説明

救助装置

【課題】第三者の助けがなくとも、壁面を自力で上陸できる救助装置を提供する。
【解決手段】昇降するための梯子1と、浮きを連続的に取り付けたフロートを、ガイドレール3に取り付け、そのフロートが、ガイドレールに追随して、常に水面上に位置していることで、転落した被災者が、フロート部を
たどって梯子まで到着し、自力で上陸できる安全装置とした。これによって、被災者は単独で事故に遭遇した場合でも、第三者の力を借りずに、自力で迅速に上陸することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、港湾、防波堤、河川、貯水タンク、貯水池等に転落した際の救助装置、
及び一時待機の為の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の港湾、河川、貯水タンク、貯水池の安全設備には、転落者が
昇るための梯子、転落者以外の、第三者が投下する浮き輪がある。

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
切り立った壁面から、水面に転落した際、設置されている浮き輪は、第三者が
被災者を発見して、初めて使用されるものである。
それ故に、単独事故で第三者が付近にいない場合は、効果を発揮せず、
使用されても救助ではなく、一時的に、溺死を防ぐ緊急措置でしかない。
【0004】
設置されている梯子は、被災している場所から遠い場合は、その梯子に
たどり着く前に、溺死することもあり、さらには、天候、夜間などの
条件下において、被災者がその梯子を発見できないこともあった。
【0005】
以上に述べた安全設備では、昇降用の梯子の近くで転落した場合を除いて、
第三者の、迅速な救助が不可欠であり、その救助が遅れたために、あるいは
低体温症などの要因で、被災者が意識混濁、さらには溺死することがあった。
【0006】
本発明は、被災者が水中に転落した際、自力での迅速な安全確保と、
迅速な上陸を目的とした物である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、海水、その他の液体の腐食の少ない素材の連続した浮きと、
腐食性の少ないロープを用いたフロート部分と、そのフロート部分を、
水面の変化に対応させ、上下移動させるレールを設置し、さらに昇降用の
梯子を用い、岸壁面及び端部に設置する安全装置であり、被災者が壁面に
たどり着けば、水面に在るフロート部分に掴まって安全を確保し、
そのフロート部分をたどって梯子に掴まり、自力で上陸する物である。
【0008】
フロート部分は、壁面から離れすぎないように設置するためと、また、
波や干満の水位差、水量変化による水面の上下に追随させるために、
ガイドとなるレールをその一定区間ごとに設置し、フロート部分が、
常に壁面近くの水面に存在するようにした。
【0009】
一定区間ごとに、各フロート部分とフロート部分の中間に設置された梯子は、
現場の水温、水質よって間隔を変えて設置し、水温の低い場合、水質の
悪い場合は、梯子の設置間隔を狭くして、さらには、最下水位よりも
深く梯子の最下段を設置することで、被災者が迅速に上陸できることを
目的とする。
【発明の効果】
【0010】
上述したように、本発明の安全設備は、港湾、河川、貯水池、
貯水槽等に転落した被災者が、壁面付近の水面に浮かぶフロート部分に
掴まることで浮力を確保し、そのフロート部分をたぐって梯子にたどり着き、
第三者の助けがなくても、自力で上陸できる物である。

【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】梯子
【図2】ガイドレール
【図3】フロート部分
【図4】ガイドレールとフロート部分の動き
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図4について説明する。
【0013】
図1においての梯子は、被災者が上陸する強固な物であり、
衣服に水分を含んだ被災者の重量を考慮した物である。
梯子の最下段は、水面より深く設置し、使用する被災者の足が
かかりやすい長さとする。
【0014】
図2のガイドレールは、図3のフロート部分を設置する物であり、
フロート部分を、水面の上下に追随させ、且つ水流により、壁面から
離れさせない物である。
【0015】
この機能があることで、図4のように、被災者が、常に水面にある
フロートをいち早く確認することができ、さらには、港湾での
船舶の航行、荷役作業に支障をきたすことを防ぐ。
【0016】
梯子の設置間隔、フロート部分の長さは、設置現場の水温、
水質などの環境によって決める。

【符号の説明】
【0017】
1 梯子
2 固定用アンカー
3 ガイドレール
4 フロート部分可動部
5 フロート脱落防止ストッパー
6 浮き
7 ロープ
8 ロープ端部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐腐食性の素材の浮きを、複数個繋げ、両端部を輪状にしたロープからなる、
フロート部分と、そのフロート部分の輪状の端部を通り、水面の変化に対応させ、
上下に可動できるレールと、昇降用の梯子を用いた、岸壁面及び端部に
固定する救助装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−17736(P2013−17736A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154977(P2011−154977)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(711007976)
【Fターム(参考)】