料金収受システム
【課題】通行券のリサイクル利用により環境配慮型のシステムを構築できる料金収受システムを提供する。
【解決手段】高速道路等の有料道路を利用する車両に対し通行券を用いた通行料金の収受処理を行なう料金収受システムにおいて、有料道路の通行券として、繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面およびRFIDカードからなる繰返し利用可能なリサイクル通行券を使用して通行料金の収受処理を行なう。
【解決手段】高速道路等の有料道路を利用する車両に対し通行券を用いた通行料金の収受処理を行なう料金収受システムにおいて、有料道路の通行券として、繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面およびRFIDカードからなる繰返し利用可能なリサイクル通行券を使用して通行料金の収受処理を行なう。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、高速道路等の有料道路を利用する車両に対し通行券を用いた通行料金の収受処理を行なう料金収受システムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、高速道路等の有料道路の料金収受システムにおいて、対距離対応の通行料金(走行距離に応じた通行料金)の料金収受システムが運用されている(たとえば、特許文献1参照)。
この料金収受システムは、通行券として紙券に磁気記録層を塗布した専用形状のものが使用され、通行券に対する印字はインクリボン+ドットインパクト印字ヘッドが用いられる。
【0003】
すなわち、有料道路を利用する車両が入口料金所に進入すると、入口処理機から当該車両の運転者に対して通行券が発行される。通行券には、入口情報(入口料金所名や通過日時等)が印刷されるとともに、同様な入口情報が磁気データとしても記録される。
【0004】
車両が出口料金所に進入すると、出口料金所の収受員が当該車両の運転者から通行券を回収する。回収した通行券は、出口処理機で処理され、磁気データから入口情報が読取られて、走行距離に応じた通行料金の算出(精算)が行なわれる。
【0005】
現在利用されている磁気式の通行券は、券面の印字を消去することができないため、1度きりの使い捨て通行券となっている。また、当該通行券(紙券)を再生紙として使用するためには、磁気記録層を除去する工程が必要となり、そのために専門業者での処理が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3256642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、環境配慮型の製品採用やシステム構築が進んでいる。しかし、磁気式の通行券を利用した料金収受システムは、環境配慮型という観点から以下のような課題があげられる。
(1)通行券は大量に発行(消費)されるが、通行券としてのリサイクル利用ができない。
【0008】
(2)通行券を再生紙として利用する場合、磁気記録層を除去するための専門業者の作業が必要となる。
【0009】
(3)社会システムが環境配慮型に移行している現在、省資源化という観点から通行券としての再利用化が叫ばれている。
【0010】
そこで、本発明は、通行券のリサイクル利用により環境配慮型のシステムを構築できる料金収受システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の料金収受システムは、有料道路の入口料金所において、当該入口料金所に進入してくる車両に対して通行券を発行する入口処理機と、有料道路の出口料金所において、当該出口料金所に進入してくる車両から提示される前記入口処理機で発行された通行券を処理する出口処理機とから構成され、前記入口処理機は、繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面を有し、外部機器との間で無線による通信を行なうことにより外部機器との間でデータのやりとりを行なうもので、少なくともメモリを有し、このメモリには少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報が記録される非接触型通信媒体からなる通行券を供給する通行券供給手段と、この通行券供給手段により供給される通行券の前記リライタブル印字面に対し旧印字内容を消去する印字消去処理を行なう印字消去手段と、この印字消去手段により印字消去処理された通行券の前記リライタブル印字面に対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を印字する印字手段と、この印字手段により印字された通行券の前記メモリに対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を記録する記録手段とを具備し、前記出口処理機は、前記入口処理機で発行された通行券を受入れ、当該受入れた通行券の前記メモリに記録されている入口情報を読取る読取手段と、この読取手段により読取られた入口情報に基づき前記入口料金所から前記出口料金所までの当該車両の通行料金を算出する通行料金算出手段と、前記受入れた通行券の前記リライタブル印字面における印字寿命を確認することにより当該通行券は再利用可能か否かを判定する印字寿命確認手段と、この印字寿命確認手段により再利用可能と判定された場合は当該通行券を再利用するために回収し、再利用不可能と判定された場合は当該通行券を再利用不可能として廃棄するように制御する制御手段とを具備している。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、通行券のリサイクル利用により環境配慮型のシステムを構築できる料金収受システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係るリサイクル通行券の構成を概略的に示すもので、(a)は平面図、(b)は縦断側面図。
【図2】RFIDカードの構成を概略的に示すブロック図。
【図3】リサイクル処理を入口処理機あるいは出口処理機で実施する場合のシステム概要図。
【図4】リサイクル処理を入口処理機あるいは出口処理機では行なわず、専用のリサイクル端末装置により実施する場合のシステム概要図。
【図5】入口料金所における機器構成図を示すブロック図。
【図6】入口料金所における機器配置図を示す模式図。
【図7】入口処理機の具体的な構成を示すブロック図。
【図8】出口処理機の具体的な構成を示すブロック図。
【図9】リサイクル端末装置の具体的な構成を示すブロック図。
【図10】入口処理機の動作の流れについて説明するフローチャート。
【図11】出口処理機の動作の流れについて説明するフローチャート。
【図12】リサイクル端末装置の動作の流れについて説明するフローチャート。
【図13】印字寿命確認処理について説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るリサイクル通行券の構成を概略的に示すものである。通行券1は、たとえば、RFID(Radio Frequency IDentification)カード(非接触型通信媒体)2で構成されていて、その両面がPET(ポリエチレン・テレフタレート)樹脂3,4で挟み込むことで強度的な補強が行なわれている。
【0015】
一方のPET樹脂3の表面には、繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面(印字エリア)5が形成されている。リライタブル印字面5は、たとえば、入口情報(たとえば、入口料金所名、日時情報など)が印字される。
【0016】
RFIDカード2は、外部機器から電磁誘導結合により供給される電力で動作するパッシブタイプのものであり、たとえば、図2に示すように、ICチップ6とアンテナ7とから構成されている。
【0017】
ICチップ6は、アンテナ7と接続され無線通信を行なうRF部8、全体的な制御を司るCPU9、CPU9の制御プログラム等が格納されたROM10、任意に書換え可能なEEPROM11、受信した電力波で動作電圧を生成する電源部12により構成されている。EEPROM11には、ユニークなID情報(固有の識別情報)が記録されているとともに、少なくとも入口料金所を特定する入口情報(たとえば、入口料金所名、日時情報、儀変造防止データなど)が記録される。
【0018】
まず、本発明の概要について図3および図4を参照して説明する。
基本的なシステム概要は、入口料金所で通行券を発行し、出口料金所で通行券を回収する。出口料金所で更に、回収した通行券から入口情報を取得して通行料金を算出し、当該車両の運転者から徴収する。通行料金の徴収後は、回収した通行券を整列し、入口料金所(入口処理機)に充填して通行券の発行に備える。
【0019】
このように、入口→出口→入口と通行券をサイクルさせることによって、通行券のリサイクル化を実施する。通行券のリサイクル化を実施するにあたり、前回使用時の印字消去と通行券整列、印字寿命の確認を行なう必要があるが、これらの処理(リサイクル処理)を入口処理機、出口処理機に振り分けて実施するか、または専用のリサイクル端末装置(再利用処理機)を設けて実施する方法が考えられる。
【0020】
リサイクル通行券の寿命は、通行券の折れ、曲がり、汚れなどの外乱要因を除くと、主にリライタブル印字面の寿命により決定される。一般に、RFIDカードのデータ書換回数に比べて、リライタブル印字面の書換回数は千回〜数百回と短い。
【0021】
通行券の発行量が多く、また入口料金所、出口料金所の数が多い大規模な有料道路事業者では、専用のリサイクル端末装置を設けた方が省力化が図れると考えられる。リサイクル端末装置を設けた場合は、入口処理機の印字消去機能、出口処理機の印字寿命確認機能を省略することができるので、全体として機器費低減を図ることができる。
【0022】
なお、通行券の発行量が少ない小規模な有料道路事業者では、リサイクル端末装置の設備費や稼働率が悪化するため、全体の機器費、管理費低減からリサイクル端末装置を使用しない運用も考えられる。
【0023】
図3は、上記したようなリサイクル処理を入口処理機13あるいは出口処理機14で実施する場合のシステム概要図である。入口処理機13では、前回使用時の印字内容を消去する印字消去、今回使用時の印字実施(入口料金所名、日時情報等)、データ書込み(入口料金所名、日時情報、偽変造防止データ等)を実施して通行券1を発行する。特に、印字消去について、リサイクル端末装置を使用しない場合は、入口処理機13に印字消去機能の搭載が必要である。
【0024】
出口料金所で通行券1を回収後、出口処理機14では、印字項目確認(入口料金所名、日時情報等)、印字寿命確認、データ読取り(入口料金所名、日時情報、偽変造防止データ等)を実施する。特に、印字寿命確認については、リサイクル端末装置を使用しない場合、印字寿命確認機能の搭載が必要である。なお、印字(通行券)の寿命と判定されたものは廃棄処理される。
【0025】
図4は、上記したようなリサイクル処理を、入口処理機13あるいは出口処理機14では行なわず、専用のリサイクル端末装置(再利用処理機)15により実施する場合のシステム概要図である。入口処理機13では、印字実施(入口料金所名、日時情報等)、データ書込み(入口料金所名、日時情報、偽変造防止データ等)を実施して通行券1を発行する。特に、印字消去については、リサイクル端末装置15で実施するので、入口処理機13に印字消去機能を搭載する必要がない。
【0026】
出口料金所で通行券1を回収後、出口処理機14では、印字項目確認(入口料金所名、日時情報等)、データ読取り(入口料金所名、日時情報、偽変造防止データ等)を実施する。特に、印字寿命確認については、リサイクル端末装置15で実施するので、印字寿命確認機能を搭載する必要がない。
【0027】
出口料金所で回収された通行券1は、たとえば、有料道路事業者の事務所に設置してあるリサイクル端末装置15で、印字消去、印字寿命確認、汚れ・変形確認を実施する。印字(通行券)の寿命と判定されたものは廃棄処理される。
【0028】
以下、本発明の実施の形態に係る料金収受システムの具体例について説明する。
図5は入口料金所における機器構成図を示し、図6は入口料金所における機器配置図を示している。
【0029】
入口処理機13は、入口料金所に進入してくる車両21に対し通行券1を発行する通行券自動発行機22、左ハンドル車用発行機23、および、これらを遠隔監視する遠隔監視盤24から構成されている。通行券自動発行機22には、入口料金所に進入してくる車両21を検知する進入車両検知器25、車両21の高さを検知する車高検知器26、および、入口料金所を提出する車両21を検知する退出車両検知器27が接続される。
【0030】
入口料金所の入口処理機13では、進入車両検知器25の検知信号をトリガに発行動作を開始し、車高検知器26で検知される車高に見合った発行口より通行券1の発行を行なうものとする。左ハンドル車の場合は、車両21の運転者が左ハンドル車用発行機23の発行釦(図示しない)を押下することにより、レーンの左側から通行券1の発行を行なう。なお、通行券1の取り忘れの場合は、退出車両検知器27の検知信号により通行券1を回収する。
【0031】
通行券1の発行動作は、通行券1のリライタブル印字面5に対し入口料金所名と日時情報を印字し、RFIDカード2へは入口料金所名、日時情報料、偽変造防止データを記録する。発行された通行券1は、車両21の運転者に渡される。なお、リサイクル端末装置15を使用しないシステム構成の場合は、発行動作の前に前回使用時の印字内容を消去する印字消去処理を実施する。
【0032】
図7は、入口処理機13の具体的な構成を示すものである。
通行券自動発行機22は、全体的な制御を司る主制御部31、発行動作を制御する発行制御部32、通行券1の発行を行なう発行部33および外部インタフェイス34から構成されていて、外部インタフェイス34には進入車両検知器25、車高検知器26および退出車両検知器27が接続されている。主制御部31は、計算機センタ等に設置された上位装置28および収受員事務所等に設置された遠隔監視盤24に接続されている。
【0033】
発行部33は、使用済あるいは未使用状態の通行券1を多数枚積層状態に収納する通行券収納部35、通行券収納部35から通行券1を1枚ずつ取出して図示しない搬送路へ供給する取出部36、通行券1のリライタブル印字面5に対し旧印字内容を消去する印字消去部37、通行券1のRFIDカード2に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ6内のメモリに対しデータを書込んだり読取ったりするリーダ・ライタ部38、通行券1のリライタブル印字面5に対し入口情報を印字する印字部39、発行した通行券1を図示しない上段発行口あるいは下段発行口へ排出する通行券排出部40、取り忘れた通行券1を回収する通行券回収部41、および、各種案内を行なう案内表示部42から構成されている。
なお、リサイクル端末装置15を使用しないシステム構成の場合は発行部33における印字消去部37が削除される。
【0034】
左ハンドル車用発行機23は、発行動作を制御する発行制御部43および通行券1の発行を行なう発行部44から構成されていて、発行制御部43は通行券自動発行機22の外部インタフェイス34に接続されている。
【0035】
発行部44は、通行券自動発行機22の発行部33と同様、通行券収納部45、取出部46、印字消去部47、リーダ・ライタ部48、印字部49、通行券排出部50、通行券回収部51、および、案内表示部52から構成されている。
なお、リサイクル端末装置15を使用しないシステム構成の場合は発行部43における印字消去部47が削除される。
【0036】
図8は、出口処理機14の具体的な構成を示すものである。出口処理機14は、料金収受処理を行なうとともに全体的な制御を司る主制御部61、および、回収した通行券1を読取る通行券読取機62から構成されている。通行券読取機62は、読取動作を制御する読取制御部63および読取部64から構成されている。
【0037】
読取部64は、回収した通行券1を受入れる通行券受入部65、受入れた通行券1のRFIDカード2に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ6内のメモリに対しデータを書込んだり読取ったりするリーダ・ライタ部66、通行券1のリライタブル印字面5の印字寿命を確認する印字寿命確認部67、再利用する通行券1を回収する通行券回収部68、廃棄する通行券1を回収するリジェクト部69、および、各種案内を行なう案内表示部70から構成されている。
なお、リサイクル端末装置15を使用しないシステム構成の場合は読取部64における印字寿命確認部67が削除される。
【0038】
出口料金所では、収受員が車両の運転者から通行券1を回収する。収受員は、回収した通行券1を通行券読取機62で処理することで、通行券1のRFIDカード2に記録された入口情報から通行料金が算出される。
【0039】
なお、通行料金の算出、確定は主制御部61で実施されるが、通行料金を算出するための入口情報の確定にあたっては、通行券1のRFIDカード2に記録される変偽装防止データをチェックすることで、不正利用を最小限に食い止めることができる。
【0040】
図9は、リサイクル端末装置15の具体的な構成を示すものである。リサイクル端末装置15は、全体的な制御を司る主制御部71、および、通行券1のリサイクル化(前回印字内容の消去や再利用不可券(不良券)の抽出)を行なう通行券処理機72から構成されている。通行券処理機72は、処理動作を制御する制御部73および処理部74から構成されている。
【0041】
処理部74は、使用済の通行券1を多数枚積層状態に収納する通行券収納部75、通行券収納部75から通行券1を1枚ずつ取出して図示しない搬送路へ供給する取出部76、通行券1のリライタブル印字面5に対し旧印字内容を消去する印字消去部77、通行券1のRFIDカード2に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ6内のメモリに対しデータを書込んだり読取ったりするリーダ・ライタ部78、通行券1のリライタブル印字面5の印字寿命を確認する印字寿命確認部79、再利用する通行券1を回収する通行券回収部80、廃棄する通行券1を回収するリジェクト部81、および、各種案内を行なう案内表示部82から構成されている。
【0042】
次に、このような構成において入口処理機13の動作の流れについて図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0043】
まず、取出部36により通行券収納部35から通行券1が1枚取出されて、印字消去部37へ送られ、ここで通行券1のリライタブル印字面5に対し旧印字内容を消去する印字消去処理が行なわれる(ステップS1)。
【0044】
次に、印字消去処理された通行券1は印字部39へ送られ、通行券1のリライタブル印字面5に対し入口情報内の固定情報(入口料金所名等)が印字される(ステップS2)。固定情報が印字された通行券1はここで一時保持され、車両21の進入検知を待機する。
【0045】
進入車両検知器25が車両21の進入を検知すると(ステップS3)、車高検知器26が当該車両21の車高を検知しているか否かを判定し(ステップS4)、車高を検知している場合、通行券排出部40は上段発行口を選択し(ステップS5)、案内表示部42でその案内表示行なう(ステップS6)。
【0046】
次に、印字部39は、通行券1のリライタブル印字面5に対し入口情報内の残りの変動情報(日時情報等)を印字し(ステップS7)、当該通行券1をリーダ・ライタ部38へ送る。
【0047】
リーダ・ライタ部38は、通行券1のRFIDカード2に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ6内のメモリに対し入口情報(入口料金所名、日時情報等)および偽変造防止データを書込む(ステップS8)。データを書込みが終了した通行券1は、通行券排出部40により選択された上段発行口に排出される(ステップS9)。
【0048】
ステップS4における判定の結果、車高を検知していない場合、通行券排出部40は下段発行口を選択し(ステップS10)、案内表示部42でその案内表示行なう(ステップS11)。
【0049】
次に、印字部39は、通行券1のリライタブル印字面5に対し入口情報内の残りの変動情報(日時情報等)を印字し(ステップS12)、当該通行券1をリーダ・ライタ部38へ送る。
【0050】
リーダ・ライタ部38は、通行券1のRFIDカード2に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ6内のメモリに対し入口情報(入口料金所名、日時情報等)および偽変造防止データを書込む(ステップS13)。データを書込みが終了した通行券1は、通行券排出部40により選択された上段発行口に排出される(ステップS14)。
【0051】
次に、退出車両検知器27が車両21の退出を検知すると(ステップS15)、発行口に排出された通行券1が抜取られたか否かをチェックし(ステップS16)、抜取られた場合はステップS1に戻って次の動作に備え、抜取られなかった場合は通行券回収部41に回収し(ステップS17)、その後、ステップS1に戻って次の動作に備える。
【0052】
なお、上記説明では、できるだけ迅速な発行を行なうために、進入車両が検知される前にステップS1の印字消去処理およびステップS2の固定情報の印字処理を行なうようにしたが、必ずしもそのようにする必要はなく、たとえば、ステップS3で進入車両が検知された後にステップS1の印字消去処理を行ない、ステップS8で固定情報の印字処理も同時に行なうようにしてもよい。
また、リサイクル端末装置15を使用するシステム構成の場合は、ステップS1の印字消去処理は不要であるので削除される。
【0053】
次に、出口処理機14の動作の流れについて図11に示すフローチャートを参照して説明する。
【0054】
出口処理機14では、案内表示部70で通行券の挿入を案内している(ステップS21)。収受員が車両の運転者から通行券1を回収し、通行券受入部65に挿入したことが検知されると(ステップS22)、当該通行券1はリーダ・ライタ部66へ送られる。
【0055】
リーダ・ライタ部66は、通行券1のRFIDカード2に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ6内のメモリから入口情報(入口料金所名、日時情報等)および偽変造防止データを読取り(ステップS23)、入口情報は案内表示部70に表示する(ステップS24)。
【0056】
収受員は、案内表示部70に表示された入口情報を目視確認し(ステップS25)、不正の疑いがあるなどで承認できない場合、当該車両の運転者に対し問い合わせるなどして、人手による処理が行なわれる(ステップS26)。
【0057】
ステップS25における確認の結果、承認できる場合、収受員はその旨の指示を入力することにより、主制御部61により当該通行券1から読取った入口情報に基づく通行料金の計算が行なわれる(ステップS27)。
【0058】
印字寿命確認部67は、当該通行券1のリライタブル印字面5の印字寿命を確認することにより、当該通行券1は再利用可能か否かを判定する(ステップS28,S29)。この印字寿命確認処理の詳細は後で説明する。
【0059】
ステップS28,S29における判定の結果、当該通行券1の再利用は不可能な場合、当該通行券1を廃棄処分するためリジェクト部69へ回収し(ステップS30)、当該通行券1の再利用が可能な場合、当該通行券1を再利用するために通行券回収部68へ回収する(ステップS31)。
【0060】
なお、リサイクル端末装置15を使用するシステム構成の場合は、ステップS28,S29の印字寿命確認処理およびステップS30のリジェクト処理は不要であるので削除される。
【0061】
次に、リサイクル端末装置15の動作の流れについて図12に示すフローチャートを参照して説明する。
【0062】
リサイクル化する使用済みの通行券1が通行券収納部75に装填され(ステップS41)、処理開始命令が入力されると(ステップS42)、取出部76により通行券収納部75から通行券1が1枚取出されて、リーダ・ライタ部78へ送られる。
【0063】
リーダ・ライタ部78は、通行券1のRFIDカード2に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ6内のメモリ(EEPROM11)に対しテストデータを書込み、読出すことにより、メモリに異常がないか否かをチェックする(ステップS43)。
【0064】
ステップS43におけるチェックの結果、メモリに異常がある場合、当該通行券1の再利用は不可能と判断して、当該通行券1を廃棄処分するためリジェクト部81へ回収する(ステップS44)。
【0065】
ステップS43におけるチェックの結果、メモリに異常がない場合、当該通行券1は印字寿命確認部79へ送られる。印字寿命確認部79は、当該通行券1のリライタブル印字面5の印字寿命を確認することにより、当該通行券1は再利用可能か否かを判定する(ステップS45,S46)。この印字寿命確認処理の詳細は後で説明する。
【0066】
ステップS45,S46における判定の結果、当該通行券1の再利用は不可能な場合、当該通行券1を廃棄処分するためリジェクト部81へ回収し(ステップS44)、当該通行券1の再利用が可能な場合、当該通行券1に汚れおよび変形がないか否かを確認する(ステップS47)。この汚れ・変形確認処理は後で説明する。
【0067】
ステップS47における確認の結果、当該通行券1に汚れ・変形がある場合、当該通行券1の再利用は不可能と判断して、当該通行券1を廃棄処分するためリジェクト部81へ回収し(ステップS44)、当該通行券1に汚れ・変形がない場合、当該通行券1を再利用するために通行券回収部80へ回収する(ステップS49)。
【0068】
次に、図11のステップS28,S29(印字寿命確認部67)および図12のステップS45,S46(印字寿命確認部79)における印字寿命確認処理について図13に示すフローチャートを参照して説明する。
【0069】
通行券1のリライタブル印字面5の画像を撮影するカメラ(図示しない)を有しているものとする。まず、通行券1のリライタブル印字面5の画像をカメラで撮影し(ステップS51)、この撮影された画像に対し2値化処理などを用いて背景部分と文字部分との分離を行なうことで、文字画像を抽出する(ステップS52)。
【0070】
次に、抽出した文字画像の濃淡を確認し(ステップS53)、あらかじめ定められた閾値以上の濃さがあれば、次に文字フォントの確認を行なうことで文字にかすれがないか否かをチェックし(ステップS54)、文字にかすれがない場合、まだ印字寿命ではないと判断して再利用可能(リサイクル可)と判定する(ステップS55)。
【0071】
ステップS53における確認の結果、あらかじめ定められた閾値以上の濃さがない場合、あるいは、ステップS54におけるチェックの結果、文字にかすれがある場合、印字寿命と判断して再利用不可能(リサイクル不可)と判定する(ステップS56)。
【0072】
次に、図12のステップS47における通行券1の汚れ・変形確認処理について簡単に説明する。
【0073】
この例の場合、上記した印字寿命確認処理に用いたカメラで撮影された画像を用いるものとする。たとえば、カメラで撮影された画像に対し2値化処理などを用いて背景部分と文字部分との分離を行なうことで背景画像を抽出し、この抽出した背景画像の濃淡を確認し、あらかじめ定められた閾値以上の濃さがあれば汚れありと判定する。
【0074】
また、たとえば、カメラで撮影された画像から通行券1の形状を求め、この求めた形状をあらかじめ定められた基準値と比較することにより、通行券1が変形しているか否かを判定する。
【0075】
以上説明したように、上記実施の形態によれば、通行券のリサイクル利用により環境配慮型の料金収受システムを構築できる。また、当該料金収受システムの採用を進めることにより、廃棄部の削減や企業価値向上などの効果が期待される。
【0076】
さらに、機器ごとに適切な機能分担を行なうことにより、有料道路事業者の事業規模に適したリサイクルシステムを導入することができる。
すなわち、小規模(通行券の発行量が少なく、また料金所数も少ない)な有料道路事業者向けには、リサイクル端末装置なしのシステム稼動で、機器費および管理費の低減を図る。特に、入口処理機と出口処理機に、リサイクル化に最低限必要な機能を搭載し、リサイクル端末装置なしで運用するものとする。
【0077】
また、大規模(通行券の発行量が多く、また料金所数も多い)な有料道路事業者向けには、リサイクル端末装置を設定して可能な限りの自動化(省力化)を図る。また、リサイクル端末装置を活用することにより、入口処理機と出口処理機の機能低減を図り、機器費および管理費の低減を図る。
【符号の説明】
【0078】
1…通行券、2…RFIDカード(非接触型通信媒体)、11…EEPROM(メモリ)、13…入口処理機、14…出口処理機、15…リサイクル端末装置(再利用処理機)、21…車両、22…通行券自動発行機、23…左ハンドル車用発行機、25…進入車両検知器、26…車高検知器、27…退出車両検知器、37,47,77…印字消去部、67,79…印字寿命確認部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、高速道路等の有料道路を利用する車両に対し通行券を用いた通行料金の収受処理を行なう料金収受システムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、高速道路等の有料道路の料金収受システムにおいて、対距離対応の通行料金(走行距離に応じた通行料金)の料金収受システムが運用されている(たとえば、特許文献1参照)。
この料金収受システムは、通行券として紙券に磁気記録層を塗布した専用形状のものが使用され、通行券に対する印字はインクリボン+ドットインパクト印字ヘッドが用いられる。
【0003】
すなわち、有料道路を利用する車両が入口料金所に進入すると、入口処理機から当該車両の運転者に対して通行券が発行される。通行券には、入口情報(入口料金所名や通過日時等)が印刷されるとともに、同様な入口情報が磁気データとしても記録される。
【0004】
車両が出口料金所に進入すると、出口料金所の収受員が当該車両の運転者から通行券を回収する。回収した通行券は、出口処理機で処理され、磁気データから入口情報が読取られて、走行距離に応じた通行料金の算出(精算)が行なわれる。
【0005】
現在利用されている磁気式の通行券は、券面の印字を消去することができないため、1度きりの使い捨て通行券となっている。また、当該通行券(紙券)を再生紙として使用するためには、磁気記録層を除去する工程が必要となり、そのために専門業者での処理が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3256642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、環境配慮型の製品採用やシステム構築が進んでいる。しかし、磁気式の通行券を利用した料金収受システムは、環境配慮型という観点から以下のような課題があげられる。
(1)通行券は大量に発行(消費)されるが、通行券としてのリサイクル利用ができない。
【0008】
(2)通行券を再生紙として利用する場合、磁気記録層を除去するための専門業者の作業が必要となる。
【0009】
(3)社会システムが環境配慮型に移行している現在、省資源化という観点から通行券としての再利用化が叫ばれている。
【0010】
そこで、本発明は、通行券のリサイクル利用により環境配慮型のシステムを構築できる料金収受システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の料金収受システムは、有料道路の入口料金所において、当該入口料金所に進入してくる車両に対して通行券を発行する入口処理機と、有料道路の出口料金所において、当該出口料金所に進入してくる車両から提示される前記入口処理機で発行された通行券を処理する出口処理機とから構成され、前記入口処理機は、繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面を有し、外部機器との間で無線による通信を行なうことにより外部機器との間でデータのやりとりを行なうもので、少なくともメモリを有し、このメモリには少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報が記録される非接触型通信媒体からなる通行券を供給する通行券供給手段と、この通行券供給手段により供給される通行券の前記リライタブル印字面に対し旧印字内容を消去する印字消去処理を行なう印字消去手段と、この印字消去手段により印字消去処理された通行券の前記リライタブル印字面に対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を印字する印字手段と、この印字手段により印字された通行券の前記メモリに対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を記録する記録手段とを具備し、前記出口処理機は、前記入口処理機で発行された通行券を受入れ、当該受入れた通行券の前記メモリに記録されている入口情報を読取る読取手段と、この読取手段により読取られた入口情報に基づき前記入口料金所から前記出口料金所までの当該車両の通行料金を算出する通行料金算出手段と、前記受入れた通行券の前記リライタブル印字面における印字寿命を確認することにより当該通行券は再利用可能か否かを判定する印字寿命確認手段と、この印字寿命確認手段により再利用可能と判定された場合は当該通行券を再利用するために回収し、再利用不可能と判定された場合は当該通行券を再利用不可能として廃棄するように制御する制御手段とを具備している。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、通行券のリサイクル利用により環境配慮型のシステムを構築できる料金収受システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係るリサイクル通行券の構成を概略的に示すもので、(a)は平面図、(b)は縦断側面図。
【図2】RFIDカードの構成を概略的に示すブロック図。
【図3】リサイクル処理を入口処理機あるいは出口処理機で実施する場合のシステム概要図。
【図4】リサイクル処理を入口処理機あるいは出口処理機では行なわず、専用のリサイクル端末装置により実施する場合のシステム概要図。
【図5】入口料金所における機器構成図を示すブロック図。
【図6】入口料金所における機器配置図を示す模式図。
【図7】入口処理機の具体的な構成を示すブロック図。
【図8】出口処理機の具体的な構成を示すブロック図。
【図9】リサイクル端末装置の具体的な構成を示すブロック図。
【図10】入口処理機の動作の流れについて説明するフローチャート。
【図11】出口処理機の動作の流れについて説明するフローチャート。
【図12】リサイクル端末装置の動作の流れについて説明するフローチャート。
【図13】印字寿命確認処理について説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るリサイクル通行券の構成を概略的に示すものである。通行券1は、たとえば、RFID(Radio Frequency IDentification)カード(非接触型通信媒体)2で構成されていて、その両面がPET(ポリエチレン・テレフタレート)樹脂3,4で挟み込むことで強度的な補強が行なわれている。
【0015】
一方のPET樹脂3の表面には、繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面(印字エリア)5が形成されている。リライタブル印字面5は、たとえば、入口情報(たとえば、入口料金所名、日時情報など)が印字される。
【0016】
RFIDカード2は、外部機器から電磁誘導結合により供給される電力で動作するパッシブタイプのものであり、たとえば、図2に示すように、ICチップ6とアンテナ7とから構成されている。
【0017】
ICチップ6は、アンテナ7と接続され無線通信を行なうRF部8、全体的な制御を司るCPU9、CPU9の制御プログラム等が格納されたROM10、任意に書換え可能なEEPROM11、受信した電力波で動作電圧を生成する電源部12により構成されている。EEPROM11には、ユニークなID情報(固有の識別情報)が記録されているとともに、少なくとも入口料金所を特定する入口情報(たとえば、入口料金所名、日時情報、儀変造防止データなど)が記録される。
【0018】
まず、本発明の概要について図3および図4を参照して説明する。
基本的なシステム概要は、入口料金所で通行券を発行し、出口料金所で通行券を回収する。出口料金所で更に、回収した通行券から入口情報を取得して通行料金を算出し、当該車両の運転者から徴収する。通行料金の徴収後は、回収した通行券を整列し、入口料金所(入口処理機)に充填して通行券の発行に備える。
【0019】
このように、入口→出口→入口と通行券をサイクルさせることによって、通行券のリサイクル化を実施する。通行券のリサイクル化を実施するにあたり、前回使用時の印字消去と通行券整列、印字寿命の確認を行なう必要があるが、これらの処理(リサイクル処理)を入口処理機、出口処理機に振り分けて実施するか、または専用のリサイクル端末装置(再利用処理機)を設けて実施する方法が考えられる。
【0020】
リサイクル通行券の寿命は、通行券の折れ、曲がり、汚れなどの外乱要因を除くと、主にリライタブル印字面の寿命により決定される。一般に、RFIDカードのデータ書換回数に比べて、リライタブル印字面の書換回数は千回〜数百回と短い。
【0021】
通行券の発行量が多く、また入口料金所、出口料金所の数が多い大規模な有料道路事業者では、専用のリサイクル端末装置を設けた方が省力化が図れると考えられる。リサイクル端末装置を設けた場合は、入口処理機の印字消去機能、出口処理機の印字寿命確認機能を省略することができるので、全体として機器費低減を図ることができる。
【0022】
なお、通行券の発行量が少ない小規模な有料道路事業者では、リサイクル端末装置の設備費や稼働率が悪化するため、全体の機器費、管理費低減からリサイクル端末装置を使用しない運用も考えられる。
【0023】
図3は、上記したようなリサイクル処理を入口処理機13あるいは出口処理機14で実施する場合のシステム概要図である。入口処理機13では、前回使用時の印字内容を消去する印字消去、今回使用時の印字実施(入口料金所名、日時情報等)、データ書込み(入口料金所名、日時情報、偽変造防止データ等)を実施して通行券1を発行する。特に、印字消去について、リサイクル端末装置を使用しない場合は、入口処理機13に印字消去機能の搭載が必要である。
【0024】
出口料金所で通行券1を回収後、出口処理機14では、印字項目確認(入口料金所名、日時情報等)、印字寿命確認、データ読取り(入口料金所名、日時情報、偽変造防止データ等)を実施する。特に、印字寿命確認については、リサイクル端末装置を使用しない場合、印字寿命確認機能の搭載が必要である。なお、印字(通行券)の寿命と判定されたものは廃棄処理される。
【0025】
図4は、上記したようなリサイクル処理を、入口処理機13あるいは出口処理機14では行なわず、専用のリサイクル端末装置(再利用処理機)15により実施する場合のシステム概要図である。入口処理機13では、印字実施(入口料金所名、日時情報等)、データ書込み(入口料金所名、日時情報、偽変造防止データ等)を実施して通行券1を発行する。特に、印字消去については、リサイクル端末装置15で実施するので、入口処理機13に印字消去機能を搭載する必要がない。
【0026】
出口料金所で通行券1を回収後、出口処理機14では、印字項目確認(入口料金所名、日時情報等)、データ読取り(入口料金所名、日時情報、偽変造防止データ等)を実施する。特に、印字寿命確認については、リサイクル端末装置15で実施するので、印字寿命確認機能を搭載する必要がない。
【0027】
出口料金所で回収された通行券1は、たとえば、有料道路事業者の事務所に設置してあるリサイクル端末装置15で、印字消去、印字寿命確認、汚れ・変形確認を実施する。印字(通行券)の寿命と判定されたものは廃棄処理される。
【0028】
以下、本発明の実施の形態に係る料金収受システムの具体例について説明する。
図5は入口料金所における機器構成図を示し、図6は入口料金所における機器配置図を示している。
【0029】
入口処理機13は、入口料金所に進入してくる車両21に対し通行券1を発行する通行券自動発行機22、左ハンドル車用発行機23、および、これらを遠隔監視する遠隔監視盤24から構成されている。通行券自動発行機22には、入口料金所に進入してくる車両21を検知する進入車両検知器25、車両21の高さを検知する車高検知器26、および、入口料金所を提出する車両21を検知する退出車両検知器27が接続される。
【0030】
入口料金所の入口処理機13では、進入車両検知器25の検知信号をトリガに発行動作を開始し、車高検知器26で検知される車高に見合った発行口より通行券1の発行を行なうものとする。左ハンドル車の場合は、車両21の運転者が左ハンドル車用発行機23の発行釦(図示しない)を押下することにより、レーンの左側から通行券1の発行を行なう。なお、通行券1の取り忘れの場合は、退出車両検知器27の検知信号により通行券1を回収する。
【0031】
通行券1の発行動作は、通行券1のリライタブル印字面5に対し入口料金所名と日時情報を印字し、RFIDカード2へは入口料金所名、日時情報料、偽変造防止データを記録する。発行された通行券1は、車両21の運転者に渡される。なお、リサイクル端末装置15を使用しないシステム構成の場合は、発行動作の前に前回使用時の印字内容を消去する印字消去処理を実施する。
【0032】
図7は、入口処理機13の具体的な構成を示すものである。
通行券自動発行機22は、全体的な制御を司る主制御部31、発行動作を制御する発行制御部32、通行券1の発行を行なう発行部33および外部インタフェイス34から構成されていて、外部インタフェイス34には進入車両検知器25、車高検知器26および退出車両検知器27が接続されている。主制御部31は、計算機センタ等に設置された上位装置28および収受員事務所等に設置された遠隔監視盤24に接続されている。
【0033】
発行部33は、使用済あるいは未使用状態の通行券1を多数枚積層状態に収納する通行券収納部35、通行券収納部35から通行券1を1枚ずつ取出して図示しない搬送路へ供給する取出部36、通行券1のリライタブル印字面5に対し旧印字内容を消去する印字消去部37、通行券1のRFIDカード2に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ6内のメモリに対しデータを書込んだり読取ったりするリーダ・ライタ部38、通行券1のリライタブル印字面5に対し入口情報を印字する印字部39、発行した通行券1を図示しない上段発行口あるいは下段発行口へ排出する通行券排出部40、取り忘れた通行券1を回収する通行券回収部41、および、各種案内を行なう案内表示部42から構成されている。
なお、リサイクル端末装置15を使用しないシステム構成の場合は発行部33における印字消去部37が削除される。
【0034】
左ハンドル車用発行機23は、発行動作を制御する発行制御部43および通行券1の発行を行なう発行部44から構成されていて、発行制御部43は通行券自動発行機22の外部インタフェイス34に接続されている。
【0035】
発行部44は、通行券自動発行機22の発行部33と同様、通行券収納部45、取出部46、印字消去部47、リーダ・ライタ部48、印字部49、通行券排出部50、通行券回収部51、および、案内表示部52から構成されている。
なお、リサイクル端末装置15を使用しないシステム構成の場合は発行部43における印字消去部47が削除される。
【0036】
図8は、出口処理機14の具体的な構成を示すものである。出口処理機14は、料金収受処理を行なうとともに全体的な制御を司る主制御部61、および、回収した通行券1を読取る通行券読取機62から構成されている。通行券読取機62は、読取動作を制御する読取制御部63および読取部64から構成されている。
【0037】
読取部64は、回収した通行券1を受入れる通行券受入部65、受入れた通行券1のRFIDカード2に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ6内のメモリに対しデータを書込んだり読取ったりするリーダ・ライタ部66、通行券1のリライタブル印字面5の印字寿命を確認する印字寿命確認部67、再利用する通行券1を回収する通行券回収部68、廃棄する通行券1を回収するリジェクト部69、および、各種案内を行なう案内表示部70から構成されている。
なお、リサイクル端末装置15を使用しないシステム構成の場合は読取部64における印字寿命確認部67が削除される。
【0038】
出口料金所では、収受員が車両の運転者から通行券1を回収する。収受員は、回収した通行券1を通行券読取機62で処理することで、通行券1のRFIDカード2に記録された入口情報から通行料金が算出される。
【0039】
なお、通行料金の算出、確定は主制御部61で実施されるが、通行料金を算出するための入口情報の確定にあたっては、通行券1のRFIDカード2に記録される変偽装防止データをチェックすることで、不正利用を最小限に食い止めることができる。
【0040】
図9は、リサイクル端末装置15の具体的な構成を示すものである。リサイクル端末装置15は、全体的な制御を司る主制御部71、および、通行券1のリサイクル化(前回印字内容の消去や再利用不可券(不良券)の抽出)を行なう通行券処理機72から構成されている。通行券処理機72は、処理動作を制御する制御部73および処理部74から構成されている。
【0041】
処理部74は、使用済の通行券1を多数枚積層状態に収納する通行券収納部75、通行券収納部75から通行券1を1枚ずつ取出して図示しない搬送路へ供給する取出部76、通行券1のリライタブル印字面5に対し旧印字内容を消去する印字消去部77、通行券1のRFIDカード2に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ6内のメモリに対しデータを書込んだり読取ったりするリーダ・ライタ部78、通行券1のリライタブル印字面5の印字寿命を確認する印字寿命確認部79、再利用する通行券1を回収する通行券回収部80、廃棄する通行券1を回収するリジェクト部81、および、各種案内を行なう案内表示部82から構成されている。
【0042】
次に、このような構成において入口処理機13の動作の流れについて図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0043】
まず、取出部36により通行券収納部35から通行券1が1枚取出されて、印字消去部37へ送られ、ここで通行券1のリライタブル印字面5に対し旧印字内容を消去する印字消去処理が行なわれる(ステップS1)。
【0044】
次に、印字消去処理された通行券1は印字部39へ送られ、通行券1のリライタブル印字面5に対し入口情報内の固定情報(入口料金所名等)が印字される(ステップS2)。固定情報が印字された通行券1はここで一時保持され、車両21の進入検知を待機する。
【0045】
進入車両検知器25が車両21の進入を検知すると(ステップS3)、車高検知器26が当該車両21の車高を検知しているか否かを判定し(ステップS4)、車高を検知している場合、通行券排出部40は上段発行口を選択し(ステップS5)、案内表示部42でその案内表示行なう(ステップS6)。
【0046】
次に、印字部39は、通行券1のリライタブル印字面5に対し入口情報内の残りの変動情報(日時情報等)を印字し(ステップS7)、当該通行券1をリーダ・ライタ部38へ送る。
【0047】
リーダ・ライタ部38は、通行券1のRFIDカード2に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ6内のメモリに対し入口情報(入口料金所名、日時情報等)および偽変造防止データを書込む(ステップS8)。データを書込みが終了した通行券1は、通行券排出部40により選択された上段発行口に排出される(ステップS9)。
【0048】
ステップS4における判定の結果、車高を検知していない場合、通行券排出部40は下段発行口を選択し(ステップS10)、案内表示部42でその案内表示行なう(ステップS11)。
【0049】
次に、印字部39は、通行券1のリライタブル印字面5に対し入口情報内の残りの変動情報(日時情報等)を印字し(ステップS12)、当該通行券1をリーダ・ライタ部38へ送る。
【0050】
リーダ・ライタ部38は、通行券1のRFIDカード2に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ6内のメモリに対し入口情報(入口料金所名、日時情報等)および偽変造防止データを書込む(ステップS13)。データを書込みが終了した通行券1は、通行券排出部40により選択された上段発行口に排出される(ステップS14)。
【0051】
次に、退出車両検知器27が車両21の退出を検知すると(ステップS15)、発行口に排出された通行券1が抜取られたか否かをチェックし(ステップS16)、抜取られた場合はステップS1に戻って次の動作に備え、抜取られなかった場合は通行券回収部41に回収し(ステップS17)、その後、ステップS1に戻って次の動作に備える。
【0052】
なお、上記説明では、できるだけ迅速な発行を行なうために、進入車両が検知される前にステップS1の印字消去処理およびステップS2の固定情報の印字処理を行なうようにしたが、必ずしもそのようにする必要はなく、たとえば、ステップS3で進入車両が検知された後にステップS1の印字消去処理を行ない、ステップS8で固定情報の印字処理も同時に行なうようにしてもよい。
また、リサイクル端末装置15を使用するシステム構成の場合は、ステップS1の印字消去処理は不要であるので削除される。
【0053】
次に、出口処理機14の動作の流れについて図11に示すフローチャートを参照して説明する。
【0054】
出口処理機14では、案内表示部70で通行券の挿入を案内している(ステップS21)。収受員が車両の運転者から通行券1を回収し、通行券受入部65に挿入したことが検知されると(ステップS22)、当該通行券1はリーダ・ライタ部66へ送られる。
【0055】
リーダ・ライタ部66は、通行券1のRFIDカード2に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ6内のメモリから入口情報(入口料金所名、日時情報等)および偽変造防止データを読取り(ステップS23)、入口情報は案内表示部70に表示する(ステップS24)。
【0056】
収受員は、案内表示部70に表示された入口情報を目視確認し(ステップS25)、不正の疑いがあるなどで承認できない場合、当該車両の運転者に対し問い合わせるなどして、人手による処理が行なわれる(ステップS26)。
【0057】
ステップS25における確認の結果、承認できる場合、収受員はその旨の指示を入力することにより、主制御部61により当該通行券1から読取った入口情報に基づく通行料金の計算が行なわれる(ステップS27)。
【0058】
印字寿命確認部67は、当該通行券1のリライタブル印字面5の印字寿命を確認することにより、当該通行券1は再利用可能か否かを判定する(ステップS28,S29)。この印字寿命確認処理の詳細は後で説明する。
【0059】
ステップS28,S29における判定の結果、当該通行券1の再利用は不可能な場合、当該通行券1を廃棄処分するためリジェクト部69へ回収し(ステップS30)、当該通行券1の再利用が可能な場合、当該通行券1を再利用するために通行券回収部68へ回収する(ステップS31)。
【0060】
なお、リサイクル端末装置15を使用するシステム構成の場合は、ステップS28,S29の印字寿命確認処理およびステップS30のリジェクト処理は不要であるので削除される。
【0061】
次に、リサイクル端末装置15の動作の流れについて図12に示すフローチャートを参照して説明する。
【0062】
リサイクル化する使用済みの通行券1が通行券収納部75に装填され(ステップS41)、処理開始命令が入力されると(ステップS42)、取出部76により通行券収納部75から通行券1が1枚取出されて、リーダ・ライタ部78へ送られる。
【0063】
リーダ・ライタ部78は、通行券1のRFIDカード2に対し電磁誘導結合により動作電力を供給しながらICチップ6内のメモリ(EEPROM11)に対しテストデータを書込み、読出すことにより、メモリに異常がないか否かをチェックする(ステップS43)。
【0064】
ステップS43におけるチェックの結果、メモリに異常がある場合、当該通行券1の再利用は不可能と判断して、当該通行券1を廃棄処分するためリジェクト部81へ回収する(ステップS44)。
【0065】
ステップS43におけるチェックの結果、メモリに異常がない場合、当該通行券1は印字寿命確認部79へ送られる。印字寿命確認部79は、当該通行券1のリライタブル印字面5の印字寿命を確認することにより、当該通行券1は再利用可能か否かを判定する(ステップS45,S46)。この印字寿命確認処理の詳細は後で説明する。
【0066】
ステップS45,S46における判定の結果、当該通行券1の再利用は不可能な場合、当該通行券1を廃棄処分するためリジェクト部81へ回収し(ステップS44)、当該通行券1の再利用が可能な場合、当該通行券1に汚れおよび変形がないか否かを確認する(ステップS47)。この汚れ・変形確認処理は後で説明する。
【0067】
ステップS47における確認の結果、当該通行券1に汚れ・変形がある場合、当該通行券1の再利用は不可能と判断して、当該通行券1を廃棄処分するためリジェクト部81へ回収し(ステップS44)、当該通行券1に汚れ・変形がない場合、当該通行券1を再利用するために通行券回収部80へ回収する(ステップS49)。
【0068】
次に、図11のステップS28,S29(印字寿命確認部67)および図12のステップS45,S46(印字寿命確認部79)における印字寿命確認処理について図13に示すフローチャートを参照して説明する。
【0069】
通行券1のリライタブル印字面5の画像を撮影するカメラ(図示しない)を有しているものとする。まず、通行券1のリライタブル印字面5の画像をカメラで撮影し(ステップS51)、この撮影された画像に対し2値化処理などを用いて背景部分と文字部分との分離を行なうことで、文字画像を抽出する(ステップS52)。
【0070】
次に、抽出した文字画像の濃淡を確認し(ステップS53)、あらかじめ定められた閾値以上の濃さがあれば、次に文字フォントの確認を行なうことで文字にかすれがないか否かをチェックし(ステップS54)、文字にかすれがない場合、まだ印字寿命ではないと判断して再利用可能(リサイクル可)と判定する(ステップS55)。
【0071】
ステップS53における確認の結果、あらかじめ定められた閾値以上の濃さがない場合、あるいは、ステップS54におけるチェックの結果、文字にかすれがある場合、印字寿命と判断して再利用不可能(リサイクル不可)と判定する(ステップS56)。
【0072】
次に、図12のステップS47における通行券1の汚れ・変形確認処理について簡単に説明する。
【0073】
この例の場合、上記した印字寿命確認処理に用いたカメラで撮影された画像を用いるものとする。たとえば、カメラで撮影された画像に対し2値化処理などを用いて背景部分と文字部分との分離を行なうことで背景画像を抽出し、この抽出した背景画像の濃淡を確認し、あらかじめ定められた閾値以上の濃さがあれば汚れありと判定する。
【0074】
また、たとえば、カメラで撮影された画像から通行券1の形状を求め、この求めた形状をあらかじめ定められた基準値と比較することにより、通行券1が変形しているか否かを判定する。
【0075】
以上説明したように、上記実施の形態によれば、通行券のリサイクル利用により環境配慮型の料金収受システムを構築できる。また、当該料金収受システムの採用を進めることにより、廃棄部の削減や企業価値向上などの効果が期待される。
【0076】
さらに、機器ごとに適切な機能分担を行なうことにより、有料道路事業者の事業規模に適したリサイクルシステムを導入することができる。
すなわち、小規模(通行券の発行量が少なく、また料金所数も少ない)な有料道路事業者向けには、リサイクル端末装置なしのシステム稼動で、機器費および管理費の低減を図る。特に、入口処理機と出口処理機に、リサイクル化に最低限必要な機能を搭載し、リサイクル端末装置なしで運用するものとする。
【0077】
また、大規模(通行券の発行量が多く、また料金所数も多い)な有料道路事業者向けには、リサイクル端末装置を設定して可能な限りの自動化(省力化)を図る。また、リサイクル端末装置を活用することにより、入口処理機と出口処理機の機能低減を図り、機器費および管理費の低減を図る。
【符号の説明】
【0078】
1…通行券、2…RFIDカード(非接触型通信媒体)、11…EEPROM(メモリ)、13…入口処理機、14…出口処理機、15…リサイクル端末装置(再利用処理機)、21…車両、22…通行券自動発行機、23…左ハンドル車用発行機、25…進入車両検知器、26…車高検知器、27…退出車両検知器、37,47,77…印字消去部、67,79…印字寿命確認部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路の入口料金所において、当該入口料金所に進入してくる車両に対して通行券を発行する入口処理機と、有料道路の出口料金所において、当該出口料金所に進入してくる車両から提示される前記入口処理機で発行された通行券を処理する出口処理機とから構成され、
前記入口処理機は、
繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面を有し、外部機器との間で無線による通信を行なうことにより外部機器との間でデータのやりとりを行なうもので、少なくともメモリを有し、このメモリには少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報が記録される非接触型通信媒体からなる通行券を供給する通行券供給手段と、
この通行券供給手段により供給される通行券の前記リライタブル印字面に対し旧印字内容を消去する印字消去処理を行なう印字消去手段と、
この印字消去手段により印字消去処理された通行券の前記リライタブル印字面に対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を印字する印字手段と、
この印字手段により印字された通行券の前記メモリに対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を記録する記録手段とを具備し、
前記出口処理機は、
前記入口処理機で発行された通行券を受入れ、当該受入れた通行券の前記メモリに記録されている入口情報を読取る読取手段と、
この読取手段により読取られた入口情報に基づき前記入口料金所から前記出口料金所までの当該車両の通行料金を算出する通行料金算出手段と、
前記受入れた通行券の前記リライタブル印字面における印字寿命を確認することにより当該通行券は再利用可能か否かを判定する印字寿命確認手段と、
この印字寿命確認手段により再利用可能と判定された場合は当該通行券を再利用するために回収し、再利用不可能と判定された場合は当該通行券を再利用不可能として廃棄するように制御する制御手段とを具備したことを特徴とする料金収受システム。
【請求項2】
有料道路の入口料金所において、当該入口料金所に進入してくる車両に対して通行券を発行する入口処理機と、有料道路の出口料金所において、当該出口料金所に進入してくる車両から提示される前記入口処理機で発行された通行券を処理する出口処理機と、前記出口処理機で処理された通行券に対し再利用にむけた処理行なう再利用処理機とから構成され、
前記入口処理機は、
繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面を有し、外部機器との間で無線による通信を行なうことにより外部機器との間でデータのやりとりを行なうもので、少なくともメモリを有し、このメモリには少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報が記録される非接触型通信媒体からなる通行券を供給する通行券供給手段と、
この通行券供給手段により供給される通行券の前記リライタブル印字面に対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を印字する印字手段と、
この印字手段により印字された通行券の前記メモリに対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を記録する記録手段とを具備し、
前記出口処理機は、
前記入口処理機で発行された通行券を受入れ、当該受入れた通行券の前記メモリに記録されている入口情報を読取る読取手段と、
この読取手段により読取られた入口情報に基づき前記入口料金所から前記出口料金所までの当該車両の通行料金を算出する通行料金算出手段とを具備し、
前記再利用処理機は、
前記出口処理機で処理された通行券を受入れ、当該受入れた通行券の前記リライタブル印字面における印字寿命を確認することにより当該通行券は再利用可能か否かを判定する印字寿命確認手段と、
この印字寿命確認手段により再利用不可能と判定された場合は当該通行券を再利用不可能として廃棄するように制御する制御手段と、
前記印字寿命確認手段により再利用可能と判定された場合、前記受入れた通行券の前記リライタブル印字面に対し旧印字内容を消去する印字消去処理を行なう印字消去手段と、
この印字消去手段により印字消去処理された通行券を再利用するために回収する回収手段とを具備したことを特徴とする料金収受システム。
【請求項1】
有料道路の入口料金所において、当該入口料金所に進入してくる車両に対して通行券を発行する入口処理機と、有料道路の出口料金所において、当該出口料金所に進入してくる車両から提示される前記入口処理機で発行された通行券を処理する出口処理機とから構成され、
前記入口処理機は、
繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面を有し、外部機器との間で無線による通信を行なうことにより外部機器との間でデータのやりとりを行なうもので、少なくともメモリを有し、このメモリには少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報が記録される非接触型通信媒体からなる通行券を供給する通行券供給手段と、
この通行券供給手段により供給される通行券の前記リライタブル印字面に対し旧印字内容を消去する印字消去処理を行なう印字消去手段と、
この印字消去手段により印字消去処理された通行券の前記リライタブル印字面に対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を印字する印字手段と、
この印字手段により印字された通行券の前記メモリに対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を記録する記録手段とを具備し、
前記出口処理機は、
前記入口処理機で発行された通行券を受入れ、当該受入れた通行券の前記メモリに記録されている入口情報を読取る読取手段と、
この読取手段により読取られた入口情報に基づき前記入口料金所から前記出口料金所までの当該車両の通行料金を算出する通行料金算出手段と、
前記受入れた通行券の前記リライタブル印字面における印字寿命を確認することにより当該通行券は再利用可能か否かを判定する印字寿命確認手段と、
この印字寿命確認手段により再利用可能と判定された場合は当該通行券を再利用するために回収し、再利用不可能と判定された場合は当該通行券を再利用不可能として廃棄するように制御する制御手段とを具備したことを特徴とする料金収受システム。
【請求項2】
有料道路の入口料金所において、当該入口料金所に進入してくる車両に対して通行券を発行する入口処理機と、有料道路の出口料金所において、当該出口料金所に進入してくる車両から提示される前記入口処理機で発行された通行券を処理する出口処理機と、前記出口処理機で処理された通行券に対し再利用にむけた処理行なう再利用処理機とから構成され、
前記入口処理機は、
繰返し印字/消去が可能なリライタブル印字面を有し、外部機器との間で無線による通信を行なうことにより外部機器との間でデータのやりとりを行なうもので、少なくともメモリを有し、このメモリには少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報が記録される非接触型通信媒体からなる通行券を供給する通行券供給手段と、
この通行券供給手段により供給される通行券の前記リライタブル印字面に対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を印字する印字手段と、
この印字手段により印字された通行券の前記メモリに対し少なくとも当該入口料金所を特定する入口情報を記録する記録手段とを具備し、
前記出口処理機は、
前記入口処理機で発行された通行券を受入れ、当該受入れた通行券の前記メモリに記録されている入口情報を読取る読取手段と、
この読取手段により読取られた入口情報に基づき前記入口料金所から前記出口料金所までの当該車両の通行料金を算出する通行料金算出手段とを具備し、
前記再利用処理機は、
前記出口処理機で処理された通行券を受入れ、当該受入れた通行券の前記リライタブル印字面における印字寿命を確認することにより当該通行券は再利用可能か否かを判定する印字寿命確認手段と、
この印字寿命確認手段により再利用不可能と判定された場合は当該通行券を再利用不可能として廃棄するように制御する制御手段と、
前記印字寿命確認手段により再利用可能と判定された場合、前記受入れた通行券の前記リライタブル印字面に対し旧印字内容を消去する印字消去処理を行なう印字消去手段と、
この印字消去手段により印字消去処理された通行券を再利用するために回収する回収手段とを具備したことを特徴とする料金収受システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−231373(P2010−231373A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76703(P2009−76703)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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