説明

新規な制御された構造を有するコポリマー及びその使用

本発明は、異なる組成を有する少なくとも2の部分、親水性部又は疎水性部である部分A及び下式のモノマーBに由来するユニットを含有する部分B、を含有する制御された構造を有するコポリマーに関する:CH2=CR1CO−[O−(CH2p−]nOR2又はCH2=CR1CO−[O−CH2-a(CH3a−CH2-b(CH3b−]nOR2(但し、R1は水素又はメチル基であり、pは同一又は異なり、2又は3であり、aは同一又は異なり、0又は1であり、bは同一又は異なり、0又は1であり、a+b=0又は1であり、p=2+a+bであり、nは1以上である平均数であり、R2はアルキル基である。)又、本発明は、上記コポリマー若しくはコポリマーを含有する組成物若しくは配合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は異なる分野で有用な新規なコポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
重合技術の最近の進歩は、新規なポリマー、新規なポリマー組成及び/又は新規なポリマー構造の設計を可能とし、その物性の調整を可能とした。これら最近の進歩は、例えばフリーラジカルリビング重合プロセス、例えば国際公開WO98/01478、WO98/58974、WO02/26836号に記載されているプロセスが挙げられる。これら重合プロセスは、中でも特にブロックコポリマーの製造に有用である。
【0003】
このため、親水性ブロック及び疎水性ブロックを有する両親媒性ポリマーが報告されている。それらの性質及び/又は他の化合物との相互作用の幾つかも報告されている。両親媒性ブロックコポリマーの例が、米国特許2002-0198347-A1、国際公開WO02/28932号、欧州出願EP887362号、国際公開WO0177198、国際公開WO01/16187号及び米国特許出願US2003-0013799-A1号明細書に記載されている。代表的疎水性ブロックは、スチレン及び、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステルを含有する。
親水性中性(neural)ブロック及び親水性カチオン性ブロックを有するブロックコポリマーも又、例えば国際公開WO03/050185号に報告されている。
ブロックコポリマーの他の例としてトリブロックA−B−Aコポリマーが挙げられ、そのブロックAは剛直ブロックであり、ブロックBは軟性ブロックである。幾つかのポリマーが国際公開WO02/28357号及び米国特許US5314962号明細書に記載されている。
【特許文献1】国際公開WO98/01478パンフレット
【特許文献2】国際公開WO98/58974パンフレット
【特許文献3】国際公開WO02/26836パンフレット
【特許文献4】米国特許出願公開2002−0198347−A1号公報
【特許文献5】国際公開WO02/28932号パンフレット
【特許文献6】欧州特許第887362号明細書
【特許文献7】国際公開WO0177198パンフレット
【特許文献8】国際公開WO01/16187号パンフレット
【特許文献9】米国特許出願公開2003−0013799−A1号公報
【特許文献10】国際公開WO03/050185号パンフレット
【特許文献11】国際公開WO02/28357号パンフレット
【特許文献12】米国特許第5314962号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ポリマーに好ましい性質があるにも拘わらず、やはり異なる性質を有し、使用される場合に配合物中で利点を与える新規なポリマーの開発の要求がある。換言すれば、コポリマーの性質を調整する要求がある。調整したコポリマーを含有する要求のある配合物として、下記に限定されるものではないが、医薬的配合物、洗濯、食器洗い、硬質表面清掃用等のホームケア配合物、洗い流し型配合物、例えばシャンプー及びシャワージェル、配置型配合物、例えばクリーム、乳液、化粧品等の個人ケア用配合物、農化学配合物、並びに、例えば重合又はコーティング分野で使用される配合物等の種々の工業的配合物、及びポリマー又は樹脂前駆体を含有する塗料配合物が挙げられる。調整される性質として、下記に限定されるものではないが、固体又は液体表面への吸着性、乳化又は共乳化性、分散性(固体分散性)、配合物中に含まれる化合物の沈殿開始性又は析出促進性、毛髪又は皮膚の調整又は外観改良若しくは感触改良、ベシクル、カプセル、ミセル、又は異方性物質等の構造の形成が挙げられる。他の性質として、他の化合物と配合できる能力(混和性及び/又は溶解性)が挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の概要
本発明は上記要求を、本発明の第一態様として下記構成により解決する:
異なる組成を有する少なくとも2の部分、親水性部又は疎水性部である部分A及び下式のモノマーBに由来するユニットを含有する部分B、を含有する制御された構造を有するコポリマー:
CH2=CR1CO−[O−(CH2p−]nOR2又はCH2=CR1CO−[O−CH2-a(CH3a−CH2-b(CH3b−]nOR2
但し:
1は水素又はメチル基であり、
pは同一又は異なり、2又は3であり、
aは同一又は異なり、0又は1であり、
bは同一又は異なり、0又は1であり、
a+b=0又は1であり、
p=2+a+bであり、
nは1以上である平均数であり、
2はアルキル基である。
【0006】
好ましくは、上記は少なくとも2のブロック、ブロックA及びブロックBを有するブロックコポリマーであり:
ブロックAは親水性ブロックであり、
ブロックBは下式のモノマーBに由来するユニットを含有する疎水性ブロックである:
CH2=CR1CO−[O−(CH2p−]nOR2又はCH2=CR1CO−[O−CH2-a(CH3a−CH2-b(CH3b−]nOR2
但し:
1は水素又はメチル基であり、
pは同一又は異なり、2又は3であり、
aは同一又は異なり、0又は1であり、
bは同一又は異なり、0又は1であり、
a+b=0又は1であり、
p=2+a+bであり、
nは1以上である平均数であり、
2はアルキル基である。
【0007】
又、本発明はコポリマー、好ましくはブロックコポリマーの性質の調整方法に関し、上記コポリマーは下式のモノマーBに由来するユニットを含有する部分、好ましくはブロックを有する:
CH2=CR1CO−[O−(CH2p−]nOR2又はCH2=CR1CO−[O−CH2-a(CH3a−CH2-b(CH3b−]nOR2
但し:
1は水素又はメチル基であり、
pは同一又は異なり、2又は3であり、
aは同一又は異なり、0又は1であり、
bは同一又は異なり、0又は1であり、
a+b=0又は1であり、
p=2+a+bであり、
nは1以上である平均数であり、
2はアルキル基である。
【0008】
又、本発明は医薬的配合物、ホームケア配合物、個人ケア用配合物、農業用配合物、又は工業的組成物等の配合物中の、上記コポリマー、好ましくはブロックコポリマーの使用に関する。
又、本発明は、少なくとも1の上記性質を調整するための、上記コポリマー、好ましくはブロックコポリマーの使用に関する。
又、本発明は上記コポリマーを有するベシクル又はカプセルに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の詳細な説明
定義
本明細書中、ポリマー、コポリマー、部分又はブロックの分子量は、そのポリマー、コポリマー、部分又はブロックの重量平均分子量を言う。ポリマー又はコポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定できる。本明細書中、部分又はブロックの分子量は、その部分又はブロックを製造するために使用されたモノマー、ポリマー、開始剤及び/又は移動剤の量から算出された分子量を言う。これら分子量の計算方法は当業者に公知である。部分又はブロック間の重量比は、大規模重合において上記部分又はブロック製造のために使用された化合物量間の割合を言う。
【0010】
代表的には、ブロック又は部分の分子量Mは、下式により算出される:
【数1】

但しMiはモノマーiの分子量であり、niはモノマーiのモル数であり、nprecusorはブロックの高分子鎖が結合する化合物のモル数である。上記化合物は、移動剤若しくは移動基、又はプレ(previous)ブロック又はプレ部分である。それがプレブロック又はプレ部分の場合、モル数はそのプレブロック又はプレ部分の高分子鎖が結合する化合物、例えば移動剤又は移動基のモル数であるとみなされる。それは又、上記プレブロック又はプレ部分の分子量の計算値から算出されて得られる。2個のブロック又は部分が同時に1のプレブロック又はプレ部分から、例えば末端で成長する場合、上記式から算出された分子量は2で除される。
【0011】
本明細書中、モノマーに由来するユニットは重合によりそのモノマーから直接に由来するユニットでもよい。従って、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルに由来するユニットは、例えばアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、又は酢酸ビニルの重合、次に加水分解により得られる式−CH−CH(COOH)、−CH−C(CH3)(COOH)、−CH−CH(OH)、−CH−C(CH3)(OH)のユニットを含むものではない。アクリル酸又はメタクリル酸に由来するユニットとしては、例えばモノマー(アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート等)を重合し、次に反応させて(例えば加水分解)式−CH−CH(COOH)又は−CH−C(CH3)(COOH)のユニットを得ることにより得られるユニットが挙げられる。ビニルアルコールに由来するユニットとしては、ビニルエステル等のモノマーを重合して、次に加水分解等の反応をさせ、式−CH−CH(OH)又は−CH−C(CH3)(OH)のユニットを得ることにより得られるユニットが挙げられる。
【0012】
コポリマーの記載
制御された構造を有するコポリマーの部分は、例えばブロック、直鎖状主鎖、側鎖、グラフト、ミクロゲル若しくは星形体の「ヘア」若しくは分岐、星形体のミクロゲルのコア、又は異なるユニットの異なる濃度を有するポリマー性鎖の部分でもよい。従って、コポリマーは下記構造のいずれか1種を有しても良い:
少なくとも2のブロック、即ち1のブロックである部分A(但し、部分Aは任意で組成勾配を有する)、別のブロックである部分Bを有するブロックコポリマー、
主鎖及び側鎖を有し、主鎖である部分A及び側鎖である部分B、若しくは主鎖である部分B及び側鎖である部分Aを有する、櫛型コポリマー若しくはグラフト化コポリマー、又は
ポリマー性コア若しくは非ポリマー性コア及び外側ポリマー性鎖を含有し、1の部分A若しくはBはコアであり、残りの部分は外側ポリマー性鎖である、星形コポリマー、ミクロゲルコポリマー又はゲル化ミセルコポリマー。
【0013】
好ましくは、本発明のコポリマーはブロックコポリマーである。ブロックコポリマーとは、互いに結合したブロックA及びブロックBの少なくとも2の異なるブロックを含有するコポリマーを意味する。ブロックコポリマーは、ジブロック又はトリブロックコポリマー等の配列されたポリマーでもよい。ブロックコポリマーは又、ランダムコポリマーでもよい。好ましい直線状に配列されたブロックコポリマーの例として、(ブロックA)−(ブロックB)ジブロックコポリマー、(ブロックA)−(ブロックB)−(ブロックA)トリブロックコポリマー、及び(ブロックB)−(ブロックA)−(ブロックB)トリブロックコポリマーが挙げられる。
直線状ポリマーとは、ブロックコポリマーとして使用される場合、直線状ホモポリマー又は直線状ランダムコポリマーを意味する。
【0014】
ブロック又は部分は、通常それが有する繰り返しユニットにより定義される。ブロック又は部分は数種のモノマーに由来する数種の繰り返しユニットを含有するコポリマーでもよい。従って、ブロック又は部分A及びブロック又は部分Bは、異なるモノマー由来の異なるポリマーであるが、いくつかの共通の繰り返しユニット(コポリマー)を含有してもよい。ブロック又は部分A及びブロック又は部分Bは好ましくは50%を超える共通の(同一のモノマーから得られる)繰り返しユニットを含有しない。
【0015】
ブロックA等の部分Aは親水性又は疎水性である。ブロックB等の部分Bは疎水性又は親水性(hydrophobic)である。ブロック又は部分の親水性又は疎水性は、他のブロック又は部分無しにそのブロック又は部分が有する性質を言い、それは同一の分子量を有するそのブロック又は部分と同一の繰り返しユニットから構成されるポリマーの性質である。親水性のブロック、部分、ポリマー又はコポリマーとは、0、01%〜10重量%の濃度で、20℃〜30℃の温度で水中で肉眼で(水と)分離して観察されないブロック、部分、ポリマー又はコポリマーを言う。疎水性のブロック、部分、ポリマー又はコポリマーとは、同一の条件で水中で肉眼で(水と)分離して観察されるブロック、部分、ポリマー又はコポリマーを言う。
好ましい例として、ブロックA等の部分Aは親水性部、例えば親水性ブロックであり、ブロックB等の部分Bは疎水性部、例えば疎水性ブロックである。
【0016】
ブロックB等の部分Bは下式のモノマーBに由来するユニットを含有する:
CH2=CR1CO−[O−(CH2p−]nOR2又はCH2=CR1CO−[O−CH2-a(CH3a−CH2-b(CH3b−]nOR2
但し:
1は水素又はメチル基であり、
pは同一又は異なり、2又は3であり、
aは同一又は異なり、0又は1であり、
bは同一又は異なり、0又は1であり、
a+b=0又は1であり、
p=2+a+bであり、
nは1以上である平均数であり、
2はアルキル基である。
【0017】
基R2はアルキル基例えばメチル基、エチル基又はプロピル基である。数値pは2又は3である。基[O−(CH2p−]又は−[O−CH2-a(CH3a−CH2-b(CH3b−]はエトキシ基(p=2)又はプロポキシ基(p=3、a+b=1)を言う。pは同一又は異なってもよいために、式−[O−(CH2p−]n又は−[O−CH2-a(CH3a−CH2-b(CH3b−]の配列は、エトキシ基及び/又はプロポキシ基を有する配列である。配列がエトキシ及びプロポキシ基を有する場合、配列は(エトキシ基の1以上のブロック及びプロポキシ基の1以上のブロックの)ランダム配列又はブロック配列でもよい。又、数値pは2〜3である平均値として定義される。数値a及びbは又0〜1である平均値として定義され、かつa+bが0〜1である。
【0018】
好ましくは、nは2以上であり、R2はメチル基又はエチル基である。nの値は25まで、又はそれ以上でも良い。例えばnは約2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、18、20、22、又は25である。
好ましくはpは2であり、nは2以上であり、R2はメチル基又はエチル基である。ジエチレングリコールエチルエーテルアクリレート(DEGA)又はジエチレングリコールエチルエーテルメタクリレートは使用できるモノマーBの例である。メトキシエチルアクリレートは特に好ましくない。非エチレングリコールメチルエーテルアクリレート(nEGA)又は非エチレングリコールメチルエーテルメタクリレートは他のモノマーBの例である。
モノマーBは分岐しているヒドロキシ基を有するモノマー、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びポリエトキシル化(polythoxylated)化合物に対して利点をもたらす:即ち、モノマーBは非常に低い副反応架橋をもたらす。
【0019】
好ましい例として:ブロックA等の部分Aは親水性部、例えば親水性ブロックであり、
ブロックB等の部分Bは疎水性部、例えば疎水性ブロックであり、
モノマーBはジエチレングリコールエチルエーテルアクリレート又はジエチレングリコールエチルエーテルメタクリレートである。
【0020】
ブロックB等の部分Bは、更にユニット、例えば疎水性又は親水性モノマーに由来するユニットを含有する。親水性モノマーの例は、ブロックA等の部分Aに関して下記に示される。好ましくは、ブロックB等の部分Bは、コポリマー、例えばランダム又は勾配型コポリマーであり、モノマーBに由来するユニット及び疎水性又は親水性モノマーに由来する他のユニットを含有する。更にその上、ブロックB等の部分B中のユニットは、更にポリマーの性質、例えば固体又は液体表面への吸着性、他の化合物との溶解性/混和性を調整することができる。これら吸着性は、固体表面をより高い又は低い親水性又は疎水性にする改質による固体表面上に配置される化合物を含む配合物の設計、液体中に分散される固体粒子を有する配合物の設計(分散剤用コポリマーの性質の調整)、エマルジョンの形状の配合物の設計(乳化剤用又は共乳化剤用コポリマーの性質の調整)に有用である。
【0021】
疎水性モノマー由来の疎水性ユニット(ブロックA等の部分A中、又はブロックB等の部分B中)の例として、下記群から選ばれる疎水性モノマーに由来するユニットが挙げられる:
α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のアルキルエステル、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のアルキルエステル;例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、及び2−エチル−ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、
ビニルベルサテート(商標)、
アクリロニトリル、
3〜12炭素原子を含有するビニルニトリル、
ビニルアミンアミド、並びに
ビニル芳香族化合物、例えばスチレン。
【0022】
親水性モノマー由来の親水性ユニット(ブロックA等の部分A中、又はブロックB等の部分B中)の例として、下記群から選ばれる親水性モノマーに由来するユニットが挙げられる:
エチレンオキシド、
ビニルアルコール、
ビニルピロリドン、
アクリルアミド、メタクリルアミド、
ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート(例えばポリエトキシル化(メタ)アクリル酸)、
α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、並びに
α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルアミド、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルアミド、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジターシャリーブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;
エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン;
トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロライド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミド(いわゆる2−(アクリロキシ)エチルトリメチルアンモニウム、TMAEAMS)クロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート(いわゆる2−(アクリロキシ)エチルトリメチルアンモニウム、TMAEAMS)メチルサルフェート、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロライド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、
ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、
下式のモノマー:
【化1】

但し、R1は水素原子又はメチル若しくはエチル基であり;
2、R3、R4、R5及びR6は同一又は異なり、直鎖状又は分岐状C1〜C6、好ましくはC1〜C4のアルキル、ヒドロキシアルキル又はアミノアルキル基であり;
mは1〜10の整数、例えば1であり;
nは1〜6の整数、好ましくは2〜4であり;
Zは−C(O)O−若しくは−C(O)NH−基又は酸素原子を表し;
Aは(CH2p基を表し、pは1〜6、好ましくは2〜4の整数であり;
Bは直鎖状又は分岐状C2〜C12、好ましくはC3〜C6を表し、ポリメチレン鎖には任意で1以上のヘテロ原子又はヘテロ基、特にO又はNHが挿入され、任意で1以上のヒドロキシル又はアミノ基、好ましくはヒドロキシル基により置換されてもよく;
Xは、同一又は異なり、対イオンを表し、並びに
その混合物、及びそれらに由来するマクロモノマー;
【0023】
リン酸基又はホスホン酸基を有する、α−エチレン性不飽和モノマー、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノマー、
α−エチレン性不飽和モノカルボン酸、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸
α−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、
α−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、
α−エチレン性不飽和のスルホン酸基含有化合物、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和のスルホン酸基含有化合物、及びα−エチレン性不飽和のスルホン酸基含有化合物の塩、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和のスルホン酸基含有化合物の塩;例えばビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩;ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸の塩;α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の塩;2−スルホエチルメタクリレート、2−スルホエチルメタクリレートの塩;アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の塩;並びにスチレンスルホネート(SS)。
【0024】
ブロックA等の部分Aは、更に好ましくは下記群から選ばれるモノマーに由来するユニットを含有する:アクリル酸、メタクリル酸;アクリルアミド、メタクリルアミド;ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩;ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸の塩;α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の塩;2−スルホエチルメタクリレート、2−スルホエチルメタクリレートの塩;アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の塩;及び、スチレンスルホネート(SS)。
【0025】
モノマーBは中性モノマーである。従ってブロックB等の部分Bは中性でもよい。ブロックB等の部分Bは好ましくは中性ブロックである。しかしブロックB等の部分BがモノマーB由来のユニットではなく他のユニット(このユニットは中性、アニオン性又はカチオン性である)を含有することを排除するものではない。ブロックA等の部分Aはその電気的挙動又は特性に関して区別される。即ち、ブロックA等の部分Aは中性ブロック等の中性部分でもよく、又はポリイオン性ブロック等のポリイオン性部分(ポリアニオン性部分若しくはブロック、又はポリカチオン性部分若しくはブロック)でもよい。更に電気的挙動又は特性(中性、ポリアニオン性又はポリカチオン性)はpHに依存する。ポリイオン性とは、部分又はブロックがどのようなpHでも、イオン性の(アニオン性又はカチオン性)繰り返しユニットを含有すること、又は部分又はブロックはpHに依存する中性又はイオン性(アニオン性又はカチオン性)である繰り返しユニット(ユニットは潜在的にイオン性である)を含有することを意味する。中性又はイオン性(アニオン性又はカチオン性)となるユニットは、pHに依存し、その結果イオン性ユニット(アニオン性又はカチオン性)、又は中性状態かイオン性状態(アニオン性又はカチオン性)にあるかを問わずイオン性モノマー(アニオン性又はカチオン性)由来のユニットとみなされる。
【0026】
ポリカチオン性ブロック等の部分の例として、下記カチオン性モノマーに由来するユニットを含有するブロック等の部分が挙げられる:
アミノアルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリルアミド、
(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリルアミド誘導体等のモノマーであり、好ましくは少なくとも1の2級、3級又は4級アミン基、又は窒素原子、ビニルアミン又はエチレンイミンを含有する複素環状基を含有するモノマー;
ジアリルジアルキルアンモニウム塩;
その混合物、その塩、及びそれらに由来するマクロモノマー。
【0027】
カチオン性モノマーの例として下記が挙げられる:
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジターシャリーブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;
エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン;
トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロライド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミド(いわゆる2−(アクリロキシ)エチルトリメチルアンモニウム、TMAEAMS)クロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート(いわゆる2−(アクリロキシ)エチルトリメチルアンモニウム、TMAEAMS)メチルサルフェート、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロライド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、
ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、
下式を有するモノマー:
【化2】

但し、R1は水素原子又はメチル若しくはエチル基であり;
2、R3、R4、R5及びR6は同一又は異なり、直鎖状又は分岐状C1〜C6、好ましくはC1〜C4のアルキル、ヒドロキシアルキル又はアミノアルキル基であり;
mは1〜10の整数、例えば1であり;
nは1〜6の整数、好ましくは2〜4であり;
Zは−C(O)O−若しくは−C(O)NH−基又は酸素原子を表し;
Aは(CH2p基を表し、pは1〜6、好ましくは2〜4の整数であり;
Bは直鎖状又は分岐状C2〜C12、好ましくはC3〜C6を表し、ポリメチレン鎖には任意で1以上のヘテロ原子又はヘテロ基、特にO又はNHが挿入され、任意で1以上のヒドロキシル又はアミノ基、好ましくはヒドロキシル基により置換されてもよく;
Xは、同一又は異なり、対イオンを表し、並びに
その混合物、及びそれらに由来するマクロモノマー。
【0028】
アニオン性ブロック等の部分の例として、下記群から選ばれるアニオン性モノマーに由来するユニットを含有するブロック等の部分が挙げられる:
リン酸基又はホスホン酸基を有する、α−エチレン性不飽和モノマー、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノマー、
α−エチレン性不飽和モノカルボン酸、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノカルボン酸、
α−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、
α−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、
α−エチレン性不飽和のスルホン酸基含有化合物、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和のスルホン酸基含有化合物、並びに
α−エチレン性不飽和のスルホン酸基含有化合物の塩。
【0029】
好ましいアニオン性ブロック等の部分の例として、下記群から選ばれる少なくとも1のアニオン性モノマーに由来するユニットを含有するブロック等の部分が挙げられる:
アクリル酸、メタクリル酸、
ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩、
ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸の塩、
α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の塩、
2−スルホエチルメタクリレート、2−スルホエチルメタクリレートの塩、
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の塩、及び
スチレンスルホネート(SS)。
【0030】
ブロックA等の部分A中の中性ユニット、又はブロックB等の部分B中の他の中性ユニットの例として、下記の群から選ばれる少なくとも1のモノマーに由来するユニットが挙げられる:
アクリルアミド、メタクリルアミド、
α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のアミド、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のアミド、
α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のエステル、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のエステル;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート等のアルキルエステル;又は2−ヒドロキシエチルアクリレート等のヒドロキシアルキルエステル、
ポリエチレン及び/又はポリプロピレンオキシド(メタ)アクリレート、例えばポリエトキシル化及び/又はポリプロポキシル化(メタ)アクリル酸、
ビニルアルコール、
ビニルピロリドン、
酢酸ビニル、ビニルベルサテート(商標)、
好ましくは3〜12炭素原子を含有するビニルニトリル、
アクリロニトリル、
ビニルアミンアミド、
スチレン等のビニル芳香族化合物、並びに
それらの混合物。
【0031】
ブロックA等の部分A、及び/又はブロックB等の部分Bは、好ましくはモノ−αエチレン性不飽和モノマーに由来する。更に厳密には、ブロックA等の部分A、及び/又はブロックB等の部分Bにおいて、少なくとも50%の繰り返しユニットは好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノマー由来のユニットである。上記記載のモノマーは、プロピレンオキシド及びエチレンオキシド以外のモノ−α−不飽和モノマーである。モノマーBはモノ−α−エチレン性不飽和モノマーである。
勿論、ブロックA等の部分Aが疎水性及び親水性モノマー由来の両方のユニットを含有することを排除するものではない。
【0032】
本発明のコポリマーは、適切な方法、例えば制御され又はされないフリーラジカル重合により、アニオン性又はカチオン性重合を含む開環重合により、アニオン性又はカチオン性重合により、又はポリマーの化学的改質により得ることができる。
「リビング」又は「制御された」フリーラジカル重合が好ましい。
【0033】
例えばブロックコポリマー製造方法の幾つかがある。これらのコポリマーの製造方法の幾つかの例を下記に提供する。
例えば下記記載のように2種のモノマーの逐次的付加反応によるアニオン性重合の使用が可能である:Schmolka、J. Am. Oil Chem. Soc. 1977、54、110;又はWilczek-Veraetら、Macromolecules 1996、29、4036。別の使用可能な方法は、下記記載のように別のブロックポリマーのそれぞれの末端でのブロックポリマーの重合を開始させてなる:例えば、Katayose及びKataoka、Proc. Intern. Symp. Control. Rel. Bioact. Materials、1996、23、899。
【0034】
本発明において、Quirk及びLee(Polymer International 27、359(1992))で定義されたリビング又は制御された重合が使用できる。実際、この特別な方法は、狭い多分散度を有するポリマーを製造することが可能であり、その方法ではブロックの長さ及び組成は化学量論及び転換度により制御される。この種の重合では、下記に例示されるいわゆるリビング又は制御された重合法により製造されるコポリマーが更に好ましい:
国際公開WO98/58974号及び特許米国特許6153705号に記載されているザンテートにより制御されたフリーラジカル重合、
国際公開WO98/01478号に記載されているジチオエステルにより制御されたフリーラジカル重合、
国際公開WO99/35178号に記載されているジチオエステルにより制御されたフリーラジカル重合、
国際公開WO99/35177号に記載されているジチオカルバマートにより制御されたフリーラジカル重合、
国際公開WO99/03894号に記載されているニトロキシド前駆体を使用したフリー(ラジカル)重合、
国際公開WO99/31144号に記載されているジチオカルバマートにより制御されたフリーラジカル重合、
国際公開WO02/26836号に記載されているジチオカルバザート(carbazates)により制御されたフリーラジカル重合、
国際公開WO00/75207号及び米国特許出願09/980387号明細書に記載されているハロゲン化ザンテートにより制御されたフリーラジカル重合、
国際公開WO02/10223号に記載されているジチオホスホロエステルにより制御されたフリーラジカル重合、
国際公開WO02/22688号に記載されているピロ硫酸(disulphur)化合物の存在下で移動剤により制御されたフリーラジカル重合、
国際公開WO96/30421号に記載されている原子移動ラジカル重合(ATRP)、
Otuら、Makromol.Chem.Rapid.Commun.、3、127(1982)に記載されているような開始剤(iniferter)により制御されたフリーラジカル重合、
Tatemotoら、Jap.50、127、991(1975)、ダイキン工業社、及びMatyjaszewskiら、Macromolecules、28、2093(1995)に記載されている沃素の変性(degenerative)移動により制御されたフリーラジカル重合、
Webster O.W.「基移動重合」、p.580-588、「ポリマー科学及び技術百科」、Vol.7、H.F.Mark、N.M.Bikales、C.G.Overberger及びG.Menges編、Wiley Interscience、NewYork、1987に記載されている基移動重合、
D.Braunら、Macromol.Symp.、111、63(1996)に記載されているテトラフェニルエタン誘導体により制御されたラジカル重合、
Waylandら、J.Am.Chem.Soc.、116、7973(1994)に記載されている有機コバルト錯体により制御されたラジカル重合。
【0035】
好ましいプロセスは、移動剤の使用を含む継続的リビングフリーラジカル重合プロセスであり、。好ましい移動剤は、式−S−C(S)−Y−、−S−C(S)−S−、又は−S−P(S)−Y−、又は−S−P(S)−S−基(但しYはイオウとは異なる酸素原子、窒素原子、及び炭素原子等の原子である)を含有する試薬である。それら基として、ジチオエステル基、チオエーテル−チオン基、ジチオカルバマート基、ジチオ(dithi)ホスホロエステル、ジチオカルバザート、及びザンテート基が挙げられる。好ましい移動剤に含まれる基の例として、式−S−C(S)−NR−NR’2、−S−C(S)−NR−N=CR’2、−S−C(S)−O−R、−S−C(S)−CR=CR’2、及び−S−C(S)−Xの基が挙げられる。但しR及びR’は同一又は異なる水素原子、又は有機基、例えば任意で置換され任意でヘテロ原子を含有するヒドロカルビル基であり、Xはハロゲン原子である。好ましい重合プロセスはザンテートを使用したリビングラジカル重合である。
【0036】
リビング又は制御されたフリーラジカル重合プロセスにより得られるコポリマーは、ポリマー鎖の末端に少なくとも1の移動剤基を有してもよい。これらの基は好ましくは脱離されるか不活性化される。
【0037】
ブロックコポリマーを製造するために使用される「リビング」又は「制御された」ラジカル重合プロセスは下記ステップを含有する:
a)モノ−α−エチレン性不飽和モノマー、少なくともフリーラジカル源化合物、及び移動剤とを反応させ、第一ブロックを得るステップ、但し、上記移動剤はその第一ブロックへ結合されている、
b1)第一ブロック、別のモノ−α−エチレン性不飽和モノマー、及び、任意で少なくとも1のラジカル源化合物を反応させ、ジブロックコポリマーを得るステップ、
b2)任意で、繰り返しn回(nは0以上)ステップb1)を行い(n−2)−ブロックコポリマーを得るステップ、次に
c)任意で移動剤を適当な物質(means)と反応させて不活性にするステップ。
【0038】
例えば、ジブロックコポリマーを製造するために使用される「リビング」又は「制御された」フリーラジカル重合プロセスは下記ステップから構成されてもよい:
a)モノ−α−エチレン性不飽和モノマーを、少なくともフリーラジカル源化合物、及び移動剤と反応させ第一ブロックを得るステップ、但し、移動剤は上記第一ブロックに結合されている、
b)第一ブロックを別のモノ−α−エチレン性不飽和モノマー及び、任意で少なくとも1のラジカル源化合物と反応させ、ジブロックコポリマーを得るステップ、次に
c)任意で移動剤を所定の物質と反応させて不活性にするステップ。
ステップa)中で、ポリマーの第一ブロックが合成される。ステップb)、b1)、又はb2)中で、ポリマーの別のブロックが合成される。
【0039】
移動剤の例として下式(I)の移動剤が挙げられる:
【化3】

但し:RはR2O−、R2R’2N−又はR3−基を表し、R2及びR’2は、同一又は異なり、(i)アルキル、アシル、アリール、アルケン若しくはアルキン基、(ii)任意で芳香族、飽和若しくは不飽和炭素環、又は(iii)飽和若しくは不飽和複素環を表し、これら基及び環(i)、(ii)及び(iii)は置換されてもよく、R3はH、Cl、アルキル、アリール、アルケン若しくはアルキン基、任意で置換された飽和若しくは不飽和(複素)環、アルキルチオ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキシル、アシロキシ、カルバモイル、シアノ、ジアルキル−若しくはジアリールホスホナート、又はジアルキル−若しくはジアリールホスフィナート基、又はポリマー鎖を表し、
1は(i)任意で置換されたアルキル、アシル、アリール、アルケン若しくはアルキン基、(ii)飽和若しくは不飽和であり、任意で置換された炭素環又は芳香族、又は(iii)任意で置換された飽和若しくは不飽和複素環又はポリマー鎖を表す。
1、R2、R’2及びR3基は置換されたフェニル又はアルキル基、置換された芳香族基又は下記基により置換されてもよい:オキソ、アルコキシカルボニル若しくはアリールオキシカルボニル(−COOR)、カルボキシル(−COOH)、アシロキシ(−O2CR)、カルバモイル(−CONR2)、シアノ(−CN)、アルキルカルボニル、アルキルアリールカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、イソシアナート、フタルイミド、マレイミド、スクシンイミド、アミジノ、グアニジノ、ヒドロキシル(−OH)、アミノ(−NR2)、ハロゲン、アリル、エポキシ、アルコキシ(−OR)、S−アルキル、S−アリール若しくはシリル、親水性若しくはイオン性を示す基、例えばカルボン酸のアルカリ塩、スルホン酸のアルカリ塩、ポリ(アルキレンオキシド)(PEO、PPO)鎖、若しくはカチオン性置換基(4級アンモニウム塩)。但し、Rはアルキル又はアリール基を表す。
【0040】
好ましくは、式(I)の移動剤は下式(IA)、(IB)及び(IC)の化合物から選ばれるジチオカーボネートである:
【化4】

【化5】

【化6】

但し:R2及びR2’は(i)アルキル、アシル、アリール、アルケン若しくはアルキン基、(ii)任意で芳香族、飽和若しくは不飽和炭素環、又は(iii)飽和若しくは不飽和複素環を表し、これら基及び環(i)、(ii)及び(iii)は置換されてもよく、
1及びR1’は(i)任意で置換されたアルキル、アシル、アリール、アルケン若しくはアルキン基、(ii)任意で置換された飽和若しくは不飽和である炭素環又は芳香族、又は(iii)任意で置換された飽和若しくは不飽和複素環又はポリマー鎖を表し、
pは2〜10である。
【0041】
移動剤の他の例としては下式(II)及び(III)の移動剤が挙げられる:
【化7】

【化8】

但し、R1は有機基であり、例えば基R1は上記式(I)、(IA)、(IB)、及び(IC)の移動剤で定義されている、
2、R3、R4、R7及びR8は同一又は異なり、水素原子又は有機基であり、任意で環を形成できる。R2、R3、R4、R7及びR8の有機基の例として、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヘテロ原子含有ヒドロカルビル、置換されたヘテロ原子含有ヒドロカルビルが挙げられる。
【0042】
モノ−α−エチレン性不飽和モノマー及びその割合は、ブロックの目的の性質が得られるように選択される。このプロセスでは、全ての継続的重合が同一の反応器中で行われる場合、一般的に1のステージ中に使用される全てのモノマーが、次の段階の重合が開始される前、従って新しいモノマーが導入される前に消費されることが好ましい。しかし、前のステージのモノマーが次のブロックの重合中に反応器中に残っていてもよい。この場合、これらモノマーは一般的に全てのモノマーの5モル%を超えることはない。
【0043】
重合は水性及び/又は有機的溶媒中で行うことが出来る。重合は又、実質的に純粋な(neat)溶解状態(塊状重合)、又は水性媒体中のラテックス型(エマルジョン)プロセスで行っても良い。
【0044】
櫛型コポリマー又はグラフト化コポリマーは、共重合又は直接グラフト化により得ることが出来る。直接グラフト化では、選択したモノマーをフリーラジカル重合して最終生成物の主鎖を形成する。モノマー/主鎖の組み合わせ及び操作条件を適切に選択する場合、移動反応が成長するマクロラジカル及び主鎖間で発生する。この反応は主鎖上にフリーラジカルを生成し、グラフトがフリーラジカルから成長する。開始剤から発生する最初のフリーラジカルも又、移動反応へ貢献することができる。
【0045】
星形コポリマー又はミクロゲル製造プロセスは本質的に2種の群に分けられる。第一の種類は数個の官能基を有する化合物から腕又は分岐を形成してコアを構成する(「コア−ファースト」法、(Kennedy、J.P.ら、Macromolecules、29、8631(1996)、Deffieux、A. ら、Ibid、25、6744、(1992)、Gnanou、Y.ら、Ibid、31、6748(1998))。第二の種類は最初に腕又は分岐を形成し、次にそれらをコアの中又は上に結合し星形コポリマーを形成する(「アーム−ファースト」方法)。これらのプロセスは、例えば国際公開WO00/02939号に記載されている。他の方法として、数個の移動基を含有するコアからの重合、及びミセルレチキュレーションプロセスが挙げられる。
【0046】
性質−用途
本発明のコポリマーは好ましくは水溶性である。その溶解度はコポリマーを含有する組成物(又は配合物)、一般的に水性組成物のpHに依存する。好ましくは、コポリマーが水溶性となるpH範囲がある。pH感受性は、ブロックA等の部分A、ブロックA等の部分Aを有するモノマー、pHに依存してアニオン性又はカチオン性のユニットを選択することにより調整できる。その例として、アクリル酸又はメタクリル酸に由来するユニットを有するブロックA等の部分Aが挙げられる。
【0047】
本発明は又、本発明のコポリマーを含有する組成物又は配合物並びに種々の組成物又は配合物におけるそれらコポリマーの使用に関する。
配合物の組成物中のコポリマーは、任意でいずれかの界面に配置された溶液、分散液、組織化されたシステム、吸着された成分の形をとることができる。それはベシクル又はカプセル、又はその部分の形でも良い。
【0048】
目的の配合物として、医薬的配合物、農化学製品、ホームケア配合物、個人ケア用配合物、及び他の製品製造用工業的組成物が挙げられる。従って本発明のコポリマーは、医薬的配合物、ホームケア配合物、個人ケア用配合物、農業用配合物、又は工業的組成物に含有されることができる。これら目的とする配合物の幾つかを下記に記載する。
【0049】
農化学製品配合物又は農業用配合物
本発明のコポリマーは農化学製品の配合物中に、その固体化合物が水中に分散された形で使用できる。これら配合物は、水性媒体中に分散した粒子、平均粒径1060nm未満のナノ粒子、又はそれより大きい粒子を含有する。これら配合物中、本発明のコポリマーは、粒子を分散し及び/又は分散液への安定性を提供する分散剤として使用できる。粒子は、固体農化学製品の細粒化された粒子でもよい。有用なプロセスでは、粒子は共沈殿プロセスにより得られ、その場合には水が、水溶性でない農化学製品、水と混和性である農化学製品の溶媒及びコポリマーを含有する組成物へ添加される。この共沈殿プロセスの詳細はWO02/082900号として発行された国際公開に示されている。この出願を資料として使用する。
【0050】
本発明のコポリマーは、水中エマルジョンとして分散される液体農化学製品を含む農化学製品の配合物中で使用される。これらの配合物中、本発明のコポリマーは乳化剤、共乳化剤、又は乳化補助剤として使用でき、乳化の提供及び/又はエマルジョンの良い安定性を提供する。エマルジョン配合物は、従来の乳化プロセスにより、農化学製品、水、及び乳化剤を混合して得ることができる。好ましくは本発明のコポリマーは、農化学製品、コポリマー及び他の任意成分を有する自動乳化配合物中で使用される。これら自動乳化の詳細は国際特許出願PCT/FR03/01153号(2003年4月11日出願)に記載されており、この出願書類を資料として使用する。
【0051】
ホームケア配合物、個人ケア用配合物又は他の組成物
本発明のコポリマーは洗浄用配合物、好ましくは食器洗い配合物、更に好ましくは食器手洗い用配合物に使用できる。これらの配合物中で本発明のコポリマーは泡立ち性の改質又はその制御を増強できる。それは清浄化増強及び/又は脂肪性物質の再付着の防止を増強する。これらの詳細は国際特許出願PCT/EP03/01317号(2003年2月11日出願)に記載されており、この出願書類を資料として使用する。
【0052】
本発明のコポリマーは乳化剤、共乳化剤、又はエマルジョン安定性の調整剤として、例えばクリーム、乳液形状の個人ケア用配合物、例えば化粧用配合物、又は日焼け止め配合物中に使用できる。エマルジョンは直接型(水中油型)、逆エマルジョン型(油中水型)又は複合型エマルジョンでもよい。更なる詳細は国際特許出願PCT/EP03/01313号(2003年2月11日出願)、及びPCT/EP03/01316号(2003年2月11日出願)に記載されており、これら出願書類を資料として使用する。
【0053】
本発明のコポリマーは懸濁化及び/又は分散化された固体粒子、例えば日焼け止め配合物に有用なTiO2ベースのナノ粒子に使用できる。
本発明のコポリマーはエマルジョンを表面上への配置傾向を高め(vectorizing)、又はエマルジョンを表面上へ配置を調整するために使用できる。これは好ましくはアミン基を有するシリコーンを含有するシリコーンエマルジョン用に、例えばシャンプー、ボディソープ又はシャワージェル配合物(コンディショナーとして髪又は皮膚上に配置されるエマルジョン)中、又は洗濯洗剤用配合物(織物製品表面へ配置されるシリコーンエマルジョン)中で有用である。
本発明のコポリマーは、洗浄されるかその上に配置される髪及び/又は皮膚用配合物、例えばシャンプー、コンディショナー、シャワージェル、ヘアスタイル用製品中に使用できる。本発明のコポリマーは、目的のコンディショニング及び/又はヘアボリューム性、及び/又は(濡れた又は乾いた髪の)櫛通り性を提供できる。
【0054】
本発明のコポリマーは、硬質表面処理用に、例えば硬質表面清掃洗浄用配合物中に使用できる。それは表面を更に親水性又は疎水性とすることができる。表面を更に親水性とする場合、それは水被膜剤として使用できる。
本発明のコポリマーは活性剤デリバリー(active delivery)用に使用できる。
【0055】
工業的組成物又はその使用
本発明のコポリマーはポリマー製品、例えば乳化剤、共乳化剤、又はエマルジョン安定化剤中に使用できる。従って、本発明のコポリマーは、単一の乳化剤用、界面活性剤と組み合わせる共乳化剤用、又はエマルジョン安定化剤用等のラテックスポリマーの製造中に使用できる。有用な例として、ラテックス製造に使用されるモノマーの乳化又はモノマーエマルジョンの安定化が挙げられる。モノマーのエマルジョンは、しばしばプレエマルジョンと言われる。これら乳化、共乳化、又はエマルジョン安定化の詳細は、国際公開WO02/090392号、及び国際特許出願PCT/EP03/01313(2003年2月11日出願)に記載されており、これらの出願書類を資料として使用する。好ましいエマルジョンは、エチレン性不飽和モノマーを含有するエマルジョンである。コポリマーは又、固体表面の性質を改質して、最初の表面のとは異なる性能、例えば表面の耐腐食化、親水化/疎水化、を達成するために使用できる。
【0056】
ベシクル−カプセル
本発明のコポリマーが部分Aが親水性ブロックであり部分Bが疎水性ブロックであるブロックコポリマーである場合、そのコポリマーはベシクル又はカプセル製造に使用できる。そのベシクル又はカプセルはそのコポリマーを有する(含有する、本質的に構成される、又は本質的にからなる)膜又はシェルを有する。換言すれば、それはベシクル又はカプセルの、膜若しくはシェル又はその部分として使用できる。
【0057】
ベシクル又はカプセルは通常のプロセスにより製造することが出来るが、非常に単純な新しいプロセスにより得られることが明らかになった。この新しいプロセスは、費用、ステップ数及び/又は使用される化合物に関して利点がある。この新しいプロセスは下記に記載される。
【0058】
ベシクルは通常、媒体、好ましくは水性媒体中に分散される。ベシクル又はカプセルは、通常媒体、好ましくは水性媒体を含有する内部空間を取り囲む、膜又はシェルを有する。ベシクルは通常親水性媒体を取り囲む膜を有する物体として定義され、この膜は両親媒性化合物の少なくとも2の層を有し、一方の層の一方の両親媒性化合物の疎水性成分は、もう一方の層の一方の両親媒性化合物の疎水性成分へ対面している。カプセルは通常内部空間を取り囲むシェル(単層)を有する物体として定義される。しかし、その物体がベシクルであるかカプセルであるかを決定することは困難であるか不必要な場合がある。本発明のコポリマーはベシクル又はカプセル製造に使用でき、その方法は、国際特許出願PCT/EP03/02890(2003年3月19日出願)、又は国際特許出願PCT/EP03/05995(2003年6月6日出願)に記載されており、この出願書類を資料として使用する。
【0059】
ベシクル又はカプセルは好ましくは、例えば保護され、ベクター化され、調節されて放出される活性成分、化学反応により転換される反応性化合物等の添加剤成分を含有してもよい。添加剤は好ましくは膜又はシェルで区切られた内部空間の内側、又は任意でその外側に含有される水親和性化合物(例えば水分散性又は水溶性)を含有する。ベシクル又はカプセルに関する当業者に公知の添加剤が使用できる。活性成分は、膜又はシェルを通過する拡散により、又は膜又はシェルの破壊により、制御された方法で媒体中に放出される。例えば疎水性活性成分等の疎水性成分が膜自身又はシェル自身中に含まれる場合も本発明の範囲内である。
【0060】
反応性化合物は、例えば組成物の小滴中で重合される化合物である。ベシクル又はカプセルは、皮膚、髪等の表面、織物、硬質表面上に適用され、又は地面に散布されて動物又はヒト体内へ導入される組成物に含まれてもよい。活性成分は目的の環境下で、膜又はシェルの破壊により急速に、徐々に、突然に、又は、膜若しくはシェルを通過する拡散により徐々に、デリバーされる組成物中に含まれる化合物である。従って、カプセルは化粧用組成物、医薬用組成物、香料、農化学組成物中に有用な活性成分を含有できる。
【0061】
活性成分の例として、当業者に公知の従来のベシクル中に導入される親水性活性成分が挙げられる。
活性成分の例として、化粧効果、治療効果を有する化合物、及び髪又は皮膚トリートメント用化合物等の化粧品に使用される親水性活性成分が挙げられる。
【0062】
従って、使用される活性化合物として、髪及び皮膚コンディショナーが挙げられ、例えば任意で複素環中に含有される4級アンモニウム基を含むポリマー(4級又はポリ4級型化合物)、保湿剤、固定化(スタイリング)剤、更に好ましくはホモポリマー、コポリマー、ターポリマー等の固定化ポリマー、例えばアクリルアミド、アクリルアミド/ナトリウムアクリレート、スルホン化ポリスチレン、カチオン性ポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニルが挙げられる。
【0063】
親水性活性成分の例として、着色剤、収れん剤、脱臭用組成物中に使用されるもの、例えばアルミニウム塩、ジルコニウム塩、抗菌剤、抗炎症剤、麻酔剤、太陽フィルター(solar filter)剤等が挙げられる。
活性成分の例として、化粧用品に使用される親水性活性成分、例えばクエン酸、乳酸、グリコール酸、サリチル酸、ジ(ci)カルボン酸等のα−及びβ−ヒドロキシ酸、好ましくはアゼライン酸等の9〜16炭素原子含有不飽和化合物、ビタミンC及びその誘導体、好ましくはホスフェートベース又は又はグリコシルベース誘導体、殺生物剤、好ましくはカチオン性のもの(例えば商標「Glokill PQ」、商標「Rhodoaquat RP50」、ローディア社販売)等が挙げられる。
【0064】
活性成分の例として食品産業で使用される親水性活性成分、例えば二価のカルシウム塩(リン酸塩、塩酸塩等)、架橋性繊維ポリマーに使用されるもの、例えばアルギン酸塩、カラギーナン(carraghenan)が挙げられる。炭酸水素ナトリウムも又使用できる。
【0065】
活性成分の例として、農化学製品で使用される親水性活性成分、例えば親水性殺虫剤及び殺虫性親水性栄養成分等が挙げられる。
活性成分の例として、石油分野で使用される親水性活性成分、例えば充填、ボーリング、又は石油井の刺激(即ちフラクチャリング)に有用な親水性化合物が挙げられる。その他の例として、架橋触媒、例えばリチウム塩、塩酸塩、酢酸塩が挙げられる。又その他の例としてポリサッカリドを劣化させる化合物、例えばカルボン酸(例えばクエン酸)、酵素及び酸化剤が挙げられる。
【0066】
活性成分の例として製紙工業で使用される、塩化カルシウム及び塩酸等の活性成分が挙げられる。
活性成分の例として又、洗濯洗剤用配合物中の薬剤による酸化から防止された漂白剤、酵素、リン酸塩及び殺生物作用を有するカチオン性化合物が挙げられる。
【0067】
活性成分の例として又、織物処理で使用されるカチオン性界面活性剤が挙げられる。カプセルにより、これら界面活性剤と通常洗濯洗剤用配合物中に含まれるアニオン性界面活性剤との接触防止が可能となり、洗浄作用及び織物処理作用を有するツーインワン配合物の製造が可能となる。
【0068】
有用な活性成分の例として又、下記殺生物剤が挙げられる:
Tolcide(商標、ローディアUK社製、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムサルフェート、THPS)、
ベンジルジメチルドデシルアンモニウムクロライド(BDAC)、
セトリモニム(cetrimonim)ブロマイド(CTAB)、例えば商標「Rhodaquat M-242」として市販されている化合物。
有用な活性成分の例として又、酵素、例えばエラスターゼ等のセリンクラスプロテアーゼが挙げられる。
【0069】
本発明のベシクル又はカプセルは好ましくは、ブロックB及びブロックA間の重量比が1/1以上であるコポリマーを有する。更に好ましくは約10/5である。
毒性及び生体親和性を理由として、移動基がコポリマー製造に使用された場合、それらの基は化学的にコポリマーから除去されることが好ましい。有用な除去反応は国際特許出願PCT/EP03/01571(2003年2月17日出願)、国際公開WO02/090397号、国際公開WO02/090424号に記載されており、この出願書類を資料として使用する。
【0070】
ベシクル及びカプセルは非常に簡単な好ましいプロセスにより製造できる。上記好ましいプロセスは下記ステップを有する:
ステップa)水、本発明のコポリマー及び任意で添加剤を有する組成物を調製するステップ、但しブロックAの溶解度はpH−依存性であり、その組成物はブロックAが非水溶性であるpHを有する、並びに
ステップb)pHをブロックAが水溶性であるpHへ変化させるステップ。
上記ステップa)は例えば水を粉状のコポリマー、pH調節剤、及び任意で添加剤と混合することにより行うことが出来る。
【0071】
例えば、上記プロセスは、ブロックAはアクリル酸由来のブロックであり、ブロックBは好ましくはジエチレングリコールエチルエーテルアクリレート又はジエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート由来のブロックである本発明のブロックコポリマーを使用して下記ステップを行い実施することができる:
a)水、ブロックコポリマー、及び任意で添加剤を含有する組成物を4未満のpHとするステップ、
b)pHを4を超えるまで上昇させるステップ。
【0072】
下記に本発明をより理解するために、本発明を限定するものではない幾つかの例示を示す。
【実施例】
【0073】
下記実施例において、ポリマー又はブロックの分子量はそのポリマー又はブロックの右下にg/モルで表される。例えばAxb−Byは(ブロックA)−(ブロックB)ジブロックコポリマーであり、ブロックAの分子量はxであり、ブロックBの分子量はyである。
【0074】
実施例1(比較例):ホモポリマーp(DEGA)3000の合成
成分:エタノール32.00g。ジエチレングリコールエチルエーテルアクリレート50.00g。商標「ザンテートA」1.041g。AIBN0.280g。
手順:上記成分は機械攪拌器を備えた250ml重合容器中に導入される。ゴム製セプタムキャップで封じた後、内容物は乾燥窒素で60分間バブルされ、次に70℃迄加熱され、この温度で8時間維持される。少量のサンプルが取り出され、ガスクロマトグラフィー頭頂部で転換を確認される。最終的に、固体含有量は20%である。
【0075】
実施例2:ジブロックコポリマーp(DEGA)3000−b−p(AA)12000(ポリジエチレングリコールエチルエーテルアクリレートブロックポリアクリル酸)の合成
ステージ1:モノブロックp(DEGA)3000の合成
成分:エタノール32.00g。ジエチレングリコールエチルエーテルアクリレート30.00g。商標「ザンテートA」0.384g。AMBN0.263g。
手順:上記成分は機械攪拌器を備えた500ml重合容器中に導入される。ゴム製セプタムキャップで封じた後、内容物は乾燥窒素で60分間バブルされ、次に70℃迄加熱され、この温度で8時間維持される。少量のサンプルが取り出され転換を確認される。固体含有量は50%である。
【0076】
ステージ2:ジブロックコポリマーp(DEGA)3000−b−p(AA)12000の合成
成分:エタノール225.0g。アクリル酸120.0g。AMBN0.263g。
手順:上記成分は乾燥フラスコ中へ導入され乾燥窒素で60分間バブルされる。次にそれらはダブルチップニードルによりステージ1の重合容器中へ移動される。供給物の導入完了後、反応混合物は更に8時間、70℃で維持される。転換は固体含有量により確認される。固体含有量は50%である。
【0077】
実施例3:ジブロックコポリマー[p(DEGA)−s−p(BA)]3000−b−p(AA)12000([ポリジエチレングリコールエチルエーテルアクリレートランダム(statistic)ポリブチルアクリレート]ブロックポリアクリル酸)の合成
ステージ1:ランダム(statistic)モノブロックp(DEGA)2250−s−p(BA)750の合成
成分:エタノール10.51mL。ジエチレングリコールエチルエーテルアクリレート4.054mL。BAブチルアクリレート1.311mL。商標「ザンテートA」0.308mL。商標「Trigonox」0.061g。
手順:上記成分は機械攪拌器を備えた100ml重合容器中に導入される。ゴム製セプタムキャップで封じた後、内容物は乾燥窒素で60分間バブルされ、次に70℃迄加熱され、この温度は10時間維持される。開始剤が複数回投入により添加される(5回の添加)。少量のサンプルが取り出され両方のモノマーの転換を確認される。固体含有量は50%である。
【0078】
ステージ2:ジブロックコポリマー[p(DEGA)−s−p(BA)]3000−b−p(AA)12000の合成
成分:エタノール35.00mL。アクリル酸20.06mL。商標「Trigonox」0.0612g。
手順:上記成分は乾燥フラスコ中へ導入され乾燥窒素で60分間バブルされる。次にそれらはダブルチップニードルによりステージ1の重合容器中へ移動される。供給物の導入完了後、反応混合物は70℃で、更に10時間維持される。転換は固体含有量により確認される。固体含有量は50%である。
【0079】
実施例4:ジブロックコポリマーp(nEGA)30000−b−p(TMAEAMS)11000(ポリ非エチレングリコールメチルエーテルアクリレートブロックポリ{[2−(アクリロキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルサルフェート)の合成
ステージ1:モノブロックp(nEGA)30000の合成
成分:エタノール30.0g。水130.0g。非エチレングリコールメチルエーテルアクリレート165.0g。商標「ザンテートA」1.145g。S28(NH420.250g。
手順:上記成分は機械攪拌器を備えた500ml重合容器中に導入される。ゴム製セプタムキャップで封じた後、内容物は乾燥窒素で60分間バブルされ、次に70℃迄加熱され、この温度で8時間維持される。少量のサンプルが取り出され転換を確認される。固体含有量は50%である。
【0080】
ステージ2:ジブロックコポリマーp(nEGA)30000−b−p(TMAEAMS)11000の合成
成分:エタノール12.0g。水46.0g。[2−(アクリロキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルサルフェート60.0g。S28(NH420.250g。
手順:上記成分は乾燥フラスコ中へ導入され乾燥窒素で60分間バブルされる。次にそれらはダブルチップニードルによりステージ1の重合容器中へ移動される。供給物の導入完了後、反応混合物は70℃で更に14時間維持される。転換は固体含有量により確認される。固体含有量は50%である。
【0081】
実施例5(比較例)ジブロックコポリマーp(AM)30000−b−p(TMAEAMS)11000(ポリアクリルアミドブロックポリ{[2−(アクリロキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルサルフェート)の合成
ステージ1:モノブロックp(TMAEAMS)11000の合成
成分:エタノール30.0g。水130.0g。[2−(アクリロキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルサルフェート60.0g。商標「ザンテートA」1.145g。S28(NH420.250g。
手順:上記成分は機械攪拌器を備えた500ml重合容器中に導入される。ゴム製セプタムキャップで封じた後、内容物は乾燥窒素で60分間バブルされ、次に70℃迄加熱され、この温度で8時間維持される。少量のサンプルが取り出され転換を確認される。固体含有量は50%である。
【0082】
ステージ2:ジブロックコポリマーp(AM)30000−b−p(TMAEAMS)11000の合成
成分:エタノール12.0g。水46.0g。アクリルアミド165.0g。S28(NH420.250g。
手順:上記成分は乾燥フラスコ中へ導入され乾燥窒素で60分間バブルされる。次に、それらはダブルチップニードルによりステージ1の重合容器中へ移動される。供給物の導入完了後、反応混合物は70℃で更に14時間維持される。転換は固体含有量により確認される。固体含有量は50%である。
【0083】
実施例6(比較例)ジブロックコポリマーpBA3000−pAA12000の合成
(ポリブチルアクリレートブロックポリアクリル酸)
ステージ1:モノブロックp(BA)3000の合成
成分:エタノール32.00g。ブチルアクリレート30.00g。商標「ザンテートA」0.384g。AMBN0.263g。
手順:上記成分は、機械攪拌器を備えた500ml重合容器中に導入される。ゴム製セプタムキャップで封じた後、内容物は乾燥窒素で60分間バブルされ、次に70℃迄加熱され、この温度で8時間維持される.少量のサンプルが取り出され転換を確認される。固体含有量は50%である。
ステージ2:ジブロックコポリマーp(BA)3000−b−p(AA)12000の合成
成分:エタノール225.0g。アクリル酸120.0g。AMBN0.263g。
手順:上記成分は乾燥フラスコ中へ導入され乾燥窒素で60分間バブルされる。次にそれらはダブルチップニードルによりステージ1の重合容器中へ移動される。供給物の導入完了後、反応混合物は70℃で更に8時間に維持される。転換は固体含有量により確認される。固体含有量は50%である。
【0084】
実施例7:乳化剤試験
乳化剤(液体/液体界面)としてのジブロックコポリマーの性質を比較するために、垂滴法試験が行われた。それにより動的性質(kinetic)及び最終表面圧力を比較できる。この試験では、空気で満たされたシリンジがポリマー溶液で満たされたセル中に導入される(濃度0.1%〜10-6%)。シリンジを押して、新しい界面を水及び溶液間に形成する。バブルの形状は、表面張力及び流体密度に依存し、それらは公知である。CCDカメラ及びソフトウェアを使用して、界面保持時間に関する表面張力を検出できる。動的性質がよいほど、乳化剤は優れている。表面圧力が大きいほど、乳化剤は優れている。
2種のジブロックコポリマー、実施例6のpBA3000−b−pAA12000及び実施例2のpDEGA3000−b−PAA12000の動的性質及び表面圧力が比較された。
pDEGA3000−b−PAA12000コポリマーは、pBA3000−b−pAA12000よりも1000倍早い動的性質を有している。
pBA3000−b−pAA12000コポリマー溶液は、約25mN/mで平衡の表面圧力を有し、一方、pDEGA3000−b−PAA12000コポリマー溶液は約33mN/mで平衡の表面圧力を有し、それは、臨界ミセル濃度後の界面活性剤の表面圧力に相当する(例えばドデシル硫酸ナトリウム)。
【0085】
実施例8:疎水性表面上の吸着試験
疎水性モデル(ヘキサメチルジシラザンでシラン化されたケイ酸(silice)のシリコンウェハ1000Å)表面上の反射測定が行われる。疎水性表面はポリマー溶液が流れるセル中に浸される。表面上で反射されるレーザービームの偏光(polarization)の変化を利用して、表面上のポリマー吸着量を検知する。
吸着量及び吸着の動的性質を異なるジブロックコポリマーで測定する。
試験されたコポリマーは下記のとおり:
実施例6のpBA3000−b−pAA12000
実施例3の[p(DEGA)−s−p(BA)]3000−b−p(AA)12000
実施例2のpDEGA3000−b−PAA12000
【0086】
試験結果は下記のとおり:
実施例3の[p(DEGA)−s−p(BA)]3000−b−p(AA)12000及び実施例2のpDEGA3000−b−PAA12000は、実施例6のpBA3000−b−pAA12000よりも良い吸着量を有し、実施例3の[p(DEGA)−s−p(BA)]3000−b−p(AA)12000及び実施例2のpDEGA3000−b−PAA12000は、類似の吸着の動的性質を有し、実施例3の[p(DEGA)−s−p(BA)]3000−b−p(AA)12000は、pDEGA3000−b−PAA12000よりも高い吸着量に達する。
【0087】
実施例9:ヘアボリューム試験:
材料及び方法
中程度の茶色の細い髪の房6インチ長×1インチ幅×重量2gm。
15%(基準(basis)活性)商標「Rhodapon LSB」溶液(Rhodia社販売の界面活性剤)
5.0%ポリマー基準活性成分含有水性ポリマー試験溶液。
試験されたポリマー:
実施例5のp(nEGA)30000−b−p(TMAEAMS)11000
実施例4のp(AM)30000−b−p(TMAEAMS)11000(ポリアクリルアミドブロックポリ{[2−(アクリロキシ)エチル]トリメチルアンモニウム})。
商標「Image-pro」デジタル画像分析機。
ミノルタ社製商標「DiImage7i」高解像度デジタルカメラ。
21房がラベルされ7種の処理群に分割される(3房/処理群)。それぞれの髪の房は商標「Rhodapon LSB」の15%溶液中に10分間浸し、1分間機械攪拌されて予備洗浄される。その房は次に45分間水道の流水(25℃)で洗浄され、一晩室温で空気乾燥される。次に複数の基準高解像度カラー写真がそれぞれの房毎に写される。それぞれの画像は次に、基準ボリューム測定のためにデジタル画像分析機で処理される。基準測定に続いて、それぞれの房は流水下(40℃)で1分間湿潤される。0.2mlのそれぞれポリマー溶液は次に髪へ適用され1分間マッサージされ、次に1分間水道水の流水(40℃)下で洗浄される。次に房は一晩室温で空気乾燥され、後処理のデジタル画像の第二のセットが写され分析される。
【0088】
予備処理及び処理後の画像は、次に商標「Image-pro」デジタル画像分析機により分析される。このソフトウェアは、房の正面画像の表面に対応する面積及び房の横画像の厚みに対応する直径を計算する。これら2パラメーターを使用して、ボリューム値が決定される。ボリュームの増加は後処理された房及び予備処理された房のボリュームの値の違いにより決定される。
【0089】
結果
この試験は実施例4のp(nEGA)30000−b−p(TMAEAMS)11000は、実施例5のp(AM)30000−b−p(TMAEAMS)11000(+0.1%ボリューム)よりもより良いボリューム増加(+9.4%ボリューム)を起こすことを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる組成を有する少なくとも2の部分、親水性部又は疎水性部である部分A及び下式のモノマーBに由来するユニットを含有する部分B、を含有する制御された構造を有するコポリマー:
CH2=CR1CO−[O−(CH2p−]nOR2又はCH2=CR1CO−[O−CH2-a(CH3a−CH2-b(CH3b−]nOR2
但し:
1は水素又はメチル基であり、
pは同一又は異なり、2又は3であり、
aは同一又は異なり、0又は1であり、
bは同一又は異なり、0又は1であり、
a+b=0又は1であり、
p=2+a+bであり、
nは1以上である平均数であり、
2はアルキル基である。
【請求項2】
下記構造のいずれか1種を有する請求項1のコポリマー:
少なくとも2のブロック、即ち1のブロックである部分A(但し、部分Aは任意で組成勾配を有する)、別のブロックである部分Bを有するブロックコポリマー、
主鎖及び側鎖を有し、主鎖である部分A及び側鎖である部分B、若しくは主鎖である部分B及び側鎖である部分Aを有する、櫛型コポリマー若しくはグラフト化コポリマー、又は
ポリマー性コア若しくは非ポリマー性コア及び外側ポリマー性鎖を含有し、1の部分A若しくはBはコアであり、残りの部分は外側ポリマー性鎖である、星形コポリマー、ミクロゲルコポリマー又はゲル化ミセルコポリマー。
【請求項3】
(ブロックA)−(ブロックB)ジブロックコポリマー、(ブロックA)−(ブロックB)−(ブロックA)トリブロックコポリマー、又は(ブロックB)−(ブロックA)−(ブロックB)トリブロックコポリマーである請求項1又は2のコポリマー。
【請求項4】
部分Aは親水性部であり、部分Bは疎水性部である請求項1〜3いずれか1項記載のコポリマー。
【請求項5】
pは2であり、nは2以上であり、R2はメチル基又はエチル基である請求項1〜4いずれか1項記載のコポリマー。
【請求項6】
部分Aは親水性部であり、部分Bは疎水性部であり、モノマーBはジエチレングリコールエチルエーテルアクリレート又はジエチレングリコールエチルエーテルメタクリレートである請求項1記載のコポリマー。
【請求項7】
モノマーBは非エチレングリコールメチルエーテルアクリレート又は非エチレングリコールメチルエーテルメタクリレートである請求項1〜3及び5いずれか1項記載のコポリマー。
【請求項8】
部分Aはモノ−α−エチレン性不飽和モノマー由来のユニットを含有する請求項1〜7いずれか1項記載のコポリマー。
【請求項9】
ブロックBは、更に疎水性又は親水性モノマー由来のユニットを含有する請求項1〜8いずれか1項記載のコポリマー。
【請求項10】
疎水性モノマーは下記群から選ばれる請求項1〜9いずれか1項記載のコポリマー:
α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のアルキルエステル、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のアルキルエステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、及び2−エチル−ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、
ビニルベルサテート(Versatate、商標、シェル社製)、
アクリロニトリル、
3〜12炭素原子を含有するビニルニトリル、
ビニルアミンアミド、並びに
ビニル芳香族化合物、例えばスチレン。
【請求項11】
部分Aは中性、アニオン性又はカチオン性部分である請求項1〜10いずれか1項記載のブロックコポリマー。
【請求項12】
部分Aは下記群から選ばれるモノマー由来のユニットを含有する請求項1〜11いずれか1項記載のブロックコポリマー。:
エチレンオキシド、
ビニルアルコール、
ビニルピロリドン、
アクリルアミド、メタクリルアミド、
ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート(例えばポリエトキシル化(メタ)アクリル酸)、
α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、並びに
α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルアミド、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノカルボン酸のヒドロキシアルキルアミド、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジターシャリー(ditertio)ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;
エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン;
トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロライド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミド(いわゆる2−(アクリロキシ)エチルトリメチルアンモニウム、TMAEAMS)クロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート(いわゆる2−(アクリロキシ)エチルトリメチルアンモニウム、TMAEAMS)メチルサルフェート、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロライド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、
ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、
リン酸基又はホスホン酸基を有する、α−エチレン性不飽和モノマー、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノマー、
α−エチレン性不飽和モノカルボン酸、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和モノカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸
α−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、
α−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、
α−エチレン性不飽和のスルホン酸基含有化合物、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和のスルホン酸基含有化合物、及びα−エチレン性不飽和のスルホン酸基含有化合物の塩、好ましくはモノ−α−エチレン性不飽和のスルホン酸基含有化合物の塩;例えばビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸の塩、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の塩、2−スルホエチルメタクリレート、2−スルホエチルメタクリレートの塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の塩、並びにスチレンスルホネート(SS)、
下式のモノマー:
【化1】

但し、
1は水素原子又はメチル若しくはエチル基であり;
2、R3、R4、R5及びR6は同一又は異なり、直鎖状又は分岐状C1〜C6、好ましくはC1〜C4のアルキル、ヒドロキシアルキル又はアミノアルキル基であり;
mは1〜10の整数、例えば1であり;
nは1〜6の整数、好ましくは2〜4であり;
Zは−C(O)O−若しくは−C(O)NH−基又は酸素原子を表し;
Aは(CH2p基を表し、pは1〜6、好ましくは2〜4の整数であり;
Bは直鎖状又は分岐状C2〜C12、好ましくはC3〜C6を表し、ポリメチレン鎖には任意で1以上のヘテロ原子又はヘテロ基、特にO又はNHが挿入され、任意で1以上のヒドロキシル又はアミノ基、好ましくはヒドロキシル基により置換されてもよく;
Xは、同一又は異なり、対イオンを表し、並びに
その混合物、及びそれらに由来するマクロモノマー。
【請求項13】
水溶性である請求項1〜12いずれか1項記載のコポリマー。
【請求項14】
部分B及び部分Aの重量比は1/1を超える請求項1〜13いずれか1項記載のコポリマー。
【請求項15】
部分B及び部分Aの重量比は1/1以下である請求項1〜13いずれか1項記載のコポリマー。
【請求項16】
医薬的配合物、ホームケア配合物、個人ケア用配合物、農業用配合物、又は工業的組成物に含有される請求項1〜15いずれか1項記載のコポリマー。
【請求項17】
乳化剤又は共乳化剤として、固体粒子の分散剤として、表面処理剤として、又は、コポリマーが部分Aは親水性ブロックであり部分Bは疎水性ブロックであるブロックコポリマーである場合、ベシクル又はカプセルの膜又はシェルとして、又はそれらの一部としての、請求項1〜15いずれか1項記載のコポリマーの使用。

【公表番号】特表2007−504311(P2007−504311A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525102(P2006−525102)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009777
【国際公開番号】WO2005/021612
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(502352782)ローディア,インコーポレイテッド (1)
【出願人】(501328843)
【Fターム(参考)】