文書管理システム、検索指定方法、プログラム
【課題】 属性検索の際にユーザによる検索条件入力における負荷が減少するとともに、文字列入力ミスを低減させることが可能な文書管理システムを提供する。
【解決手段】 属性名と前記属性名に対応する属性値とが属性として設定されている複数の文書を管理する文書管理システムであって、文書に設定されている属性名と属性値とを表示するプロパティーペイン404、検索ペイン501を介した操作に応じて、少なくとも検索条件式の設定し、検索ペイン501の表示が指示されたことに応じて、検索ペイン501を表示し、プロパティーペイン404に表示された少なくとも一つの属性値を選択するUI部302を有し、UI部302は、属性値が選択された状態で、検索ペイン501の表示が指示された場合に、選択された属性値及び該属性値に対応する属性名が指定された検索条件式の設定された検索ペイン501を表示する。
【解決手段】 属性名と前記属性名に対応する属性値とが属性として設定されている複数の文書を管理する文書管理システムであって、文書に設定されている属性名と属性値とを表示するプロパティーペイン404、検索ペイン501を介した操作に応じて、少なくとも検索条件式の設定し、検索ペイン501の表示が指示されたことに応じて、検索ペイン501を表示し、プロパティーペイン404に表示された少なくとも一つの属性値を選択するUI部302を有し、UI部302は、属性値が選択された状態で、検索ペイン501の表示が指示された場合に、選択された属性値及び該属性値に対応する属性名が指定された検索条件式の設定された検索ペイン501を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、属性検索と呼ばれる、文書の属性を対象とした検索が可能な文書管理システム、検索指定方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文書管理システムで管理される文書群を検索する手段として、全文検索と属性検索という2つの検索方法が用いられてきた。全文検索とは、主として文書管理システムが管理する文書のテキストの内容を検索対象とする検索方法であり、文書のテキスト部に含まれる文字列を一つ以上、検索キーワードとして指定して検索を行うものである。全文検索では、検索キーワードとして指定された一つ以上の文字列が文書のテキスト部に含まれていれば、その文書が検索でヒットする。検索でヒットするというのは、すなわち、検索の実行により、条件に一致する文書が一つ以上発見されることを言う。先に述べたもう一方の属性検索とは、プロパティー、インデックス、属性などのように呼称されるメタデータを文書管理システムであらかじめ定義しておき、文書毎に設定された一つ以上のメタデータに対する値を検索対象とする検索方法である。本書では、前記メタデータのことを属性と呼び、前記メタデータに対する値のことを属性値と呼ぶことにする。
【0003】
文書に設定する属性として、文書名、作成日時、ファイルサイズ、作成者、コメントなどがある。そして、それらの属性に対して、「A社見積書.doc」、「2009/12/10」、「2456」、「Momotaro Miyamoto」、「重要!」のような属性値が設定される。属性値は、文書管理システムによって自動的に付与されるものと、文書管理システムを利用するユーザが付与するものの二種類が存在する。例えば、文書名、作成日時、ファイルサイズ、作成者のような属性は、文書が文書管理システムに格納される際に、設定されるものであり、コメントのような属性は、文書管理システムに格納された文書に対して、任意にユーザが付け替えたりするものである。いずれの種類の属性にしろ、文書管理システムは、文書に設定された属性を参照する役割と、文書の属性の設定をユーザに変更させる役割とを合わせ持つプロパティー画面を提供することにより、それらの属性にユーザがアクセス可能としている。また、文書管理システムは、属性検索を行う検索画面を提供することにより、一つ以上の検索条件式を指定させて、検索を行わせるような仕組みを取っている。
【0004】
検索条件式のパラメータとして指定させるものは、「文書名」、「作成日時」、「ファイルサイズ」、「作成者」、「コメント」のような属性名と、その属性に対する属性値のペアである。加えて、部分一致、完全一致、前方一致のような一致条件をパラメータとして指定させるのも一般的である。すなわち、属性検索における一つの検索条件式は、属性名、一致条件、属性値の3つのパラメータで構成される場合が多い。また、複数の検索条件式を指定する際には、それらの条件式をどのような論理演算子で繋いで一つの検索条件式とするかを検索画面で指定させるようになっている場合も多い。論理演算子としては、主にAND演算子とOR演算子の2つが利用されている。AND演算子は、繋いだ検索条件式のすべてに合致する文書の検索に用い、OR演算子は、繋いだ検索条件式のいずれか一つに合致する文書の検索に用いる。属性検索では、これらのパラメータを組み合わせて、複雑な検索式を構成させることも可能になっており、ユーザが検索条件で対象文書を絞り込むことにより、多量の文書の中から目的の文書を探し当てることを助けている。
【0005】
このような属性検索の検索式を指定する際、ユーザは、検索条件式の属性名パラメータを文書管理システムが検索画面で提供するリストから一つ選択し、その選択した属性に対する属性値をフリーキーワードとして入力する。そのため、入力する属性値の文字列が長い場合、入力ミスが発生する場合がある。入力ミスが発生した場合、ユーザが意図しない不正な検索式が構成されるため、検索を実行しても、目的の文書にヒットしない結果となってしまう。そのため、ユーザが検索式を構成する属性値の文字列を入力することを手助けする手段が必要となってくる。そのための手段として、特許文献1のような技術がある。
【0006】
特許文献1の先行技術によれば、表示手段に表示された文字列を指定した後に検索の指示がなされた場合、その指定された文字列を検索対象として検索が実行される。そのため、ユーザは、表示手段に表示された文字列の中に検索したいキーワードが見つかった場合、それをカーソルキーなどで選択した後、検索の実行を行えばよいので、文字列をキーボード等の入力手段によって新たに入力する必要がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平03−051958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の先行技術を属性検索に適用した場合、属性値の文字列の入力を入力ミスが発生しないよう手助けすることはできても、それに対応する属性名が何かを選択する必要があるため、ユーザの入力の手間は残っている。
【0009】
本発明は、上記の課題を鑑み、属性検索の際にユーザによる検索条件入力における負荷が減少するとともに、文字列入力ミスを低減させることが可能な文書管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の文書管理システムは、属性名と前記属性名に対応する属性値とが属性として設定されている複数の文書を管理する文書管理システムであって、前記文書に設定されている前記属性名と前記属性値とを表示する属性表示手段と、検索画面を介した操作に応じて、少なくとも前記属性名及び前記属性値を含む属性検索の検索条件式の設定する設定手段と、前記検索画面の表示が指示されたことに応じて、前記検索画面を表示する検索画面表示手段と、前記属性表示手段により表示された少なくとも一つの前記属性値を選択する選択手段とを有し、前記検索画面表示手段は、前記選択手段により前記属性値が選択された状態で、前記検索画面の表示が指示された場合に、前記選択手段により選択された属性値及び該属性値に対応する属性名が指定された検索条件式の設定された検索画面を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザによる、属性検索の際にユーザによる検索条件入力における負荷が減少するとともに、文字列入力ミスを低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】システム構成を説明する概略図である。
【図2】典型的な汎用コンピュータモジュールの構成を説明するブロック図である。
【図3】文書管理クライアントのアプリケーションのソフトウエア構成を説明するブロック図である。
【図4】アプリケーションのユーザインタフェースの一例である。
【図5】アプリケーションのメインウインドウで検索ペインの表示・非表示を切り替えるボタンが押下された際のユーザインタフェースの一例である。
【図6】プロパティーペインで一つの属性の項目値の文字列が選択された状態の例である。
【図7】検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。
【図8】図6の例に、図7のフローチャートの動作を適用した結果の一例である。
【図9】プロパティーペインで複数の属性の項目値の文字列が選択された状態の一例である。
【図10】プロパティーペインで複数の項目値の文字列が選択状態の際に、検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。
【図11】図9の例に、図10のフローチャートの動作を適用した結果の一例である。
【図12】プロパティーペインで項目値の文字列が選択状態の際に、検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。
【図13】プロパティーペインにおいて項目値の文字列が選択された状態で、検索ペインで属性項目の設定が変更された際のフローチャートである。
【図14】検索ペインに有効な検索条件式が既に存在する状態、かつ、プロパティーペインにおいて項目値の文字列が選択された状態で、検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施例のシステム構成を説明する概略図である。図1において、105は、インターネットやイントラネットなどのネットワークであり、101〜102などのネットワーク対応機器が接続される。101は、文書管理サーバーであり、文書保存、検索など一般的な文書管理サービスを提供する。102は、クライアントPC(クライアントコンピュータ)であり、図示しないが、ネットワーク105に複数接続される。クライアントPC102では、文書管理サーバーが提供する文書管理サービスを利用する文書管理クライアントが動作している。文書管理クライアントは、Microsoft Windows(登録商標)やLinuxなどの各種オペレーティングシステム上で動作するアプリケーションであるが、Webブラウザ上で動作するアプリケーションであってもよい。尚、ネットワーク105がインターネットとした場合、文書管理サーバー101は、クラウドサービスとして存在してもよい。その場合、プロキシーサーバー、Webサーバーなどをシステム構成に追加する必要があるが、一般的なクラウドサービス構成の話であるため、詳細に関しては省略する。
【0015】
図2は本発明の実施例の典型的な汎用コンピュータモジュール200の構成を説明するブロック図である。文書管理サーバー101、クライアントPC102は、典型的な汎用コンピュータモジュールである。
【0016】
汎用コンピュータモジュール200には、キーボード204やマウス205のようなポインティングデバイスなどの入力装置、ディスプレイ装置213などの出力装置が接続される。210はネットワークコントローラ(NC)であり、所定のネットワークインタフェース211を介してネットワーク105に接続され、他のネットワーク機器との通信制御処理を実行する。201はCPUであり、少なくとも1つのプロセッサで構成される。202はメモリであり、RAMやROMから構成される。212はビデオインタフェースであり、ディスプレイ装置213に画像を出力する。
【0017】
203はI/Oインターフェースであり、キーボード204やマウス205からの操作による入力を受け取る。208は記憶装置であり、典型的にハードディスクドライブ(HDD)209を含んでいる。図示されないシリコンドライブが含まれることもある。206は、CD−ROMドライブであり、不揮発性のデータソースとして用いられる。207は、相互接続バスであり、CPU201により、汎用コンピュータモジュール200で動作するMicrosoft Windows(登録商標)やLinuxなどのオペレーティングシステムに従う形で各ブロック間の通信を仲介する。
【0018】
尚、実施例中の文書管理サーバー101およびクライアントPC102のフローチャートで示される各種制御プログラムは、それぞれのメモリ202、記憶装置208のいずれかの記憶手段に記憶され、それぞれのCPU201により実行される。また、文書管理サーバー101は、文書管理用のデータベースを有するが、そのデータベースも記憶装置208上に構築される。
【0019】
図3は、文書管理クライアントのアプリケーションのソフトウエア構成を説明するブロック図である。アプリケーション301は、各種の機能を実行するためのユーザインタフェースを備え、ディスプレイ装置213の画面上でユーザからの要求をキーボード204やマウス205により受け付けて、各機能処理を実行する。
302〜303は、アプリケーションを構成するコンポーネントを示している。
302はアプリケーションUI部(以下UI部と記載する)であり、図4で示すユーザインタフェースの構築や、ユーザからの各種入力操作の受け付けおよび入力操作による処理結果の表示を行う。
303は、ライブラリー管理部であり、アプリケーション301で利用するライブラリーを管理し、ライブラリーへの文書の格納や、ライブラリー内文書の閲覧、更新、属性変更、検索などの各種文書操作を実行する。ここで言うライブラリーとは、文書管理を行うための保存単位のことであり、文書データと、文書属性などの文書管理用のデータを保存する。アプリケーション301で利用するライブラリーには、データの保存場所により、2種類の形態が存在する。
【0020】
1つ目は、ローカルのハードディスク209にデータ保存領域を作成し、アプリケーション301自体が管理するローカルライブラリーの形態である。この形態では、文書管理サーバー101を必要とせず、文書管理クライアント102のみでシステムを構成することが可能である。
【0021】
2つ目は、文書管理サーバー101が提供する文書管理サービスに文書管理を委任する共有ライブラリーの形態である。この形態では、ライブラリー管理部303は、UI部302から受け取った文書操作の要求を文書管理サーバー101に渡し、その結果を文書管理サーバーから受け取って、UI部302に渡す。この2つ目の形態では、ライブラリー管理部303が文書管理サーバー101の文書管理サービスとのデータの仲介を行うだけの簡素な構成で済むため、文書管理クライアントがWebブラウザ上で動作する構成の場合には、好適な形態となる。
305は、ライブラリー管理部303が記憶装置208に構築したローカルライブラリー、または、共有ライブラリーが提供する文書管理サーバーに接続するためのインターフェースを示す。
【0022】
図4は、アプリケーションのユーザインタフェースの一例を示している。400はメインウインドウを示している。
【0023】
401は、ナビゲーションペインである。ナビゲーションペイン401には、アプリケーションで登録したライブラリーとライブラリー下に配置されるフォルダーが表示される。ナビゲーションペインで、ライブラリー、または、ライブラリー下に配置されるフォルダーを選択することで、現在の場所を移動することができる。図では、ライブラリー411〜413とフォルダー414〜415が表示されており、フォルダー414が現在の場所として選択されている。
【0024】
402は、ナビゲーションペインで選択している場所に格納されている文書やフォルダーを表示するファイルリストペインである。図では、5つの文書がリストされており、一つの文書が選択枠403で囲まれている。選択枠403は、文書を選択している旨を表現する。ファイルリストペイン402は、後述する検索ボタン512の押下により検索が実行された際、ナビゲーションペインで選択している場所に格納されている文書やフォルダーの表示に替え、検索結果を表示する役割を合わせ持つ。検索結果とは、検索条件に合致した文書やフォルダーの一覧である。
【0025】
404は、ファイルリストペイン402で選択されている文書の属性を表示するプロパティーペイン(文書一覧画面)である。属性は、項目(ex 名前、日付、サイズ・・)と、各項目に対する値(ex 5月10日、500バイト)から成る設定値である。405は「作成者」という項目に対して、「Momotaro Miyamoto」という値が設定されている例を示している。また、406は「コメント」という項目に対して、「重要!」という値が設定されている例を示している。設定可能な項目は、ライブラリー毎に定義されており、ライブラリーの機能によって可変である。例えば、前述したローカルライブラリーであれば、オペレーティングシステムのファイルシステムで設定可能な属性と同じ項目が設定可能である。また、前述した共有ライブラリーであれば、文書管理サーバー101側の設定で任意にカスタマイズされた属性と同じ項目が設定可能となる。前述したライブラリー管理部303は、ライブラリーの能力として属性の項目を管理し、ライブラリーに応じて属性の項目、値の情報を取得し、UI部302に渡す役割を担っている。
【0026】
尚、本実施例での属性の項目または属性項目とは、属性名のことを指し、属性の項目の値または属性の項目値とは、属性値のことを指す。
【0027】
416は、プロパティーペイン(属性表示画面)で表示されている属性の項目値を編集可能にするボタンである。このボタンを押下して、編集状態にしない限り、プロパティーペインで属性の項目値を変更することはできない。407はペインの表示・非表示を切り替えるパネルであり、プロパティーペイン404の表示・非表示を切り替えるボタン408、後述する検索ペイン(検索画面)の表示・非表示を切り替えるボタン409を備える。
【0028】
プロパティーペイン404と検索ペイン501は、メインウインドウ400上で排他の関係となっており、同時に表示されることはない。そのため、プロパティーペイン404の表示・非表示を切り替えるボタン408が押下された状態になっている時、検索ペインの表示・非表示を切り替えるボタン409は、非押下状態となる。逆の場合も、同様である。このような構成にすることにより、文書操作を行う際にはプロパティーペイン404を表示しておき、検索を行う時のみ検索ペインを表示する(検索画面表示)ことで、ユーザは文書表示領域を広く取ることができるようになる。しかしながら、本発明は、この構成に限定されるものではなく、プロパティーペインと検索ペインが同時に表示され、プロパティーペインでの表示を参照しながら、検索ペインの設定を行えるような構成でも適用可能である。
【0029】
図5は、アプリケーションのメインウインドウ400で検索ペインの表示・非表示を切り替えるボタン409が押下された際のユーザインタフェースの一例を示している。501は、文書の検索を行う検索ペインであり、全文検索と属性検索の機能を提供する。
【0030】
502は、検索方法として、全文検索を選択するラジオボタンであり、503は、検索方法として、属性検索を選択するラジオボタンである。全文検索選択ボタン502と属性検索選択ボタン503は、排他的な関係になっており、どちらか一つを選択することができるようになっている。また、デフォルトボタンは、全文検索選択ボタン502の方である。そのため、検索ペインの表示・非表示を切り替えるボタン409の押下により検索ペイン501が開かれた際、通常、全文検索選択ボタン502が選択された状態で検索ペイン501が表示される。
【0031】
504は、全文検索の検索キーワードを入力するテキストボックスであり、全文検索選択ボタン502が選択されている際、検索キーワードテキストボックス504への入力が可能になる。505は、一つ以上の検索条件式が指定された際に、それら繋ぐ論理演算子(AND演算子又はOR演算子)を指定するプルダウンリストボックスである。プルダウンリストボックスには、「AND」と「OR」の2つの値がリストされており、どちらか一方が選択可能になっている。デフォルトでは、「AND」が選択される。
【0032】
506は、検索条件式をリストするフィールドである。検索条件式が後述する条件の追加ボタン510により追加され、表示がフィールド506に収まりきらなくなった際、スクロールバーを有効にすることで、表示領域外に存在する検索条件式の表示を可能にし、それらへの入力を行えるようにする。
【0033】
507は、最初の検索条件式である条件式1の属性項目を指定するプルダウンリストボックスである。属性項目プルダウンリストボックス507には、ファイルリストペイン402で現在選択されている文書が格納されているライブラリーに定義された属性項目がリストされ、その一つを選択可能となっている。デフォルトでは、属性項目として「名前」が選択される。「名前」は、文書名が設定される属性項目である。
【0034】
508は、条件式1の一致条件を指定するプルダウンリストボックスである。一致条件指定プルダウンリストボックス508には、属性項目プルダウンリストボックス507で選択された属性項目のデータ型に応じた一致条件がリストされ、その一つを選択可能となっている。属性項目プルダウンリストボックス507で選択されている属性項目が「名前」「作成者」「コメント」などの文字列型であれば、「次の値を含む」「次の値に等しい」「次の値から始まる」「次の値と等しくない」がリストされる。それぞれ、部分一致、完全一致、前方一致、完全不一致を指す一致条件である。デフォルトでは、部分一致を指す「次の値を含む」が設定される。部分一致の場合、属性項目プルダウンリストボックス507で指定された属性項目において、後述の項目値テキストボックス509に入力された値の文字列が、該当の項目値の文字列に一部でも含まれている文書があれば、その文書は検索にヒットすることになる。
【0035】
完全一致の場合、属性項目プルダウンリストボックス507で指定された属性項目において、項目値テキストボックス509に入力された値の文字列と完全に一致する項目値を持つ文書が検索にヒットすることになる。前方一致、完全不一致に関しては、説明を省略するが、いずれも属性検索において一般的に使われる一致条件である。また、属性項目プルダウンリストボックス507で選択されている属性項目が「作成日時」「更新日時」などの日時型であれば、「次の値に等しい」「次の日付に等しいか、より前」「次の日付に等しいか、より後」がリストされる。それぞれ、指定日時と同一、指定日時以前、指定日時以降の項目値に一致させる一致条件である。デフォルトでは、指定日時と同一を指す「次の値に等しい」が設定される。
【0036】
更にまた、属性項目プルダウンリストボックス507で選択されている属性項目が「ファイルサイズ」などの数値型であれば、「次の値に等しい」「次の値に等しいか、より大きい」「次の値に等しいか、より小さい」がリストされる。それぞれ、指定値とイコール、指定値以上、指定値以下に一致させる一致条件である。デフォルトでは、指定値とイコールを指す「次の値に等しい」が設定される。尚、505〜509は、属性検索選択ボタン503が選択されている際に、入力操作が可能となる。
【0037】
510は、検索条件式の指定行をフィールド506に追加するボタンである。図5に示した表示状態において、条件の追加ボタン510が押下されると、2番目の検索条件式である条件式2を指定可能な行が条件式1の次の行に追加される。更に、条件の追加ボタン510が押下されると、3番目の検索条件式である条件式3が、更に、押下されると、条件式4が、次に条件式5が、というように順次、検索条件式の指定行がフィールド506に追加されていく。各条件式は、条件式1と同様に、属性項目プルダウンリストボックス、一致条件プルダウンリストボックス、項目値テキストボックスの入力コントロールを持つ。また、各入力コントロールへの入力が済んでいる検索条件式のみ、後述の検索ボタン512による検索実行時に有効な検索条件式として扱われる。実質的には、属性項目プルダウンリストボックス、一致条件プルダウンリストボックスには、デフォルト値がセットされているため、項目値テキストボックスへの入力があれば、有効な検索条件式として扱われることになる。有効な検索条件式は、論理演算子プルダウンリストボックス505で設定された論理演算子で繋がれ、一つの検索条件式として検索実行される。
【0038】
511は、検索ペイン501の入力状態を初期状態に戻すクリアボタンである。図5に示した状態が検索ペイン501の初期状態であり、クリアボタンが押下された場合、条件の追加ボタン510によって追加された条件式2以降の検索条件行を検索ペイン501から削除することを含め、入力状態を初期状態へとクリアする。
【0039】
512は、検索を実行するボタンであり、検索ペイン501の入力状態が以下のいずれかの状態であれば、押下可能になる。全文検索選択ボタン502が選択され、検索キーワードテキストボックス504に一文字以上の文字入力がある状態。もしくは、属性検索選択ボタン503が選択され、項目値テキストボックスへの入力が済んでいる検索条件式が一つでもある状態。検索ボタン512が押下されると、検索ペイン501での入力に従って、全文検索、または、属性検索が実行され、検索結果がファイルリストペイン402に表示される。
【0040】
上記のように構成されたシステムで本発明の動作を説明する。
【0041】
(実施例1)
図6〜図8を用いて、プロパティーペインで一つの属性の項目値の文字列が選択されている際に、検索ペインを表示する操作が行われた際の検索ペイン501の表示動作を説明する。
【0042】
図6は、プロパティーペインで一つの属性の項目値の文字列が選択された状態の例を示す。図では、項目405の「作成者」に対する項目値「Momotaro Miyamoto」の文字列が全選択された状態になっている。属性の項目値の文字列を選択状態にするには、マウス205のポインタを選択したい項目値の文字列の開始位置まで移動させ、その位置でマウスをクリックし、クリック状態のまま、選択したい文字列の終了位置までマウスポインタを移動させ、クリックを放す。マウスのクリックを放した後、文字列の選択状態は持続される。別の属性の項目値の文字列が選択されるか、プロパティーペイン404上でキーボード204のエスケープボタンを押下されるか、ファイルリストペイン402で別の文書が選択される等でプロパティーペイン404の表示が更新されるまで、選択状態は持続される。
【0043】
図7は、検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。検索ペインが非表示の状態で、検索ペインの表示・非表示を切り替えるボタン409が押下されたことによる、検索ペインを表示する操作(指示)が行われる(S701)。このとき、クライアントPC102のCPU201によって駆動されるUI部302は、プロパティーペイン404で、いずれかの属性の項目値の文字列が選択状態になっているかを判断する(S702)。
【0044】
いずれかの属性の項目値の文字列が選択状態になっていれば、UI部302は、検索ペイン501の属性検索選択ボタン503を選択状態にする(S703)。次に、UI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列を項目値テキストボックス509に入力する(S704)。更に、UI部302は、プロパティーペイン404で項目値の文字列が選択状態になっている属性の項目を、属性項目プルダウンリストボックス507のリスト項目の中から選択し、設定状態にする(S705)。その後、UI部302は、検索ペイン501を表示する(S706)。
【0045】
図8は、図6の例に、図7のフローチャートの動作を適用した結果の一例である。検索ペイン501において、図6で選択されていた全文検索選択ボタン502が非選択になり、代わりに、属性検索選択ボタン503が選択状態となっている。
【0046】
また、図6のプロパティーペインで選択状態になっていた項目値「Momotaro Miyamoto」の文字列が項目値テキストボックス509に設定される。さらに、項目値「Momotaro Miyamoto」の属性の項目である「作成者」が属性項目プルダウンリストボックス507に設定された状態となっている。この表示状態で、検索ボタン512が押下されると、属性検索が実行され、属性項目の「作成者」の項目値に「Momotaro Miyamoto」の文字列を含む文書が検索結果として、ファイルリストペイン402に表示される。
【0047】
上記図7で示した動作によれば、プロパティーペインで属性の項目値の文字列が選択されている際に、検索ペインを表示する操作が行われた場合、プロパティーペインで選択されている項目値の文字列が検索ペインの検索条件行の項目値として設定される。加えて、プロパティーペインで選択されている項目値に対応する項目が同じく検索条件行の項目から選択され、設定される。そのため、ユーザによる検索条件入力に伴う文字列入力ミスが低減されると共に、属性の項目を選択する手間が削減される。更に、検索方法として、属性検索が選択されるため、全文検索の選択から設定を変更する手間が削減される。すなわち、プロパティーペインで属性の項目値の文字列が選択されていれば、検索ペインを開いた際に即時に属性検索を実行できる状態になっている。
【0048】
(実施例2)
実施例1では、プロパティーペインで一つの属性の項目値の文字列が選択されている際に、検索ペインを表示する操作が行われた際の動作を説明した。次に、プロパティーペインで複数の属性の項目値の文字列が選択されている際に、検索ペインを表示する操作が行われた際の動作を、実施例2として図9〜図11を用いて説明する。
【0049】
図9は、プロパティーペインで複数の属性の項目値の文字列が選択された状態の例を示す。図では、項目901の「種類」に対する項目値「doc」、項目902の「タイトル」に対する項目値「プランA」、項目903の「更新者」に対する項目値「Gonbei Nanashi」の各文字列が全選択された状態になっている。複数の属性の項目値の文字列を選択状態にするには、まず一つ目の属性の項目値の文字列を実施例1で述べたマウスを用いた方法で選択状態にする。次に二つ目の属性の項目値の文字列をキーボード204のシフトキーを押下した状態で実施例1で述べたマウスを用いた方法を実施することにより、選択状態にする。三つ目以降の選択も、二つ目と同様な操作方法で選択状態にする。プロパティーペインでの項目値の文字列の複数選択状態の持続は、実施例1で述べた単数選択の状態と同様な条件で行われる。
【0050】
図10は、プロパティーペインで複数の項目値の文字列が選択状態の際に、検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。図7のS703に相当するステップが終了した後の処理から述べる。
【0051】
クライアントPC102のCPU201によって駆動されるUI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の数をカウントする(S1004)。図9の例では、3つの項目値が選択状態になっている。
【0052】
更に、UI部302は、フィールド506にリストされている検索条件式の指定行の数をカウントする(S1005)。図5の例では、1つの検索条件式の指定行がフィールド506にリストされている。
【0053】
UI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の数より、フィールド506にリストされている検索条件式の指定行の数が少ない場合(S1006)、フィールド506に検索条件式の指定行を追加する(S1007)。UI部302が追加する検索条件式の指定行は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の数と同数またはそれ以上である。UI部302は、フィールド506に検索条件式の指定行を追加する処理を、条件の追加ボタン510が押下された際と同様な処理で実施する。
【0054】
次に、UI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている一つ目の項目値の文字列を最初の検索条件式の指定行の項目値テキストボックスに入力する(S1008)。更に、UI部302は、プロパティーペイン404で項目値の文字列が選択状態になっている一つ目の属性の項目を、最初の検索条件式の指定行の属性項目プルダウンリストボックスのリスト項目の中から選択し、設定状態にする(S1009)。
【0055】
UI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の数分、S1008〜S1009の処理を繰り返す(S1010)。結果、フィールド506に追加された検索条件式の各行に、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列とそれに対応する属性の項目が、順に設定されることになる。その後、UI部302は、図7のS706に相当するステップを実施する。
【0056】
図11は、図9の例に、図10のフローチャートの動作を適用した結果の一例である。検索ペイン501において、1101の条件式2、1105の条件式3の2つの検索条件式の指定行がフィールド506に追加され、計3つの検索条件式の指定行が存在している。
【0057】
また、図9のプロパティーペインで選択状態になっていた項目値「doc」の文字列が条件式1の項目値テキストボックス509に設定され、その項目である「種類」が条件式1の属性項目プルダウンリストボックス507に設定された状態となっている。更に、プロパティーペインで選択状態になっていた項目値「プランA」の文字列が条件式2の項目値テキストボックス1104に設定され、その項目である「タイトル」が条件式2の属性項目プルダウンリストボックス1102に設定された状態となっている。加えて、プロパティーペインで選択状態になっていた項目値「Gonbei Nanashi」の文字列が条件式3の項目値テキストボックス1108に設定されている。さらに、その項目である「更新者」が条件式3の属性項目プルダウンリストボックス1106に設定された状態となっている。
【0058】
上記図10で示した動作によれば、プロパティーペインで複数の属性の項目値の文字列が選択されている際に、検索ペインを表示する操作が行われた場合、以下の処理が行われる。すなわち、検索ペインでプロパティーペインにおいて選択されているすべての属性の項目値を検索条件式に指定できるよう検索条件式の指定行が追加される。そのため、条件の追加ボタン510を押下して検索条件式の指定行を追加する手間が削減される。
【0059】
(実施例3)
実施例3では、条件式の一致条件を指定する一致条件プルダウンリストボックスへの設定を簡易化する方法について図12を用いて説明する。
【0060】
図12は、プロパティーペインで項目値の文字列が選択状態の際に、検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。プロパティーペインにおける属性の項目値の文字列の選択は、全選択だけではなく、部分選択も可能である。プロパティーペインで属性の項目値の文字列を部分選択するためには、実施例1で述べたマウスを用いた方法で、属性の項目値の文字列の全てではなく、一部の文字列を選択することによって行う。例えば、図6の項目405の「作成者」に対する項目値「Momotaro Miyamoto」の文字列の「taro」の部分だけを部分選択することができる。
【0061】
図7のS705に相当するステップが終了した後の処理から述べる。クライアントPC102のCPU201によって駆動されるUI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列が全選択か、部分選択かを判断する(S1201)。
【0062】
プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列が全選択であれば、UI部302は、一致条件指定プルダウンリストボックス508のリスト項目の中から完全一致に相当する一致条件を選択し、設定状態にする(S1202)。例えば、前述の「作成者」に対する項目値の「Momotaro Miyamoto」が全選択されている場合、一致条件として「次の値に等しい」が選択される。
【0063】
また、UI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列が部分選択であれば、一致条件指定プルダウンリストボックス508のリスト項目の中から部分一致に相当する一致条件を選択し、設定状態にする(S1203)。例えば、前述の「作成者」に対する項目値の「taro」の部分だけが部分選択されている場合、一致条件として「次の値を含む」が選択される。その後、UI部302は、図7のS706に相当するステップを実施する。
【0064】
上記図12で示した動作によれば、プロパティーペインで属性の項目値の文字列が全選択されている場合には、検索の一致条件として完全一致に相当する一致条件が選択され、部分選択の場合には、部分一致に相当する一致条件が選択される。そのため、一致条件の項目を選択する手間が削減される。属性の項目に設定される値は、特に文字列型の属性項目である場合、同一の値である場合が多いため、無関係な文書を検索でヒットさせないようにするためにも、完全一致を用いた方がよい。そのため、属性の項目値の文字列をそのまま使う場合には、部分一致より、完全一致を指定して検索を行った方が望ましい。対して、属性の項目値の文字列の一部を使う場合には、該当する部分を含む値を有している項目が他にあるか不明であるため、完全一致より、部分一致を使った検索を行った方が望ましい。
【0065】
(実施例4)
これまでの例では、プロパティーペイン404と検索ペイン501がメインウインドウ400上で排他の関係となっており、同時に表示されることはない場合を述べた。次の実施例4では、プロパティーペインと検索ペインが同時に表示可能であり、プロパティーペインでの表示を参照しながら、検索ペインの設定を行えるような構成において、検索条件の設定を簡易化する方法について述べる。
【0066】
図13は、プロパティーペイン404において項目値の文字列が選択された状態で、検索ペイン501で属性項目の設定が変更された際のフローチャートである。クライアントPC102のCPU201によって駆動されるUI部302は、検索ペインで属性項目プルダウンリストボックスの選択が変更された際(S1301)、次のような動作を行う。
【0067】
UI部302は、属性項目プルダウンリストボックスにおいて新たに選択された属性項目が、プロパティーペインで文字列選択されている項目値に対応する属性項目と同一かどうかを判定する(S1302)。
【0068】
上記判定で同一と判断した場合、UI部302は、プロパティーペインで選択されている項目値の文字列を項目値テキストボックスに入力(S1303)し、処理を終了する。
【0069】
例えば、プロパティーペイン404で項目405の「作成者」に対する項目値「Momotaro Miyamoto」が選択されている。この状態の際に、検索ペイン501の属性項目プルダウンリストボックス507で選択されている属性項目が「名前」から「作成者」に変更された際、選択状態の項目値「Momotaro Miyamoto」が検索ペイン501の項目値テキストボックス509に入力される。
【0070】
そのため、実施例1と同様、ユーザによる検索条件入力に伴う文字列入力ミスが低減されると共に、属性の項目を選択する手間が削減される。尚、項目値が部分選択されている場合であれば、部分選択された文字列、例えば、「taro」が入力される。
【0071】
(実施例5)
次の実施例5では、実施例1における問題点を述べるとともに、それを解決するための手段について述べる。
【0072】
検索ペイン501では、一旦設定した検索条件は、クリアボタン511が押下されるまで保持される。プロパティーペイン404の表示・非表示を切り替えるボタン408や検索ペインの表示・非表示を切り替えるボタン409を用いて検索ペインを非表示後、再表示した場合であっても、検索ボタン512が押下して検索実行をした場合であっても同様である。
【0073】
そのため、プロパティーペインで選択状態になっている項目値に対応する項目が、すでに検索ペインで有効な検索条件式の一つに設定されている場合、実施例1を適用すると、同一の項目を持つ検索条件式が二つできてしまう。例えば、検索条件式の一つとして項目に「作成者」、項目値に「Namihei Nakano」という値が設定されている。この状況の検索ペインに対して、実施例1を適用した場合、別の検索条件式に「作成者」という項目と「Momotaro Miyamoto」という項目値を持つものが生成されてしまう。同一の項目を持つ検索条件式が二つ存在する場合、その項目値が同じであれば、一方が不要な検索条件行となる。また、項目値が異なる場合であっても、論理演算子プルダウンリストボックス505で設定された論理演算子が「AND」の場合、かつ、双方の条件式で完全一致に相当する一致条件が選択されている場合、意味のない検索条件となってしまう。
【0074】
なぜなら、「作成者」が「Namihei Nakano」に完全一致し、かつ、「作成者」が「Momotaro Miyamoto」に完全一致するという文書は存在しないからである。また、一方の条件式で完全一致に相当する一致条件が選択されており、もう一方の条件式で部分一致に相当する一致条件が選択されている場合には、一方が不要な検索条件行となってしまう。例えば、「作成者」が「taro」に部分一致し、かつ、「作成者」が「Momotaro Miyamoto」に完全一致するという検索条件や、「作成者」が「Namihei」に部分一致し、かつ、「作成者」が「Momotaro Miyamoto」に完全一致するという検索条件などである。どちらの例でも、設定された論理演算子が「AND」の場合であれば、明らかに、一方の検索条件が不要である。
【0075】
上記の問題を解決するための手段を以下に述べる。図14は、検索ペインに有効な検索条件式が既に存在する状態、かつ、プロパティーペインにおいて項目値の文字列が選択された状態で、検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。図7のS703に相当するステップが終了した後の処理から述べる。
【0076】
クライアントPC102のCPU201によって駆動されるUI部302は、検索ペイン501に有効な検索条件行が存在しているかどうかを判定する(S1401)。尚、繰り返しになるが、有効な検索条件行とは、属性項目プルダウンリストボックス、一致条件プルダウンリストボックス、項目値テキストボックスに値が設定されている検索条件行のことを言う。
【0077】
検索ペイン501に有効な検索条件行が存在している場合、UI部302は、有効な検索条件行の中に、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値に対応する属性の項目と同一な属性項目が設定された検索条件行があるかを判定する(S1402)。
【0078】
同一な属性項目が設定された検索条件行が存在している場合、UI部302は、論理演算子プルダウンリストボックス505で設定されている値が「AND」または「OR」のいずれであるかを確認する(S1403)。
【0079】
論理演算子プルダウンリストボックス505で設定されている値が「AND」であれば、UI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値に対応する属性の項目と同一な属性項目が設定された検索条件行の項目値テキストボックスにプロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列を入力する(S1404)。すなわち、UI部302は、既存の項目値テキストボックスの値をプロパティーペインで選択状態の文字列で上書きする。
【0080】
もしくは、論理演算子プルダウンリストボックス505で設定されている値が「OR」であれば、UI部302は、フィールド506に検索条件式の指定行を追加する(S1405)。次に、UI部302は、追加した検索条件式の指定行の項目値テキストボックスに、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列を入力する(S1406)。更に、UI部302は、追加した検索条件式の指定行の属性項目プルダウンリストボックスのリスト項目の中から、プロパティーペイン404で項目値の文字列が選択状態になっている属性の項目を選択し、設定状態にする(S1407)。すなわち、UI部302は、S1405〜S1407で新規の検索条件式を追加する。その後、UI部302は、図7のS706に相当するステップを実施する。
【0081】
上記図14で示した動作によれば、検索ペインの既存の検索条件式にプロパティーペインで選択した項目値に対応する項目と同一のものが設定されている場合、検索条件の論理演算子の設定を踏まえて検索条件の変更または追加を行う。そのため、実施例1の効果を維持しながら、不要な検索条件の追加や意味のない検索条件の生成を避けることができる。
【0082】
尚、上記図14において、S1403で、論理演算子プルダウンリストボックス505で設定されている値が「AND」であった場合に、以下のような処理を加えてもよい。プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値に対応する属性の項目と同一な属性項目が設定された検索条件行の一致条件指定プルダウンリストボックスに、部分一致に相当する一致条件が設定されているかどうかを判断する処理。および、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列が部分選択されているかどうかを判断する処理。および、上記の2つの判断処理を通して、部分一致に相当する一致条件が設定されており、かつ、項目値の文字列が部分選択されていることが判定された際、S1404の代わりに、S1405〜S1407およびS1203を実行する処理。これらの処理を加えることにより、論理演算子が「AND」の際に、既存および新規の条件式の双方で部分一致に相当する一致条件が選択された検索条件となるため、既存の条件式を上書きすることなく、有効な検索条件を生成することができる。
【0083】
以上が本発明の実施例の説明であるが、本発明において、これら上記の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または実施の形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0084】
以上、本発明の実施例について具体例を挙げて説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0085】
102 クライアントPC
201 CPU
302 UI部
400 メインウインドウ
404 プロパティーペイン
501 検索ペイン
503 属性検索選択ボタン
507 属性項目プルダウンリストボックス
508 一致条件指定プルダウンリストボックス
509 項目値テキストボックス
【技術分野】
【0001】
本発明は、属性検索と呼ばれる、文書の属性を対象とした検索が可能な文書管理システム、検索指定方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文書管理システムで管理される文書群を検索する手段として、全文検索と属性検索という2つの検索方法が用いられてきた。全文検索とは、主として文書管理システムが管理する文書のテキストの内容を検索対象とする検索方法であり、文書のテキスト部に含まれる文字列を一つ以上、検索キーワードとして指定して検索を行うものである。全文検索では、検索キーワードとして指定された一つ以上の文字列が文書のテキスト部に含まれていれば、その文書が検索でヒットする。検索でヒットするというのは、すなわち、検索の実行により、条件に一致する文書が一つ以上発見されることを言う。先に述べたもう一方の属性検索とは、プロパティー、インデックス、属性などのように呼称されるメタデータを文書管理システムであらかじめ定義しておき、文書毎に設定された一つ以上のメタデータに対する値を検索対象とする検索方法である。本書では、前記メタデータのことを属性と呼び、前記メタデータに対する値のことを属性値と呼ぶことにする。
【0003】
文書に設定する属性として、文書名、作成日時、ファイルサイズ、作成者、コメントなどがある。そして、それらの属性に対して、「A社見積書.doc」、「2009/12/10」、「2456」、「Momotaro Miyamoto」、「重要!」のような属性値が設定される。属性値は、文書管理システムによって自動的に付与されるものと、文書管理システムを利用するユーザが付与するものの二種類が存在する。例えば、文書名、作成日時、ファイルサイズ、作成者のような属性は、文書が文書管理システムに格納される際に、設定されるものであり、コメントのような属性は、文書管理システムに格納された文書に対して、任意にユーザが付け替えたりするものである。いずれの種類の属性にしろ、文書管理システムは、文書に設定された属性を参照する役割と、文書の属性の設定をユーザに変更させる役割とを合わせ持つプロパティー画面を提供することにより、それらの属性にユーザがアクセス可能としている。また、文書管理システムは、属性検索を行う検索画面を提供することにより、一つ以上の検索条件式を指定させて、検索を行わせるような仕組みを取っている。
【0004】
検索条件式のパラメータとして指定させるものは、「文書名」、「作成日時」、「ファイルサイズ」、「作成者」、「コメント」のような属性名と、その属性に対する属性値のペアである。加えて、部分一致、完全一致、前方一致のような一致条件をパラメータとして指定させるのも一般的である。すなわち、属性検索における一つの検索条件式は、属性名、一致条件、属性値の3つのパラメータで構成される場合が多い。また、複数の検索条件式を指定する際には、それらの条件式をどのような論理演算子で繋いで一つの検索条件式とするかを検索画面で指定させるようになっている場合も多い。論理演算子としては、主にAND演算子とOR演算子の2つが利用されている。AND演算子は、繋いだ検索条件式のすべてに合致する文書の検索に用い、OR演算子は、繋いだ検索条件式のいずれか一つに合致する文書の検索に用いる。属性検索では、これらのパラメータを組み合わせて、複雑な検索式を構成させることも可能になっており、ユーザが検索条件で対象文書を絞り込むことにより、多量の文書の中から目的の文書を探し当てることを助けている。
【0005】
このような属性検索の検索式を指定する際、ユーザは、検索条件式の属性名パラメータを文書管理システムが検索画面で提供するリストから一つ選択し、その選択した属性に対する属性値をフリーキーワードとして入力する。そのため、入力する属性値の文字列が長い場合、入力ミスが発生する場合がある。入力ミスが発生した場合、ユーザが意図しない不正な検索式が構成されるため、検索を実行しても、目的の文書にヒットしない結果となってしまう。そのため、ユーザが検索式を構成する属性値の文字列を入力することを手助けする手段が必要となってくる。そのための手段として、特許文献1のような技術がある。
【0006】
特許文献1の先行技術によれば、表示手段に表示された文字列を指定した後に検索の指示がなされた場合、その指定された文字列を検索対象として検索が実行される。そのため、ユーザは、表示手段に表示された文字列の中に検索したいキーワードが見つかった場合、それをカーソルキーなどで選択した後、検索の実行を行えばよいので、文字列をキーボード等の入力手段によって新たに入力する必要がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平03−051958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の先行技術を属性検索に適用した場合、属性値の文字列の入力を入力ミスが発生しないよう手助けすることはできても、それに対応する属性名が何かを選択する必要があるため、ユーザの入力の手間は残っている。
【0009】
本発明は、上記の課題を鑑み、属性検索の際にユーザによる検索条件入力における負荷が減少するとともに、文字列入力ミスを低減させることが可能な文書管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の文書管理システムは、属性名と前記属性名に対応する属性値とが属性として設定されている複数の文書を管理する文書管理システムであって、前記文書に設定されている前記属性名と前記属性値とを表示する属性表示手段と、検索画面を介した操作に応じて、少なくとも前記属性名及び前記属性値を含む属性検索の検索条件式の設定する設定手段と、前記検索画面の表示が指示されたことに応じて、前記検索画面を表示する検索画面表示手段と、前記属性表示手段により表示された少なくとも一つの前記属性値を選択する選択手段とを有し、前記検索画面表示手段は、前記選択手段により前記属性値が選択された状態で、前記検索画面の表示が指示された場合に、前記選択手段により選択された属性値及び該属性値に対応する属性名が指定された検索条件式の設定された検索画面を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザによる、属性検索の際にユーザによる検索条件入力における負荷が減少するとともに、文字列入力ミスを低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】システム構成を説明する概略図である。
【図2】典型的な汎用コンピュータモジュールの構成を説明するブロック図である。
【図3】文書管理クライアントのアプリケーションのソフトウエア構成を説明するブロック図である。
【図4】アプリケーションのユーザインタフェースの一例である。
【図5】アプリケーションのメインウインドウで検索ペインの表示・非表示を切り替えるボタンが押下された際のユーザインタフェースの一例である。
【図6】プロパティーペインで一つの属性の項目値の文字列が選択された状態の例である。
【図7】検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。
【図8】図6の例に、図7のフローチャートの動作を適用した結果の一例である。
【図9】プロパティーペインで複数の属性の項目値の文字列が選択された状態の一例である。
【図10】プロパティーペインで複数の項目値の文字列が選択状態の際に、検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。
【図11】図9の例に、図10のフローチャートの動作を適用した結果の一例である。
【図12】プロパティーペインで項目値の文字列が選択状態の際に、検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。
【図13】プロパティーペインにおいて項目値の文字列が選択された状態で、検索ペインで属性項目の設定が変更された際のフローチャートである。
【図14】検索ペインに有効な検索条件式が既に存在する状態、かつ、プロパティーペインにおいて項目値の文字列が選択された状態で、検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施例のシステム構成を説明する概略図である。図1において、105は、インターネットやイントラネットなどのネットワークであり、101〜102などのネットワーク対応機器が接続される。101は、文書管理サーバーであり、文書保存、検索など一般的な文書管理サービスを提供する。102は、クライアントPC(クライアントコンピュータ)であり、図示しないが、ネットワーク105に複数接続される。クライアントPC102では、文書管理サーバーが提供する文書管理サービスを利用する文書管理クライアントが動作している。文書管理クライアントは、Microsoft Windows(登録商標)やLinuxなどの各種オペレーティングシステム上で動作するアプリケーションであるが、Webブラウザ上で動作するアプリケーションであってもよい。尚、ネットワーク105がインターネットとした場合、文書管理サーバー101は、クラウドサービスとして存在してもよい。その場合、プロキシーサーバー、Webサーバーなどをシステム構成に追加する必要があるが、一般的なクラウドサービス構成の話であるため、詳細に関しては省略する。
【0015】
図2は本発明の実施例の典型的な汎用コンピュータモジュール200の構成を説明するブロック図である。文書管理サーバー101、クライアントPC102は、典型的な汎用コンピュータモジュールである。
【0016】
汎用コンピュータモジュール200には、キーボード204やマウス205のようなポインティングデバイスなどの入力装置、ディスプレイ装置213などの出力装置が接続される。210はネットワークコントローラ(NC)であり、所定のネットワークインタフェース211を介してネットワーク105に接続され、他のネットワーク機器との通信制御処理を実行する。201はCPUであり、少なくとも1つのプロセッサで構成される。202はメモリであり、RAMやROMから構成される。212はビデオインタフェースであり、ディスプレイ装置213に画像を出力する。
【0017】
203はI/Oインターフェースであり、キーボード204やマウス205からの操作による入力を受け取る。208は記憶装置であり、典型的にハードディスクドライブ(HDD)209を含んでいる。図示されないシリコンドライブが含まれることもある。206は、CD−ROMドライブであり、不揮発性のデータソースとして用いられる。207は、相互接続バスであり、CPU201により、汎用コンピュータモジュール200で動作するMicrosoft Windows(登録商標)やLinuxなどのオペレーティングシステムに従う形で各ブロック間の通信を仲介する。
【0018】
尚、実施例中の文書管理サーバー101およびクライアントPC102のフローチャートで示される各種制御プログラムは、それぞれのメモリ202、記憶装置208のいずれかの記憶手段に記憶され、それぞれのCPU201により実行される。また、文書管理サーバー101は、文書管理用のデータベースを有するが、そのデータベースも記憶装置208上に構築される。
【0019】
図3は、文書管理クライアントのアプリケーションのソフトウエア構成を説明するブロック図である。アプリケーション301は、各種の機能を実行するためのユーザインタフェースを備え、ディスプレイ装置213の画面上でユーザからの要求をキーボード204やマウス205により受け付けて、各機能処理を実行する。
302〜303は、アプリケーションを構成するコンポーネントを示している。
302はアプリケーションUI部(以下UI部と記載する)であり、図4で示すユーザインタフェースの構築や、ユーザからの各種入力操作の受け付けおよび入力操作による処理結果の表示を行う。
303は、ライブラリー管理部であり、アプリケーション301で利用するライブラリーを管理し、ライブラリーへの文書の格納や、ライブラリー内文書の閲覧、更新、属性変更、検索などの各種文書操作を実行する。ここで言うライブラリーとは、文書管理を行うための保存単位のことであり、文書データと、文書属性などの文書管理用のデータを保存する。アプリケーション301で利用するライブラリーには、データの保存場所により、2種類の形態が存在する。
【0020】
1つ目は、ローカルのハードディスク209にデータ保存領域を作成し、アプリケーション301自体が管理するローカルライブラリーの形態である。この形態では、文書管理サーバー101を必要とせず、文書管理クライアント102のみでシステムを構成することが可能である。
【0021】
2つ目は、文書管理サーバー101が提供する文書管理サービスに文書管理を委任する共有ライブラリーの形態である。この形態では、ライブラリー管理部303は、UI部302から受け取った文書操作の要求を文書管理サーバー101に渡し、その結果を文書管理サーバーから受け取って、UI部302に渡す。この2つ目の形態では、ライブラリー管理部303が文書管理サーバー101の文書管理サービスとのデータの仲介を行うだけの簡素な構成で済むため、文書管理クライアントがWebブラウザ上で動作する構成の場合には、好適な形態となる。
305は、ライブラリー管理部303が記憶装置208に構築したローカルライブラリー、または、共有ライブラリーが提供する文書管理サーバーに接続するためのインターフェースを示す。
【0022】
図4は、アプリケーションのユーザインタフェースの一例を示している。400はメインウインドウを示している。
【0023】
401は、ナビゲーションペインである。ナビゲーションペイン401には、アプリケーションで登録したライブラリーとライブラリー下に配置されるフォルダーが表示される。ナビゲーションペインで、ライブラリー、または、ライブラリー下に配置されるフォルダーを選択することで、現在の場所を移動することができる。図では、ライブラリー411〜413とフォルダー414〜415が表示されており、フォルダー414が現在の場所として選択されている。
【0024】
402は、ナビゲーションペインで選択している場所に格納されている文書やフォルダーを表示するファイルリストペインである。図では、5つの文書がリストされており、一つの文書が選択枠403で囲まれている。選択枠403は、文書を選択している旨を表現する。ファイルリストペイン402は、後述する検索ボタン512の押下により検索が実行された際、ナビゲーションペインで選択している場所に格納されている文書やフォルダーの表示に替え、検索結果を表示する役割を合わせ持つ。検索結果とは、検索条件に合致した文書やフォルダーの一覧である。
【0025】
404は、ファイルリストペイン402で選択されている文書の属性を表示するプロパティーペイン(文書一覧画面)である。属性は、項目(ex 名前、日付、サイズ・・)と、各項目に対する値(ex 5月10日、500バイト)から成る設定値である。405は「作成者」という項目に対して、「Momotaro Miyamoto」という値が設定されている例を示している。また、406は「コメント」という項目に対して、「重要!」という値が設定されている例を示している。設定可能な項目は、ライブラリー毎に定義されており、ライブラリーの機能によって可変である。例えば、前述したローカルライブラリーであれば、オペレーティングシステムのファイルシステムで設定可能な属性と同じ項目が設定可能である。また、前述した共有ライブラリーであれば、文書管理サーバー101側の設定で任意にカスタマイズされた属性と同じ項目が設定可能となる。前述したライブラリー管理部303は、ライブラリーの能力として属性の項目を管理し、ライブラリーに応じて属性の項目、値の情報を取得し、UI部302に渡す役割を担っている。
【0026】
尚、本実施例での属性の項目または属性項目とは、属性名のことを指し、属性の項目の値または属性の項目値とは、属性値のことを指す。
【0027】
416は、プロパティーペイン(属性表示画面)で表示されている属性の項目値を編集可能にするボタンである。このボタンを押下して、編集状態にしない限り、プロパティーペインで属性の項目値を変更することはできない。407はペインの表示・非表示を切り替えるパネルであり、プロパティーペイン404の表示・非表示を切り替えるボタン408、後述する検索ペイン(検索画面)の表示・非表示を切り替えるボタン409を備える。
【0028】
プロパティーペイン404と検索ペイン501は、メインウインドウ400上で排他の関係となっており、同時に表示されることはない。そのため、プロパティーペイン404の表示・非表示を切り替えるボタン408が押下された状態になっている時、検索ペインの表示・非表示を切り替えるボタン409は、非押下状態となる。逆の場合も、同様である。このような構成にすることにより、文書操作を行う際にはプロパティーペイン404を表示しておき、検索を行う時のみ検索ペインを表示する(検索画面表示)ことで、ユーザは文書表示領域を広く取ることができるようになる。しかしながら、本発明は、この構成に限定されるものではなく、プロパティーペインと検索ペインが同時に表示され、プロパティーペインでの表示を参照しながら、検索ペインの設定を行えるような構成でも適用可能である。
【0029】
図5は、アプリケーションのメインウインドウ400で検索ペインの表示・非表示を切り替えるボタン409が押下された際のユーザインタフェースの一例を示している。501は、文書の検索を行う検索ペインであり、全文検索と属性検索の機能を提供する。
【0030】
502は、検索方法として、全文検索を選択するラジオボタンであり、503は、検索方法として、属性検索を選択するラジオボタンである。全文検索選択ボタン502と属性検索選択ボタン503は、排他的な関係になっており、どちらか一つを選択することができるようになっている。また、デフォルトボタンは、全文検索選択ボタン502の方である。そのため、検索ペインの表示・非表示を切り替えるボタン409の押下により検索ペイン501が開かれた際、通常、全文検索選択ボタン502が選択された状態で検索ペイン501が表示される。
【0031】
504は、全文検索の検索キーワードを入力するテキストボックスであり、全文検索選択ボタン502が選択されている際、検索キーワードテキストボックス504への入力が可能になる。505は、一つ以上の検索条件式が指定された際に、それら繋ぐ論理演算子(AND演算子又はOR演算子)を指定するプルダウンリストボックスである。プルダウンリストボックスには、「AND」と「OR」の2つの値がリストされており、どちらか一方が選択可能になっている。デフォルトでは、「AND」が選択される。
【0032】
506は、検索条件式をリストするフィールドである。検索条件式が後述する条件の追加ボタン510により追加され、表示がフィールド506に収まりきらなくなった際、スクロールバーを有効にすることで、表示領域外に存在する検索条件式の表示を可能にし、それらへの入力を行えるようにする。
【0033】
507は、最初の検索条件式である条件式1の属性項目を指定するプルダウンリストボックスである。属性項目プルダウンリストボックス507には、ファイルリストペイン402で現在選択されている文書が格納されているライブラリーに定義された属性項目がリストされ、その一つを選択可能となっている。デフォルトでは、属性項目として「名前」が選択される。「名前」は、文書名が設定される属性項目である。
【0034】
508は、条件式1の一致条件を指定するプルダウンリストボックスである。一致条件指定プルダウンリストボックス508には、属性項目プルダウンリストボックス507で選択された属性項目のデータ型に応じた一致条件がリストされ、その一つを選択可能となっている。属性項目プルダウンリストボックス507で選択されている属性項目が「名前」「作成者」「コメント」などの文字列型であれば、「次の値を含む」「次の値に等しい」「次の値から始まる」「次の値と等しくない」がリストされる。それぞれ、部分一致、完全一致、前方一致、完全不一致を指す一致条件である。デフォルトでは、部分一致を指す「次の値を含む」が設定される。部分一致の場合、属性項目プルダウンリストボックス507で指定された属性項目において、後述の項目値テキストボックス509に入力された値の文字列が、該当の項目値の文字列に一部でも含まれている文書があれば、その文書は検索にヒットすることになる。
【0035】
完全一致の場合、属性項目プルダウンリストボックス507で指定された属性項目において、項目値テキストボックス509に入力された値の文字列と完全に一致する項目値を持つ文書が検索にヒットすることになる。前方一致、完全不一致に関しては、説明を省略するが、いずれも属性検索において一般的に使われる一致条件である。また、属性項目プルダウンリストボックス507で選択されている属性項目が「作成日時」「更新日時」などの日時型であれば、「次の値に等しい」「次の日付に等しいか、より前」「次の日付に等しいか、より後」がリストされる。それぞれ、指定日時と同一、指定日時以前、指定日時以降の項目値に一致させる一致条件である。デフォルトでは、指定日時と同一を指す「次の値に等しい」が設定される。
【0036】
更にまた、属性項目プルダウンリストボックス507で選択されている属性項目が「ファイルサイズ」などの数値型であれば、「次の値に等しい」「次の値に等しいか、より大きい」「次の値に等しいか、より小さい」がリストされる。それぞれ、指定値とイコール、指定値以上、指定値以下に一致させる一致条件である。デフォルトでは、指定値とイコールを指す「次の値に等しい」が設定される。尚、505〜509は、属性検索選択ボタン503が選択されている際に、入力操作が可能となる。
【0037】
510は、検索条件式の指定行をフィールド506に追加するボタンである。図5に示した表示状態において、条件の追加ボタン510が押下されると、2番目の検索条件式である条件式2を指定可能な行が条件式1の次の行に追加される。更に、条件の追加ボタン510が押下されると、3番目の検索条件式である条件式3が、更に、押下されると、条件式4が、次に条件式5が、というように順次、検索条件式の指定行がフィールド506に追加されていく。各条件式は、条件式1と同様に、属性項目プルダウンリストボックス、一致条件プルダウンリストボックス、項目値テキストボックスの入力コントロールを持つ。また、各入力コントロールへの入力が済んでいる検索条件式のみ、後述の検索ボタン512による検索実行時に有効な検索条件式として扱われる。実質的には、属性項目プルダウンリストボックス、一致条件プルダウンリストボックスには、デフォルト値がセットされているため、項目値テキストボックスへの入力があれば、有効な検索条件式として扱われることになる。有効な検索条件式は、論理演算子プルダウンリストボックス505で設定された論理演算子で繋がれ、一つの検索条件式として検索実行される。
【0038】
511は、検索ペイン501の入力状態を初期状態に戻すクリアボタンである。図5に示した状態が検索ペイン501の初期状態であり、クリアボタンが押下された場合、条件の追加ボタン510によって追加された条件式2以降の検索条件行を検索ペイン501から削除することを含め、入力状態を初期状態へとクリアする。
【0039】
512は、検索を実行するボタンであり、検索ペイン501の入力状態が以下のいずれかの状態であれば、押下可能になる。全文検索選択ボタン502が選択され、検索キーワードテキストボックス504に一文字以上の文字入力がある状態。もしくは、属性検索選択ボタン503が選択され、項目値テキストボックスへの入力が済んでいる検索条件式が一つでもある状態。検索ボタン512が押下されると、検索ペイン501での入力に従って、全文検索、または、属性検索が実行され、検索結果がファイルリストペイン402に表示される。
【0040】
上記のように構成されたシステムで本発明の動作を説明する。
【0041】
(実施例1)
図6〜図8を用いて、プロパティーペインで一つの属性の項目値の文字列が選択されている際に、検索ペインを表示する操作が行われた際の検索ペイン501の表示動作を説明する。
【0042】
図6は、プロパティーペインで一つの属性の項目値の文字列が選択された状態の例を示す。図では、項目405の「作成者」に対する項目値「Momotaro Miyamoto」の文字列が全選択された状態になっている。属性の項目値の文字列を選択状態にするには、マウス205のポインタを選択したい項目値の文字列の開始位置まで移動させ、その位置でマウスをクリックし、クリック状態のまま、選択したい文字列の終了位置までマウスポインタを移動させ、クリックを放す。マウスのクリックを放した後、文字列の選択状態は持続される。別の属性の項目値の文字列が選択されるか、プロパティーペイン404上でキーボード204のエスケープボタンを押下されるか、ファイルリストペイン402で別の文書が選択される等でプロパティーペイン404の表示が更新されるまで、選択状態は持続される。
【0043】
図7は、検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。検索ペインが非表示の状態で、検索ペインの表示・非表示を切り替えるボタン409が押下されたことによる、検索ペインを表示する操作(指示)が行われる(S701)。このとき、クライアントPC102のCPU201によって駆動されるUI部302は、プロパティーペイン404で、いずれかの属性の項目値の文字列が選択状態になっているかを判断する(S702)。
【0044】
いずれかの属性の項目値の文字列が選択状態になっていれば、UI部302は、検索ペイン501の属性検索選択ボタン503を選択状態にする(S703)。次に、UI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列を項目値テキストボックス509に入力する(S704)。更に、UI部302は、プロパティーペイン404で項目値の文字列が選択状態になっている属性の項目を、属性項目プルダウンリストボックス507のリスト項目の中から選択し、設定状態にする(S705)。その後、UI部302は、検索ペイン501を表示する(S706)。
【0045】
図8は、図6の例に、図7のフローチャートの動作を適用した結果の一例である。検索ペイン501において、図6で選択されていた全文検索選択ボタン502が非選択になり、代わりに、属性検索選択ボタン503が選択状態となっている。
【0046】
また、図6のプロパティーペインで選択状態になっていた項目値「Momotaro Miyamoto」の文字列が項目値テキストボックス509に設定される。さらに、項目値「Momotaro Miyamoto」の属性の項目である「作成者」が属性項目プルダウンリストボックス507に設定された状態となっている。この表示状態で、検索ボタン512が押下されると、属性検索が実行され、属性項目の「作成者」の項目値に「Momotaro Miyamoto」の文字列を含む文書が検索結果として、ファイルリストペイン402に表示される。
【0047】
上記図7で示した動作によれば、プロパティーペインで属性の項目値の文字列が選択されている際に、検索ペインを表示する操作が行われた場合、プロパティーペインで選択されている項目値の文字列が検索ペインの検索条件行の項目値として設定される。加えて、プロパティーペインで選択されている項目値に対応する項目が同じく検索条件行の項目から選択され、設定される。そのため、ユーザによる検索条件入力に伴う文字列入力ミスが低減されると共に、属性の項目を選択する手間が削減される。更に、検索方法として、属性検索が選択されるため、全文検索の選択から設定を変更する手間が削減される。すなわち、プロパティーペインで属性の項目値の文字列が選択されていれば、検索ペインを開いた際に即時に属性検索を実行できる状態になっている。
【0048】
(実施例2)
実施例1では、プロパティーペインで一つの属性の項目値の文字列が選択されている際に、検索ペインを表示する操作が行われた際の動作を説明した。次に、プロパティーペインで複数の属性の項目値の文字列が選択されている際に、検索ペインを表示する操作が行われた際の動作を、実施例2として図9〜図11を用いて説明する。
【0049】
図9は、プロパティーペインで複数の属性の項目値の文字列が選択された状態の例を示す。図では、項目901の「種類」に対する項目値「doc」、項目902の「タイトル」に対する項目値「プランA」、項目903の「更新者」に対する項目値「Gonbei Nanashi」の各文字列が全選択された状態になっている。複数の属性の項目値の文字列を選択状態にするには、まず一つ目の属性の項目値の文字列を実施例1で述べたマウスを用いた方法で選択状態にする。次に二つ目の属性の項目値の文字列をキーボード204のシフトキーを押下した状態で実施例1で述べたマウスを用いた方法を実施することにより、選択状態にする。三つ目以降の選択も、二つ目と同様な操作方法で選択状態にする。プロパティーペインでの項目値の文字列の複数選択状態の持続は、実施例1で述べた単数選択の状態と同様な条件で行われる。
【0050】
図10は、プロパティーペインで複数の項目値の文字列が選択状態の際に、検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。図7のS703に相当するステップが終了した後の処理から述べる。
【0051】
クライアントPC102のCPU201によって駆動されるUI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の数をカウントする(S1004)。図9の例では、3つの項目値が選択状態になっている。
【0052】
更に、UI部302は、フィールド506にリストされている検索条件式の指定行の数をカウントする(S1005)。図5の例では、1つの検索条件式の指定行がフィールド506にリストされている。
【0053】
UI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の数より、フィールド506にリストされている検索条件式の指定行の数が少ない場合(S1006)、フィールド506に検索条件式の指定行を追加する(S1007)。UI部302が追加する検索条件式の指定行は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の数と同数またはそれ以上である。UI部302は、フィールド506に検索条件式の指定行を追加する処理を、条件の追加ボタン510が押下された際と同様な処理で実施する。
【0054】
次に、UI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている一つ目の項目値の文字列を最初の検索条件式の指定行の項目値テキストボックスに入力する(S1008)。更に、UI部302は、プロパティーペイン404で項目値の文字列が選択状態になっている一つ目の属性の項目を、最初の検索条件式の指定行の属性項目プルダウンリストボックスのリスト項目の中から選択し、設定状態にする(S1009)。
【0055】
UI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の数分、S1008〜S1009の処理を繰り返す(S1010)。結果、フィールド506に追加された検索条件式の各行に、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列とそれに対応する属性の項目が、順に設定されることになる。その後、UI部302は、図7のS706に相当するステップを実施する。
【0056】
図11は、図9の例に、図10のフローチャートの動作を適用した結果の一例である。検索ペイン501において、1101の条件式2、1105の条件式3の2つの検索条件式の指定行がフィールド506に追加され、計3つの検索条件式の指定行が存在している。
【0057】
また、図9のプロパティーペインで選択状態になっていた項目値「doc」の文字列が条件式1の項目値テキストボックス509に設定され、その項目である「種類」が条件式1の属性項目プルダウンリストボックス507に設定された状態となっている。更に、プロパティーペインで選択状態になっていた項目値「プランA」の文字列が条件式2の項目値テキストボックス1104に設定され、その項目である「タイトル」が条件式2の属性項目プルダウンリストボックス1102に設定された状態となっている。加えて、プロパティーペインで選択状態になっていた項目値「Gonbei Nanashi」の文字列が条件式3の項目値テキストボックス1108に設定されている。さらに、その項目である「更新者」が条件式3の属性項目プルダウンリストボックス1106に設定された状態となっている。
【0058】
上記図10で示した動作によれば、プロパティーペインで複数の属性の項目値の文字列が選択されている際に、検索ペインを表示する操作が行われた場合、以下の処理が行われる。すなわち、検索ペインでプロパティーペインにおいて選択されているすべての属性の項目値を検索条件式に指定できるよう検索条件式の指定行が追加される。そのため、条件の追加ボタン510を押下して検索条件式の指定行を追加する手間が削減される。
【0059】
(実施例3)
実施例3では、条件式の一致条件を指定する一致条件プルダウンリストボックスへの設定を簡易化する方法について図12を用いて説明する。
【0060】
図12は、プロパティーペインで項目値の文字列が選択状態の際に、検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。プロパティーペインにおける属性の項目値の文字列の選択は、全選択だけではなく、部分選択も可能である。プロパティーペインで属性の項目値の文字列を部分選択するためには、実施例1で述べたマウスを用いた方法で、属性の項目値の文字列の全てではなく、一部の文字列を選択することによって行う。例えば、図6の項目405の「作成者」に対する項目値「Momotaro Miyamoto」の文字列の「taro」の部分だけを部分選択することができる。
【0061】
図7のS705に相当するステップが終了した後の処理から述べる。クライアントPC102のCPU201によって駆動されるUI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列が全選択か、部分選択かを判断する(S1201)。
【0062】
プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列が全選択であれば、UI部302は、一致条件指定プルダウンリストボックス508のリスト項目の中から完全一致に相当する一致条件を選択し、設定状態にする(S1202)。例えば、前述の「作成者」に対する項目値の「Momotaro Miyamoto」が全選択されている場合、一致条件として「次の値に等しい」が選択される。
【0063】
また、UI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列が部分選択であれば、一致条件指定プルダウンリストボックス508のリスト項目の中から部分一致に相当する一致条件を選択し、設定状態にする(S1203)。例えば、前述の「作成者」に対する項目値の「taro」の部分だけが部分選択されている場合、一致条件として「次の値を含む」が選択される。その後、UI部302は、図7のS706に相当するステップを実施する。
【0064】
上記図12で示した動作によれば、プロパティーペインで属性の項目値の文字列が全選択されている場合には、検索の一致条件として完全一致に相当する一致条件が選択され、部分選択の場合には、部分一致に相当する一致条件が選択される。そのため、一致条件の項目を選択する手間が削減される。属性の項目に設定される値は、特に文字列型の属性項目である場合、同一の値である場合が多いため、無関係な文書を検索でヒットさせないようにするためにも、完全一致を用いた方がよい。そのため、属性の項目値の文字列をそのまま使う場合には、部分一致より、完全一致を指定して検索を行った方が望ましい。対して、属性の項目値の文字列の一部を使う場合には、該当する部分を含む値を有している項目が他にあるか不明であるため、完全一致より、部分一致を使った検索を行った方が望ましい。
【0065】
(実施例4)
これまでの例では、プロパティーペイン404と検索ペイン501がメインウインドウ400上で排他の関係となっており、同時に表示されることはない場合を述べた。次の実施例4では、プロパティーペインと検索ペインが同時に表示可能であり、プロパティーペインでの表示を参照しながら、検索ペインの設定を行えるような構成において、検索条件の設定を簡易化する方法について述べる。
【0066】
図13は、プロパティーペイン404において項目値の文字列が選択された状態で、検索ペイン501で属性項目の設定が変更された際のフローチャートである。クライアントPC102のCPU201によって駆動されるUI部302は、検索ペインで属性項目プルダウンリストボックスの選択が変更された際(S1301)、次のような動作を行う。
【0067】
UI部302は、属性項目プルダウンリストボックスにおいて新たに選択された属性項目が、プロパティーペインで文字列選択されている項目値に対応する属性項目と同一かどうかを判定する(S1302)。
【0068】
上記判定で同一と判断した場合、UI部302は、プロパティーペインで選択されている項目値の文字列を項目値テキストボックスに入力(S1303)し、処理を終了する。
【0069】
例えば、プロパティーペイン404で項目405の「作成者」に対する項目値「Momotaro Miyamoto」が選択されている。この状態の際に、検索ペイン501の属性項目プルダウンリストボックス507で選択されている属性項目が「名前」から「作成者」に変更された際、選択状態の項目値「Momotaro Miyamoto」が検索ペイン501の項目値テキストボックス509に入力される。
【0070】
そのため、実施例1と同様、ユーザによる検索条件入力に伴う文字列入力ミスが低減されると共に、属性の項目を選択する手間が削減される。尚、項目値が部分選択されている場合であれば、部分選択された文字列、例えば、「taro」が入力される。
【0071】
(実施例5)
次の実施例5では、実施例1における問題点を述べるとともに、それを解決するための手段について述べる。
【0072】
検索ペイン501では、一旦設定した検索条件は、クリアボタン511が押下されるまで保持される。プロパティーペイン404の表示・非表示を切り替えるボタン408や検索ペインの表示・非表示を切り替えるボタン409を用いて検索ペインを非表示後、再表示した場合であっても、検索ボタン512が押下して検索実行をした場合であっても同様である。
【0073】
そのため、プロパティーペインで選択状態になっている項目値に対応する項目が、すでに検索ペインで有効な検索条件式の一つに設定されている場合、実施例1を適用すると、同一の項目を持つ検索条件式が二つできてしまう。例えば、検索条件式の一つとして項目に「作成者」、項目値に「Namihei Nakano」という値が設定されている。この状況の検索ペインに対して、実施例1を適用した場合、別の検索条件式に「作成者」という項目と「Momotaro Miyamoto」という項目値を持つものが生成されてしまう。同一の項目を持つ検索条件式が二つ存在する場合、その項目値が同じであれば、一方が不要な検索条件行となる。また、項目値が異なる場合であっても、論理演算子プルダウンリストボックス505で設定された論理演算子が「AND」の場合、かつ、双方の条件式で完全一致に相当する一致条件が選択されている場合、意味のない検索条件となってしまう。
【0074】
なぜなら、「作成者」が「Namihei Nakano」に完全一致し、かつ、「作成者」が「Momotaro Miyamoto」に完全一致するという文書は存在しないからである。また、一方の条件式で完全一致に相当する一致条件が選択されており、もう一方の条件式で部分一致に相当する一致条件が選択されている場合には、一方が不要な検索条件行となってしまう。例えば、「作成者」が「taro」に部分一致し、かつ、「作成者」が「Momotaro Miyamoto」に完全一致するという検索条件や、「作成者」が「Namihei」に部分一致し、かつ、「作成者」が「Momotaro Miyamoto」に完全一致するという検索条件などである。どちらの例でも、設定された論理演算子が「AND」の場合であれば、明らかに、一方の検索条件が不要である。
【0075】
上記の問題を解決するための手段を以下に述べる。図14は、検索ペインに有効な検索条件式が既に存在する状態、かつ、プロパティーペインにおいて項目値の文字列が選択された状態で、検索ペインを表示する操作が行われた際のフローチャートである。図7のS703に相当するステップが終了した後の処理から述べる。
【0076】
クライアントPC102のCPU201によって駆動されるUI部302は、検索ペイン501に有効な検索条件行が存在しているかどうかを判定する(S1401)。尚、繰り返しになるが、有効な検索条件行とは、属性項目プルダウンリストボックス、一致条件プルダウンリストボックス、項目値テキストボックスに値が設定されている検索条件行のことを言う。
【0077】
検索ペイン501に有効な検索条件行が存在している場合、UI部302は、有効な検索条件行の中に、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値に対応する属性の項目と同一な属性項目が設定された検索条件行があるかを判定する(S1402)。
【0078】
同一な属性項目が設定された検索条件行が存在している場合、UI部302は、論理演算子プルダウンリストボックス505で設定されている値が「AND」または「OR」のいずれであるかを確認する(S1403)。
【0079】
論理演算子プルダウンリストボックス505で設定されている値が「AND」であれば、UI部302は、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値に対応する属性の項目と同一な属性項目が設定された検索条件行の項目値テキストボックスにプロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列を入力する(S1404)。すなわち、UI部302は、既存の項目値テキストボックスの値をプロパティーペインで選択状態の文字列で上書きする。
【0080】
もしくは、論理演算子プルダウンリストボックス505で設定されている値が「OR」であれば、UI部302は、フィールド506に検索条件式の指定行を追加する(S1405)。次に、UI部302は、追加した検索条件式の指定行の項目値テキストボックスに、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列を入力する(S1406)。更に、UI部302は、追加した検索条件式の指定行の属性項目プルダウンリストボックスのリスト項目の中から、プロパティーペイン404で項目値の文字列が選択状態になっている属性の項目を選択し、設定状態にする(S1407)。すなわち、UI部302は、S1405〜S1407で新規の検索条件式を追加する。その後、UI部302は、図7のS706に相当するステップを実施する。
【0081】
上記図14で示した動作によれば、検索ペインの既存の検索条件式にプロパティーペインで選択した項目値に対応する項目と同一のものが設定されている場合、検索条件の論理演算子の設定を踏まえて検索条件の変更または追加を行う。そのため、実施例1の効果を維持しながら、不要な検索条件の追加や意味のない検索条件の生成を避けることができる。
【0082】
尚、上記図14において、S1403で、論理演算子プルダウンリストボックス505で設定されている値が「AND」であった場合に、以下のような処理を加えてもよい。プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値に対応する属性の項目と同一な属性項目が設定された検索条件行の一致条件指定プルダウンリストボックスに、部分一致に相当する一致条件が設定されているかどうかを判断する処理。および、プロパティーペイン404で選択状態になっている項目値の文字列が部分選択されているかどうかを判断する処理。および、上記の2つの判断処理を通して、部分一致に相当する一致条件が設定されており、かつ、項目値の文字列が部分選択されていることが判定された際、S1404の代わりに、S1405〜S1407およびS1203を実行する処理。これらの処理を加えることにより、論理演算子が「AND」の際に、既存および新規の条件式の双方で部分一致に相当する一致条件が選択された検索条件となるため、既存の条件式を上書きすることなく、有効な検索条件を生成することができる。
【0083】
以上が本発明の実施例の説明であるが、本発明において、これら上記の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または実施の形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0084】
以上、本発明の実施例について具体例を挙げて説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0085】
102 クライアントPC
201 CPU
302 UI部
400 メインウインドウ
404 プロパティーペイン
501 検索ペイン
503 属性検索選択ボタン
507 属性項目プルダウンリストボックス
508 一致条件指定プルダウンリストボックス
509 項目値テキストボックス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
属性名と前記属性名に対応する属性値とが属性として設定されている複数の文書を管理する文書管理システムであって、
前記文書に設定されている前記属性名と前記属性値とを表示する属性表示手段と、
検索画面を介した操作に応じて、少なくとも前記属性名及び前記属性値を含む属性検索の検索条件式の設定する設定手段と、
前記検索画面の表示が指示されたことに応じて、前記検索画面を表示する検索画面表示手段と、
前記属性表示手段により表示された少なくとも一つの前記属性値を選択する選択手段とを有し、
前記検索画面表示手段は、前記選択手段により前記属性値が選択された状態で、前記検索画面の表示が指示された場合に、前記選択手段により選択された属性値及び該属性値に対応する属性名が指定された検索条件式の設定された検索画面を表示することを特徴とする文書管理システム。
【請求項2】
前記選択手段により前記属性値が選択された状態で、前記検索画面において前記検索条件式の属性名が指定された場合に、前記指定された属性名は前記選択手段により選択された属性値に対応する属性名であるかを判断する判断手段と、
前記設定手段は、前記判断手段により、前記設定された属性名は前記選択手段により選択された属性値に対応する属性名であると判断された場合に、前記指定された属性名及び前記選択された属性値が指定された検索条件式を設定することを特徴とする請求項1に記載の文書管理システム。
【請求項3】
前記選択手段により複数の属性値が選択されており、かつ前記選択されている属性値の数が前記検索画面において表示されている検索条件式の数よりも多い場合に、前記検索画面に検索条件式を設定するための行を追加する追加手段をさらに有することを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記検索条件式は、属性名及び属性値に加えて一致条件を指定可能であり、
前記検索画面表示手段は、前記選択手段により前記属性値の文字列が部分選択されている場合、前記前記選択手段により選択された属性値及び該属性値に対応する属性名及び一致条件として部分一致の指定された検索条件式の設定された検索画面を表示し、前記選択手段により前記属性値の文字列が全選択されている場合、前記前記選択手段により選択された属性値及び該属性値に対応する属性名及び一致条件として完全一致の指定された検索条件式の設定された検索画面を表示することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の文書管理システム。
【請求項5】
前記検索画面において、検索方法として前記属性検索に加えて全文検索が選択可能であり、
前記検索画面表示手段は、前記検索画面表示手段は、前記選択手段により前記属性値が選択された状態で、前記検索画面の表示が指示された場合に、前記検索方法として前記属性検索が選択された検索画面を表示することを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の文書管理システム。
【請求項6】
前記検索画面において、複数の検索条件式を繋ぐ論理演算子としてAND演算子またはOR演算子を選択可能であり、
前記検索画面表示手段は、前記検索画面において前記選択手段により選択された属性値に対応する属性名の指定されている検索条件式がすでに設定されており、かつ前記AND演算子が選択されている場合に、前記検索条件式において指定されている属性値を前記選択された属性値で上書きされた検索画面を表示し、前記検索画面において前記選択手段により選択された属性値に対応する属性名の指定されている検索条件式が設定されており、かつ前記OR演算子が選択されている場合に、前記検索条件式とは別に前記選択手段により選択された属性値及び該属性値に対応する属性名が指定された検索条件式の設定された検索画面を表示することを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項に記載の文書管理システム。
【請求項7】
属性名と前記属性名に対応する属性値とが属性として設定されている複数の文書を管理する文書管理システムにおける検索指定方法であって、
前記文書に設定されている前記属性名と前記属性値とを表示する属性表示工程と、
検索画面を介した操作に応じて、少なくとも前記属性名及び前記属性値を含む属性検索の検索条件式の設定する設定工程と、
前記検索画面の表示が指示されたことに応じて、前記検索画面を表示する検索画面表示工程と、
前記属性表示工程において表示された少なくとも一つの前記属性値を選択する選択工程とを有し、
前記検索画面表示工程では、前記選択工程において前記属性値が選択された状態で、前記検索画面の表示が指示された場合に、前記選択工程において選択された属性値及び該属性値に対応する属性名が指定された検索条件式の設定された検索画面を表示することを特徴とする検索指定方法。
【請求項8】
請求項7に記載の検索指定方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
属性名と前記属性名に対応する属性値とが属性として設定されている複数の文書を管理する文書管理システムであって、
前記文書に設定されている前記属性名と前記属性値とを表示する属性表示手段と、
検索画面を介した操作に応じて、少なくとも前記属性名及び前記属性値を含む属性検索の検索条件式の設定する設定手段と、
前記検索画面の表示が指示されたことに応じて、前記検索画面を表示する検索画面表示手段と、
前記属性表示手段により表示された少なくとも一つの前記属性値を選択する選択手段とを有し、
前記検索画面表示手段は、前記選択手段により前記属性値が選択された状態で、前記検索画面の表示が指示された場合に、前記選択手段により選択された属性値及び該属性値に対応する属性名が指定された検索条件式の設定された検索画面を表示することを特徴とする文書管理システム。
【請求項2】
前記選択手段により前記属性値が選択された状態で、前記検索画面において前記検索条件式の属性名が指定された場合に、前記指定された属性名は前記選択手段により選択された属性値に対応する属性名であるかを判断する判断手段と、
前記設定手段は、前記判断手段により、前記設定された属性名は前記選択手段により選択された属性値に対応する属性名であると判断された場合に、前記指定された属性名及び前記選択された属性値が指定された検索条件式を設定することを特徴とする請求項1に記載の文書管理システム。
【請求項3】
前記選択手段により複数の属性値が選択されており、かつ前記選択されている属性値の数が前記検索画面において表示されている検索条件式の数よりも多い場合に、前記検索画面に検索条件式を設定するための行を追加する追加手段をさらに有することを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記検索条件式は、属性名及び属性値に加えて一致条件を指定可能であり、
前記検索画面表示手段は、前記選択手段により前記属性値の文字列が部分選択されている場合、前記前記選択手段により選択された属性値及び該属性値に対応する属性名及び一致条件として部分一致の指定された検索条件式の設定された検索画面を表示し、前記選択手段により前記属性値の文字列が全選択されている場合、前記前記選択手段により選択された属性値及び該属性値に対応する属性名及び一致条件として完全一致の指定された検索条件式の設定された検索画面を表示することを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載の文書管理システム。
【請求項5】
前記検索画面において、検索方法として前記属性検索に加えて全文検索が選択可能であり、
前記検索画面表示手段は、前記検索画面表示手段は、前記選択手段により前記属性値が選択された状態で、前記検索画面の表示が指示された場合に、前記検索方法として前記属性検索が選択された検索画面を表示することを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の文書管理システム。
【請求項6】
前記検索画面において、複数の検索条件式を繋ぐ論理演算子としてAND演算子またはOR演算子を選択可能であり、
前記検索画面表示手段は、前記検索画面において前記選択手段により選択された属性値に対応する属性名の指定されている検索条件式がすでに設定されており、かつ前記AND演算子が選択されている場合に、前記検索条件式において指定されている属性値を前記選択された属性値で上書きされた検索画面を表示し、前記検索画面において前記選択手段により選択された属性値に対応する属性名の指定されている検索条件式が設定されており、かつ前記OR演算子が選択されている場合に、前記検索条件式とは別に前記選択手段により選択された属性値及び該属性値に対応する属性名が指定された検索条件式の設定された検索画面を表示することを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項に記載の文書管理システム。
【請求項7】
属性名と前記属性名に対応する属性値とが属性として設定されている複数の文書を管理する文書管理システムにおける検索指定方法であって、
前記文書に設定されている前記属性名と前記属性値とを表示する属性表示工程と、
検索画面を介した操作に応じて、少なくとも前記属性名及び前記属性値を含む属性検索の検索条件式の設定する設定工程と、
前記検索画面の表示が指示されたことに応じて、前記検索画面を表示する検索画面表示工程と、
前記属性表示工程において表示された少なくとも一つの前記属性値を選択する選択工程とを有し、
前記検索画面表示工程では、前記選択工程において前記属性値が選択された状態で、前記検索画面の表示が指示された場合に、前記選択工程において選択された属性値及び該属性値に対応する属性名が指定された検索条件式の設定された検索画面を表示することを特徴とする検索指定方法。
【請求項8】
請求項7に記載の検索指定方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−59041(P2012−59041A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201996(P2010−201996)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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