説明

新しい色温度点を見付ける方法及びその装置

【課題】 特定の色温度に調整すると共に、輝度損失を最少にすることができる、新しい色温度点を見付ける方法及びその装置の提供。
【解決手段】 カラーディスプレイに用いる新しい色温度点を見付ける方法であって、前記カラーディスプレイの赤色光、緑色光及び青色光が発する輝度がそれぞれ最高の状態にあるとき最高輝度色温度点を形成し、この新しい色温度点を見付ける方法が演算法を利用し、新しい色温度点が特定の色温度への調整が可能であると共に、輝度減損が最少となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラーディスプレイの色温度調整技術に関し、詳細には、カラーディスプレイハードウェア生産完了後に行う色温度調整に応用する、新しい色温度点を見付ける方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種ディスプレイ技術が追求するのはディスプレイシステムを通してレンズを介し取り込まれる自然の画面を忠実に再現することであるが、その中で色温度調整技術は欠かすことのできない一環である。異なる光源の照射は人の目に物体が表現する色彩の違いを感じさせ、映像の中のさまざまな画面には撮影場所及び時間の違いにより光源の変化が生じ、異なる光源下で撮影された映像は異なる色温度で表現されるが、ディスプレイに一定の色温度出力しかない場合、人の目に見える画面を忠実に再現することはできない。このほか、異なる人種で虹彩の色の濃さが違うため、アジア人は暖色系を好み、欧州人は冷色系を好むという傾向があり、異なる国の使用者に対しても異なる色温度校正を行う必要がある。
【0003】
先行技術としては、発明特許『カラーディスプレイの色温度調整方法及びその装置』(台湾特許出願公開第200532637号)において、ディスプレイの色温度(color temperature)調整の方法が提供されており、これは、CIE1931xyY色度図上で目標色温度に対応する(x,y)色度座標を定め、続いてディスプレイの現在の色温度を測定して取得し、対応する(x,y)色度座標に変換して、(x,y)から(x,y)へのベクトルRの趨勢を判断し、次にこのベクトルRの趨勢に基づき赤(R)光、緑(G)光、青(B)光の出力基準を増加または減少し、最後に改めてディスプレイの色温度が目標色温度に接近しているか否かを測定し、微調整の動作を繰り返す必要があるか否かを決定するというものである。このような色温度調整方法は、経験に依存して赤、緑、青光の強弱程度を調整決定することしかできず、効果的な定量分析が不可能であり、且つ時間をかけて繰り返し調整する必要があるため、迅速且つ正確な調整方法を提供することはできない。
【0004】
別の発明特許『液晶ディスプレイ色温度自動調節システム及びその方法』(台湾特許第I246319号)は、色温度の調整方法に関するものであり、まず目標色温度のx,y値を設定し、次にディスプレイx,y値を測定して取得し、個別にx,y値の大小を比較してR、G、Bの出力基準の増加または減少を決定し、繰り返し測定と調整の動作を行いディスプレイの色温度を徐々に目標色温度に近づけるものである。しかしながら、CIE1931xyY色度図上で色温度点からR、G、Bへの方向はx軸またはy軸に平行とはならず、このためR、G、B中のいずれかの出力基準を増加または減少すると、同時にx値とy値が変化することになり、このような方法では絶え間ない測定比較を行う中でゆっくりと色温度点に近づけることしかできず、時間がかかるだけでなく、正確な調整を提供することができない。
【0005】
さらに別の発明特許『液晶ディスプレイの色彩修正回路及びその方法』(台湾特許出願公開第200521605号)では、色温度値及びガンマ選択の色彩選択ユニットを構築し、且つこの色彩選択ユニットを読み取り専用メモリ(ROM:Read−Only Memory)中に保存して複数組色温度及びガンマ(Gamma、輝度とグレースケールの比値)値の選択を提供するものであり、使用者の選定後、関数演算により選択された色温度値とガンマ測定値の修正変数値を発生し、さらにこの修正変数値を変数一時保存ユニットに取り込み、色温度とガンマの調整を行うものである。この校正方法は関数演算を利用するため、前述の2つの発明特許(台湾特許出願公開第200532637号及び台湾特許第I246319号)の方法に比べ迅速であるが、科学理論に基づいて構築された完全な演算法に欠けているため、調整の原理が各項の影響する可能性のある結果(輝度の損失等)を考慮しているか否かは不確実であり、その調整結果の正確性と効果が説得力に欠け、これが欠点となっている。
【0006】
【特許文献1】台湾特許出願公開第200532637号明細書
【特許文献2】台湾特許第I246319号明細書
【特許文献3】台湾特許出願公開第200521605号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は色彩学の混色の原理から出発し、科学的方法を利用して色温度の調整を得るものであり、短時間内に正確に各項変数を計算して得ることができ、従来の経験に頼った色温度の校正方法とは異なる。ディスプレイの色温度調整にはR、G、Bの輝度(Brightness)比率を変える必要があるが、ディスプレイそのもの(特にプロジェクタディスプレイ)について言うと、輝度は通常価格に影響する重要な要素であり、適切な色温度を追求するために多くの輝度が失われてしまうようでは、その色温度調整方法にはあまり価値がない。本発明の目的は、関連の色温度の概念を取り入れ、色彩学から関連色温度の等色温度線を得、その色度座標は異なるものの、人の目の感覚と前記温度の黒体が表現する色度が最も近いという特性を利用し、かつ混色の原理を組み合わせて、特定色温度に調整すると共に、輝度損失が最少の演算法を利用した、新しい色温度点を見付ける方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達するため、本発明の新しい色温度点を見付ける方法は次の手順を含む:
手順A:最高輝度色温度点の座標を見付け出す。そのうち、前記最高輝度色温度点の座標は平面スケールの色度図上の座標に示される;
手順B:目標等色温度線を前記平面スケールの色度図上に提供する;及び
手順C:新しい色温度点の座標を算出する、そのうち:
前記新しい色温度点の座標は前記平面スケールの色度図上の座標に示される;
前記新しい色温度点は実質上前記目標等色温度線のうちの一点上にある;及び
前記新しい色温度点は実質上カラーディスプレイが赤色光、緑色光及び青色光全体の輝度の減損が最少の状態を満たす。全体輝度の減損が最少の状態とは、赤色光、緑色光及び青色光において実質上そのうち1つの光の輝度が減少することを指す。
【0009】
本発明の方法は新しい色温度点を見付ける装置に応用することができ、この新しい色温度点を見付ける装置は、信号発生器、光センサ、色彩測定器及びコンピュータを含む。このコンピュータはプロセッサ及びメモリを含み、このメモリはプロセッサに上述の手順A〜Cを実行させるコンピュータソフトウェアを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1に平面スケールの色度図20を示す。この平面スケールの色度図20は現在最も一般的に使用されているCIE色度図であり、平面座標(例えばx,y座標)を利用して色彩を描写すると共に、色彩表示区域21で各種色彩を示すものである。
【0011】
図1にカラーディスプレイの純赤(R)、純緑(G)、純青(B)且つ最も明るい画面のときの色度座標をそれぞれ赤色光頂点座標R(x,y)、緑色光頂点座標G(x,y)及び青色光頂点座標B(x,y)と定義して示す。カラーディスプレイは例えばコンピュータまたはテレビ用のモニターとすることができ、ディスプレイの種類は例えば映像管式ディスプレイ、LEDディスプレイ、プロジェクタディスプレイ等とすることができる。
【0012】
図2に本発明の新しい色温度点を見付ける装置の使用環境の模式図を示す。新しい色温度点を見付ける装置70は、光センサ71、色彩測定器72、コンピュータ73及び信号発生器74を含む。信号発生器74は特定の図形を発生しカラーディスプレイ90に入力するために用いられ、光センサ71を介してカラーディスプレイ90の映像を取り込んだ後、色彩測定器72がカラーディスプレイ90の色彩情報を測定し(例えば各グレースケールを含む色温度、輝度、色度など)、且つこれらデータがコンピュータ73に伝送され演算が行われる。コンピュータ73は最大輝度の関連の色温度演算法で演算した結果をカラーディスプレイ90の参照表(LUT, Look Up Table)に取り込み、カラーディスプレイ90の色温度とガンマを変化させる。光センサ71、色彩測定器72、コンピュータ73(プロセッサ731及びメモリ732を含む)及び信号発生器74はすべて既知のハードウェア装置であるため、以下ではこれらハードウェア装置の構成について説明を省略し、主に本発明の重点である最大輝度の関連の色温度演算法の演算について詳細に説明する。
【0013】
一般的なカラーディスプレイ90の色温度の定義は全白画面時に光センサ71でカラーディスプレイ90の映像を取り込んだ後、色彩測定器72で測定した値である。全白は元々任意の同じグレースケールR、G、B三色を混合してできた色を指すが、ディスプレイが低輝度のとき漏光の影響を受け色温度に偏差が生まれやすいため、色温度測定時に通常は画面をR、G、B三色すべてを最も明るく調整した時に混合してできた全白画面である。このため、R、G、B三色それぞれが最も明るい時の色度座標R(x,y)、G(x,y)及びB(x,y)を測定で取得することができる。このほか、R、G、B三色それぞれの最大輝度Y,Y,Y(仮設変数であり、図示しない)もそれぞれ測定で取得することができる。
【0014】
以下、図3〜図5の説明を通し、本発明の技術の基本的背景原理を説明する。また、図面を簡略化するため、以下図3〜図5及び図7〜図8においては平面スケールの色度図20のX、Y軸、及び平面スケールの色度図20上の色彩表示区域21を示さない。
【0015】
図3は最高輝度色温度点Wを示す図である。CIE色度空間内において、各点は異なる色度を代表し、任意の2つの異なる色度の光を混合してできた光が表現する色度は2つの点を接続した線上の一点であり、これは物理学の重心位置に類似している。図3で説明すると、D、E、F三点はそれぞれBR線、RG線、GB線の重心であり、RF、GD、BEの3本の重心線がW点で交わり、R、G、B三色それぞれが最も明るい時の色度座標はR(x,y)、G(x,y)及びB(x,y)であるため、W点が最高輝度色温度点の色度座標(x,y)を示す。
【0016】
最高輝度色温度点(x,y)は次のように示すことができる:
【0017】
【数1】

【0018】
【数2】

【0019】
(1)、(2)の式を整理すると次を得ることができる:
【0020】
【数3】

【0021】
【数4】

【0022】
このとき
【0023】
【数5】

【0024】
【数6】

【0025】
とした場合、
(3)、(4)の式は次のように書くことができる:
【0026】
【数7】

【0027】
【数8】

【0028】
F×(5)−C×(6) 且つ整理すると次が得られる:
【0029】
【数9】

【0030】
【数10】

【0031】
同様に、次が得られる:
【0032】
【数11】

【0033】
つまり、R、G、B色度座標を変えない状況下で、色温度を特定の白点(ここではW(x,y)を指す)に調整したい場合は、R、G、Bの輝度を次の比率に調整しなければならないということである:
【0034】
【数12】

【0035】
カラーディスプレイ90について言えば、色温度を調整することで輝度を損失しすぎることのないようにするため、輝度の犠牲が最少となる方法を見つける必要がある。この方法は次の通りである:
カラーディスプレイ90そのもののR、G、B最大輝度Y、Y、Yを調整する新たな目標色温度に必要な輝度比率Yrnew,Ygnew,Ybnewで個別に除算すると次が得られる:
【0036】
【数13】

【0037】
,a,aのうち数値が最も小さいものを取り、それが調整過程において最も早く輝度の極限に達するものを表し、仮に最小をamin=min(a,a,a)とし、さらにこの数値にYrnew,Ygnew,Ybnewを乗じると次が得られる:
【0038】
【数14】

【0039】
【数15】

【0040】
【数16】

【0041】
調整後の輝度は、目標の色温度への調整に各色が必要とする輝度である。
【0042】
一組のR、G、B輝度比率は一つの色温度点に対応するが、総輝度を低くするとR、G、Bの調整に1つの許容値を与えることになり、多くの異なる色温度点を得ることができる。混色原理に基づき、図4に示すように、1つの色域境界Tを算出することができる。この色域境界T内は、輝度の損失がある許容値を超過しない状況下で任意にR、G、Bの輝度を調整し、表現される色温度点の範囲を代表しており、且つこの色域境界Tは3つの頂点がそれぞれ3本の重心線上(RF、GD、BE)に位置して構成される三角形である。
【0043】
総輝度をより低くすると、図5に示すように、色域境界Tがより大きくなる。
【0044】
上述の説明は本発明の技術で導き出された理論的基礎であり、以下、図6の本発明の新しい色温度点を見付ける方法のフロー図を参照する。
【0045】
手順601では、最高輝度色温度点Wの座標を見付ける。そのうち、この最高輝度色温度点Wの色度座標は平面スケールの色度図20上に示される座標である。手順601は上述の最高輝度色温度点Wの座標(x,y):R(x,y),G(x,y)及びB(x,y)を見付けることである。
【0046】
この手順において、上述の図2の説明で述べたように、最高輝度色温度点Wの座標(x,y)及びR、G、B三色個別の最大輝度Y,Y,Yは、新しい色温度点を見付ける装置70の光センサ71及び色彩測定器72で取得することができる。
【0047】
手順602では、前記平面スケールの色度図20上に目標等色温度線30を提供する。図7に示すように、この目標等色温度線30において、最も主要なポイントは例えばアジア人は暖色系を好み、欧州人は冷色系を好むなどの市場のニーズに基づき、異なる国の使用者に対しても異なる色温度の校正が必要である点である。
【0048】
手順603では、図8に示す新しい色温度点Wの色度座標 (xwn,ywn)を算出する。目標等色温度線30に基づき、実際に輝度損失が最少の色域境界Tを見付けることができ、新しい色温度点Wは前記目標等色温度線中の一点上にあるだけでなく、輝度損失が最少である必要があり、輝度損失が最少の色域境界Tは最小の三角形を見付けなければならないため、実質上新しい色温度点Wは色域境界Tの三角形の頂点上に位置することになる。
【0049】
上述の原理の説明のように、色域境界Tは3つの頂点がそれぞれ3本の重心線上(RF、GD、BE)に位置して構成される三角形であるため、事実上目標等色温度線30と3本の重心線上(RF、GD、BE)の交差する点が新しい色温度点Wとなる。
【0050】
注意が必要なのは、目標等色温度線30と3本の重心線上には別の交差点Wがあるが、交差点Wは色域境界T内にないため、交差点Wは新しい色温度点ではないという点である。このため、より正確な描写は次のようになる:
【0051】
目標等色温度線30と赤色光輝度減少線WF、緑色光輝度減少線WD及び青色光輝度減少線WEが形成する交差点が新しい色温度点Wであり、そのうち;
赤色光輝度減少線WFは最高輝度色温度点WからF点への線であり;
緑色光輝度減少線WDは最高輝度色温度点WからD点への線であり;及び
青色光輝度減少線WEは最高輝度色温度点WからE点への線である。
【0052】
新しい色温度点Wを得るための数学は演算上非常に簡単であり、まず赤色、緑色及び青色光輝度減少線WF、WD、WEの代表公式を算出し、目標等色温度線30の公式(或いは目標等色温度線30を描写する座標点)を取得すると、新しい色温度点Wを算出することができる。線及び交差点の演算は基本的な数学(高等学校の数学教科書参照)であるため、ここでは数学の演算についての説明を省略する。
【0053】
以上の手順において計算やデータの提供、或いは記録に関する部分は、新しい色温度点を見付ける装置70のコンピュータ73により行うことができる。
【0054】
注意が必要な点は、上述で『色域境界』の原理について触れたが、実際に本発明の新しい色温度点を見付ける方法においては『色域境界』の三角形を演算する必要はなく、手順603の方法で計算したほうが速い点である。
【0055】
別の注意が必要な点は、上述の手順で見付けた新しい色温度点の座標(xwn,ywn)は輝度損失が最少の最良のものであるが、この最良の色温度点を通して付近の色温度点座標の第二の優れた色温度点を見付けることも本特許の保護される範囲に含まれる点である。
【0056】
上述のように、本発明はその目的、手段及び効果のどれをとっても先行技術とは異なる特徴を持っており、審査員各位のご理解を賜り一日も早い特許の批准を得て社会に貢献できることを願うものである。上述の実施例は説明のため例を挙げただけのものであり、本発明が主張する権利範囲は特許請求の範囲により定められ、上述の実施例に制限されないことに注意が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】平面スケール上の赤色、緑色及び青色光の頂点座標を示す色度図である。
【図2】本発明の新しい色温度点を見付ける装置の使用環境を示す模式図である。
【図3】最高輝度色温度点を示す色度図である。
【図4】輝度損失を小さな範囲に制御したときの色度図である。
【図5】輝度損失を大きな範囲に制御したときの色度図である。
【図6】本発明の新しい色温度点を見付ける方法のフロー図である。
【図7】平面スケール上の目標等色温度線を示す色度図である。
【図8】新しい色温度点の色度図である。
【符号の説明】
【0058】
(x,y) 最高輝度色温度点の色度座標
W 最高輝度色温度点
新しい色温度点
(xwn,ywn) 新しい色温度点の色度座標
20 平面スケールの色度図
21 色彩表示区域
30 目標等色温度線
R(x,y) 赤色光頂点座標
G(x,y) 緑色光頂点座標
B(x,y) 青色光頂点座標
,T,T 色域境界
70 新しい色温度点を見付ける装置
71 光センサ
72 色彩測定器
73 コンピュータ
74 信号発生器
90 カラーディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーディスプレイに用いられる新しい色温度点を見付ける方法であって、前記カラーディスプレイが赤色光、緑色光及び青色光を発することができ、そのうち、前記カラーディスプレイが赤色光、緑色光及び青色光それぞれの発する輝度が最高の状態にあるとき最高輝度色温度点を形成し、前記新しい色温度点Wを見付ける方法が:
手順A:最高輝度色温度点の座標(x,y)を見付け出し、そのうち前記最高輝度色温度点の座標(x,y)が平面スケールの色度図上に示される座標である;
手順B:前記平面スケールの色度図上に目標等色温度線を提供する;及び
手順C:新しい色温度点Wの座標(xwn,ywn)を算出する、そのうち:
前記新しい色温度点Wの座標(xwn,ywn)が前記平面スケールの色度図上に示される座標である;
前記新しい色温度点Wが実質上前記目標等色温度線の一点上にある;及び
前記新しい色温度点Wが実質上前記カラーディスプレイの赤色光、緑色光及び青色光全体の輝度減損が最少の状態になるという条件を満たす;
という手順を含む、新しい色温度点を見付ける方法。
【請求項2】
前記手順Aにおいて、前記最高輝度色温度点の座標を見付ける方法が:
前記カラーディスプレイの赤色光、緑色光及び青色光それぞれが発する輝度が最高の状態にあるときの前記平面スケールの色度図の三頂点座標を見付け出し、前記三頂点座標がそれぞれ赤色光頂点座標、緑色光頂点座標及び青色光頂点座標と定義される;及び
前記最高輝度色温度点の座標を算出し、そのうち前記最高輝度色温度点の座標が前記三頂点座標の重心点座標を成す;
という手順を含む、請求項1に記載の新しい色温度点を見付ける方法。
【請求項3】
前記手順Cにおける前記新しい色温度点の座標の算出が:
前記赤色光頂点座標と前記最高輝度色温度点の座標を通過し形成される赤色光輝度減少線を算出し、そのうち前記赤色光輝度減少線が直線であり、且つ前記赤色光輝度減少線上の任意の一点の赤色光輝度が前記最高輝度色温度点の赤色光輝度より低い;
前記緑色光頂点座標と前記最高輝度色温度点の座標を通過し形成される緑色光輝度減少線を算出し、そのうち前記緑色光輝度減少線が直線であり、且つ前記緑色光輝度減少線上の任意の一点の緑色光輝度が前記最高輝度色温度点の緑色光輝度より低い;
前記青色光頂点座標と前記最高輝度色温度点の座標を通過し形成される青色光輝度減少線を算出し、そのうち前記青色光輝度減少線が直線であり、且つ前記青色光輝度減少線上の任意の一点の青色光輝度が前記最高輝度色温度点の青色光輝度より低い;及び
前記新しい色温度点の座標を算出し、そのうち前記新しい色温度点が前記目標等色温度線と前記赤色光輝度減少線、前記緑色光輝度減少線及び前記青色光輝度減少線の形成する交差点である;
という手順を含む、請求項2に記載の新しい色温度点を見付ける方法。
【請求項4】
前記手順Cにおいて、全体輝度の減損が最少の状態が、赤色光、緑色光及び青色光のうち実質上いずれか一つの光の輝度が減少されることを指す、請求項3に記載の新しい色温度点を見付ける方法。
【請求項5】
前記平面スケールの色度図がCIE色度図である、請求項4に記載の新しい色温度点を見付ける方法。
【請求項6】
前記平面スケールの色度図がCIE色度図である、請求項1に記載の新しい色温度点を見付ける方法。
【請求項7】
前記手順Cにおいて、全体輝度の減損が最少の状態が、赤色光、緑色光及び青色光のうち実質上いずれか一つの光の輝度が減少されることを指す、請求項1に記載の新しい色温度点を見付ける方法。
【請求項8】
カラーディスプレイに用いられる新しい色温度点を見付ける装置であって、前記カラーディスプレイが赤色光、緑色光及び青色光を発することができ、そのうち、前記カラーディスプレイが赤色光、緑色光及び青色光それぞれの発する輝度が最高の状態にあるとき最高輝度色温度点を形成し、前記新しい色温度点を見付ける装置が、特定の図形を発生し前記カラーディスプレイに入力する信号発生器と、前記カラーディスプレイの映像を取り込むための光センサと、前記光センサに接続され、前記カラーディスプレイの映像を取得した後、前記カラーディスプレイの色彩情報を測定する色彩測定器と、前記色彩測定器に接続され、前記カラーディスプレイの色彩情報を取得するコンピュータを含み、前記コンピュータがプロセッサ及びメモリを含み、前記メモリが前記プロセッサにいくつかの機制を実行させるコンピュータソフトウェアを含み、前記機制が:
機制A:最高輝度色温度点の座標(x,y)を見付け出し、そのうち前記最高輝度色温度点の座標(x,y)が平面スケールの色度図上に示される座標である;
機制B前記平面スケールの色度図上に目標等色温度線を提供する;及び
機制C:新しい色温度点Wの座標(xwn,ywn)を算出する、そのうち:
前記新しい色温度点Wの座標(xwn,ywn)が前記平面スケールの色度図上に示される座標である;
前記新しい色温度点Wが実質上前記目標等色温度線の一点上にある;及び
前記新しい色温度点Wが実質上前記カラーディスプレイの赤色光、緑色光及び青色光全体の輝度減損が最少の状態になるという条件を満たす;
ことを特徴とする、新しい色温度点を見付ける装置。
【請求項9】
前記機制Aにおいて前記最高輝度色温度点の座標を見付ける方法が:
前記カラーディスプレイの赤色光、緑色光及び青色光それぞれが発する輝度が最高の状態にあるときの前記平面スケールの色度図の三頂点座標を見付け出し、前記三頂点座標がそれぞれ赤色光頂点座標、緑色光頂点座標及び青色光頂点座標と定義される;及び
前記最高輝度色温度点の座標を算出し、そのうち前記最高輝度色温度点の座標が前記三頂点座標の重心点座標を成す;
という機制を含む、請求項8に記載の新しい色温度点を見付ける装置。
【請求項10】
前記機制Cにおける前記新しい色温度点の座標の算出が:
前記赤色光頂点座標と前記最高輝度色温度点の座標を通過し形成される赤色光輝度減少線を算出し、そのうち前記赤色光輝度減少線が直線であり、且つ前記赤色光輝度減少線上の任意の一点の赤色光輝度が前記最高輝度色温度点の赤色光輝度より低い;
前記緑色光頂点座標と前記最高輝度色温度点の座標を通過し形成される緑色光輝度減少線を算出し、そのうち前記緑色光輝度減少線が直線であり、且つ前記緑色光輝度減少線上の任意の一点の緑色光輝度が前記最高輝度色温度点の緑色光輝度より低い;
前記青色光頂点座標と前記最高輝度色温度点の座標を通過し形成される青色光輝度減少線を算出し、そのうち前記青色光輝度減少線が直線であり、且つ前記青色光輝度減少線上の任意の一点の青色光輝度が前記最高輝度色温度点の青色光輝度より低い;及び
前記新しい色温度点の座標を算出し、そのうち前記新しい色温度点が前記目標等色温度線と前記赤色光輝度減少線、前記緑色光輝度減少線及び前記青色光輝度減少線の形成する交差点である;
という機制を含む、請求項9に記載の新しい色温度点を見付ける装置。
【請求項11】
前記機制Cにおいて、全体輝度の減損が最少の状態が、赤色光、緑色光及び青色光のうち実質上いずれか一つの光の輝度が減少されることを指す、請求項10に記載の新しい色温度点を見付ける装置。
【請求項12】
前記平面スケールの色度図がCIE色度図である、請求項11に記載の新しい色温度点を見付ける装置。
【請求項13】
前記平面スケールの色度図がCIE色度図である、請求項8に記載の新しい色温度点を見付ける装置。
【請求項14】
前記機制Cにおいて、全体輝度の減損が最少の状態が、赤色光、緑色光及び青色光のうち実質上いずれか一つの光の輝度が減少されることを指す、請求項8に記載の新しい色温度点を見付ける装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−86002(P2008−86002A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−220518(P2007−220518)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(504429600)緯創資通股▲ふん▼有限公司 (16)
【Fターム(参考)】