説明

放電灯ソケット

【課題】いろいろな幅寸法のレールに取付可能な放電灯ソケットを提供する。
【解決手段】蛍光灯ソケットは、取付用レール11の幅に合わせて可動する可動具12をソケット本体13に設けたものである。可動具12は、一対の可動片15と、一対の可動片15をレール11の幅方向に案内するガイド部材16と、一対の可動片15の間の距離を調整可能にする弾性部材であるスプリング17と、を含む構成である。それぞれの可動片15の、スプリング17とは反対側の端部には、レール11の側端部と係合可能な溝15aが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光灯等の放電灯を保持するレールに差し込んで取り付けられる放電灯ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光ランプ用のソケットはワット数や管径、それにメーカーによって多種多様であり、さらには年代により同じメーカーのソケットでも仕様が異なるなど種類が非常に多い。
【0003】
古い年代のソケット形式はロットアップになっているものが多く、リニューアル工事が盛んな昨今、ソケットが調達できない器具が多く発生し、問題をきたしている。
【0004】
とりわけ、蛍光ランプ用のソケットの中でも古いものは、“ターレット式”と言われるタイプが大多数を占めている。図4に示すようにターレット式ソケット1はレール2に差し込み取り付けられるが、種類によってレールの幅寸法Xがまちまちである。
【0005】
尚、ソケットをレールに差し込んで取り付ける例として特許文献1に記載のものがある。
【特許文献1】実開平5−23317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ターレット式のソケットごとに決まった寸法の取付用レールが用意されている。そのため、当該ソケットがロットアップになっていると、照明器具のリニューアル工事においてソケット交換で済む対応が、照明器具を丸ごと交換する対応になってしまう。
【0007】
そこで本発明は、このような課題を解決できる放電灯ソケットを提供することを目的とする。目的の一例としては、いろいろな幅寸法のレールに取付可能な放電灯ソケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、放電灯を保持するレールに差し込んで取り付けられる放電灯ソケットである。これは、ソケット本体に設けられていてレールの幅に合わせて可動する可動具を具備するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、いろいろな幅寸法のレールに取付可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。ここでは、放電灯ソケットとして直管形蛍光灯用ソケットを例にとるが、本発明はこれに限られらない。
【0011】
図1は本実施例の蛍光灯ソケットを蛍光灯の長手方向から見た構成図を示している。本実施例の蛍光灯ソケットは、図1に示すように、取付用レール11の幅に合わせて可動する可動具12をソケット本体13に設けたものである。ソケット本体13は直管形蛍光ランプ14の口金部を有する。また、ソケット本体1と可動具12は分離可能に構成されていてもよい。
【0012】
可動具12は、一対の可動片15と、一対の可動片15をレール11の幅方向に案内するガイド部材16と、一対の可動片15の間の距離を調整可能にする弾性部材であるスプリング17と、を含む構成である。スプリング17はゴムやエラストマー樹脂などに代替してもよい。それぞれの可動片15の、スプリング17とは反対側の端部には、レール11の側端部と係合可能な溝15aが形成されている。
【0013】
このような可動具12では、スプリング17で付勢された一対の可動片15の間隔がガイド部材16で所定の距離に維持されている(図2(b))。そして、スプリング17の付勢力に抗して可動片15を内側に押し込むことで、可動片15の間隔を縮めることが出来る(図2(a))。
【0014】
したがって、レール11の片側の側端に一方の可動片15の溝15aを係合し、レール11のもう片側の側端にもう一方の可動片15の溝15aを係合することで、いろいろな幅寸法のレール11に蛍光灯ソケットを取り付けることが出来る。
【0015】
図3に古いソケットの例を示している。この図に示される寸法から分かるように、各種ソケットが取り付けられていたレールの幅寸法は30〜43mmの範囲にある。そのため、一対の可動片15の溝15aの底部どうしの間隔をスプリング17の効果により30〜46mm程度の間で自由に調整できるように、可動具12を構成しておけば、図3中のソケットがロットアップになっても十分対応が可能となる。
【0016】
本発明により、ソケットのロットアップによりリニューアル不可能であった旧型照明器具がリニューアル可能になる。また、自社製商品だけでなく、他社の商品も、リニューアル対象の照明器具のレールに取付け可能になる。
【0017】
それにより費用の削減、産業廃棄物の削減に効果があり、環境にやさしいリニューアル工事が実施できる。
【0018】
以上本発明について実施例を挙げて説明したが、本発明の技術思想を逸脱しない範囲において、図示した形状に限定することなく、上記実施例を適宜変更することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施例の蛍光灯ソケットを蛍光灯の長手方向から見た構成図である。
【図2】本実施例の蛍光灯ソケットの可動具の仕組みを説明するための図である。
【図3】古いソケットの例を示した図である。
【図4】既存のソケット及びその取付用レールを示した図である。
【符号の説明】
【0020】
11 取付用レール
12 可動具
13 ソケット本体
14 直管形蛍光ランプ
15 可動片
15a 溝
16 ガイド部材
17 スプリング
18 化粧板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電灯を保持するレールに差し込んで取り付けられる放電灯ソケットであって、
ソケット本体に設けられ前記レールの幅に合わせて可動する可動具を具備する放電灯ソケット。
【請求項2】
前記可動具が、前記レールの両側側部と係合可能に形成された一対の係合部材と、該一対の係合部材を前記レールの幅方向に案内する案内部材と、前記一対の係合部材の間の距離を調整可能にする弾性部材と、を含む構成である、請求項1に記載の放電灯ソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−123501(P2009−123501A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295695(P2007−295695)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】