説明

文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置

【課題】豆科の種子の表皮に文字を刻印し、メッセージ伝達媒体として種子を活用するレーザ刻印装置を提供する。
【解決手段】豆、米等の穀物の表皮面に文字を刻設し、刻設した文字間に間隔を保持し、豆、米等の穀物の本体及び/又は物性を損傷しないよう構成し、表皮と本体との食感を満喫できる豆、米等の穀物を製造する加工装置であって、レーザー加工機と、レーザー加工機の直下に装置したテーブルと、テーブルに装置される冶具と、冶具をテーブル上において二次元及び/又は上下方向に調整可能な調整手段とで構成し、多数の豆、米等の穀物に文字を刻設するに際して、略同時、かつ正確に豆、米等の穀物を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の如く、文字は、情報(意志)伝達手段であり、またこの文字の構成は、僅か数本の線や曲線等が組み合わせることによって構成されている。しかし、この文字には、目に見えないパワーがあると信じられているとともに、この文字は、単に言葉を表現し、情報伝達の手段に留まらず、文字自体に命が与えられ、かつ強い力が付与されると考えられており、現実に、その効果がある。従って、人の心を揺り動かす力となり、また自己の活力の源となるものであって、文字は、不思議で、かつ目には見えない魂が宿り、言霊となりえることが、昨今さかんに風聴されている。
【0003】
また文字には、不思議な力があり、それが、勇気を与え、激励、癒し、戒め等となるものであり、例えば、自分が落ち込んだときに、元気のある文字と出会うと、この文字の秘めている内容、意味、又は看者が感ずる意味合い等より、元気の源、また心の糧(栄養)となって、人に勇気を与え、人を奮い立たせることが間々ある。そして、また誰にでも特定の文字によって心を動かされたことがある。
【0004】
以上のことから、昨今の書籍、メディアにおいて、この種の文字の有する力と、この文字の魅力を感じて、この文字の活用と、その有効利用を訴える傾向と、またこの文字の有するパワー、言霊等を、社会に還元かつ利用すべきである等の意見が見聞されており、大変、喜ばしい処である。しかしながら、その反面で、文字の有するパワーと、言霊等を軽視する言動があり、極めて嘆かわしいことである。そして、人々の文字によるコミュニケーションが図れず、喧嘩や痛ましい事件が発生する要因の一つと考えられる。
【0005】
一方で、この文字のパワー、言霊等は、人生の節目においても、有益である。その節目の一例としては、誕生、入学、合格、卒業、就職、結婚等の祝い行事や、又は家庭的な行事として、例えば、父・母の日、結婚式、銀婚式、誕生日、新居への引越し等の吉の面と、また厄、病気の払拭、戒め等の厄払い等の凶の面における種々の風習がある。この風習及び/又は会葬等の際に、お菓子、又はつまみ類として、ナッツ、ピーナッツ、黒豆、納豆豆等の各種の豆、米等の穀物が食される。この場合において、例えば、これらの豆、米等の穀物に、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字が刻印されていれば、これによって、祝いの気分が高揚し、その喜びと、勇気、又は活力が、倍増されて、その効果が一層顕著になることは明らかである。また喜びと、自分の意思、気持ちを伝える手段として有効であることも考えられること、また文字によるコミュニケーションが図れ、よい結果となることも考えられる。そして、また、豆、米等の穀物に、葬儀の場合には、激励、戒め、厄払い等の文字を崇めることで、人が落ち着きを取り戻すこととなり、幾分でも心が晴れることが考えられる。
【0006】
以上のような状況に鑑み、各種の文字が有し、かつ備わっているパワーと、言霊等を介して、社会に貢献することと、これらの貢献を介して、さらに豊かで、活気のある社会を作り上げていくことを考えるとともに、さらにこの特徴と利点を発揮するためには、更なる工夫と、新規な着想とが要求される。そのために、前述の目的(意図)を最大限に発揮できる先行文献を調査したので、文字を刻印する事例を説明する。
【0007】
文献(1)は、実用新案登録第3108286号の「メッセージ入り豆料の種子の栽培セット」である。この考案は、照射角度及び照射深度を調整できるレーザー光線を利用して、豆科の種子を損傷させないように種子表面に照射して文字及び図案等を刻印し、この文字を刻印した種子を土壌とともに密封容器に植付け、種子の発芽及び/又は栽培を可能とした栽培セットであり、この種子の成長によって、種子に刻印した文字及び図案等によるメッセージを伝達(メッセージ伝達媒体と)する構成とし、このメッセージ伝達のタイミングを自由に選択でき、また発芽後の成長過程でその文字及び図案等のメッセージを視認可能とすることを意図する。
【0008】
また文献(2)は、特開2005−151980の「植栽用缶詰」である。この発明は、開封可能な上部蓋及び下部蓋を備えた缶本体2に、植物の種子を含む培養材を充填した植栽用缶詰であって、この培養材を上下方向で仕切る仕切手段を設けて、この下側には肥料成分を含む培養材を、また上側は肥料成分を含まない培養材及び前記種子を収容する構成であり、この種子に、レーザー光線で文字、図形を焼き付けたことを特徴とする。従って、この種子の種が、成長した暁には、種皮又は子葉に、前記文字、図形が表徴されることで、簡単にメッセージを伝達できる特徴がある。そして、この発明の本来の目的は、種子を肥料と分離配置し種子と肥料が初期に接触することを防止し、種子の発芽率と成長率を向上させることができる缶花鉢を提供することにある。
【0009】
【特許文献1】実用新案登録第3108286号
【特許文献2】特開2005−151980
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前述の文献(1)は、豆科の種子の表皮に文字を刻印する構成であり、この豆科の成長と表皮の土壌表面の露出を介してメッセージを伝達する構成であり、所謂、メッセージ伝達媒体として種子を活用する構成である。従って、単にメッセージ伝達媒体としての役割に留まり、文字の有するパワー、言霊等が、十分活用されていないこと、そして、また、文字の有するパワー、言霊等を、食するものを通じて、人が享受することはできないこと、又はこの種の人々の授受を介して社会に還元かつ利用できるとは考えられないこと、等の改良点が挙げられる。またこの考案では、表皮が文字を刻設した状態、即ち、活力があって、かつ緊張した状態を確保することは、現実的には、困難性があり、メッセージ伝達媒体としての役割を十分に果たすことに疑問が感じられる。そして、また、表皮が成長とともに、土壌表面より露出することは、実用的に問題があると考えられる。
【0011】
また文献(2)は、種子に文字等を刻設する構成であり、前述の文献(1)と同様に、文字の力を充分活用かつ有効利用できる。そして、この発明では、気軽に、種子の成長過程での楽しみと、科学的な啓蒙、また情操教育等に役立つことが考えられる。しかしながら、種子に文字を刻設する構成に留まっており、この種子として、当然、必要となる生殖体の細胞又は生殖機能を損ねることに対する配慮がなく、改良の余地がある。確かに、種子に文字を刻設することで、成長後の種皮又は子葉に、前記文字が表徴されると考えられるが、本来の文字が確実に、視認できるとの保証がなく、幾分、不安定な処が考えられる。
【0012】
このような課題を解決する加工前のナッツ、ピーナッツ等の豆、米等の穀物を製造可能な加工装置が存在しなかった。
【0013】
上記に鑑み、本発明は、加工前のナッツ、ピーナッツ等の豆、米等の穀物を製造する加工装置を提供し、「1」〜「6」を意図する。「1」は、この豆、米等の穀物の表皮面に前記文字を刻設し、かつ文字を刻設するに際し、間隔を持って刻設する(望ましくは、意図的に間隔を形成する)ことで、この刻設した文字が、豆、米等の穀物の本体及び/又は物性を損傷しない構成と、またこの刻設した文字間に間隔を保持し、表皮面と本体との食感を満喫できる構成とを採用し、この豆、米等の穀物の本来の特性を維持しつつ、少なくとも賞味期間の最中は、この文字の視認ができる構成とすること、又は通常の保管と取扱いで食物としての役割が果たせ得る豆、米等の穀物を製造できる装置を提供すること、「2」は、この刻設された文字の視認効果と、この文字が有するパワー、言霊等の効果を相乗的に楽しめる文字を刻設した豆、米等の穀物を製造できる装置を提供すること、「3」は、前記「1」の構成を採用することで、豆、米等の穀物の賞味期間の拡充と、色目・芳香等の確保と、生命力の旺盛化を図ること、又は豆、米等の穀物の形態・色保持と、耐久性の向上等にも有効である豆、米等の穀物を製造できる装置を提供すること、「4」は、豆、米等の穀物の表皮面に文字を刻設(凹部を形成)し、この豆、米等の穀物の表面積を確保することで、その刻設と合わせて、調味料(塩、醤油、砂糖等)、香料(辛子、胡椒等)の添加と、食感の向上を図る豆、米等の穀物を製造できる装置を提供すること、「5」は、豆、米等の穀物に刻設した文字の有する情報を、看者に付与可能としつつ、かつ豆、米等の穀物の生命を確保した文字を刻設した食品を製造できる装置を提供すること、「6」は、文字を刻設した豆、米等の穀物に、この文字に関する意味合いと、目的を享受することで、この豆、米等の穀物を食する人に躍動感と、生命力、又は楽しみ等を与え得ることが可能となる豆、米等の穀物を製造できる装置を提供すること、「7」は、「6」の動作を、常時行うことで、この豆、米等の穀物より看者に対して、より一層の文字のパワー、言霊等を享受できることが可能となる豆、米等の穀物を製造できる装置を提供すること、等にある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明は、前記「1」〜「7」を達成する豆、米等の穀物を製造する加工装置を提供することを意図する。
【0015】
請求項1は、加工前のナッツ、ピーナッツ等の豆、米等の穀物の表皮面に、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字を刻設し、この刻設した文字間に間隔を保持し、豆、米等の穀物の本体及び/又は物性を損傷しないよう構成するとともに、表皮と本体との食感を満喫できる豆、米等の穀物を製造する加工装置であって、
この加工装置は、フレームの片側に設けたレーザー加工機と、このレーザー加工機の直下に装置したテーブルと、このテーブルに装置される多数の豆、米等の穀物を収容可能な多数個の凹部を備えた冶具と、この冶具をテーブル上において、二次元及び/又は上下方向に調整可能な調整手段とで構成し、多数の豆、米等の穀物に文字を、刻設するに際して、略同時、かつ正確に実行可能としたことを特徴とする文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置である。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成できる豆、米等の
穀物に文字を刻設するのに最適な豆、米等の穀物の収容冶具を提供することを意図する。
【0017】
請求項2は、請求項1に記載の文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置であ
って、この冶具に取手を設け、この冶具を手操作で把持しながら、その凹部に豆、米等の穀物を収容可能としたことを特徴とする文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置である。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1の目的を達成すること、この目的を達成できる豆、米等の
穀物に文字を、連続的に刻設するのに最適な豆、米等の穀物の収容冶具を提供することを
意図する。
【0019】
請求項3は、請求項1に記載の文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置であ
って、この冶具に連設するようにして、文字を刻設した豆、米等の穀物を連続的に供給し、この冶具の凹部に豆、米等の穀物を、間欠的に収容及び/又は取出し可能とし、自動加工を可能としたことを特徴とする文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置である。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明は、加工前のナッツ、ピーナッツ等の豆、米等の穀物の表皮面に、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字を刻設し、この刻設した文字間に間隔を保持し、豆、米等の穀物の本体及び/又は物性を損傷しないよう構成するとともに、表皮と本体との食感を満喫できる豆、米等の穀物を製造する加工装置であって、この加工装置は、フレームの片側に設けたレーザー加工機と、このレーザー加工機の直下に装置したテーブルと、このテーブルに装置される多数の豆、米等の穀物を収容可能な多数個の凹部を備えた冶具と、この冶具をテーブル上において、二次元及び/又は上下方向に調整可能な調整手段とで構成し、多数の豆、米等の穀物に文字を、刻設するに際して、略同時、かつ正確に実行可能としたことを特徴とする文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置である。
【0021】
従って、請求項1に係る加工装置は、下記の「1」〜「7」の特徴を有する。
【0022】
「1」は、この豆、米等の穀物の表皮面に文字を刻設し、かつ文字を刻設するに際し、間隔を持って刻設することで、この刻設した文字が、豆、米等の穀物の本体及び/又は
物性を損傷しない構成であり、またこの刻設した文字間に間隔を保持し、表皮面と本体との食感を満喫できる構成とを採用し、この豆、米等の穀物の本来の特性を維持しつつ、少なくとも賞味期間の最中は、この文字の視認ができる構成であり、又は通常の保管と取扱いで食物としての役割が果たせる豆、米等の穀物を製造できる。
【0023】
「2」は、この刻設された文字の視認効果と、この文字が有するパワー、言霊等の効果を相乗的に楽しめる文字を刻設した豆、米等の穀物を製造できる。
【0024】
「3」は、前記「1」の構成を採用することで、豆、米等の穀物の賞味期間の拡充と、色目・芳香等の確保と、生命力の旺盛化が図れること、又は豆、米等の穀物の形態・色
保持と、耐久性の向上等にも有効である豆、米等の穀物を製造できる。
【0025】
「4」は、豆、米等の穀物の表皮面に文字を刻設(凹部を形成)し、この豆、米等の穀物の表面積を確保することで、その刻設と合わせて、調味料(塩、醤油、砂糖等)、香料(辛子、胡椒等)の添加と、食感の向上に有益である豆、米等の穀物を製造できる。
【0026】
「5」は、豆、米等の穀物に刻設した文字の有する情報を、看者に付与可能としつつ、かつ豆、米等の穀物の生命を確保した文字を刻設した食品を製造できる。
【0027】
「6」は、文字を刻設した豆、米等の穀物に、この文字に関する意味合いと、目的を
享受することで、この豆、米等の穀物を食する人に躍動感と、生命力、又は楽しみ等を与え得る豆、米等の穀物を製造できる。
【0028】
「7」は、「6」の動作を、常時行うことで、この豆、米等の穀物より看者に対して、より一層の文字のパワー、言霊等を享受できる豆、米等の穀物を製造できる。
【0029】
請求項2の発明は、請求項1に記載の文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置であって、冶具に取手を設け、この冶具を手操作で把持しながら、凹部に豆、米等の穀物を収容可能とした文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置である。
【0030】
従って、請求項2は、請求項1の目的を達成できること、この目的を達成できる豆、米等の穀物に文字を刻設するのに最適な豆、米等の穀物の収容冶具を提供できること等の特徴を有する。
【0031】
請求項3の発明は、請求項1に記載の文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置であって、冶具に連設するようにして、文字を刻設した豆、米等の穀物を連続的に供給し、冶具の凹部に豆、米等の穀物を、間欠的に収容及び/又は取出し可能とし、自動加工を可能とした文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置である。
【0032】
従って、請求項3は、請求項1の目的を達成できること、この目的を達成できる豆、米等の穀物に文字を、連続的に刻設するのに最適な豆、米等の穀物の収容冶具を提供できること等の特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0034】
先ず、図面の説明をすると、図1は文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置の側面図、図2は文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置の正面図、図3は文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置の平面図、図4は豆、米等の穀物を収容する冶具の一例を示した拡大平面図、図5は冶具が装着されるテーブルの拡大図であって、X、Yの二次元方向への位置調整と、上下方向への位置調整が可能な構成である。また図6は冶具の凹部に収容した豆、米等の穀物に「お疲れ様」の文字を刻設した状態の拡大斜視図、図7は冶具の凹部に収容した豆、米等の穀物に「元気の素」の文字を刻設した状態の拡大斜視図、図8は冶具の凹部に収容した豆、米等の穀物に「健康の素」の文字を刻設した状態の拡大斜視図、図9は自動式(パーツフィダー)の冶具の一例を示した拡大模式図、図10は冶具の凹部に豆、米等の穀物を収容し、レーザー加工をする状態を示した拡大模式図である。図11−1〜図11−4は祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字で、例えば、「乾杯」、「合格」、「元気の素」、「健康の素」、「お疲れ様」、「ありがとう」、「感激」、「明日に向かって」(図示しないが、悲しみの言葉等の文字で、「お悔み」、「お疲れ様」、「哀悼」)を加工前の豆類(ピーナッツ、ナッツ類)に刻設した一例を示した模式図、図11−5〜図11−6は産地及び販売店名を示す文字で、例えば、「千葉県産ピーナッツ ××商店」、「インド産カシューナッツ ○○商店」を加工前の豆類(ピーナッツ、ナッツ類)に刻設した一例を示した模式図、図12は図11−1の断面図、図13は図11−3の断面図、図14は皮付きのピーナッツに「お疲れ様」の文字を刻設した模式図、図15−1は感謝、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字で、例えば、「おかげ様」、「元気の素」、「健康の素」を加工前の穀物(米、麦類)に刻設した一例を示した模式図、図15−2は産地及び銘柄を示す文字で、例えば、「秋田産 あきたこまち」、「岩手産 ひとめぼれ」、「新潟産 こしひかり」を加工前の穀物(米、麦類)に刻設した一例を示した模式図、図16は釜で文字が刻設された米を炊く状態を示した一部欠截の斜視図、図7は炊き上がった文字が刻設された米を茶碗に盛った状態を示した一部欠截の斜視図である。
【0035】
図面に基づいて以下説明する。
【0036】
本発明の加工装置は、フレーム10の片側10aに設けたレーザー光線が照射される細孔11aを備えたレーザー加工機11と、このレーザー加工機11の直下に装置した複数の係止孔1300を備えたテーブル13と、このテーブル13の複数の係止孔1300に挿入される係止突起1400を裏面14aに備えた冶具14と、またこの冶具14の表面14bに凹設した多数の豆類1を収容可能な多数個の凹部1401と、さらに冶具14をテーブル13上において、二次元及び/又は上下方向に調整可能な調整手段16とで構成する。そして、この調整手段16は、この例では手動とし、三箇所に設けた調整具1600、1601及び/又は1602の調整で、テーブル13が、二次元(X、Y)及び/又は上下方向(Z)に調整されて、各豆類1の所定の箇所(表裏面101a、101b等)に文字2が刻設される。
【0037】
そこで、このレーザー加工機11を利用して文字2を刻設する一例を説明すると、豆類1をそれぞれ冶具14の凹部1401に収容する。そして、この収容方法は、図16−1の如く、手動の例では、ハンドル20と手による収容を利用して、少量生産と、個別の要望に応える。また図16−2の如く、自動の例では、パーツフィダー21の利用で、自動的な収容を利用して自動化し、大量生産と、緊急の要望に応える。このようにして、多数の豆類1を収容した冶具14を、調整手段16を介してテーブル13の所定位置にセット及び/又は固定し、この凹部1401に収容した多数の豆類1に、コンピュータ制御を介してレーザー加工機11を二次元(X、Y)及び/又は上下方向(Z)に動かし、豆類1に文字2を、略同時、かつ正確に刻設する。そして、文字2が刻設された豆類1は、冶具14の取外しと、文字2が刻設された豆類1の取外しを手動で行うか、同様な操作を自動的及び/又は全自動で行って、この文字2が刻設された豆類1は、全て冶具14の凹部1401から取出される。これらの一例の動作を介して豆類1に文字2が刻設される。
【0038】
そして、本発明で文字2を刻設した豆類1を実施例1〜実施例4として、図11−1〜図17に基づいて説明する。
【0039】
加工装置で刻設した豆類1の実施例1において、図11−1と、図11−2は、「乾杯」、「合格」、「元気の素」、「健康の素」の文字2を刻設したピーナッツでなる加工前の豆類1で、この豆類1に文字2を刻設する条件は、[A]豆類1の本体100及び/又は物性1aを損傷しない構成であり、ピーナッツの形状に合わせる。また[B]この刻設した文字2間に間隔200を保持し、このピーナッツの表皮面101と本体100との食感を満喫できる構成とする。また[C]この加工前の豆類1に、刻設した文字2で凹部4を陥没形成する構成とし、ピーナッツの表面積102を拡充し、加工後に行われる味付け処理で、この調味料のまぶし領域5を拡充する。さらに[D]この加工前の豆類1に、文字2の強弱を介して凹凸201を形成し、前述の[A]と[C]と同じ効果を期待することも可能である。そして、この例では、表皮面101の表裏面101a、101bの文字2は個別とするが、関連性を備えた構成としたが、これに限定されない。従って、表裏面101a、101bの何れかに、文字2を刻設した構成、表裏面101a、101bの文字2が、同じ構成、又は多数の文字2の組合せ構成等の各構成例があって、必要、要望等の各種の態様で選択される。そして、また、袋詰の例では、豆類1の文字2で、物語構成、パズル構成とか、文字2の組合せ等の構造もあり得る。尚、まぶし領域5は、図12の如く、凹部4の全体に充填する構成、また図13の如く、凹部4及び/又は表面積102を略均等にまぶす構成とかが考えられるが一例である。そして、各実施例において、文字2の字数、大きさ、書体等は、面積、まぶしの程度、食感等の各見地から決定される。
【0040】
加工装置で刻設した豆類1の実施例2において、図11−3と、図11−4は、「お疲れ様」、「ありがとう」、「感激」、「明日に向かって」の文字2を刻設したナッツでなる加工前の豆類1で、この豆類1に文字2を刻設する条件は、[A]豆類1の本体100及び/又は物性1aを損傷しない構成であり、ナッツに形状に合わせる。また[B]この刻設した文字2間に間隔200を保持し、ナッツの表皮面101と本体100との食感を満喫できる構成とする。また[C]この加工前の豆類1に、刻設した文字2で凹部4を陥没形成する構成とし、ナッツの表面積102を拡充し、加工後に行われる味付け処理で、この調味料のまぶし領域5を拡充する。さらに[D]この加工前の豆類1に、文字2の強弱を介して凹凸201を形成し、前述の[A]と[C]と同じ効果を期待することも可能である。その他の構成及び/又は特徴は前述の実施例1に準ずる。
【0041】
加工装置で刻設した豆類1の実施例3は、皮付きピーナッツの豆類1に、「お疲れ様」の文字2を刻設した例であって、加工前が、文字2の刻設後の美しさ、加工後の変化の様子の斬新性等の見地から望ましいが、加工後でも可能である。そして、加工後の実施例では、文字2の正確性、定形性等の点で有利性が考えられる。
【0042】
加工装置で刻設した豆類1の実施例4は、加工前の米7の表裏面701a、701bに、「おかげ様」、「元気の素」、「健康の素」等の文字2を刻設する。そして、この米7に文字2を刻設する条件は、[A]米7の本体700及び/又は物性7aを損傷しない構成であり、米7の形状に合わせる。また[B]この刻設した文字2間に間隔200を保持し、この米7の表皮面701と本体700との食感を満喫できる構成とする。また[C]この加工前の米7に、刻設した文字2で凹部4を陥没形成する構成とし、米7の表面積702を拡充し、加工後に行われる味付け処理で、この調味料のまぶし領域5を拡充する。さらに[D]この加工前の米7に、文字2の強弱を介して凹凸201を形成し、前述の[A]と[C]と同じ効果を期待することも可能である。そして、この例では、表皮面701の表裏面701a、701bの文字2は個別とし、関連性を備えた構成としたが、これに限定されない。従って、表裏面701a、701bの何れかに、文字2を刻設した構成、表裏面701a、701bの文字2が、同じ構成、又は多数の文字2の組合せ構成等の各構成例があって、必要、要望等の各種の態様で選択される。その他は、前述の豆類1に準ずる。
【0043】
そして、この例の図16の釜8で米7を炊く状態を示した一部欠截の斜視図の如く、前記の文字2を刻設した米7を、炊き上げる。図17のように炊き上げたご飯を茶碗9に盛る。このご飯を日常的に、食することで、文字2の有するパワー、言霊、言魂等を、一層かつ確実に、体内に取り込め得ると考えられる。これにより、例えば、人の元気、健康、意欲等の源と成り得ると考えられ、かつ現実にこのような状況となるので、誠に有益で、かつ毎日の食事で否応なしに蓄積できる利点がある。前記釜8及び/又は茶碗9の文字2は、一種類の例と、各文字2を混在して使用する例とがあり、自由であり、例えば、各人の希望と、食する状況・環境・体調等により適宜変更される。また図示しない麦等の穀物では、日常的に食することから、前述の各種の効果と実益が享受できる。尚、説明しないその他の構成、効果等の内容は、前述の豆類1に準ずる。
【0044】
また、前記豆類1及び米7に産地、銘柄等を表示する文字を刻設することで、その産地等の表示を一目で確認できるため、消費者が安心して商品を購入することができる。また、トラブル解消と、商品取引きの安全性に寄与できる。
【0045】
尚、図示しないが、食パン、味付けパン、調理パン等のパンの商品にも、前述の文字2等を刻設することも可能である。
【0046】
そして、豆類1に文字2を刻設する構成は、多種多様であって、この豆類1の形態、大きさ、使用態様等を考慮し、最適な方法とする。例えば、豆類1の表裏面101a、101bの何れか一面及び/又は両面とするか、この表裏面101a、101bの全体とするか、又はその一部とするか、或は形状に沿った配置(配列)、縦・横・斜一例の配置等の種々の方法、また文字2を豆類1の全体とするか、又はその一部とするか、或は形状に沿った配置(配列)とする等の種々の方法等が考えられる。
【0047】
尚、この文字2が刻設された豆類1の種類は、前述の例に限定されず、所定の大きさで、人の食物として利用されるものは含まれる。例えば、ご飯に炊き込まれる豆類1・えんどう豆(図示せず)、そら豆、枝豆等の豆類1とか、五穀米用の穀物粒子(図示せず)、食物用種(図示せず)等の食品全般を含む。その理由は、豆類1で、食することにより、文字2のパワー等を享受できる構成と、表面積102を拡充し、調味料(味が付加されるものも含む)のまぶし領域5を拡充する構成とを可能であるものは全て含まれる。
【0048】
そして、図示しないが、豆類1の文字2と、この豆類1の利用は、前述の祝辞用、お見舞い、出産、誕生日、結婚記念日、その他開店・開業祝、歓送迎・退職等の各例の如く、一般生活用のお結わい事の他に、葬祭用のお礼等の際に食することもあり得る。従って、豆類1に前述と同様な構成及び/又は手法・方法で、「ご愁傷様」、「お悔み」、「哀悼」、「ご苦労様」、「ありがとう」、「残念」、「頑張ったね」、「言葉(故人の)」等の文字2を刻設し、これを食することで、故人の冥福と、思い出に浸ること等に役立つものと考えられる。そして、また、お悔みの品物としても、場合により、考えられる。
【0049】
尚、これらの各実施例等を通じて、犯罪の減少化と、青少年の育成、又は平和な家庭の
誕生と、少しオーバーであるが、国家間のトラブルの解消と、平和維持等にも役立つこと
が考えられる。そして、人類の未来(世界及び/又は日本の平和)と、子供の未来に貢献
できるものと確信している。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置の側面図
【図2】図2は文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置の正面図
【図3】図3は文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置の平面図
【図4】図4は豆、米等の穀物を収容する冶具の一例を示した拡大平面図
【図5】図5は冶具が装着されるテーブルの拡大図であって、X、Yの二次元方向への位置調整と、上下方向への位置調整が可能な構成である
【図6】図6は冶具の凹部に収容した豆、米等の穀物に「お疲れ様」の文字を刻設した状態の拡大斜視図
【図7】図7は冶具の凹部に収容した豆、米等の穀物に「元気の素」の文字を刻設した状態の拡大斜視図
【図8】図8は冶具の凹部に収容した豆、米等の穀物に「健康の素」の文字を刻設した状態の拡大斜視図
【図9】図9は自動式(パーツフィダー)の冶具の一例を示した拡大模式図
【図10】図10は冶具の凹部に豆、米等の穀物を収容しれレーザー加工をする状態を示した拡大模式図
【図11−1】図11−1は祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の字で、例えば、「乾杯」、「合格」を加工前の豆類(ピーナッツ)に刻設した一例を示した模式図
【図11−2】図11−2は祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字で、例えば、「元気の素」、「健康の素」を加工前の豆類(ピーナッツ)に刻設した一例を示した模式図
【図11−3】図11−3は祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字で、例えば、「お疲れ様」、「ありがとう」を加工前の豆類(ナッツ)に刻設した一例を示した模式図
【図11−4】図11−4は祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字で、例えば、「感激」、「明日に向かって」を加工前の豆類(ナッツ)に刻設した一例を示した模式図
【図11−5】図11−5は産地及び販売店名を示す文字で、例えば、「千葉県産ピーナッツ ××商店」を加工前の豆類(ピーナッツ)に刻設した一例を示した模式図
【図11−6】図11−6は産地及び販売店名を示す文字で、例えば、「インド産カシューナッツ ○○商店」を加工前の豆類(ナッツ)に刻設した一例を示した模式図
【図12】図12は図11−1の断面図
【図13】図13は図11−3の断面図
【図14】図14は皮付きのピーナッツに「お疲れ様」の文字を刻設した模式図
【図15−1】図15−1は感謝、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字で、例えば、「おかげ様」、「元気の素」、「健康の素」を加工前の穀物(米、麦類)に刻設した一例を示した模式図
【図15−2】図15−2は産地及び銘柄を示す文字で、例えば、「秋田産 あきたこまち」、「岩手産 ひとめぼれ」、「新潟産 こしひかり」を加工前の穀物(米、麦類)に刻設した一例を示した模式図
【図16】図16は釜で文字が刻設された米を炊く状態を示した一部欠截の斜視図
【図17】図17は炊き上がった文字が刻設された米を茶碗に盛った状態を示した一部欠截の斜視図
【符号の説明】
【0051】
1 豆類
1a 物性
100 本体
101 表皮面
101a 表面
101b 裏面
102 表面積
2 文字
200 間隔
201 凹凸
4 凹部
5 まぶし領域
7 米
7a 物性
700 本体
701 表皮面
701a 表面
701b 裏面
702 表面積
8 釜
9 茶碗
10 フレーム
10a 片側
11 レーザー加工機
11a 細孔
13 テーブル
1300 係止孔
14 冶具
14a 裏面
1400 係止突起
1401 凹部
16 調整手段
1600 調整具
1601 調整具
1902 調整具
21 パーツフィダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工前のナッツ、ピーナッツ等の豆、米等の穀物の表皮面に、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字を刻設し、この刻設した文字間に間隔を保持し、豆、米等の穀物の本体及び/又は物性を損傷しないよう構成するとともに、表皮と本体との食感を満喫できる豆、米等の穀物を製造する加工装置であって、
この加工装置は、フレームの片側に設けたレーザー加工機と、このレーザー加工機の直
下に装置したテーブルと、このテーブルに装置される多数の豆、米等の穀物を収容可能な
多数個の凹部を備えた冶具と、この冶具をテーブル上において、二次元及び/又は上下方
向に調整可能な調整手段とで構成し、多数の豆、米等の穀物に文字を、刻設するに際して
、略同時、かつ正確に実行可能としたことを特徴とする文字を刻設した豆、米等の穀物を
製造する加工装置。
【請求項2】
請求項1に記載の文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置であって、
この冶具に取手を設け、この冶具を手操作で把持しながら、その凹部に豆、米等の穀物
を収容可能としたことを特徴とする文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置。
【請求項3】
請求項1に記載の文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置であって、
この冶具に連設するようにして、文字を刻設した豆、米等の穀物を連続的に供給し、こ
の冶具の凹部に豆、米等の穀物を、間欠的に収容及び/又は取出し可能とし、自動加工を
可能としたことを特徴とする文字を刻設した豆、米等の穀物を製造する加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図11−3】
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【図11−4】
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【図11−5】
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【図11−6】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−49395(P2008−49395A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−28590(P2007−28590)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【分割の表示】特願2006−229924(P2006−229924)の分割
【原出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(594148667)株式会社石亀工業 (27)
【Fターム(参考)】