説明

文書編集装置、文書編集方法、および文書編集プログラム

【課題】容易に所望の文字列がマスキングされた文書を生成すること。
【解決手段】文書編集装置100は、文字列選択部203と、マスキング部204と、文書表示部206とを備える。文字列選択部203は、画面に表示された文書中の任意の文字列に対するドラッグ操作によって、マスキングの対象となる文字列を選択する。マスキング部204は、文字列選択部203によって選択された文字列をマスキングする。文書表示部206は、マスキング部204によってマスキングされた文字列を含む文書を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、文書の特定の部分をマスキングした状態で出力する、文書編集装置、文書編集方法、および文書編集プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、キーボードなどの入力操作によって文書を作成および編集し、この文書をディスプレイなどに表示することができる文書編集装置がある。このような文書編集装置には、文書中に含まれる特定の文字列(以下、「マスキング対象文字列」と示す)に対してマスキング処理を施したうえで、ディスプレイなどに文書を表示することによって、特定の個人情報や機密情報が第三者に見られないように保護ができるものがある(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−143871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術にあっては、あらかじめマスキング対象文字列を文書の編集画面とは別の画面上で設定する必要がある。そのため、所望の文字列がマスキングされた文書を生成するまでに、わずらわしい設定操作を繰り返し行わなければならず、手間がかかるという問題が生じていた。
【0005】
また、あらかじめ行われた設定に基づいてマスキングを実行すると、文書中にマスキング対象文字列と同一の文字列が複数含まれていた場合は、その全てに対してマスキングが行われる。そのため、特定の一部の文字列だけに対してマスキングを行うことができないという問題が生じていた。
【0006】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、容易に所望の文字列がマスキングされた文書を生成することができる文書編集装置、文書編集方法、および文書編集プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる文書編集装置は、画面に表示された文書中の任意の文字列に対するドラッグ操作によって、マスキングの対象となる文字列を選択する文字列選択手段と、前記文字列選択手段によって選択された前記文字列をマスキングするマスキング手段と、前記マスキング手段によってマスキングされた前記文字列を含む前記文書を表示する文書表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この請求項1の発明によれば、マスキングしたい任意の文字列をペンでなぞるようにドラッグ操作するだけといった簡単な操作によって、任意の文字列がマスキングされた文書を作成することができる。
【0009】
また、請求項2の発明にかかる文書編集装置は、請求項1に記載の発明において、前記画面に表示された前記文書をコピーすることによって、マスキングを行うための文書を新たに生成する文書切替手段をさらに備え、前記マスキング手段は、前記マスキングを行うための前記文書に対して前記文字列をマスキングすることを特徴とする。
【0010】
この請求項2の発明によれば、元の文書をコピーすることによって新規文書を生成し、生成した新規文書に対してマスキングを行う。そのため、元の文書を誤って編集してしまうことを回避することができる。
【0011】
また、請求項3の発明にかかる文書編集装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記文字列選択手段によって選択された前記文字列と同一の文字列を前記文書中から検索する文字列検索手段をさらに備え、前記マスキング手段は、前記文字列検索手段によって検索された、前記文字列選択手段によって選択された前記文字列と同一の文字列をマスキングすることを特徴とする。
【0012】
この請求項3の発明によれば、ドラッグ操作によって選択したマスキングしたい任意の文字列と同一の文字列を編集中の文書の中から検索することができる。そして検索した結果見つかった文字列をマスキングすることができる。そのため、マスキングしたい任意の文字列をペンでなぞるようにドラッグ操作するだけといった簡単な操作によって、任意の文字列および任意の文字列と同一の文字列がマスキングされた文書を作成することができる。
【0013】
また、請求項4の発明にかかる文書編集装置は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記マスキング手段は、前記文字列を所定の色で塗りつぶすことによって、前記文字列をマスキングすることを特徴とする。
【0014】
この請求項4の発明によれば、マスキングしたい任意の文字列をペンでなぞるようにドラッグ操作するだけといった簡単な操作によって、任意の文字列が所定の色で塗りつぶされることによってマスキングされた文書を作成することができる。
【0015】
また、請求項5の発明にかかる文書編集装置は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記マスキング手段は、前記文字列を所定の文字列に置き換えることによって、前記文字列をマスキングすることを特徴とする。
【0016】
この請求項5の発明によれば、マスキングしたい任意の文字列をペンでなぞるようにドラッグ操作するだけといった簡単な操作によって、任意の文字列が所定の文字列に置き換えられることによってマスキングされた文書を作成することができる。
【0017】
また、請求項6の発明にかかる文書編集装置は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記マスキング手段は、前記文書表示手段によって表示された前記マスキングされた文字列に対するクリック操作によって、前記マスキングされた文字列のマスキングを解除することを特徴とする。
【0018】
この請求項6の発明によれば、マスキングされた文字列をクリック操作するだけといった簡単な操作によって、マスキングされた文字列のマスキングを解除することができる。
【0019】
また、請求項7の発明にかかる文書編集方法は、画面に表示された文書中の任意の文字列に対するドラッグ操作によって、マスキングの対象となる文字列を選択する文字列選択工程と、前記文字列選択工程によって選択された前記文字列をマスキングするマスキング工程と、前記マスキング工程によってマスキングされた前記文字列を含む前記文書を表示する文書表示工程と、を含んだことを特徴とする。
【0020】
この請求項7の発明によれば、マスキングしたい任意の文字列をペンでなぞるようにドラッグ操作するだけといった簡単な操作によって、任意の文字列がマスキングされた文書を作成することができる。
【0021】
また、請求項8の発明にかかる文書編集プログラムは、請求項7に記載の文書編集方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0022】
この請求項8の発明によれば、文書編集プログラムを実行することにより、上述した文書編集方法によって得られる動作がコンピュータによって実現される。これにより、上述した文書編集方法の実現によって得られる各種効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明にかかる文書編集装置、文書編集方法、および文書編集プログラムによれば、簡単な操作によって、容易に所望の文字列がマスキングされた文書を生成することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる文書編集装置、文書編集方法、および文書編集プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0025】
(文書編集装置100のハードウェア構成)
図1は、この実施の形態における文書編集装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
この実施の形態における文書編集装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、HDD(Hard Disc Drive)104と、HD(Hard Disc)105と、FDD(Flexible Disc Drive)106と、FD(Flexible Disc)107と、CD−RW(Compact Disc ReWritable)ドライブ108と、CD−RW109と、ディスプレイ110と、キーボード111と、マウス112と、ネットワークI/F(インタフェース)113と、通信ケーブル114と、バス120とを備えて構成されている。
【0027】
CPU101は、装置全体を制御する。ROM102は、各種制御プログラムなどを格納する。RAM103は、可変的なデータを書き換え自在に記憶し、CPU101のワークエリアとして機能する。HDD104は、CPU101の制御にしたがってHD105に対するデータのリード/ライトを制御する。HD105は、HDD104の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する。
【0028】
FDD106は、CPU101の制御にしたがってFD107に対するデータのリード/ライトを制御する。FD107は、着脱自在であり、FDD106の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する。CD−RWドライブ108は、CPU101の制御にしたがってCD−RW(または、CD−R、CD−ROM)109に対するデータのリード/ライトを制御する。CD−RW109は、着脱自在であり、CD−RWドライブ108の制御にしたがって書き込まれたデータを記憶する。
【0029】
ディスプレイ110は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像などの各種データを表示する。キーボード111は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備える。マウス112は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、マウスポインタの移動などを行う。ネットワークI/F113は、通信ケーブル114を介してLANやWANなどのネットワークに接続され、当該ネットワークとCPU101とのインタフェースとして機能する。バス120は上記各部を接続する。
【0030】
(文書編集装置100の機能的構成)
図2は、この実施の形態における文書編集装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、この実施の形態における文書編集装置100は、操作入力部201と、文書切替部202と、文字列選択部203と、マスキング部204と、文字列検索部205と、文書表示部206とを備えて構成されている。
【0031】
操作入力部201は、キーボード111やマウス112の操作によって生成された操作情報を取得する。操作入力部201が取得する操作情報として、例えば、マスキング処理の開始情報や、マスキング対象文字列の選択情報などが挙げられる。文書編集装置100は、操作入力部201によって取得した操作情報(マスキング処理の開始情報)に基づいてマスキング処理を開始する。
【0032】
文書切替部202は、現在編集中の文書(以下、「元文書」と示す)をコピーすることによって、マスキング処理の対象となる文書(以下、「マスキング文書」と示す)を生成する。そして、編集する文書を、元文書から、生成したマスキング文書へと切り替える。
【0033】
文字列選択部203は、操作入力部201によって取得した操作情報(マスキング対象文字列の選択情報)に基づいて、マスキング文書の中からマスキング対象文字列を選択する。また、文字列選択部203は、後述する文字列検索部205によって検索された、文字列選択部203によって選択された文字列と同一の文字列をマスキング対象文字列として選択する。
【0034】
マスキング部204は、マスキング文書の中の文字列選択部203によって選択されたマスキング対象文字列に対してマスキングを行う。
【0035】
文字列検索部205は、文字列選択部203によって選択されたマスキング対象文字列と同一の文字列をマスキング文書の中から検索する。
【0036】
文書表示部206は、マスキング部204によってマスキングが行われたマスキング文書を、文書編集装置100のディスプレイ110の画面上に表示する。
【0037】
(文書編集装置100の文書編集処理手順)
図3は、この実施の形態における文書編集装置による文書編集処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、この実施の形態における文書編集処理手順について図3を用いて説明する。以下に説明する文書編集処理は、例えば、操作入力部201によって取得した、マスキング処理の開始情報などに基づいて開始される。マスキング処理の開始情報は、例えば、ディスプレイ110に表示されたメニューやアイコンなどを、キーボード111やマウス112を用いて選択操作することによって生成される。
【0038】
まず、文書切替部202によって、編集する文書をマスキング文書に切り替える(ステップS301)。文書切替部202は、元文書をコピーすることによってマスキング文書を生成する。そして、編集する文書を、元文書から、生成したマスキング文書へと切り替える。なお、以降の文書編集処理は、生成したマスキング文書に対して行われる。なお、元文書は起動されたままであり、編集する文書をマスキング文書から元文書へと切り替えることができる。但し、元文書へのマスキングを行うことはできない。
【0039】
次に、操作入力部201によって、マスキング対象文字列の選択操作情報を取得する(ステップS302)。操作入力部201が取得するマスキング対象文字列の選択操作情報は、ユーザが、キーボード111やマウス112を用いて、ステップS301で生成されたマスキング文書に対して行った、任意の文字列のドラッグ操作によって生成される。なお、マスキング対象文字列の選択操作の一例については、図4および図5を用いて後述する。
【0040】
次に、文字列選択部203によって、マスキング文書の中からマスキング対象文字列を選択する(ステップS303)。文字列選択部203は、ステップS302で取得したマスキング対象文字列の選択操作情報に基づいて、マスキング文書の中からマスキング対象文字列を選択する。
【0041】
次に、マスキング部204によって、ステップS303で選択した文字列をマスキングするか否かの判断を行う(ステップS304)。マスキング部204は、確認画面をディスプレイ110に表示し、確認画面に対して行われたユーザの選択に基づいて、選択した文字列をマスキングするか否かの判断を行う。なお、選択した文字列をマスキングするか否かの確認画面の一例については、図6を用いて後述する。
【0042】
ステップS304で、選択した文字列をマスキングすると判断した場合は(ステップS304:Yes)、マスキング部204によって、ステップS303で選択した文字列をマスキングする(ステップS305)。そして、文書表示部206によって、ステップS303で選択した文字列がマスキングされたマスキング文書を表示して(ステップS306)、次のステップS307へ進む。ステップS304で、選択した文字列をマスキングしないと判断した場合は(ステップS304:No)、ステップS305およびステップS306を飛ばして、ステップS307へ進む。なお、選択した文字列がマスキングされたマスキング文書の一例については、図7を用いて後述する。
【0043】
次に、文字列検索部205によって、ステップS303で選択した文字列と同一の文字列を検索するか否かの判断を行う(ステップS307)。文字列検索部205は、確認画面をディスプレイ110に表示し、確認画面に対して行われたユーザの選択に基づいて、選択した文字列と同一の文字列を検索するか否かの判断を行う。なお、同一の文字列を検索するか否かの確認画面の一例については、図8を用いて後述する。
【0044】
ステップS307で、選択した文字列と同一の文字列を検索すると判断した場合は(ステップS307:Yes)、文字列検索部205によって、ステップS303で選択した文字列と同一の文字列を検索する(ステップS308)。そして、ステップS303で選択した文字列と同一の文字列が見つかった場合は(ステップS309:Yes)、見つかった文字列をマスキング対象文字列として選択する(ステップS310)。さらに、ステップS304に戻って、マスキング部204によって、ステップS310で選択した文字列をマスキングするか否かの判断を行う。なお、同一の文字列を検索した結果、見つかった文字列をマスキングするか否かの確認画面の一例については、図9を用いて後述する。
【0045】
さらに、ステップS304〜ステップS310を繰り返し行うことによって、マスキング文書中に含まれる全てのステップS303で選択した文字列と同一の文字列に対してマスキングするか否かを判断して、マスキングすると判断した文字列をマスキングすることができる。ステップS309で、ステップS303で選択した文字列と同一の文字列が見つからなかった場合は(ステップS309:No)、ステップS310を飛ばして、一連の処理を終了する。
【0046】
ステップS307で、選択した文字列と同一の文字列を検索しないと判断した場合は(ステップS307:No)、ステップS308〜ステップS310を飛ばして、一連の処理を終了する。
【0047】
図4および図5は、マスキング対象文字列の選択操作の一例を示す図である。図4および図5に示すように、文書編集画面400は、文書410と、マウスポインタ420とによって構成されている。文書410は、ユーザによって文書編集装置100で作成および編集された文書を、文書切替部202がコピーしたことによって生成されたマスキング文書である。文書410には「会社名」や「売上高」のように個人情報や機密情報となりうる情報が含まれている。マウスポインタ420は、マスキング対象の文字列を選択するために、ユーザによるキーボード111またはマウス112の操作によって文書編集画面400の画面上を移動する。
【0048】
例えば、4行目に表示されている文字列「ジャスト電器」の「ジャスト」の部分をマスキングしたい場合は、図4に示すように、マウスポインタ420が位置Aに位置する状態から、キーボード111またはマウス112の操作によって、方向Bに向かって移動させることによって文字列「ジャスト」をドラッグ操作する。これにより文字列「ジャスト」はマスキング対象文字列となる。ドラッグ操作された文字列「ジャスト」は、図5に示すように、反転されて表示される。
【0049】
図6は、選択した文字列をマスキングするか否かの確認画面の一例を示す図である。図6に示すように、文書編集画面400に対して覆い重なるように、確認画面600が表示されている。確認画面600は、図4および図5で説明したように、4行目に表示されている文字列「ジャスト電器」の「ジャスト」の部分をドラッグ操作することによって表示された画面である。
【0050】
確認画面600は、確認メッセージ601と、確認ボタン602と、確認ボタン603とによって構成されている。確認メッセージ601は、ユーザに対して、選択した文字列をマスキングするか否かの確認を促すためのメッセージである。確認ボタン602は、選択した文字列をマスキングする場合に、ユーザによって選択される。確認ボタン603は、選択した文字列をマスキングしない場合に、ユーザによって選択される。確認画面600は、ユーザによって確認ボタン602または確認ボタン603が選択されることによって文書編集画面400の画面上から消滅する。
【0051】
図7は、選択した文字列がマスキングされたマスキング文書の一例を示す図である。図7に示すように、文書編集画面400の文書410にはマスキング701が含まれている。マスキング701は、図4および図5で説明した操作によって選択された、4行目に表示されている文字列「ジャスト電器」の「ジャスト」の部分が、マスキング部204によって黒塗りされることによってマスキングされたものである。なお、文書編集装置100は、文字列を塗りつぶす際に用いる任意の色をあらかじめ設定しておくことができる。
【0052】
また、マスキング部204は、例えば、マウスポインタ420がマスキング701上に位置するときに、マウス112を右クリック操作することによって、マスキング701のマスキングを解除することができる。マスキング部204によってマスキングされたマスキング701は、例えば、文書410を保存するまでの間マスキングを解除することができる。
【0053】
図8は、同一の文字列を検索するか否かの確認画面の一例を示す図である。図8に示すように、図7で示した文書編集画面400に対して覆い重なるように、確認画面800が表示されている。確認画面800は、図4、図5、図6および図7で説明したように、4行目に表示されている文字列「ジャスト電器」の「ジャスト」の部分をマスキングしたことによって表示された画面である。
【0054】
確認画面800は、確認メッセージ801と、確認ボタン802と、確認ボタン803とによって構成されている。確認メッセージ801は、ユーザに対して、図4および図5の操作によって選択された文字列「ジャスト」と同一の文字列を検索するか否かの確認を促すためのメッセージである。確認ボタン802は、同一の文字列を検索する場合に、ユーザによって選択される。確認ボタン803は、同一の文字列を検索しない場合に、ユーザによって選択される。確認画面800は、ユーザによって確認ボタン802または確認ボタン803が選択されることによって文書編集画面400の画面上から消滅する。
【0055】
図9は、同一の文字列を検索した結果、見つかった文字列をマスキングするか否かの確認画面の一例を示す図である。図9に示すように、文書編集画面400の文書410の9行目には検索文字列910が含まれている。検索文字列910は、図8で説明したように、文書410の4行目に表示されていた文字列「ジャスト電器」の「ジャスト」の部分と同一の文字列を検索したことによって見つかったマスキング対象文字列である。検索文字列910は、図9に示すように、ドラッグ操作した場合と同様に反転されて表示される。
【0056】
また、文書編集画面400に対して覆い重なるように、確認画面900が表示されている。確認画面900は、図8で説明したように、文書410の4行目に表示されていた文字列「ジャスト電器」の「ジャスト」の部分と同一の文字列を検索したことによって表示された画面である。
【0057】
確認画面900は、確認メッセージ901と、確認ボタン902と、確認ボタン903とによって構成されている。確認メッセージ901は、ユーザに対して、検索文字列910をマスキングするか否かの確認を促すためのメッセージである。確認ボタン902は、検索文字列910をマスキングする場合に、ユーザによって選択される。確認ボタン903は、検索文字列910をマスキングしない場合に、ユーザによって選択される。確認画面900は、ユーザによって確認ボタン902または確認ボタン903が選択されることによって文書編集画面400の画面上から消滅する。
【0058】
このように、文書編集装置100では、キーボード111およびマウス112を用いてマスキング対象の文字列をドラッグ操作するだけといった簡単な操作によって、マスキング対象文字列を選択することができる。また、上記によって選択したマスキング対象文字列と同一の文字列をマスキング文書中から検索することができる。そして、検索した結果見つかった文字列のそれぞれに対してマスキングするか否かを選択することができる。そのため、ユーザは、簡単な操作によって、容易に所望の文字列がマスキングされたマスキング文書を生成することができる。
【0059】
なお、本実施の形態においては、元文書をコピーすることによってマスキング文書を生成して、生成したマスキング文書に対してマスキングを行う構成としたが、マスキング文書を生成せずに、元文書に対してマスキングを行う構成としてもよい。
【0060】
さらに、本実施の形態においては、マスキングを行ってからマスキング文書を保存するまでの間であればマスキングを解除することができる構成としたが、マスキング文書を保存した後であっても、例えば、特定の権限を持つユーザであれば、マスキングを解除することができる構成としてもよい。また、マスキングを行ってからマスキング文書を保存する以前であっても、マスキングを解除することができない構成としてもよい。
【0061】
さらに、本実施の形態においては、ユーザによって選択された文字列をマスキングするか否かの判断処理を含んだ構成としたが、この判断処理を含まずに、ユーザによって選択された文字列は必ずマスキングする構成としてもよい。
【0062】
さらに、本実施の形態においては、ユーザによって選択された文字列を黒塗りすることによってマスキングする構成としたが、これに限らず、例えば、「*」や空白文字などの所定の文字に置き換えるによってマスキングする構成としてもよい。
【0063】
さらに、本実施の形態においては、ユーザによって選択されたマスキング対象文字列と同一の文字列を検索した際に、検索した結果見つかった文字列1件毎にマスキングするか否かの選択をユーザに求める構成としたが、検索した結果見つかった文字列の全件を一覧に表示する構成としてもよい。この場合、一覧に表示された文字列の中からマスキングしたい文字列を選択することによって、選択された文字列がマスキングされるようにしてもよい。
【0064】
さらに、本実施の形態においては、ユーザが文書中の文脈を判断しながらマスキング対象とする文字列を選択する構成としたが、文書編集装置100によってユーザに呈示されたマスキング対象の候補の一覧に基づいて、マスキング対象とする文字列を選択する構成としてもよい。この場合、ユーザに呈示されるマスキング対象の候補一覧に表示される文字列として、例えば、商品名、金額、数量、人名、日時、期間、組織名、URL、メールアドレス、地名、電話番号、FAX番号などが挙げられる。ユーザはあらかじめ、これらの文字列の中から呈示を求める文字列を選択することができる。また、一覧に表示された文字列の中からマスキングしたい文字列を選択することによって、選択された文字列がマスキングされるようにしてもよい。
【0065】
なお、本実施の形態で説明した文書編集方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、HD、FD、CD−ROMなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上のように、本発明にかかる文書編集装置、文書編集方法、および文書編集プログラムは、特定の文字列がマスキングされた文書の作成に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】この実施の形態における文書編集装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】この実施の形態における文書編集装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図3】この実施の形態における文書編集装置による文書編集処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】マスキング対象文字列の選択操作の一例を示す図である。
【図5】マスキング対象文字列の選択操作の一例を示す図である。
【図6】選択した文字列をマスキングするか否かの確認画面の一例を示す図である。
【図7】選択した文字列がマスキングされたマスキング文書の一例を示す図である。
【図8】同一の文字列を検索するか否かの確認画面の一例を示す図である。
【図9】同一の文字列を検索した結果、見つかった文字列をマスキングするか否かの確認画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
100 文書編集装置
201 操作入力部
202 文書切替部
203 文字列選択部
204 マスキング部
205 文字列検索部
206 文書表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面に表示された文書中の任意の文字列に対するドラッグ操作によって、マスキングの対象となる文字列を選択する文字列選択手段と、
前記文字列選択手段によって選択された前記文字列をマスキングするマスキング手段と、
前記マスキング手段によってマスキングされた前記文字列を含む前記文書を表示する文書表示手段と、
を備えたことを特徴とする文書編集装置。
【請求項2】
前記画面に表示された前記文書をコピーすることによって、マスキングを行うための文書を新たに生成する文書切替手段をさらに備え、
前記マスキング手段は、前記マスキングを行うための前記文書に対して前記文字列をマスキングすることを特徴とする請求項1に記載の文書編集装置。
【請求項3】
前記文字列選択手段によって選択された前記文字列と同一の文字列を前記文書中から検索する文字列検索手段をさらに備え、
前記マスキング手段は、前記文字列検索手段によって検索された、前記文字列選択手段によって選択された前記文字列と同一の文字列をマスキングすることを特徴とする請求項1または2に記載の文書編集装置。
【請求項4】
前記マスキング手段は、前記文字列を所定の色で塗りつぶすことによって、前記文字列をマスキングすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の文書編集装置。
【請求項5】
前記マスキング手段は、前記文字列を所定の文字列に置き換えることによって、前記文字列をマスキングすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の文書編集装置。
【請求項6】
前記マスキング手段は、前記文書表示手段によって表示された前記マスキングされた文字列に対するクリック操作によって、前記マスキングされた文字列のマスキングを解除することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の文書編集装置。
【請求項7】
画面に表示された文書中の任意の文字列に対するドラッグ操作によって、マスキングの対象となる文字列を選択する文字列選択工程と、
前記文字列選択工程によって選択された前記文字列をマスキングするマスキング工程と、
前記マスキング工程によってマスキングされた前記文字列を含む前記文書を表示する文書表示工程と、
を含んだことを特徴とする文書編集方法。
【請求項8】
請求項7に記載の文書編集方法をコンピュータに実行させることを特徴とする文書編集プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−122153(P2007−122153A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−309860(P2005−309860)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(390024350)株式会社ジャストシステム (123)
【Fターム(参考)】