電に伴う電磁ノイズもこれに併せて断続する。
従って、レベル判定回路11に電磁ノイズの断続周期を設定値として記憶させておき、その設定された断続周期と検波した信号の断続周期とを比較し、両者が一致したときにはその箱状型放電発生装置1の動作による電磁ノイズと判定し、両者が一致しないときはそれ以外の放電発生装置或るいは他の放電機器による電磁ノイズと判定することができる。
上記の説明は、箱状型放電発生装置1についてのものであるが、棒状放電発生装置31についても同様に適用できることはいうまでもない。
【0020】
図11は皿状型放電発生装置33を示し、一対の放電電極34にそれぞれ半円弧状の金属線35を接続し、各金属線35に複数の電極針36を間隔を置いて取り付け、トラばさみのようにしたものである。
このように複数の電極針36を取り付けた金属線35を一対の放電電極34に接続してトラばさみのように構成することにより、皿状型放電発生装置33の周囲の広い範囲にわたって人の侵入を防止することができる。
また、複数の電極針34を設けるようにしたのは、革靴や衣服の上から電極針34に接触したときに、これらを貫通して人体と直接触れるようにするためと、外しにくくするためである。
【0021】
実施の形態2.
図12は本発明の実施の形態2に係る放電式セキュリティ装置の構成を示すブロック図、図13は位置判定回路の構成を示すブロック図である。
この実施の形態2は複数の箱状型放電発生装置1が各エリア毎に面状に配置され、どのエリアの箱状型放電発生装置1が動作したかの位置情報も判定できるようにしたものである。
図12に示すように、例えば4つの箱状型放電発生装置1A〜1Dが各エリア毎に面状に配置されている。また、専用受信機30の4つのアンテナ7A〜7Dがこれら箱状型放電発生装置1A〜1Dを取り囲むように配置されている。
その専用受信機30は、アンテナ7A〜7D、高周波増幅回路8A〜8D、同調回路9A〜9D、検波回路10A〜10D及びレベル判定回路11A〜11Dというように、図1で示した受信回路を4回路を備えている。レベル判定回路11A〜11Dは動作した各箱状型放電発生装置1A〜1Dの位置を判定する位置判定回路12に接続されている。
【0022】
位置判定回路12は各レベル判定回路11A〜11Dからのレベル信号を一時的に保持するレベル一時記憶部13A〜13Dと、各レベル一時記憶部13A〜13Dに保持されたレベル信号を任意に選択可能とする2つの信号選択回路14A、14Bと、各信号選択回路14A、14Bが選択したレベル信号を比較するレベル比較回路15と、レベル比較回路15が比較した結果を記憶する比較結果記憶部16と、比較結果記憶部16に蓄積された結果を読み出して位置判定を行う位置判定部16と、各回路の動作制御を行う制御部18とで構成されている。
【0023】
次に、エリア位置判定方法について具体例を挙げて説明する。
図12は複数の箱状型放電発生装置1を面状の各エリア毎に配置したものであるが、図14は複数の棒状型放電発生装置41を直線状の各エリア毎に配置したものを示す。また、図15(a)は直線状に配置された2つのアンテナの間の各位置に棒状型放電発生装置を設置した場合の位置関係を示す説明図、図15(b)は直線状に配置された2つのアンテナの間の各位置に棒状型放電発生装置を設置した場合の各アンテナが受ける強度を示すグラフである。
図15(b)のイ、ロ、ハは棒状型放電発生装置を設置した位置を示し、各アンテナ1,2が受ける強度は棒状型放電発生装置との距離に比例していることが分かる。
従って、このことを前提にエリア位置判定方法について説明する。
【0024】
まず、複数の棒状型放電発生装置を直線状に配置すると共に複数のアンテナを直線状に配置した場合のエリア判定方法について説明する。
図16に示すように、直線状に4つのアンテナA〜Dが等間隔に配置された状態で、直線状にIからVIIまでの7分割されたエリアにそれぞれ棒状型放電発生装置が設置された場合における各エリアの各アンテナが受ける入力レベルは、図16の各エリアに示すような大小関係が成立する。
例えば、エリアIで発生した電磁ノイズの各アンテナA〜Dへの入力レベルは、A>B>C>Dとなる。
従って、各アンテナA〜Dへの入力レベルが、A>B>C>Dという関係があるときにはエリアIに動作した棒状型放電発生装置があることを位置判定部12で判定することができるということになる。
【0025】
次に、複数の箱状型放電発生装置を面状に配置すると共に複数のアンテナを面状に配置した場合のエリア判定方法について説明する。
図17に示すように、面状に4つのアンテナA〜Dが等間隔に配置された状態で、面状にIからIXまでの9分割されたエリアにそれぞれ放電発生装置が設置された場合における各エリアの各アンテナが受ける入力レベルは、図17の各エリアに示すような大小関係が成立する。
例えば、エリアIで発生した電磁ノイズの各アンテナA〜Dへの入力レベルは、B>A、B>C、B>Dとなる。
従って、各アンテナA〜Dへの入力レベルが、B>A、B>C、B>Dという関係があるときにはエリアIに動作した放電発生装置があることを位置判定部12で判定することができるということになる。
なお、ここで使用している「=」なる記号は厳密な一致を示すのではなく、ほぼ同一のレベルであることを示す。
【0026】
例えば図12に示すように、箱状型放電発生装置1Dが作動した場合を考える。箱状型放電発生装置1Dはアンテナ7Dに最も接近しているので、アンテナ7Dに最も強い電磁ノイズが到達すると考えられる。
各アンテナ7Aから7Dで受信された信号は減衰することなく、各受信回路まで導かれるとすれば、レベル判定回路11Aから11Dのレベル値はアンテナ7Aから7Dに到達した電磁ノイズの強さに比例している。
そこで、位置判定回路25はそれぞれのレベルを比較し、最も強いレベルのアンテナ7Dに近い箱状型放電発生装置1Dが動作したと判断する。
【0027】
次に、図13に示す位置判定回路12の動作について説明する。
各レベル判別回路11Aから11Dからでたレベル信号はそれぞれレベル一時記憶部13A〜13Dによって保持され、保持されたレベル信号は2つの信号選択回路14A、14Bによって任意の信号を選択し、選択されたレベル信号はレベル比較回路15に送られる。レベル比較回路15では選択されたレベル信号の大小、イコールの比較を行い、その比較結果が比較結果記憶部16に逐次送られ、全ての組み合わせの比較結果が終了するまでレベル比較回路15で行われ、その結果が比較結果記憶部16に送られる。
そして、位置判定部17では、蓄積した結果を比較結果記憶部16から読み出しながら全ての組み合わせの比較結果に基づいて上述した図16又は図17に示すエリア判定方法により位置判定を行う。
【0028】
この実施の形態2では、複数の箱状型又は棒状型の放電発生装置1、31が直線状に或いは面状に設置された場合に、どのエリア位置にある放電発生装置が動作したかどうかが分かる。
従って、複数の放電発生装置が直線状に或いは面状に設置することにより、所定の場所に侵入する侵入者を電気的ショックを与えて撃退できると共に、侵入者が侵入した場所を特定することができる。
【0029】
また、位置判定回路12に複数の箱状型又は棒状型の放電発生装置1、31を設置した場所を記憶させておくと共に時計機能を持たせるようにしておくことにより、各放電発生装置が動作することにより、所定の場所における侵入の事実と場所と時を特定することができる。
また、複数の箱状型又は棒状型の放電発生装置1、31は放電を断続的に繰り返し、各放電発生装置の放電の間隔周期がそれぞれ異なるときには、各放電発生装置1の放電の間隔周期をそれぞれ記憶させておき、時計機能により計測した放電の断続的な間隔と記憶した間隔とを比較し、両者が一致した放電発生装置について、その放電発生装置が動作したと特定することができ、より精度の高い判断を行うことができる。
【0030】
実施の形態3.
図18は本発明の実施の形態3に係る放電式セキュリティ装置の構成を示すブロック図、図19は総合判定回路の構成を示すブロック図である。
この実施の形態3は、1つの箱状型放電発生装置1が広範囲の周波数帯域にわたって発する電磁ノイズについて複数の周波数のぞれぞれのレベルを検出して箱状型放電発生装置1が動作したかを判定できるようにしたものである。
図18に示すように、1つの箱状型放電発生装置1が所定の場所に配置されている。また、箱状型放電発生装置1から離れた位置に専用受信機40が設置されている。
【0031】
その受信機40は、アンテナ7、高周波増幅回路8、同調回路9A〜9C、検波回路10A〜10C及びレベル判定回路11A〜11C及びレベル判定回路11A〜11Cの出力に基づき箱状型放電発生装置1が動作したかどうかを判定する総合判定回路41を備えて構成されている。なお、図12に示す実施の形態2の同調回路9A〜9Dは全て同じ周波数に同調されていたが、この実施の形態3の図18に示す同調回路9A〜9Cは例えば、30MHz、100MHz、200MHzというようにそれぞれ異なった周波数に同調されるようになっている。
【0032】
総合判定回路41は、各レベル判定回路11A〜11Dからのレベル信号が入力される短積分回路42A〜42Cと、各レベル判定回路11A〜11Dからのレベル信号が入力される長積分回路43A〜43Cと、短積分回路42A〜42Cと長積分回路43A〜43Cとの出力を比較するレベル比較回路44A〜44Cと、レベル比較回路44A〜44Cがそれぞれ比較した結果から放電ノイズによる信号であるかどうかを判断する信号判定部45とで構成されている。
その短積分回路42A〜42Cは時定数の短い積分回路(信号平滑化回路)であり、入力信号に対する追従性が速いもので、長積分回路43A〜43Cは時定数の長い積分回路(信号平滑化回路)であり、入力信号が変動してもすぐには追従せずこまかい変動には応答しない特徴があるものである。
【0033】
次に、この実施の形態3の専用受信機40が1つの箱状型放電発生装置1が動作したかどうかを判定できる動作を説明する。
この実施の形態3では、箱状型放電発生装置1の放電に伴う電磁ノイズの放出は図4に示すように30MHzから300MHz付近までと非常に広範囲の周波数帯域を持っているので、電磁ノイズによる電磁波信号は複数の周波数において同時に信号のレベルが上昇するため、複数の信号のレベルが上昇したときは電磁ノイズであると判断し、全ての信号のレベルが上昇しないときには放電にともなう電磁ノイズでないと判断することを特徴とするものである。
そして、この特徴を図18及び19に示す総合判定回路41で捉えるようにしたものである。
【0034】
以下、総合判定回路41の動作について図19に基づいて説明する。
各レベル判別回路11Aから11Dからでたレベル信号はそれぞれ短積分回路42A〜42Cと長積分回路43A〜43Cとに入力され、レベル比較回路42A〜42Cではこの両者の出力をそれぞれ比較し、信号判定部45では、全てのレベル比較回路42A〜42Cにおける両者の出力が短積分回路出力>長積分回路出力となったときに箱状型放電発生装置1の放電ノイズによる信号であると判断し、全てのレベル比較回路42A〜42Cにおける両者の出力が短積分回路出力>長積分回路出力とならなかったときは箱状型放電発生装置1の放電にともなう電磁ノイズでないと判断するようにしたものである。
【0035】
このように、全てのレベル比較回路42A〜42Cにおける両者の出力が短積分回路出力>長積分回路出力となったときに箱状型放電発生装置1の放電ノイズによる信号であると判断できる理由は、箱状型放電発生装置1の放電ノイズによるレベル変動があった場合には、短積分回路42A〜42Cは入力信号に対する追従性が速いもので、長積分回路43A〜43Cは入力信号が変動してもすぐには追従せずこまかい変動には応答しない特徴があるため、両者の出力の関係が短積分回路出力>長積分回路出力となるからである。
この実施の形態3では、1つの箱状型放電発生装置1が動作したかどうかを複数の周波数により同時に判定することができため、判定精度が向上する。
【0036】
上述の説明では、 全てのレベル比較回路42A〜42Cにおける両者の出力が短積分回路出力>長積分回路出力となったときに箱状型放電発生装置1の電磁ノイズによる信号であると判断するようにしているが、図6、図7、図9、図10に示すように周波数が高くなるに従って電磁ノイズのレベルは小さくなる傾向があるので、例えば、1つの同調回路9Aは電磁ノイズが検出できない周波数帯域に同調させておき、他の2つの同調回路9B、9Cの周波数帯域ではレベルの上昇を検出できる周波数帯域に同調させておき、信号判定部45で1つの同調回路9Aに対応するレベル比較回路44Aではレベルが上昇しないことを、2つの同調回路9BCに対応するレベル比較回路44B、44Cではレベルが上昇することをもって箱状型放電発生装置1の放電に伴う電磁ノイズであると判断するようにしてもよい。
【0037】
また、総合判定回路41に箱状型放電発生装置1を設置した場所を記憶させておくと共に時計機能を持たせるようにしておくことにより、侵入の事実と場所と時を特定することができる。
また、箱状型放電発生装置1は、放電を断続的に繰り返すため、その繰り返し間隔を記憶させておき、時計機能により計測した放電の断続的な間隔と記憶した間隔とを比較して
両者が一致したことで、その箱状型放電発生装置1が動作したと特定することができる。
上記の説明は、箱状型放電発生装置1についてのものであるが、棒状放電発生装置31についても同様に適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態1に係る放電式セキュリティ装置の構成を示すブロック図。
【図2】放電発生装置の構成を示すブロック図。
【図3】放電発生装置の昇圧トランスの出力波形図。
【図4】棒状型放電発生装置の構成を示す説明図。
【図5】電磁ノイズ計測方法を示す説明図。
【図6】電磁ノイズの水平偏波の計測結果を示すグラフ。
【図7】電磁ノイズの垂直偏波の計測結果を示すグラフ。
【図8】箱状型放電発生装置の放電電極にリード線を取り付けた状態を示す斜視図。
【図9】リード線を取り付けた場合の電磁ノイズの水平偏波の計測結果を示すグラフ。
【図10】リード線を取り付けた場合の電磁ノイズの水平偏波の計測結果を示すグラフ。
【図11】箱状型放電発生装置の放電電極をトラばさみのように構成した斜視図。
【図12】本発明の実施の形態2に係る放電式セキュリティ装置の構成を示すブロック図。
【図13】位置判定回路の構成を示すブロック図。
【図14】複数の棒状型放電発生装置を設置した状態を示す説明図。
【図15】直線状に配置された2つのアンテナの間に放電発生装置を設置した例の説明図とこの例の場合の各アンテナが受ける強度を示すグラフ。
【図16】複数の放電発生装置を直線状に配置すると共に複数のアンテナを直線状に配置した場合のエリア判定方法の説明図。
【図17】複数の放電発生装置を面状に配置すると共に複数のアンテナを面状に配置した場合のエリア判定方法の説明図。
【図18】本発明の実施の形態3に係る放電式セキュリティ装置の構成を示すブロック図。
【図19】総合判定回路の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0039】
1 箱状型放電発生装置、2 放電電極、3,4 リード線、5 電磁ノイズ、6 専用受信機、7 アンテナ、8 高周波増幅回路、9 同調回路、10 検波回路、11 レベル判定回路。
【技術分野】
【0001】
本発明は電気的ショックを与えて侵入者を排除する放電式セキュリティ装置、特に放電発生装置の動作を通知することにより侵入の事実と時と場所を特定できるようにしたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の侵入防止装置は、電源及びこの電源によって発生させた電圧を昇圧する昇圧器を備えた高電圧発生装置を内蔵した装置本体と、この装置本体より展張される陽極線と陰極線とからなる1以上の電線対と、この電線対に設けられた複数の放電電極と、電線対を展張させるために電線対に設けられた固定手段と、電線対に作用する張力を検知する張力検知手段と、張力検知手段での所定の張力の検知により高電圧発生装置が電線対に電圧を与えて放電電極を放電させ、放電電極が放電したことを外部に送信する送信装置とを備えて構成され、侵入者に対して放電電極を放電させて予想しない突然の電気ショックを与えて侵入者を排除するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−312862号公報(第2頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかる従来の侵入防止装置では、高電圧発生装置の動作を遠方まで通知する手段として無線による送信装置を用いており、受信側にも無線による受信装置を必要としていたため、装置の動作を通知するためのコストが増大し、さらに送信装置を装備するための寸法、重量の増大が避けられないという問題があった。
また、送信装置と受信装置との無線通信の場合は、単一ないしは複数の定められた無線帯域を使用することになるため、その帯域が明らかにされれば、妨害を受けて装置の動作を通知することが困難になり、また、所定の無線帯域を占有するため、他の通信に支障を来すことも考えられるという問題もあった。
【0004】
本発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、送信装置を必要とせず、放電発生装置の動作を外部に通知し、その通知を専用の受信機で受信して放電発生装置の動作を検知することができる放電式セキュリティ装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る放電式セキュリティ装置は、導電体が接触したときに放電を起す一対の放電電極を有する放電発生装置と、該放電発生装置の作動に伴う電磁ノイズを受信し、該電磁ノイズに含まれる所定の周波数帯域の信号のレベルが所定レベル値以上のとき該放電発生装置が動作したと検知する専用受信機とを備えて構成されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明は以上説明したとおり、導電体が接触したときに放電を起す一対の放電電極を有する放電発生装置と、該放電発生装置の作動に伴う電磁ノイズを受信し、該電磁ノイズに含まれる所定の周波数帯域の信号のレベルが所定レベル値以上のとき該放電発生装置が動作したと検知する専用受信機とを備えて構成されているので、放電発生装置に接触した導電体である例えば人が電気的ショックを受けるため、侵入者を排除することができ、専用受信機では放電発生装置が動作したことを検知することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る放電式セキュリティ装置の構成を示すブロック図、図2は放電発生装置の構成を示すブロック図、図3は放電発生装置の昇圧トランスの出力波形図である。
図1において、放電式セキュリティ装置の箱状型放電発生装置1の一対の放電電極2には、被覆された電線であるリード線3、4が取り付けられている。その箱状型放電発生装置1は一対の放電電極2に人が接触すると、一対の放電電極2間に放電を発生させ、人体にパルス状の電流を流すものである。
そして、一対の放電電極2間に放電が起こると、放電電極2間は短絡状態になるため、後述のX接点基板27のX接点で空中放電が発生し、電磁ノイズ5が放射されるが、リード線3、4の効果によりX接点のみよりも、強い電磁ノイズ5が放射される。
【0008】
その電磁ノイズ5は、箱状型放電発生装置1とは離れたところにある放電式セキュリティ装置の専用受信機6で受信される。その専用受信機6は、電磁ノイズ5を受信するアンテナ7と、アンテナ7で高周波電気信号に変換された電磁ノイズを増幅する高周波増幅回路8と、増幅された電磁ノイズのうち、待ち受け周波数成分のみを通過させる同調回路9と、同調回路9を通過した電磁ノイズを検波する検波回路10と、検波された電磁ノイズ信号のレベルと予め定めたレベルとを比較してレベル判定を行うレベル判定回路11とで構成されている。
レベル判定回路11では、検波回路10によって検波された電磁ノイズ信号のレベルと予め定めたレベルとを比較し、電磁ノイズ信号のレベルが予め定めたレベルを超えていれば、電磁ノイズありと判定し、動作検知信号を出力するものである。
【0009】
図2において、箱状型放電発生装置1は、直列に接続された4つの乾電池20と、乾電池20と放電スイッチ21及びコネクタ22を介して接続された放電発生装置本体23とで構成されている。
放電発生装置本体23は、乾電池20から入力されたDC電圧を約5KHz周期のパルス電圧に変換する発振回路24と、発振回路24から出力されたパルス電圧を約5KV、5KHz周期の高圧パルス電圧に昇圧する昇圧トランス25と、昇圧トランス25から出力された約5KV、5KHz周期の高圧パルス電圧を、約20倍増幅して約10万V(100KV)の直流電圧に変換に昇圧し、出力側が一対の放電電極2に接続された倍電圧回路26と、一対の放電電極2が短絡した状態で電圧を印加したときに、接点で放電させて内部回路の破損を防ぐX接点基板27とを有して構成されている。
図3は昇圧トランス25の高圧パルス電圧の出力波形を示しており、50μs間隔で約5KV、5KHz周期の高圧パルス電圧を出力していることが分かる。
【0010】
図4は棒状型放電発生装置31の構成を示しており、図4の(a)は棒状型放電発生装置31を伸張した状態を示し、図4の(b)は棒状型放電発生装置31を縮めた状態を示し、図4の(c)は棒状型放電発生装置31の断面を示している。
この棒状型放電発生装置31は円柱状のボデイの表面に相対向するように一対の放電電極32が設けられているものである。
この棒状型放電発生装置31の回路構成は、図1及び2に示す箱状型放電発生装置1と同様の構成である。
【0011】
次に、本発明の実施の形態1の放電式セキュリティ装置の箱状型放電発生装置1又は棒状型放電発生装置31が作動し、X接点27が放電を起した場合に発生する電磁ノイズを装置の動作を外部に通知することに利用できる原理について、箱状型放電発生装置1の一対の放電電極2の放電に伴って発生する電磁ノイズの計測結果から説明する。
図5は電磁ノイズ計測方法を示す説明図、図6は電磁ノイズの水平偏波の計測結果を示すグラフ、図7は電磁ノイズの垂直偏波の計測結果を示すグラフ、図8は箱状型放電発生装置の放電電極にリード線を取り付けた状態を示す斜視図、図9はリード線を取り付けた場合の電磁ノイズの水平偏波の計測結果を示すグラフ、図10はリード線を取り付けた場合の電磁ノイズの水平偏波の計測結果を示すグラフである。
図5に示すように、計測アンテナAを水平と垂直に設置し、箱状型放電発生装置1を縦置きし、計測アンテナAに対して放電電極2が向けられた角度を0度としたときの放電にともなう電磁ノイズを計測するもので、EMC計測法に準じた方法によって計測した。
【0012】
このEMC計測法はElectromagnetic Compatibility:電磁適合性(電磁両立性)といい、電子機器が発生する電磁ノイズが他の電子機器に影響を与えないレベルであることを確認するために行う、「電子機器等の発する連続的な電磁ノイズのアンテナを用いた測定法」である。
図6と図7の計測結果は、箱状型放電発生装置1又は棒状型放電発生装置31と計測アンテナAの距離を3mとし、#5は棒状型放電発生装置31で、それ以外は全て箱状型放電発生装置1を使用し、放電電圧50KVA〜625KVAまでの範囲をそれぞれの放電発生装置に割り当てたものである。また、図6と図7とでは計測アンテナAの姿勢が異なり、図6は計測用アンテナaの姿勢をホリゾンタル(水平)に、図7は計測用アンテナAの姿勢をバーチカル(垂直)にしてデータをとったものである。
【0013】
図6と図7の計測データを見ると、太線で示した家庭用TVやラジオなどを対象にした電磁ノイズの電界強度規制値に対して、200〜300MHzより低周波域において電界強度が大幅に増大し、30〜300MHzの周波数帯域まで規制値をこえていることも分かる。従って、この30〜300MHzの周波数帯域全般にわたって広く電磁ノイズが放射されていることが分かる。
従って、200〜300MHzより低周波域を使用すれば、通信機器(家庭用TVやラジオ)に妨害を与えるレベルであるため、放電が行ったことを通知することができる可能性がある。
また、放射伝播の電界強度はそれが球面拡散すると仮定すると、電界強度は距離に比例して低下する。従って、図6と図7によれば、30MHzにおいて、概ね20dB以上の差がある。20dBを真数に直すと10倍に相当するため、3mの10倍即ち30m程度の距離までは規制値を上回るがそれ以上の距離になると規制値を下回る可能性がある。
そこで、通信距離をのばすために電界強度のレベルを増大させる必要がある。
【0014】
図8に示すように、箱状型放電発生装置1の一対の放電電極2にリード線を取り付け、この状態において、電磁ノイズを計測した結果が図9、図10である。なお、図9、図10は一対の放電電極2に取り付けるリード線3、4の長さによって電磁ノイズがどのように変化するかを示すグラフである。また、図9と図10とでは計測アンテナAの姿勢が異なり、図9は計測用アンテナAの姿勢をホリゾンタル(水平)に、図10は計測用アンテナAの姿勢をバーチカル(垂直)にしてデータをとったものである。
図9と図10のグラフを見ると、20dB(10倍)程度レベルが上がっているのが分かる。よって、リード線を取り付けることにより、電界強度のレベルが増大し、30m程度の距離で規制値と同程度となったものが、その10倍の300m程度で規制値と同程度となることを示している。
【0015】
また、リード線3、4の長さが2mとした場合を示したが、1mの方がレベルが下がる傾向があり、リード線3、4の長さによってレベルをある程度調整できることをを示している。
なお、アンテナとして使用するリード線の長さは、各電極ごとに1/4波長の長さが望ましい。
その理由は電磁ノイズが大きくなる波長は概ね100〜300MHz程度であり、この帯域の電波の波長は
波長(m)=300(m)/対象周波数(MHz)
よって、3m〜1mとなるからである。
そして、アンテナのサイズはこの波長と密接に関連しており、波長の1/4という寸法が最も簡単なアンテナである1/4波長モノポールアンテナとしての1つの目安となるからである。よって、このアンテナタイプでは、具体的な数値としては、0.75〜0.25mということになる。
【0016】
また、図9、図10においては、30〜300MHzの周波数帯域まで規制値をこえている。従って、この30〜300MHzの周波数帯域全般にわたって広く電磁ノイズが放射されていることが分かる。
従って、これまで説明した図6、図7、図9、図10のグラフに示す試験結果に基づき、30〜300MHzの帯域にわたって放電に伴う電磁ノイズ放射を通信手段として利用することができることが分かる。
【0017】
次に、放電発生装置の放電に伴う電磁ノイズの放射を装置の動作の通知を行う送信手段とし、電磁ノイズを受信する受信装置を備えた放電式セキュリティ装置について図1に基づいて説明する。
箱状型放電発生装置1の放電電極2にリード線3、4が取り付けられており、放電電極2に導電体である例えば人が接触すると、放電電極2間に放電が発生し、人体を介して放電電極2間は短絡状態になるため、X接点基板27のX接点で空中放電が発生し、電磁ノイズ5が放射されるが、リード線3、4を取り付けたことにより、X接点のみよりも強い電磁ノイズが放射される。
その電磁ノイズを箱状型放電発生装置1から離れたところにある受信機6のアンテナ7で受信し、アンテナ7で高周波電気信号に変換された電磁ノイズは高周波増幅回路8で増幅される。
【0018】
そして、同調回路9で増幅された高周波電気信号のうち、一番電界強度が強い例えば50MHzの待ち受け周波数成分のみを通過させ、同調回路9を通過した受け周波数成分を検波回路10で検波し、検波した信号をレベル判定回路11に入力する。
レベル判定回路11では検波した信号のレベルと、箱状型放電発生装置1の放電による電磁ノイズであることを示す予め定めたレベルとを比較し、検波した信号のレベルが予め定めたレベルを超えていれば、電磁ノイズあり、即ち、箱状型放電発生装置1が放電発生の動作をしたと判定し、動作検知信号を出力する。
従って、その動作検知信号を受けた監視装置(図示省略)では、箱状型放電発生装置1が動作したと知ることができ、箱状型放電発生装置1の放電電極2に接触した人は電気的ショックを受けるため、侵入者を排除することができる。
また、レベル判定回路11に、箱状型放電発生装置1を設置した場所を記憶させておくと共に時計機能を持たせるようにしておくことにより、侵入の事実と場所と時を特定することができる。
【0019】
また、箱状型放電発生装置1が動作した場合、発振回路24の回路構成に応じた固有の断続的な放電を繰り返し、放電に伴う電磁ノイズもこれに併せて断続する。
従って、レベル判定回路11に電磁ノイズの断続周期を設定値として記憶させておき、その設定された断続周期と検波した信号の断続周期とを比較し、両者が一致したときにはその箱状型放電発生装置1の動作による電磁ノイズと判定し、両者が一致しないときはそれ以外の放電発生装置或るいは他の放電機器による電磁ノイズと判定することができる。
上記の説明は、箱状型放電発生装置1についてのものであるが、棒状放電発生装置31についても同様に適用できることはいうまでもない。
【0020】
図11は皿状型放電発生装置33を示し、一対の放電電極34にそれぞれ半円弧状の金属線35を接続し、各金属線35に複数の電極針36を間隔を置いて取り付け、トラばさみのようにしたものである。
このように複数の電極針36を取り付けた金属線35を一対の放電電極34に接続してトラばさみのように構成することにより、皿状型放電発生装置33の周囲の広い範囲にわたって人の侵入を防止することができる。
また、複数の電極針34を設けるようにしたのは、革靴や衣服の上から電極針34に接触したときに、これらを貫通して人体と直接触れるようにするためと、外しにくくするためである。
【0021】
実施の形態2.
図12は本発明の実施の形態2に係る放電式セキュリティ装置の構成を示すブロック図、図13は位置判定回路の構成を示すブロック図である。
この実施の形態2は複数の箱状型放電発生装置1が各エリア毎に面状に配置され、どのエリアの箱状型放電発生装置1が動作したかの位置情報も判定できるようにしたものである。
図12に示すように、例えば4つの箱状型放電発生装置1A〜1Dが各エリア毎に面状に配置されている。また、専用受信機30の4つのアンテナ7A〜7Dがこれら箱状型放電発生装置1A〜1Dを取り囲むように配置されている。
その専用受信機30は、アンテナ7A〜7D、高周波増幅回路8A〜8D、同調回路9A〜9D、検波回路10A〜10D及びレベル判定回路11A〜11Dというように、図1で示した受信回路を4回路を備えている。レベル判定回路11A〜11Dは動作した各箱状型放電発生装置1A〜1Dの位置を判定する位置判定回路12に接続されている。
【0022】
位置判定回路12は各レベル判定回路11A〜11Dからのレベル信号を一時的に保持するレベル一時記憶部13A〜13Dと、各レベル一時記憶部13A〜13Dに保持されたレベル信号を任意に選択可能とする2つの信号選択回路14A、14Bと、各信号選択回路14A、14Bが選択したレベル信号を比較するレベル比較回路15と、レベル比較回路15が比較した結果を記憶する比較結果記憶部16と、比較結果記憶部16に蓄積された結果を読み出して位置判定を行う位置判定部16と、各回路の動作制御を行う制御部18とで構成されている。
【0023】
次に、エリア位置判定方法について具体例を挙げて説明する。
図12は複数の箱状型放電発生装置1を面状の各エリア毎に配置したものであるが、図14は複数の棒状型放電発生装置41を直線状の各エリア毎に配置したものを示す。また、図15(a)は直線状に配置された2つのアンテナの間の各位置に棒状型放電発生装置を設置した場合の位置関係を示す説明図、図15(b)は直線状に配置された2つのアンテナの間の各位置に棒状型放電発生装置を設置した場合の各アンテナが受ける強度を示すグラフである。
図15(b)のイ、ロ、ハは棒状型放電発生装置を設置した位置を示し、各アンテナ1,2が受ける強度は棒状型放電発生装置との距離に比例していることが分かる。
従って、このことを前提にエリア位置判定方法について説明する。
【0024】
まず、複数の棒状型放電発生装置を直線状に配置すると共に複数のアンテナを直線状に配置した場合のエリア判定方法について説明する。
図16に示すように、直線状に4つのアンテナA〜Dが等間隔に配置された状態で、直線状にIからVIIまでの7分割されたエリアにそれぞれ棒状型放電発生装置が設置された場合における各エリアの各アンテナが受ける入力レベルは、図16の各エリアに示すような大小関係が成立する。
例えば、エリアIで発生した電磁ノイズの各アンテナA〜Dへの入力レベルは、A>B>C>Dとなる。
従って、各アンテナA〜Dへの入力レベルが、A>B>C>Dという関係があるときにはエリアIに動作した棒状型放電発生装置があることを位置判定部12で判定することができるということになる。
【0025】
次に、複数の箱状型放電発生装置を面状に配置すると共に複数のアンテナを面状に配置した場合のエリア判定方法について説明する。
図17に示すように、面状に4つのアンテナA〜Dが等間隔に配置された状態で、面状にIからIXまでの9分割されたエリアにそれぞれ放電発生装置が設置された場合における各エリアの各アンテナが受ける入力レベルは、図17の各エリアに示すような大小関係が成立する。
例えば、エリアIで発生した電磁ノイズの各アンテナA〜Dへの入力レベルは、B>A、B>C、B>Dとなる。
従って、各アンテナA〜Dへの入力レベルが、B>A、B>C、B>Dという関係があるときにはエリアIに動作した放電発生装置があることを位置判定部12で判定することができるということになる。
なお、ここで使用している「=」なる記号は厳密な一致を示すのではなく、ほぼ同一のレベルであることを示す。
【0026】
例えば図12に示すように、箱状型放電発生装置1Dが作動した場合を考える。箱状型放電発生装置1Dはアンテナ7Dに最も接近しているので、アンテナ7Dに最も強い電磁ノイズが到達すると考えられる。
各アンテナ7Aから7Dで受信された信号は減衰することなく、各受信回路まで導かれるとすれば、レベル判定回路11Aから11Dのレベル値はアンテナ7Aから7Dに到達した電磁ノイズの強さに比例している。
そこで、位置判定回路25はそれぞれのレベルを比較し、最も強いレベルのアンテナ7Dに近い箱状型放電発生装置1Dが動作したと判断する。
【0027】
次に、図13に示す位置判定回路12の動作について説明する。
各レベル判別回路11Aから11Dからでたレベル信号はそれぞれレベル一時記憶部13A〜13Dによって保持され、保持されたレベル信号は2つの信号選択回路14A、14Bによって任意の信号を選択し、選択されたレベル信号はレベル比較回路15に送られる。レベル比較回路15では選択されたレベル信号の大小、イコールの比較を行い、その比較結果が比較結果記憶部16に逐次送られ、全ての組み合わせの比較結果が終了するまでレベル比較回路15で行われ、その結果が比較結果記憶部16に送られる。
そして、位置判定部17では、蓄積した結果を比較結果記憶部16から読み出しながら全ての組み合わせの比較結果に基づいて上述した図16又は図17に示すエリア判定方法により位置判定を行う。
【0028】
この実施の形態2では、複数の箱状型又は棒状型の放電発生装置1、31が直線状に或いは面状に設置された場合に、どのエリア位置にある放電発生装置が動作したかどうかが分かる。
従って、複数の放電発生装置が直線状に或いは面状に設置することにより、所定の場所に侵入する侵入者を電気的ショックを与えて撃退できると共に、侵入者が侵入した場所を特定することができる。
【0029】
また、位置判定回路12に複数の箱状型又は棒状型の放電発生装置1、31を設置した場所を記憶させておくと共に時計機能を持たせるようにしておくことにより、各放電発生装置が動作することにより、所定の場所における侵入の事実と場所と時を特定することができる。
また、複数の箱状型又は棒状型の放電発生装置1、31は放電を断続的に繰り返し、各放電発生装置の放電の間隔周期がそれぞれ異なるときには、各放電発生装置1の放電の間隔周期をそれぞれ記憶させておき、時計機能により計測した放電の断続的な間隔と記憶した間隔とを比較し、両者が一致した放電発生装置について、その放電発生装置が動作したと特定することができ、より精度の高い判断を行うことができる。
【0030】
実施の形態3.
図18は本発明の実施の形態3に係る放電式セキュリティ装置の構成を示すブロック図、図19は総合判定回路の構成を示すブロック図である。
この実施の形態3は、1つの箱状型放電発生装置1が広範囲の周波数帯域にわたって発する電磁ノイズについて複数の周波数のぞれぞれのレベルを検出して箱状型放電発生装置1が動作したかを判定できるようにしたものである。
図18に示すように、1つの箱状型放電発生装置1が所定の場所に配置されている。また、箱状型放電発生装置1から離れた位置に専用受信機40が設置されている。
【0031】
その受信機40は、アンテナ7、高周波増幅回路8、同調回路9A〜9C、検波回路10A〜10C及びレベル判定回路11A〜11C及びレベル判定回路11A〜11Cの出力に基づき箱状型放電発生装置1が動作したかどうかを判定する総合判定回路41を備えて構成されている。なお、図12に示す実施の形態2の同調回路9A〜9Dは全て同じ周波数に同調されていたが、この実施の形態3の図18に示す同調回路9A〜9Cは例えば、30MHz、100MHz、200MHzというようにそれぞれ異なった周波数に同調されるようになっている。
【0032】
総合判定回路41は、各レベル判定回路11A〜11Dからのレベル信号が入力される短積分回路42A〜42Cと、各レベル判定回路11A〜11Dからのレベル信号が入力される長積分回路43A〜43Cと、短積分回路42A〜42Cと長積分回路43A〜43Cとの出力を比較するレベル比較回路44A〜44Cと、レベル比較回路44A〜44Cがそれぞれ比較した結果から放電ノイズによる信号であるかどうかを判断する信号判定部45とで構成されている。
その短積分回路42A〜42Cは時定数の短い積分回路(信号平滑化回路)であり、入力信号に対する追従性が速いもので、長積分回路43A〜43Cは時定数の長い積分回路(信号平滑化回路)であり、入力信号が変動してもすぐには追従せずこまかい変動には応答しない特徴があるものである。
【0033】
次に、この実施の形態3の専用受信機40が1つの箱状型放電発生装置1が動作したかどうかを判定できる動作を説明する。
この実施の形態3では、箱状型放電発生装置1の放電に伴う電磁ノイズの放出は図4に示すように30MHzから300MHz付近までと非常に広範囲の周波数帯域を持っているので、電磁ノイズによる電磁波信号は複数の周波数において同時に信号のレベルが上昇するため、複数の信号のレベルが上昇したときは電磁ノイズであると判断し、全ての信号のレベルが上昇しないときには放電にともなう電磁ノイズでないと判断することを特徴とするものである。
そして、この特徴を図18及び19に示す総合判定回路41で捉えるようにしたものである。
【0034】
以下、総合判定回路41の動作について図19に基づいて説明する。
各レベル判別回路11Aから11Dからでたレベル信号はそれぞれ短積分回路42A〜42Cと長積分回路43A〜43Cとに入力され、レベル比較回路42A〜42Cではこの両者の出力をそれぞれ比較し、信号判定部45では、全てのレベル比較回路42A〜42Cにおける両者の出力が短積分回路出力>長積分回路出力となったときに箱状型放電発生装置1の放電ノイズによる信号であると判断し、全てのレベル比較回路42A〜42Cにおける両者の出力が短積分回路出力>長積分回路出力とならなかったときは箱状型放電発生装置1の放電にともなう電磁ノイズでないと判断するようにしたものである。
【0035】
このように、全てのレベル比較回路42A〜42Cにおける両者の出力が短積分回路出力>長積分回路出力となったときに箱状型放電発生装置1の放電ノイズによる信号であると判断できる理由は、箱状型放電発生装置1の放電ノイズによるレベル変動があった場合には、短積分回路42A〜42Cは入力信号に対する追従性が速いもので、長積分回路43A〜43Cは入力信号が変動してもすぐには追従せずこまかい変動には応答しない特徴があるため、両者の出力の関係が短積分回路出力>長積分回路出力となるからである。
この実施の形態3では、1つの箱状型放電発生装置1が動作したかどうかを複数の周波数により同時に判定することができため、判定精度が向上する。
【0036】
上述の説明では、 全てのレベル比較回路42A〜42Cにおける両者の出力が短積分回路出力>長積分回路出力となったときに箱状型放電発生装置1の電磁ノイズによる信号であると判断するようにしているが、図6、図7、図9、図10に示すように周波数が高くなるに従って電磁ノイズのレベルは小さくなる傾向があるので、例えば、1つの同調回路9Aは電磁ノイズが検出できない周波数帯域に同調させておき、他の2つの同調回路9B、9Cの周波数帯域ではレベルの上昇を検出できる周波数帯域に同調させておき、信号判定部45で1つの同調回路9Aに対応するレベル比較回路44Aではレベルが上昇しないことを、2つの同調回路9BCに対応するレベル比較回路44B、44Cではレベルが上昇することをもって箱状型放電発生装置1の放電に伴う電磁ノイズであると判断するようにしてもよい。
【0037】
また、総合判定回路41に箱状型放電発生装置1を設置した場所を記憶させておくと共に時計機能を持たせるようにしておくことにより、侵入の事実と場所と時を特定することができる。
また、箱状型放電発生装置1は、放電を断続的に繰り返すため、その繰り返し間隔を記憶させておき、時計機能により計測した放電の断続的な間隔と記憶した間隔とを比較して
両者が一致したことで、その箱状型放電発生装置1が動作したと特定することができる。
上記の説明は、箱状型放電発生装置1についてのものであるが、棒状放電発生装置31についても同様に適用できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態1に係る放電式セキュリティ装置の構成を示すブロック図。
【図2】放電発生装置の構成を示すブロック図。
【図3】放電発生装置の昇圧トランスの出力波形図。
【図4】棒状型放電発生装置の構成を示す説明図。
【図5】電磁ノイズ計測方法を示す説明図。
【図6】電磁ノイズの水平偏波の計測結果を示すグラフ。
【図7】電磁ノイズの垂直偏波の計測結果を示すグラフ。
【図8】箱状型放電発生装置の放電電極にリード線を取り付けた状態を示す斜視図。
【図9】リード線を取り付けた場合の電磁ノイズの水平偏波の計測結果を示すグラフ。
【図10】リード線を取り付けた場合の電磁ノイズの水平偏波の計測結果を示すグラフ。
【図11】箱状型放電発生装置の放電電極をトラばさみのように構成した斜視図。
【図12】本発明の実施の形態2に係る放電式セキュリティ装置の構成を示すブロック図。
【図13】位置判定回路の構成を示すブロック図。
【図14】複数の棒状型放電発生装置を設置した状態を示す説明図。
【図15】直線状に配置された2つのアンテナの間に放電発生装置を設置した例の説明図とこの例の場合の各アンテナが受ける強度を示すグラフ。
【図16】複数の放電発生装置を直線状に配置すると共に複数のアンテナを直線状に配置した場合のエリア判定方法の説明図。
【図17】複数の放電発生装置を面状に配置すると共に複数のアンテナを面状に配置した場合のエリア判定方法の説明図。
【図18】本発明の実施の形態3に係る放電式セキュリティ装置の構成を示すブロック図。
【図19】総合判定回路の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0039】
1 箱状型放電発生装置、2 放電電極、3,4 リード線、5 電磁ノイズ、6 専用受信機、7 アンテナ、8 高周波増幅回路、9 同調回路、10 検波回路、11 レベル判定回路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電体が接触したときに放電を起す一対の放電電極を有する放電発生装置と、該放電発生装置の作動に伴う電磁ノイズを受信し、該電磁ノイズに含まれる所定の周波数帯域の信号のレベルが所定レベル値以上のとき該放電発生装置が動作したと検知する専用受信機と
を備えたことを特徴とする放電式セキュリティ装置。
【請求項2】
前記専用受信機は、前記放電発生装置が設置された場所を記憶する記憶部と、前記放電発生装置が動作したと検知した時刻を計測する時間計測部とを有することを特徴とする請求項1記載の放電式セキュリティ装置。
【請求項3】
導電体が接触したときに断続放電を起す一対の放電電極を有する放電発生装置と、該放電発生装置の作動に伴う断続電磁ノイズを受信し、該断続電磁ノイズの周期と予め設定された断続周期とが一致するとき該放電発生装置が動作したと検知する専用受信機と
を備えたことを特徴とする放電式セキュリティ装置。
【請求項4】
導電体が接触したときに放電を起す一対の放電電極を有する放電発生装置と、該放電発生装置の作動に伴う電磁ノイズを受信して音を発する汎用受信機と
を備えたことを特徴とする放電式セキュリティ装置。
【請求項5】
導電体が接触したときに放電を起す一対の放電電極を有する放電発生装置と、該放電発生装置の作動に伴う電磁ノイズを受信し、該電磁ノイズに含まれる複数の所定の周波数帯域の信号のうち、少なくとも2つの信号のレベルが所定レベル値以上のとき該放電発生装置が動作したと検知する専用受信機と
を備えたことを特徴とする放電式セキュリティ装置。
【請求項6】
所定の領域の所定エリア毎に配置され、導電体が接触したときに放電を起す一対の放電電極を有する複数の放電発生装置と、
所定の領域の周囲に間隔を置いて配置され、いずれか1つの放電発生装置の作動に伴う電磁ノイズを受信する複数のアンテナと、複数のアンテナがそれぞれ受信した電磁ノイズの信号のレベルを互いに比較し、これらの信号のレベル差の軽重に基づいて動作した当該1つの放電発生装置の位置を検知する位置検出部とを有する専用受信機と
を備えたことを特徴とする放電式セキュリティ装置。
【請求項7】
所定の領域の所定エリア毎に配置され、導電体が接触したときに放電を起す一対の放電電極を有する複数の放電発生装置と、
前記各放電発生装置の作動に伴う固有の断続電磁ノイズの周期及び設置エリアをそれぞれを記憶する記憶部と、
いずれかの放電発生装置の作動に伴う固有の断続電磁ノイズを受信し、該固有の断続電磁ノイズの周期と該記憶部に予め記憶された固有の断続周期とが一致するとき当該放電発生装置が動作したと検知し、当該放電発生装置の設置エリアを検出する位置検出部とを有する専用受信機と
を備えたことを特徴とする放電式セキュリティ装置。
【請求項8】
前記放電発生装置の一対の放電電極に、所定長さのリード線をそれぞれ取り付けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の放電式セキュリティ装置。
【請求項9】
前記放電発生装置の一対の放電電極に、複数の電極針を有する湾曲した金属線をそれぞれ取り付けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の放電式セキュリティ装置。
【請求項1】
導電体が接触したときに放電を起す一対の放電電極を有する放電発生装置と、該放電発生装置の作動に伴う電磁ノイズを受信し、該電磁ノイズに含まれる所定の周波数帯域の信号のレベルが所定レベル値以上のとき該放電発生装置が動作したと検知する専用受信機と
を備えたことを特徴とする放電式セキュリティ装置。
【請求項2】
前記専用受信機は、前記放電発生装置が設置された場所を記憶する記憶部と、前記放電発生装置が動作したと検知した時刻を計測する時間計測部とを有することを特徴とする請求項1記載の放電式セキュリティ装置。
【請求項3】
導電体が接触したときに断続放電を起す一対の放電電極を有する放電発生装置と、該放電発生装置の作動に伴う断続電磁ノイズを受信し、該断続電磁ノイズの周期と予め設定された断続周期とが一致するとき該放電発生装置が動作したと検知する専用受信機と
を備えたことを特徴とする放電式セキュリティ装置。
【請求項4】
導電体が接触したときに放電を起す一対の放電電極を有する放電発生装置と、該放電発生装置の作動に伴う電磁ノイズを受信して音を発する汎用受信機と
を備えたことを特徴とする放電式セキュリティ装置。
【請求項5】
導電体が接触したときに放電を起す一対の放電電極を有する放電発生装置と、該放電発生装置の作動に伴う電磁ノイズを受信し、該電磁ノイズに含まれる複数の所定の周波数帯域の信号のうち、少なくとも2つの信号のレベルが所定レベル値以上のとき該放電発生装置が動作したと検知する専用受信機と
を備えたことを特徴とする放電式セキュリティ装置。
【請求項6】
所定の領域の所定エリア毎に配置され、導電体が接触したときに放電を起す一対の放電電極を有する複数の放電発生装置と、
所定の領域の周囲に間隔を置いて配置され、いずれか1つの放電発生装置の作動に伴う電磁ノイズを受信する複数のアンテナと、複数のアンテナがそれぞれ受信した電磁ノイズの信号のレベルを互いに比較し、これらの信号のレベル差の軽重に基づいて動作した当該1つの放電発生装置の位置を検知する位置検出部とを有する専用受信機と
を備えたことを特徴とする放電式セキュリティ装置。
【請求項7】
所定の領域の所定エリア毎に配置され、導電体が接触したときに放電を起す一対の放電電極を有する複数の放電発生装置と、
前記各放電発生装置の作動に伴う固有の断続電磁ノイズの周期及び設置エリアをそれぞれを記憶する記憶部と、
いずれかの放電発生装置の作動に伴う固有の断続電磁ノイズを受信し、該固有の断続電磁ノイズの周期と該記憶部に予め記憶された固有の断続周期とが一致するとき当該放電発生装置が動作したと検知し、当該放電発生装置の設置エリアを検出する位置検出部とを有する専用受信機と
を備えたことを特徴とする放電式セキュリティ装置。
【請求項8】
前記放電発生装置の一対の放電電極に、所定長さのリード線をそれぞれ取り付けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の放電式セキュリティ装置。
【請求項9】
前記放電発生装置の一対の放電電極に、複数の電極針を有する湾曲した金属線をそれぞれ取り付けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の放電式セキュリティ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−155328(P2006−155328A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−346510(P2004−346510)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(502116922)ユニバーサル造船株式会社 (172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(502116922)ユニバーサル造船株式会社 (172)
【Fターム(参考)】
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