説明

新ソックスレー抽出装置

【課題】全ての所望の成分をより短時間で抽出でき、環境に害を及ぼさず、作製簡便で安定性あるソックスレー抽出装置を提供すること。
【解決手段】本発明の装置は、フィルターカップ7と、これを収容する抽出カップ11とを収容した溶媒用容器2の上に冷却器3を取り付け、溶媒用容器2に入れた溶媒8を加熱して、フィルターカップ7および抽出カップ11で試料Sから所望成分を抽出できるソックスレー抽出装置1であって、冷却器3の上部が閉鎖自在であること;フィルターカップ7が抽出カップ11に収容されたときに、口7−1が抽出カップの口11−1よりも高い位置にくるように作成されており、内部に攪拌子12を収容するものであること;溶媒用容器2の上部から冷却器3の下部の間に、分枝導管13が設けられていること;溶媒用容器2の下部または側部に加熱器14を備えて成ること、を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料から所望の成分を抽出するためのソックスレー抽出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のソックスレー抽出装置1'(図1)は、抽出管2'、当該抽出管2'の上部に連結された還流冷却管3'、当該抽出管2'の下部に連結されたフラスコ4'からなる。抽出管2'の下部から第一の側管5'が突出して上方へと延び、冷却管3'・抽出管2'と連通している。抽出管2'には、抽出管上部を避けて第二の側管6'が突出して伸び、抽出管2'の下部へ至っている。以下に詳述するように、使用の際には、試料S'を入れた円筒ろ紙7'を抽出管内2'に置くところ、前記第二の側管6'は少なくとも、円筒ろ紙7'内に収容された試料の高さよりも高い位置にくる部分を含むようになっている。
【0003】
抽出原理は次のとおりである。抽出管2'に、試料が入った円筒ろ紙7'を収容し、試料中の所望の成分を抽出するための溶媒8'をフラスコ4'底部に入れる。フラスコ4'を加熱して溶媒8'を沸騰・気化させる。気化した溶媒8'は第一の側管5を経て還流冷却管3'へ至り、冷却管3'内で冷却されて液化し、円形ろ紙7'内へと流下する。円筒ろ紙7'内へ流下した溶媒8'は試料内の所望の成分を溶解して、共に円筒ろ紙7'を通過し、サイホンの原理で第二の側管6'を流下して、フラスコ4'へと落下する。これを繰り返すことにより、試料に含まれる所望の成分がすべて溶媒8'に移ることになる。
【特許文献1】特開昭第55−151095号公報
【特許文献2】特表平11−508181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この従来装置によれば、常に蒸留された純粋な溶媒で抽出できるという利点がある一方、非常に時間がかかる;気化した溶媒が、冷却機や封止領域から漏れ出し、不経済で環境に悪影響を及ぼす;側管が細く壊れ易い、といった問題がある。
【0005】
そのため抽出を、円筒ろ紙に収容された試料を沸騰溶媒に浸漬して行うことで、抽出終了時間の短縮を実現した技術が開発されている(特許文献1)。
また、冷却器の上部を蓋で閉じて溶媒の漏れを防止した装置において、固体試料を沸騰溶媒に直接浸潤して抽出を行う一次工程に加えて、余分な凝結溶媒を、別途設けられた分枝導管から外部へ導く二次工程を行い、溶媒の再利用を図る技術も開発されている(特許文献2)。
【0006】
しかし、全ての所望の成分をより短時間で抽出でき、環境に害を及ぼさず、作製簡便で安定性ある抽出装置が理想的である。
ここに発明者等は鋭意検討の末、簡便な構造で従来装置と比較して格段に抽出所要時間を短縮できる新たなソックスレー抽出装置を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち本発明は、
試料を入れるフィルターカップと、当該フィルターカップを収容する抽出カップとを収容した溶媒用容器の上に冷却器を取り付け、当該溶媒用容器に入れた溶媒を加熱して、前記フィルターカップおよび前記抽出カップで前記試料から所望成分を抽出できるソックスレー抽出装置であって、
前記溶媒用容器が、天井に開口を有する広径の容器であって、底部に溶媒を収容するものであり、
前記冷却器が前記開口を通じて前記溶媒用容器と連通するものであって、上部が閉鎖自在なものであり、
前記抽出カップが、前記溶媒用容器の内部の、当該容器の底部を避けた位置に設けられた支持手段に支持されて、当該溶媒用容器の内部において、当該容器の底から一定の間隔を空けて、前記開口の下方に配置されるものであり、
前記フィルターカップが、前記抽出カップに収容されたときに、当該フィルターカップの口が前記抽出カップの口よりも高い位置にくるように作成されて成るものであって、内部に攪拌子を収容するものであり、
前記溶媒用容器の上部から前記冷却器の下部の間に、外部の回収瓶へ通じる分枝導管が設けられており、
前記溶媒用容器の下部または側部に加熱器を備えて成る装置に関するものである。
【0008】
本発明の装置の抽出原理は次のとおりである。抽出カップに、試料が入ったフィルターカップを収容し、試料中の所望の成分を抽出するための溶媒を溶媒用容器の底部に入れる。溶媒用容器を加熱して溶媒を沸騰・気化させる。気化した溶媒は上昇し、冷却器へ至り、冷却器内で冷却されて液化し、フィルターカップ内へと流下する。ここから後の原理は、以下に、本発明の特徴を述べつつ詳述する。
【0009】
本発明は第一に、当該溶媒用容器の内部の、当該溶媒用容器の底部を避けた位置に設けられた支持手段で抽出カップを支持して、当該溶媒用容器の内部において、溶媒用容器の底から一定の間隔を空けて適宜抽出カップを配置できるよう、かつ、当該抽出カップにフィルターカップを、当該フィルターカップの口が当該抽出カップの口よりも高い位置にくるように収容できるようにしたことを特徴とする。
ここで、試料はフィルターカップの底部に、当該抽出カップの口より低い位置まで収容される。
【0010】
本発明の装置はかかる構成により、フィルターカップに流下した溶媒が試料中の所望の成分を抽出した後の抽出液がフィルターカップを通過後、当該抽出カップに徐々に溜まり、やがては抽出カップの口から一定量で溢れ出ることを、加熱器により溶媒に与える熱量の調整との連携下に、可能としたものである。かかる構成により、試料はまずフィルターカップ内で流下溶媒により抽出された後、抽出カップ内を満たす前記抽出液により、再度抽出されることになる。抽出液は、一旦抽出カップから溢れ出るとその後は溶媒の気化が止むまで抽出カップから一定量で溢れ出続け、当該抽出液は所望の成分に関して飽和することがなく、所望の成分の抽出効率が低下することがない。
【0011】
なお本発明のフィルターカップは、上述のごとく、溶媒用容器内で支持手段により、当該溶媒用容器の底から一定の間隔を空けて配置されるようになっており、抽出の際には溶媒を溶媒用容器の底部に、当該フィルターカップの底より下まで入れて、試料を気化前の溶媒に浸すことなく抽出ができるようになっている。即ち、抽出は抽出カップ内でのみ行われ、これで抽出速度が格段に高まることが、発明者等により確認されている。
【0012】
なお、抽出カップから抽出液が溢れ出る速度は、加熱器から溶媒へ加える熱量を調整することで調節でき、ひいては所望の成分の抽出所要時間を調節できる。詳しくは、当該熱量を上げると、溶媒の気化速度が増し、フィルターカップへの溶媒の流下速度が増し、抽出カップ内の抽出液がより迅速に抽出カップから溢れ出る結果、試料を浸す抽出カップ内の抽出液の濃度を低く保つことができる。本発明の当該溶媒用容器の容量や形状を適宜調整して、加熱器からの熱量の利用効率を調節することもできる。また、例えば当該抽出カップの底部や側壁部に少なくとも1個の孔を適宜設けることでもかかる速度は調節できる。
【0013】
本発明のフィルターカップは、溶媒、および溶媒により溶解された試料中の所望の成分のみを通過させ、他はフィルターカップ内に残すことができるフィルターとして作用するもので適宜のものが可能であるが、例えばガラス繊維や紙で作成された円筒ろ紙等が挙げられる。
本発明の抽出カップは、熱伝導性ある材、例えばアルミニウム等の金属から成るものが好ましい。また、フィルターカップとの間に抽出液が溜まらないよう、底部を、内部に収容されるフィルターカップの底部に沿った形状とすることが好ましい。底部または側壁部には、所望により少なくとも1個の孔を設けることができる。
【0014】
本発明は第二に、攪拌子を前記フィルターカップに入れ、抽出操作中、フィルターカップ内の溶媒・試料を攪拌できる構成としたことを特徴とするものである。この構成により、所望の成分の抽出速度が格段に高まることが発明者等により確認されている。なお、必要とされる攪拌の程度は、試料、所望の成分、溶媒等の物性等により適宜である。
【0015】
本発明の攪拌子は、フィルターカップ内で試料を溶媒と共に攪拌できる適宜のものが可能である。本発明の攪拌子は、例えば磁力を有するものであり、本加熱器としてホットスターラーを用いて、フィルターカップの底部で回転されるものである。かかる攪拌子は、溶媒と試料を混合すると同時に、溶媒中の試料に物理的衝撃を与える効果もある。攪拌子の形状・サイズ等は、所望される攪拌の程度・態様により適宜である。なお、溶媒収容用容器の下部にホットスターラーを設置する本発明の装置においては、ホットスターラーとフィルターカップの底部とは、少なくとも溶媒が収容される高さ分の、一定の間隔がある。この場合、前記攪拌子は強力な磁力を有するものものであって、ホットスターラーの動作を調整して回転速度を調整できるもの、例えば、丸型ネオジウム磁石等が好ましい。
【0016】
本発明は第三に、冷却器の上部を閉鎖自在とし、さらに、前記容器の上部から冷却器の下部の間に、外部の回収瓶へ通じる分枝導管を設けたことを特徴とするものである。冷却器の上部を閉鎖できることにより、溶媒が冷却器の上部から大気中へ放出されることや、大気中の酸素等が装置内に混入することがなく、溶媒による大気汚染の問題や、混入酸素等による溶媒の酸化や汚染・劣化の問題をなくすことができる。外部の回収瓶へ通じる分枝導管により、溶媒用容器や冷却器中の余分な気化溶媒を分枝導管を通じて外部の回収瓶に逃すことができ、回収瓶に回収した溶媒を抽出に再利用すること;最終的には回収瓶に全溶媒を回収して、溶媒用容器底部に所望の成分のみを残すこと、が可能となる。
【0017】
本発明のソックスレー抽出装置はまた、所望の成分の抽出が完了したことを検出するためのセンサーを溶媒用容器の外側に備えていることを特徴とする。抽出カップから溶媒用容器底部に流下した抽出液中に含まれる所望の成分により、溶媒用容器底部の溶媒の濁度は増す。本発明のセンサーは、この濁度の変化を測定するためのもの、例えばプリズムや、レーザーと光センサー、等である。これにより、所望の成分の抽出完了時点を明確に知ることが可能となる。
【0018】
本発明の装置を用いて、例えば、穀物、肉、果物中の脂肪、油、炭化水素、樹脂等、種々の成分を抽出できる。抽出用溶媒としては、所望の成分を溶解し得る種々ものが可能であるが、例えば、エーテル、アセトン、四塩化炭素、ジエチルエーテル、ジクロロエタン、ヘプタン、ヘキサン、メタノール、トルエン、トリクロロエチレン、水等が挙げられる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の装置は、一つの溶媒用容器内で、溶媒の気化、攪拌子による試料および溶媒の攪拌下の、フィルターカップ内での溶媒による所望の成分の抽出−その後の抽出カップ内での常時飽和未満濃度の抽出液による抽出を、溶媒に加える熱量の調整との連携下に行い得ることで、抽出所要時間を格段に短縮できる効果がある。また、溶媒の気化、抽出および抽出した所望の成分の回収が一つの溶媒用容器内で行われるものであり、各段階を繋ぐ細管等が不要で、装置の安定性・安全性の点でも優れている。組立・作製も簡便である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下の実施例に、本発明の一具体例に示して、本発明を説明する。実施例はあくまで例示であり、本発明を限定するものではない。
図2は、本発明の一つの具体例であるソックスレー抽出装置を示す。
【0021】
[実施例1]
図2に示す本発明のソックスレー抽出装置1は、天井中央部に直径2cmの開口9を有する直径5.5cmのガラス製の円筒形の溶媒用容器2と、溶媒用容器2の上部に連結される還流冷却器3と、溶媒用容器2の内部で、溶媒用容器2の底から5cmの高さの位置に設置されるアルミニウム製の網板から成る支持手段10と、支持手段10に載せられて、開口9の下に配置される直径 3.2cm×高さ3.2cm×厚さ0.05cmのアルミニウム製の抽出カップ11(底に孔があってもなくてもよい。実施例1では孔のない場合を説明する。)と、抽出カップ11内に収容される円筒ろ紙7(直径3cm×高さ10cm×厚さ0.2cm)と、円筒ろ紙7に収容される丸型ネオジウム磁石12(直径1.4cm×厚さ0.5cm)と、冷却器3と溶媒用容器2の連結部分に設けられた、外部の回収瓶(図示せず)へ通じるガラス製の分枝導管13と、溶媒用容器2の下部に設置されるホットスターラー14(270W)と、から成る。
【0022】
抽出カップ11は、底部を、円筒ろ紙7の底部に沿った形状に成形してある。抽出に際し、抽出カップ11に、試料Sを入れた円筒ろ紙7を入れる。円筒ろ紙7は、口(7−1)が抽出カップ11の口(11−1)から7cm高い箇所に位置づけられるように、収まる。抽出カップ11および円筒ろ紙7は、円筒ろ紙7の口が開口9からの液化溶媒を受け取るように配置されているが、開口9の下に、開口9から円筒ろ紙7の口へ通じる導管を装着することもできる。
【0023】
還流冷却器3は、上部へと収束する細長円錐形状の内腔を有することと、その先端に栓を着脱自在に取り付けたことを除いては一般的な還流冷却器である。
溶媒用容器2と還流冷却器3とは、開口9を通じて連通しており、連通部分には、切換弁15を介して分枝導管13が取り付けられている。切換弁15は、冷却器3や溶媒用容器2内の余分な気化溶媒を、分子導管13へと導く役割を果たす。切換えを手動で行う手動弁であっても自動で行う自動弁であってもよい。また、連通部分や分子導管13には、所望により通気用コックを装着できる。
【0024】
なお、本装置には、溶媒用容器2の底部の外側にレーザー光源17とそれを感受する光センサー18が取り付けられている。レーザー光源17からのレーザー光は溶媒用容器底部の溶媒を通過して、光センサー18に届くようになっている。また、光センサー18は、光センサー18からの出力データを記録するコンピューター19と連結している。抽出カップ11から溢出・流下した抽出液中の所望の成分により溶媒用容器2の底部の溶媒8が濁るにつれ、溶媒8を通過するレーザーの透過率が下がる。試料S中の全ての所望の成分が抽出された後は、透過率は一定になる。これにて所望の成分の抽出完了時を知ることができる。
【0025】
本装置の使用態様は次のとおりである。
まず0.1Lの溶媒を抽出用容器2に入れる。溶媒8の液面は、底から4cmの高さに届いている。試料を入れた円筒ろ紙7を抽出カップ11に入れる。試料Sの最も高い部分は、抽出カップ11の口11より低い位置にある。還流冷却器3中の冷水の還流を開始し、ホットスターラー14の150Wの熱量での加熱を開始する。やがて溶媒用容器2中の溶媒8が沸騰・気化し始める。その後円筒ろ紙7内に、液化した溶媒8が流下し始める。円筒ろ紙7内に徐々に、液化した溶媒が溜まりだす。ここで円筒ろ紙7内の底部で、丸型ネオジウム磁石12はホットスターラー14の動作により、立って回転しており、溶媒8と試料Sとを攪拌している。抽出液は円筒ろ紙7を通過して、抽出カップ11内に溜まり、その後、抽出カップ11の口11−1から抽出カップ11の側面をつたって溢れ出始め、溶媒8の気化が止むまで溶媒用容器2の底部に流下し続ける。
【0026】
抽出操作中、レーザー光源17・光センサー18を適宜の時間間隔で作動させ、コンピューター19で、レーザー光の溶媒透過率の変化を記録した。
本装置1により脂肪率24.9%のビスケット7.00g(前もって乳鉢で粉砕したもの)を試料Sとし、0.1Lのエーテルを溶媒8として抽出・記録を行った結果、ホットスターラー14の加熱開始から抽出完了まで、約50分であった。
【0027】
[実施例2]
図2に示す本発明のソックスレー抽出装置は、抽出カップとして底の中央に直径0.1cmの孔16を空けたカップ11を用いてもよい。かかる装置は、溶媒が円筒ろ紙7内へ流下して試料Sを溶解した後の抽出液が円筒ろ紙7を通過して、抽出カップ11の底部の孔16から流出しつつも抽出カップ内に徐々に溜まり、やがては抽出カップ11の口11−1から溢れ出、溶媒用容器2底部に流下するようにしたものである。
この場合、孔16のない抽出カップを用いた場合よりも短時間で、抽出を完了できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、従来使用されてきたソックスレー抽出装置を示す。
【図2】図2は、本発明のソックスレー抽出装置の一具体例を示す。
【符号の説明】
【0029】
1 本発明のソックスレー抽出装置
2 溶媒用容器
3 冷却器
7 フィルターカップ
8 溶媒
9 開口
10 支持手段
11 抽出カップ
12 攪拌子
13 分枝導管
14 ホットスターラー
15 切換え弁
16 孔
17 レーザー光源
18 光センサー
19 コンピューター
S、S' 試料
1' 従来のソックスレー抽出装置
2' 抽出管
3' 還流冷却管
4' フラスコ
5' 第一の側管
6' 第二の側管
7' 円筒ろ紙
8' 溶媒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を入れるフィルターカップと、当該フィルターカップを収容する抽出カップとを収容した溶媒用容器の上に冷却器を取り付け、当該溶媒用容器に入れた溶媒を加熱して、前記フィルターカップおよび前記抽出カップで前記試料から所望成分を抽出できるソックスレー抽出装置であって、
前記溶媒用容器が、天井に開口を有する広径の容器であって、底部に溶媒を収容するものであり、
前記冷却器が前記開口を通じて前記溶媒用容器と連通するものであって、上部が閉鎖自在なものであり、
前記抽出カップが、前記溶媒用容器の内部の、当該容器の底部を避けた位置に設けられた支持手段に支持されて、当該溶媒用容器の内部において、当該容器の底から一定の間隔を空けて、前記開口の下方に配置されるものであり、
前記フィルターカップが、前記抽出カップに収容されたときに、当該フィルターカップの口が前記抽出カップの口よりも高い位置にくるように作成されて成るものであって、内部に攪拌子を収容するものであり、
前記溶媒用容器の上部から前記冷却器の下部の間に、外部の回収瓶へ通じる分枝導管が設けられており、
前記溶媒用容器の下部または側部に加熱器を備えて成る装置。
【請求項2】
前記抽出カップが、熱伝導性ある材から成るカップであって、底部または側壁部に少なくとも1個の孔が設けられたものである、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記溶媒用容器の外側に、濃度センサーが取り付けられている、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記攪拌子が磁石であり、前記加熱器が前記溶媒用容器の下部に設置されるホットスターラーである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−136404(P2007−136404A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−336668(P2005−336668)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【Fターム(参考)】