説明

新規なアポトーシス誘導因子及びそれを利用するアポトーシスの誘導方法

【課題】特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期においてアポトーシスを誘導し、該細胞若しくは組織を死滅させる方法であって、毒素を外から導入する方法ではなく、発現プロモーター依存的にアポトーシス誘導因子が発現する系、及び、該系に用いるアポトーシスのシグナルの増強させることのできる新しい蛋白質を提供すること。
【解決手段】 FADD又はその構成ドメインから成るポリペプチドと自己集合活性を有するタンパク質との融合タンパク質から成るアポトーシス誘導因子、該アポトーシス誘導因子をコードするDNAを含む発現ベクター、該発現ベクターが導入されたトランスジェニック動物、並びに、特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期にアポトーシスが誘導される動物及び該動物の作製方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアポトーシス誘導因子、及び、それを利用して特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期にアポトーシスを誘導する方法、並びに、そのようなアポトーシスが誘導される実験動物等に関する。
【背景技術】
【0002】
病気を治療するために必要な薬剤のスクリーニングを行い、病気に対する薬剤の有効性を確認するために、病態モデル動物の存在は極めて大きい。優れた病態モデル動物が得られた場合、治療薬や症状の緩和作用のある薬がスクリーニングされる可能性はきわめて高くなる。何らかの作用のある薬剤が得られるのは時間の問題といっても差し支えないほどである。実際に例を挙げるとすると、糖尿病における糖尿病病態モデルマウスの果たした役割は計り知れないものがある。逆に病態モデル動物が存在しない時には、病気に対する薬剤の有効性を確認するためには、生化学的、細胞生物学的効果の確認の後、最終的には実際に患者に投与して効果を確認するしか方法がないのが現状である。この場合の被験者(患者)のリスクは計り知れないものとなってしまう。そのリスクを軽減するためには、優れた病態モデル動物が必然的に必要とされる。
【0003】
更に、基礎生物学の視点に立った場合にも、特に脳神経系やアレルギー免疫応答のように、単に単一細胞レベルではなく動物個体全体を通して調節、機能しているシステムの研究には病態モデル動物の存在は欠かすことができない。又、動物個体全体の中におけるある蛋白質の機能やある細胞種の機能を調べるためには、特定の遺伝子を欠失させた動物だけでなく、特定の細胞を欠失させた動物を作製し、動物個体全体へ及ぼす影響を検討する必要がある。
【0004】
マウス個体レベルにおいて、ある蛋白質(遺伝子)の機能を調べる方法としては、ジーンターゲティング法(ノックアウトマウス)法が既に存在している。この方法は、ある蛋白質をコードしている遺伝子を遺伝子工学的に欠失させることにより、遺伝子改変マウス(ノックアウトマウス)では、その目的の蛋白質を作りだすことをできなくしてしまう方法である。この結果、ノックアウトマウスの表現型(病態)を観察することにより、目的の蛋白質の個体レベルにおいての機能を明らかにすることができる。また、運良く病態モデルとしての表現型を示した時には、病態モデルマウスとして使用することができる。しかしながら、生体内では重要な機能を果たす遺伝子ほど、その遺伝子がなくなった時のバックアップのためのシステムが働いていることが明らかになってきた。実際に、アミノ酸配列の相同性があるファミリー遺伝子が複数存在したり、アミノ酸配列の相同性は見られないが機能的に相補するシステムが存在したりすることにより、1つの遺伝子が破壊されたとしてもマウスは一見正常に成育することが多い。このような理由から病態モデルとして使用できる表現型を持つノックアウトマウスを得ることは、難しいことが予想されるようになって来た。
【0005】
動物個体内の細胞は、個々の細胞の機能を果たしやすいように分化している。それぞれの細胞は、存在場所、形態だけでなく、あるマーカー蛋白質の有無により免疫組織学的にも区別することができる。逆に形態学的には区別することが難しくても、ある遺伝子の発現の有無でのみ区別することができる細胞も存在する。このような細胞は、それぞれ固有の機能を果たしていると考えられている。そのような個々の細胞の機能を調べることは、細胞生物学における根本的なテーマでもありうる。限定され特別な機能を有する細胞の異常、欠損により生物個体全体に影響を及ぼす可能性は極めて高い。
【0006】
特許文献1及び特許文献2には、細胞特異的発現ベクターが記載されており、発現されるDNAの一例としてアポトーシス関連遺伝子が挙げられている。又、特許文献3には、平滑筋細胞特異的発現を調節するための特異的ハイブリッドプロモーターが記載され、アポトーシスを誘導するタンパク質が発現の一例としてあげられている。更に、特許文献4には、細胞特異的アポトーシスを調節的に開始する方法が記載され、ヒトFas受容体の細胞質ドメインを利用することが記載されている。
【特許文献1】特開2002−335965
【特許文献2】特開2003−250579
【特許文献3】特表2002−525109
【特許文献4】特表平9−503645
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
病気の中には、特定の細胞だけで障害が受けることが観察されている例がある。パーキンソン病は、少数の先天性異常の症例と多数の散発的症例から成り立っているが、その多くの症例で黒質線条体の細胞の死滅が観察されている。このような病気の病態モデル動物を作製する場合、ある蛋白質を欠失させる方法を選ぶよりも、黒質線条体の細胞だけが死滅していく病態モデル動物を作製することが有効であると考えられる。
【0008】
しかしながら、従来のRNaseの過剰発現で細胞の機能を阻害する方法では全ての細胞で機能阻害が起こるとは限らないし、細胞自身は死ぬことはない。又、タンパク質性の毒素を発現させる方法では、細胞のネクローシスの後に細胞が融解してしまい周りの細胞にも悪影響を及ぼす可能性がある。更に、毒素の高感受性にする遺伝子の導入する方法では、手術により脳の中に直接毒素を注入する必要性が生じる。
【0009】
動物個体において、ある特定の細胞だけを選択的にアポトーシスを誘導させることを成功させるためには、幾つかの克服すべき問題点が存在する。(1)アポトーシス誘導因子の供給が、厳密にコントロールされる必要がある。(2)不必要なアポトーシスを引き起こさないために、細胞内ではアポトーシスを抑制する蛋白質が存在していて、カスケードの色々な場所で抑制の機構が存在する。このような抑制の機構に打ち勝ってアポトーシスを誘導させる必要がある。(3)また、色々な細胞でアポトーシスを実行するために、Fas等のリセプターの発現の有無に依存しないことが必要である。(4)さらに、改変マウスのノックインでアポトーシスを誘導させようとした場合、プロモーターが弱いケースが多いので、過剰発現で初めてアポトーシスが起こるシステムは不適当である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、以上の問題点を解決すべく、特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期においてアポトーシスを誘導し、該細胞若しくは組織を死滅させる方法について検討し、毒素を外から導入する方法ではなく、発現プロモーター依存的にアポトーシス誘導因子が発現する系、及び、該系に用いるアポトーシスのシグナルの増強させることのできる新しい蛋白質を作成することに成功し、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下の各態様に係るものである。
1.FADD又はその構成ドメインから成るポリペプチドと自己集合活性を有するタンパク質との融合タンパク質から成るアポトーシス誘導因子。
2.ポリペプチドがFADDのDEDが複数個タンデムに連結されたものである、上記1記載のアポトーシス誘導因子。
3.FADDのDEDが2つタンデムに連結されたポリペプチドとラムダファージEタンパク質との融合タンパク質から成る、上記2記載のアポトーシス誘導因子。
4.上記1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAを含む発現ベクター。
5.誘導性プロモ―ターの下流に上記1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが挿入され、該プロモ―ターの調節下でアポトーシス誘導因子が発現する、上記4記載の発現ベクター。
6.誘導性プロモ―ターが薬剤により誘導されるプロモーターである、上記5記載の発現ベクター。
7.特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期において発現するように、上記1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが挿入されている、上記4記載の発現ベクター。
8.成人の神経細胞でのみ発現するように、上記1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが挿入されている、上記7記載の発現ベクター。
9.特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期でのみで発現する遺伝子のプロモーターの調節下で発現するように、上記1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが該プロモーターの下流に結合されている発現ベクター。
10.成人の神経細胞でのみで発現する遺伝子のプロモーターの調節下で発現するように、上記1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが該プロモーターの下流に結合されている発現ベクター。
11.上記7〜10のいずれかに記載の発現ベクターが導入されたトランスジェニック動物。
12.上記1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが逆向きにloxPの間に挿入されている発現ベクター。
13.上記1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが逆向きにlox66及びlox71の間に挿入されている発現ベクター。
14.特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期でのみで発現する遺伝子のプロモーターの調節下でCREタンパク質を発現させることを含むCRE/loxP系において、上記12又は13に記載の発現ベクターを使用することから成る、特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期にアポトーシスを誘導する方法。
15.CREタンパク質が、成人の神経細胞でのみ発現する遺伝子のプロモーターの調節下にある、上記14に記載の方法。
16.成人の神経細胞でのみ発現する遺伝子がKIAA1793である、上記15記載の方法。
17.上記14〜16のいずれか一項に記載の方法によって、特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期にアポトーシスが誘導される動物。
18.病態モデル動物である、上記17記載の動物。
19.マウスである上記17又は18記載の動物。
20.特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期でのみで発現する遺伝子のプロモーターの調節下でCREタンパク質が発現されるトランスジェニック動物と、上記1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子を挟むloxPが導入されたターゲッティング動物を夫々作製し、それらをかけあわせることから成る、上記17〜19のいずれか一項に記載の動物の作製方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明のアポトーシス誘導因子を細胞内で発現させることによって、特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期に効果的にアポトーシスを誘導させることができる。更に、本発明により提供される病態モデル実験動物の作製方法を用いることにより、マウス等の個体から、神経細胞及び免疫細胞等の特定の細胞を欠落又は死滅させることができる。この方法は本来生体内で行なわれているアポトーシスのシステムを用いているために、従来の毒素を用いた方法に比べて、毒素による悪影響が排除でき、目的の細胞のみ死滅させることができる。又、外部から毒素を含む試薬を供給する必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の融合タンパク質から成るアポトーシス誘導因子を構成するFADD(Fas-associated death domain)は、Fasリセプターの細胞内領域にあるデスドメインに結合するタンパク質であり、そのC末端側にデスドメイン(DD:death domain)があり、一方、N末端側にデスエフェクタードメイン(DED:death effector domain)が存在し、このDEDには同じドメインを有するカスパーゼ8の前駆体が結合する。Fasリガンドは3量体として存在することから、FasリセプターとFADD蛋白質を介して結果的にカスパーゼ8の前駆体は集合することになる。カスパーゼ8の前駆体は弱い蛋白質分解活性(プロセシング活性)を有しているので、集合しているカスパーゼ8前駆体同士の蛋白質分解によるカスパーゼ8の活性化を引き起こし、下流のカスパーゼ3の経路を活性化し、アポトーシス(プログラム死)を引き起こすことが知られている。
【0013】
従って、本発明のアポトーシス誘導因子を構成する要素の一つであるポリペプチドとしては、FADDそれ自体の他にその構成ドメインを使用することが出来、特に、カスパーゼ8が結合するドメインであるDEDが好適である。更に、このDEDが複数個、例えば、2つタンデムに連結されたものであることが好ましい。FADDの由来(動物種)に特に制限はないが、ヒト及びマウス等の齧歯類を含む哺乳動物由来のものが好ましい。
【0014】
本発明のアポトーシス誘導因子を構成するもう一方の要素である自己集合(会合)活性を有するタンパク質は、細胞内において自己集合活性を有するようなタンパク質として当業者に公知の任意のものを使用することが出来る。その一例として、例えば、ラムダファージEタンパク質、M13ファージg8蛋白質等のファージ又はウイルスのコート蛋白質、ヒト及びマウスのMx蛋白質とその相同性を有するダイナミン蛋白質、並びに、アクチン蛋白質及びチューブリン蛋白質等の細胞骨格関連因子等を挙げることが出来る。
【0015】
ここで、「自己集合(会合)活性」とは、この作用によりFADD又はその構成ドメインから成るポリペプチドが集合し、その結果、これにカスパーゼ8前駆体が結合し、こうして結合したカスパーゼ8前駆体同士の蛋白質分解による活性化を引き起こし、下流のカスパーゼ3の経路を活性化し、アポトーシス(プログラム死)を引き起こすことができるような活性を意味する。
【0016】
尚、本発明のアポトーシス誘導因子を構成する以上の二つの要素、又はFADDの各構成ドメインは直接融合されていても良いし、適当なリンカー部分を介して、融合タンパク質を構成していても良い。又、所望の効果が奏効される限り、該融合タンパク質のN末端及び/又はC末端にペプチド等の他の要素が付加されていても良い。
【0017】
更に、本発明で使用するFADD又はその構成ドメインから成るポリペプチド、又は、ラムダファージEタンパク質等の自己集合活性を有するタンパク質は、夫々の活性を実質的に有する限り、それら本来(野生型)のアミノ酸配列において、1個又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加したアミノ酸配列からなるポリペプチドであっても良い。このようなポリペプチドは、例えば、部位特異的変異導入法、遺伝子相同組換え法、プライマー伸長法、及びPCR法等の当業者に周知の方法を適宜組み合わせて、容易に作成することが可能である。
【0018】
尚、その際に、実質的に同質の生物学的活性を有するためには、当該ポリペプチドを構成するアミノ酸のうち、同族アミノ酸(極性・非極性アミノ酸、疎水性・親水性アミノ酸、陽性・陰性荷電アミノ酸、芳香族アミノ酸など)同士の置換が可能性として考えられる。また、実質的に同質の生物学的活性の維持のためには、本発明の各ポリペプチドに含まれる機能ドメイン内のアミノ酸は保持されることが望ましい。
【0019】
更に、本発明のアポトーシス誘導因子を構成する以上の二つの要素として、FADD又はその構成ドメインから成るポリペプチド、又は、ラムダファージEタンパク質等の自己集合活性を有するタンパク質をコードするDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、即ち、より具体的には、該DNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、該各配列で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドの機能を実質的に示すポリペプチドをコードするDNAにコードされたものも使用することが出来る。
【0020】
ハイブリダイゼーションは、「分子生物学の最新プロトコール」(Current protocols in molecular biology(Frederick M. Ausubelら編、1987))に記載の方法など、当業界で公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って行うことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行うことができる。
【0021】
ここで、「ストリンジェントな条件」とは、例えば、65℃の1mM EDTA ナトリウム、0.5M リン酸水素ナトリウム(pH7.2)、7%SDS 水溶液中でハイブリダイズさせ、65℃の1mM EDTA ナトリウム、40mM リン酸水素ナトリウム(pH7.2)、1%SDS 水溶液中でメンブレンを洗浄する条件でのサザンブロットハイブリダイゼーションで上記のDNA配列にハイブリダイズする程度の条件である。上記以外の条件によっても、同じストリンジェンシーとすることができる。
【0022】
従って、例えば、かかる条件下で、FADD又はその構成ドメインから成るポリペプチド、又は、ラムダファージEタンパク質等の自己集合活性を有するタンパク質をコードするDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、該DNAの全塩基配列との相同性の程度が、全体の平均で約80%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上である塩基配列を含有するDNAなどを挙げることができる。
【0023】
本発明のアポトーシス誘導因子を構成する各要素の遺伝子に関する情報は当業者に公知であり、それらに基づいて本発明のアポトーシス誘導因子をコードするDNAを容易にクローニングすることができる。
【0024】
例えば、ヒトのFADDの遺伝子情報はNM_003824、マウスのFADDの遺伝子情報はU50406、又、ラムダファージEタンパク質の遺伝子情報はNC_001416を参照することが出来る。これらは、いずれも、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?CMD=search&DB=nucleotideにおいてGenBank accession 番号で調べることができる。
【0025】
上記DNAのクローニングの手段としては、当該DNAの適当な部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いてPCR法によって増幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNAを本発明ポリペプチドの一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーションによって選別することができる。
【0026】
ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、上記の「分子生物学の最新プロトコール」(Frederick M. Ausubelら編、1987)に記載の方法などに従って行うことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行うことができる。
【0027】
クローン化されたポリペプチドをコードするDNAは目的によりそのまま、または所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。
【0028】
本発明の発現ベクターは、当該技術分野で公知の方法に従って作成することができる。例えば、(1) FADD又はその構成ドメインから成るポリペプチドと自己集合活性を有するタンパク質との融合タンパク質から成るアポトーシス誘導因子をコードするDNA(断片)を切り出し、(2)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することにより製造することができる。
【0029】
本発明の発現ベクターにおいて用いられるプロモーターとしては、例えば、ミフェプリストン、テトラサイクリン、及びインターフェロンのような、薬剤(誘導剤)の添加によってプロモーター活性が誘導されるような誘導性プロモ―ターを挙げることができる。このような発現ベクター系は、例えば、インビトロジェン社のGeneSwitch 系のように市販されており、それらを利用することも出来る。
【0030】
特に、本発明のベクターは、例えば、成人の神経細胞のような、特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期において発現するように、本発明のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが挿入されていることを特徴とする。
【0031】
例えば、本発明のベクターは、特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期でのみで発現する遺伝子のプロモーターの下流にアポトーシス誘導因子をコードするDNAが結合されており、該プロモーターの調節下で発現するような構成とすることが出来る。
【0032】
従って、本発明の発現ベクターにおいて用いられるプロモーターとして、細胞特異的プロモ―ターを挙げることが出来る。例えば、(1)ガン細胞特異的に誘導が起きるプロモーターを使用することにより、本発明の発現ベクターをガン治療のミサイル療法の毒素の代わりに用いて、ガン細胞特異的に細胞死を誘導する安全な治療を行うことが出来る。(2)インターフェロン誘導のプロモーターを使用することにより、ウイルスに感染した細胞を特異的に死滅させることができ、この系はHIV等の治療に使うことができる。(3)免疫のT細胞特異的にTh2特異的に発現するプロモーターを使用することにより、血液中に注射をするとTh2細胞が死滅して、花粉症の治療に用いることができる。(4)脂肪細胞特異的なプロモーターを使用することにより、脂肪細胞特異的なアポトーシスが起こすことができ、ダイエットに利用することができる。
【0033】
本発明の発現ベクターの別の態様として、当業者に公知のCre−loxP系を利用したものを挙げることが出来る。即ち、コンディショナルノックアウトの定法として行なわれているように、CREタンパク質で特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期に遺伝子組み換えが起こるシステムを用いる。具体的には、例えば、KIAA1793(GenBank AB058696)のような成人の神経細胞でのみ発現するヒト遺伝子のプロモーター、neuron-pecific enolase (NSE) プロモーター、neurofilament-H (mNF-H) プロモーター等の成人の神経細胞のみ発現している遺伝子のプロモーターのコントロール下でCREタンパク質を発現させ、loxPサイトの遺伝子組み換えを誘導し、本発明のアポトーシス誘導因子を発現させる。
【0034】
好適には、本発明の発現ベクターにはアポトーシス誘導因子をコードする遺伝子(DNA)が逆向きにloxPの間に挿入されている。そして、例えば、loxPサイトの突然変異型であるloxP66及びloxP77(Oberdoerffer, P., Otipoby, K. L., Maruyama, M., and Rajewsky, K. 2003, Unidirectional Cre-mediated genetic inversion in mice using the mutant loxP pair lox66/lox71, Nucleic Acids Res, 31, e140.、及び、Schnutgen, F., Doerflinger, N., Calleja, C., Wendling, O., Chambon, P., and Ghyselinck, N. B. 2003, A directional strategy for monitoring Cre-mediated recombination at the cellular level in the mouse, Nat Biotechnol, 21, 562-565.)を組み合わせることにより、最初はその上流のプロモーターと逆向きに配置されているが、CREタンパク質が供給されると遺伝子組み換えの結果、逆向きになりアポトーシス誘導遺伝子が発現されるようになるような構成とすることが出来る(図1)。
【0035】
因みに、かかる系において、アポトーシス誘導因子をコードする遺伝子(DNA)の上流に位置するプロモーターとしては、例えば、L7/pcp-2プロモーター、dopamine transporterプロモーター及びserotonin transporterプロモーターのような細胞又は組織特異的なプロモーターとして当業者に公知のものを使用することが好ましい。又、該プロモーターとして、既に記載したCREタンパク質の発現に使用するプロモーターと同じものを使用することも出来る。
【0036】
従って、このようなCRE/loxP系において、上記の発現ベクターを使用して、特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期にアポトーシスを誘導することが可能である。
【0037】
本発明の発現ベクターは、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322、pBR325、pUC18、pUC118)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110、pTP5、pC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19、pSH15)、λファージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどを利用して容易に調製することができる。
【0038】
更に、発現ベクターには、以上の他に、宿主細胞の種類等に応じて、所望により当該技術分野で公知の、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製起点などを付加することができる。
【0039】
本発明の発現ベクターによる宿主細胞の形質転換は、当該技術分野で公知の方法に従って行うことができる。例えば、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、69:2110(1972)、Gene, 17:107(1982)、Molecular & General Genetics, 168:111(1979)、「酵素学における方法」(Methods in Enzymology)、第194巻、182-187(1991)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75:1929(1978)、細胞工学別冊8、新細胞工学実験プロトコール、263-267(1995)(秀潤社発行);およびVirology, 52:456(1973)を参照できる。
【0040】
本発明の発現ベクターが導入されたトランスジェニック動物は、受精卵への本発明の発現ベクターのマイクロインジェクションによる注入等の当業者に公知の任意の方法で作製することが出来る。
【0041】
更に、上記のCRE/loxP系を利用した、特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期にアポトーシスを誘導する方法によって、特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期にアポトーシスが誘導される動物を作製することが出来る。より具体的には、常法に従い、特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期でのみで発現する遺伝子のプロモーターの調節下でCREタンパク質が発現されるトランスジェニック動物と、本発明のアポトーシス誘導因子を挟むloxPが導入されたターゲッティング動物を夫々作製し、それらをかけあわせることにより作製することが出来る。
【0042】
以上の動物の種類に特に制限はないが、マウス等の齧歯類を含む哺乳動物、ニワトリ等の鳥類、及び魚類等を挙げることが出来る。これらの動物は病態モデル動物のような実験動物として有用である。尚、このような動物を作製する際に使用するFADD又はその構成ドメインは、当該動物由来のものとすることが好ましい。
【0043】
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。なお、実施例における各種遺伝子操作は、上記の「分子生物学の最新プロトコール」(Frederick M. Ausubelら編、(1987))に記載されている方法に従った。
【実施例1】
【0044】
一過性の細胞発現系
アポトーシス誘導能を上昇させる目的で構築した2DED+Eprotein(ラムダファージEタンパク質)を実際に細胞で発現させ、FADD蛋白質単独で細胞に発現させた時とアポトーシスを誘導する能力の比較を行なった。アポトーシス誘導能を持つ蛋白質を細胞で発現させようとすると細胞死が起こってしまうため、非誘導時にはFADD蛋白質等は発現が抑制されており、誘導剤添加に伴い速やかに発現が増加するインビトロジェン社のGeneSwitchの系を用いた(Wang Y, O'Malley BW Jr, Tsai SY, O'Malley BW., Proc Natl Acad Sci USA. (1994) 91:8180-8184)。また、一過性の細胞発現系を用いて比較を行う時には、アポトーシス活性があり細胞死が起こったことと、トランスフェクションされていない状態とを区別を行なう必要がある。そのためにトランスフェクションの効率を調べるために蛍光蛋白質であるGFPを用いた。誘導型プロモーター(GAL4 UAS)のコントロール下のFADD蛋白質等と常時発現するプロモーター(CMV プロモーター)を持つGFP蛋白質の両方を含むプラスミドを構築し、NIH3T3細胞にFuGENE6トランスフェクション試薬(ロッシュ)を用いて形質転換を行なった。24時間培養した後、蛍光顕微鏡で観察、トランスフェクションによりGFP蛋白質が発現している細胞の計数を行った。更にFADD蛋白質等を発現させるために誘導剤(ミフェプリストン、最終濃度10nM)を添加した後24時間培養した細胞を再度蛍光顕微鏡で観察、GFP蛋白質が発現している細胞の計数を行った。最初のGFP蛋白質発現細胞数を100%とし、FADD蛋白質等が誘導され、GFP蛋白質を発現していた細胞がアポトーシス(細胞死)を起こすことにより、減少する割合を計算し、この結果を図2に示した。
【0045】
図2から明らかなように、コントロール実験では、細胞が死ぬことはなく、むしろトランスフェクション後48時間経過したことにより、GFP蛋白質が蓄積されGFP蛋白質発現細胞は増加する傾向がある。FADD蛋白質単独で発現させると、24時間後には約75%程度の細胞でアポトーシスが起こった。一方、2DED+Eproteinでは、24時間後で100%の細胞で完全にアポトーシスが起こることが明らかになった。このことにより、2DED+Eproteinの方がFADD蛋白質単独より強いアポトーシス誘導能があることが分かった。
【実施例2】
【0046】
ゲノムへの組み込み
一過性発現系で用いたものと同じプラスミドとpMC1neoPolyAプラスミド(Stratagene社)を1:20の割合で混合後、ジーンスイッチ-3T3細胞(インビトロジェン社)に形質転換試薬、FuGENE6(ロッシュ社)を用いて導入した。抗生物質G418(インビトロジェン社)を培地に添加後、2週間培養し出現してきた抗生物質耐性株を分離し、染色体DNA中にプラスミドが組み込まれた安定発現株を得た。こうして得られた安定発現株細胞に、2DED+E蛋白質を発現誘導する試薬(ミフェプリストン、最終濃度10nM)を添加した後に、該細胞でアポトーシスが起きる様子を顕微鏡で連続的に撮影した様子を図3に示す。各写真は誘導後1時間から、それぞれ30分経過ごとの様子を示している(上段左から右へ、誘導後1、1.5及び2時間後、中段左から右へ、誘導後2.5、3及び3.5時間後、下段左から右へ、誘導後4、4.5及び5時間後)。2.5時間よりアポトーシスに特徴的な形態変化を伴って、それぞれの細胞にアポトーシスが起こる様子が観察される。5時間後には、ほぼ全ての細胞でアポトーシスが起こり、シャーレから剥がれてしまう。2DED+E蛋白質を用いた時に起こるアポトーシスが実行されるまでの経過時間は、典型的なアポトーシス誘導剤(エポトシド等)が12時間程度で起こることと比較すると極めて短い。このようなアポトーシスの実行スピードの速さは、2DED+E蛋白質がアポトーシスの誘導活性を増強させることができたことを示す明確な証拠である。
【0047】
尚、実施例1及び2で示した細胞の変化がカスパーゼ3を経由したアポトーシスであることを証明するために、活性型のカスパーゼ3のみを検出することのできる抗体(Cell Signaling Technology社)を用いて、間接免疫蛍光抗体法を用いた結果、2.5時間よりカスパーゼ3の活性化が起こり、3時間では十分に強い活性化が行なわれていることが明らかになった。また、DAPI染色による核の形態変化を観察したところ、アポトーシスの特徴である核の凝集と断片化が観察された。更に、細胞質も典型的なアポトーシスに見られる形態的な変化を示す。以上のことから、2DED+E蛋白質はカスパーゼ3経路の典型的なアポトーシスを誘導していることが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明が提供する病態モデル動物は薬剤のスクリーニング系に有利に使用することが出来る。又、ある細胞の働きを個体レベルで調べることができることにより、特定の細胞の機能が解明できる。更に、特定の細胞の機能に関する知識の蓄積から、医療等の各種産業に有用な細胞種を同定することができる。
【0049】
本発明の適用可能な応用例として、例えば、以下のものを挙げることが出来る。
(1)小脳の顆粒細胞、プルキンエ細胞等の神経細胞やアストログリア細胞、ミクログリア細胞を欠損させた実験動物;大脳皮質の神経細胞等を疎らに死滅させることにより、アルツハイマー様の症状を示すモデル動物;嗅脳の特定の神経細胞、扁桃体や海馬、視床下部、松果体等の脳の一部を欠損させた病態モデル動物;免疫細胞、B細胞、T細胞(Th1やTh2細胞)の欠損した実験動物;並びに、外来からウイルス系で発現させることによる、筋ジストロフィー様の病態モデル動物の作製。
(2)再生医療でES細胞等の細胞分化を行わせる時に、目的の細胞以外の細胞をどのように除くかが問題になることがある。この場合、目的の細胞以外で発現している遺伝子のプロモーターのコントロール下で本発明のアポトーシス誘導因子を発現させれば、他の細胞郡を除去することができる。
(3)ES細胞を用いたノックアウトマウスを作製する時に、ネガティブセレクションとして通常チミジンカイネース遺伝子やジフテリアトキシンの遺伝子が使用されるが、テトラサイクリン誘導用のプロモーターのコントロール下に本発明のアポトーシス誘導因子を発現させることにより、これらのマーカーの代わりになる。
(4)疥癬菌にかかった表皮細胞を細胞ごと死滅させることにより、根治することができる。
(5)毛根細胞特異的な発現を利用して、永久脱毛に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】Cre−loxP系を利用して、特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期にアポトーシス誘導因子を発現させる仕組みを示す概念図を示す。
【図2】2DED+Eprotein(ラムダファージEタンパク質)を実際に細胞で一過性に発現させ、FADD蛋白質単独で細胞に発現させた時とアポトーシスを誘導する能力の比較実験の結果を示す。
【図3】一過性発現系で発現に用いたものと同じプラスミドを、同様の細胞(ジーンスイッチ-3T3細胞、インビトロジェン社)に導入し、安定発現株を作製し、2DED+E蛋白質を発現誘導する試薬を添加後に安定発現株細胞でアポトーシスが起きる様子を続的に撮影した顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
FADD又はその構成ドメインから成るポリペプチドと自己集合活性を有するタンパク質との融合タンパク質から成るアポトーシス誘導因子。
【請求項2】
ポリペプチドがFADDのDEDが複数個タンデムに連結されたものである、請求項1記載のアポトーシス誘導因子。
【請求項3】
FADDのDEDが2つタンデムに連結されたポリペプチドとラムダファージEタンパク質との融合タンパク質から成る、請求項2記載のアポトーシス誘導因子。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAを含む発現ベクター。
【請求項5】
誘導性プロモ―ターの下流に請求項1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが挿入され、該プロモ―ターの調節下でアポトーシス誘導因子が発現する、請求項4記載の発現ベクター。
【請求項6】
誘導性プロモ―ターが薬剤により誘導されるプロモーターである、請求項5記載の発現ベクター。
【請求項7】
特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期において発現するように、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが挿入されている、請求項4記載の発現ベクター。
【請求項8】
成人の神経細胞でのみ発現するように、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが挿入されている、請求項7記載の発現ベクター。
【請求項9】
特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期でのみで発現する遺伝子のプロモーターの調節下で発現するように、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが該プロモーターの下流に結合されている発現ベクター。
【請求項10】
成人の神経細胞でのみで発現する遺伝子のプロモーターの調節下で発現するように、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが該プロモーターの下流に結合されている発現ベクター。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれかに記載の発現ベクターが導入されたトランスジェニック動物。
【請求項12】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが逆向きにloxPの間に挿入されている発現ベクター。
【請求項13】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子をコードするDNAが逆向きにlox66及びlox71の間に挿入されている発現ベクター。
【請求項14】
特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期でのみで発現する遺伝子のプロモーターの調節下でCREタンパク質を発現させることを含むCRE/loxP系において、請求項12又は13に記載の発現ベクターを使用することから成る、特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期にアポトーシスを誘導する方法。
【請求項15】
CREタンパク質が、成人の神経細胞でのみ発現する遺伝子のプロモーターの調節下にある、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
成人の神経細胞でのみ発現する遺伝子がKIAA1793である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法によって、特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期にアポトーシスが誘導される動物。
【請求項18】
病態モデル動物である、請求項17記載の動物。
【請求項19】
マウスである請求項17又は18記載の動物。
【請求項20】
特定の細胞若しくは組織及び/又は特定の時期でのみで発現する遺伝子のプロモーターの調節下でCREタンパク質が発現されるトランスジェニック動物と、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアポトーシス誘導因子を挟むloxPが導入されたターゲッティング動物を夫々作製し、それらをかけあわせることから成る、請求項17〜19のいずれか一項に記載の動物の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−53918(P2007−53918A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−240239(P2005−240239)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(596175810)財団法人かずさディー・エヌ・エー研究所 (40)
【Fターム(参考)】