説明

新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器及びその製造方法

本発明は、新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された節水形便器及びその製造方法に関する。この便器は、無機充填材を含む新規な熱可塑性樹脂複合材料を用いて、射出成形技術で製造されており、便器本体、タンク、ウォッシュパイプ及びサイフォンパイプを備える。便器本体はその下部に排水口、排水口の側壁にウォッシュパイプの出口が配置されている。タンクの底部にハウジング、タンクから遠い側にハウジングの主管路口とウォッシュパイプ管路の入口が配置されていて、上記ハウジングと便器本体が主管路口を通じで連通されている。サイフォンの上流部に便器の排水口と連通されている水の入口が設置されている。本発明は便器の製造方法も含み、その原料は十分に自然に存在し、取得しやすく、操作も簡易であり、生産性が高く、省エネルギーで、環境にやさしく、又、便器が精緻で美しく、物理性能と耐汚性能が良好であり、節水効果が顕著(強ウォッシュの場合3L、弱ウォッシュの場合2L)であり、順調に水洗できる便器の製造方法を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衛生器具に関するものであり、具体的に、2L/3Lの新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器及びその製造方法に関するものである。この便器は節水効果が顕著である。
【背景技術】
【0002】
従来、市販の便器は主にセラミック製のものであり、即ち陶土で焼かれたものである。先ず陶土を便器の形にしてから焼き、成形した後表面に釉薬を塗って焼結する。焼成の過程に多量の石炭及び天然ガスが使われ、同時に大量の二酸化炭素が排出し、大量のエネルギーを消耗し、空気を汚染する結果となっている。また、焼成の過程で、温度のバラツキにより、完成品にひび割れとひずみが生じ、大量な不良品と廃棄品ができ、廃棄物が多く発生し、エネルギーの消耗も多く、二次汚染を形成し、コストが上がってしまう。また、セラミック製品は焼成の過程でひずみができ易いので、ウォッシュパイプの内径にはバラツキが生じ、内壁表面の滑らかさがなくなり、ウォッシュ(水洗)があまり順調にできず、無駄な水を使うし詰まり易くもなる。また、通常のセラミック製のものは厚いので、決まった大きさの便器よりハウジングの内径が割と小さいので、これも詰まり易い原因である。更に、陶土資源がだんだん乏しくなり、資源がなくなると、陶土での衛生用具製品の生産が不可能になり、持続可能な発展を図れない。
【0003】
市販している他の複合材料の便器は、例えばアクリル製の便器は、耐衝撃性能も強さも十分ではなく、耐汚性能があまり望ましくなく、実用性が悪く、且つ質感がなく、外観の良さもなく、高いレベルものとは言えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器を提供することを目的とする。この便器はウォッシュパイプ内壁表面が滑らかで、内径が均一であり、且つ同じサイズの便器と比べ、内径が更に大きくなり、ウォッシュが順調に行われる。この便器は、効果的にサイフォン原理を利用し、更に節水形で、詰まり難く、且つ、無機充填材と熱可塑性樹脂材料を含む複合材料を原料として使って、射出成形で作られ、セラミックの質感があると同時に重さが軽く、耐汚性能が強く、実用的であり、外観の良さもよく、高いレベルものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的に達するように、本発明は、無機充填材を含む新規な熱可塑性樹脂複合材料を用いて、射出成形技術で製造され、(A)便器本体を有し、便器本体の下に排水口が配置されて、排水口の側壁にウォッシュパイプの出口が配置されており、(B)タンクが設けられ、タンクの底部にハウジングが配置され、タンクから遠い側にハウジングの主管路口とウォッシュパイプ管路の入口が配置されていて、上記ハウジングと(A)便器本体が主管路口を通じて連通されており、(C)ウォッシュパイプ及びサイフォンを有し、ウォッシュパイプの両端がそれぞれウォッシュパイプ入口とウォッシュパイプ出口(12)を連接しており、サイフォンの最高点が便器の排水口より高く、サイフォンの上流部に便器の排水口と連通されている水の入口が設置されており、下流部には排水管と連接されていることを特徴とする新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器を提供する。
【0006】
組立式節水形便器は新規な熱可塑性樹脂複合材料から作られ、前記新規な熱可塑性樹脂複合材料は、下記の原料(重量%で計算)を含む。
【表1】

上記無機充填材はステアリン酸で改質処理されたものである。
【0007】
上述の新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器に関し、前記の改質処理とは、ステアリン酸を1〜5%重量%、充填材を95〜99%、高速ミキサーで温度90〜100℃で、15〜30分間十分混合、衝突するよう攪拌するものである。
【0008】
珪灰石、炭酸カルシウム、または炭酸カルシウムと珪灰石との混合物を無機充填材にする新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器である。
【0009】
サイフォン及びウォッシュパイプの内壁が研磨され、吹き塗り作業が行われて、内壁表面が滑らかである新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器である。
【0010】
サイフォンが不規則的な深い逆U字形である新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器である。この造形によって、このサイフォンの力が強くなり、便器の洗浄能力を向上させる。
【0011】
便器は、便器本体、タンク、ウォッシュパイプ及びサイフォンから組み立てられるものであり、分解、洗浄または修理に便利である新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器である。これに対し、セラミック便器は焼成により一体成形されるものであるので、洗浄も修理も困難となる。
【0012】
水漏れを避けるように、便器の全ての連接部が密封リングで密封される新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器である。
【0013】
本発明が提供した便器は熱可塑性樹脂を含む新しい複合材料で作られるものである。この複合材料は天然鉱石粉などの無機充填材及び熱可塑性重合物を使い、原料が十分自然にあり、取得しやすく、持続可能な発展ができるものである。この複合材料は射出成形機で射出成形され、エネルギーの消耗が少なく、完成品合格率が高い。且つ、この複合材料による完成品は、同等の強さのあるセラミック製品と比べ、壁が薄いので、内径の大きなウォッシュパイプ及びサイフォンの製作ができ、使用される場合は、短い時間で、更にサイフォンの効果が発揮でき、有効な節水の目的を達することができる。
【0014】
本発明は下記のステップを含む新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器の製造方法も提供するものである。
ステップ1)複合材料粒子の製造:先ず、配合成分であるポリプロピレン、無水マレイン酸改質ポリプロピレン、二酸化チタン、充填材及び酸化防止剤を攪拌ミキサーに入れ、十分に混合し、ツインスクリュー押出機のホッパーに入れ、加熱成形した後、押出機で押し出し、条状複合材料を得て、その後複合材料の温度を降下させて、温度が降下された条状複合材料を造粒機に入れ、顆粒状に加工し、最後にオーブンに入れて加熱乾燥して複合材料の粒子を得る。
ステップ2)射出成形、便器の各部品の製造:前記の乾燥された複合材料の粒子を射出成形機のバレルに入れて、加熱して複合材料の粒子を溶融させ、射出成形機でバレルの中の複合材料をそれぞれ便器本体、タンク、ウォッシュパイプ及びサイフォンのダイス金型に射出し、5〜10℃の冷却水をダイス金型の冷却回路に注入し、完成品を冷却定型させた後、金型を開けて、成形した部品を取り出す。
ステップ3)各部品を連接し、前記の便器を得る:ウォッシュパイプの入口及び出口を連接し、サイフォンの上部を便器の排水口と連接し、それぞれ連接部を密封リングで密封し、水が漏れないようにする。
【0015】
前記のステップ3は各部品を連接する前にウォッシュパイプ及びサイフォンの内壁を研磨、吹付け塗り作業を行うことも含む、新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器の製造方法である。
【発明の効果】
【0016】
セラミック製便器と比べ、本発明による新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器はウォッシュの過程中に詰まり難く、また完成品のひずみ度が大きく制御されている。本発明による便器は射出成形技術で製造される。完成品の平坦度を向上するため、先ず完成品用のダイス金型を研磨する作業を行って、組立前にもう一度管路内部を吹付け塗りすることで、管路内部の平坦度が極めて高くなった。しかし、セラミック製のものでは、生産過程でサイフォンが泥漿の片面吸着により形成されるので、管路の内部の平坦度を制御し難く、たとえ管路内部に釉薬の注入が行われる一部高級品のセラミック製品においても、管路内部の不均一な釉薬付けなどが原因で、焼成の過程中に最終製品の管路内部が平坦でなくなることもある。射出系製品のひずみ度はセラミック系より相当に小さく、例えば、長さ80cmの複合材料製品について、公差を±0.5mm以内に制御することは容易であるが、セラミック製の場合、同じ長さで公差を±1.5mm以内に制御することは難しい。本発明の新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された便器はひずみ度でも公差でもセラミック便器よりはるかに小さい。
【0017】
本発明で提供した新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器は射出成形の方法を採用するので、原料が十分であり、取得しやすく、操作が簡易であり、生産性が高く、省エネルギーで、環境にやさしく、持続可能な発展を実現できるものである。この方法で製造する便器はウォッシュ量が強ウォッシュ3L、弱ウォッシュ2Lに制御されるので、市場で流行している強ウォッシュ4.8Lのものより1.8L節約でき、国家規格の6Lより3L節約でき、節水効果が顕著である。この便器は耐衝撃能力及び強さなどの機械強度がセラミック製のものと相当し、耐汚性能がよく、ウォッシュが順調に行われ、詰まり難く、且つ外観が精緻で美しく、高品質である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に図面と実施例を挙げて、本発明の技術内容をより詳細に説明する。
【0020】
図1のように、本発明が提供する便器は便器本体10、タンク20、ウォッシュパイプ30及びサイフォン40を含むものである。
【0021】
便器本体10の下部に便器の排水口11があり、また排水口11の側壁(図1の排水口11の左側)にウォッシュパイプ出口12が設置されている。
【0022】
タンク20の底部に便器本体10と連通するハウジング21があり、ハウジング21がタンク20と一体になり、タンク20の出口端から離れた場所にそれぞれ主管路口211とウォッシュパイプ入口212が設置されていて、この主管路口211が便器本体10とハウジング21を連通している。
【0023】
ウォッシュパイプ30の両端がそれぞれウォッシュパイプ入口212及びウォッシュパイプ出口12に連接されている。
【0024】
このウォッシュパイプ入口212はウォッシュパイプ30によって便器の排水口11側壁にあるウォッシュパイプ出口12と連通し、これによってサイフォン40と連通ができる。ウォッシュパイプ30の内壁表面は研磨され、吹付け塗り作業が行われ、滑らかである。ウォッシュパイプ30はウォッシュパイプ入口212とウォッシュパイプ出口12をフランジで連接し、その連接部が密封リングで密封される。
【0025】
このサイフォン40は不規則な深い逆U字形をしており、最高点が便器の排水口11より高く、上流部には便器の排水口11とフランジで連接し、密封リングで密封される水の入口41があり、下流部では下水管(図に示さず)と連接されている。このサイフォン40は内壁表面が研磨され、吹付け塗り作業が行われているので、滑らかである。
【0026】
本発明の便器はフランジまたは他の連接部品により便器本体10、タンク20、ウォッシュパイプ30及びサイフォン40を連接し、組み立てたものであり、密封リングで密封され、水が完全に漏れることなく、分解でき、洗浄または修理に際し便利である。一方、セラミック便器は焼成で一体成形したものであり、分解し難く、洗浄にも、修理にも便利ではない。
【0027】
以下、本発明の新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された組立式節水形便器の製造方法について説明する。
【0028】
下記の実施例で、前記の炭酸カルシウムと珪灰石は改質処理されたものである。即ち、高速ミキサーでステアリン酸1.5重量%(C1632、融点69.6℃)と炭酸カルシウム又は珪灰石98.5重量%を入れ、高速混合前処理を行う。高速ミキサーの中に、90〜100℃で加熱し、ステアリン酸を熔解し、炭酸カルシウムまたは珪灰石と十分に接触、衝突させる。15〜30分後、攪拌混合を停止し、改質処理作業が完成される。改質された炭酸カルシウムと珪灰石はポリプロピレンとの混合が十分にでき、材料との間の相溶性を大いに向上させると同時に、炭酸カルシウム又は珪灰石表面の油吸収性を低下させ、大幅に炭酸カルシウム又は珪灰石の添加比率を高め、改質された非金属熱可塑性複合材料が高充填の長所を持つようにしている。改質された非金属材料は相溶性と高充填性が良好であり、前記の改質された非金属複合材料で製造した衛生製品は良好な剛性、高強度及び耐腐食の特性を持ち、且つ天然石材的質感がある。
【実施例】
【0029】
実施例1
【表2】

【0030】
ステップ1)複合材料粒子の製造:前記の配合成分による原料を攪拌ミキサーに入れ、均一に混合、混合された原料を供給口とバイパス供給口から定量でツインスクリュー押出機のホッパーに入れ、加熱成形した後、押出機の型口から押し出し、条状複合材料を得た、この条状複合材料を水槽に置いて室温まで温度を降下させ、その後造粒機に入れて顆粒状の複合材料の粒子を加工し、最後に100〜120℃のオーブンに入れ加熱乾燥、水分を除去する。
ステップ2)射出成形、便器の各部品の製造:乾燥された複合材料の粒子を射出成形機のバレルに入れて、加熱して複合材料の粒子を溶融させ、その後、射出成形機のコンピューター・コントロール・プログラムに単一製品の使用量を入力し、射出ボタンONを押し、射出スクリューの力で、バレル中の複合材料をダイス金型に押出した。使用した射出成形機はピストン形のバレルであり、高圧で複合材料をそれぞれ便器の部品(即ち便器本体、タンク、ウォッシュパイプ及びサイフォン)のダイス金型に注入し、5〜10℃の冷却水をダイス金型の冷却回路に注入し、製品を冷却定型させた後、金型を開け、取出し機械アームで成形した部品を取り出す。
ステップ3)各部品を連接、便器を取得:ウォッシュパイプはフランジでウォッシュパイプの入口及び出口を連接し、サイフォンの上部をフランジで便器の排水口と連接し、密封リングで密封し、水が漏れないようにする。
【0031】
本実施例1のようにして得られた便器の外観は大理石のような質感があり、たたくと天然石材のような硬さと厚み感がある。テスト結果の詳細は表1〜3の通りである。
【0032】
実施例2
【表3】

【0033】
実施例1の方法で便器の各部品を得て、更に便器の順調なウォッシュを保証するように、各部品を連接する前にウォッシュパイプ及びサイフォンの内壁表面に関する研磨と吹付け塗り作業を行い、内壁表面を滑らかにした。実施例1の方法で各部品を連接し、便器を得た。
【0034】
本実施例2のようにして得られた便器の外観は大理石のような質感があり、たたくと天然石材のような硬さと厚み感がある。テスト結果の詳細は表1〜3の通りである。
【0035】
実施例3
【表4】

【0036】
実施例1の方法で便器の各部品を得て、更に便器の順調なウォッシュを保証するように、各部品を連接する前にウォッシュパイプ及びサイフォンの内壁表面に関する研磨と吹付け塗り作業を行い、内壁表面を滑らかにした。実施例1の方法で各部品を連接し、便器を得た。
【0037】
本実施例3のようにして得られた便器の外観は大理石のような質感があり、たたくと天然石材のような硬さと厚み感がある。テスト結果の詳細は表1〜3の通りである。
【0038】
実施例4
【表5】

【0039】
実施例1の方法で便器の各部品を得て、更に便器の順調なウォッシュを保証するように、各部品を連接する前にウォッシュパイプ及びサイフォンの内壁表面に関する研磨と吹付け塗り作業を行い、内壁表面を滑らかにした。実施例1の方法で各部品を連接し、便器を得た。
【0040】
本実施例4のようにして得られた便器の外観は大理石のような質感があり、たたくと天然石材のような硬さと厚み感がある。テスト結果の詳細は表1〜3の通りである。
【0041】
【表6】

【0042】
【表7】

【0043】
【表8】

【0044】
上記表1〜3のテスト結果より、本発明の便器は上品であり、美しく、滑らかであり、物理性能、防水性能、耐衝撃性能及び耐摩耗性が良好であり、表面がツルツルで、汚物が堆積せず、硬度が高く、且つウォッシュと汚物除去機能が強く、節水効果が顕著である。
【0045】
繰り返した試験の結果から、本発明の便器のウォッシュ量を強ウォッシュ3L、弱ウォッシュ2Lであることを決定した。市場で流行している4.8Lウォッシュより1.8L減り、国家規格値の6Lウォッシュより3L削減され、3人家庭で1人あたり毎日6回利用するとして計算すると、本発明の製品は4.8Lの便器より年間約1.2万Lの水を、国家規格値の6Lウォッシュ便器より年間約2万Lの水を削減できる。
【0046】
本発明は前記の実施例により詳細に説明したが、前記の説明は本発明を限定するものではない。この分野の当業者が前記の説明を読んで後、本発明に対する様々な改訂と代替が可能である。よって、本発明の権利範囲は請求項により限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機充填材を含む新規な熱可塑性樹脂複合材料を用いて、射出成形技術で製造され、
便器本体(10)、便器本体(10)の下に配置された排水口(11)、および前記本体の排水口(11)の側壁に配置されたウォッシュパイプの出口(12);
タンク(20)、タンク(20)の底部に配置されタンク(20)と一体化されて連通するハウジング(21)、前記タンクから遠い側のハウジングに配置された主管路口(211)及びウォッシュパイプ管路の入口(212)、前記ハウジング(21)は便器本体(10)と主管路口(211)を通じて連通されている;
ウォッシュパイプ(30)であって、その両端がそれぞれウォッシュパイプ入口(212)及びウォッシュパイプ出口(12)と連接している;
サイフォン(40)であって、その最高点が便器の排水口(11)より高く、サイフォン(40)の上流部に便器の排水口(11)と連通されている水の入口(41)が設置されており、下流部には排水管と連接されている;
を含む新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された節水形便器。
【請求項2】
前記の熱可塑性樹脂材料を含む複合材料は下記の原料を含むことを特徴とする請求項1に記載の新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された節水形便器:
具体的な配合成分を下表に示す:
【表1】

前記の無機充填材はステアリン酸で改質処理されたものである。
【請求項3】
前記の改質処理とは、ステアリン酸を1〜5%重量%、充填材を95〜99%、高速ミキサーで温度90〜100℃、15〜30分で十分混合、衝突するよう攪拌することを特徴とする請求項2に記載の新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された節水形便器。
【請求項4】
珪灰石、炭酸カルシウム、または炭酸カルシウムと珪灰石との混合物を前記の無機充填材にすることを特徴とする請求項2に記載の新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された節水形便器。
【請求項5】
前記のサイフォン(40)及びウォッシュパイプ(30)の内壁が研磨され、吹き塗りが行われて、内壁表面が滑らかであることを特徴とする請求項1に記載の新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された節水形便器。
【請求項6】
前記のサイフォン(40)が不規則的な深い逆U字形であることを特徴とする請求項1に記載の新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された節水形便器。
【請求項7】
前記の便器が便器本体(10)、タンク(20)、ウォッシュパイプ(30)及びサイフォン(40)から組み立てられるものであり、分解、洗浄または修理に便利であることを特徴とする請求項1に記載の新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された節水形便器。
【請求項8】
前記の便器の全ての連接部が密封リングで密封されることを特徴とする請求項7に記載の新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された節水形便器。
【請求項9】
下記のステップを含む請求項2に記載の新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された節水形便器の製造方法。
ステップ1)複合材料粒子の製造:先ず、配合成分によるポリプロピレン、無水マレイン酸改質ポリプロピレン、二酸化チタン、充填材及び酸化防止剤を攪拌ミキサーに入れ、十分に混合、ツインスクリュー押出機のホッパーに入れ、加熱成形した後、押出機で押し出し、条状複合材料を得る。その後、複合材料の温度を降下させて、温度が降下された条状複合材料を造粒機に入れ、顆粒状に加工し、最後にオーブンに入れて加熱乾燥して複合材料の粒子を得る。
ステップ2)射出成形、便器の各部品の製造:前記の乾燥された複合材料の粒子を射出成形機のバレルに入れ、加熱した複合材料の粒子を溶融させ、射出成形機でバレルの中の複合材料をそれぞれ便器本体、タンク、ウォッシュパイプ及びサイフォンのダイス金型に射出し、5〜10℃の冷却水をダイス金型の冷却回路に注入し、完成品を冷却定型させた後、金型を開けて、成形した部品を取り出す。
ステップ3)各部品を連接し、前記の便器を得る:ウォッシュパイプの入口と出口を連接し、サイフォンの上部を便器の排水口と連接し、それぞれの連接部を密封リングで密封し、水が漏れないようにする。
【請求項10】
前記のステップ3は各部品を連接する前にウォッシュパイプ及びサイフォンの内壁を研磨、吹付け塗り作業も含むことを特徴とする請求項9に記載の新規な熱可塑性樹脂複合材料で形成された節水形便器の製造方法。

【図1】
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【公表番号】特表2013−519015(P2013−519015A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−509429(P2013−509429)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【国際出願番号】PCT/CN2011/000903
【国際公開番号】WO2012/139259
【国際公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【出願人】(510112752)シャンハイ ヒューダ インベストメント アンド ディベロップメント カンパニー リミテッド (3)
【出願人】(511025938)チンハイシーワン ハイ−テクアンドマテリアル カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】