説明

放電生成物発生装置

【課題】本発明は放電生成物発生装置に関するもので、放電生成物発生装置の切り忘れを抑制することができるものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、
吸気口6と吹出口5を有する本体ケース1と、この本体ケース1の外面に設けた操作部21と、本体ケース1内に設けた放電生成物発生手段9と、この放電生成物発生手段9の運転時間を制御する制御手段22とを備え、操作部21は、第1の押し方と第2の押し方を有し、第1の押し方は、第2の押し方より押す時間が短く、第1の押し方では所定時間運転を行い、第2の押し方では連続運転を行なうことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電圧を印加することにより放電生成物を生成し、除菌や脱臭を行なう放電生成物発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の放電生成物発生装置の構成は以下のようになっていた。
【0003】
すなわち、吹出口と吸込口とを設けた本体ケースと、この本体ケース内の吸込口から吹出口への風路に放電生成物発生手段を備えた構成となっていた。
(例えば、これに類似する先行文献は下記特許文献1に記載されている。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−033304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例における課題は、放電生成物発生装置を運転すると、運転音、風量が小さい為、運転していることを忘れ、切り忘れが発生するということであった。
【0006】
すなわち、従来の物においては、室内で使用する場合に、動作スイッチを押し、運転を開始する。そして、停止時には、停止スイッチを押し、運転を停止するものである。こここで、運転音、風量が小さい為、運転していることを忘れ、停止スイッチを押し忘れると、本体は停止することなく、運転が継続する場合がある。
【0007】
そこで本発明は、放電生成物発生装置の切り忘れを抑制することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そしてこの目的を達成するために本発明は、吸気口と吹出口を有する本体ケースと、この本体ケースの外面に設けた操作部と、前記本体ケース内に設けた放電生成物発生手段と、この放電生成物発生手段の運転時間を制御する制御手段とを備え、前記操作部は、第1の押し方と第2の押し方を有し、前記第1の押し方は、前記第2の押し方より押す時間が短く、前記第1の押し方では所定時間運転を行い、前記第2の押し方では連続運転を行なうことを特徴とする構成であり、これにより、初期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明は、吸気口と吹出口を有する本体ケースと、この本体ケースの外面に設けた操作部と、前記本体ケース内に設けた放電生成物発生手段と、この放電生成物発生手段の運転時間を制御する制御手段とを備え、前記操作部は、第1の押し方と第2の押し方を有し、前記第1の押し方は、前記第2の押し方より押す時間が短く、前記第1の押し方では所定時間運転を行い、前記第2の押し方では連続運転を行なうことを特徴とする構成であり、放電生成物発生装置の切り忘れを抑制することを目的とするものである。
【0010】
すなわち、操作部は、第1の押し方と第2の押し方を有し、第1の押し方は、第2の押し方より押す時間が短いものである。ここで、操作部を第1の押し方で押すと、運転時間を制御する制御手段によって所定時間運転を行い、操作部を第2の押し方で押すと、運転時間を制御する制御手段によって連続運転を行うものである。つまり、使用者が放電生成物発生装置の運転を行なう場合には、操作部の第1の押し方は、第2の押し方より押す時間が短いので、第1の押し方は、第2の押し方より手間がかからず、第1の押し方が第2の押し方に比べて放電生成物発生装置の運転を行い易くなる。
【0011】
このように、使用者が放電生成物発生装置の運転を行なう場合には、連続運転より所定時間運転の方が、操作部での操作の手間がかからないので、放電生成物発生装置の運転を行う場合には、常に所定時間運転を行い易くできるものである。
【0012】
これらの結果により、放電生成物発生装置の切り忘れを抑制することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1の放電生成物発生装置の斜視図
【図2】本発明の同放電生成物発生装置の概略断面を示す図
【図3】本発明の同放電生成物発生装置の内部概略を示す図
【図4】本発明の同放電生成物発生手段の斜視図
【図5】本発明の同放電生成物発生手段の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1から図3に示すように、本実施形態の放電生成物発生装置は、吸気口6と吹出口5を有する本体ケース1と、この本体ケースの外面に設けた操作部21とを備えている。
【0016】
略円柱箱形状の本体ケース1は、本体ケースの上部である上本体ケース部2と、本体ケースの下部である下本体ケース部3と、これら上本体ケース部2と下本体ケース部3とを繋ぐ傾斜部4とから形成している。
【0017】
上本体ケース部2は、上面が塞がれた円筒形状で、下本体ケース部3は、下面が塞がれた円筒形状である。上本体ケース部2の外周側面は、下本体ケース部3の外周側面より本体ケース1の中心軸に対して、外方に位置するものである。つまり、上本体ケース部2の直径は、下本体ケース部3の直径より大きいものである。
【0018】
傾斜部4は、下方開口から上方開口へ向かうにつれ、徐徐に開口面積が大きくなる円筒形状で、上本体ケース部2と下本体ケース部3との間に位置すると共に、上本体ケース部2の下方の開口端部と、下本体ケース部3の上方の開口端部とを繋いでいる。
【0019】
本体ケース1の上本体ケース部2の上面には、吹出口5を有し、傾斜部4には吸気口6を有している。吹出口5は、略横長四角形状で上本体ケース部2上面の一端側に位置し、吸気口6は、略四角形状で本体ケース1の背面側側面に位置し、着脱自在なフィルター部であるフィルター8を備えている。このフィルター8の水平断面形状は、略半円弧形状である。
【0020】
本体ケース1の上本体ケース部2の上面の他端側には、操作部21を備えている。この操作部21を押すことにより、放電生成物発生装置を運転、停止させるものである。
【0021】
本体ケース1内には、放電生成物発生手段9と、この放電生成物発生手段9の運転時間を制御する制御手段22とを備えている。
【0022】
放電生成物発生手段9は、吸気口6から吹出口5に送風する送風手段7と、放電生成物発生部14と、高電圧発生部15とから構成している。本体ケース1内の上部には、放電生成物発生部14と送風手段7とを設け、本体ケース1内の下部には、高電圧発生部15を備えている。
【0023】
送風手段7は、略スクロール形状のケーシング10と、このケーシング10内に固定された電動機11と、この電動機11によって回転する羽根12とから形成している。ケーシング10の上面には略横長四角形状の吐出口20を備え、側面には略リング形状の吸込口13を設けている。この吸込口13に対して本体ケース1の吸気口6の少なくとも一部が対向して位置する。
【0024】
放電生成物発生部14は、図4に示すように、放電電極16と、この放電電極16に対向して配置された対向電極17とを有し、この放電電極16を冷却する冷却部として配置したペルチェ素子18とを備えている。高電圧発生部15は、これらの対向電極17と放電電極16間に高電圧(この実施形態では−5KV)を印加するものである。
【0025】
ペルチェ素子18は0.75V〜2.8V程度の電圧を印加するものであり、この実施形態では、放電電極16側を低温にする。この放電電極16部分で冷却されることで、結露すると、放電生成物である帯電微粒子水が発生することになる。この帯電微粒子水中のヒドロキシルラジカルが臭いと反応し、それを酸化させることで、臭いを分解することができるのである。
【0026】
ヒドロキシルラジカルはヒドロキシ基(水酸基)に反応するラジカルであり、このラジカルは通常2個1組で軌道上を回転しているはずの電子が1つしかないので、電気的に非常に不安定で、周りの原子や分子から欠けた電子を奪おうとするために、酸化力が非常に強いものであり、この酸化作用により臭いが分解、除去されるのである。
【0027】
なお、放電生成物発生部14は、上記の帯電微粒子水に限らず、除菌や脱臭を行なう放電生成物を発生させるものであればよい。
【0028】
放電生成物発生部14は、送風手段7の側部に位置し、放電生成物発生部14から伸びた連通風路26を有している。この連通風路26は、放電生成物発生部14と、送風手段7の吐出口20と本体ケース1の吸気口6との間の風路とを連通している。
【0029】
すなわち、放電生成物発生部14で発生した帯電微粒子水が、この連通風路26を介して送風手段7の吐出口20と本体ケース1の吸気口6との間の風路に流れ、更に、送風手段7によって本体ケース1の吹出口5から室内へ送風される。
【0030】
本体ケース1の上本体ケース部2の上面の他端側には、操作部21を備えている。この操作部21を押すことにより、放電生成物発生手段9、送風手段7、制御手段22を運転、停止等させるものである。
【0031】
本実施形態における特徴は、操作部21は、第1の押し方と第2の押し方を有し、第1の押し方は、第2の押し方より押す時間が短く、第1の押し方では所定時間運転を行い、第2の押し方では連続運転を行なうものである。
【0032】
すなわち、操作部21は1箇所しかなく、第1の押し方と第2の押し方を有し、第1の押し方は、第2の押し方より押す時間が短いものである。ここで、操作部21を第1の押し方で押すと、運転時間を制御する制御手段22によって所定時間運転を行い、操作部を第2の押し方で押すと、運転時間を制御する制御手段22によって連続運転を行うものである。つまり、使用者が放電生成物発生装置の運転を行なう場合には、操作部21の第1の押し方は、第2の押し方より押す時間が短いので、第1の押し方は、第2の押し方より手間がかからず、第1の押し方が第2の押し方に比べて放電生成物発生装置の運転を行い易くなる。
【0033】
このように、使用者が放電生成物発生装置の運転を行なう場合には、連続運転より所定時間運転の方が、操作部21での操作の手間がかからないので、放電生成物発生装置の運転を行う場合には、常に所定時間運転を行い易くできるものである。
【0034】
これらの結果により、放電生成物発生装置の切り忘れを抑制することができるものである。
【0035】
また、車内で使用する場合には、車載バッテリから電源供給されるものである。車種によっては、エンジンを停止しても車載バッテリから電源供給が継続する場合がある。そこで、使用者が放電生成物発生装置の連続運転を行い、放電生成物発生装置の切り忘れ、エンジンを停止した後も連続運転が続くと、車載バッテリが上がってしまうことがある。そこで、第1の押し方は、第2の押し方より押す時間が短く、つまり、第1の押し方は、第2の押し方より手間がかからないので、第1の押し方で放電生成物発生装置の運転を行い易くなる。
【0036】
このように、連続運転より所定時間運転の方が手間がかからないので、放電生成物発生装置の運転を行う場合には、常に所定時間運転を行い易くできるものである。
【0037】
これらの結果により、所定時間運転を行うことにより、放電生成物発生装置の切り忘れを抑制することができるものである。
【0038】
なお、第1の押し方の押し時間の一例は、0.5から1秒であり、第2の押し方の押し時間の一例は、2から3秒である。つまり、第2の押し方の押し時間は、第1の押し方の押し時間の2から6倍である。
【0039】
また、本体ケース1の外面である上本体ケース部2の上面の他端側に表示手段23を設け、この表示手段23は、第1の押し方で所定時間運転であることを表示するものである。具体的には、表示手段23は、所定時間運転を意味する表示24と、この表示24の近傍に位置する点灯部25とから形成している。この点灯部25は、第1の押し方で点灯し、第2の押し方では点灯しないものである。なお、表示24は、所定時間で切れる運転であることを示す文字による表示であれば良く、一例としては、「8時間切」と文字で印刷しているものである。点灯部25の一例としては、LEDである。
【0040】
このように、第2の押し方より押す時間が短い第1の押し方をすると、表示24の近傍に位置する点灯部25が点灯するので、点灯部25が点灯しない連続運転の場合に比べ、容易に所定時間運転であることを認識できる。
【0041】
また、制御手段22は、電源供給が停止し、その後、再度電源供給が再開すると、電源供給が停止する以前の運転が所定時間運転の場合には、経過時間をリセットし、再度所定時間運転を行なうものである。
【0042】
すなわち、放電生成物発生装置の運転を行う場合に、操作部21を第1の押し方で押し、運転時間を制御する制御手段22によって所定時間運転を行い、この所定時間運転の途中で電源供給が停止する。ここで、この電源供給の停止とは、室内で使用している場合には、室内の電源コンセントから放電生成物発生装置から伸びたプラグが抜かれた場合。または、車内で使用している場合には、車種によっては、エンジンを停止すると車載バッテリから電源供給が停止する場合があるので、エンジン停止の場合である。この電源供給が停止後に、再度電源供給が再開すると、電源供給が停止する以前の運転が所定時間運転の経過時間を0にもどし、再度所定時間運転を行なうものである。これにより、所定時間運転による早切れを抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上のように本発明は、吸気口と吹出口を有する本体ケースと、この本体ケースの外面に設けた操作部と、前記本体ケース内に設けた静電霧化発生手段と、この静電霧化発生手段の運転時間を制御する制御手段とを備え、前記操作部は、第1の押し方と第2の押し方を有し、前記第1の押し方は、前記第2の押し方より押す時間が短く、前記第1の押し方では所定時間運転を行い、前記第2の押し方では連続運転を行なうことを特徴とする構成であり、放電生成物発生装置の切り忘れを抑制することを目的とするものである。
【0044】
すなわち、操作部は、第1の押し方と第2の押し方を有し、第1の押し方は、第2の押し方より押す時間が短いものである。ここで、操作部を第1の押し方で押すと、運転時間を制御する制御手段によって所定時間運転を行い、操作部を第2の押し方で押すと、運転時間を制御する制御手段によって連続運転を行うものである。つまり、使用者が放電生成物発生装置の運転を行なう場合には、操作部の第1の押し方は、第2の押し方より押す時間が短いので、第1の押し方は、第2の押し方より手間がかからず、第1の押し方が第2の押し方に比べて放電生成物発生装置の運転を行い易くなる。このように、使用者が放電生成物発生装置の運転を行なう場合には、連続運転より所定時間運転の方が、操作部での操作の手間がかからないので、放電生成物発生装置の運転を行う場合には、常に所定時間運転を行い易くできるものである。
【0045】
これらの結果により、放電生成物発生装置の切り忘れを抑制することができるものである。
【0046】
従って、家庭用、事務所用、車載用などの、放電生成物発生装置として活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0047】
1 本体ケース
2 上本体ケース部
3 下本体ケース部
4 傾斜部
5 吹出口
6 吸気口
7 送風手段
8 フィルター
9 放電生成物発生手段
10 ケーシング
11 電動機
12 羽根
13 吸込口
14 放電生成物発生部
15 高電圧発生部
16 放電電極
17 対向電極
18 ペルチェ素子
20 吐出口
21 操作部
22 制御手段
23 表示手段
24 表示
25 点灯部
26 連通風路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と吹出口を有する本体ケースと、この本体ケースの外面に設けた操作部と、前記本体ケース内に設けた放電生成物発生手段と、この放電生成物発生手段の運転時間を制御する制御手段とを備え、前記操作部は、第1の押し方と第2の押し方を有し、前記第1の押し方は、前記第2の押し方より押す時間が短く、前記第1の押し方では所定時間運転を行い、前記第2の押し方では連続運転を行なうことを特徴とする放電生成物発生装置。
【請求項2】
前記本体ケースの外面に表示手段を設け、この表示手段は、前記第1の押し方で所定時間運転であることを表示することを特徴とする請求項1に記載の放電生成物発生装置。
【請求項3】
前記表示手段は、所定時間運転を意味する表示と点灯部とから形成し、この点灯部は、前記第1の押し方で点灯し、前記第2の押し方では点灯しないことを特徴とする請求項2に記載の放電生成物発生装置。
【請求項4】
前記制御手段は、電源供給が停止し、再度電源供給が再開すると、電源供給が停止する以前の運転が所定時間運転の場合には、経過時間をリセットし、再度所定時間運転を行なうことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の放電生成物発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−36726(P2013−36726A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175820(P2011−175820)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】