説明

新規置換突然変異体受容体および核受容体−ベースの誘導性遺伝子発現システムにおけるその使用

【課題】置換突然変異を含む新規核受容体及び核受容体−ベースの誘導性遺伝子発現システムにおけるその使用ならびにこの誘導性遺伝子発現システムを用いて宿主細胞内で遺伝子の発現を変調する方法の提供。
【解決手段】新規な置換突然変異体レポーターおよびグループH核受容体−ベースの誘導性遺伝子発現システムにおけるその使用、ならびに遺伝子治療、蛋白質および抗体の大規模生産、細胞−ベースの高スループットスクリーニングアッセイ、機能的ゲノミクスおよびトランスジェニック生物における特性の調節の適用。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)トランス活性化ドメイン;
ii)その発現を変調すべき遺伝子と関連した応答エレメントを認識するDNA−結合ドメイン;および
iii)置換突然変異を含むグループH核受容体リガンド結合ドメイン
を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む、宿主細胞中で発現させることができる遺伝子発現カセットを含む遺伝子発現変調システム。
【請求項2】
さらに、脊椎動物レチノイドX受容体リガンド結合ドメイン、無脊椎動物レチノイドX受容体リガンド結合ドメイン、ウルトラスピラクル蛋白質リガンド結合ドメイン、および2つのポリペプチド断片(ここで、第1のポリペプチド断片は脊椎動物レチノイドX受容体リガンド結合ドメイン、無脊椎動物レチノイドX受容体リガンド結合ドメイン、またはウルトラスピラクル蛋白質リガンド結合ドメインからのものであり、第2のポリペプチド断片は異なる脊椎動物レチノイドX受容体リガンド結合ドメイン、無脊椎動物レチノイドX受容体リガンド結合ドメイン、またはウルトラスピラクル蛋白質リガンド結合ドメインからのものである)を含むキメラリガンド結合ドメインよりなる群から選択される第2の核受容体リガンド結合ドメインを含む請求項1に記載の遺伝子発現変調システム。
【請求項3】
a)i)その発現を変調すべき遺伝子と関連した応答エレメントを認識するDNA−結合ドメイン;および
ii)核受容体リガンド結合ドメイン
を含む第1のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む、宿主細胞中で発現させることができる第1の遺伝子発現カセット:および
b)i)トランス活性化ドメイン;および
ii)核受容体リガンド結合ドメイン
を含む第2のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む、宿主細胞中で発現させることができる第2の遺伝子発現カセット
を含み、核受容体リガンド結合ドメインのうちの1つは、置換突然変異を含むグループH核受容体リガンド結合ドメインであることを特徴とする遺伝子発現変調システム。
【請求項4】
該グループH核受容体リガンド結合ドメインがエクジソン受容体、ユビキタス受容体、オーファン受容体1、NER−1、ステロイドホルモン核受容体1、レチノイドX受容体相互作用蛋白質−15、肝臓X受容体β、ステロイドホルモン受容体様蛋白質、肝臓X受容体、肝臓X受容体α、ファルネソイドX受容体、受容体相互作用蛋白質14、およびファルネゾール受容体よりなる群から選択されるグループH核受容体からのものである請求項1または3に記載の遺伝子発現変調システム。
【請求項5】
該グループH核受容体リガンド結合ドメインが、アミノ酸残基の置換をもたらすコドン突然変異を含むポリヌクレオチドによってコードされ、該アミノ酸残基はa)配列番号:1のアミノ酸残基20、21、48、51、52、55、58、59、61、62、92、93、95、96、107、109、110、120、123、125、175、218、219、223、230、234または238、b)配列番号:1のアミノ酸残基95および110、c)配列番号:1のアミノ酸残基218および219、d)配列番号:1のアミノ酸残基107および175、e)配列番号:1のアミノ酸残基127および175、f)配列番号:1のアミノ酸残基107および127、g)アミノ酸残基107、127および175、h)配列番号:1のアミノ酸残基52、107および175、i)配列番号:1のアミノ酸残基96、107および175、j)配列番号:1のアミノ酸残基107、110および175、k)配列番号:2のアミノ酸残基107、121、213または217、あるいはl)配列番号:3のアミノ酸残基91もしくは105、と同等または類似の位置におけるものである請求項4に記載の遺伝子発現変調システム。
【請求項6】
置換突然変異を含むグループH核受容体リガンド結合ドメインがエクジソン受容体リガンド結合ドメインである請求項5に記載の遺伝子発現変調システム。
【請求項7】
置換突然変異がa)配列番号:1のE20A、Q21A、F48A、I51A、T52A、T52V、T52I、T52L、T55A、T58A、V59A、L61A、I62A、M92A、M93A、R95A、V96A、V96T、V96D、V96M、V107I、F109A、A110P、A110S、A110M、A110L、Y120A、A123F、M125A、R175E、M218A、C219A、L223A、L230A、L234A、W238A、R95A/A110P、M218A/C219A、V107I/R175E、Y127E/R175E、V107I/Y127E、V107I/Y127E/R175E、T52V/V107I/R175E、V96A/V107I/R175E、T52A/V107I/R175E、V96T/V107I/R175EまたはV107I/A110P/R175E置換突然変異、b)配列番号:2のA107P、G121R、G121L、N213A、C217AまたはC217S置換突然変異、およびc)配列番号:3のG91AまたはA105P置換突然変異よりなる群から選択される請求項6に記載の遺伝子発現変調システム。
【請求項8】
該DNA−結合ドメインがエクジソン受容体DNA−結合ドメイン、GAL4 DNA−結合ドメイン、およびLexA DNA−結合ドメインよりなる群から選択される請求項1または3に記載の遺伝子発現変調システム。
【請求項9】
トランス活性化ドメインがエクジソン受容体トランス活性化ドメイン、VP16トランス活性化ドメイン、B42酸性アクチベータトランス活性化ドメイン、およびp65トランス活性化ドメインよりなる群から選択される請求項1または3に記載の遺伝子発現変調システム。
【請求項10】
a)トランス活性化ドメイン、DNA−結合ドメイン、および置換突然変異を含むグループH核受容体リガンド結合ドメインを含むポリペプチド、
b)DNA−結合ドメイン、および置換突然変異を含むグループH核受容体リガンド結合ドメインを含むポリペプチド、および
c)トランス活性化ドメイン、および置換突然変異を含むグループH核受容体リガンド結合ドメインを含むポリペプチド
よりなる群から選択されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む遺伝子発現カセット。
【請求項11】
置換突然変異を含むグループH核受容体リガンド結合ドメインをコードする単離されたポリヌクレオチドであって、a)配列番号:1のアミノ酸残基20、21、48、51、52、55、58、59、61、62、92、93、95、96、107、109、110、120、123、125、175、218、219、223、230、234または238、b)配列番号:1のアミノ酸残基95および110、c)配列番号:1のアミノ酸残基218および219、d)配列番号:1のアミノ酸残基107および175、e)配列番号:1のアミノ酸残基127および175、f)配列番号:1のアミノ酸残基107および127、g)配列番号:1のアミノ酸残基107、127および175、h)配列番号:1のアミノ酸残基52、107および175、i)配列番号:1のアミノ酸残基96、107および175、j)配列番号:1のアミノ酸残基107、110および175、k)配列番号;2のアミノ酸残基107、121、213または217、あるいはl)配列番号:3のアミノ酸残基91もしくは105、と同等または類似の位置におけるアミノ酸残基の置換をもたらすコドン突然変異を含む単離されたポリヌクレオチド。
【請求項12】
該コドン突然変異がa)配列番号:1のE20A、Q21A、F48A、I51A、T52A、T52V、T52I、T52L、T55A、T58A、V59A、L61A、I62A、M92A、M93A、R95A、V96A、V96T、V96D、V96M、V107I、F109A、A110P、A110S、A110M、A110L、Y120A、A123F、M125A、R175E、M218A、C219A、L223A、L230A、L234A、W238A、R95A/A110P、M218A/C219A、V107I/R175E、Y127E/R175E、V107I/Y127E、V107I/Y127E/R175E、T52V/V107I/R175E、V96A/V107I/R175E、T52A/V107I/R175E、V96T/V107I/R175EまたはV107I/A110P/R175E置換突然変異、b)配列番号:2のA107P、G121R、G121L、N213A、C217AまたはC217S置換突然変異、およびc)配列番号:3のG91AまたはA105P置換突然変異よりなる群から選択される置換突然変異をもたらす請求項11に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項13】
置換突然変異を含むエクジソン受容体リガンド結合ドメインをコードする単離されたポリヌクレオチドであって、該エクジソン受容体リガンド結合ドメインがエクジソン結合活性を欠き、置換突然変異がa)配列番号:1のアミノ酸58または110、b)配列番号;1のアミノ酸107、110および175、c)配列番号:2の107、またはd)配列番号:3の105、と同等または類似のアミノ酸位置におけるものである単離されたポリヌクレオチド。
【請求項14】
置換突然変異がa)配列番号:1のT58A、A110P、A110L、A110S、A110MまたはV107I/A110P/R175E、b)配列番号:2のA107P、およびc)配列番号:3のA105Pよりなる群から選択される請求項13に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項15】
置換突然変異を含むエクジソン受容体リガンド結合ドメインをコードする単離されたポリヌクレオチドであって、エクジソン受容体リガンド結合ドメインがステロイド結合活性を欠き、さらにエクジソン受容体リガンド結合ドメインをコードするポリヌクレオチドが、少なくとも37℃における500mM未満の塩でのハイブリダイゼーション工程、および少なくとも63℃における2×SSPEでの洗浄工程を含むハイブリダイゼーション条件下で、a)配列番号:1のT58A、A110P、A110L、A110S、A110MまたはV107I/A110P/R175E置換突然変異、b)配列番号:2のA107P、G121R、G121L、N213A、C217AまたはC217S置換突然変異、およびc)配列番号:3のA105P置換突然変異よりなる群から選択される置換突然変異をもたらすコドン突然変異を含むポリヌクレオチドにハイブリダイズする単離されたポリヌクレオチド。
【請求項16】
転写調節エレメントに作動可能に連結した請求項11に記載の単離されたポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項17】
該転写調節エレメントが宿主細胞中で作動する請求項16に記載の発現ベクターを含む単離された宿主細胞。
【請求項18】
請求項11に記載の単離されたポリヌクレオチドによってコードされる単離されたポリペプチド。
【請求項19】
置換突然変異を含むグループH核受容体リガンド結合ドメインを含む単離されたポリペプチドであって、該置換突然変異がa)配列番号:1のアミノ酸残基20、21、48、51、52、55、58、59、61、62、92、93、95、96、107、109、110、120、123、125、175、218、219、223、230、234または238、b)配列番号:1のアミノ酸残基95および110、c)配列番号:1のアミノ酸残基218および219、d)配列番号:1のアミノ酸残基107および175、e)配列番号:1のアミノ酸残基、127および175、f)配列番号:1のアミノ酸残基107および127、g)配列番号:1のアミノ酸残基107、127および175、h)配列番号:1のアミノ酸残基52、107および175、i)配列番号:1のアミノ酸残基96、107および175、j)配列番号:1のアミノ酸残基107、110および175、k)配列番号;2のアミノ酸残基107、121、213または217、あるいはl)配列番号:3のアミノ酸残基91もしくは105、と同等または類似の位置におけるものである単離されたポリペプチド。
【請求項20】
該置換突然変異がa)配列番号:1のE20A、Q21A、F48A、I51A、T52A、T52V、T52I、T52L、T55A、T58A、V59A、L61A、I62A、M92A、M93A、R95A、V96A、V96T、V96D、V96M、V107I、F109A、A110P、A110S、A110M、A110L、Y120A、A123F、M125A、R175E、M218A、C219A、L223A、L230A、L234A、W238A、R95A/A110P、M218A/C219A、V107I/R175E、Y127E/R175E、V107I/Y127E、V107I/Y127E/R175E、T52V/V107I/R175E、V96A/V107I/R175E、T52A/V107I/R175E、V96T/V107I/R175EまたはV107I/A110P/R175E置換突然変異、b)配列番号:2のA107P、G121R、G121L、N213A、C217AまたはC217S置換突然変異、およびc)配列番号:3のG91AまたはA105P置換突然変異よりなる群から選択される請求項19に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項21】
a)請求項1または3に記載の遺伝子発現変調システムを宿主細胞に導入し;さらに、
b)宿主細胞にリガンドを導入する;
工程を含み、
変調すべき遺伝子が:
i)DNA結合ドメインによって認識される応答エレメント;
ii)トランス活性化ドメインによって活性化されるプロモーター;および
iii)その発現が変調されるべき遺伝子
を含む遺伝子発現カセットの構成要素であり、
それにより、宿主細胞へのリガンドの導入に際して、b)iii)の遺伝子の発現が変調されることを特徴とする、宿主細胞において遺伝子の発現を変調する方法。
【請求項22】
該リガンドが、
a)式:
【化1】

(式中、Eは第三級炭素を含有する(C−C)アルキルまたは第三級炭素を含有するシアノ(C−C)アルキルであり;
はH、Me、Et、i−Pr、F、ホルミル、CF、CHF、CHCl、CHF、CHCl、CHOH、CHOMe、CHCN、CN、CCH、1−プロピニル、2−プロピニル、ビニル、OH、OMe、OEt、シクロプロピル、CFCF、CH=CHCN、アリル、アジド、SCNまたはSCHFであり;
はH、Me、Et、n−Pr、i−Pr、ホルミル、CF、CHF、CHCl、CHF、CHCl、CHOH、CHOMe、CHCN、CN、CCH、1−プロピニル、2−プロピニル、ビニル、Ac、F、Cl、OH、OMe、OEt、O−n−Pr、OAc、NMe、NEt、SMe、SEt、SOCF、OCFCFH、COEt、シクロプロピル、CFCF、CH=CHCN、アリル、アジド、OCF、OCHF、O−i−Pr、SCN、SCHF、SOMe、NH−CNであるか、またはR、ならびにRおよびRが結合したフェニル炭素と一緒になって、エチレンジオキシ、フェニル炭素に隣接した酸素を持つジヒドロフリル環、もしくはフェニル炭素に隣接した酸素を持つジヒドロピリル環を形成し;
はH、Etであるか、またはR、ならびにRおよびRが結合したフェニル炭素と一緒になって、エチレンジオキシ、フェニル炭素に隣接した酸素を持つジヒドロフリル環、もしくはフェニル炭素に隣接した酸素を持つジヒドロピリル環を形成し;
、RおよびRは独立してH、Me、Et、F、Cl、Br、ホルミル、CF、CHF、CHCl、CHF、CHCl、CHOH、CN、CCH、1−プロピニル、2−プロピニル、ビニル、OMe、OEt、SMeまたはSEtである)
の化合物;または
b)エクジソン、20−ヒドロキシエクジソン、ポナステロンA、ムリステロンA、オキシステロール、22(R)ヒドロキシコレステロール、24(S)ヒドロキシコレステロール、25−エポキシコレステロール、T0901317、5−アルファ−6−アルファ−エポキシコレステロール−3−スルフェート、7−ケトコレステロール−3−スルフェート、ファルネゾール、胆汁酸、1,1−ビスフォスフォネートエステル、または幼若ホルモンIII
である請求項21に記載の方法。
【請求項23】
さらに、宿主細胞に第2のリガンドを導入することを含み、第2のリガンドが9−シス−レチノイン酸またはレチノイン酸の合成アナログである請求項21に記載の方法。
【請求項24】
請求項1または請求項3に記載の遺伝子発現変調システムを含む単離された宿主細胞。
【請求項25】
請求項24に記載の宿主細胞を含む非−ヒト生物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−106296(P2009−106296A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304293(P2008−304293)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【分割の表示】特願2002−566319(P2002−566319)の分割
【原出願日】平成14年2月20日(2002.2.20)
【出願人】(506119062)イントレクソン・コーポレイション (8)
【氏名又は名称原語表記】Intrexon Corporation
【Fターム(参考)】