説明

文書編集装置、文書編集方法、および文書編集プログラム

【課題】容易に文書の編集モードに含まれた編集の機能を実行すること。
【解決手段】文書編集装置100は、編集モード選択部201と、機能情報取得部202と、機能選択部203と、機能実行部205とを備える。編集モード選択部201は、画面に表示されている編集中の文書に対する複数の編集モードのうち一つを選択する。機能情報取得部202は、編集モード選択部201によって選択された、編集モードに含まれた編集の機能に関する情報を取得する。機能選択部203は、機能情報取得部202によって取得された、編集モードに含まれた編集の機能に関する情報に基づいて、編集モードに含まれた編集の機能を選択する。機能実行部205は、機能選択部203によって選択された編集モードに含まれた編集の機能を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子文書の編集モードを切り替えることができる、文書編集装置、文書編集方法、および文書編集プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、キーボードなどの入力操作によって文書を作成および編集し、この文書をディスプレイなどに表示することができる文書編集装置がある。このような文書編集装置には、例えば、文書を階層化して表示したり、所定の編集の機能を集約して表示および実行できるようにするなどの、効率よく文書を編集するための編集モードがあらかじめ用意されており、ユーザの選択によってこの編集モードを切り替えることができるものがある(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−165691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術にあっては、編集モードの切り替え時においては、あくまでも画面の表示方法が変更されるだけである。そのため、例えば、編集モードに含まれた編集の機能であり、なおかつ、重要な機能または頻繁に実行するような機能であっても、編集モードを切り替えた後に、ユーザの判断によってあらためてこの機能を実行しなければならず、手間がかかったり、機能の実行をし忘れたりするなどの問題が生じていた。
【0005】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、容易に文書に対する編集モードに含まれた編集の機能を実行することができる文書編集装置、文書編集方法、および文書編集プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる文書編集装置は、画面に表示されている編集中の文書に対する複数の編集モードのうち一つを選択する編集モード選択手段と、前記編集モード選択手段によって選択された、前記編集モードに含まれた編集の機能に関する情報を取得する機能情報取得手段と、前記機能情報取得手段によって取得された、前記編集モードに含まれた編集の機能に関する情報に基づいて、前記編集モードに含まれた編集の機能を選択する機能選択手段と、前記機能選択手段によって選択された前記編集モードに含まれた編集の機能を実行する機能実行手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この請求項1の発明によれば、文書編集装置は、編集モードを選択することによって、選択した編集モードに含まれた編集の機能のうち、ユーザが所望する機能を実行する。そのため、ユーザは、編集モードを選択するだけといった簡単な操作によって、選択した編集モードに含まれた編集の機能のうち、ユーザが所望する機能を実行することができる。
【0008】
また、請求項2の発明にかかる文書編集装置は、請求項1に記載の発明において、前記機能実行手段によって実行された前記編集モードに含まれた編集の機能の実行結果を画面に表示する結果表示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0009】
この請求項2の発明によれば、文書編集装置は、編集モードを選択することによって、選択した編集モードに含まれた編集の機能のうち、ユーザが所望する機能を実行して、実行した機能の実行結果を画面に表示する。そのため、ユーザは、編集モードを選択するだけといった簡単な操作によって、選択した編集モードに含まれた編集の機能のうち、ユーザが所望する機能を実行して、その実行結果を画面上で確認することができる。
【0010】
また、請求項3の発明にかかる文書編集装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記機能実行手段は、前記機能選択手段によって選択された前記編集モードに含まれた編集の機能のうち、全ての機能を実行することを特徴とする。
【0011】
この請求項3の発明によれば、文書編集装置は、編集モードを選択することによって、選択した編集モードに含まれた編集の機能のうち、ユーザが所望する機能の全てを実行する。そのため、ユーザは、編集モードを選択するだけといった簡単な操作によって、選択した編集モードに含まれた編集の機能のうち、ユーザが所望する全ての機能を実行することができる。
【0012】
また、請求項4の発明にかかる文書編集装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記編集モードに含まれた編集の機能に関する情報に基づいて、前記編集モードとは別の編集モードにおいてすでに実行されていない前記編集モードに含まれた編集の機能を実行すると判断する判断手段をさらに備え、前記機能実行手段は、前記機能選択手段によって選択された前記編集モードに含まれた編集の機能のうち、前記判断手段によって実行すると判断された機能を実行することを特徴とする。
【0013】
この請求項4の発明によれば、文書編集装置は、編集モードを選択することによって、選択した編集モードに含まれた編集の機能のうち、選択した編集モードとは別の編集モードによってすでに実行されていない、ユーザが所望する機能の全てを実行する。そのため、ユーザは、編集モードを選択するだけといった簡単な操作によって、選択した編集モードに含まれた編集の機能のうち、選択した編集モードとは別の編集モードによってすでに実行されていない、ユーザが所望する全ての機能を実行することができる。
【0014】
また、請求項5の発明にかかる文書編集方法は、画面に表示されている編集中の文書に対する複数の編集モードのうち一つを選択する編集モード選択工程と、前記編集モード選択工程によって選択された、前記編集モードに含まれた編集の機能に関する情報を取得する機能情報取得工程と、前記機能情報取得工程によって取得された、前記編集モードに含まれた編集の機能に関する情報に基づいて、前記編集モードに含まれた編集の機能を選択する機能選択工程と、前記機能選択工程によって選択された前記編集モードに含まれた編集の機能を実行する機能実行工程と、を含んだことを特徴とする。
【0015】
この請求項5の発明によれば、文書編集方法は、編集モードを選択することによって、選択した編集モードに含まれた編集の機能のうち、ユーザが所望する機能を実行する。そのため、ユーザは、編集モードを選択するだけといった簡単な操作によって、選択した編集モードに含まれた編集の機能のうち、ユーザが所望する機能を実行することができる。
【0016】
また、請求項6の発明にかかる文書編集プログラムは、請求項5に記載の文書編集方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0017】
この請求項6の発明によれば、文書編集プログラムを実行することにより、上述した文書編集方法によって得られる動作がコンピュータによって実現される。これにより、上述した文書編集方法の実現によって得られる各種効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明にかかる文書編集装置、文書編集方法、および文書編集プログラムによれば、簡単な操作によって、容易に文書に対する編集モードに含まれた編集の機能を実行することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる文書編集装置、文書編集方法、および文書編集プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
(文書編集装置100のハードウェア構成)
図1は、この実施の形態における文書編集装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
この実施の形態における文書編集装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、HDD(Hard Disc Drive)104と、HD(Hard Disc)105と、FDD(Flexible Disc Drive)106と、FD(Flexible Disc)107と、CD−RW(Compact Disc ReWritable)ドライブ108と、CD−RW109と、ディスプレイ110と、キーボード111と、マウス112と、ネットワークI/F(インタフェース)113と、通信ケーブル114と、バス120とを備えて構成されている。
【0022】
CPU101は、装置全体を制御する。ROM102は、各種制御プログラムなどを格納する。RAM103は、可変的なデータを書き換え自在に記憶し、CPU101のワークエリアとして機能する。HDD104は、CPU101の制御にしたがってHD105に対するデータのリード/ライトを制御する。HD105は、HDD104の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する。
【0023】
FDD106は、CPU101の制御にしたがってFD107に対するデータのリード/ライトを制御する。FD107は、着脱自在であり、FDD106の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する。CD−RWドライブ108は、CPU101の制御にしたがってCD−RW(または、CD−R、CD−ROM)109に対するデータのリード/ライトを制御する。CD−RW109は、着脱自在であり、CD−RWドライブ108の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する。
【0024】
ディスプレイ110は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像などの各種データを表示する。キーボード111は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備える。マウス112は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、マウスポインタの移動などを行う。ネットワークI/F113は、通信ケーブル114を介してLANやWANなどのネットワークに接続され、当該ネットワークとCPU101とのインタフェースとして機能する。バス120は上記各部を接続する。
【0025】
(文書編集装置100の機能的構成)
図2は、この実施の形態における文書編集装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、この実施の形態における文書編集装置100は、編集モード選択部201と、機能情報取得部202と、機能選択部203と、判断部204と、機能実行部205と、結果表示部206とを備えて構成されている。
【0026】
編集モード選択部201は、現在編集中の文書に対する編集モードを選択する。編集モードの一例として、例えば、「基本編集モード」、「アウトラインモード」、「仕上げモード」などが挙げられる。「基本編集モード」は、通常、文書作成および文書編集時に使用される編集モードであり、生成される文書イメージを確認しながら文書を編集したり、図形や罫線を挿入したりすることができる。「アウトラインモード」は、ユーザが容易に文書の構成を把握してアイデアをまとめたり文書の骨格を考えたりすることができるように、文書を階層的に表示する。「仕上げモード」は、文書を最後に仕上げるときに必要となる機能を実行する。これらの各編集モードには、共通の基本機能の他に、それぞれの編集モードの目的に応じた特有の機能がそれぞれ含まれている。また、各編集モードは、例えば、ユーザがキーボード111やマウス112を用いて行った、メニュー、アイコン、タブなどの操作に基づいて選択される。
【0027】
機能情報取得部202は、編集モード選択部201によって選択された編集モードに含まれた編集の機能の情報(以下、「関連機能情報」と示す)を取得する。関連機能情報には、編集モードが選択されたときに実行される機能の情報が設定される。関連機能情報には、例えば、編集モードに含まれた複数の機能の名称や、実行済みか否かを機能ごとに示す情報(以下、「実行状況情報」と示す)などが含まれる。関連機能情報は、例えば、あらかじめユーザによって設定されており、HDD104などの記録媒体に格納されている。
【0028】
機能選択部203は、機能情報取得部202によって取得された関連機能情報の中から、実行の対象となる機能を一つずつ順次選択する。
【0029】
判断部204は、機能選択部203によって選択された機能が、すでに他の編集モードで実行済みか否かを判断する。この判断は、機能情報取得部202によって取得された関連機能情報に含まれる後述する実行状況情報に基づいて行われる。また、判断部204は、機能選択部203によって選択された機能を実行するか否かを判断する。判断部204は、確認画面をディスプレイ110に表示し、確認画面に対して行われたユーザの選択に基づいて、選択された機能を実行するか否かを判断する。
【0030】
機能実行部205は、機能選択部203によって選択された機能を実行する。結果表示部206は、機能実行部205によって実行された機能の実行結果をディスプレイ110の画面上に表示する。
【0031】
なお、実施の形態にかかる文書編集装置100の機能的構成は、例えば、編集モード選択部201は、キーボード111とマウス112とが、機能情報取得部202と、機能選択部203と、判断部204と、機能実行部205は、CPU101と、ROM102と、RAM103とが、結果表示部206は、ディスプレイ110が、それぞれその機能を実現する。
【0032】
(文書編集装置100の文書編集処理手順)
図3は、この実施の形態における文書編集装置による文書編集処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、この実施の形態における文書編集処理手順について図3を用いて説明する。
【0033】
まず、編集モード選択部201によって、現在編集中の文書に対する編集モードを選択する(ステップS301)。編集モードは、例えば、ユーザがキーボード111やマウス112を用いて行った、メニュー、アイコン、タブなどの操作に基づいて選択される。なお、編集モードの選択操作の一例については図4および図5を用いて後述する。
【0034】
次に、機能情報取得部202によって、ステップS301で選択された編集モードの関連機能情報を取得する(ステップS302)。機能情報取得部202は、あらかじめユーザによって設定された関連機能情報が格納されているHDD104などの記録媒体から関連機能情報を取得する。なお、関連機能情報の値の一例については図6を用いて後述する。
【0035】
次に、機能選択部203によって、ステップS302で取得された関連機能情報の中に実行する機能が1件以上設定されているか否かを判断する(ステップS303)。ステップS303で、関連機能情報の中に実行する機能が1件以上設定されていると判断した場合は(ステップS303:Yes)、次のステップS304へ進む。ステップS303で、関連機能情報の中に実行する機能が1件以上設定されていないと判断した場合は(ステップS303:No)、ステップS304〜ステップS308を飛ばして、一連の処理を終了する。
【0036】
次に、機能選択部203によって、ステップS302で取得された関連機能情報の中から実行する機能を一つ選択する(ステップS304)。機能選択部203は、関連機能情報に含まれている複数の機能の中から、所定の順序に従って、実行する機能を一つ選択する。
【0037】
次に、判断部204によって、ステップS304で選択された機能がすでに他の編集モードで実行済みか否かを判断する(ステップS305)。判断部204は、ステップS302で取得された関連機能情報に含まれる実行状況情報に基づいて、選択された機能がすでに他の編集モードで実行済みか否かを判断する。
【0038】
ステップS305で、選択された機能がすでに他の編集モードで実行済みであると判断した場合は(ステップS305:Yes)、実行済みの機能は実行しないため、ステップS303へ戻って、さらに、ステップS302で取得された関連機能情報の中に実行する機能が1件以上設定されているか否かを判断する。ステップS305で、選択された機能がすでに他の編集モードで実行済みでないと判断した場合は(ステップS305:No)、次のステップS306へ進む。
【0039】
次に、判断部204によって、ステップS304で選択された機能を実行するか否かを判断する(ステップS306)。判断部204は、確認画面をディスプレイ110の画面上に表示し、確認画面に対して行われたユーザの選択に基づいて、選択された機能を実行するか否かを判断する。なお、ディスプレイ110の画面上に表示された確認画面の一例については図7を用いて後述する。
【0040】
ステップS306で、選択された機能を実行すると判断した場合は(ステップS306:Yes)、次のステップS307へ進む。ステップS306で、選択された機能を実行しないと判断した場合は(ステップS306:No)、ステップS303へ戻って、さらに、ステップS302で取得された関連機能情報の中に実行する機能が1件以上設定されているか否かを判断する。
【0041】
次に、機能実行部205によって、ステップS304で選択された機能を実行して(ステップS307)、結果表示部206によって、ステップS307で実行された機能の実行結果をディスプレイ110の画面上に表示する(ステップS308)。なお、ディスプレイ110の画面上に表示された実行結果の一例については図8を用いて説明する。また、編集モードに含まれた編集の機能が実行された後の文書の一例については図9を用いて後述する。
【0042】
そして、ステップS303へ戻って、さらに、ステップS302で取得された関連機能情報の中に実行する機能が1件以上設定されているか否かを判断する。さらに、ステップS303〜ステップS308を繰り返し行うことによって、ステップS302で取得された関連機能情報の中から、他の編集モードで実行されていない機能を全て実行して、一連の処理を終了する。
【0043】
図4および図5は、編集モードの選択操作の一例を示す図である。図4および図5に示すように、文書編集画面400は、文書410と、編集モード選択タブ420,430,440と、マウスポインタ450とによって構成されている。文書410は、ユーザによって文書編集装置100で作成および編集された文書である。編集モード選択タブ420,430,440は、文書410に対する編集モードを切り替えるためにユーザによって選択される。図4においては、文書410に対する編集モードを「基本編集モード」とするために、編集モード選択タブ420が選択されている。マウスポインタ450は、編集モード選択タブ420,430,440を選択するために、ユーザによるキーボード111またはマウス112の操作によって文書編集画面400の画面上を移動する。
【0044】
例えば、文書410に対して、「基本編集モード」による編集を終え、「仕上げモード」による編集を行いたい場合は、マウスポインタ450が編集モード選択タブ440上に位置する状態から、マウス112をクリック操作することによって、文書410に対する編集モードが「仕上げモード」に切り替えられ、文書編集画面400は図5に示すような状態となる。
【0045】
図5で示すように、編集モードが「仕上げモード」に切り替えられたときには、文書編集画面400の画面上にはツールバー510が表示される。ツールバー510は、「仕上げモード」に含まれる各機能を実行するための、ユーザによる選択可能な選択ボタン511〜519によって構成されている。
【0046】
例えば、「通常」が表示されている選択ボタン511が選択されると、文書410は、文書編集画面400の画面上において、通常編集が行われる状態で表示される。また、例えば、「一覧」が表示されている選択ボタン512が選択されると、文書編集画面400の画面上に文書410の全てのページが一覧表示される。これによって、ユーザは、文書410に含まれる白紙ページや中途半端なページなどの不自然なページがないかを確認することができる。
【0047】
さらに、例えば、「スライド」が表示されている選択ボタン513が選択されると、文書編集画面400には、メニューやツールボックスなどが表示されずに文書410だけが大きく表示される。これによって、ユーザは、文書410をプレゼンテーションなどに利用することができる。さらに、例えば、「スタンプ」が表示されている選択ボタン514が選択されると、文書410に対して「スタンプ」機能が実行される。これによってユーザは、ビジネス印などのスタンプ画像を「はんこ」の感覚で文書410に挿入することができる。
【0048】
さらに、例えば、「文書校正」が表示されている選択ボタン515が選択されると、文書410に対して「文書校正」機能が実行される。これによって、誤字・脱字や仮名遣い、英単語のスペルチェックなど、一定のルールに従ったチェックが行われ、ユーザは修正の必要な箇所を容易に把握することができる。さらに、例えば、「改竄禁止」が表示されている選択ボタン516が選択されると、文書410に対するパスワードの設定画面が文書編集画面400に表示される。パスワード設定画面より、パスワードを設定することによって、次回文書410を起動したときに編集、保存、印刷などを制限して、文書410の改竄を防ぐことができる。
【0049】
さらに、例えば、「すかし」が表示されている選択ボタン517が選択されると、文書410に対して「すかし」機能が実行される。これによってユーザは、文書410に対して、文書410の背景に「社外秘」「原本」などの文書410の種類を示す文字などを印字することができる。
【0050】
さらに、例えば、「外字画像化」が表示されている選択ボタン518が選択されると、文書410に含まれている外字が画像化される。これによって、文書410に含まれている外字に対応していない装置上であっても、ユーザは外字を認識することができる。
【0051】
さらに、例えば、「マスキング」が表示されている選択ボタン519が選択されると、文書410に対して「マスキング」機能が実行される。これによって、あらかじめ文書編集装置100に設定されている個人情報や機密情報などのマスキング対象文字列がマスキングされ、第三者に見られないように保護することができる。
【0052】
図6は、関連機能情報の値の一例を示す図である。表600は、文書410に対して設定された関連機能情報であり、編集モード601と、機能名602と、実行状況603とを保持している。表600は、あらかじめ、ユーザによって設定され、HDD104などの記録媒体などに格納されており、機能情報取得部202によって読み出される。そして、機能選択部203によって、ユーザの選択した編集モードに含まれた編集の機能の選択に用いられる。さらに、判断部204によって、機能選択部203によって選択された機能がすでに他の編集モードで実行済みか否かの判断に用いられる。
【0053】
表600が保持する設定項目のうち、編集モード601には、ユーザによって選択される編集モードの名称が設定される。また、機能名602には、編集モード601に設定したそれぞれの編集モードに対して、編集モードに含まれる機能の中から、編集モードがユーザによって選択されたときに実行する機能の名称が設定される。そして、実行状況603は、機能名602に設定した機能がすでに実行されたか否かを示す情報が設定される。
【0054】
例えば、編集モード601が「仕上げ」の場合は、機能情報取得部202は、機能名602として「外字の画像化」と「文書校正」と「マスキング」とを取得することを示している。そして、機能選択部203は、「外字の画像化」と「文書校正」と「マスキング」とを順次選択することを示している。また、編集モード601が「仕上げ」であり、機能名602が「外字の画像化」の場合は、判断部204は、実行状況603として「未」(他の編集モードで実行されていないことを意味する)を選択することを示している。さらに、編集モード601が「仕上げ」であり、機能名602が「文書校正」の場合は、判断部204は、実行状況603として「済」(他の編集モードですでに実行されていることを意味する)を選択することを示している。さらに、編集モード601が「仕上げ」であり、機能名602が「マスキング」の場合は、判断部204は、実行状況603として「未」を選択することを示している。これによって、ユーザが「仕上げモード」を選択した場合は、文書編集装置100は、図5で説明した「仕上げモード」に関する機能の中から、「外字の画像化」機能と「マスキング」機能とを実行する。
【0055】
図7は、ディスプレイ110に表示された確認画面の一例を示す図である。図7で示すように、文書編集画面400に対して覆い重なるように、確認画面710が表示されている。確認画面710は、図6で説明した関連機能情報に基づいて、機能選択部203によって選択された「マスキング」機能を実行するか否かを選択するために、判断部204によって表示された画面である。
【0056】
確認画面710は、確認メッセージ711と、確認ボタン712と、確認ボタン713とによって構成されている。確認メッセージ711は、ユーザに対して、「マスキング」機能を実行するか否かの確認を促すためのメッセージである。確認ボタン712は、「マスキング」機能を実行する場合に、ユーザによって選択される。確認ボタン713は、「マスキング」機能を実行しない場合に、ユーザによって選択される。確認画面710は、ユーザによって確認ボタン712または確認ボタン713が選択されることによって文書編集画面400の画面上から消滅する。
【0057】
図8は、ディスプレイ110に表示された実行結果の一例を示す図である。図8で示すように、文書編集画面400に対して覆い重なるように、実行結果画面810が表示されている。実行結果画面810は、図6で説明した関連機能情報に基づいて、機能選択部203によって選択された「マスキング」機能が実行されたことを示すために、結果表示部206によって表示された画面である。
【0058】
確認画面810は、確認メッセージ811と、確認ボタン812とによって構成されている。確認メッセージ811は、ユーザに対して、「マスキング」機能が実行されたことを示すためのメッセージである。確認画面810は、ユーザによって確認ボタン812が選択されることによって文書編集画面400の画面上から消滅する。
【0059】
図9は、編集モードに含まれた編集の機能が実行された後の文書の一例を示す図である。図9に示すように、文書編集画面400の文書410には、「仕上げモード」に含まれた「マスキング」機能が実行されたことによって、あらかじめ文書編集装置100に設定されているマスキング対象文字列がマスキングされている。図9に示すように、マスキング対象文字列は、文字「*」によって構成されている文字列に置き換えられることによってマスキングされている。
【0060】
このように、文書編集装置100では、キーボード111およびマウス112を用いた編集モードの選択に伴って、あらかじめユーザによって文書編集装置100に設定された、編集モードに含まれた所望の機能を実行することができる。また、編集モードに含まれた所望の機能を実行することおよび実行結果をディスプレイ110の画面上に表示することができる。そのため、ユーザは、編集モードを選択するだけといった簡単な操作によって、容易に編集モードに含まれた所望の機能を実行することができる。また、編集モードに含まれた所望の機能が実行されたことおよび実行結果を容易に把握することができ、編集モードに含まれた所望の機能の実行し忘れなどを防止することができる。
【0061】
なお、本実施の形態においては、編集モードに含まれた編集の機能が機能実行部205によって実行される構成としたが、例えば、編集モードに含まれた編集の機能を実行せずに、編集モードに含まれた編集の機能を実行することや、編集モードに含まれた編集の機能が実行されていないことなどをユーザに促すためのポップアップ画面やアイコンなどの表示を文書編集画面400上に表示する構成としてもよい。
【0062】
また、本実施の形態においては、ユーザによって、編集モードに含まれた編集の機能を実行するか否かの判断処理を含んだ構成としたが、例えば、ユーザの判断を仰がずに、編集モードに含まれた編集の機能が実行される構成としてもよい。
【0063】
さらに、本実施の形態においては、ユーザが選択した編集モードとは別の編集モードにおいてあらかじめ実行されている機能については、実行しない構成としたが、別の編集モードにおいてあらかじめ実行されている機能であっても実行する構成としてもよい。
【0064】
さらに、本実施の形態においては、文書編集装置100が編集する文書ごとに関連機能情報をあらかじめ設定することができる構成としたが、文書編集装置100が編集する各文書が共通で使用する関連機能情報をあらかじめ設定することができる構成としてもよい。
【0065】
なお、本実施の形態で説明した文書編集方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、HD、FD、CD−ROMなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように、本発明にかかる文書編集装置、文書編集方法、および文書編集プログラムは、編集モードに含まれた編集の機能の実行による所望の文書の作成に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】この実施の形態における文書編集装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】この実施の形態における文書編集装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図3】この実施の形態における文書編集装置による文書編集処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】編集モードの選択操作の一例を示す図である。
【図5】編集モードの選択操作の一例を示す図である。
【図6】関連機能情報の値の一例を示す図である。
【図7】確認画面の一例を示す図である。
【図8】実行結果の一例を示す図である。
【図9】編集モードに含まれた編集の機能が実行された後の文書の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
100 文書編集装置
201 編集モード選択部
202 機能情報取得部
203 機能選択部
204 判断部
205 機能実行部
206 結果表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面に表示されている編集中の文書に対する複数の編集モードのうち一つを選択する編集モード選択手段と、
前記編集モード選択手段によって選択された、前記編集モードに含まれた編集の機能に関する情報を取得する機能情報取得手段と、
前記機能情報取得手段によって取得された、前記編集モードに含まれた編集の機能に関する情報に基づいて、前記編集モードに含まれた編集の機能を選択する機能選択手段と、
前記機能選択手段によって選択された前記編集モードに含まれた編集の機能を実行する機能実行手段と、
を備えたことを特徴とする文書編集装置。
【請求項2】
前記機能実行手段によって実行された前記編集モードに含まれた編集の機能の実行結果を画面に表示する結果表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の文書編集装置。
【請求項3】
前記機能実行手段は、前記機能選択手段によって選択された前記編集モードに含まれた編集の機能のうち、全ての機能を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の文書編集装置。
【請求項4】
前記編集モードに含まれた編集の機能に関する情報に基づいて、前記編集モードとは別の編集モードにおいてすでに実行されていない前記編集モードに含まれた編集の機能を実行すると判断する判断手段をさらに備え、
前記機能実行手段は、前記機能選択手段によって選択された前記編集モードに含まれた編集の機能のうち、前記判断手段によって実行すると判断された機能を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の文書編集装置。
【請求項5】
画面に表示されている編集中の文書に対する複数の編集モードのうち一つを選択する編集モード選択工程と、
前記編集モード選択工程によって選択された、前記編集モードに含まれた編集の機能に関する情報を取得する機能情報取得工程と、
前記機能情報取得工程によって取得された、前記編集モードに含まれた編集の機能に関する情報に基づいて、前記編集モードに含まれた編集の機能を選択する機能選択工程と、
前記機能選択工程によって選択された前記編集モードに含まれた編集の機能を実行する機能実行工程と、
を含んだことを特徴とする文書編集方法。
【請求項6】
請求項5に記載の文書編集方法をコンピュータに実行させることを特徴とする文書編集プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−122152(P2007−122152A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−309859(P2005−309859)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(390024350)株式会社ジャストシステム (123)
【Fターム(参考)】