説明

文字変換装置と方法およびダイヤ情報表示システムと方法ならびにプログラム

【課題】日本語と中国語など、異なる言語体系の一方の言語体系の読みを入力することにより他方の言語体系の文字を出力する際の、ユーザの操作性・利便性を向上させる。
【解決手段】情報処理装置14は、記憶処理機能により、予め入力装置12から入力された、中国語の読み(ピンイン)と、当該ピンインに対応して表示する日本語文字を対応付けて登録したテーブル情報を外部記憶装置13に格納し、さらに、テーブル情報においては、日本語文字列の中で該当するピンインがない文字の当該文字列における箇所に対応付けて、ピンインがない文字の数だけ、予め定められたキー情報(?)を割り当てて登録し、変換処理機能により、入力装置12から入力されたキー情報(「?」)を含むピンインに基づいてテーブル情報を検索して、このキー情報(「?」)を含むピンインに対応する日本語の文字列を全て抽出して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置における文字の入力処理技術に係り、特に、入力対象文字の言語体系に不慣れなユーザの文字入力操作を効率的に支援するのに公的な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ等においては、漢字変換ソフトウエアを用いて、キーボード等から入力されたひらかなやカタカナを漢字に変換することができる。また、この漢字変換ソフトウエアを用いることで、ユーザは、記憶が定かでない漢字を得ることもできる。
【0003】
このような記憶が定かでない場合、あるいは、日本語に不慣れな外国人でも、漢字の入力ができるように支援する技術が、例えば、特許文献1に記載されている。また、漢字の高速かつ正確な入力処理を支援する技術が例えば特許文献2に、漢字の構成要素の入力に応じて対応する漢字を表示する技術が特許文献3に、難解漢字を分解した部分の読みの入力に応じて当該難解漢字を出力する技術が特許文献4,5に、漢字を構成する部品を示す部首キーと複数の部首の結合構造を表す希有号キーの入力に応じて当該漢字を出力する技術が特許文献6,7,8に記載されている。
【0004】
また、日本語と中国語など、異なる言語体系の一方の言語体系の読みを入力することにより、他方の言語体系の文字を出力する技術が、特許文献9〜12に記載されている。
【0005】
これらの特許文献9〜12においては、例えば、中国語の読みである「ピンイン(Pin Yin)」の入力に応じて、予めテーブル等において対応付けられた日本語の漢字を出力する技術が記載されている。
【0006】
特に、特許文献9においては、日本語漢字/ピンイン対応テーブルに、ピンインと日本語漢字とを対応付けて記憶しておき、例えば、日本語の「峠」を表示する際、「峠」の日本語読みを知らないユーザが、中国語の「山」のピンイン「shan」、または中国語の「上」のピンイン「shang」、または中国語の「下」のピンイン「xia」をキーボードから入力すると、日本語漢字/ピンイン対応テーブルから、「shan」に対応する漢字「山」「扇」…「峠」…が、また、「shang」に対応する漢字「上」「尚」…「峠」…、また、「xia」に対応する漢字「下」「夏」…「峠」…が抽出されて表示装置の画面上に表示される。ユーザは表示された各漢字から所望のものを選定することで、当該漢字を入力することができる。
【0007】
尚、この特許文献9では、ピンイン「shan」とピンイン「shang」およびピンイン「xia」を組み合わせてキーボードから入力することにより、それぞれのピンインに対応する漢字群同士で共通する漢字「峠」を表示することも記載されている。
【0008】
さらに、この特許文献9においては、日本語に特有の「カタカナ」や「ひらがな」等の「仮名」に関しては、仮名/ピンイン対応テーブルを設けており、「仮名」に対するピンイン「jiaming」を指示情報として入力することにより、「カタカナ」と「ひらがな」の一覧が表示され、ユーザは表示された「カタカナ」と「ひらがな」の一覧から所望のものを選定することで、当該の「カタカナ」もしくは「ひらがな」を入力することができる。
【0009】
しかし、これらの従来技術では、1文字毎の漢字を処理対象としている。すなわち、1つのピンインに対して複数の漢字候補が出力されるが、候補として出力される漢字自体は、1文字のみであり、例えば、人名や土地名、駅名など、複数の漢字からなる文言の入力時には、それぞれの漢字毎に、対応するピンインを入力する必要があり、操作効率が非常に悪い。
【0010】
特に、駅名「二ツ井」や土地名「くりこま高原」等のように、漢字のみではなくカタカナやひらがなを含む場合には、各カタカナやひらがな毎に、ピンイン「jiaming」といった比較的に長い文字列を入力しなければならず、さらに、操作効率が悪くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3773271号公報
【特許文献2】特許第3710157号公報
【特許文献3】特開2001−202364号公報
【特許文献4】特開平9−114815号公報
【特許文献5】特開平9−218868号公報
【特許文献6】特開2001−325251号公報
【特許文献7】特開2002−328761号公報
【特許文献8】特開平5−174002号公報
【特許文献9】特開2006−215692号公報
【特許文献10】特開2001−134557号公報
【特許文献11】特開2002−123507号公報
【特許文献12】特開2002−297577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
解決しようとする問題点は、従来の技術では、1つのピンインで候補として表示される複数の漢字のそれぞれは単一の漢字であり、例えば、人名や土地名、駅名など、複数の漢字からなる文言の入力に対する操作効率が悪い点である。特に、駅名「二ツ井」や土地名「くりこま高原」等のように、漢字のみではなくカタカナやひらがなを含む場合には、さらに、入力操作効率が悪くなる点である。
【0013】
本発明の目的は、これら従来技術の課題を解決し、日本語と中国語など、異なる言語体系の一方の言語体系の読みを入力することにより他方の言語体系の文字を出力する際の、ユーザの操作性・利便性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の文字変換装置は、2つの言語体系の一方の言語体系における読みの入力に応じて、当該読みに予め対応付けられた他方の言語体系の文字を出力するものであり、外部記憶装置において、予め、入力装置から入力された、一方の言語体系における読みと、当該読みに対応して表示する1以上の他方の言語体系の文字とを対応付けて登録したテーブル情報を記憶しておき、情報処理装置の変換処理機能により、入力装置から入力された一方の言語体系の読みに基づいてテーブル情報を検索し、この読みに対応する他方の言語体系の文字を全て抽出して出力すると共に、さらに、テーブル情報では、他方の言語体系の1以上の文字からなる文字例と、当該文字列に対応する1以上の一方の言語体系における読みとを対応付けて登録し、かつ、他方の言語体系の文字列で一方の言語体系における読みがない文字の当該文字列における箇所に対応付けて、この読みがない文字の数だけ、予め定められたキー情報を割り当てて登録し、情報処理装置の変換処理機能において、入力装置より入力されたキー情報を含む一方の言語体系の読みに基づいてテーブル情報を検索し、このキー情報を含む読みに対応する他方の言語体系の文字列を全て抽出し、例えば、表示装置の画面上等に出力する。尚、一方の言語体系として中国語の読み(ピンイン)を入力し、他方の言語体系として日本語の文字列を出力する。また、このような文字変換装置を、少なくとも出発駅と到着駅の入力欄を具備した操作画面を表示し、この操作画面における出発駅と到着駅のそれぞれの入力欄に入力された駅名間の移動に用いる輸送機関のダイヤ情報を抽出して表示するダイヤ情報表示システムに設けることを特徴とする。このダイヤ情報表示システムでは、出発駅および到着駅の入力欄に一方の言語体系における読みが入力されると、情報処理装置は、リストボックス表示機能により、当該入力欄からリストボックスを開き、このリストボックス内に、当該入力欄に入力された一方の言語体系における読みに対して文字変換装置が変換した全ての文字列としての駅名を表示すると共に、リストボックス内に表示した全ての駅名のいずれか1つが、入力装置を介して選択されると、入力特定機能により、この選択された駅名を当該入力欄における入力として特定し、ダイヤ情報抽出機能により、特定した出発駅および到着駅のそれぞれの入力欄における駅名間の移動に用いる輸送機関のダイヤ情報を抽出して、表示装置の画面上に表示する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、
1)日本語入力IMEおよび中国語IMEを使わずに、ピンインから日本語の駅名等を容易に入力することができる。
2)また、ひらがな、カタカナ、日本固有の漢字が含まれる駅名等も、ピンインから容易に入力することができる。
3)さらに、ひらがな、カタカナ、日本固有の漢字のみで構成される駅名等も、ピンインから容易に入力することができる。
4)また、複数のピンインが存在する同一の日本語漢字の駅名入力も容易にできる。
5)そして、今後、各電鉄等がひらがな、カタカナ、日本固有の漢字で構成される駅名等に中国語漢字の当て字を用いた際も、データのメンテナンスで容易に対応することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る文字入力処理システムのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る文字入力処理システムが具備する対応付けテーブルの構成例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る文字入力処理システムを適用した乗り物ダイヤ検索システムの操作画面例を示す説明図である。
【図4】図3の操作画面の吹き出し部における表示内容例を示す説明図である。
【図5】図1における文字入力処理システムの本発明に係る文字入力処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図を用いて本発明を実施するための形態例を説明する。図1においては、本発明に係る文字入力処理システムのハードウェア構成例を示しており、11はCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示装置、12はキーボードやマウス等からなる入力装置、13はHDD(Hard Disk Drive)等からなる外部記憶装置、14はCPU(Central Processing Unit)14aや主メモリ14b等を具備してコンピュータ処理を行なう情報処理装置、15は本発明に係るプログラムやデータを記録したCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)もしくはDVD(Digital Video Disc/Digital Versatile Disc)等からなる光ディスク、16は光ディスク15に記録されたプログラムおよびデータを読み出すための駆動装置、17はLAN(Local Area Network)カードやモデム等からなる通信装置である。
【0018】
光ディスク15に格納されたプログラムおよびデータを情報処理装置14により駆動装置16を介して外部記憶装置13内にインストールした後、外部記憶装置13から主メモリ14bに読み込みCPU14aで処理することにより、本発明に係る処理、すなわち、入力装置12から2つの言語体系の一方の言語体系における複数の読みの組み合わせを入力すると、情報処理装置14は、入力された複数の読みの組み合わせに対応する他方の言語体系である文字列を出力する処理を実行する。
【0019】
本例では、2つの言語体系として日本語と中国語を例にして説明する。すなわち、本例では、一方の言語体系としての中国語における複数の読み「ピンイン」の組を入力すると、情報処理装置14は、予め外部記憶装置13に記憶された例えば図2に示す対応付けテーブルを参照して、入力された読み「ピンイン」の組に対応する他方の言語体系である日本語の文字例を抽出して、表示装置11の画面上に表示出力する。
【0020】
例えば、入力装置12から「ピンイン」で「dong」と「jing」の組からなる「dongjing」を入力すると、情報処理装置14は、図2の対応付けテーブルを参照して、日本語地名「東京」を抽出し、同様に、「ピンイン」で「xian」と「tai」の組からなる「xiantai」を入力すると、日本語地名「仙台」を抽出する。
【0021】
特に、本例では、図2の対応付けテーブルにおいて示すように、中国語にない日本語独特の文字である「カタカナ」や「ひらがな」等の「仮名」を含む文字列に関しては、当該文字列における当該「仮名」に対応する箇所に、「?」を、当該「仮名」と同じ数だけ付与して登録しており、例えば、入力装置12から「ピンイン」で「????gaoyuan」と入力すると、情報処理装置14は、対応付けて登録されている「くりこま高原」を抽出する。
【0022】
同様に、入力装置12からの「er?jing」の入力に応じて情報処理装置14は「二ツ井」を抽出し、また、「xingchuan」の入力に応じて「行川アイランド」を抽出する。
【0023】
尚、図2に示す対応付けテーブルにおいては、日本語地名「京都」に対して「jingdoou」と「jingdu」、「大阪」に対して「daban」と「daiban」、「広島」に対して「andao」と「guangdao」など、同一の日本語地名に複数のピンインの組を対応付けて登録している。これにより、同一漢字で複数のピンインの組が存在する場合に対応することができる。
【0024】
図3と図4においては、本例の文字入力処理システムを、乗り物ダイヤ検索システムに適用した際の、当該乗り物ダイヤ検索システムにおける操作画面例を示している。
【0025】
図3においては、操作者(ユーザ)が入力装置12を介して出発駅の入力欄に、ピンインで「be」まで入力した時点で、この「be」で一部対応付けられた漢字部分を含む各駅名「北上」「備中高梁」「北見」「本庄」「北浦和」「本郷台」「北鎌倉」「北赤羽」がリスアップ表示されている。
【0026】
さらに、その吹き出しにおいては、図4に示すガイダンスが表示される。図4においては、「ガイダンス内容」において中国語によるガイダンスが表示される。尚、図4においては、その「日本語訳」も示している。
【0027】
図3におけるピンイン「be」の入力に対する各駅名のリストアップ処理は、情報処理装置14が、図2の対応付けテーブルを参照して行うことでも良いし、図2の対応付けテーブル以外の、他の対応付けテーブルを設けて、情報処理装置14が参照することで実行しても良い。
【0028】
図4の「ガイダンス内容」および「日本語訳」において示すように、ピンイン(Pin Yin)にて日本語の例えば地名を入力する際に、日本語固有の文字に対しては「?」で入力し、日本固有の文字のみで構成される地名は、「?」の後に「/」を入力するようにしている。
【0029】
このような構成において、本例の文字変換装置は、プログラムされたコンピュータ処理により、2つの言語体系の一方の言語体系における読みの入力に応じて、当該読みに予め対応付けられた他方の言語体系の文字を出力する。
【0030】
以下、その動作を、上述のように、一方の言語体系を中国語で、他方の言語体系を日本語とした例を説明する。
【0031】
情報処理装置14は、プログラムされたコンピュータ処理を実行する機能として、記憶処理機能と変換処理機能とを有し、記憶処理機能により、予め、入力装置12から入力された、一方の言語体系である中国語における読みとしてのピンインと、当該読み(ピンイン)に対応して表示する1以上の日本語の文字を対応付けて登録したテーブル情報を外部記憶装置13に格納する。
【0032】
そして、変換処理機能により、入力装置12から入力されたピンインに基づいてテーブル情報を検索し、入力されたピンインに対応する日本語の文字を全て抽出して出力する。
【0033】
さらに、テーブル情報においては、日本語文字からなる文字例と、当該文字列に対応する1以上のピンインとを対応付けて登録し、かつ、日本語の文字列中で、ピンインがない文字の当該文字列における箇所に対応付けて、ピンインがない文字の数だけ、予め定められたキー情報、例えば、「?」を割り当てて登録する。
【0034】
そして、変換処理機能により、入力装置12から入力されたキー情報(「?」)を含むピンインに基づいてテーブル情報を検索し、このキー情報(「?」)を含むピンインに対応する日本語の文字列を全て抽出して出力する。
【0035】
次に、このような本例の文字変換装置を、少なくとも出発駅と到着駅の入力欄を具備した操作画面を表示装置に表示し、出発駅と到着駅の各々の入力欄に入力された駅名間の移動に用いる輸送機関のダイヤ情報を抽出して表示するダイヤ情報表示システムに設ける構成について説明する。
【0036】
このダイヤ情報表示システムに関しても、図1に示すハードウェア構成のコンピュータ構成とし、外部記憶装置13に、本例の文字変換装置に、記憶処理機能と変換処理機能としての処理を実行させるためのプログラムと共に、出発駅と到着駅の入力欄に入力された駅名間の移動に用いる輸送機関のダイヤ情報を抽出して表示するダイヤ情報表示システムにおける各機能(リストボックス表示機能、入力特定機能、ダイヤ情報抽出処理機能、吹き出しガイダンス表示機能)による処理を実行させるプログラムを格納し、これらのプログラムを情報処理装置14において実行する構成としている。
【0037】
このような構成により、本例のダイヤ情報表示システムでは、情報処理装置14により、表示装置11の画面上に、図3に示すレイアウトの操作画面を表示し、操作者(ユーザ)が入力装置12を操作して、図3における出発駅および到着駅の入力欄に一方の言語体系における読み(図3では、ピンイン「be」)が入力されると、情報処理装置14におけるリストボックス表示機能が、当該入力欄からリストボックスを開き、このリストボックス内に、当該入力欄に入力された一方の言語体系における読み(ピンイン)に対して文字変換装置が変換した全ての文字列としての駅名をリストボックス内に表示する。図3では、「北上」「備中高梁」「北見」「本庄」「北浦和」「本郷台」「北鎌倉」「北赤羽」の各駅名が表示されている。
【0038】
そして、リストボックス内に表示した全ての駅名のいずれか1つが、入力装置12を介して選択されると、情報処理装置14は、入力特定機能により、選択された当該駅名を出発駅および到着駅の当該入力欄における入力として特定し、ダイヤ情報抽出処理機能により、特定した入力欄における駅名間の移動に用いる輸送機関のダイヤ情報を抽出して表示装置11を介して図3における操作画面上に表示する。
【0039】
また、ダイヤ情報表示システムにおいては、入力装置12を介してのユーザの操作に応じて、出発駅および到着駅の入力欄にカーソルが移動すると、情報処理装置14は、吹き出しガイダンス表示機能により、予め外部記憶装置13に記憶された、一方の言語体系の読み(ピンイン)の入力操作の案内情報を含む吹き出しボックスを読み出して、図3における「検索条件入力」部分に表示し、操作者(ユーザ)に、中国語の読み(ピンイン)の分からない箇所には記号「?」を当該箇所の位置に、当該箇所の数だけ入力するように案内する。この吹き出しボックスにおける中国語による案内文とその日本語の訳を図5に示す。
【0040】
次に、図5を用いて、図1のコンピュータ構成からなる文字変換装置およびそれを用いたダイヤ情報表示システムの処理動作を説明する。
【0041】
図1のコンピュータ構成からなるダイヤ情報表示システムにおける文字変換装置の機能は、2つの言語体系の一方の言語体系における読みの入力に応じて、当該読みに予め対応付けられた他方の言語体系の文字を出力するものであり、外部記憶装置13において、予め、入力装置12から入力された、2つの言語体系の一方の言語体系における読みとしてのピンインと、当該読み(ピンイン)に対応して表示する1以上の他方の言語体系の文字列としての日本語の駅名を対応付けて登録したテーブル情報を記憶しておく(ステップS501)。
【0042】
尚、このテーブル情報においては、図2に示すように、日本語の駅名でピンインが対応していない文字の当該駅名における箇所に対応付けて、このピンインがない文字の数だけ、予め定められたキー情報として「?」を割り当てて登録している。
【0043】
そして、情報処理装置14は、図3に示す操作画面を表示装置11の画面上に表示する(ステップS502)。この操作画面において、操作者(ユーザ)が、入力装置12により移動されたカーソルが、図3に示す操作画面における出発駅と到着駅の各々の入力欄に移動されると(ステップS503)、吹き出しガイダンス表示機能により、図3に示すようにして、キー情報「?」を含むピンインの入力操作を説明するガイダンスを、吹き出しボックス内に表示する(ステップS504)。
【0044】
そして、操作画面の出発駅および到着駅の入力欄に、操作者(ユーザ)が入力装置12の操作により任意のピンイン(中国語の読み)を入力すると(ステップS505)、情報処理装置14は、変換処理機能により、入力したピンインに基づいてテーブル情報を検索して、このピンインに対応する日本語の駅名を全て抽出し(ステップS506)、抽出した全ての駅名を、リストボックス表示機能により、表示装置11に、図3に示すようにして操作画面のリストボックス内に表示出力する(ステップS507)。
【0045】
この際、情報処理装置14は、変換処理機能により、キー情報「?」が含まれたピンインに関しても、テーブル情報を検索し、このキー情報を含むピンインに対応する日本語の駅名を全て抽出して、リストボックス表示機能により、表示装置11の画面上に、図3に示すようにしてリストボックス内に表示出力する。
【0046】
さらに、利用者が、表示装置11の画面上に表示された図3に示す操作画面において、入力装置12を操作して、リストボックス内に表示した全ての日本語駅名のいずれか1つを選択すると(ステップS508)、情報処理装置14は、入力特定機能により、選択された日本語駅名を当該入力欄における入力として特定し(ステップS509)、ダイヤ情報抽出機能により、特定した出発駅と到着駅の各々の入力欄における日本語駅名間の移動に用いる輸送機関のダイヤ情報を抽出して図3に示す操作画面上で表示する(ステップS510)。
【0047】
以上、図1〜図5を用いて説明したように、本例の文字変換装置は、2つの言語体系の一方の言語体系における読みの入力に応じて、当該読みに予め対応付けられた他方の言語体系の文字を出力するものであり、外部記憶装置13において、予め、入力装置12から入力された、一方の言語体系における読みと、当該読みに対応して表示する1以上の他方の言語体系の文字とを対応付けて登録したテーブル情報を記憶しておき、情報処理装置14の変換処理機能により、入力装置12から入力された一方の言語体系の読みに基づいてテーブル情報を検索し、この読みに対応する他方の言語体系の文字を全て抽出して出力する。さらに、テーブル情報では、他方の言語体系の1以上の文字からなる文字例と、当該文字列に対応する1以上の一方の言語体系における読みとを対応付けて登録し、かつ、他方の言語体系の文字列で一方の言語体系における読みがない文字の当該文字列における箇所に対応付けて、この読みがない文字の数だけ、予め定められたキー情報を割り当てて登録し、情報処理装置14の変換処理機能において、入力装置12より入力されたキー情報を含む一方の言語体系の読みに基づいてテーブル情報を検索し、このキー情報を含む読みに対応する他方の言語体系の文字列を全て抽出し、例えば、表示装置11の画面上等に出力する。
【0048】
尚、一方の言語体系として中国語の読み(ピンイン)を入力し、他方の言語体系として日本語の文字列を出力する。
【0049】
このような本例の文字変換装置を、少なくとも出発駅と到着駅の入力欄を具備した操作画面を表示し、この操作画面における出発駅と到着駅のそれぞれの入力欄に入力された駅名間の移動に用いる輸送機関のダイヤ情報を抽出して表示するダイヤ情報表示システムに設けることができる。
【0050】
このダイヤ情報表示システムでは、出発駅および到着駅の入力欄に一方の言語体系における読みが入力されると、情報処理装置14は、リストボックス表示機能により、当該入力欄からリストボックスを開き、このリストボックス内に、当該入力欄に入力された一方の言語体系における読みに対して文字変換装置が変換した全ての文字列としての駅名を表示すると共に、リストボックス内に表示した全ての駅名のいずれか1つが、入力装置12を介して選択されると、入力特定機能により、この選択された駅名を当該入力欄における入力として特定し、ダイヤ情報抽出機能により、特定した出発駅および到着駅のそれぞれの入力欄における駅名間の移動に用いる輸送機関のダイヤ情報を抽出して、表示装置11の画面上に表示する。
【0051】
尚、利用者(ユーザ)の入力装置12の操作により、出発駅および到着駅の入力欄にカーソルが移動すると、情報処理装置14は、吹き出しボックス表示機能により、予め外部記憶装置13に記憶された、一方の言語体系の読みの入力操作の案内情報を含む吹き出しボックスを、図3における操作画面上に表示し、操作者(ユーザ)に、中国語の読み(ピンイン)の分からない箇所には例えば記号「?」等のキー情報を当該箇所の位置に、当該箇所の数だけ入力するように案内する。
【0052】
このようにすることにより、本例によれば、
1)日本語入力IMEおよび中国語IMEを使わずに、ピンインから日本語の駅名等を容易に入力することができる。
2)また、ひらがな、カタカナ、日本固有の漢字が含まれる駅名等も、ピンインから容易に入力することができる。
3)さらに、ひらがな、カタカナ、日本固有の漢字のみで構成される駅名等も、ピンインから容易に入力することができる。
4)また、複数のピンインが存在する同一の日本語漢字の駅名入力も容易にできる。
5)そして、今後、各電鉄等がひらがな、カタカナ、日本固有の漢字で構成される駅名等に中国語漢字の当て字を用いた際も、データのメンテナンスで容易に対応することが可能である。
【0053】
尚、本発明は、図1〜図5を用いて説明した例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、本例の文字変換装置の適用例としてダイヤ情報表示システムを用いて説明したが、地図検索システムにおける地名の入力操作や、ブラウザで表示する情報検索サイトシステムにおけるキーワード入力操作等に適用することができる。
【0054】
また、本例では、2つの言語体系の一方の言語体系における読みとして、中国語のピンインを、他方の言語体系の文字として日本語(漢字、ひらがな、カタカナ)を例にして説明したが、本発明は、他の言語の組に関しても適用することができる。
【0055】
また、図1に示した本例のコンピュータの構成例に関しても、キーボードや光ディスクの駆動装置の無いコンピュータ構成としても良い。また、本例では、光ディスクを記録媒体として用いているが、FD(Flexible Disk)等を記録媒体として用いることでも良い。また、プログラムのインストールに関しても、通信装置を介してネットワーク経由でプログラムをダウンロードしてインストールすることでも良い。
【符号の説明】
【0056】
11:表示装置、12:入力装置、13:外部記憶装置、14:情報処理装置、14a:CPU、14b:主メモリ、15:光ディスク、16:駆動装置、17:通信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムされたコンピュータ処理により、2つの言語体系の一方の言語体系における読みの入力に応じて、当該読みに予め対応付けられた他方の言語体系の文字を出力する文字変換装置であって、
プログラムされたコンピュータ処理を実行する手段として、
予め入力装置から入力された、上記一方の言語体系における読みと当該読みに対応して表示する1以上の上記他方の言語体系の文字とを対応付けて登録したテーブル情報を記憶装置に記憶する記憶処理手段と、
入力装置より入力された上記一方の言語体系の読みに基づいて上記テーブル情報を検索し、該読みに対応する他方の言語体系の文字を全て抽出して出力する変換処理手段とを有し、
上記テーブル情報では、
上記他方の言語体系の1以上の文字からなる文字例と、当該文字列に対応する1以上の上記一方の言語体系における読みとを対応付けて登録し、
かつ、
上記他方の言語体系の文字列で上記一方の言語体系における読みがない文字の当該文字列における箇所に対応付けて、該読みがない文字の数だけ、予め定められたキー情報を割り当てて登録し、
上記変換処理手段は、
入力装置より入力された上記キー情報を含む上記一方の言語体系の読みに基づいて上記テーブル情報を検索し、該キー情報を含む読みに対応する他方の言語体系の文字列を全て抽出して出力する
ことを特徴とする文字変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の文字変換装置であって、
上記一方の言語体系は中国語で、上記他方の言語体系は日本語であることを特徴とする文字変換装置。
【請求項3】
少なくとも出発駅と到着駅の入力欄を具備した操作画面を表示装置に表示し、上記出発駅と上記到着駅の入力欄に入力装置を介して入力された駅名間の移動に用いる輸送機関のダイヤ情報を抽出して上記操作画面に表示するダイヤ情報表示システムであって、
請求項1もしくは請求項2のいずれかに記載の文字変換装置と、
上記出発駅および上記到着駅の入力欄に2つの言語体系の一方の言語体系における読みが入力されると、当該入力欄からリストボックスを開き、該リストボックス内に、当該入力欄に入力された上記一方の言語体系における読みに対して上記文字変換装置が変換した全ての文字列からなる駅名をリストボックス内に表示するリストボックス表示手段と、
該リストボックス表示手段が表示した全ての駅名のいずれか1つ、入力装置を介して選択された駅名を当該入力欄における入力として特定する入力特定手段と、
該入力特定手段が特定した出発駅および上記到着駅の各々の入力欄における駅名間の移動に用いる輸送機関のダイヤ情報を抽出して上記操作画面に表示するダイヤ情報抽出処理手段と
を有することを特徴とするダイヤ情報表示システム。
【請求項4】
請求項3に記載のダイヤ情報表示システムであって、
上記出発駅および上記到着駅の入力欄にカーソルが移動すると、予め記憶装置に記憶された、上記一方の言語体系の読みの入力操作の案内情報を含む吹き出しボックスを表示する吹き出しガイダンス表示手段を有することを特徴とするダイヤ情報表示システム。
【請求項5】
プログラムされたコンピュータ処理により、2つの言語体系の一方の言語体系における読みの入力に応じて、当該読みに予め対応付けられた他方の言語体系の文字を出力するシステムの文字変換方法であって、
プログラムされたコンピュータ処理を実行する手段として、記憶処理手段と変換処理手段とを有し、
上記記憶処理手段は、予め、入力装置から入力された、上記一方の言語体系における読みと、当該読みに対応して表示する1以上の上記他方の言語体系の文字とを対応付けて登録したテーブル情報を記憶装置に記憶する手順を実行し、
上記変換処理手段は、入力装置より入力された上記一方の言語体系の読みに基づいて上記テーブル情報を検索し、該読みに対応する他方の言語体系の文字を全て抽出して出力する手順と実行し、
上記テーブル情報では、
上記他方の言語体系の1以上の文字からなる文字例と、当該文字列に対応する1以上の上記一方の言語体系における読みとを対応付けて登録し、
かつ、
上記他方の言語体系の文字列で上記一方の言語体系における読みがない文字の当該文字列における箇所に対応付けて、該読みがない文字の数だけ、予め定められたキー情報を割り当てて登録し、
上記変換処理手段は、
入力装置より入力された上記キー情報を含む上記一方の言語体系の読みに基づいて上記テーブル情報を検索し、該キー情報を含む読みに対応する他方の言語体系の文字列を全て抽出して出力する手順を実行する
ことを特徴とする文字変換方法。
【請求項6】
請求項5に記載の文字変換方法であって、
上記一方の言語体系は中国語で、上記他方の言語体系は日本語であることを特徴とする文字変換方法。
【請求項7】
少なくとも出発駅と到着駅の入力欄を具備した操作画面を表示装置に表示し、上記出発駅と上記到着駅の入力欄に入力装置を介して入力された駅名間の移動に用いる輸送機関のダイヤ情報を抽出して上記操作画面に表示するシステムのダイヤ情報表示方法であって、
プログラムされたコンピュータ処理を実行する手段として、
請求項5もしくは請求項6のいずれかに記載の文字変換方法における記憶処理手段と変換処理手段、および、リストボックス表示手段と入力特定手段、ダイヤ情報抽出処理手段を有し、
上記リストボックス表示手段は、
上記出発駅および上記到着駅の入力欄に2つの言語体系の一方の言語体系における読みが入力されると、当該入力欄からリストボックスを開き、該リストボックス内に、当該入力欄に入力された上記一方の言語体系における読みに対して上記変換処理手段が変換した全ての駅名をリストボックス内に表示する手順を実行し、
上記入力特定手段は、
上記リストボックス表示手段が表示した全ての駅名のいずれか1つ、入力装置を介して選択された駅名を当該入力欄における入力として特定する手順を実行し、
上記ダイヤ情報抽出処理手段は、
上記入力特定手段が特定した上記出発駅および上記到着駅の各々の入力欄における駅名間の移動に用いる輸送機関のダイヤ情報を抽出して上記操作画面に表示する手順を実行する
ことを特徴とするダイヤ情報表示方法。
【請求項8】
請求項7に記載のダイヤ情報表示方法であって、
プログラムされたコンピュータ処理を実行する手段として、吹き出しガイダンス表示手段を具備し、
該吹き出しガイダンス表示手段は、
上記出発駅および上記到着駅の各々の入力欄にカーソルが移動すると、予め記憶装置に記憶された、上記一方の言語体系の読みの入力操作の案内情報を含む吹き出しボックスを表示する手順を実行することを特徴とするダイヤ情報表示方法。
【請求項9】
コンピュータに、請求項3もしくは請求項4のいずれかに記載の文字変換方法における各手順を実行させるプログラム。
【請求項10】
コンピュータに、請求項7もしくは請求項8のいずれかに記載のダイヤ情報表示方法における各手順を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−70269(P2011−70269A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218793(P2009−218793)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【Fターム(参考)】