説明

文字入力装置、テープ印刷装置および文字入力装置の表示方法

【課題】簡単な操作で、予測変換候補の表示から印刷レイアウトの表示へ表示切替することができる文字入力装置およびテープ印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷レイアウトを表示するレイアウト表示領域24bが設定された表示部と、レイアウト表示領域24bに印刷レイアウトを表示させるレイアウト表示手段と、入力された未確定文字列に基づいて、レイアウト表示領域24bに予測変換候補を表示させる予測変換候補表示手段と、未確定文字列の入力によりレイアウト表示領域24bに表示された予測変換候補から、印刷レイアウトに表示切替えする表示切替手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予測変換候補を表示する文字入力装置およびテープ印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の文字入力装置として、予測変換機能を備えた仮名漢字予測変換装置が知られている(特許文献1参照)。この仮名漢字予測変換装置は、表示装置(表示部)を有しており、表示装置上には、入力した文字列に対応して予測変換候補が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−65532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、テープ印刷装置等の小型の印刷装置に設けられたディスプレイ(表示部)は、設計上小さなものとなっている。このとき、ディスプレイ上には、編集を容易に行なうべく、印刷レイアウトを表示するレイアウト表示領域および入力・編集を行う入力・編集領域が設定されている。
例えば、この小型の印刷装置に、上記の文字入力装置を適用した場合、予測変換候補を表示する領域を新たに設けることが困難であるため、レイアウト表示領域に予測変換候補を表示することが考えられる。
しかしながら、レイアウト表示領域に予測変換候補を表示してしまうと、印刷レイアウトの表示を確認することができない。このとき、印刷レイアウトを確認する場合は、例えば、一旦、入力された未確定文字列を全て消去しなければならず、ユーザーによる操作が煩雑なものとなってしてしまう問題が想定される。
【0005】
本発明は、簡単な操作で、予測変換候補の表示から印刷レイアウトの表示へ表示切替をすることができる文字入力装置およびテープ印刷装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の文字入力装置は、印刷レイアウトを表示するレイアウト表示領域が設定された表示部と、レイアウト表示領域に印刷レイアウトを表示させるレイアウト表示手段と、入力された未確定文字列に基づいて、レイアウト表示領域に予測変換候補を表示させる予測変換候補表示手段と、未確定文字列の入力によりレイアウト表示領域に表示された予測変換候補から、印刷レイアウトに表示切替えする表示切替手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、レイアウト表示領域に印刷レイアウトを表示させることができると共に、未確定文字列の入力により、レイアウト表示領域に予測変換候補を表示させることができる。また、表示切替手段により、予測変換候補の表示から、印刷レイアウトの表示に切り替えることができるため、未確定文字列の入力中において、印刷レイアウトの表示を確認することができる。これにより、簡単な操作で表示切替を行うことができるため、ユーザーに、煩雑な操作を強いることが無い。なお、レイアウト表示領域には、文字未入力の状態において、白紙の印刷レイアウトを表示すると共に、確定文字列の入力状態において、任意の文字列の印刷レイアウトを表示する。
【0008】
この場合、表示切替手段は、予測変換候補の表示を取り消すことにより、印刷レイアウトの表示に切り替えることを特徴とすることが、好ましい。
【0009】
この構成によれば、予測変換候補の表示を取り消すことで、予測変換候補表示手段による表示処理を行なう必要が無いため、装置に加わる負担を軽減することができる。
【0010】
この場合、未確定文字列の確定をトリガとして、確定後の確定文字列に繋がり得る文字列候補を、繋がり予測候補としてレイアウト表示領域に表示する繋がり予測候補表示手段を、更に備えたことを特徴とすることが、好ましい。
【0011】
この構成によれば、確定後の確定文字列に繋がり得る文字列候補をレイアウト表示領域に繋がり予測候補として表示させることができるため、文章作成等における文字入力作業を容易に行うことができる。
【0012】
この場合、表示切替手段は、レイアウト表示領域に表示された繋がり予測候補から、印刷レイアウトに切替え表示可能に構成されていることを特徴とすることが、好ましい。
【0013】
この構成によれば、表示切替手段により、繋がり予測候補の表示印刷レイアウトの表示から、印刷レイアウトの表示に切り替えることができるため、印刷レイアウトの表示を確認することができる。これにより、簡単な操作で表示切替を行うことができるため、ユーザーに、煩雑な操作を強いることが無い。
【0014】
本発明のテープ印刷装置は、上記の文字入力装置と、文字入力装置により生成された入力データに基づいて、印刷テープに印刷を行う印刷手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、表示切替手段により、予測変換候補の表示から印刷レイアウトの表示に切り替えることができるため、簡単な操作で、印刷レイアウトの表示を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るテープ印刷装置の開蓋状態における外観斜視図である。
【図2】本実施形態に係るテープ印刷装置の開蓋状態における外観斜視図である。
【図3】ディスプレイの構成を示す模式図である。
【図4】テープ印刷装置の制御ブロック図である。
【図5】予測変換候補から印刷レイアウトに表示切替えをする一連の操作に関するディスプレイの表示遷移図である。
【図6】繋がり予測候補から印刷レイアウトに表示切替えをする一連の操作に関するディスプレイの表示遷移図である。
【図7】作成されたラベルの模式図である。
【図8】表示切替えの変形例におけるディスプレイの表示遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照して、本実施形態に係る文字入力装置を適用したテープ印刷装置について説明する。このテープ印刷装置は、入力された未確定文字列に基づいて、ディスプレイ(表示部)上に複数の予測変換候補を表示すると共に、1の予測変換候補を選択して確定した確定文字列に基づいて、ディスプレイ上に印刷レイアウトを表示し、この印刷レイアウトに倣ってラベルを作成するものである。
【0018】
図1及び図2に示すように、テープ印刷装置1は、処理テープ(印刷テープ)Tに対して印刷処理を行う装置本体11と、処理テープTおよびインクリボンRを収容し、装置本体11に着脱自在に装着されるテープカートリッジCとを備えている。
【0019】
装置本体11は、装置ケース12により外殻が形成され、装置ケース12の前半部上面には、文字等を入力するための複数の文字入力キー13と、各種選択および確定処理等を行うための複数の機能キー15と、を備えたキーボード17が配設されている。ここで、機能キー15には、ディスプレイ24に表示される選択肢を選択する上下(左右)キー15b、処理テープTのテープ幅、テープ長および余白領域並びに文字等の書式等を設定する各種設定キー15a、入力した未確定文字列82を確定文字列83として確定する確定キー15c、入力編集中の文字等を削除する削除キー15d、ラベル作成処理を実行するための印刷キー15e、表示画面を切替えるための表示切替キー(詳細は後述)15f等が含まれる。
【0020】
装置ケース12の後半部上面には、開閉蓋21が広く設けられ、開閉蓋21の上面には、テープカートリッジCの装着/非装着を視認するための覗き窓22が形成されていると共に、開閉蓋21の前側にはこれを開放する蓋体開放ボタン23が設けられている。また、後半部右上面には、キーボード17からの入力結果等を表示するディスプレイ24が形成されている。
【0021】
図3に示すように、ディスプレイ24は横長の表示画面を有しており、ディスプレイ24上には、デフォルト画面(初期画面)として、入力・編集画面が表示されている。入力・編集画面は、下部に設定されると共に入力編集を行うための入力編集領域24aと、上部に設定されると共に印刷レイアウトを逐一表示するレイアウト表示領域24bと、を備えている。なお、印刷レイアウトは、文字未入力の状態においては、白紙のレイアウトを表示すると共に、入力した確定文字列83に基づいて、任意の文字列のレイアウトを表示する。
【0022】
入力編集領域24aには、キーボード17から入力された文字列が横書きに表示され、文字列が複数行に亘る場合には、行毎に上下に並べて表示される。入力編集領域24aに入力された文字列が未確定文字列82である場合、文字列を陽ドットとして白黒反転表示される(図5(b)参照)一方、未確定文字列82が確定キーにより確定文字列83となった場合、文字列を陰ドットとして通常表示される(図5(e)参照)。また、入力編集領域24aには、各文字列が何行目に位置するかを表示した行頭マーク80と、編集入力位置を指標するカーソル81とが表示される。
【0023】
ディスプレイ24のレイアウト表示領域24bの左側には、検出したテープ幅と作成されるテープ長とが小さく数値表示されると共に、その数値表示の右側には、印刷レイアウトが大きく表示される。これにより、作成されるラベルの大きさ、配置バランスおよび余白領域等を印刷処理前に確認できるようになっている。
【0024】
具体的に説明すると、図3に示すディスプレイ24のレイアウト表示領域24bには、テープ幅(18mm)およびテープ長(6cm)に対して、入力した確定文字列83(「青色の」)の印刷レイアウトが、テープを陰ドットとして文字を陽ドットとして白黒反転表示されている。また、ディスプレイ24のレイアウト表示領域24bには、印刷レイアウトの表示に代えて入力された未確定文字列82から予測される複数の予測変換候補が表示されると共に、確定後の確定文字列83に繋がり得ると予測される繋がり予測候補84が表示されるようになっている(詳細は後述)。なお、ディスプレイ24には、上記表示内容に加え、設定キー15a等の操作より、各種設定メニュー等も表示される。ここで、上記した表示切替キー15fは、入力された未確定文字列82に基づいて、レイアウト表示領域24bに表示された複数の予測変換候補85と、印刷レイアウトとを表示切替するものである。
【0025】
開閉蓋21の内部には、テープカートリッジCが装着されるカートリッジ装着部31が窪入形成されており、カートリッジ装着部31には、テープカートリッジCから繰り出される処理テープTに印刷処理を行う印刷ヘッド41が配設されている(図2参照)。
【0026】
装置ケース12の左側部には、カートリッジ装着部31と装置外部とを連通するテープ排出口32が形成され、このテープ排出口32に臨んで装置ケース12には、処理テープTを切断するためのカッタユニット33が内蔵されている。また、図1および図2では省略したが、装置ケース12の内部には、装置本体11を統括制御する制御部60を構成する回路基板が搭載されている。
【0027】
カートリッジ装着部31には、発熱素子を有しヘッドカバー40に覆われた印刷ヘッド41と、後述するテープリール51の位置決めをする位置決め突起42と、テープカートリッジCの処理テープTおよびインクリボンRを送り、印刷ヘッド41に対峙するプラテン駆動軸43およびインクリボンRを巻き取る巻取り駆動軸44とが突設されている。また、カートリッジ装着部31には、カートリッジケース95の裏面に形成された複数の被検出孔に対応してテープ識別センサ26(図4参照)が設けられている。また、カートリッジ装着部31には、プラテン駆動軸43および巻取り駆動軸44を駆動する印刷送りモータ46(図4参照)や減速ギヤ列等(図示省略)が内蔵されている。
【0028】
テープカートリッジCは、カートリッジケース95の内部に、処理テープTを巻回したテープリール51と、右下部にインクリボンRを巻回したリボン繰出しリール52およびリボン巻取りリール53とを収容して構成されている。また、テープリール51の左下部には、印刷ヘッド41を覆うヘッドカバー40に差し込むための貫通開口54が形成されている。さらに、処理テープTとインクリボンRとが重なる部分に対応し、上記プラテン駆動軸43に嵌合して回転運動するプラテンローラ55が配置されている。
【0029】
テープカートリッジCをカートリッジ装着部31に装着すると、ヘッドカバー40に貫通開口54が、位置決め突起42にテープリール51が、巻取り駆動軸44にリボン巻取りリール53が、プラテン駆動軸43にプラテンローラ55が、それぞれ差し込まれ、この状態で開閉蓋21を閉蓋すると、これに連動して、印刷ヘッド41が、処理テープおよびインクリボンRを挟み込んでプラテンローラ55に当接し、印刷待機状態となる。入力編集により印刷データが生成されると、生成された印刷データに基づき、プラテン駆動軸43および巻取り駆動軸44が同期回転して、処理テープTおよびインクリボンRを送りながら、印刷ヘッド41により印刷処理が行われる。これと共に、リボン繰出しリール52から繰り出されたインクリボンRは、貫通開口54の開口壁を周回してリボン巻取りリール53に巻き取られる。印刷処理後の処理テープTは、印刷済み部分がフルカッタ34により切断され、切断された処理テープTがラベルとしてテープ排出口32から外部に排出される。
【0030】
処理テープTは、テープ種別(テープ幅、テープ色、インクリボン色、テープ材質など)が異なる複数種のものが用意されており、裏面に粘着材層が塗着された記録テープT1と、この粘着剤層により記録テープT1に貼付された剥離テープT2とから構成されている。カートリッジケース95の裏面には、小さな複数の被検出孔(図示省略)が形成され、上記のテープ識別センサ26によってこの複数の被検出孔が検出されることにより、処理テープTの種別を識別できるようになっている。
【0031】
次に、図4を参照し、テープ印刷装置1の制御系について説明する。テープ印刷装置1は、操作部61と、検出部62と、印刷部63と、切断部64と、駆動部65と、これら各部に接続して、テープ印刷装置1全体を制御する制御部60と、を有している。
【0032】
操作部61は、キーボード17上の文字入力キー13、機能キー15等からのデータ入力や、印刷データ等のディスプレイ24への表示等、ユーザインターフェースとして機能する。検出部62は、テープ識別センサ26を有し、処理テープT(テープカートリッジC)の種別を検出する。印刷部63は、テープカートリッジC、印刷ヘッド41および印刷送りモータ46を有し、処理テープTおよびインクリボンRを搬送しながら処理テープT上に、生成された印刷データに基づいて、印刷ヘッド41により印刷を行う。切断部64は、処理テープTを切断するフルカッタ34及びこれを駆動するフルカッタモータ35からなるカッタユニット33を有し、印刷部63で印刷処理済みの処理テープTを所定の長さとなるように切断し、ラベルを作成する。駆動部65は、ディスプレイドライバ66、ヘッドドライバ67、印刷送りモータドライバ68およびカッタモータドライバ69を有し、各部を駆動する。
【0033】
制御部60は、CPU(Central Processing Unit)71と、CPU71で各種制御処理を行うための制御プログラムを有するROM(Read Only Memory)72と、各種制御処理の作業領域となるRAM(Random Access Memory)73と、テープ印刷装置1の各部と入力データや制御信号の入出力を行う入出力制御装置(以下、「IOC:Input Output Controller」と称する)74と、を備え、これらは互いに内部バス75により接続されている。
【0034】
ROM72内には、入力された確定文字列を印刷レイアウトとしてディスプレイ24のレイアウト表示領域24bに表示するレイアウト表示プログラム72bと、仮名漢字、ローマ字、数字、絵文字等の複数の予測変換候補および繋がり予測候補が登録された予測変換辞書72aと、キーボード17により入力された未確定文字列82に基づいて、予測変換辞書72aの中から1以上の予測変換候補を抽出する予測変換候補抽出プログラム72cと、抽出された1以上の予測変換候補をディスプレイ24のレイアウト表示領域24bに表示する予測変換候補表示プログラム72dと、未確定文字列の確定をトリガとして、予測変換辞書72aの中から1以上の繋がり予測候補を抽出する繋がり予測候補抽出プログラム72eと、抽出された1以上の繋がり予測候補をディスプレイ24のレイアウト表示領域24bに表示する繋がり予測候補表示プログラム72fと、が記憶されている。また、ROM72内には、レイアウト表示領域24bにおいて表示された予測変換候補と、確定文字列を表示する印刷レイアウト表示と、を切替える表示取消プログラム72gが記憶されている。
【0035】
すなわち、ROM72内には、ディスプレイ24のレイアウト表示領域24bに印刷レイアウトを表示すべく、表示切替キー15fの操作をトリガとして、レイアウト表示領域24bの予測変換候補および繋がり予測候補の表示を一旦取り消す、すなわち、予測変換候補表示プログラム72dおよび繋がり予測候補表示プログラム72fの実行を一旦中止させる表示取消プログラム72gが記憶されている。
【0036】
そして、CPU71は、上記の構成により、ROM72内の各種制御プログラムに従って、IOC74を介してテープ印刷装置1内の各部から各種信号・データを入力する。また、入力された各種信号・データに基づいてRAM73内の各種データを処理し、IOC74を介してテープ印刷装置1の各部に各種信号・データを出力することにより、入力・編集処理や印刷切断処理の制御を行う。
【0037】
具体的には、CPU71は、入力・編集中において、文字入力キー13により未確定文字列が入力されると、ディスプレイ24の入力編集領域24aに未確定文字列を表示させると共に、ROM72内の予測変換候補抽出プログラム72cおよび予測変換候補表示プログラム72dに従い、入力された未確定文字列から予測される複数の予測変換候補を、レイアウト表示領域24bに表示する(予測変換候補表示手段)。また、CPU71は、ROM72内の繋がり予測候補抽出プログラム72eおよび繋がり予測候補表示プログラム72fに従い、確定文字列に繋がり得る複数の繋がり予測候補を、レイアウト表示領域24bに表示する(繋がり予測候補表示手段)。更に、CPU71は、確定キー15cが押され、未確定文字列が確定されると、入力編集領域24aに確定した文字等を表示すると共に、レイアウト表示プログラム72bに従い、レイアウト表示領域24bに、確定した確定文字列を印刷レイアウトとして表示する(レイアウト表示手段)。また、CPU71は、表示切替キー15fが押されると、表示取消プログラム72gに従い、レイアウト表示領域24bに表示された予測変換候補および繋がり予測候補の表示を取り消し、レイアウト表示領域24bに印刷レイアウトを表示させる(表示切替手段)。
【0038】
次に、図5のディスプレイ24の表示遷移図を参照して、入力した未確定文字列を確定文字列として確定する一連の操作について説明する。なお、以下の入力編集例では、図7(a)に示すラベル「愛」89を作成するものとして説明を行う。
【0039】
ユーザーにより、テープ印刷装置1の電源がONされると、ディスプレイ24には、デフォルト画面となる入力・編集画面が表示される(図5(a)参照) 。
ユーザーが、文字入力キー13を操作して、文字「あ」を入力すると、入力編集領域24aには、未確定文字「あ」(ローマ字入力にあっては「A」)86が表示されると共に、レイアウト表示領域24bに、未確定文字「あ」86から予測される複数の予測変換候補85が表示される(図5(b)参照)。ここで、入力文字「あ」86を誤入力した場合、削除キー15dを押して入力文字「あ」86を削除すると、ディスプレイ24は、図5(a)に示す初期状態に戻る。また、入力文字等から予想される予測変換候補85がない場合、入力編集領域24aには、未確定文字「あ」が表示されるが、レイアウト表示領域24bは、初期状態のままである(図5(h)参照)。
【0040】
次に、図5(b)の状態において、ユーザーは、上下キー15bを操作して、複数の予測変換候補85から所望の予測変換候補を選択し、確定キー15cにより、選択した予測変換候補83を確定文字列として確定する(図5(c)、(d)参照)。このとき、レイアウト表示領域24bの左側には、予測変換候補数が表示されており、本実施形態では、30個の予測変換候補85があることが示されている。なお、選択中の予測変換候補は網掛け表示されている(例えば、図5(c)に示す予測変換候補「相手」87)。
【0041】
本実施形態において、ユーザーが、30個の予測変換候補の選択肢から2番目に表示される予測変換候補「愛」88を選択し、確定キー15cを操作すると、CPU71は、入力編集領域24aに、選択した予測変換候補である「愛」88を確定文字列として表示すると共に、レイアウト表示領域24bに確定文字列である「愛」88のレイアウトを表示する(図5(e)参照)。この後、入力編集処理を続ける場合には、上記同様の処理を繰り返す。一方、確定文字列を印刷する場合には、印刷キー15eを押すことで、印刷処理が実行された後、切断処理が実行されて、ラベル89が生成される。
【0042】
なお、予測変換候補「愛」88の未確定状態(図5(b)、(c)、(d)の状態)において、所定のキー操作を行うことにより未確定文字列82を消去することが可能となっている。具体的には、機能キー15であるシフトキーおよび削除キー15dを同時押しすると、消去画面90が表示されると共に、全文消去91および段落消去92のいずれかの消去方法を選択することにより、文章の消去を行うことができる(図5(f)参照)。一方、消去画面90を表示させた状態で、削除キー15dを操作すると、図5(b)の状態に戻すことができる。また、機能キー15には、一つ前の処理画面に戻す復活キー(図示省略)が設けられており、例えば、図5(e)の状態において、復活キーを押すと、図5(g)に示すように、予測変換候補が表示され、予測変換候補が未選択の状態の画面に戻すことができる。
【0043】
ここで、図5(b)、(c)、(d)に示したディスプレイ24の表示状態において、表示切替キー15fを押すと、レイアウト表示領域24bにおける複数の予測変換候補の表示が取り消され、レイアウト表示領域24bには、印刷レイアウトが表示される(図5(h)参照)。また、この状態から再度、表示切替キー15fを押すと、予測変換候補の表示が取り消されているため、図5(b)の状態に戻る。このように、簡単なキー操作により予測変換候補の表示を取り消すことで、予測変換候補の表示と印刷レイアウトの表示とが切り替わり、ユーザの負担を軽減することができる。
【0044】
ところで、図5(b)、(c)、(d)に示したディスプレイ24の表示状態から表示切替キー15fが押されると、いずれも確定文字列が存在しないため、レイアウト表示領域24bは初期状態となる(図5(h))。しかし、図8に示すように、図8(c)および(d)の状態から表示切替キー15fが押された場合、未確定文字列を仮確定として、その仮確定文字列をレイアウト表示領域24bに表示するようにしてもよい(図8(h−2)、(h−3)参照)。
【0045】
次に、図6を参照して、繋がり予測候補の表示から印刷レイアウトの表示に切り替える一連の操作について説明する。以下の入力編集例では、図7(b)に示すラベル「青色の」93を作成するものとして説明を行う。
【0046】
入力文字「あ」の未確定文字が表示されている状態(図5(b)、(c)、(d)の状態)で、入力文字「あ」の後に文字「お」を入力すると、CPU71は、入力編集領域24aに入力された入力文字「あお」(ローマ字入力にあっては「AO」)94を表示すると共に、レイアウト表示領域24bに、入力文字「あお」から予測される複数の予測変換候補85を表示する(図6(j)参照)。
【0047】
次に、ユーザーは、上下キー15bを操作して、複数の予測変換候補85から所望の変換候補(ここでは、「青色」)を選択し(図6(k)、(l)参照)、確定キー15cを操作して、選択した予測変換候補85を確定文字列83として確定する。すると、レイアウト表示領域24bには、確定文字列「青色」に繋がり得る複数の繋がり予測候補が表示される(図6(m)参照)。この後、ユーザーは、上下キー15bを操作して、複数の繋がり予測候補84から所望の繋がり予測候補(ここでは、「の」)を選択し(図6(n)参照)、確定キー15cを操作して、選択した繋がり予測候補84を確定文字列83として確定する。このとき、確定文字列83「の」に繋がり得る繋がり予測候補84がある場合は、上記処理を同様に行う一方、繋がり予測候補84がない場合は、レイアウト表示領域24bに印刷レイアウトが表示される(図6(o)参照)。
【0048】
ここで、図6(m)、(n)に示したディスプレイ24の表示状態において、表示切替キー15fを押すと、レイアウト表示領域24bにおける複数の繋がり予測候補84の表示が取り消され、レイアウト表示領域24bには、印刷レイアウトが表示される(図6(p)参照)。
【0049】
以上のように、本実施形態に係るテープ印刷装置1によれば、ディスプレイ24のレイアウト表示領域24bに予測変換候補85および繋がり予測候補84が表示されたとしても、表示切替キー15fを押下することにより、簡単な操作で、印刷レイアウトを表示することができる。なお、本実施形態では、予測変換候補85(繋がり予測候補84)の表示を取り消して印刷レイアウトを表示するよう構成したが、単に予測変換候補85(繋がり予測候補84)の表示から印刷レイアウトの表示に切り替える構成(図8に破線で表示)でも良い。このとき、印刷レイアウトの表示から予測変換候補85(繋がり予測候補84)の表示に切り替えるよう構成し、相互に切替え可能にしても良い。
【符号の説明】
【0050】
1…テープ印刷装置1 15f…表示切替キー 24a…入力編集領域 24b…レイアウト表示領域 71…CPU 72…ROM 72a…予測変換辞書 72b…レイアウト表示プログラム72b 72c…予測変換候補抽出プログラム 72d…予測変換候補表示プログラム 72e…繋がり予測候補抽出プログラム 72f…繋がり予測候補表示プログラム 72g…表示取消プログラム 73…RAM 74…IOC 75…内部バス 82…未確定文字列 83…確定文字列 84…繋がり予測候補 85…予測変換候補

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷レイアウトを表示するレイアウト表示領域が設定された表示部と、
前記レイアウト表示領域に印刷レイアウトを表示させるレイアウト表示手段と、
入力された未確定文字列に基づいて、前記レイアウト表示領域に予測変換候補を表示させる予測変換候補表示手段と、
未確定文字列の入力により前記レイアウト表示領域に表示された前記予測変換候補から、前記印刷レイアウトに表示切替えする表示切替手段と、
を備えたことを特徴とする文字入力装置。
【請求項2】
前記表示切替手段は、前記予測変換候補の表示を取り消すことにより、前記印刷レイアウトの表示に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項3】
未確定文字列の確定をトリガとして、確定後の確定文字列に繋がり得る文字列候補を、繋がり予測候補として前記レイアウト表示領域に表示する繋がり予測候補表示手段を、更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の文字入力装置。
【請求項4】
前記表示切替手段は、前記レイアウト表示領域に表示された前記繋がり予測候補から、前記印刷レイアウトに切替え表示可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の文字入力装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の文字入力装置と、
前記文字入力装置により生成された入力データに基づいて、印刷テープに印刷を行う印刷手段と、
を備えたことを特徴とするテープ印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−54773(P2013−54773A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−264228(P2012−264228)
【出願日】平成24年12月3日(2012.12.3)
【分割の表示】特願2007−180033(P2007−180033)の分割
【原出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】