説明

断熱パネルの製造方法および断熱パネル

【課題】真空断熱材の周囲等に発泡性断熱材が均一に充填された断熱パネルを製造することができる断熱パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】真空断熱材14を表面材11の略中央に配したパネル基礎部20を発泡性断熱材の注入機31に対して相対移動させながら、発泡性断熱材16をパネル基礎部の上面側より充填するようにした断熱パネルの製造方法であって、パネル基礎部20は、真空断熱材14の移動方向の両端側の表面材上に端部パネル15、15が配され、真空断熱材14および端部パネル15、15の幅方向の外側に枠部13、13が配された構造とされ、発泡性断熱材16をパネル基礎部20の枠部13、13内に注入するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住居等や保冷庫、保温庫等の構造物に使用される断熱パネルの製造方法および断熱パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
住居等や保冷庫、保温庫等の構造物に使用される断熱材として、薄型化を図り、断熱効率を向上させるなどの観点から、芯材をガスバリア性の包装材で外装して真空吸引することにより形成された真空断熱材が知られている。
【0003】
この真空断熱材は、強度補強の観点から、さらには釘打ち、ねじ止め等による真空断熱材の破損を防止する観点から、面材間に配設されたうえで、真空断熱材の周囲等に発泡性断熱材が充填された断熱パネルとして使用できるものが提案されている。例えば次の特許文献1では、発泡性断熱材としてポリウレタンフォームを用いたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−100991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、真空断熱材の周囲等に発泡性断熱材を充填させた断熱パネルでは従来、製造工程において断熱パネルの端部に発泡性断熱材が行き渡らず、充填不良(いわゆる巣の状態)になるという問題があった。特に、面材上の中央に真空断熱材を配した状態でコンベア上を搬送させながら注入機で発泡性断熱材を注入する製造方法では、移動方向(断熱パネルの長手方向)の両端部に充填不良が発生することがあった。
【0006】
これに対して、注入機からの単位時間当たりの発泡性断熱材の注入量を部位によりコントロールして、充填不良となりそうな部位に単位時間当たりの注入量を多くする方法が考えられる。しかし、精度よく注入量をコントロールすることは困難であるし、たとえコントロールできたとしても充填不良とならないという保証はない。
【0007】
本発明は、このような問題を考慮して提案されたもので、その目的は、真空断熱材の周囲等に発泡性断熱材が均一に充填された断熱性能が良好な断熱パネルを製造することができる断熱パネルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る断熱パネルの製造方法は、真空断熱材を表面材の略中央に配したパネル基礎部を発泡性断熱材の注入機に対して相対移動させながら、発泡性断熱材をパネル基礎部の上面側より充填するようにした断熱パネルの製造方法であって、パネル基礎部は、真空断熱材の移動方向の両端側の表面材上に端部パネルが配され、真空断熱材および端部パネルの幅方向の外側に枠部が配された構造とされ、発泡性断熱材を、パネル基礎部の枠部内に注入するようにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る断熱パネルの製造方法において、真空断熱材および端部パネルの厚み、幅寸法を略同一としてもよい。
【0010】
また、本発明に係る断熱パネルの製造方法において、発泡性断熱材を充填した後、その発泡性断熱材の上に裏面材を配してから、上方より押圧して厚みを規制するようにしてもよい。
【0011】
さらに、本発明に係る断熱パネルの製造方法において、発泡性断熱材が上面側に配設された前記パネル基礎部のうち、移動方向の両端に配した端部パネルの一部が排除されるように切断する切断除去工程をさらに実行するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明に係る断熱パネルは、表面材と裏面材との間に真空断熱材を配した断熱パネルであって、真空断熱材の側方に端部パネルが配され、真空断熱材および端部パネルの少なくとも裏面側には発泡性断熱材が充填されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の断熱パネルにおいて、表面材の端縁部には枠部が配されているものとしてもよい。
【0014】
また、本発明の断熱パネルにおいて、枠部には実部が形成されているものとしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る断熱パネルの製造方法によれば、上述のような構成としたことで、真空断熱材の周囲等に発泡性断熱材が均一に充填された断熱性能が良好な断熱パネルを製造することができる。
【0016】
また、本発明に係る断熱パネルによれば、上述のような構成としたことで、真空断熱材を傷付けることなく、パネル周囲部において釘やねじ、タッカー等の固定具を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る断熱パネルの主たる内部構造を示す概略斜視図であり、その製造方法(1/2)を示した模式図である。
【図2】同製造方法(2/2)を示した模式図である。
【図3】同製造方法で製造された断熱パネルの分解斜視図である。
【図4】(a)は同製造方法で製造された断熱パネルの一部破断斜視図、(b)はA−A線拡大断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る断熱パネルの概略縦断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態に係る断熱パネルの一部破断概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1〜図4は、本発明の一実施形態に係る断熱パネルおよびその製造方法の説明図である。図1および図2は断熱パネルの製造方法の説明図であり、図1は搬送準備を示した概略斜視図、図2は搬送工程(発泡製断熱材注入工程、裏面材貼着工程)を示した搬送ラインの模式図である。
【0020】
この製造方法によって製される断熱パネル10は、住宅などの床や壁、天井などに取り付けて使用する長方形の平板状のものである。断熱パネル10は、表面材11と裏面材12との間に真空断熱材14および端部パネル15が配設され、真空断熱材14および端部パネル15の周囲等には発泡性断熱材16が充填された構造となっている。
【0021】
本実施形態では、図2に示すように、断熱パネル10を構成する一部の材料部材(パネル基礎部20)を搬送装置30(ベルトコンベア)で搬送しながら断熱パネル10を製造する方法を採っている。
【0022】
この製造方法では、断熱パネル10の通常の使用時とは天地を逆にして、つまり表面材11を下にして、その上に真空断熱材14および端部パネル15を配した状態のパネル基礎部20を搬送装置30で搬送するようになっている。
【0023】
具体的には、パネル基礎部20は、真空断熱材14の搬送における移動方向の先端側、尾端側の表面材11上に端部パネル15、15が配され、真空断熱材14および端部パネル15、15の幅方向の外側に枠部13、13が配された構造となっている。なお、真空断熱材14および端部パネル15、15は、表面材11に対して両面テープや接着剤で簡易取り付けされている。また、枠部13、13も、表面材11に対して両面テープや接着剤で簡易取り付けされているが、後述するように表面材11と一体成形されたものでもよい。
【0024】
表面材11としては、木材や石膏、樹脂などを材料とした板材が使用できる。裏面材12としては、ローラ装置32から引き出して使用できるアルミニウムや紙などのシート材が使用できる。また、枠部13としては木材や硬質ウレタン等の断熱性樹脂を材料とした角棒体が使用でき、その高さ寸法を真空断熱材14、端部パネル15の厚み寸法よりも大きくすることが望ましい。
【0025】
真空断熱材14としては、芯材をガスバリア性の包装材で外装して真空吸引することにより形成されたものなどが使用できる。特に本図例では、厚み寸法を枠部13の高さ寸法よりも小さくし、平面視形状を略矩形とした薄型のパネル体を用いている。
【0026】
端部パネル15としては、木材や硬質ウレタン等の断熱性樹脂を材料とした矩形パネルが使用できる。
【0027】
真空断熱材14および端部パネル15の厚み、幅寸法は、図1に示すように略同一となっている。発泡性断熱材注入工程において発泡性断熱材16を均一に充填するためには、このように厚み、幅寸法を略同一とすることが望ましいが、それに限定されるものではない。
【0028】
また、端部パネル15は図例のように、真空断熱材14の移動方向の両端側に真空断熱材14に接するように隣設されることが望ましいが、近接状態に配設されるようにしてもよい。少なくとも、パネル基礎部20の移動方向の両端部に端部パネル15、15が配されていればよい。
【0029】
このパネル基礎部20は、搬送装置30で搬送するために、図1に示したようなトレイ21の凹部21aに収容される。
【0030】
トレイ21は、パネル基礎部20を載置、収容できる凹部21aを有した平面視矩形の幅広凹溝体形状をなしており、幅方向の両端に形成された壁部21b、21bの上端には外方に向けて延びる取っ手片21c、21cが形成されている。
【0031】
こうしてパネル基礎部20はトレイ21に収容された状態で、発泡性断熱材16を注入するための搬送装置30へ搬入され、搬送装置30上を搬送されながら、その搬送工程において発泡性断熱材注入工程および裏面材注入工程が順次実行される。
【0032】
搬送装置30は、図2に示すようなベルトコンベアで構成されている。搬送装置30の上流部には搬入口30aがあり、中流部には液状材料16aをノズル31aより注入できるようにした発泡性断熱材の注入機31が配置されている。そして、その注入機31の下流側には、充填された発泡性断熱材16の上面に貼着する裏面材12を搬送するコンベア上に送り込むローラ装置32が配置されている。さらにその下流側には、他のコンベア装置で構成された厚み規制装置33が搬送装置30に沿って上方に並設されている。なお、搬送装置30として、ベルトコンベアに代えて多数のローラを一列に配置したローラコンベアを用いてもよい。
【0033】
また、搬送装置30を搬送されるトレイ21は、移動方向のトレイ21の先尾端から発泡性断熱材16が流出することを考慮すれば、図2の例のように、複数のものを隙間なく連続的に配置して搬送されるようにすることが望ましい。つまり、トレイ21を隙間なく並べることで、発泡性断熱材16の注入を中断したり、注入量をコントロールしたりすることなく、注入量を一定とした連続的な運転を実行することができる。
【0034】
発泡性断熱材の注入機31には、発泡性断熱材16の発泡前の液状材料16aが収納されており、コンベア上を搬送されるトレイ21(パネル基礎部20の凹所)に対して、液状材料16aをノズル31aから注入できるようになっている。
【0035】
発泡性断熱材16としては、グラスウールやポリスチレンフォーム(発泡PS)、ポリエチレンフォーム(発泡PE)、硬質ウレタンフォームなどの各種フォーム系(発泡系)の液状材料16aが用いられる。
【0036】
発泡性断熱材の注入機31のノズル31aからは、トレイ21の先端から尾端まで、単位時間当たり一定量の液状材料16aが噴出される。その液状材料16aは注入されてから時間経過により、トレイ21内に載置してあるパネル基礎部20の枠部13、13内の凹所で徐々に発泡する。そして、その発泡性断熱材16は、パネル基礎部20の内底面、枠部13の内壁、真空断熱材14および端部パネル15、15の外表面に密着していく。
【0037】
この発泡過程においては、発泡性断熱材16が液状であるため種々の方向に流れようとする。しかし、移動方向へ向かう液状材料16aは、隣接するトレイ21に流れるため搬送装置30から流出することはない。また、液状材料16aは幅方向へも流れようとするが、枠部13、13が堰として作用するため、外方に流れ出すことはない。このように連続注入をすることによって、発泡性断熱材16を無駄なく利用でき、効率のよい製造を行える。
【0038】
さらに、発泡性断熱材16の発泡過程において、ローラ装置32からシート状の裏面材12が引き出され、発泡性断熱材16が充填されたパネル基礎部20の上面に、厚み規制装置33の押圧により貼着される。また、それと同時に断熱パネル10の厚みを規制して一定の厚みとすることができる。この押圧の際に、余分な発泡性断熱材16がトレイ21の端部より排出される。
【0039】
こうして、搬送装置30の搬出口30aからは、発泡性断熱材16が充填され、裏面材12が貼着された、図3に示したような一定の厚みの断熱パネル10がトレイ21に収容された状態で搬出口30bより搬出される。
【0040】
そして、このように製造された断熱パネル10はさらに切断除去工程へと搬送される。切断除去工程では、断熱パネル10はトレイ21から取り出され、図4(a)に示すように、移動方向の両端部(図中の2点鎖線よりも外側)が切断除去される。
【0041】
この切断除去される部分は、発泡性断熱材16の充填が不十分で断熱効果が劣ると想定される箇所である。図4(a)に示すように、充填不良は両端の特に隅部近傍で発生する。この充填不良部位B、B・・・を含むように両端部を除去することで断熱性能の高い断熱パネル10を成形することができる。なお、図4(a)では、一方の端部(図中の右側)において、裏面材12の下方の充填不良部位B、Bをクロスハッチングで示している。
【0042】
また、図4(a)の例では、内装された端部パネル15、15の端部側の各上面側の一部においても発泡性断熱材16の充填が不良となっており、その充填不良部位Bを含んで端部パネル15、15の一部も切断除去される。端部パネル15、15の各一部を含むように両端部を切断除去した場合には、図4(b)に示すように、切断後の側端面には端部パネル15の切断面が表れる。
【0043】
このようにして製された断熱パネル10は、真空断熱材14の両端側に端部パネル15、15が配された構成であるため、両端部を切断除去しても端部パネル15、15が切断されるだけであり、真空断熱材14が損傷することはない。つまり、この断熱パネル10は、切断によっても、真空断熱材14の損傷(切断)による断熱効果の喪失は発生し得ない。
【0044】
換言すれば、この断熱パネルの製造方法によれば、発泡性断熱材16の充填不良部位Bを、真空断熱材14の損傷(切断)を気遣うことなく、断熱パネル10が不良品とはならないように切断除去することができる。その結果、真空断熱材14の周囲等に発泡性断熱材16が均一に充填された、断熱性能の良好な断熱パネル10を製品化することができる。もちろん、この断熱パネル10は、真空断熱材14が発泡性断熱材16によって保護された構造であるため損傷するおそれはなく、経年使用によっても優れた断熱性能を維持できる。
【0045】
また、充填不良部位Bの寸法が予め想定できる場合は、端部パネル15をその切断位置よりも端部側に突出させて配することで、真空断熱材14の誤切断を確実に防止することができる。なお、発泡性断熱材16の充填不良が発生しないか、あるいは発生しても断熱効果に影響のない程度の発泡性断熱材16の注入が実現できるのであれば、両端部を切断することなく製品としてもよい。
【0046】
また、この断熱パネル10は、真空断熱材14が端部パネル15、15や発泡性断熱材16で囲まれた構造であるため、施工および施工後の経年使用においても真空断熱材14は十分に保護され得る。断熱パネル10の周囲部において釘やねじ、タッカー等の固定具を取り付ける際にも、真空断熱材14を傷付けることなく安全に作業することができる。
【0047】
さらに、本実施形態のものでは、断熱パネル10の幅方向の両端に枠部13、13が形成されているので、発泡性断熱材16の充填後の断熱パネル10の取り出しがしやすい。また、断熱パネル10を施工する際に、枠部13、13を釘やねじ、タッカー等の固定具の取り付け部位として利用できる。
【0048】
また、本実施形態の例では、パネル基礎部20をトレイ21に入れた状態で注入処理をするようにしているため、トレイ21の側壁21b、21bによって、発泡性断熱材16の発泡圧力による枠部13、13のずれや外れを防止することができる。
【0049】
以上の本実施形態では、パネル基礎部20をトレイ21に収容させた状態で発泡性断熱材16を注入する例を示したが、トレイ21に収容せずにパネル基礎部20をそのままコンベア上を搬送させるようにしてもよい。その場合には、搬送装置30の搬出口30bから製造された断熱パネル10を取り出し、それに連続して切断除去工程を実行して断熱パネル10の両端部を切除するようにしてもよいし、搬送装置30上で切断処理を行ってもよい。
【0050】
また、表面材11と枠部13、13とを同一素材等で一体成形すれば、発泡性断熱材26の発泡により枠部13、13がずれたり、外れたりすることがないため、トレイ21なしで注入処理を行うことができる。
【0051】
上記の例ではパネル基礎部20を搬送させる例を示したが、パネル基礎部20を移動させずに発泡性断熱材の注入機31をパネル基礎部20の長手方向に沿って移動させるような装置構成としてもよい。つまり、パネル基礎部20が発泡性断熱材の注入機31に対して相対移動する装置構成であればよい。
【0052】
また、本実施形態では裏面材12としてシート材を用いた例を示したが、板材を用いてもよい。また、発泡性断熱材16が充填された状態のパネル基礎部20を搬送装置30から搬出した後に、裏面材貼着工程を実行するようにしてもよい。
【0053】
ついで、本発明の他の実施形態に係る断熱パネルについて、図5の概略縦断面図を参照しながら説明する。
【0054】
この断熱パネル10は、幅方向に設けた枠部13、13の形状が図3のものとは異なる。なお、表面材11と裏面材12との間に真空断熱材14およびその両側に配する端部パネル15、15を配設し、発泡性断熱材16を充填した構造となっている点では、図3に示した断熱パネル10と同様である。
【0055】
すなわち、図例の断熱パネル10では、一方の枠部13(図中の右側)の外面には雄実部13aが形成され、他方の枠部13(図中の左側)の外面には雌実部13bが形成されている。
【0056】
このように端部に実部13a、13bが形成されているので、隣設される断熱パネル10同士の連結が簡単に行える。なお、他の形状の実部が形成されるようにしてもよい。
【0057】
また、端部パネル15、15が真空断熱材14の両側に配されているので、図3の断熱パネル10と同様に、発泡性断熱材16の充填不良部位を、真空断熱材14の損傷を気遣うことなく切断除去することができる。
【0058】
なお、この断熱パネル10の製造方法としては、図2に示した搬送(相対移動)による発泡性断熱材16の注入方法を採ってもよいが、相対移動によらない方法を採ってもよい。
【0059】
つぎに、本発明のさらに他の実施形態に係る断熱パネルについて、図6の一部破断概略斜視図を参照しながら説明する。
【0060】
この断熱パネル10も、表面材11と裏面材12との間に真空断熱材14と端部パネル15が配設されている点では上記の実施形態と同様であるが、端部パネル15、15・・・が真空断熱材14の四周に配置されている点で上記のものと相違する。なお、図6の例では、断熱パネル10の長手方向の両端部にも枠部13、13が設けてある例を示している。
【0061】
このような断熱パネル10では、端部パネル15、15・・・が真空断熱材14の四周に配置されているので、長手方向の両端部だけではなく、幅方向の両端部も安心して切断除去することができる。
【0062】
この断熱パネル10は四周を切断除去して利用できるため、切断除去を前提とすれば、除去される枠部13、13・・・は断熱材で構成しなくてもよく、製造工程において堰としての作用が果たされれば、どのような材料を用いてもよい。
【0063】
また、この断熱パネル10の製造方法としても、搬送(相対移動)によるもの、よらないもののいずれであってもよい。
【0064】
以上に説明した種々の断熱パネルは、住宅の内貼り用の断熱材として用いられるだけではなく、外貼り用や埋め込み用の断熱材としても利用でき、さらに保冷庫、保温庫等の断熱材としても利用できる。
【符号の説明】
【0065】
10 断熱パネル
11 表面材
12 裏面材
13 枠部
13a 実部(雄実部)
13b 実部(雌実部)
14 真空断熱材
15 端部パネル
16 発泡性断熱材
16a 液状材料
20 パネル基礎部
21 トレイ
21a 凹部
21b 側壁
21c 取っ手片
30 搬送装置
30a 搬入口
30b 搬出口
31 発泡性断熱材の注入機
31a ノズル
32 ローラ装置
33 厚み規制装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空断熱材を表面材の略中央に配したパネル基礎部を発泡性断熱材の注入機に対して相対移動させながら、前記発泡性断熱材を前記パネル基礎部の上面側より充填するようにした断熱パネルの製造方法であって、
前記パネル基礎部は、前記真空断熱材の移動方向の両端側の前記表面材上に端部パネルが配され、前記真空断熱材および前記端部パネルの幅方向の外側に枠部が配された構造とされ、
前記発泡性断熱材を、前記パネル基礎部の枠部内に注入するようにしたことを特徴とする断熱パネルの製造方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記真空断熱材および前記端部パネルの厚み、幅寸法を略同一としたことを特徴とする断熱パネルの製造方法。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記発泡性断熱材を充填した後、その発泡性断熱材の上に裏面材を配してから、上方より押圧して厚みを規制するようにしたことを特徴とする断熱パネルの製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項において、
前記発泡性断熱材が上面側に配設された前記パネル基礎部のうち、移動方向の両端に配した端部パネルの一部が排除されるように切断する切断除去工程をさらに実行することを特徴とする断熱パネルの製造方法。
【請求項5】
表面材と裏面材との間に真空断熱材を配した断熱パネルであって、
前記真空断熱材の側方に端部パネルが配され、前記真空断熱材および前記端部パネルの少なくとも裏面側には発泡性断熱材が充填されていることを特徴とする断熱パネル。
【請求項6】
請求項5において、
前記表面材の端縁部には枠部が配されていることを特徴とする断熱パネル。
【請求項7】
請求項6において、
前記枠部には実部が形成されていることを特徴とする断熱パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−83388(P2013−83388A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222923(P2011−222923)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、環境省、地球温暖化対策技術開発事業「既存住宅における断熱性向上のための薄型断熱内装建材に関する技術開発」委託契約業務、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】