説明

料金収受システム、料金収受方法及びプログラム

【課題】第1アンテナで車両情報の読み出しに失敗した場合に、再度車載器から車両情報を読み出し、かつ発進制御機の進行方向前方に存在する車両の車載器に所定の情報を書き込む。
【解決手段】通路の入口の所定の範囲を通信領域とし、車両20に搭載された車載器21から車両20を特定する車両情報を読み出す第1アンテナ15と、第1アンテナ15の車両進行方向前方に、通路を開閉自在に設置された発進制御機17と、発進制御機17の車両進行方向前方及び車両進行方向後方の所定の範囲を通信領域とし、車載器21から車両情報を読み出し、第1アンテナ15または自アンテナが車両情報の読み出しに成功した場合に、車載器21に所定の情報を書き込む第2アンテナ16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば有料道路や駐車場など車両用の有料施設の料金所に設置され、当該有料施設の当該有料施設の利用料金を収受する料金収受システム、料金収受方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高速道路や有料道路などの車両用の有料施設の利用料金の収受方法として、ETC(Electronic Toll Collection)がある。ETCによる料金収受方法は、車両に搭載された車載器にセットしたICカードと料金所に設置された料金収受システムとの間で無線通信を行うことで、通行料金を収受するものである。
【0003】
しかしながら、ETCの普及率が向上するにつれ、車載器へのICカードの挿入忘れ、や料金収受システムと車載器との通信異常の発生などの問題の発生が増加している。このような事態が発生すると、料金所に設置された発進制御機は、該当する車両の通過を阻むためにETC車線を封鎖する。そして、料金所の事務員が現場に出向き、利用者からの事情聴取及び課金処理を行った後に、事務員が発進制御機を開放する。そのため、この間にETC車線が利用できず、ETC車線に車両が滞留してしまうという問題がある。
【0004】
また、車種ごとに通行料金が一定である均一区間道路の料金収受システム、及び走行距離と車種によって通行料金が異なる対距離道路の入口システムでは、第1アンテナと第2アンテナの2つのアンテナを用いて料金収受処理を行っている。具体的には、料金収受システムは、発進制御機の車両進行方向後方に設置された第1アンテナを用いて車載器から車両情報を読み出し、発進制御機の車両進行方向前方に設置された第2アンテナを用いて車軸センサによる計測情報(車軸数を用いて決定した課金車種、課金料金)を書き込むことで、料金収受処理を行っている。
【0005】
なお、現行の料金収受システムでは、車両を検知することで第1アンテナによる通信を開始させる第1の車両検知器と、車両を検知することで第1アンテナによる通信を終了させる第2の車両検知器との間の距離が4mであり、第1アンテナは、当該第1の車両検知器と第2の車両検知器との間の範囲を通信領域としている。また、第1の車両検知器と、車両を検知することで第2アンテナによる通信を開始させる第3の車両検知器との間の距離は18.5m以上である。また、第3の車両検知器は、発進制御機の車両進行方向後方かつ発進制御機付近に設置されている。また、発進制御機と第2アンテナとの間の距離は、12.5mである。
【0006】
また、同一のレーンに設置された第1アンテナ及び第2アンテナは、同一の無線周波数を用いて通信を行い、隣接するレーンの第1アンテナ及び第2アンテナと異なる無線周波数を用いる。なお、現行の料金収受システムでは、AチャネルとBチャネルの2つの無線周波数を用いることができる。
【0007】
この問題を解決するために、特許文献1、2には、料金収受システムの発進制御機付近にリカバリアンテナを設置する技術が開示されている。特許文献1、2によれば、メインアンテナによる車載器との通信に失敗した場合において、リカバリアンテナによって車載器との通信を行い、正常に通信が終了したときに、発進制御機を開放する。これにより、ETC車線のサービス停止期間を短縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−310636号公報
【特許文献2】特開2008−102844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1、2に記載の方法を用いる場合、料金所に新たにリカバリアンテナを設ける必要があるため、設置のコストが掛かってしまうという問題がある。さらに、均一区間道路の料金収受システム、及び対距離道路の入口システムでは、第1アンテナ及び第2アンテナを用いて料金収受処理を行っているため、第1アンテナと第2アンテナとの間に更にリカバリアンテナを設置した場合、アンテナ間で電波の干渉が発生してしまう惧れがある。
【0010】
なお、第2アンテナの通信領域を発進制御機の車両進行方向後方に変更することで、第2のアンテナにリカバリアンテナの機能を付加することも考えられるが、この場合、以下に示す問題が発生する。
第2アンテナでは、決定した課金車種や課金料金を車載器に書き込む必要があるため、料金収受システムによる処理が間に合わず、決定した課金車種や課金料金を車載器に書き込めない惧れがある。
また、車軸センサは、車両が第1の車両検知器を通過した際、または検知した車軸数が所定数(例えば6軸)を超えた際に、課金車種を決定する。そのため、車両が長尺であった場合、当該車両が第1の車両検知器を通過しきらずに第2アンテナの通信範囲内に進入することにより、第2アンテナが課金車種や課金料金を車載器に書き込めない惧れがある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、車両用の有料施設に設置され、当該有料施設の利用料金を収受する料金収受システムであって、前記有料施設に設けられた通行処理用の通路の入口の所定の範囲を通信領域とし、車両に搭載された車載器から車両を特定する車両情報を読み出す第1アンテナと、前記第1アンテナの車両進行方向前方に、前記通路を開閉自在に設置された発進制御機と、前記発進制御機の車両進行方向前方及び車両進行方向後方の所定の範囲を通信領域とし、前記車載器から前記車両情報を読み出し、前記第1のアンテナまたは自アンテナが車両情報の読み出しに成功した場合に、前記車載器に所定の情報を書き込む第2アンテナと、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記発進制御機より車両進行方向後方に設置され、車両の進行に伴う車軸の通過の有無を検知する車軸センサと、前記第1アンテナ、発進制御機、及び第2アンテナを制御する車線サーバとを備え、前記車線サーバは、前記第1アンテナを介して前記車両に搭載された車載器から車両情報を読み出す第1の車両情報読出部と、前記第1の車両情報読出部が前記車両情報の読み出しに失敗した場合に、前記第2アンテナを介して前記車載器から車両情報を読み出す第2の車両情報読出部と、前記第1の車両情報読出部、または前記第2の車両情報読出部が当該車両情報の読み出しに成功した場合に、前記発進制御機を開放する発進制御部と、前記車軸センサが検知した車軸の数を用いて前記車両の車種を推定する車種推定部と、前記第1の車両情報読出部または第2の車両情報読出部が前記車両情報の読み出しに成功した場合に、前記第2アンテナを介して前記車載器に、前記車種推定部が推定した車種を示す車種情報を書き込む車種情報書込部とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明において、前記第2アンテナは、当該第2アンテナの通信領域より車両進行方向前方に設置されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明において、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナは、それぞれ異なる周波数を用いて通信を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが前記有料施設のレーン毎に設置され、前記第1アンテナは、隣接するレーンの前記第1アンテナと異なる周波数による通信を行い、前記第2アンテナは、隣接するレーンの前記第2アンテナと異なる周波数による通信を行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記複数のレーンにおいて、第1の周波数を用いるアンテナと第2の周波数を用いるアンテナとが互い違いに設置されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明において、前記第2アンテナの通信領域は、車両進行方向前方4m及び車両進行方向後方4mの範囲であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、車両用の有料施設に設けられた通行処理用の通路の入口の所定の範囲を通信領域とする第1アンテナと、前記第1アンテナの車両進行方向前方に、前記通路を開閉自在に設置された発進制御機と、前記発進制御機の車両進行方向前方及び車両進行方向後方の所定の範囲を通信領域とする第2アンテナと、前記発進制御機より車両進行方向後方に設置され、車両の進行に伴う車軸の通過の有無を計数する車軸センサと、前記第1アンテナ、発進制御機、及び第2アンテナを制御する車線サーバとを備え、前記有料施設の利用料金を収受する料金収受システムを用いた料金収受方法であって、前記車線サーバの第1の車両情報読出部は、前記第1アンテナを介して前記車両に搭載された車載器から車両情報を読み出し、前記車線サーバの第2の車両情報読出部は、前記第1の車両情報読出部が前記車両情報の読み出しに失敗した場合に、前記第2アンテナを介して前記車載器から車両情報を読み出し、前記車線サーバの発進制御部は、前記第1の車両情報読出部、または前記第2の車両情報読出部が当該車両情報の読み出しに成功した場合に、前記発進制御機を開放し、前記車線サーバの車種推定部は、前記車軸センサが検知した車軸の数を用いて前記車両の車種を推定し、前記車線サーバの車種情報書込部は、前記第1の車両情報読出部または第2の車両情報読出部が前記車両情報の読み出しに成功した場合に、前記第2アンテナを介して前記車載器に、前記車種推定部が推定した車種を示す車種情報を書き込むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、車両用の有料施設に設けられた通行処理用の通路の入口の所定の範囲を通信領域とする第1アンテナと、前記第1アンテナの車両進行方向前方に、前記通路を開閉自在に設置された発進制御機と、前記発進制御機の車両進行方向前方及び車両進行方向後方の所定の範囲を通信領域とする第2アンテナと、前記発進制御機より車両進行方向後方に設置され、車両の進行に伴う車軸の通過の有無を計数する車軸センサと、前記第1アンテナ、発進制御機、及び第2アンテナを制御する車線サーバとを備え、前記有料施設の利用料金を収受する料金収受システムの前記車線サーバを、前記第1アンテナを介して前記車両に搭載された車載器から車両情報を読み出す第1の車両情報読出部、前記第1の車両情報読出部が前記車両情報の読み出しに失敗した場合に、前記第2アンテナを介して前記車載器から車両情報を読み出す第2の車両情報読出部、前記第1の車両情報読出部、または前記第2の車両情報読出部が当該車両情報の読み出しに成功した場合に、前記発進制御機を開放する発進制御部、前記車軸センサが検知した車軸の数を用いて前記車両の車種を推定する車種推定部、前記第1の車両情報読出部または第2の車両情報読出部が前記車両情報の読み出しに成功した場合に、前記第2アンテナを介して前記車載器に、前記車種推定部が推定した車種を示す車種情報を書き込む車種情報書込部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、第2アンテナは、発進制御機の進行方向前方及び進行方向後方の所定の範囲を通信領域とする。これにより、第1アンテナで車両情報の読み出しに失敗した場合、第2アンテナは、発進制御機の進行方向後方に存在する車両の車載器から車両情報を読み出すことができる。また、第2アンテナは、発進制御機の進行方向前方に存在する車両の車載器に所定の情報を書き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態による料金収受システムの構成図である。
【図2】車線サーバの構成を示す概略ブロック図である。
【図3】料金収受システムの動作を示すフローチャートである。
【図4】車線サーバによる車種推定処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】車線サーバによる通常時処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】車線サーバによる異常時処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】他の実施形態による料金収受システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による料金収受システムの構成図である。
料金収受システムは、有料道路の料金所に設けられた通行処理用の通路に設けられ、車軸センサ11、第1の車両検知器12、第2の車両検知器13、第3の車両検知器14、第1アンテナ15、第2アンテナ16、発進制御機17、路側表示器18、車線サーバ19を備える。
車軸センサ11は、通路の車線幅方向に埋設され、車両20が通過する際の押圧を検知し、当該押圧の有無を示す車軸信号を車線サーバ19に出力する。車軸信号は、車軸センサ11が押圧を検知した際に「HIGH」を示し、押圧を検知しない際に「LOW」を示す。また、車軸センサ11は、通路の入口に設けられる。
第1の車両検知器12、第2の車両検知器13、及び第3の車両検知器14は、通路の車線の両側に設置される一対の光センサから構成され、光センサ対の間の空間が通光状態であるか遮光状態であるかを示す車両検知信号を車線サーバ19に出力する。車軸信号は、光センサ対が通光状態である際に「HIGH」を示し、遮光状態である際に「LOW」を示す。なお、車線サーバ19は、車両検知信号が「HIGH」から「LOW」に遷移することで、車両20の進入を検出し、車両検知信号が「LOW」から「HIGH」に遷移することで、車両20の通過を検出する。
【0023】
第1の車両検知器12は、通路の車両進行方向において車軸センサ11と略同一の位置に設置される。
第2の車両検知器13は、第1の車両検知器12より車両進行方向の略4m前方に設置される。
第3の車両検知器14は、第1の車両検知器12より車両進行方向の略18.5m以上前方に設置される。
【0024】
第1アンテナ15は、車両20に搭載された車載器21との通信を行い、車線サーバ19の制御によって車載器21から車両20を特定する車両情報を読み出す。また、第1アンテナ15は、第2の車両検知器13の車両進行方向後方に設置され、第1の車両検知器12と第2の車両検知器13との間の範囲を通信領域とする。なお、第1アンテナ15は、所定の周波数(Aチャネル)を用いて車載器21との通信を行う。
第2アンテナ16は、車両20に搭載された車載器21との通信を行い、車線サーバ19の制御によって、車軸センサ11が計数した車軸数を用いて決定した車種情報を車載器21に書き込む。また、第2アンテナ16は、発進制御機17より車両進行方向の略4m後方に設置され、発進制御機17の車両進行方向の略4m前方、及び車両進行方向の略4m後方の範囲を通信領域とする。なお、第2アンテナ16は、第1アンテナ15と異なる所定の周波数(Bチャネル)を用いて車載器21との通信を行う。
【0025】
発進制御機17は、通路を開閉自在に設置された阻止棒を備え、車線サーバ19の制御によって阻止棒を開閉することで、通路を開放し、または封鎖する。また、発進制御機17は、第3の車両検知器14の車両進行方向後方に設置される。
路側表示器18は、車線サーバ19の制御によって車両20の運転者に通知する情報を表示する。
車線サーバ19は、料金収受システムの各装置を制御する。
【0026】
図2は、車線サーバの構成を示す概略ブロック図である。
車線サーバ19は、車両進入信号入力部101、車両情報読出部102(第1の車両情報読出部、第2の車両情報読出部)、無線部103、車軸信号入力部104、車種推定部105、車種情報書込部106、表示制御部107、発進制御部108、操作部109を備える。
車両進入信号入力部101は、第1の車両検知器12、第2の車両検知器13、第3の車両検知器14から車両の進入及び通過を示す車両進入信号の入力を受け付ける。
車両情報読出部102は、車載器21から車両情報及びリンクIDを読み出すリクエスト情報を生成し、無線部103に出力する。ここで、リンクIDとは、車載器21の起動時に乱数により決定される値であり、車載器21を特定する情報である。
また、車両情報読出部102は、無線部103から車両情報及びリンク情報を入力し、当該車両情報及びリンク情報を車種情報書込部106に出力する。また、車両情報読出部102は、車両情報及びリンク情報の読み出しの成否を示す読出成否情報を表示制御部107及び発進制御部108に出力する。
【0027】
無線部103は、車両情報読出部102または車種情報書込部106から入力したリクエスト情報を無線信号に変換し、第1アンテナ15または第2アンテナ16を介して車載器21に送信する。また、無線部103は、第1アンテナ15または第2アンテナ16を介して車載器21から車両情報及びリンク情報を受信し、受信した車両情報及びリンク情報をベースバンド信号に変換して車両情報読出部102に出力する。
【0028】
車軸信号入力部104は、車軸センサ11から車軸の有無を示す車軸信号を入力し、入力した車軸信号を車種推定部105に出力する。
車種推定部105は、車軸信号入力部104から入力した車軸信号が「LOW」から「HIGH」に遷移した回数を計数することで車両20の車軸数を特定し、当該車軸数を用いて車両20の車種を推定する。車種推定部105は、推定した車種を示す車種情報を車種情報書込部106に出力する。
車種情報書込部106は、車両情報読出部102が車両情報を読み出した場合に、車種推定部105から入力した車種情報を、車両情報読出部102が読み出したリンクIDを有する車載器21に書き込むリクエスト情報を生成し、当該リクエスト情報を無線部103に出力する。
【0029】
表示制御部107は、車両情報読出部102による車両情報の読み出しの成否に応じて表示情報を生成し、生成した表示情報を路側表示器18に出力する。
発進制御部108は、車両情報読出部102が車両情報を読み出した場合、通路を開放させる開放命令を発進制御機17に出力する。また、車両進入信号入力部101が第3の車両検知器14から入力した車両進入信号が、「LOW」から「HIGH」に遷移した場合に、通路を封鎖させる封鎖命令を発進制御機17に出力する。
操作部109は、事務員からの入力操作を受け付け、第2アンテナ16を介して車両情報の読み出しをさせる再通信命令を車両情報読出部102に出力する。
【0030】
このように、料金収受システムは、通路の入口の所定の範囲を通信領域とし、車両に搭載された車載器21から車両20を特定する車両情報を読み出す第1アンテナ15と、第1アンテナ15の車両進行方向前方に、通路を開閉自在に設置された発進制御機17と、発進制御機17の車両進行方向前方及び車両進行方向後方の所定の範囲を通信領域とし、車載器21から車両情報を読み出し、第1アンテナ15または自アンテナが車両情報の読み出しに成功した場合に、車載器21に車種情報を書き込む第2アンテナ16とを備える。
【0031】
また、車線サーバ19が上記した構成を備えることで、車両情報読出部102は、第1アンテナ15を介して車両20に搭載された車載器21から車両情報を読み出し、車両情報読出部102は、第1アンテナ15を介した車両情報の読み出しに失敗した場合に、第2アンテナ16を介して車載器21から車両情報を読み出す。
次に、発進制御部108は、車両情報読出部が車両情報の読み出しに成功した場合、発進制御機17の阻止棒を開放する。また、車種推定部105は、車軸センサ11が検知した車軸の数を用いて車両20の車種を推定する。そして、車種情報書込部106は、車両情報読出部102が車両情報の読み出しに成功した場合に、第2アンテナ16を介して車載器21に、車種推定部105が推定した車種を示す車種情報を書き込む。
これにより、料金収受システムは、第1アンテナ15で車両情報の読み出しに失敗した場合、第2アンテナ16を介して発進制御機17の進行方向後方に存在する車両20の車載器21から車両情報を読み出すことができる。また、料金収受システムは、第2アンテナ16を介して発進制御機17の進行方向前方に存在する車両20の車載器21に車種情報を書き込むことができる。
【0032】
次に、料金収受システムの動作を説明する。
図3は、料金収受システムの動作を示すフローチャートである。
料金収受システムが、車両20の進入を待機しているとき、車線サーバ19の車両進入信号入力部101は、第1の車両検知器12から入力する車両進入信号が、「HIGH」から「LOW」に遷移したか否かを判定する(ステップS1)。これにより、車両進入信号入力部101は、第1の車両検知器12の光センサ対の間に車両20が進入したか否かを判定している。
【0033】
車両進入信号入力部101は、第1の車両検知器12から入力する車両進入信号が、「HIGH」から「LOW」に遷移していないと判定した場合(ステップS1:NO)、ステップS1の判定を繰り返し実行することで、車両20の進入を待機する。
他方、車両進入信号入力部101が、第1の車両検知器12から入力する車両進入信号が「HIGH」から「LOW」に遷移したと判定した場合(ステップS1:YES)、車種推定部105は、車種推定処理を開始する(ステップS2)。車種推定処理とは、車軸センサ11から入力する車軸信号を用いて車軸数を計数し、車両20の車種を推定する処理である。なお、車種推定処理は、ステップS2以降の処理と並列に実行する。すなわち、ステップS2以降の処理は、車種推定処理の終了を待たずに実行される。
【0034】
以下に、車種推定処理について詳しく説明する。
図4は、車線サーバによる車種推定処理の動作を示すフローチャートである。
ステップS2で車種推定部105が車種推定処理を開始すると、車種推定部105は、内部メモリに格納する車両20の車軸数の計数値を「0」に初期化する(ステップS21)。次に、車軸信号入力部104は、車軸センサ11から入力する車軸信号が「LOW」から「HIGH」に遷移したか否かを判定する(ステップS22)。これにより、車軸信号入力部104は、車軸センサ11の上に車両20のタイヤが乗ったか否かを判定している。
【0035】
車軸信号入力部104が、車軸センサ11から入力する車軸信号が「LOW」から「HIGH」に遷移したと判定した場合(ステップS22:YES)、車種推定部105は、内部メモリに記憶する車軸数に「1」を加算する(ステップS23)。
他方、車軸信号入力部104が、車軸センサ11から入力する車軸信号が「LOW」から「HIGH」に遷移していないと判定した場合(ステップS22:NO)、またはステップS23で車種推定部105が車軸数を加算した場合、車両進入信号入力部101は、第1の車両検知器12から入力する車両進入信号が「LOW」から「HIGH」に遷移したか否かを判定する(ステップS24)。これにより、車両進入信号入力部101は、第1の車両検知器12の光センサ対の間を車両20が通過したか否かを判定している。
【0036】
車両進入信号入力部101が、第1の車両検知器12から入力する車両進入信号が「LOW」から「HIGH」に遷移していないと判定した場合(ステップS24:NO)、車種推定部105は、内部メモリに記憶する車軸数が6以上を示すか否かを判定する(ステップS25)。
車種推定部105は、内部メモリに記憶する車軸数が6未満であると判定した場合(ステップS25:NO)、ステップS22に戻り、車軸数の計数を継続する。
【0037】
他方、車種推定部105が、内部メモリに記憶する車軸数が6未満であると判定した場合(ステップS25:NO)、またはステップS24で車両進入信号入力部101が、第1の車両検知器12から入力する車両進入信号が「LOW」から「HIGH」に遷移したと判定した場合(ステップS24:YES)、車種推定部105は、計数した車軸数を用いて車種を推定し、推定した車種を示す車種情報を車種情報書込部106に出力する(ステップS26)。例えば、車種推定部105は、車軸数が「2」の場合に「普通車」であると判定し、車軸数が「3」または「4」の場合に「大型車」であると判定し、車軸数が「5」以上の場合に「特大車」であると判定する。
車線サーバ19は、車種推定部105が車種情報を出力すると、車種推定処理を終了する。
【0038】
図3を参照し、ステップS2で車種推定部105が車種推定処理を開始すると、車両情報読出部102は、車載器21から車両情報及びリンクIDを読み出すリクエスト情報を生成し、無線部103に出力する。次に、無線部103は、第1アンテナ15を起動し、車両情報読出部102から入力したリクエスト情報を車載器21に送信する(ステップS3)。
車載器21は、第1アンテナ15からリクエスト情報を受信した場合、車載器21に挿入されたICカードが記憶する車両情報、及び車載器21が記憶するリンクIDを第1アンテナ15を介して車線サーバ19に送信する。
【0039】
次に、無線部103は、車載器21から車両情報及びリンクIDを受信したか否かを判定する(ステップS4)。無線部103が、車載器21から車両情報及びリンクIDを受信していないと判定した場合(ステップS4:NO)、車両進入信号入力部101は、第2の車両検知器13から入力する車両進入信号が「HIGH」から「LOW」に遷移したか否かを判定する(ステップS5)。これにより、車両進入信号入力部101は、第2の車両検知器13の光センサ対の間に車両20が進入したか否かを判定している。
なお、車載器21が車両情報及びリンクIDを送信する前に車両20が第2の車両検知器13に進入してしまう場合、車載器21にICカードが挿入されていないことや、車両20に車載器21が搭載されていないということが考えられる。
車両進入信号入力部101は、第2の車両検知器13から入力する車両進入信号が「HIGH」から「LOW」に遷移していないと判定した場合(ステップS5:NO)、ステップS4に戻り、車両情報及びリンクIDの受信の判定を継続する。
【0040】
また、ステップS4で、無線部103が、車載器21から車両情報及びリンクIDの受信が完了したと判定した場合(ステップS4:YES)、車載器21との通信を終了し、第1アンテナを停止させる(ステップS6)。また、無線部103は、受信した車両情報及びリンクIDをベースバンド信号に変換し、車両情報読出部102に出力する。
次に、車両進入信号入力部101は、第2の車両検知器13から入力する車両進入信号が「HIGH」から「LOW」に遷移したか否かを判定する(ステップS7)。車両進入信号入力部101は、第2の車両検知器13から入力する車両進入信号が「HIGH」から「LOW」に遷移していないと判定した場合(ステップS7:NO)、ステップS7の判定を繰り返し実行することで、車両20の第2の車両検知器13への進入を待機する。
【0041】
車両進入信号入力部101が、第2の車両検知器13から入力する車両進入信号が「HIGH」から「LOW」に遷移したと判定した場合(ステップS7:YES)、車両情報読出部102は、無線部103から受信した車両情報及びリンクIDが正常であるか否かを判定する(ステップS8)。
車両情報読出部102が、無線部103から受信した車両情報及びリンクIDが正常であると判定した場合(ステップS8:YES)、車線サーバ19は、正常時処理を実行し(ステップS9)、処理を終了する。正常時処理とは、第1アンテナ15による処理が正常に完了した場合の課金処理のことである。正常時処理の詳細な動作は、後述する。
【0042】
他方、車両情報読出部102が、無線部103から受信した車両情報及びリンクIDに異常があると判定した場合(ステップS8:NO)、または、ステップS5で車両進入信号入力部101が、第2の車両検知器13から入力する車両進入信号が「HIGH」から「LOW」に遷移したと判定した場合(ステップS5:YES)、車線サーバ19は、異常時処理を実行し(ステップS10)、処理を終了する。異常時処理とは、第1アンテナ15による処理が正常に完了しなかった場合の課金処理のことである。異常時処理の詳細な動作は、後述する。
【0043】
次に、車線サーバ19による通常時処理の動作を説明する。
図5は、車線サーバによる通常時処理の動作を示すフローチャートである。
まず、車両情報読出部102は、無線部103から受信した車両情報及びリンクIDが正常であると判定すると、車両情報及びリンクIDの受信が正常に終了したことを示す読出成否情報を表示制御部107及び発進制御部108に出力する。
発進制御部108は、車両情報読出部102から車両情報及びリンクIDの受信が正常に終了したことを示す読出成否情報を入力すると、発進制御機17に通路を開放させる開放命令を出力する(ステップS101)。発進制御機17は、車線サーバ19から開放命令を入力すると、阻止棒を上げ、通路を開放する。
また、表示制御部107は、車両情報読出部102から車両情報及びリンクIDの受信が正常に終了したことを示す読出成否情報を入力すると、路側表示器18に、通行を許可する旨を示す表示情報を出力する(ステップS102)。路側表示器18は、車線サーバ19から表示情報を入力すると、入力した表示情報を画面に表示する。
【0044】
次に、上述したステップS2による車種推定処理の実行が終了し、車種情報書込部106が車種推定部105から車種情報を入力すると、車種情報書込部106は、車種推定部105から入力した車種情報を、車両情報読出部102が読み出したリンクIDを有する車載器21に書き込むリクエスト情報を生成し、当該リクエスト情報を無線部103に出力する。次に、無線部103は、第2アンテナ16を起動し、車両情報読出部102から入力したリクエスト情報を車載器21に送信する(ステップS103)。
このように、ステップS4で読み出したリンクIDを有する車載器21に対して車種情報を送信することで、第2アンテナの通信領域内に車両20が複数台存在する場合にも、誤認識無く通信を行うことができる。
【0045】
次に、車両進入信号入力部101は、第3の車両検知器14から入力する車両進入信号が、「HIGH」から「LOW」に遷移したか否かを判定する(ステップS104)。これにより、車両進入信号入力部101は、第3の車両検知器14の光センサ対の間に車両20が進入したか否かを判定している。
【0046】
車両進入信号入力部101は、第3の車両検知器14から入力する車両進入信号が、「HIGH」から「LOW」に遷移していないと判定した場合(ステップS104:NO)、ステップS104の判定を繰り返し実行することで、車両20の進入を待機する。
他方、車両進入信号入力部101が、第3の車両検知器14から入力する車両進入信号が「HIGH」から「LOW」に遷移したと判定した場合(ステップS104:YES)、表示制御部107は、路側表示器18に消灯命令を出力する(ステップS105)。路側表示器18は、車線サーバ19から消灯命令を入力すると、画面を消灯する。
【0047】
次に、車両進入信号入力部101は、第3の車両検知器14から入力する車両進入信号が、「LOW」から「HIGH」に遷移したか否かを判定する(ステップS106)。これにより、車両進入信号入力部101は、第3の車両検知器14の光センサ対の間を車両20が通過したか否かを判定している。
【0048】
車両進入信号入力部101は、第3の車両検知器14から入力する車両進入信号が、「LOW」から「HIGH」に遷移していないと判定した場合(ステップS106:NO)、ステップS106の判定を繰り返し実行することで、車両20の通過を待機する。
他方、車両進入信号入力部101が、第3の車両検知器14から入力する車両進入信号が「LOW」から「HIGH」に遷移したと判定した場合(ステップS106:YES)、発進制御部108は、発進制御機17に通路を封鎖させる封鎖命令を出力する(ステップS107)。発進制御機17は、車線サーバ19から封鎖命令を入力すると、阻止棒を下げ、通路を封鎖する。
【0049】
次に、無線部103は、車載器21への車種情報の書き込みが完了したか否かを判定する(ステップS108)。無線部103は、車載器21への車種情報の書き込みが完了していないと判定した場合(ステップS108:NO)、通信タイムアウト処理を行う(ステップS109)。
他方、無線部103は、車載器21への車種情報の書き込みが完了したと判定した場合(ステップS108:YES)、または通信タイムアウト処理を行った場合、料金所サーバ(図示せず)へETC処理データを送信し(ステップS110)、処理を終了する。
このように、第1アンテナ15による車両情報及びリンクIDの読み出しに成功した場合、料金収受システムは、車種の推定、及び第2アンテナ16を介しての車種情報の書き込みを行うことができる。
【0050】
次に、車線サーバ19による異常時処理の動作を説明する。
図6は、車線サーバによる異常時処理の動作を示すフローチャートである。
まず、車両情報読出部102は、無線部103からの車両情報及びリンクIDの受信に失敗すると、車両情報及びリンクIDの受信に失敗したことを示す読出成否情報を表示制御部107及び発進制御部108に出力する。
表示制御部107は、車両情報読出部102から車両情報及びリンクIDの受信に失敗したことを示す読出成否情報を入力すると、路側表示器18に、停車を指示する旨を示す表示情報を出力する(ステップS201)。路側表示器18は、車線サーバ19から表示情報を入力すると、入力した表示情報を画面に表示する。
【0051】
次に、車線サーバ19の操作部109は、事務員による操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS202)。操作部109は、事務員による操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS202:NO)、ステップS202の判定を繰り返し、事務員による操作を待機する。
なお、路側表示器18が示す情報に従って、車両20の運転者が車両20を停車させると、運転手は、路側に設置されたインターフォン(図示せず)を用いて事務員に連絡を取る。事務員は、運転者から連絡を受けると、車両情報の読み出しをさせる再通信命令を車線サーバ19に入力する。
【0052】
操作部109は、事務員による操作を受け付けた場合(ステップS202:YES)、事務員によって入力された再通信命令を車両情報読出部102に出力する。次に、車両情報読出部102は、車載器21から車両情報及びリンクIDを読み出すリクエスト情報を生成し、無線部103に出力する。また、車種情報書込部106は、車種推定部105から入力した車種情報を、車両情報読出部102が読み出したリンクIDを有する車載器21に書き込むリクエスト情報を生成し、当該リクエスト情報を無線部103に出力する。
次に、無線部103は、第2アンテナ16を起動し、車両情報読出部102及び車種情報書込部106から入力したリクエスト情報を車載器21に送信する(ステップS203)。
【0053】
次に、無線部103は、車載器21から車両情報及びリンクIDを受信し、車種情報の書き込みが完了したか否かを判定する(ステップS204)。無線部103が、車載器21から車両情報及びリンクIDを受信し、車種情報の書き込みが完了したと判定した場合(ステップS204:YES)、無線部103は、受信した車両情報及びリンクIDをベースバンド信号に変換して車両情報読出部102に出力する。次に、車両情報読出部102は、無線部103から受信した車両情報及びリンクIDが正常であるか否かを判定する(ステップS205)。
車両情報読出部102が、無線部103から受信した車両情報及びリンクIDが正常であると判定した場合(ステップS205:YES)、車両情報及びリンクIDの受信が正常に終了したことを示す読出成否情報を表示制御部107及び発進制御部108に出力する。
【0054】
発進制御部108は、車両情報読出部102から車両情報及びリンクIDの受信が正常に終了したことを示す読出成否情報を入力すると、発進制御機17に通路を開放させる開放命令を出力する(ステップS206)。また、表示制御部107は、車両情報読出部102から車両情報及びリンクIDの受信が正常に終了したことを示す読出成否情報を入力すると、路側表示器18に、通行を許可する旨を示す表示情報を出力する(ステップS207)。
【0055】
他方、ステップS204で無線部103が、車載器21から車両情報及びリンクIDの受信、または車種情報の書き込みに失敗したと判定した場合(ステップS204:NO)、車両20の運転手は、路側に備えられたインターフォンを用いて事務員を呼び出し、事務員の手動により、発進制御機17の阻止棒の開放、及び会計処理(対距離道路の入口システムにあっては通行券の発券処理)を行う(ステップS208)。
【0056】
ステップS206またはステップS208により発進制御機17が通路を開放すると、車両進入信号入力部101は、第3の車両検知器14から入力する車両進入信号が、「HIGH」から「LOW」に遷移したか否かを判定する(ステップS209)。
車両進入信号入力部101は、第3の車両検知器14から入力する車両進入信号が、「HIGH」から「LOW」に遷移していないと判定した場合(ステップS209:NO)、ステップS209の判定を繰り返し実行することで、車両20の進入を待機する。
他方、車両進入信号入力部101が、第3の車両検知器14から入力する車両進入信号が「HIGH」から「LOW」に遷移したと判定した場合(ステップS209:YES)、表示制御部107は、路側表示器18に消灯命令を出力する(ステップS210)。
【0057】
次に、車両進入信号入力部101は、第3の車両検知器14から入力する車両進入信号が、「LOW」から「HIGH」に遷移したか否かを判定する(ステップS211)。
車両進入信号入力部101は、第3の車両検知器14から入力する車両進入信号が、「LOW」から「HIGH」に遷移していないと判定した場合(ステップS211:NO)、ステップS211の判定を繰り返し実行することで、車両20の通過を待機する。
他方、車両進入信号入力部101が、第3の車両検知器14から入力する車両進入信号が「LOW」から「HIGH」に遷移したと判定した場合(ステップS211:YES)、発進制御部108は、発進制御機17に通路を封鎖させる封鎖命令を出力する(ステップS212)。
【0058】
そして、車線サーバ19は、料金所サーバ(図示せず)へETC処理データを送信し(ステップS213)、処理を終了する。
このように、第1アンテナ15による車両情報及びリンクIDの読み出しに失敗した場合にも、料金収受システムは、車種情報の推定、及び第2アンテナ16を介しての車両情報及びリンクIDの読み出し並びに車種情報の書き込みを行うことができる。これにより、車両20の運転手が車載器21にICカードを挿入し忘れたとしても、第2アンテナ16の通信領域内においてICカードを挿入しなおすことで、再度の通信を行うことができるため、ETC車線の渋滞の発生を抑止することができる。
【0059】
以上、図面を参照してこの発明の第1の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
図7は、他の実施形態による料金収受システムの構成図である。
例えば、本実施形態では、料金収受システムを単一の車線に備える場合を説明したが、これに限られず、複数の車線に料金収受システムを備えていても良い。この場合、第1アンテナ15は、隣接するレーンの第1アンテナ15と異なる周波数による通信を行い、第2アンテナ16は、隣接するレーンの前記第2アンテナ16と異なる周波数による通信を行うことが望ましい。これにより、隣接するレーン同士で電波の干渉の発生を回避することができる。
なお、用いることができる周波数がAチャネルとBチャネルの2つである場合は、図7に示すように、Aチャネルを用いるアンテナとBチャネルを用いるアンテナとが互い違いに設置されることで、電波の干渉を回避することができる。
【0060】
また、本実施形態では、第1アンテナ15及び第2アンテナ16が、それぞれの通信領域より車両進行方向前方に設置される場合を説明したが、これに限られない。例えば、第2アンテナ16は、発進制御機17付近に設置され、発進制御機17の車両進行方向の略4m前方、及び車両進行方向の略4m後方の範囲を通信領域とする。なお、車載器21のアンテナが進行方向前方に指向性を有するように設置されている場合は、第1アンテナ15及び第2アンテナ16が、それぞれの通信領域より車両進行方向前方に設置されることで、誤動作を避けることができる。
【0061】
また、本実施形態では、車線サーバ19が操作部109を備え、事務員の操作により第2アンテナ16を介して車両情報及びリンク情報の読み出しを行う場合を備えたが、これに限られず、例えば、図3に示すステップS10による異常時処理において、車両情報読出部102が、車両情報及びリンクIDの受信に失敗したことを示す読出成否情報を出力したときに、無線部103が自動的に第2アンテナ16を介して車両情報及びリンク情報の読み出しを開始するようにしても良い。
【0062】
上述の車線サーバは内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0063】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0064】
11…車軸センサ 12…第1の車両検知器 13…第2の車両検知器 14…第3の車両検知器 15…第1アンテナ 16…第2アンテナ 17…発進制御機 18…路側表示器 19…車線サーバ 20…車両 21…車載器 101…車両進入信号入力部 102…車両情報読出部 103…無線部 104…車軸信号入力部 105…車種推定部 106…車種情報書込部 107…表示制御部 108…発進制御部 109…操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の有料施設に設置され、当該有料施設の利用料金を収受する料金収受システムであって、
前記有料施設に設けられた通行処理用の通路の入口の所定の範囲を通信領域とし、車両に搭載された車載器から車両を特定する車両情報を読み出す第1アンテナと、
前記第1アンテナの車両進行方向前方に、前記通路を開閉自在に設置された発進制御機と、
前記発進制御機の車両進行方向前方及び車両進行方向後方の所定の範囲を通信領域とし、前記車載器から前記車両情報を読み出し、前記第1アンテナまたは自アンテナが車両情報の読み出しに成功した場合に、前記車載器に所定の情報を書き込む第2アンテナと、
を備えることを特徴とする料金収受システム。
【請求項2】
前記発進制御機より車両進行方向後方に設置され、車両の進行に伴う車軸の通過の有無を検知する車軸センサと、
前記第1アンテナ、発進制御機、及び第2アンテナを制御する車線サーバとを備え、
前記車線サーバは、
前記第1アンテナを介して前記車両に搭載された車載器から車両情報を読み出す第1の車両情報読出部と、
前記第1の車両情報読出部が前記車両情報の読み出しに失敗した場合に、前記第2アンテナを介して前記車載器から車両情報を読み出す第2の車両情報読出部と、
前記第1の車両情報読出部、または前記第2の車両情報読出部が当該車両情報の読み出しに成功した場合に、前記発進制御機を開放する発進制御部と、
前記車軸センサが検知した車軸の数を用いて前記車両の車種を推定する車種推定部と、
前記第1の車両情報読出部または第2の車両情報読出部が前記車両情報の読み出しに成功した場合に、前記第2アンテナを介して前記車載器に、前記車種推定部が推定した車種を示す車種情報を書き込む車種情報書込部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の料金収受システム。
【請求項3】
前記第2アンテナは、当該第2アンテナの通信領域より車両進行方向前方に設置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の料金収受システム。
【請求項4】
前記第1アンテナ及び前記第2アンテナは、それぞれ異なる周波数を用いて通信を行うことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の料金収受システム。
【請求項5】
前記第1アンテナ及び前記第2アンテナが前記有料施設のレーン毎に設置され、
前記第1アンテナは、隣接するレーンの前記第1アンテナと異なる周波数による通信を行い、
前記第2アンテナは、隣接するレーンの前記第2アンテナと異なる周波数による通信を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の料金収受システム。
【請求項6】
複数のレーンにおいて、第1の周波数を用いるアンテナと第2の周波数を用いるアンテナとが互い違いに設置される
ことを特徴とする請求項5に記載の料金収受システム。
【請求項7】
前記第2アンテナの通信領域は、車両進行方向前方4m及び車両進行方向後方4mの範囲であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の料金収受システム。
【請求項8】
車両用の有料施設に設けられた通行処理用の通路の入口の所定の範囲を通信領域とする第1アンテナと、前記第1アンテナの車両進行方向前方に、前記通路を開閉自在に設置された発進制御機と、前記発進制御機の車両進行方向前方及び車両進行方向後方の所定の範囲を通信領域とする第2アンテナと、前記発進制御機より車両進行方向後方に設置され、車両の進行に伴う車軸の通過の有無を計数する車軸センサと、前記第1アンテナ、発進制御機、及び第2アンテナを制御する車線サーバとを備え、前記有料施設の利用料金を収受する料金収受システムを用いた料金収受方法であって、
前記車線サーバの第1の車両情報読出部は、前記第1アンテナを介して前記車両に搭載された車載器から車両情報を読み出し、
前記車線サーバの第2の車両情報読出部は、前記第1の車両情報読出部が前記車両情報の読み出しに失敗した場合に、前記第2アンテナを介して前記車載器から車両情報を読み出し、
前記車線サーバの発進制御部は、前記第1の車両情報読出部、または前記第2の車両情報読出部が当該車両情報の読み出しに成功した場合に、前記発進制御機を開放し、
前記車線サーバの車種推定部は、前記車軸センサが検知した車軸の数を用いて前記車両の車種を推定し、
前記車線サーバの車種情報書込部は、前記第1の車両情報読出部または第2の車両情報読出部が前記車両情報の読み出しに成功した場合に、前記第2アンテナを介して前記車載器に、前記車種推定部が推定した車種を示す車種情報を書き込む
ことを特徴とする料金収受方法。
【請求項9】
車両用の有料施設に設けられた通行処理用の通路の入口の所定の範囲を通信領域とする第1アンテナと、前記第1アンテナの車両進行方向前方に、前記通路を開閉自在に設置された発進制御機と、前記発進制御機の車両進行方向前方及び車両進行方向後方の所定の範囲を通信領域とする第2アンテナと、前記発進制御機より車両進行方向後方に設置され、車両の進行に伴う車軸の通過の有無を計数する車軸センサと、前記第1アンテナ、発進制御機、及び第2アンテナを制御する車線サーバとを備え、前記有料施設の利用料金を収受する料金収受システムの前記車線サーバを、
前記第1アンテナを介して前記車両に搭載された車載器から車両情報を読み出す第1の車両情報読出部、
前記第1の車両情報読出部が前記車両情報の読み出しに失敗した場合に、前記第2アンテナを介して前記車載器から車両情報を読み出す第2の車両情報読出部、
前記第1の車両情報読出部、または前記第2の車両情報読出部が当該車両情報の読み出しに成功した場合に、前記発進制御機を開放する発進制御部、
前記車軸センサが検知した車軸の数を用いて前記車両の車種を推定する車種推定部、
前記第1の車両情報読出部または第2の車両情報読出部が前記車両情報の読み出しに成功した場合に、前記第2アンテナを介して前記車載器に、前記車種推定部が推定した車種を示す車種情報を書き込む車種情報書込部
として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−233089(P2011−233089A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105341(P2010−105341)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】