敷布交換補助装置
【課題】多くの介護施設ではシーツ交換は患者をベッドの端へ移動させ半分ずつシーツを交換する方法が用いられているが、患者を移動させるため介護をする当事者には非常に重労働であり腰痛や腱鞘炎などを患うことが多い。
【解決手段】患者の体は概ね頭部と胴部及び足部の三部位に分けられ頭部と足部は片手又は両手で持ち上げられる為に、頭部と足部のシーツは容易に手繰り寄せ敷く事が出来るが、胴部は重量がある為持ち上げられずシーツ交換は困難である。本発明は胴部の片側を少し浮かして回転可能なローラーにより構成された帯状のプレートでシーツを挟み上下一対を重ねシーツを引き寄せる事によりローラーが上下逆方向に回転し患者とマットの間をプレートとシーツが移動し、古いシーツを抜き取る事ができ、抜いたプレートの間に新しいシーツを挟み反対側から新しいシーツを引く事により胴部のシーツ交換を容易にする。
【解決手段】患者の体は概ね頭部と胴部及び足部の三部位に分けられ頭部と足部は片手又は両手で持ち上げられる為に、頭部と足部のシーツは容易に手繰り寄せ敷く事が出来るが、胴部は重量がある為持ち上げられずシーツ交換は困難である。本発明は胴部の片側を少し浮かして回転可能なローラーにより構成された帯状のプレートでシーツを挟み上下一対を重ねシーツを引き寄せる事によりローラーが上下逆方向に回転し患者とマットの間をプレートとシーツが移動し、古いシーツを抜き取る事ができ、抜いたプレートの間に新しいシーツを挟み反対側から新しいシーツを引く事により胴部のシーツ交換を容易にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷布交換補助装置に関するものであり敷布とは人体と床やマットの間に敷かれる汚れの防止、保温、消臭、濡れ防止を目的とした平らな薄板状のものであり一般にはシーツ、毛布、防水シート、ゴムマットなどである以下明細書においてはシーツとして説明する。又本発明において患者として表示されるものは自力でベッドを移動できない寝たきりの人を指し、現在では身体不自由者として取り扱われるために、以下明細書において
自力でベッドを移動できない寝たきりの身体不自由者を患者として説明する。身体不自由者の介護は、自宅又は、介護施設などでもおこなわれる。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として人体用リフターの下記特許文献1が既に知られている。装置が大型で特殊なベッドを必要とし又、患者とベッドの間に挿入するバンドの一端を巻上げて浮上させる為に患者の体重がベルトに掛かり患者の患部を刺激しかねない。本発明は既存のベッド及び畳上のマットにおいて使用可能であり浮上させるものでないため落下などの危険もなく下記特許文献1とは異なる。
【0003】
従来の技術として介護用ベッドの下記特許文献2が既に知られている。ベッドの側面に取り付けられたリフトバーが上下するものであるがベッドに加工が必要であり、特殊なベッドを必要としない本発明とは異なる。
【0004】
従来の技術として介護用移載装置の下記特許文献3が既に知られている。ベッド上の患者をストレッチャーに移載しベッドのシーツを取り替えて患者を元に戻すものでありシーツを上部ローラープレートと下部ローラープレートの間に挟み人力でシーツを交換し患者が移動しない本発明とは異なる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−210346
【特許文献2】特開平09−019462
【特許文献3】特開2004−000532
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術で表記した様に従前までは、シーツ交換を補助する装置として特殊なベッドやベッドに特別な加工が必要であり広く使われる事は無かった。またクレーン式の患者の吊り上げ装置も存在するがシーツ交換の為には装置が大きく使用されることが敬遠されている。多くの病院や介護施設においてのシーツ交換にはベッド上で患者を半分ずつ移動させる方法が行われている。この方法は患者をベッドの長尺方向の一端に移動させる為、患者が転落する可能性がありベッドに転落防止用の柵を取付ける必要がある。又患者は左右に一往復させられ移動量が多く時間も掛かり患者の負担が大きい。患者を介護する側にも
患者を左右に移動させることは重労働であり腰痛や腱鞘炎の一因となる。病院や介護施設の職員が腰痛や腱鞘炎などにより欠員が出来ると、他の職員がより多くのシーツ交換を行うことになり腰痛や腱鞘炎になる可能性が高くなり、悪循環となる。シーツ交換が重労働だとなると患者も介護者に気を遣いシーツ交換を要請する間隔が長くなり不衛生な状態となる。本発明が解決しようとする課題は、シーツ交換における重労働、長時間を解消しベッドを選ばず一般家庭でも使用できる、操作の簡単なシーツ交換補助装置を安価に提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為には、介護者により患者の体を浮上させることが必要となるが、患者の体全体を持ち上げる事は困難である。しかしながら患者の頭部及び足部はわずかに浮上させることは困難ではなく患者の頭部及び足部に敷かれたシーツ交換は安易にすることが出来る。よって患者の胴部に敷かれたシーツをどのように交換することが課題を解決する手段の重要な部分となる。本発明においては、胴部の一方を少し浮かせて、回転可能な複数のローラーを屈曲自在なリンクにより帯状に繋ぎ合わせたプレートをシーツとマットの間に一枚、シーツと患者の間に一枚差し入れ少し浮かせていた患者の胴部を下げプレートを差し入れた反対側からシーツを引くと患者の胴部重量により押し付けられたローラーが回転して患者とマットの間を上下のプレートがシーツの引かれた方向に移動する。プレートが移動しシーツの端が患者の胴部とマットの間を通過するとプレートは静止し古いシーツを抜き取ることができる。プレートが静止した状態で新しいシーツをプレートの間に挟みこみ反対側からシーツを引くとローラーが回転しプレートが逆方向に移動し新しいシーツが患者とマットの間を通過して任意の位置に到達した時点でプレートを抜けば患者の胴部におけるシーツ交換をすることができ、折り曲げたり寄せたりしていた頭部及び足部のシーツを伸ばしてマット全体にシーツを広げて敷き完了するにより解決手段となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明はベッドでの使用を主眼としているが、床に敷かれたマット及び敷布団でも使用でき多くの購買層が見込まれ量産効果により安価提供できる。
【0009】
本発明は構造が簡単なため患者の身長や体重により仕様の違う物を製作できローラーの幅を短くして二組を一度に使用するなどして様々な患者用のシーツ交換補助装置を提供できる。
【0010】
本発明の一般的な患者における大きさは、概ね縦40cm横70cm高さ4cmほどであり屈曲自在に連結されているために、折り曲げると成人女性が片手で持てる程度の大きさとなり交換するシーツと共に持ち運べるため訪問介護などにも容易に携行することが可能となる。
【0011】
患者を吊り上げるような大規模な装置は患者が恐怖を抱く場合が多々あり患者が装置を拒否することがある。本発明は小型で胴部にて使用されるため患者の眼前に触れる事がなく拒否されにくい。
【0012】
本発明は構造が簡単で操作が単純ため、高齢者が高齢者の介護をする場合も作業ミスが発生しにくい、また人力で動作させるために停電時でも使用でき大規模災害時でも使用できる。
【0013】
本発明によるシーツ交換は患者の移動が少なくベッド幅が狭くてもシーツ交換することが可能となる。
【0014】
本発明におけるシーツ交換は、交換プレートが患者の胴部の下側を左右に往復する一行程で古いシーツを抜き新しいシーツを敷くことができ従前の方法と比較すると作業時間を短縮でき患者と介護者の負担を軽くする事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
最良の形態はマット、シーツ、患者によって構成される。シーツ交換は介護者一人のみでおこなわれる。次に本発明の実施の形態の一つを図面に従い説明する。
【実施例1】
【0016】
図1はシーツ交換補助装置の概要を斜視図にしたもので各構成部品の位置関係を示す。マット3上に敷かれたシーツ2に患者4を仰向けにマットの長手方向に沿って寝かせた状態で本発明のシーツ交換装置1は使用される。図2はシーツ交換補助装置主要構成斜視図でシーツ交換装置1図1は上部ローラープレート5と下部ローラープレート6の二枚一組で構成されシーツ2を間に挟んで使用する。
【0017】
図3は上部ローラープレート5又は下部ローラープレート6の斜視図であり回転自在のローラー8と内側連結リンク7及び外側連結リンク9を連結ピン10により連結し屈曲自在な状態となる。図4は連結部分の断面図でローラー8は、パイプ17の両端にベアリング19を有するハブ18によって構成され回転自在となる。ローラー8のベアリング19にシャフト16を通し内側連結リンク7と外側連結リンク9を連結して屈曲自在な状態で固定用クリップ20にて固定する。シャフト16と固定用クリップ20とで図3の連結ピン10を構成する。
【0018】
図5はシーツ交換セットアップ斜視図で図6はシーツ交換セットアップ関係図である。介護者が患者胴部11に片手を差し入れ、一方を少し浮かしシーツ2の下から下部ローラープレート6を差し入れシーツ2の上から部ローラープレート5を差し入れ、患者胴部11から片手を引き抜き少し浮かした患者胴部11をおろす。図6においてマット3は便宜上平面であるが実際は患者胴部11の荷重が加わった部分は、上部ローラープレート5及び下部ローラープレート6はマット3に沈み込んだ状態となる。マット3の沈み込み量は患者胴部11の重さとマット3の硬さにより異なる為、便宜上本説明では、他の図においてもマット3は平面とする。図6の状態で介護者は上部ローラープレート5及び下部ローラープレート6を差し入れた反対側に移動し患者頭部13図5を片手で少し浮かせてシーツをもう一方の手で図5の矢印方向Aに手繰り寄せる、同様に患者足部14図5も片手で少し浮かせてシーツ2をもう一方の手で図5の矢印方向Bに手繰り寄せる図5の状態。患者胴部11にシーツ2が残った状態で患者胴部11のシーツ2を図6において左側方向に両手または片手で引く、シーツ2が図6において左側へ引かれると胴部11の重さで上部ローラープレート5及び下部ローラープレート6のローラー8はシーツ2に押し当てられ上部ローラープレート5のローラー8は右方向に回転し下部ローラープレート6のローラー8は左方向に回転し、上部ローラープレート5と下部ローラープレート6及びシーツ2は左側へ移動し図7の状態となる。
【0019】
図8はシーツ2の右端が患者胴部11の下を通過した状態で胴部11の重量がかからず上部ローラープレート5及び下部ローラープレート6のローラー8はシーツ2に押し当てられず上部ローラープレート5と下部ローラープレート6は静止し古いシーツ2を抜き取ることができる。抜き取った方向から新しいシーツ15を上部ローラープレート5及び下部ローラープレート6の間に差し入れ図12の新シーツ交換時セットアップ斜視図となり介護者は反対側へ移動する。
【0020】
図9では患者頭部13図12を片手で少し浮かせて新しいシーツ15をもう一方の手で図12の矢印方向Cに手繰り寄せる、同様に患者足部14図12も片手で少し浮かせてシーツ2をもう一方の手で図12の矢印方向Dに手繰り寄せ図13の新シーツ引き抜き時斜視図の状態となる。
【0021】
図10のシーツ交換補助装置反対方向移動時回転関係図では手繰り寄せた患者頭部13図13と患者足部14図13のシーツ15を両手で持ち矢印方向E・Fに引く、シーツ2が図10において右側へ引かれると患者胴部11の重さで上部ローラープレート5及び下部ローラープレート6のローラー8はシーツ2に押し当てられ上部ローラープレート5のローラー8は左方向に下部ローラープレート6のローラー8は右方向に回転し、上部ローラープレート5と下部ローラープレート6及びシーツ2は右側へ移動する。
【0022】
図11では、上部ローラープレート5と下部ローラープレート6が患者胴部11の下を通過した状態でシーツ2はマット3と患者11の間に残り上部ローラープレート5と下部ローラープレート6を外して、シーツを広げマットに端を折り込み患者頭部に枕を置いてシーツ交換終了する。シーツ2の端がマット3の端と揃わない場合は、図8において、差し入れ時シーツ2の端を折り込むか上部ローラープレート5及び下部ローラープレート6を少し戻した状態でシーツを差し入れる。本説明では反対方向に装置が往復するがシーツを新旧連続させて一方向で交換を可能にすることもできる。
【0023】
大きな体の患者の場合は胴部のシーツ交換補助装置を二組又は、ローラーの長い物を使用する。マットの硬さなどによりローラーの外径を変更したローラープレートを使用する。シーツ交換補助装置はローラーが回転するために長い紐などは巻き込む可能性があり頭部での使用には帽子などが必要となる。
【0024】
図15は携行用に分割されたローラープレート21からなるシーツ交換補助装置であり通常上下ローラープレートは屈曲自在なため小さく折り曲げられ携行可能であるが、さらに連結部のピンを外すなどして分割してより小さなサイズとすることができ携行に便利なのとなり又、ローラープレートの長さが足らない時には使用しない組のブロックを継ぎ足すことにより長さを調節することができる。
【0025】
図16はシーツ交換補助装置をベッドに固定し収納スペース22を有するベッドとしてシーツ交換補助装置付ベッド23としてシーツ交換を常時可能としたベッドである。
【0026】
図17はシーツ交換補助装置においての使用を目的としたシーツ交換補助装置用シーツ27であり介護者が引きやすいよう引き手24が付いたもの、シーツとシーツをファスナー25やホック、凸凹面を有するテープなどで一枚のシーツを複数に分割可能とし他のシーツとも接合できるもの、引き手部や該装置が接触する部分を補強26された特徴のあるものがある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】シーツ交換補助装置概要斜視図
【図2】シーツ交換補助装置主要構成斜視図
【図3】シーツ交換補助装置斜視図
【図4】連結部分断面図
【図5】シーツ交換セットアップ時斜視図
【図6】シーツ交換セットアップ関係図
【図7】シーツ交換補助装置移動時回転関係図
【図8】旧シーツ交換時関係図
【図9】新シーツ交換時関係図
【図10】シーツ交換補助装置反対方向移動時回転関係図
【図11】シーツ交換完了時関係図
【図12】新シーツ交換時セットアップ斜視図
【図13】新シーツ引き抜き時斜視図
【図14】シーツ交換補助装置フローチャート
【図15】携行用シーツ交換補助装置
【図16】シーツ交換補助装置付ベッド
【図17】シーツ交換補助装置用シーツ
【符号の説明】
【0028】
1シーツ交換補助装置
2シーツ
3マット
4患者
5上部ローラープレート
6下部ローラープレート
7内側連結リンク
8ローラー(パイプ+ハブ+ベアリング)
9外側連結リンク
10連結ピン(シャフト+固定用クリップ)
11患者胴部
12新シーツ引き抜き用ベルト
13患者頭部
14患者足部
15新しいシーツ
16シャフト
17パイプ
18ハブ
19ベアリング
20固定用クリップ
21分割されたローラープレート
22シーツ交換補助装置収納スペース
23シーツ交換補助装置付ベッド
24引き手
25ファスナー
26補強
27シーツ交換補助装置用シーツ
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷布交換補助装置に関するものであり敷布とは人体と床やマットの間に敷かれる汚れの防止、保温、消臭、濡れ防止を目的とした平らな薄板状のものであり一般にはシーツ、毛布、防水シート、ゴムマットなどである以下明細書においてはシーツとして説明する。又本発明において患者として表示されるものは自力でベッドを移動できない寝たきりの人を指し、現在では身体不自由者として取り扱われるために、以下明細書において
自力でベッドを移動できない寝たきりの身体不自由者を患者として説明する。身体不自由者の介護は、自宅又は、介護施設などでもおこなわれる。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として人体用リフターの下記特許文献1が既に知られている。装置が大型で特殊なベッドを必要とし又、患者とベッドの間に挿入するバンドの一端を巻上げて浮上させる為に患者の体重がベルトに掛かり患者の患部を刺激しかねない。本発明は既存のベッド及び畳上のマットにおいて使用可能であり浮上させるものでないため落下などの危険もなく下記特許文献1とは異なる。
【0003】
従来の技術として介護用ベッドの下記特許文献2が既に知られている。ベッドの側面に取り付けられたリフトバーが上下するものであるがベッドに加工が必要であり、特殊なベッドを必要としない本発明とは異なる。
【0004】
従来の技術として介護用移載装置の下記特許文献3が既に知られている。ベッド上の患者をストレッチャーに移載しベッドのシーツを取り替えて患者を元に戻すものでありシーツを上部ローラープレートと下部ローラープレートの間に挟み人力でシーツを交換し患者が移動しない本発明とは異なる。
【0005】
【特許文献1】特開2000−210346
【特許文献2】特開平09−019462
【特許文献3】特開2004−000532
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術で表記した様に従前までは、シーツ交換を補助する装置として特殊なベッドやベッドに特別な加工が必要であり広く使われる事は無かった。またクレーン式の患者の吊り上げ装置も存在するがシーツ交換の為には装置が大きく使用されることが敬遠されている。多くの病院や介護施設においてのシーツ交換にはベッド上で患者を半分ずつ移動させる方法が行われている。この方法は患者をベッドの長尺方向の一端に移動させる為、患者が転落する可能性がありベッドに転落防止用の柵を取付ける必要がある。又患者は左右に一往復させられ移動量が多く時間も掛かり患者の負担が大きい。患者を介護する側にも
患者を左右に移動させることは重労働であり腰痛や腱鞘炎の一因となる。病院や介護施設の職員が腰痛や腱鞘炎などにより欠員が出来ると、他の職員がより多くのシーツ交換を行うことになり腰痛や腱鞘炎になる可能性が高くなり、悪循環となる。シーツ交換が重労働だとなると患者も介護者に気を遣いシーツ交換を要請する間隔が長くなり不衛生な状態となる。本発明が解決しようとする課題は、シーツ交換における重労働、長時間を解消しベッドを選ばず一般家庭でも使用できる、操作の簡単なシーツ交換補助装置を安価に提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為には、介護者により患者の体を浮上させることが必要となるが、患者の体全体を持ち上げる事は困難である。しかしながら患者の頭部及び足部はわずかに浮上させることは困難ではなく患者の頭部及び足部に敷かれたシーツ交換は安易にすることが出来る。よって患者の胴部に敷かれたシーツをどのように交換することが課題を解決する手段の重要な部分となる。本発明においては、胴部の一方を少し浮かせて、回転可能な複数のローラーを屈曲自在なリンクにより帯状に繋ぎ合わせたプレートをシーツとマットの間に一枚、シーツと患者の間に一枚差し入れ少し浮かせていた患者の胴部を下げプレートを差し入れた反対側からシーツを引くと患者の胴部重量により押し付けられたローラーが回転して患者とマットの間を上下のプレートがシーツの引かれた方向に移動する。プレートが移動しシーツの端が患者の胴部とマットの間を通過するとプレートは静止し古いシーツを抜き取ることができる。プレートが静止した状態で新しいシーツをプレートの間に挟みこみ反対側からシーツを引くとローラーが回転しプレートが逆方向に移動し新しいシーツが患者とマットの間を通過して任意の位置に到達した時点でプレートを抜けば患者の胴部におけるシーツ交換をすることができ、折り曲げたり寄せたりしていた頭部及び足部のシーツを伸ばしてマット全体にシーツを広げて敷き完了するにより解決手段となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明はベッドでの使用を主眼としているが、床に敷かれたマット及び敷布団でも使用でき多くの購買層が見込まれ量産効果により安価提供できる。
【0009】
本発明は構造が簡単なため患者の身長や体重により仕様の違う物を製作できローラーの幅を短くして二組を一度に使用するなどして様々な患者用のシーツ交換補助装置を提供できる。
【0010】
本発明の一般的な患者における大きさは、概ね縦40cm横70cm高さ4cmほどであり屈曲自在に連結されているために、折り曲げると成人女性が片手で持てる程度の大きさとなり交換するシーツと共に持ち運べるため訪問介護などにも容易に携行することが可能となる。
【0011】
患者を吊り上げるような大規模な装置は患者が恐怖を抱く場合が多々あり患者が装置を拒否することがある。本発明は小型で胴部にて使用されるため患者の眼前に触れる事がなく拒否されにくい。
【0012】
本発明は構造が簡単で操作が単純ため、高齢者が高齢者の介護をする場合も作業ミスが発生しにくい、また人力で動作させるために停電時でも使用でき大規模災害時でも使用できる。
【0013】
本発明によるシーツ交換は患者の移動が少なくベッド幅が狭くてもシーツ交換することが可能となる。
【0014】
本発明におけるシーツ交換は、交換プレートが患者の胴部の下側を左右に往復する一行程で古いシーツを抜き新しいシーツを敷くことができ従前の方法と比較すると作業時間を短縮でき患者と介護者の負担を軽くする事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
最良の形態はマット、シーツ、患者によって構成される。シーツ交換は介護者一人のみでおこなわれる。次に本発明の実施の形態の一つを図面に従い説明する。
【実施例1】
【0016】
図1はシーツ交換補助装置の概要を斜視図にしたもので各構成部品の位置関係を示す。マット3上に敷かれたシーツ2に患者4を仰向けにマットの長手方向に沿って寝かせた状態で本発明のシーツ交換装置1は使用される。図2はシーツ交換補助装置主要構成斜視図でシーツ交換装置1図1は上部ローラープレート5と下部ローラープレート6の二枚一組で構成されシーツ2を間に挟んで使用する。
【0017】
図3は上部ローラープレート5又は下部ローラープレート6の斜視図であり回転自在のローラー8と内側連結リンク7及び外側連結リンク9を連結ピン10により連結し屈曲自在な状態となる。図4は連結部分の断面図でローラー8は、パイプ17の両端にベアリング19を有するハブ18によって構成され回転自在となる。ローラー8のベアリング19にシャフト16を通し内側連結リンク7と外側連結リンク9を連結して屈曲自在な状態で固定用クリップ20にて固定する。シャフト16と固定用クリップ20とで図3の連結ピン10を構成する。
【0018】
図5はシーツ交換セットアップ斜視図で図6はシーツ交換セットアップ関係図である。介護者が患者胴部11に片手を差し入れ、一方を少し浮かしシーツ2の下から下部ローラープレート6を差し入れシーツ2の上から部ローラープレート5を差し入れ、患者胴部11から片手を引き抜き少し浮かした患者胴部11をおろす。図6においてマット3は便宜上平面であるが実際は患者胴部11の荷重が加わった部分は、上部ローラープレート5及び下部ローラープレート6はマット3に沈み込んだ状態となる。マット3の沈み込み量は患者胴部11の重さとマット3の硬さにより異なる為、便宜上本説明では、他の図においてもマット3は平面とする。図6の状態で介護者は上部ローラープレート5及び下部ローラープレート6を差し入れた反対側に移動し患者頭部13図5を片手で少し浮かせてシーツをもう一方の手で図5の矢印方向Aに手繰り寄せる、同様に患者足部14図5も片手で少し浮かせてシーツ2をもう一方の手で図5の矢印方向Bに手繰り寄せる図5の状態。患者胴部11にシーツ2が残った状態で患者胴部11のシーツ2を図6において左側方向に両手または片手で引く、シーツ2が図6において左側へ引かれると胴部11の重さで上部ローラープレート5及び下部ローラープレート6のローラー8はシーツ2に押し当てられ上部ローラープレート5のローラー8は右方向に回転し下部ローラープレート6のローラー8は左方向に回転し、上部ローラープレート5と下部ローラープレート6及びシーツ2は左側へ移動し図7の状態となる。
【0019】
図8はシーツ2の右端が患者胴部11の下を通過した状態で胴部11の重量がかからず上部ローラープレート5及び下部ローラープレート6のローラー8はシーツ2に押し当てられず上部ローラープレート5と下部ローラープレート6は静止し古いシーツ2を抜き取ることができる。抜き取った方向から新しいシーツ15を上部ローラープレート5及び下部ローラープレート6の間に差し入れ図12の新シーツ交換時セットアップ斜視図となり介護者は反対側へ移動する。
【0020】
図9では患者頭部13図12を片手で少し浮かせて新しいシーツ15をもう一方の手で図12の矢印方向Cに手繰り寄せる、同様に患者足部14図12も片手で少し浮かせてシーツ2をもう一方の手で図12の矢印方向Dに手繰り寄せ図13の新シーツ引き抜き時斜視図の状態となる。
【0021】
図10のシーツ交換補助装置反対方向移動時回転関係図では手繰り寄せた患者頭部13図13と患者足部14図13のシーツ15を両手で持ち矢印方向E・Fに引く、シーツ2が図10において右側へ引かれると患者胴部11の重さで上部ローラープレート5及び下部ローラープレート6のローラー8はシーツ2に押し当てられ上部ローラープレート5のローラー8は左方向に下部ローラープレート6のローラー8は右方向に回転し、上部ローラープレート5と下部ローラープレート6及びシーツ2は右側へ移動する。
【0022】
図11では、上部ローラープレート5と下部ローラープレート6が患者胴部11の下を通過した状態でシーツ2はマット3と患者11の間に残り上部ローラープレート5と下部ローラープレート6を外して、シーツを広げマットに端を折り込み患者頭部に枕を置いてシーツ交換終了する。シーツ2の端がマット3の端と揃わない場合は、図8において、差し入れ時シーツ2の端を折り込むか上部ローラープレート5及び下部ローラープレート6を少し戻した状態でシーツを差し入れる。本説明では反対方向に装置が往復するがシーツを新旧連続させて一方向で交換を可能にすることもできる。
【0023】
大きな体の患者の場合は胴部のシーツ交換補助装置を二組又は、ローラーの長い物を使用する。マットの硬さなどによりローラーの外径を変更したローラープレートを使用する。シーツ交換補助装置はローラーが回転するために長い紐などは巻き込む可能性があり頭部での使用には帽子などが必要となる。
【0024】
図15は携行用に分割されたローラープレート21からなるシーツ交換補助装置であり通常上下ローラープレートは屈曲自在なため小さく折り曲げられ携行可能であるが、さらに連結部のピンを外すなどして分割してより小さなサイズとすることができ携行に便利なのとなり又、ローラープレートの長さが足らない時には使用しない組のブロックを継ぎ足すことにより長さを調節することができる。
【0025】
図16はシーツ交換補助装置をベッドに固定し収納スペース22を有するベッドとしてシーツ交換補助装置付ベッド23としてシーツ交換を常時可能としたベッドである。
【0026】
図17はシーツ交換補助装置においての使用を目的としたシーツ交換補助装置用シーツ27であり介護者が引きやすいよう引き手24が付いたもの、シーツとシーツをファスナー25やホック、凸凹面を有するテープなどで一枚のシーツを複数に分割可能とし他のシーツとも接合できるもの、引き手部や該装置が接触する部分を補強26された特徴のあるものがある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】シーツ交換補助装置概要斜視図
【図2】シーツ交換補助装置主要構成斜視図
【図3】シーツ交換補助装置斜視図
【図4】連結部分断面図
【図5】シーツ交換セットアップ時斜視図
【図6】シーツ交換セットアップ関係図
【図7】シーツ交換補助装置移動時回転関係図
【図8】旧シーツ交換時関係図
【図9】新シーツ交換時関係図
【図10】シーツ交換補助装置反対方向移動時回転関係図
【図11】シーツ交換完了時関係図
【図12】新シーツ交換時セットアップ斜視図
【図13】新シーツ引き抜き時斜視図
【図14】シーツ交換補助装置フローチャート
【図15】携行用シーツ交換補助装置
【図16】シーツ交換補助装置付ベッド
【図17】シーツ交換補助装置用シーツ
【符号の説明】
【0028】
1シーツ交換補助装置
2シーツ
3マット
4患者
5上部ローラープレート
6下部ローラープレート
7内側連結リンク
8ローラー(パイプ+ハブ+ベアリング)
9外側連結リンク
10連結ピン(シャフト+固定用クリップ)
11患者胴部
12新シーツ引き抜き用ベルト
13患者頭部
14患者足部
15新しいシーツ
16シャフト
17パイプ
18ハブ
19ベアリング
20固定用クリップ
21分割されたローラープレート
22シーツ交換補助装置収納スペース
23シーツ交換補助装置付ベッド
24引き手
25ファスナー
26補強
27シーツ交換補助装置用シーツ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体不自由者が仰臥している敷布が敷かれたマット上において、円柱状のパイプと、両端にベアリングを有するハブによって構成された複数の回転自在なローラーを、連結リンクと連結ピンにより連接し屈曲自在な帯状に繋ぎ合わせたローラープレートを、敷布の上部と下部の一対一組として単独又は複数組使用した敷布交換補助装置のローラープレートを、身体不自由者の体側から交換される敷布の上面と下面に差し込み反対側から交換される敷布を引き寄せることにより患者とマットの間をローラープレートと交換される敷布が移動し、敷布の端が患者の体を過ぎた時点で交換される敷布を抜き取り、抜いたプレートの間に交換する敷布を挟み反対側から交換する敷布を引くことにより上記ローラープレートが往復し敷布交換をする方法。
【請求項2】
身体不自由者が仰臥している敷布が敷かれたマット上において、交換される敷布の側端と交換する敷布の側端を結合または重ね合せて敷布を連続させ、身体不自由者の体側から交換される敷布の上面と下面に、請求項1の敷布交換補助装置の上部下部ローラープレートを差し込み反対側から敷布を引き寄せることによりプレートと敷布が移動し、交換される敷布を取り出した後に交換する敷布を引いて上記ローラープレートが一方向へ移動し敷布交換をする方法。
【請求項1】
身体不自由者が仰臥している敷布が敷かれたマット上において、円柱状のパイプと、両端にベアリングを有するハブによって構成された複数の回転自在なローラーを、連結リンクと連結ピンにより連接し屈曲自在な帯状に繋ぎ合わせたローラープレートを、敷布の上部と下部の一対一組として単独又は複数組使用した敷布交換補助装置のローラープレートを、身体不自由者の体側から交換される敷布の上面と下面に差し込み反対側から交換される敷布を引き寄せることにより患者とマットの間をローラープレートと交換される敷布が移動し、敷布の端が患者の体を過ぎた時点で交換される敷布を抜き取り、抜いたプレートの間に交換する敷布を挟み反対側から交換する敷布を引くことにより上記ローラープレートが往復し敷布交換をする方法。
【請求項2】
身体不自由者が仰臥している敷布が敷かれたマット上において、交換される敷布の側端と交換する敷布の側端を結合または重ね合せて敷布を連続させ、身体不自由者の体側から交換される敷布の上面と下面に、請求項1の敷布交換補助装置の上部下部ローラープレートを差し込み反対側から敷布を引き寄せることによりプレートと敷布が移動し、交換される敷布を取り出した後に交換する敷布を引いて上記ローラープレートが一方向へ移動し敷布交換をする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−100036(P2008−100036A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−58270(P2007−58270)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【分割の表示】特願2006−283231(P2006−283231)の分割
【原出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(306037355)コバルトエンジニアリング株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【分割の表示】特願2006−283231(P2006−283231)の分割
【原出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(306037355)コバルトエンジニアリング株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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