施工支援方法及び施工支援装置
【課題】 CAD図面から墨位置の寸法量を容易に取得できること。
【解決手段】 複数の墨位置を必要とする設置物を所定の施工対象に設置する場合、まず、施工対象が表されたCAD図面を所定の画面に表示する(S1)。表示したCAD図面中に、複数の墨位置に対応する複数の特定記号からなるパターンを配置させる(S2)。このようなパターンが配置されたCAD図面に基づいて、所定の座標基準を基準とした複数の墨位置の寸法量を求めて(S5)、墨位置の寸法量の一覧を作成し(S7)、寸法量の一覧を出力する(S8)。座標基準が複数存在する場合には、各座標基準ごとにレイヤ(画層)を作成し(S3)、各画層に特定記号を振り分けて(S4)、各画層ごとに墨位置の寸法量を求めて出力すると好ましい。
【解決手段】 複数の墨位置を必要とする設置物を所定の施工対象に設置する場合、まず、施工対象が表されたCAD図面を所定の画面に表示する(S1)。表示したCAD図面中に、複数の墨位置に対応する複数の特定記号からなるパターンを配置させる(S2)。このようなパターンが配置されたCAD図面に基づいて、所定の座標基準を基準とした複数の墨位置の寸法量を求めて(S5)、墨位置の寸法量の一覧を作成し(S7)、寸法量の一覧を出力する(S8)。座標基準が複数存在する場合には、各座標基準ごとにレイヤ(画層)を作成し(S3)、各画層に特定記号を振り分けて(S4)、各画層ごとに墨位置の寸法量を求めて出力すると好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は施工支援方法及び施工支援装置に係り、特にCAD(Computer Aided Design)図面から墨位置の寸法量を容易に取得することができる施工支援方法及び施工支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施工現場における墨位置(例えばボルトの埋設位置や設置物の設置基準位置)については、現場担当者が、施工現場で施工図面と現場状況を考慮しながら位置決めを行なっており、CAD図面に墨位置を予め記載することは特に行われていなかった。
【0003】
例えば、図14に示す3次元モデルで表されるようなトンネルの施工現場において、図15に示すような製缶物90をアンカーボルトで天井壁面に取り付ける際、現場担当者が、施工現場で施工図面を視認するとともに現場状況を把握し、天井壁面におけるアンカーボルトの取付位置に予め墨で印を付ける。このような、いわゆる墨出し作業(位置決め作業)は、トンネル内での施工に限らず、建物の壁面や床面に機器を設置する場合など、様々な施工現場で一般に行われている。
【0004】
ところで、CAD図面から何らかの情報を自動で取得する方法としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1には、CAD図面に記載されている図形に付属したタグデータ、例えば機器の名称や重量などについてXML(Extensible Markup Language)で記載されたテキストデータを主として抽出し、文書ファイルを出力するようにしたものが記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、各設置物の設置位置を示す一覧表を作成する際、施工図面から設置物を示す特定図形(例えば矩形)を抽出し、この特定図形の重心の座標を求め、施工図面から寸法線及び寸法量を抽出して重心の寸法量を求め、この重心の寸法量を示す一覧表を作成するようにしたものが記載されている。
【特許文献1】特開2003−90562号公報
【特許文献2】特開平10−293777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、墨位置の寸法量について設計値と現場での計測値との比較を行う必要が出てきている。墨位置の寸法量の設計値を取得する方法としては、施工図面から手動で拾い出すことも考えられるが、この方法では労力と時間を必要とする。
【0007】
特許文献1には、墨位置の寸法量の取得について何ら記載されていない。また、特許文献2に記載されたものは、設置物の重心位置の寸法量を算出しているため、図2に示すプレート20のように、矩形端部に複数の取付穴21a、22a、23a、24aを有し、複数の墨位置(21b、22b、23b、24bに相当する)を必要とするような設置物を設置する場合には、各墨位置の寸法量を取得することができない。
【0008】
また、墨位置が多数ある場合、CAD図面上で墨位置をひとつひとつ設定する作業を行おうとすると、その作業に時間と労力を必要とする。具体的には、マウスやキーボードで操作しながら、墨位置を示す墨位置記号をひとつひとつCAD図面上に記載していく作業を行うことになり、そのような作業は煩雑である。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、CAD図面から墨位置の寸法量を容易に取得することができる施工支援方法及び施工支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の墨位置を必要とする設置物を所定の施工対象に設置する場合、該施工対象が表されたCAD図面を所定の画面に表示するステップと、表示したCAD図面中に、前記複数の墨位置に対応する複数の特定記号からなるパターンを配置させるパターン配置ステップと、前記パターンが配置されたCAD図面に基づいて、所定の座標基準を基準とした前記複数の墨位置の寸法量を求めるステップと、求めた墨位置の寸法量を出力するステップを含む構成になっている。
【0011】
この構成により、表示したCAD図面中に墨位置を示す複数の特定記号からなるパターンを配置させることによりCAD図面中に複数の墨位置が設定されるので、特定記号をひとつひとつ入力する作業を行う必要がなく、しかも、パターンが配置されたCAD図面に基づいて各墨位置の寸法量が求められて出力されるので、墨位置の寸法量を容易に取得することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記パターン配置ステップは、前記設置物の種類に対応するパターンの作成に必要な指定内容を入力させるステップと、前記指定内容に基づいて、前記設置物の種類に対応する前記パターンを作成するステップを含む構成になっている。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記施工対象に同一種類の前記設置物を複数設置する場合、前記設置物の種類に対応するパターンを前記CAD図面中に複写するのに必要な指定内容を入力させるステップと、前記指定内容に基づいて前記パターンを前記CAD図面中に複写するステップを含む構成になっている。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記座標基準が複数存在する場合、各座標基準ごとに画層を作成するステップと、作成した各画層に前記特定記号を振り分けるステップを含み、前記各画層ごとに前記墨位置の寸法量を出力する構成になっている。
【0015】
この構成により、墨位置を示す複数の特定記号が各座標基準ごとに作成された画層に振り分けられて、各座標基準ごとに墨位置の寸法量が出力されることになり、各座標基準ごとに墨位置の寸法量を管理できる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記座標基準、前記パターン、前記寸法量の値、又は、これらの組み合わせに基づいて前記墨位置の寸法量を並べ替えるステップを含み、前記並べ替えた墨位置の寸法量を出力する構成になっている。
【0017】
この構成により、前記座標基準、前記パターン、前記寸法量の値、又は、これらの組み合わせに基づいて順序が並べ替えられた墨位置の寸法量が出力されるので、墨位置の寸法量の管理を容易に行うことができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、複数の墨位置を必要とする設置物を所定の施工対象に設置する場合、該施工対象が表されたCAD図面を表示する表示部と、表示したCAD図面中に、前記複数の墨位置に対応する複数の特定記号からなるパターンを配置させるパターン配置部と、前記パターンが配置されたCAD図面に基づいて、所定の座標基準を基準とした前記複数の墨位置の実際の寸法量を求める寸法量演算部と、求めた寸法量を出力する寸法量出力部を備えた構成になっている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、CAD図面に容易に墨位置を設定することができ、しかも、CAD図面から墨位置の寸法量を自動で取得できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面に従って本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係わる一実施形態の施工支援装置の概念的な構成を示す概略ブロック図である。
【0022】
図1において、施工支援装置1は、主として、制御部10、データベース11、図面表示部12、パターン配置部13、指定内容入力部131、パターン作成部132、パターン複写部133、画層作成部14、寸法量演算部15、ソーティング部16、寸法量一覧作成部17、及び、寸法量一覧出力部18によって構成されている。
【0023】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)からなり、施工支援装置1の各部を統括して制御する。
【0024】
データベース11は、ハードディスクなどからなり、所定の設置物を設置する施工対象が表されたCAD(Computer Aided Design)図面を記憶する。このCAD図面はデジタルデータで構成されており、CAD図面上の任意の座標間の距離とCAD図面の縮尺とに基づいて、実際の施工現場における任意の寸法量を抽出することが可能になっている。
【0025】
ここで、設置物は、複数の墨位置を必要とするものを含む。例えば、図2に示す矩形のプレート20は、複数のアンカーボルトによって壁面に取り付けるための取付穴21a、22a、23a、24aを有する。このようなプレート20を壁面に取り付ける場合、一般に、壁面には、各取付穴21a、22a、23a、24aごとに位置決め用の印を付ける。このような場合、取付穴の中心点21b、22b、23b、24bにそれぞれ対応する壁面上の位置が墨位置である。例えば、壁面上で墨を用いて十字の印を付ける場合、その十字の交点が墨位置である。すなわち、プレート20は、各取付穴の中心点21b、22b、23b、24bに相当する、複数の墨位置を必要とする。
【0026】
また、データベース11は、複数の墨位置を必要とする設置物の種類ごとに、複数の墨位置記号(「特定記号」ともいう)からなるパターンの作成に必要な指定項目(パターン作成指定項目)と、各指定項目に対して入力された指定内容に基づいてパターンを作成する方法(パターン作成方法)を記憶する。また、データベース11は、作成したパターンを記憶する。
【0027】
ここで、墨位置記号は、CAD図面中で墨位置を表す記号であり、ひとつの墨位置記号でひとつの墨位置を表す。また、墨位置記号同士は、実際の墨位置間の距離に所定の縮尺を乗じた距離だけ離隔している。言い換えると、パターンは、実際の墨位置間の距離に所定の縮尺を乗じた距離で互いに離隔した、複数の墨位置記号によって構成されている。
【0028】
また、データベース11は、同一のパターンをCAD図面中に複写するのに必要な指定項目(パターン複写指定項目)と、各指定項目に対して入力された指定内容に基づいてパターンを複写する方法(パターン複写方法)を記憶する。
【0029】
図面表示部12は、液晶表示装置(LCD)などからなり、CAD図面を表示する。
【0030】
パターン配置部13は、表示されたCAD図面中に、複数の墨位置記号(特定記号)からなるパターンを配置させる。具体的には、施工対象に設置する設置物の種類に関連付けられたパターンがデータベース11に未登録である場合には、後述のパターン作成部132によりパターンを作成して、その作成したパターンをCAD図面中に配置させる。一方で、設置物の種類に関連付けられたパターンがデータベース11に登録されている場合には、そのデータベース11に登録されたパターンをCAD図面中に配置させる。また、施工対象に同一種類の設置物を複数設置する場合、後述のパターン複写部133を用いて、CAD図面中に同一のパターンを複数並べて配置させる。例えば、図3に示すような円弧状の端部を有する複数の設置物30a、30b、30c、30dを設置する場合、第1の設置物30aの設置に必要な複数の墨位置31、32、33、34、35に対応する複数の墨位置記号からなるパターンを、複数並べて配置させる。
【0031】
指定内容入力部131は、パターンを作成する際に、データベース11に記憶された指定項目に基づいて、指定内容が入力されるものである。また、指定内容入力部131は、パターンを複写する際に、データベース11に記憶された指定項目に基づいて、指定内容が入力されるものである。例えば、CAD図面上に指定項目を表示して、マウス及びキーボードにより指定内容を入力させる。
【0032】
パターン作成部132は、指定内容入力部131に入力された指定内容と、データベース11に記憶されたパターン作成方法に基づいて、複数の墨位置記号からなる単体パターンを作成する。
【0033】
パターン複写部133は、指定内容入力部131に入力された指定内容と、データベース11に記憶されたパターン複写方法とに基づいて、パターンをCAD図面中に複写する。
【0034】
画層作成部14は、墨位置の寸法量の基準となる座標基準が複数存在する場合、各座標基準ごとに画像(「レイヤ」ともいう)を作成し、作成した各画層に墨位置記号を振り分ける。例えば、図4において、第1の墨位置41の寸法量は第1の座標基準51を基準とし、第2の墨位置42の寸法量は第2の座標基準52を基準とし、第3の墨位置43の寸法量は第3の座標基準53を基準としている。このような場合、各座標基準51、52、53ごとに画層を作成する。
【0035】
寸法量演算部15は、パターンが配置されたCAD図面に基づいて、所定の座標基準を基準とした墨位置の実際の寸法量を求める。例えば、図2に示す矩形のプレート20を設置する場合、特定の座標基準25を基準として、各取付穴21a、22a、23a、24aの中心点21b、22b、23b、24bにそれぞれ相当する墨位置ごとに寸法量を求める。図2において、例えば、第1の取付穴21aの中心点22aに相当する墨位置の寸法量は、図2中のXとYである。なお、実際の墨位置間の距離は、CAD図面上における墨位置記号間の距離に対して縮尺の逆数を乗じたものに等しい。
【0036】
ソーティング部16は、墨位置の寸法量の順序の並べ替え(ソーティング)を行う。ソーティング態様には各種ある。第1に、墨位置の寸法量の基準となる座標基準ごとに、墨位置記号をグループ分けして、並べ替えを行う態様がある。具体的には、墨位置記号が振り分けられた画層ごとに、墨位置記号をグループ分けして、墨位置の寸法量の順序を並べ替える。第2に、墨位置記号が属するパターンごとに、墨位置記号をグループ分けして、並べ替えを行う。第3に、墨位置の寸法量の大小の順に、並べ替えを行う。あるいは、第1乃至第3の態様の組み合わせで並べ替えを行う。
【0037】
寸法量一覧作成部17は、墨位置の寸法量の一覧を作成する。
【0038】
寸法量一覧出力部18は、作成された墨位置の寸法量の一覧を出力する。出力態様は特に限定されないが、例えばプリンタにより用紙に一覧を印刷する。
【0039】
なお、本実施形態において、パターン作成部132、パターン複写部133、画層作成部14、寸法量演算部15、ソーティング部16、及び、寸法量一覧作成部17は、制御部10と同様に、CPUによって構成されている。また、本実施形態において、パターン配置部13と指定内容入力部131は、マウス及びキーボードとCPUによって構成されている。
【0040】
図5及び図6は、各設置物(整流板、吊金具、ダクト、排風機、風速調整板取付部)ごとに、設置物の形状、特定記号(墨位置記号)の整列状態、単体パターン、単体パターンの作成に必要な指定項目、複数の単体パターンからなる複数パターン、及び、パターン複写方法を示す。
【0041】
図5の整流板において、特定記号の整列状態は、円弧である。単体パターンは、指定された基準点を中心として、予め決められた半径の弧上に、指定された開始位置から指定された終了位置まで、指定された配置個数分の特定記号を配置したパターンである。複数パターンは、指定された開始位置から指定された終了位置まで、指定された複写数分の単体パターンを複写したパターンである。
【0042】
図5の吊金具において、特定記号の整列状態は、矩形である。単体パターンは、指定された基準点を中心として、指定された縦位置及び指定された横位置だけ基準点から離隔した4つの位置にそれぞれ特定記号を配置したパターンである。複数パターンは、指定された基準位置を中心として、指定された縦間隔及び横間隔で単体パターンを配置したパターンである。
【0043】
図5のダクトは、直線部分と曲がり部分を有する。直線部分における複数の特定記号の整列状態は直線であり、曲がり部分における複数の特定記号の整列状態は円弧である。直線部分における単体パターンは、指定された基準点から、指定された間隔で、指定された配置個数分の特定記号を、指定された方向で並べて配置したパターンである。一方で、曲がり部分における単体パターンは、指定された基準点を中心として、予め決められた半径の弧上に、指定された開始位置から指定された終了位置まで、指定された配置個数分の特定記号を配置したパターンである。
【0044】
図6の排風機は、複数の基礎穴と複数の本体アンカー穴が形成されている。基礎穴に関する複数の特定記号の整列状態は矩形であり、本体アンカー穴に関する複数の特定記号の整列状態は円弧である。基礎穴に対応する単体パターンは、指定された基準点を基準として、指定された開始位置から指定された終了位置まで、指定された配置個数分の特定記号を配置したパターンである。一方で、本体アンカー穴に対応する単体パターンは、指定された基準点を中心として、指定された半径の円上に、指定された配置個数分の特定記号を配置したパターンである。基礎穴に関する複数パターンは、単体パターンを回転して複写したものである。本体アンカー穴に関する複写は行う必要がない。
【0045】
図6の風速調整板取付部における複数の特定記号の整列状態は、直線である。単体パターンは、指定された基準点(開始位置)から指定された終了位置まで、指定された配置個数分の特定記号を配置したパターンである。
【0046】
次に、図1の施工支援装置1における施工支援処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0047】
まず、設置物を設置する施工対象が表されたCAD図面を画面に表示する(S1)。例えば、図5及び図6に示す整流板、吊金具、ダクト、排風機、又は、風速調整板取付部を設置する施設を表したCAD図面が、周知のCAD技術によって予め作成されており、このCAD図面が画面上に表示される。この段階では、墨位置についてCAD図面には特に記載されていないものとする。
【0048】
次に、墨位置を表す特定記号(墨位置記号)のみを記載するレイヤ(墨位置レイヤ)を新規に作成し、そのレイヤに複数の墨位置記号からなるパターンを配置する(S2)。パターン配置前のCAD図面の例を図8に示し、パターン配置後のCAD図面の例を図9に示す。図9において、三角形の記号が墨位置記号である。なお、パターンをCAD図面に配置することにより複数の墨位置記号を一度にCAD図面に記載できる一方で、パターン化しないで墨位置記号をひとつひとつCAD図面に記載することも可能である。
【0049】
ここで、レイヤとは、CAD図面の作図で使用される無色透明な画層を指す。複数のレイヤを重ね合わせながら作図を行うことが可能であり、墨位置記号を記載するレイヤ以外にも、寸法線を記載するレイヤ、新規設置物のみを記載するレイヤ、その他の図面用途に応じた各種のレイヤを作成できる。そして、特定のレイヤの表示/非表示の切替え、特定のレイヤのみに対する線種変更、その他の特定のレイヤに注目した処理を行うことができる。
【0050】
本実施形態では、設置物の種類に対応するパターンが既に作成されてデータベース11に登録されている場合には、その予め作成されたパターンをCAD図面の墨位置レイヤに配置する一方で、設置物の種類に対応するパターンが未作成であってデータベース11に未登録である場合には、所定の指定内容(例えば、図5の整流板の場合には「基準点」、「開始位置」、「終了位置」、「配置個数」)を入力させて、入力された指定内容に基づいてパターンを作成し、その作成したパターンをCAD図面の墨位置レイヤに配置する。なお、配置したパターンに係わる墨位置がどの座標基準を基準として位置決めするかについて、各パターンと座標基準とを関連付けすることができる。
【0051】
また、墨位置の座標基準が複数存在する場合には、図10に示すように、各座標基準ごとにレイヤ61、62、63、64を新規に作成し(S3)、パターンを配置した墨位置レイヤ60上の墨位置記号を、座標基準ごとに作成した各レイヤ61、62、63、64に対して座標基準に応じて振り分ける(S4)。
【0052】
そして、各レイヤ61、62、63、64ごとに、座標基準を基準とした各墨位置の寸法量を求め(S5)、座標基準、パターン、及び、寸法量の値に基づいて、墨位置の寸法量の順序をソーティングして(S6)、墨位置の寸法量の一覧を作成し(S7)、作成した一覧を出力する(S8)。
【0053】
墨位置の寸法量の一覧の例を図11に示す。図11において、各墨位置を識別する番号、各墨位置の寸法量(X、Y)、墨位置記号が属するパターン、墨位置記号が振り分けられたレイヤ、墨位置の寸法量の基準となる座標基準、及び、その他情報を記載した備考が一覧に記載されている。
【0054】
CAD図面にパターンを配置する処理(図7のステップS2)の詳細例を、図12のフローチャートに示す。
【0055】
図12において、まず、設置物の種類を指示入力させる(S202)。例えば、画面上に設置物の種類(例えば、整流板、吊金具、ダクト、排風機、風速調整板取付部など)の一覧を表示し、所望の種類をマウスにより指示させる。
【0056】
指示された種類の設置物に係わるパターンが既に作成済であるか否かを判定する(S204)。未作成の場合、すなわちデータベース11に未登録である場合には、指定された種類の設置物に係わるパターンを作成するのに必要な指定項目を画面に表示し(S206)、各指定項目に対応した指定内容を入力させて(S208)、入力された指定内容に基づいてパターンを作成する(S210)。具体的には、設置物の各種類ごとに、図13に示すようなテーブル情報がデータベース11に予め記憶されているので、指定された種類のテーブル情報を参照し、テーブル情報の「パターン作成指定項目」に従って指定項目の表示(S206)を行い、テーブル情報の「パターン作成方法」にしたがってパターンの作成(S210)を行う。例えば、設置物の種類として図5に示す整流板が指定されていた場合、パターンの基準点、墨位置記号の開始位置、墨位置記号の終了位置、及び、墨位置記号の配置個数を指定項目として画面上に表示する。これらの指定項目に対してそれぞれ指定内容が入力されると、指定された基準点を中心として、予め決められた半径の弧上に、指定された開始位置から指定された終了位置まで、指定された配置個数分の墨位置記号を配置したパターンを作成して、CAD図面上に配置する(S212)。これらの指定項目の入力は、全ての指定項目を入力する必要はなく、入力が必須なもの(例えばパターンの基準点)を除いて、デフォルト値を用いてもよい。また、必ずしも数値を入力する必要はなく、画面上でマウスによりポインティング操作をすることにより入力すればよい。なお、作成したパターンはデータベース11に登録される。
【0057】
指示された種類の設置物に係わるパターンが既に作成済である場合、すなわちデータベース11に登録されている場合には、CAD図面上の指示された位置にパターンを配置する(S214)。例えば、データベース11に既登録のパターンを画面上の適当な位置に表示し、表示したパターンをマウスにより所望の位置に再配置させることにより、そのパターンの基準点を指定入力させる。指定内容(例えば墨位置記号の配置個数)を変更することも可能である。
【0058】
次に、パターンの複写指示が入力されたか否かを判定し(S220)、複写指示が入力された場合には、パターンの複写に必要な指定項目を画面に表示し(S222)、各指定項目に対応した指定内容を入力させて(S224)、入力された指定内容に基づいてパターンを複写する(S226)。具体的には、設置物の各種類ごとに、図13に示すようなテーブル情報がデータベース11に予め記憶されているので、指定された種類のテーブル情報を参照し、テーブル情報の「パターン複写指定項目」に従って指定項目の表示(S222)を行い、テーブル情報80の「パターン複写方法」に従ってパターンの複写(S226)を行う。例えば、設置物の種類として図5に示す整流板が指定されていた場合、パターンの基準点の開始位置、終了位置、及び、複写数を指定項目として画面上に表示する。これらの指定項目の入力は、全ての項目を入力する必要はなく、入力が必須なものを除いて、デフォルト値を用いてもよい。また、必ずしも数値を入力する必要はなく、マウスを用いて画面上でポインティング操作をすることにより入力すればよい。
【0059】
そして、パターンの配置を続ける場合には、ステップS202乃至S226を繰り返す(S230)。
【0060】
以上、CAD図面が2次元で表された場合を例に説明したが、図14に示すように3次元のCAD図面に基づいて墨位置の寸法量の一覧を作成して出力するようにしてもよい。図14のCAD図面は、施工対象としてトンネルを表している。例えば図15に示すようなアンカーボルトで取り付けるための複数の取付穴91、92、93、94、95を有した設置物90を、図14に示すようなトンネル内の天井壁面に設置する場合、図15の設置物90の取付穴91、92、93、94、95にそれぞれ対応したトンネル内の天井壁面の墨位置に墨で印を付ける作業を施工現場で行うことになる。このような施工現場での作業の前に、設計段階において、図14のCAD図面に対して図15の設置物90に対応するパターンを配置して、各墨位置の寸法量を求め、墨位置の寸法量の一覧を作成して出力しておく。このような墨位置の寸法量の一覧は、施工現場での作業に用いられるほか、設計値と施工現場での計測値とを比較して事後検証する際にも用いられる。
【0061】
また、墨位置の寸法量のグループ化は、座標基準、パターン、及び、寸法量(あるいは座標値)の値以外に基づいて行ってもよい。例えば、墨位置の寸法量に対して付加する属性として、図11に示すパターン、レイヤ及び座標基準以外にも、特定記号の形状、色、大きさなどの属性を追加してもよい。これらの属性を追加して、同一レイヤに多数のパターンが配置された場合、さらに細かなグループ分けを行うことにより、墨位置の寸法量をレイヤ内で細かくグループ管理できるという効果が得られる。
【0062】
また、本発明における墨位置は、墨を用いて十字の印をつける位置に限らず、施工の際の様々な位置決め位置を含む。例えば、可視のレーザー光を施工対象に照射して位置を示す場合、このようなレーザー光で照射する位置も墨位置に含み、本発明を実施できる。
【0063】
なお、本発明は、図面やその説明に記載した例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、設計変更や改良を適宜実施してよいことはいうまでもない。例えば、図12及び図13を用いて説明したパターン化以外のパターン化によって墨位置記号のパターン化を行ってよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明を適用した施工支援装置の概念的な構成を示す概略ブロック図
【図2】墨位置の説明に用いる設置物の一例を示す説明図
【図3】同一種類の設置物を複数設置する場合の墨位置の説明に用いる説明図
【図4】座標基準が複数存在する場合の墨位置の寸法量の説明に用いる説明図
【図5】整流板、吊金具及びダクトのパターン化の説明に用いる説明図
【図6】排風機及び風速調整板取付部のパターン化の説明に用いる説明図
【図7】本発明を適用した施工支援処理の流れ示す概略フローチャート
【図8】墨位置を示す特定記号を配置する前のCAD図面の例を示す図
【図9】墨位置を示す特定記号を配置した後のCAD図面の例を示す図
【図10】各座標基準ごとに画層を作成して墨位置を示す特定記号を振り分ける処理の説明に用いる説明図
【図11】墨位置の寸法量の一覧の例を示す説明図
【図12】パターンをCAD図面中に配置する処理の例を示すフローチャート
【図13】パターンをCAD図面中に配置する処理に用いるテーブル情報の例を示す説明図
【図14】施工対象の例を示す3次元のCAD図面
【図15】設置物の例を示す3次元のCAD図面
【符号の説明】
【0065】
10…制御部、11…データベース、12…図面表示部、13…パターン配置部、14…画層作成部、15…寸法量演算部、16…ソーティング部、17…寸法量一覧作成部、18…寸法量一覧出力部(寸法量出力部)、131…指定内容入力部、132…パターン作成部、133…パターン複写部
【技術分野】
【0001】
本発明は施工支援方法及び施工支援装置に係り、特にCAD(Computer Aided Design)図面から墨位置の寸法量を容易に取得することができる施工支援方法及び施工支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施工現場における墨位置(例えばボルトの埋設位置や設置物の設置基準位置)については、現場担当者が、施工現場で施工図面と現場状況を考慮しながら位置決めを行なっており、CAD図面に墨位置を予め記載することは特に行われていなかった。
【0003】
例えば、図14に示す3次元モデルで表されるようなトンネルの施工現場において、図15に示すような製缶物90をアンカーボルトで天井壁面に取り付ける際、現場担当者が、施工現場で施工図面を視認するとともに現場状況を把握し、天井壁面におけるアンカーボルトの取付位置に予め墨で印を付ける。このような、いわゆる墨出し作業(位置決め作業)は、トンネル内での施工に限らず、建物の壁面や床面に機器を設置する場合など、様々な施工現場で一般に行われている。
【0004】
ところで、CAD図面から何らかの情報を自動で取得する方法としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1には、CAD図面に記載されている図形に付属したタグデータ、例えば機器の名称や重量などについてXML(Extensible Markup Language)で記載されたテキストデータを主として抽出し、文書ファイルを出力するようにしたものが記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、各設置物の設置位置を示す一覧表を作成する際、施工図面から設置物を示す特定図形(例えば矩形)を抽出し、この特定図形の重心の座標を求め、施工図面から寸法線及び寸法量を抽出して重心の寸法量を求め、この重心の寸法量を示す一覧表を作成するようにしたものが記載されている。
【特許文献1】特開2003−90562号公報
【特許文献2】特開平10−293777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、墨位置の寸法量について設計値と現場での計測値との比較を行う必要が出てきている。墨位置の寸法量の設計値を取得する方法としては、施工図面から手動で拾い出すことも考えられるが、この方法では労力と時間を必要とする。
【0007】
特許文献1には、墨位置の寸法量の取得について何ら記載されていない。また、特許文献2に記載されたものは、設置物の重心位置の寸法量を算出しているため、図2に示すプレート20のように、矩形端部に複数の取付穴21a、22a、23a、24aを有し、複数の墨位置(21b、22b、23b、24bに相当する)を必要とするような設置物を設置する場合には、各墨位置の寸法量を取得することができない。
【0008】
また、墨位置が多数ある場合、CAD図面上で墨位置をひとつひとつ設定する作業を行おうとすると、その作業に時間と労力を必要とする。具体的には、マウスやキーボードで操作しながら、墨位置を示す墨位置記号をひとつひとつCAD図面上に記載していく作業を行うことになり、そのような作業は煩雑である。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、CAD図面から墨位置の寸法量を容易に取得することができる施工支援方法及び施工支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、複数の墨位置を必要とする設置物を所定の施工対象に設置する場合、該施工対象が表されたCAD図面を所定の画面に表示するステップと、表示したCAD図面中に、前記複数の墨位置に対応する複数の特定記号からなるパターンを配置させるパターン配置ステップと、前記パターンが配置されたCAD図面に基づいて、所定の座標基準を基準とした前記複数の墨位置の寸法量を求めるステップと、求めた墨位置の寸法量を出力するステップを含む構成になっている。
【0011】
この構成により、表示したCAD図面中に墨位置を示す複数の特定記号からなるパターンを配置させることによりCAD図面中に複数の墨位置が設定されるので、特定記号をひとつひとつ入力する作業を行う必要がなく、しかも、パターンが配置されたCAD図面に基づいて各墨位置の寸法量が求められて出力されるので、墨位置の寸法量を容易に取得することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記パターン配置ステップは、前記設置物の種類に対応するパターンの作成に必要な指定内容を入力させるステップと、前記指定内容に基づいて、前記設置物の種類に対応する前記パターンを作成するステップを含む構成になっている。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記施工対象に同一種類の前記設置物を複数設置する場合、前記設置物の種類に対応するパターンを前記CAD図面中に複写するのに必要な指定内容を入力させるステップと、前記指定内容に基づいて前記パターンを前記CAD図面中に複写するステップを含む構成になっている。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記座標基準が複数存在する場合、各座標基準ごとに画層を作成するステップと、作成した各画層に前記特定記号を振り分けるステップを含み、前記各画層ごとに前記墨位置の寸法量を出力する構成になっている。
【0015】
この構成により、墨位置を示す複数の特定記号が各座標基準ごとに作成された画層に振り分けられて、各座標基準ごとに墨位置の寸法量が出力されることになり、各座標基準ごとに墨位置の寸法量を管理できる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記座標基準、前記パターン、前記寸法量の値、又は、これらの組み合わせに基づいて前記墨位置の寸法量を並べ替えるステップを含み、前記並べ替えた墨位置の寸法量を出力する構成になっている。
【0017】
この構成により、前記座標基準、前記パターン、前記寸法量の値、又は、これらの組み合わせに基づいて順序が並べ替えられた墨位置の寸法量が出力されるので、墨位置の寸法量の管理を容易に行うことができる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、複数の墨位置を必要とする設置物を所定の施工対象に設置する場合、該施工対象が表されたCAD図面を表示する表示部と、表示したCAD図面中に、前記複数の墨位置に対応する複数の特定記号からなるパターンを配置させるパターン配置部と、前記パターンが配置されたCAD図面に基づいて、所定の座標基準を基準とした前記複数の墨位置の実際の寸法量を求める寸法量演算部と、求めた寸法量を出力する寸法量出力部を備えた構成になっている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、CAD図面に容易に墨位置を設定することができ、しかも、CAD図面から墨位置の寸法量を自動で取得できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面に従って本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係わる一実施形態の施工支援装置の概念的な構成を示す概略ブロック図である。
【0022】
図1において、施工支援装置1は、主として、制御部10、データベース11、図面表示部12、パターン配置部13、指定内容入力部131、パターン作成部132、パターン複写部133、画層作成部14、寸法量演算部15、ソーティング部16、寸法量一覧作成部17、及び、寸法量一覧出力部18によって構成されている。
【0023】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)からなり、施工支援装置1の各部を統括して制御する。
【0024】
データベース11は、ハードディスクなどからなり、所定の設置物を設置する施工対象が表されたCAD(Computer Aided Design)図面を記憶する。このCAD図面はデジタルデータで構成されており、CAD図面上の任意の座標間の距離とCAD図面の縮尺とに基づいて、実際の施工現場における任意の寸法量を抽出することが可能になっている。
【0025】
ここで、設置物は、複数の墨位置を必要とするものを含む。例えば、図2に示す矩形のプレート20は、複数のアンカーボルトによって壁面に取り付けるための取付穴21a、22a、23a、24aを有する。このようなプレート20を壁面に取り付ける場合、一般に、壁面には、各取付穴21a、22a、23a、24aごとに位置決め用の印を付ける。このような場合、取付穴の中心点21b、22b、23b、24bにそれぞれ対応する壁面上の位置が墨位置である。例えば、壁面上で墨を用いて十字の印を付ける場合、その十字の交点が墨位置である。すなわち、プレート20は、各取付穴の中心点21b、22b、23b、24bに相当する、複数の墨位置を必要とする。
【0026】
また、データベース11は、複数の墨位置を必要とする設置物の種類ごとに、複数の墨位置記号(「特定記号」ともいう)からなるパターンの作成に必要な指定項目(パターン作成指定項目)と、各指定項目に対して入力された指定内容に基づいてパターンを作成する方法(パターン作成方法)を記憶する。また、データベース11は、作成したパターンを記憶する。
【0027】
ここで、墨位置記号は、CAD図面中で墨位置を表す記号であり、ひとつの墨位置記号でひとつの墨位置を表す。また、墨位置記号同士は、実際の墨位置間の距離に所定の縮尺を乗じた距離だけ離隔している。言い換えると、パターンは、実際の墨位置間の距離に所定の縮尺を乗じた距離で互いに離隔した、複数の墨位置記号によって構成されている。
【0028】
また、データベース11は、同一のパターンをCAD図面中に複写するのに必要な指定項目(パターン複写指定項目)と、各指定項目に対して入力された指定内容に基づいてパターンを複写する方法(パターン複写方法)を記憶する。
【0029】
図面表示部12は、液晶表示装置(LCD)などからなり、CAD図面を表示する。
【0030】
パターン配置部13は、表示されたCAD図面中に、複数の墨位置記号(特定記号)からなるパターンを配置させる。具体的には、施工対象に設置する設置物の種類に関連付けられたパターンがデータベース11に未登録である場合には、後述のパターン作成部132によりパターンを作成して、その作成したパターンをCAD図面中に配置させる。一方で、設置物の種類に関連付けられたパターンがデータベース11に登録されている場合には、そのデータベース11に登録されたパターンをCAD図面中に配置させる。また、施工対象に同一種類の設置物を複数設置する場合、後述のパターン複写部133を用いて、CAD図面中に同一のパターンを複数並べて配置させる。例えば、図3に示すような円弧状の端部を有する複数の設置物30a、30b、30c、30dを設置する場合、第1の設置物30aの設置に必要な複数の墨位置31、32、33、34、35に対応する複数の墨位置記号からなるパターンを、複数並べて配置させる。
【0031】
指定内容入力部131は、パターンを作成する際に、データベース11に記憶された指定項目に基づいて、指定内容が入力されるものである。また、指定内容入力部131は、パターンを複写する際に、データベース11に記憶された指定項目に基づいて、指定内容が入力されるものである。例えば、CAD図面上に指定項目を表示して、マウス及びキーボードにより指定内容を入力させる。
【0032】
パターン作成部132は、指定内容入力部131に入力された指定内容と、データベース11に記憶されたパターン作成方法に基づいて、複数の墨位置記号からなる単体パターンを作成する。
【0033】
パターン複写部133は、指定内容入力部131に入力された指定内容と、データベース11に記憶されたパターン複写方法とに基づいて、パターンをCAD図面中に複写する。
【0034】
画層作成部14は、墨位置の寸法量の基準となる座標基準が複数存在する場合、各座標基準ごとに画像(「レイヤ」ともいう)を作成し、作成した各画層に墨位置記号を振り分ける。例えば、図4において、第1の墨位置41の寸法量は第1の座標基準51を基準とし、第2の墨位置42の寸法量は第2の座標基準52を基準とし、第3の墨位置43の寸法量は第3の座標基準53を基準としている。このような場合、各座標基準51、52、53ごとに画層を作成する。
【0035】
寸法量演算部15は、パターンが配置されたCAD図面に基づいて、所定の座標基準を基準とした墨位置の実際の寸法量を求める。例えば、図2に示す矩形のプレート20を設置する場合、特定の座標基準25を基準として、各取付穴21a、22a、23a、24aの中心点21b、22b、23b、24bにそれぞれ相当する墨位置ごとに寸法量を求める。図2において、例えば、第1の取付穴21aの中心点22aに相当する墨位置の寸法量は、図2中のXとYである。なお、実際の墨位置間の距離は、CAD図面上における墨位置記号間の距離に対して縮尺の逆数を乗じたものに等しい。
【0036】
ソーティング部16は、墨位置の寸法量の順序の並べ替え(ソーティング)を行う。ソーティング態様には各種ある。第1に、墨位置の寸法量の基準となる座標基準ごとに、墨位置記号をグループ分けして、並べ替えを行う態様がある。具体的には、墨位置記号が振り分けられた画層ごとに、墨位置記号をグループ分けして、墨位置の寸法量の順序を並べ替える。第2に、墨位置記号が属するパターンごとに、墨位置記号をグループ分けして、並べ替えを行う。第3に、墨位置の寸法量の大小の順に、並べ替えを行う。あるいは、第1乃至第3の態様の組み合わせで並べ替えを行う。
【0037】
寸法量一覧作成部17は、墨位置の寸法量の一覧を作成する。
【0038】
寸法量一覧出力部18は、作成された墨位置の寸法量の一覧を出力する。出力態様は特に限定されないが、例えばプリンタにより用紙に一覧を印刷する。
【0039】
なお、本実施形態において、パターン作成部132、パターン複写部133、画層作成部14、寸法量演算部15、ソーティング部16、及び、寸法量一覧作成部17は、制御部10と同様に、CPUによって構成されている。また、本実施形態において、パターン配置部13と指定内容入力部131は、マウス及びキーボードとCPUによって構成されている。
【0040】
図5及び図6は、各設置物(整流板、吊金具、ダクト、排風機、風速調整板取付部)ごとに、設置物の形状、特定記号(墨位置記号)の整列状態、単体パターン、単体パターンの作成に必要な指定項目、複数の単体パターンからなる複数パターン、及び、パターン複写方法を示す。
【0041】
図5の整流板において、特定記号の整列状態は、円弧である。単体パターンは、指定された基準点を中心として、予め決められた半径の弧上に、指定された開始位置から指定された終了位置まで、指定された配置個数分の特定記号を配置したパターンである。複数パターンは、指定された開始位置から指定された終了位置まで、指定された複写数分の単体パターンを複写したパターンである。
【0042】
図5の吊金具において、特定記号の整列状態は、矩形である。単体パターンは、指定された基準点を中心として、指定された縦位置及び指定された横位置だけ基準点から離隔した4つの位置にそれぞれ特定記号を配置したパターンである。複数パターンは、指定された基準位置を中心として、指定された縦間隔及び横間隔で単体パターンを配置したパターンである。
【0043】
図5のダクトは、直線部分と曲がり部分を有する。直線部分における複数の特定記号の整列状態は直線であり、曲がり部分における複数の特定記号の整列状態は円弧である。直線部分における単体パターンは、指定された基準点から、指定された間隔で、指定された配置個数分の特定記号を、指定された方向で並べて配置したパターンである。一方で、曲がり部分における単体パターンは、指定された基準点を中心として、予め決められた半径の弧上に、指定された開始位置から指定された終了位置まで、指定された配置個数分の特定記号を配置したパターンである。
【0044】
図6の排風機は、複数の基礎穴と複数の本体アンカー穴が形成されている。基礎穴に関する複数の特定記号の整列状態は矩形であり、本体アンカー穴に関する複数の特定記号の整列状態は円弧である。基礎穴に対応する単体パターンは、指定された基準点を基準として、指定された開始位置から指定された終了位置まで、指定された配置個数分の特定記号を配置したパターンである。一方で、本体アンカー穴に対応する単体パターンは、指定された基準点を中心として、指定された半径の円上に、指定された配置個数分の特定記号を配置したパターンである。基礎穴に関する複数パターンは、単体パターンを回転して複写したものである。本体アンカー穴に関する複写は行う必要がない。
【0045】
図6の風速調整板取付部における複数の特定記号の整列状態は、直線である。単体パターンは、指定された基準点(開始位置)から指定された終了位置まで、指定された配置個数分の特定記号を配置したパターンである。
【0046】
次に、図1の施工支援装置1における施工支援処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0047】
まず、設置物を設置する施工対象が表されたCAD図面を画面に表示する(S1)。例えば、図5及び図6に示す整流板、吊金具、ダクト、排風機、又は、風速調整板取付部を設置する施設を表したCAD図面が、周知のCAD技術によって予め作成されており、このCAD図面が画面上に表示される。この段階では、墨位置についてCAD図面には特に記載されていないものとする。
【0048】
次に、墨位置を表す特定記号(墨位置記号)のみを記載するレイヤ(墨位置レイヤ)を新規に作成し、そのレイヤに複数の墨位置記号からなるパターンを配置する(S2)。パターン配置前のCAD図面の例を図8に示し、パターン配置後のCAD図面の例を図9に示す。図9において、三角形の記号が墨位置記号である。なお、パターンをCAD図面に配置することにより複数の墨位置記号を一度にCAD図面に記載できる一方で、パターン化しないで墨位置記号をひとつひとつCAD図面に記載することも可能である。
【0049】
ここで、レイヤとは、CAD図面の作図で使用される無色透明な画層を指す。複数のレイヤを重ね合わせながら作図を行うことが可能であり、墨位置記号を記載するレイヤ以外にも、寸法線を記載するレイヤ、新規設置物のみを記載するレイヤ、その他の図面用途に応じた各種のレイヤを作成できる。そして、特定のレイヤの表示/非表示の切替え、特定のレイヤのみに対する線種変更、その他の特定のレイヤに注目した処理を行うことができる。
【0050】
本実施形態では、設置物の種類に対応するパターンが既に作成されてデータベース11に登録されている場合には、その予め作成されたパターンをCAD図面の墨位置レイヤに配置する一方で、設置物の種類に対応するパターンが未作成であってデータベース11に未登録である場合には、所定の指定内容(例えば、図5の整流板の場合には「基準点」、「開始位置」、「終了位置」、「配置個数」)を入力させて、入力された指定内容に基づいてパターンを作成し、その作成したパターンをCAD図面の墨位置レイヤに配置する。なお、配置したパターンに係わる墨位置がどの座標基準を基準として位置決めするかについて、各パターンと座標基準とを関連付けすることができる。
【0051】
また、墨位置の座標基準が複数存在する場合には、図10に示すように、各座標基準ごとにレイヤ61、62、63、64を新規に作成し(S3)、パターンを配置した墨位置レイヤ60上の墨位置記号を、座標基準ごとに作成した各レイヤ61、62、63、64に対して座標基準に応じて振り分ける(S4)。
【0052】
そして、各レイヤ61、62、63、64ごとに、座標基準を基準とした各墨位置の寸法量を求め(S5)、座標基準、パターン、及び、寸法量の値に基づいて、墨位置の寸法量の順序をソーティングして(S6)、墨位置の寸法量の一覧を作成し(S7)、作成した一覧を出力する(S8)。
【0053】
墨位置の寸法量の一覧の例を図11に示す。図11において、各墨位置を識別する番号、各墨位置の寸法量(X、Y)、墨位置記号が属するパターン、墨位置記号が振り分けられたレイヤ、墨位置の寸法量の基準となる座標基準、及び、その他情報を記載した備考が一覧に記載されている。
【0054】
CAD図面にパターンを配置する処理(図7のステップS2)の詳細例を、図12のフローチャートに示す。
【0055】
図12において、まず、設置物の種類を指示入力させる(S202)。例えば、画面上に設置物の種類(例えば、整流板、吊金具、ダクト、排風機、風速調整板取付部など)の一覧を表示し、所望の種類をマウスにより指示させる。
【0056】
指示された種類の設置物に係わるパターンが既に作成済であるか否かを判定する(S204)。未作成の場合、すなわちデータベース11に未登録である場合には、指定された種類の設置物に係わるパターンを作成するのに必要な指定項目を画面に表示し(S206)、各指定項目に対応した指定内容を入力させて(S208)、入力された指定内容に基づいてパターンを作成する(S210)。具体的には、設置物の各種類ごとに、図13に示すようなテーブル情報がデータベース11に予め記憶されているので、指定された種類のテーブル情報を参照し、テーブル情報の「パターン作成指定項目」に従って指定項目の表示(S206)を行い、テーブル情報の「パターン作成方法」にしたがってパターンの作成(S210)を行う。例えば、設置物の種類として図5に示す整流板が指定されていた場合、パターンの基準点、墨位置記号の開始位置、墨位置記号の終了位置、及び、墨位置記号の配置個数を指定項目として画面上に表示する。これらの指定項目に対してそれぞれ指定内容が入力されると、指定された基準点を中心として、予め決められた半径の弧上に、指定された開始位置から指定された終了位置まで、指定された配置個数分の墨位置記号を配置したパターンを作成して、CAD図面上に配置する(S212)。これらの指定項目の入力は、全ての指定項目を入力する必要はなく、入力が必須なもの(例えばパターンの基準点)を除いて、デフォルト値を用いてもよい。また、必ずしも数値を入力する必要はなく、画面上でマウスによりポインティング操作をすることにより入力すればよい。なお、作成したパターンはデータベース11に登録される。
【0057】
指示された種類の設置物に係わるパターンが既に作成済である場合、すなわちデータベース11に登録されている場合には、CAD図面上の指示された位置にパターンを配置する(S214)。例えば、データベース11に既登録のパターンを画面上の適当な位置に表示し、表示したパターンをマウスにより所望の位置に再配置させることにより、そのパターンの基準点を指定入力させる。指定内容(例えば墨位置記号の配置個数)を変更することも可能である。
【0058】
次に、パターンの複写指示が入力されたか否かを判定し(S220)、複写指示が入力された場合には、パターンの複写に必要な指定項目を画面に表示し(S222)、各指定項目に対応した指定内容を入力させて(S224)、入力された指定内容に基づいてパターンを複写する(S226)。具体的には、設置物の各種類ごとに、図13に示すようなテーブル情報がデータベース11に予め記憶されているので、指定された種類のテーブル情報を参照し、テーブル情報の「パターン複写指定項目」に従って指定項目の表示(S222)を行い、テーブル情報80の「パターン複写方法」に従ってパターンの複写(S226)を行う。例えば、設置物の種類として図5に示す整流板が指定されていた場合、パターンの基準点の開始位置、終了位置、及び、複写数を指定項目として画面上に表示する。これらの指定項目の入力は、全ての項目を入力する必要はなく、入力が必須なものを除いて、デフォルト値を用いてもよい。また、必ずしも数値を入力する必要はなく、マウスを用いて画面上でポインティング操作をすることにより入力すればよい。
【0059】
そして、パターンの配置を続ける場合には、ステップS202乃至S226を繰り返す(S230)。
【0060】
以上、CAD図面が2次元で表された場合を例に説明したが、図14に示すように3次元のCAD図面に基づいて墨位置の寸法量の一覧を作成して出力するようにしてもよい。図14のCAD図面は、施工対象としてトンネルを表している。例えば図15に示すようなアンカーボルトで取り付けるための複数の取付穴91、92、93、94、95を有した設置物90を、図14に示すようなトンネル内の天井壁面に設置する場合、図15の設置物90の取付穴91、92、93、94、95にそれぞれ対応したトンネル内の天井壁面の墨位置に墨で印を付ける作業を施工現場で行うことになる。このような施工現場での作業の前に、設計段階において、図14のCAD図面に対して図15の設置物90に対応するパターンを配置して、各墨位置の寸法量を求め、墨位置の寸法量の一覧を作成して出力しておく。このような墨位置の寸法量の一覧は、施工現場での作業に用いられるほか、設計値と施工現場での計測値とを比較して事後検証する際にも用いられる。
【0061】
また、墨位置の寸法量のグループ化は、座標基準、パターン、及び、寸法量(あるいは座標値)の値以外に基づいて行ってもよい。例えば、墨位置の寸法量に対して付加する属性として、図11に示すパターン、レイヤ及び座標基準以外にも、特定記号の形状、色、大きさなどの属性を追加してもよい。これらの属性を追加して、同一レイヤに多数のパターンが配置された場合、さらに細かなグループ分けを行うことにより、墨位置の寸法量をレイヤ内で細かくグループ管理できるという効果が得られる。
【0062】
また、本発明における墨位置は、墨を用いて十字の印をつける位置に限らず、施工の際の様々な位置決め位置を含む。例えば、可視のレーザー光を施工対象に照射して位置を示す場合、このようなレーザー光で照射する位置も墨位置に含み、本発明を実施できる。
【0063】
なお、本発明は、図面やその説明に記載した例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、設計変更や改良を適宜実施してよいことはいうまでもない。例えば、図12及び図13を用いて説明したパターン化以外のパターン化によって墨位置記号のパターン化を行ってよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明を適用した施工支援装置の概念的な構成を示す概略ブロック図
【図2】墨位置の説明に用いる設置物の一例を示す説明図
【図3】同一種類の設置物を複数設置する場合の墨位置の説明に用いる説明図
【図4】座標基準が複数存在する場合の墨位置の寸法量の説明に用いる説明図
【図5】整流板、吊金具及びダクトのパターン化の説明に用いる説明図
【図6】排風機及び風速調整板取付部のパターン化の説明に用いる説明図
【図7】本発明を適用した施工支援処理の流れ示す概略フローチャート
【図8】墨位置を示す特定記号を配置する前のCAD図面の例を示す図
【図9】墨位置を示す特定記号を配置した後のCAD図面の例を示す図
【図10】各座標基準ごとに画層を作成して墨位置を示す特定記号を振り分ける処理の説明に用いる説明図
【図11】墨位置の寸法量の一覧の例を示す説明図
【図12】パターンをCAD図面中に配置する処理の例を示すフローチャート
【図13】パターンをCAD図面中に配置する処理に用いるテーブル情報の例を示す説明図
【図14】施工対象の例を示す3次元のCAD図面
【図15】設置物の例を示す3次元のCAD図面
【符号の説明】
【0065】
10…制御部、11…データベース、12…図面表示部、13…パターン配置部、14…画層作成部、15…寸法量演算部、16…ソーティング部、17…寸法量一覧作成部、18…寸法量一覧出力部(寸法量出力部)、131…指定内容入力部、132…パターン作成部、133…パターン複写部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の墨位置を必要とする設置物を所定の施工対象に設置する場合、該施工対象が表されたCAD図面を所定の画面に表示するステップと、
表示したCAD図面中に、前記複数の墨位置に対応する複数の特定記号からなるパターンを配置させるパターン配置ステップと、
前記パターンが配置されたCAD図面に基づいて、所定の座標基準を基準とした前記複数の墨位置の寸法量を求めるステップと、
求めた墨位置の寸法量を出力するステップと、
を含むことを特徴とする施工支援方法。
【請求項2】
前記パターン配置ステップは、
前記設置物の種類に対応するパターンの作成に必要な指定内容を入力させるステップと、
前記指定内容に基づいて、前記設置物の種類に対応する前記パターンを作成するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の施工支援方法。
【請求項3】
前記施工対象に同一種類の前記設置物を複数設置する場合、前記設置物の種類に対応するパターンを前記CAD図面中に複写するのに必要な指定内容を入力させるステップと、
前記指定内容に基づいて前記パターンを前記CAD図面中に複写するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の施工支援方法。
【請求項4】
前記座標基準が複数存在する場合、各座標基準ごとに画層を作成するステップと、
作成した各画層に前記特定記号を振り分けるステップと、
を含み、前記各画層ごとに前記墨位置の寸法量を出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の施工支援方法。
【請求項5】
前記座標基準、前記パターン、前記寸法量の値、又は、これらの組み合わせに基づいて前記墨位置の寸法量を並べ替えるステップと、
を含み、前記並べ替えた墨位置の寸法量を出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の施工支援方法。
【請求項6】
複数の墨位置を必要とする設置物を所定の施工対象に設置する場合、該施工対象が表されたCAD図面を表示する図面表示部と、
表示したCAD図面中に、前記複数の墨位置に対応する複数の特定記号からなるパターンを配置させるパターン配置部と、
前記パターンが配置されたCAD図面に基づいて、所定の座標基準を基準とした前記複数の墨位置の実際の寸法量を求める寸法量演算部と、
求めた寸法量を出力する寸法量出力部と、
を備えたことを特徴とする施工支援装置。
【請求項1】
複数の墨位置を必要とする設置物を所定の施工対象に設置する場合、該施工対象が表されたCAD図面を所定の画面に表示するステップと、
表示したCAD図面中に、前記複数の墨位置に対応する複数の特定記号からなるパターンを配置させるパターン配置ステップと、
前記パターンが配置されたCAD図面に基づいて、所定の座標基準を基準とした前記複数の墨位置の寸法量を求めるステップと、
求めた墨位置の寸法量を出力するステップと、
を含むことを特徴とする施工支援方法。
【請求項2】
前記パターン配置ステップは、
前記設置物の種類に対応するパターンの作成に必要な指定内容を入力させるステップと、
前記指定内容に基づいて、前記設置物の種類に対応する前記パターンを作成するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の施工支援方法。
【請求項3】
前記施工対象に同一種類の前記設置物を複数設置する場合、前記設置物の種類に対応するパターンを前記CAD図面中に複写するのに必要な指定内容を入力させるステップと、
前記指定内容に基づいて前記パターンを前記CAD図面中に複写するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の施工支援方法。
【請求項4】
前記座標基準が複数存在する場合、各座標基準ごとに画層を作成するステップと、
作成した各画層に前記特定記号を振り分けるステップと、
を含み、前記各画層ごとに前記墨位置の寸法量を出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の施工支援方法。
【請求項5】
前記座標基準、前記パターン、前記寸法量の値、又は、これらの組み合わせに基づいて前記墨位置の寸法量を並べ替えるステップと、
を含み、前記並べ替えた墨位置の寸法量を出力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の施工支援方法。
【請求項6】
複数の墨位置を必要とする設置物を所定の施工対象に設置する場合、該施工対象が表されたCAD図面を表示する図面表示部と、
表示したCAD図面中に、前記複数の墨位置に対応する複数の特定記号からなるパターンを配置させるパターン配置部と、
前記パターンが配置されたCAD図面に基づいて、所定の座標基準を基準とした前記複数の墨位置の実際の寸法量を求める寸法量演算部と、
求めた寸法量を出力する寸法量出力部と、
を備えたことを特徴とする施工支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−53772(P2006−53772A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−235250(P2004−235250)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(000005452)日立プラント建設株式会社 (1,767)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(000005452)日立プラント建設株式会社 (1,767)
【Fターム(参考)】
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