説明

新聞記事情報提供システム及び方法

【課題】複数の記事を集めた記事グループを作成するときに、記事グループ作成者の何らかの考えを示す情報を添付し、記事グループの閲覧者がその情報を参照可能とする。
【解決手段】サーバ1が以下のようにしてクライアント5に記事情報を提供する。つまり、リンク集管理部15は、検索エンジン11が記事データベース2を検索した結果の中から一つ以上の記事データを選択し、選択された記事データに対するリンク情報を含む記事リンク集を生成する。さらに、記事リンク集に含まれている記事の本文を表示させる。マーキング処理部17は、記事本文からマーカ文字列の選択を受け付ける。記事リンク集の情報とマーカ情報は、ユーザデータベース3に記憶される。リンク集管理部15は、記事リンク集に含まれている記事のタイトルとその記事から選択されたマーカ文字列とを対応付けて表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが複数の新聞記事などを集めたグループを作成し、他のユーザがグループ単位で記事を閲覧できるようなコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介して新聞情報を配信し、新聞購読者に提供するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、関連する登録文書をグループ化し、これを参照するためのリンク集を生成し、このリンク集を用いて関連文書の検索を行う技術が知られている(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2003−108872号公報
【特許文献2】特開2002−41577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、新聞、雑誌などの記事情報の提供に当たって、複数の記事をグループ化し、ユーザがグループ単位で記事の内容を確認できるようなシステムはない。
【0005】
例えば、あるユーザが複数の記事を集めたグループを生成し、他のユーザがそのグループを閲覧することができれば、そのグループに含まれる記事の内容などを通じて、グループ作成者の考えを広く訴えることができる。特に新聞記事などの信頼性の高い文書に基づいてこれを行えば、グループ作成者の主張も説得力を増し、閲覧者へ強く訴求する。
【0006】
また、記事の選択の仕方によっては、それまであまり知られていなかった意外な事実が浮かび上がることもある。これは、政治、経済あるいは文化などの様々な分野のトレンド分析に利用することもできる。
【0007】
このようなときに、抽出した複数の記事を集めて漫然とグループを生成するよりも、そのグループに対して何らかの形でグループ作成者の思想やグループ作成の意図を反映させることができれば、閲覧者にとっても記事グループの理解に役立つ。
【0008】
そこで、本発明の目的は、複数の記事を集めたグループを作成するときに、そのグループに関する作成者の何らかの考えを示す情報を添付し、グループの閲覧者がその情報を参照可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施態様に従う記事情報提供システムは、複数の記事に関する記事データを記憶した記事データベースと、前記記事データベースから、所望の検索条件で記事データを検索する検索手段と、前記検索手段による検索結果の中から、一つ以上の記事データを選択し、選択された記事データに対するリンク情報を含む記事リンク集を生成する手段と、前記記事リンク集に含まれているリンク情報のリンク先の記事データに基づいて、記事本文を表示させる本文表示手段と、前記本文表示手段により表示された記事本文の中から文字列の選択を受け付ける選択手段と、前記記事リンク集の生成手段により生成された記事リンク集に関する記事リンク集情報と、前記選択手段が選択を受け付けた選択文字列を示す情報とを関連づけて記憶する記憶手段と、前記記憶手段を参照して、前記記事リンク集に含まれているリンク情報に係る記事のタイトルと当該タイトルの記事本文から選択された選択文字列とを対応付けて表示させるリンク集情報表示手段と、を備える。
【0010】
好適な実施形態では、前記記事リンク集に複数のリンク情報が含まれるときは、前記リンク集情報表示手段は、各記事ごとに、それぞれのタイトルとそれぞれの記事本文から選択された選択文字列とを対応付けて表示するようにしてもよい。
【0011】
好適な実施形態では、前記リンク集情報には、リンク集を生成したユーザの識別情報が含まれていて、前記選択手段を用いた文字列の選択は、各リンク集を生成したユーザのみが可能であり、前記リンク集情報表示手段は、リンク集を生成したユーザ及びそれ以外のユーザに対して、前記記事のタイトルと前記選択文字列とを表示させるようにしてもよい。
【0012】
好適な実施形態では、前記選択文字列情報は、記事の識別情報と、前記選択文字列と、前記識別情報に係る記事本文中に含まれる前記選択文字列と同一文字列の中で、前記選択文字列が前記記事本文の先頭から数えたときに何番目に出現するかを示す順位とを含んでいてもよい。
【0013】
好適な実施形態では、前記本文表示手段は、前記記事本文を表示する際に前記選択文字列を他の文字とは異なる表示態様で表示してもよい。これにより、選択文字列を強調して表示できる。
【0014】
好適な実施形態では、前記本文表示手段は、前記記事本文を表示する際に前記選択文字列が所定の表示位置、例えば、選択文字列が先頭になるように記事本文を表示するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係る記事情報の提供を行うシステムについて、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本実施形態に係るシステムの全体構成を示す図である。
【0017】
本システムは、新聞、雑誌などの記事情報を提供するサーバ1と、記事情報の提供を受けるユーザが利用するクライアント5とが、ネットワーク9を介して接続されている。
【0018】
サーバ1及びクライアント5は、いずれも例えば汎用的なコンピュータシステムにより構成され、以下に説明するサーバ1及びクライアント5内の個々の構成要素または機能は、例えば、コンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0019】
サーバ1は、過去の新聞記事などのデータを記憶した記事データベース2と、本システムのユーザに関する情報を記憶したユーザデータベース3と、記事データベース2を検索する検索エンジン11と、記事データなどを処理するWebアプリケーション13とを備える。
【0020】
記事データベース2には、過去の記事に関するデータが、例えば以下のようなデータ構造で蓄積されている。すなわち、記事データベース2には、記事のテキストに関する記事データ21と、写真のデータ23とが記憶されている。記事データ21及び写真データ23は、日々、新たなデータが追加される。
【0021】
図2は、記事データ21のデータ項目の一例を示す。すなわち、記事データ21は、記事ID211と、記事タイトル212と、テキストで記述された記事本文213とをデータ項目として有する。
【0022】
図3は、写真データ23のデータ項目の一例を示す。すなわち、写真データ23は、写真ID231と、写真の画像データ232と、写真タイトル233と、キャプション234と、この写真が利用されている記事の記事ID235とをデータ項目として有する。写真データ23の中には、記事に紐付いていないものもあるので、その場合には記事ID235は空白である。
【0023】
検索エンジン11は、Webアプリケーション13から指示された検索条件に従って記事データベース2を検索し、検索結果をWebアプリケーション13へ返す。
【0024】
ユーザデータベース3には、ユーザに関する情報が、例えば以下のようなデータ構造で記憶されている。すなわち、ユーザデータベース3には、各ユーザのユーザ属性情報31と、各ユーザが生成したリンク集に関するリンク集情報33とが記憶されている。
【0025】
ここで、リンク集とは、記事データベース2に含まれている1つ以上の記事をグループ化し、このグループに属する記事に対するリンク情報の集合体をいう。リンク集は各ユーザが生成し、全ユーザの検索対象になり、かつ、全ユーザが閲覧することができる。
【0026】
ユーザ属性情報31は、ユーザIDなどのユーザ識別情報、ユーザの氏名(あるいはニックネーム)、年齢、性別、出身地、アイコン、ホームページ及び自己紹介などのユーザの個人属性情報が記憶されている。
【0027】
図4は、リンク集情報33のデータ項目の一例を示す。すなわち、リンク集情報33は、リンク集を識別するリンク集ID331と、リンク集を生成したユーザのユーザID332と、リンク集のタイトル333と、リンク集を生成したユーザのリンク集についてのコメントあるいは意見の表明であるノート334と、リンク先として指定された記事の記事ID335と、マーカ情報336とをデータ項目として有する。リンク集には複数の記事をリンク先として含むことができ、そのときには、複数の記事ID335がリンク集情報33に含まれる。また、複数の記事にマーカを付すことができるので、そのときには複数のマーカ情報336がリンク集情報33に含まれる
マーカ情報336は、リンク集に含まれる記事に対してユーザが付したマーカに関する情報である。
【0028】
図5は、マーカ情報336のデータ項目の一例を示す。すなわち、マーカ情報336は、マーカが付されている記事の記事ID3361と、マーカが付されたマーカ文字列3362と、その記事本文の中に含まれているマーカ文字列3362と同一の文字列のうち、ユーザが指定したマーカ文字列が記事本文の先頭から数えたときに何番目に出現するかを示す順位3363とをデータ項目として有する。一つの記事に複数のマーカが設定されているときは、マーカ情報336にマーカ文字列3362及び順位3363が複数含まれる。
【0029】
マーカ及びマーカ情報336については、後で詳細に説明する。
【0030】
図1へ戻ると、Webアプリケーション13は、クライアント5のWebブラウザ51と協調して動作し、種々のインターフェース画面をユーザに対して提供する。そして、これらのインターフェース画面を介して受け付けたユーザの指示に従って、Webアプリケーション13は、記事データベース2及びユーザデータベース3に記憶されているデータを用いて、所定の処理を実行する。以下、Webアプリケーション13の処理について詳細に説明する。
【0031】
Webアプリケーション13は、リンク集の生成及び生成されたリンク集に対する様々な処理を行うリンク集管理部15と、リンク集のリンク先の記事本文に対するマーカの付加及び削除などのマーカの管理を行うマーキング処理部17とを備える。
【0032】
まず、リンク集管理部15は、例えば、図6〜図11に示すようなインターフェース画面をWebブラウザ51へ提供し、これらのインターフェース画面に対するユーザの入力に従って記事データベース2から記事を抽出して、それらの記事に対するリンク情報を集めたリンク集を生成する。
【0033】
図6は、リンク集の新規作成画面100である。
【0034】
リンク集の新規作成画面100には、リンク集タイトルの入力領域110と、使用テンプレートの選択を受け付ける入力領域120と、ユーザが自由にテキストを入力できるノートの入力領域130とが設けられている。
【0035】
使用テンプレートとは、後述するリンク集表示画面500を表示するときの表示態様に関するテンプレートである。使用テンプレートの具体例は後述する。
【0036】
リンク集管理部15は、リンク集の新規作成画面100に対する入力に基づいて、リンク集情報33を生成して、ユーザデータベース3へ格納する。このとき、リンク集ID331には新たに採番されたIDがセットされる。また、この時点では、ユーザID332にはクライアント5を操作しているユーザのID、タイトル333及びノート334には、リンク集の新規作成画面100に入力されたものがそれぞれセットされる。
【0037】
図7は、記事検索画面200の一例を示す。記事検索画面200は、検索のキーワード入力領域210と、検索結果の表示領域220とを有する。
【0038】
図7に例示した記事検索画面200が検索要求を受け付けると、リンク集管理部15は、検索キーワードを検索エンジン11へ渡して検索を依頼する。リンク集管理部15は、その検索結果として、記事ID211及び記事タイトル212を受け付けて検索結果の表示領域220に表示させる。
【0039】
記事検索画面200において、検索結果の表示領域220に表示された記事タイトルのいずれかがユーザによって選択されると、リンク集管理部15は、その記事ID211に基づいて選択されたタイトルに係る記事本文213を記事データベース2から取得する。そして、リンク集管理部15は、図8に示す記事本文の表示画面300へ遷移させて、その記事本文を表示させる。
【0040】
図8に例示した記事本文の表示画面300は、記事本文の表示領域310と、この記事をリンク集へ追加するための追加指示受付領域320とを有する。ユーザは、この表示画面300で記事の内容を確認できる。さらに、リンク集への追加指示受付領域320がユーザ操作を受け付けると、リンク集管理部15は、図9に示すリンク集選択画面400へ遷移させる。
【0041】
図9に例示するリンク集選択画面400は、記事を追加するリンク集の選択画面である。リンク集選択画面400は、新規リンク集のタイトル名410及び使用テンプレートの入力領域420と、既存リンク集一覧の表示領域430とを有する。この画面400により、記事本文表示画面300に表示された記事へのリンク情報を登録するリンク集として、タイトル名の入力領域410及び使用テンプレートの入力領域420を用いて新規作成することもできるし、既存リンク集一覧の表示領域430から既存のリンク集を選択することもできる。
【0042】
リンク集管理部15は、リンク集選択画面400で指定されたリンク集のリンク集情報33に対して、記事本文表示画面300で表示されている記事の記事ID211を登録する。
【0043】
ユーザは、記事本文表示画面300及びリンク集選択画面400を用いて上記の手順を繰り返すことにより、複数の記事をそれぞれ任意のリンク集情報33へ登録することができる。
【0044】
リンク集管理部15は、上記のようにして生成されたリンク集を、図10に示すリンク集表示画面500に表示する。すなわち、リンク集管理部15は、ユーザデータベース3からリンク集情報33を取得してリンク集のタイトル333などを表示する。
【0045】
リンク集表示画面500は種々の表示態様で表示される。表示態様は、例えば、使用テンプレートによって定まる。図10(a)は、使用テンプレートとして「通常」が設定されているときの表示態様で、同図(b)は、使用テンプレートとして「タイトルのみ」が選択されているときの表示画面である。
【0046】
図10の画面を表示するときは、リンク集管理部15は、リンク集情報33の記事ID335をキーにして記事データベース2からそれぞれ必要な情報を取得する。そして、同図(a)では、リンク集のタイトル510及びノート520と併せて記事タイトル530及びその記事の一部を抜粋したスニペット540を表示させる。同図(b)の場合は、リンク集のタイトル510、ノート520及び記事タイトル530が表示され、スニペット540は表示されない。このとき、記事タイトル530は、例えばハイパーリンクなどにより記事データベース2の対応する記事本文213へリンクしていてもよい。画面に表示された記事タイトルの記事本文213へのリンクは、他の画面においても同様である。
【0047】
リンク集管理部15は、さらに、リンク集表示画面500でいずれかの記事タイトル530が選択されたときには、選択された記事タイトルの記事IDに基づいて記事本文213を記事データベース2から取得する。そして、リンク集管理部15は、図11に示すような記事表示画面600の記事本文の表示領域610に記事本文を表示させる。ユーザは、この画面600を使って記事本文にマーカを付けることができる。以下、マーカについて説明する。
【0048】
マーキング処理部17は、例えば、以下に説明するようなインターフェース画面をWebブラウザ51へ提供し、これらのインターフェース画面に対するユーザの入力に従ってリンク集に含まれる記事本文にマーカを付加及び削除を行う。
【0049】
記事表示画面600において、リンク集でリンクしている記事の本文が表示されているときに、ユーザが記事本文に含まれる任意の文字列を選択すると、マーキング処理部17は、選択された文字列の処理要求の受付画面700を表示させる。受付画面700は、図11に示すように、選択された文字列に「マーカを付ける」か、または「このキーワードで検索」するかを受け付ける画面である。受付画面700で、「マーカを付ける」が選択されると、マーキング処理部17は、選択された文字列をマーカ文字列3362として含むマーカ情報336を生成して、ここで対象としているリンク集のリンク集情報33に追加登録する。
【0050】
ここで、図12を用いてマーカ情報336に含まれる順位3363(図5参照)について説明する。例えば、同図に例示する記事本文において、「宇宙は、・・・」の「宇宙」の部分にマーカが付されている。そして、この記事本文中には他にも「宇宙」という文字列が3カ所存在する。このときに、マーカが付された「宇宙」と他の3つの「宇宙」を区別するために、本実施形態では「順位」の概念を用いる。
【0051】
つまり、順位3363は、マーカが付された「宇宙」が記事本文中で登場するすべての「宇宙」(マーカ文字列と同一の文字列)の中で何番目に登場するものを示すものである。同図の例では、順位3363は「4」となる。従って、マーカ文字列3362と順位3363でこの記事におけるマーカが付された文字列を一意に特定できる。
【0052】
このような構造をとるのは、以下の理由による。つまり、新聞などの記事は、発行日よりも後になって修正されることがある。この修正は多くの場合は軽微なもので、記事の主題を変更するようなものではない。この修正が行われると、記事データベース2の記事データにも反映される。従って、ユーザがマーカを付けた後に、記事データベース2の記事データ21が修正される場合がある。このとき、マーカが付された文字列を特定するために、記事先頭からの位置情報(例えば、記事先頭からの文字数など)を用いると、記事の修正により位置がずれてしまう場合がある。しかしながら、本実施形態のような構造をとれば、軽微な修正があったとしてもマーカの位置ずれが生じる可能性は低い。
【0053】
次に、上述した受付画面700でマーカがつけられた文字列は、例えば図13に示すように、記事表示画面600においてマーカ表示として、他の文字列と異なる表示態様で表示される。同図(a)(b)では、紙の印刷物に蛍光ペンでマークしたときのように、マーカ文字列の背景を蛍光色のような色で表示するものを例示しているが、これ以外でも、例えば、マーカ文字列のフォントを変えたり、下線を引いたりしてもよい。
【0054】
また、同図(a)は、記事本文の表示領域610に記事本文を先頭から表示した例であり、同図(b)は、記事本文の表示領域610にマーカが付されている文字列が先頭になるように表示した例である。リンク集管理部15は、ユーザの選択に従って、同図(a)(b)のいずれも表示することができる。
【0055】
また、記事表示画面600では、さらに、マーカの削除を行うこともできる。例えば、図13のようにマーカ表示がされている記事表示画面600において、マーカ部分が選択されると、マーキング処理部17がユーザの承認を受けた後にマーカを削除する。このとき、マーキング処理部17はリンク集情報33から、マーカ情報336を削除する。
【0056】
図14は、マーカが付された後のリンク集表示画面500の一例を示す。同図の表示態様は、使用テンプレートが「マーカ」の場合のものである。つまり、使用テンプレートが「マーカ」であると、リンク集のタイトル510及びノート520に加えて、このリンク集に含まれる記事のタイトル530とその記事中でユーザが選択したマーカ文字列550とが対応付けて表示される。
【0057】
一つの記事で、マーカが複数箇所に付けられているときは、マーカ文字列550には、すべてのマーカ文字列を表示するようにしてもよい。このとき、表示順序は、記事の文頭から順に表示してもよいし、ユーザが指定した処理の順序で表示するようにしてもよい。ユーザの指定した順序は、例えば、ユーザがマーカを付した順序であってもよい。このとき、マーカ情報336には、ユーザがマーカを付した順序で文字列3362及び順位3363が登録されるようにしてもよい。
【0058】
図10の表示態様と比較すると、図10のリンク集表示画面500では、リンク集に含まれる記事タイトル530または記事タイトル530とスニペット540を単に表示しているに過ぎない。これに対して図14の表示態様では、記事タイトル530とともに、記事の中からユーザが選択したマーカ文字列が表示領域550に表示される。つまり、図10の表示態様の場合、スニペットの表示があったとしても、スニペットそのものは、単に記事本文の冒頭、あるいは検索キーワードに関連する部分を機械的に抽出したものであり、リンク集作成者が選択したものではない。これに対し、マーカは、既に繰り返し述べているように、リンク集作成者が自らの意思で選択した文字列であり、スニペットのように自動抽出されたものとは性質が異なる。すなわち、図14の表示態様では、図10の表示態様とは異なり、各記事の本文を開かなくても、記事タイトル及びマーカ文字列から、リンク集作成者がその記事のどの記載に特に注目しているのかが分かり、引いては、閲覧者はリンク集作成者のおおよその考えないしは意見を把握できる。リンク集タイトル510及びノート520も表示されているので、これによっても閲覧者の理解が促進される。
【0059】
上述した構成により、本システムの各ユーザは、記事検索と同様にリンク集を検索することができ、リンク集表示画面500及び記事表示画面600を用いて、自らが作成したリンク集及びそれに含まれる記事の本文を表示させることもできるし、他のユーザが作成したリンク集及びそれに含まれる記事の本文を表示させて、閲覧することもできる。
【0060】
一方、リンク集に対する記事の追加、記事本文中の文字列に対するマーカの付加及び削除などのリンク集の編集は、リンク集を作成したユーザのみが行うことができる。リンク集を作成したユーザであるか否かは、ユーザID332で判定する。
【0061】
次に、本システムにおける処理手順について、図15〜図17のフローチャートを参照して説明する。
【0062】
図15は、リンク集生成またはリンク集への記事の追加処理の手順を示すフローチャートである。
【0063】
まず、クライアント5のWebブラウザ51に記事検索画面200が表示される。ユーザは、検索キーワードの入力領域210に検索キーワードを入力して、記事検索のリクエストを行う。このリクエストを受けると、検索エンジン11が検索を実行する(S11)。
【0064】
記事検索画面200に検索結果220が表示されると、ユーザはその中から所望の記事を選択する(S12)。
【0065】
記事が選択されると、Webブラウザ51に表示される画面が記事本文の表示画面300へ遷移し、ユーザは記事内容を確認して、この記事をリンク集へ追加するか否かを決定する(S13)。
【0066】
そして、ユーザが追加指示受付領域320を選択して記事を追加する場合には、(S13:Yes)、Webブラウザ51に表示される画面がリンク集選択画面400へ遷移する。ここで、ユーザがリンク集を新規に作成したり、あるいは既存リンク集を選択したりすると、そのリンク集へ記事が追加される(S14)。記事をリンク集へ追加しない場合には、(S13:No)、処理を終了する。
【0067】
なお、ステップS11の検索結果に対してステップS12以降を繰り返し行うことによって、ステップS11の検索結果を繰り返し利用することもできる。
【0068】
図16は、マーカ付加処理の手順を示すフローチャートである。
【0069】
まず、ユーザが自分が作成したリンク集の中から対象とするリンク集を選択すると(S21)、クライアント5のWebブラウザ51が対象リンク集の情報をリンク集表示画面500で表示する。(S22)。ステップS22のリンク集表示の詳細な手順について、図17のフローチャートを用いて説明する。
【0070】
ユーザが選択した対象リンク集について、リンク集管理部15はユーザデータベース3からリンク集情報33を取得する(S31)。リンク集管理部15は、ここで取得したリンク集情報33に含まれる記事ID335の記事データ21を、記事データベース2から取得する(S32)。
【0071】
ここで、リンク集管理部15は、現在設定されている使用テンプレートの種別を判定する(S33)。使用テンプレートが「通常」であれば、リンク集管理部15はスニペット用に記事本文213の先頭の所定文字数を抽出する(S34)。使用テンプレートが「マーカ」であれば、リンク集管理部15は対象リンク集のマーカ情報336からマーカ文字列3362を抽出する(S35)。使用テンプレートが「タイトルのみ」であれば、ステップS34,S35をスキップする。
【0072】
そして、リンク集管理部15は、設定されている使用テンプレートにあわせて、リンク集表示画面500を生成する(S36)。
【0073】
ここで、図16に戻ると、ユーザがリンク集表示画面500で記事を選択すると、Webブラウザ51に表示される画面が記事表示画面600へ遷移する。そして、ユーザは記事表示画面600において選択した記事本文を閲覧できる(S23)。ここで、ユーザが記事本文中の文字列を選択すると(S24)、文字列の処理要求の受付画面700が表示される。そして、この受付画面700に対してユーザがマーカ付与を指示すると、マーカが登録される(S25)。
【0074】
なお、ステップS23以降を繰り返して、一つのリンク集に含まれる異なる記事に順次マーカを付けていくこともできるし、さらに、ステップS24以降を繰り返して、同一記事に連続的に複数のマーカを付けていくこともできる。
【0075】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【0076】
例えば、本実施形態では、新聞や雑誌などの記事情報の提供システムにおいて、リンク集を生成したり、マーカを付加したりしているが、本発明は記事以外の文書データに対して適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施形態に係る記事情報の提供を行うシステムの構成図である。
【図2】記事データ21のデータ項目の一例を示す。
【図3】写真データ23のデータ項目の一例を示す。
【図4】リンク集情報33のデータ項目の一例を示す。
【図5】マーカ情報336のデータ項目の一例を示す。
【図6】リンク集の新規作成画面100を示す。
【図7】記事検索画面200を示す。
【図8】記事本文の表示画面300を示す。
【図9】リンク集選択画面400を示す。
【図10】リンク集表示画面500を示す。
【図11】記事表示画面600及び文字列の処理要求の受付画面700を示す。
【図12】マーカ情報336に含まれる順位3363の説明図である。
【図13】記事表示画面600を示す。
【図14】リンク集表示画面500を示す。
【図15】リンク集生成またはリンク集への記事の追加処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】マーカ付加処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】リンク集表示処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
1…サーバ、2…記事データベース、3…ユーザデータベース、5…クライアント、11…検索エンジン、13…Webアプリケーション、15…リンク集管理部、17…マーキング処理部、31…ユーザ属性情報、33…リンク集情報、51…Webブラウザ、100…リンク集新規作成画面、200…記事検索画面、300…記事本文表示画面、400…リンク集選択画面、500…リンク集表示画面、600…記事表示画面、700…文字列処理要求の受付画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記事に関する記事データを記憶した記事データベースと、
前記記事データベースから、所望の検索条件で記事データを検索する検索手段と、
前記検索手段による検索結果の中から、一つ以上の記事データを選択し、選択された記事データに対するリンク情報を含む記事リンク集を生成する手段と、
前記記事リンク集に含まれているリンク情報のリンク先の記事データに基づいて、記事本文を表示させる本文表示手段と、
前記本文表示手段により表示された記事本文の中から文字列の選択を受け付ける選択手段と、
前記記事リンク集の生成手段により生成された記事リンク集に関する記事リンク集情報と、前記選択手段が選択を受け付けた選択文字列を示す情報とを関連づけて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段を参照して、前記記事リンク集に含まれているリンク情報に係る記事のタイトルと当該タイトルの記事本文から選択された選択文字列とを対応付けて表示させるリンク集情報表示手段と、を備える記事情報提供システム。
【請求項2】
前記記事リンク集に複数のリンク情報が含まれるときは、
前記リンク集情報表示手段は、各記事ごとに、それぞれのタイトルとそれぞれの記事本文から選択された選択文字列とを対応付けて表示することを特徴とする請求項1記載の記事情報提供システム。
【請求項3】
前記リンク集情報には、リンク集を生成したユーザの識別情報が含まれていて、
前記選択手段を用いた文字列の選択は、各リンク集を生成したユーザのみが可能であり、
前記リンク集情報表示手段は、リンク集を生成したユーザ及びそれ以外のユーザに対して、前記記事のタイトルと前記選択文字列とを表示させることを特徴とする請求項1記載の記事情報提供システム。
【請求項4】
前記選択文字列情報は、記事の識別情報と、前記選択文字列と、前記識別情報に係る記事本文中に含まれる前記選択文字列と同一文字列の中で、前記選択文字列が前記記事本文の先頭から数えたときに何番目に出現するかを示す順位とを含むことを特徴とする請求項1記載の記事情報提供システム。
【請求項5】
前記本文表示手段は、前記記事本文を表示する際に前記選択文字列を他の文字とは異なる表示態様で表示することを特徴とする請求項1記載の記事情報提供システム。
【請求項6】
前記本文表示手段は、前記記事本文を表示する際に前記選択文字列が所定の表示位置になるように表示することを特徴とする請求項1記載の記事情報提供システム。
【請求項7】
複数の記事に関する記事データを記憶した記事データベースから、所望の検索条件で記事データを検索するステップと、
前記検索による検索結果の中から、一つ以上の記事データを選択し、選択された記事データに対するリンク情報を含む記事リンク集を生成するステップと、
前記記事リンク集に含まれているリンク情報のリンク先の記事データに基づいて、記事本文を表示させるステップと、
前記表示された記事本文の中から文字列の選択を受け付けるステップと、
前記記事リンク集に関する記事リンク集情報と、前記選択を受け付けた選択文字列を示す情報とを関連づけて記憶手段に記憶するステップと、
前記記憶手段を参照して、前記記事リンク集に含まれているリンク情報に係る記事のタイトルと当該タイトルの記事本文から選択された選択文字列とを対応付けて表示するステップと、を有する記事情報の提供方法。
【請求項8】
記事情報を提供するためのコンピュータプログラムであって、
複数の記事に関する記事データを記憶した記事データベースから、所望の検索条件で記事データを検索するステップと、
前記検索による検索結果の中から、一つ以上の記事データを選択し、選択された記事データに対するリンク情報を含む記事リンク集を生成するステップと、
前記記事リンク集に含まれているリンク情報のリンク先の記事データに基づいて、記事本文を表示させるステップと、
前記表示された記事本文の中から文字列の選択を受け付けるステップと、
前記記事リンク集に関する記事リンク集情報と、前記選択を受け付けた選択文字列を示す情報とを関連づけて記憶手段に記憶するステップと、
前記記憶手段を参照して、前記記事リンク集に含まれているリンク情報に係る記事のタイトルと当該タイトルの記事本文から選択された選択文字列とを対応付けて表示するステップと、をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−210137(P2008−210137A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−46019(P2007−46019)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【特許番号】特許第4000182号(P4000182)
【特許公報発行日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(399071432)株式会社読売新聞東京本社 (3)
【出願人】(500438172)テックファーム株式会社 (14)
【Fターム(参考)】