説明

施設検索装置及びプログラム

【課題】ユーザがより有益な特典を受けられる施設を案内可能な施設検索装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】施設検索装置は、施設を検索し(S101)、施設にてユーザが受けられる特典に関する特典情報を取得する(S103)。また、ユーザの地元エリアに関する地元エリア情報を取得する(S104)。そして、特典情報および地元エリア情報に基づき、検索された施設を分類し(S108、S109、S111〜S113)、分類結果を出力する(S114)。ユーザの地元エリアで特典を受けられるかを考慮し、検索された施設を適切に分類して出力するので、ユーザがより有益な特典を受けられる施設を案内することができる。また、ユーザが検索された施設を選択する際の一助とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設検索装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目的地への経路を案内するナビゲーション装置が知られている。また、クーポンを使える施設を検索可能なシステムも公知である。例えば、特許文献1では、番組で放送された施設等への経路を生成し、経路周辺の店舗で使用可能なクーポン情報を収集し、ICカードなどのリムーバブルメディアに記録し店舗でクーポンを使用する環境を提供する情報処理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−187577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、クーポンには発行元の施設ごとに様々な利用条件がある。しかしながら、特許文献1では、入手しようとするクーポンの利用条件までを考慮したシステムとはなっていなかった。すなわち特許文献1では、施設ごとに提示されたクーポンのうち、ユーザにとって有益なクーポンがどのクーポンであるかを判断することができなかった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザがより有益な特典を受けられる施設を案内可能な施設検索装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の施設検索装置は、施設を検索する施設検索手段と、施設にてユーザが受けられる特典に関する特典情報を取得する特典情報取得手段と、ユーザの地元エリアに関する地元エリア情報を取得する地元エリア情報取得手段と、特典情報および地元エリアに基づき、施設検索手段により検索された施設を分類する分類手段と、分類手段による分類結果を出力する出力手段と、を備える。これにより、ユーザの地元エリアで特典を受けられるかを考慮し、検索された施設を適切に分類して出力するので、ユーザがより有益な特典を受けられる施設を案内することができる。また、ユーザが検索された施設を選択する際の一助とすることができる。
【0006】
具体的には、以下の構成が採用される。
請求項2に記載の発明では、施設検索装置は、特典情報および地元エリア情報に基づき、地元エリアにて特典を受けられるか否かを検索された施設ごとに特定する地元利用可否特定手段を備える。分類手段は、地元利用可否特定手段の特定結果に基づき、地元エリアにて特典を受けられると特定された施設を地元利用可能グループに分類する。これにより、地元エリアにて特典を受けられる施設を適切に分類して出力するので、ユーザがより有益な特典を受けられる施設を案内することができ、ユーザが検索された施設を選択する際の一助とすることができる。
【0007】
請求項3に記載の発明では、施設検索装置は、施設を訪問時に特典を受けられるか否かを検索された施設ごとに特定する即時利用可否特定手段を備える。また、分類手段は、即時利用可否特定手段の特定結果に基づき、訪問時に特典を受けられると特定された施設を即時利用可能グループに分類する。これにより、訪問時に特典を受けられる施設を適切に分類して出力するので、ユーザがより有益な特典を受けられる施設を案内することができ、ユーザが検索された施設を選択する際の一助とすることができる。
【0008】
請求項4に記載の発明では、出力手段は、即時利用可能グループまたは地元利用可能グループに分類された施設を他の施設よりも優先度を高くして分類結果を出力する。また、請求項5に記載の発明では、出力手段は、即時利用可能グループ、地元利用可能グループの順に優先度を設定し、当該優先度に基づいて分類結果を出力する。さらにまた、請求項6に記載の発明では、出力手段は、即時利用可能グループに分類された施設のうち、地元利用可能グループにも分類された施設の優先度を最も高く設定し、当該優先度に基づいて分類結果を出力する。これにより、ユーザが比較的特典を利用しやすい施設の優先度を高めて出力することができるので、利便性が向上する。
【0009】
以上、施設検索装置の発明として説明してきたが、次に示すようなプログラムの発明として実現することもできる。
すなわち、施設を検索する施設検索手段、施設にてユーザが受けられる特典に関する特典情報を取得する特典情報取得手段、ユーザの地元エリアに関する地元エリア情報を取得する地元エリア情報取得手段、特典情報および地元エリアに基づき、施設検索手段により検索された施設を分類する分類手段、および、分類手段による分類結果を出力する出力手段、としてコンピュータを機能させるプログラムである。このようなプログラムを実行することで、上述の施設検索装置と同様の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態による施設検索装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による特典情報データベースを説明する説明図である。
【図3】本発明の一実施形態による分類処理を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態によるリスト表示の画面イメージを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明による施設検索装置を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
図1は、本発明の一実施形態による施設検索装置としての車載器1の全体構成を示すブロック図である。車載器1は、制御部10を中心に構成されており、制御部10に接続される位置検出器20、地図情報記憶部30、操作スイッチ群40、描画部60、音声出力部70、特典情報記憶部80等を備えている。
【0012】
制御部10は、通常のコンピュータとして構成されている。制御部10の内部には、CPU、ROM、I/O、および、これらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。
位置検出器20は、いずれも周知の地磁気センサ21、ジャイロスコープ22、距離センサ23、および、衛星からの電波を受信するGPS(Global Positioning System)受信機24等を有している。これらのセンサ21〜24は、各々が性質の異なる誤差を持っているため、相互に補完しながら使用される。
【0013】
地図情報記憶部30は、例えばハードディスク装置(HDD)として実現される記憶装置である。なお、本実施形態ではHDDを用いたが、DVD−ROMや、メモリカード等の他の媒体を用いても差し支えない。地図情報記憶部30は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データおよび経路を探索するための地図情報を記憶している。
【0014】
また地図情報には、施設に関する施設情報が含まれる。施設情報は、具体的には施設
を特定するIDと関連付けられて記憶されているPOI(Point Of Inter
est)情報である。POI情報には、施設名称、施設ID、位置座標、種別(ジャンル
)を示す情報などが含まれる。
【0015】
操作スイッチ群40は、ディスプレイ61と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチやリモコン装置等で構成され、各種入力に使用される。
描画部60には、ディスプレイ61が接続されている。ディスプレイ61は、液晶やCRTを用いたカラーディスプレイである。このディスプレイ61を介して情報表示が行われる。
音声出力部70には、スピーカ71が接続されている。スピーカ71を介して音声による案内が行われる。
【0016】
特典情報記憶部80は、店舗等の施設において、ユーザが受けられる特典に関する特典情報を記憶するものであり、地図情報記憶部30と同一のHDDで構成されている。もちろん、メモリカード等の他の媒体を用いてもよい。「特典」とは、ユーザが施設等を訪問し、例えば所謂クーポン等を利用することにより受けられる割引等のサービスをいう。「クーポンを利用する」とは、クーポン券を提示する、クーポン画面が表示された携帯電話を提示する、「ホームページを見ました」等のキーワードを言う、パスワードを入力する、等である。以下、適宜「ユーザがクーポンを利用することにより特典を受けること」を単に「クーポンを利用する」という。
【0017】
特典情報記憶部80には、特典情報データベースが記憶されている。特典情報データベースには、地図情報記憶部30に記憶されているPOI情報と同様の施設に関する施設情報と、当該施設にてユーザが付加的に受けられる特典に関する特典情報とが関連付けて記憶されている。特典情報データベースは、例えば1ヶ月ごとといった具合に比較的短い期間で更新される。特典情報データベースは、図示しない情報センタ等から情報を取得することにより更新される。なお、特典情報データベースは、比較的頻繁に更新されるものであるので、特典情報データベースには、地図情報記憶部30に記憶されている施設のうち、主にユーザが金銭を支払いその対価としてサービスを受ける施設(以下、「サービス施設」という。)に対応する種別の施設のみが選択的に記憶されるように構成してもよい。なお、サービス施設に対応する種別としては、飲食店、小売店、美容院、映画館、美術館、遊園地、宿泊施設等が例示される。また、サービス施設ではない施設、例えば図書館、学校、駅等は、特典情報データベースから除外してもよい。なお、本実施形態では、施設情報と特典情報とが関連付けて特典情報データベースとして記憶されているが、特典情報データベースにおける特典情報と関連付けられる施設情報は、施設IDのみであってもよい。特典情報と関連付けられる施設情報を施設IDのみとすることにより、特典情報データベースのデータ量を抑えることができる。
【0018】
ここで、特典情報データベースを図2に基づいて説明する。特典情報データベースには、サービス施設について、地図情報記憶部30に記憶されているPOI情報と同様の施設名称、施設ID、位置座標、種別を示す情報が関連付けて記憶されているが、図2においては、施設名称のみを図示しており、施設ID、位置座標、種別を示す情報については省略した。特典情報データベースでは、利用可能なクーポンがある施設に対し、クーポンフラグがセットされている。なお、本実施形態では、利用可能なクーポンがある施設に対し、クーポンフラグがセットされているが、これに替えて、利用可能なクーポンがない施設に対し、クーポン無しフラグがセットされるように構成してもよい。
【0019】
ところで、クーポンには、それぞれ異なる利用条件が設定されており、施設を訪問時にすぐに特典を受けられる場合とすぐに特典を受けられない場合とがある。施設を訪問時にすぐに特典を受けられる場合とは、サービス施設が飲食店である場合、当該サービス施設を訪問して飲食したときの会計の5%OFFや、ドリンクやデザート等が無料になる場合であるが例示される。またサービス施設が映画館等である場合、割引料金で入場できる場合が例示される。このように、訪問時にすぐに特典を受けられる施設に対し、即時フラグがセットされている。
【0020】
一方、施設を訪問時にすぐに特典を受けられない場合とは、例えばサービス施設が飲食店である場合、当該サービス施設を訪問して飲食したときの会計時にクーポンが配布され、次回来店時10%OFFや、3枚集めると牛丼1杯無料等になる場合等である。また例えばサービス施設が映画館等である場合、チケットの半券を提示することにより周辺施設を割引料金で利用できる場合等である。このような訪問時にすぐに特典を受けられない施設に対しては、即時フラグがセットされていない。
【0021】
また、クーポンには、例えば発行元の店舗に限り使用可能なものや、その他にも例えば全国に広くチェーン展開している店舗であれば、他のエリアの同一チェーン店でも使用可能なものがある。そこで、特典情報データベースには、クーポンを利用可能なエリア(以下、「有効エリア」という。)を示す有効エリア情報がサービス施設と関連付けて記憶されている。本実施形態では、有効エリアは、都道府県で特定される。さらに、特典情報データベースには、クーポンの有効期限に関する有効期限情報、および、クーポンを利用することにより受けられるサービス内容(例えば5%OFF、ドリンクサービス等)に関するサービス情報がサービス施設と関連付けて記憶されている。
【0022】
例えば、施設Gにおいて、会計時に提示することにより5%OFFとなるクーポンがある場合、施設Gには、クーポンフラグおよび即時フラグがセットされている。また、施設Gには、有効エリア「全国」、有効期限「2010.04.30」、サービス情報「会計時に5%OFF」が関連付けて記憶されている。
【0023】
また例えば施設Hでは、施設Hで飲食をした後、会計時に次回利用できるワンドリンクサービスのクーポンを配布している場合、施設Hでは訪問時にすぐに特典を受けることができない。したがって、施設Hには、クーポンフラグがセットされ、即時フラグはセットされていない。また、施設Hには、有効エリア「東京、愛知」、有効期限「2010.4.30」、サービス情報「ワンドリンクサービス」が関連付けて記憶されている。
【0024】
さらに例えば施設Jにおいて利用できるクーポンがない場合、施設Jには、クーポンフラグおよび即時フラグがセットされていない。また、有効エリア情報、有効期限、サービス情報が記憶されていない、といった具合である。
【0025】
なお、図2に示す例では、1つの施設において利用できるクーポンが1種類である場合を例に説明しているが、1つの施設において利用できるクーポンが複数ある場合、クーポンごとに即時フラグ、有効エリア情報、有効期限情報、およびサービス情報が施設と関連付けて記憶されている。
また、特典情報記憶部80には、操作スイッチ群40を介した入力情報に基づいて施設が検索されたときに作成されるリストが記憶される。
【0026】
本実施形態では、特典情報に基づき、すぐに特典を受けられる施設、地元エリアにて特典を受けられる施設等を分類して出力する点に特徴を有している。そこで、図3に示すフローチャートに基づいて分類処理を説明する。
【0027】
初めのステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す。)では、ユーザが操作スイッチ群40を操作することにより、ジャンル、名称等の情報が入力され、入力された情報に基づき、施設が検索される。本実施形態では、車両の現在位置を示す現在位置情報に基づき、車両の現在位置から所定範囲内、例えば車両の現在位置を中心とする半径10km以内、の施設を検索する。
【0028】
S102では、S101で検索された施設のリストを作成し、特典情報記憶部80に記憶する。
S103では、特典情報データベースを参照し、S102で作成されたリストにおいて、特典情報を施設ごとに付加する。
S104では、ユーザの地元エリアに関する地元エリア情報を取得する。本実施形態では、車載器1内において、ユーザの自宅が予め登録されているものとし、自宅として登録されている地点が含まれる都道府県を「地元エリア」とする。
【0029】
S105〜S113の分類処理は、S102で作成されたリストに含まれる施設ごとに行われる。ここでは、S102で作成されたリストに含まれる施設の1つである施設Xを例にS105〜S113の処理を説明する。
【0030】
S105では、施設Xにて利用可能なクーポンがあるか否かを判断する。ここでの判断は、特典情報の付加されたリストを参照し、施設Xにクーポンフラグがセットされているか否かに基づいて判断する。施設Xにて利用可能なクーポンがないと判断された場合(S105:NO)、すなわちクーポンフラグがセットされていない場合、S113へ移行する。施設Xにて利用可能なクーポンがあると判断された場合(S105:YES)、すなわちクーポンフラグがセットされている場合、S106へ移行する。
【0031】
S106では、施設Xを訪問時にすぐに特典を受けられるか否かを判断する。ここでの判断は、特典情報の付加されたリストを参照し、即時フラグがセットされているか否かに基づいて判断する。施設Xを訪問時にすぐに特典を受けられないと判断された場合(S106:NO)、すなわち即時フラグがセットされていない場合、S110へ移行する。施設Xを訪問時にすぐに特典を受けられると判断された場合(S106:YES)、すなわち即時フラグがセットされている場合、S107へ移行する。
【0032】
S107では、施設Xのクーポンを地元エリアで利用できるか否かを判断する。本実施形態では、S104で特定された地元エリアと施設Xに関連付けられている有効エリア情報とに基づき、クーポンを地元エリアで利用できるか否かを判断する。施設Xのクーポンを地元エリアで利用できないと判断された場合(S107:NO)、S109へ移行する。施設Xのクーポンを地元エリアで利用できると判断された場合(S107:YES)、S108へ移行する。
S108では、施設XをグループAに分類する。
S109では、施設XをグループBに分類する。
【0033】
ところで例えば旅行先等、ユーザの地元エリア以外の一時的に滞在するエリアで利用した施設において、すぐに特典を受けられないクーポンを入手したとしても、当該クーポンをユーザの地元エリアで利用できなければ、ユーザは特典を受けられない可能性がある。そこで、施設Xを訪問時にすぐ特典を受けられないと判断された場合(S106:NO)に移行するS110では、施設Xのクーポンを地元エリアで利用できるか否かを判断する。本実施形態では、S107と同様、S104で特定された地元エリアとおよび施設Xに関連付けられている有効エリア情報とに基づき、でクーポンを地元エリアで利用できるか否かを判断する。施設Xのクーポンを地元エリアで利用できないと判断された場合(S110:NO)、S112へ移行する。施設Xのクーポンを地元エリアで利用できると判断された場合(S110:YES)、S111へ移行する。
【0034】
S111では、施設XをグループCに分類する。
S112では、施設XをグループDに分類する。
施設Xにて利用可能なクーポンがないと判断された場合(S105:NO)に移行するS113では、施設XをグループEに分類する。
【0035】
S102で作成されたリスト中の全ての施設についてS105〜S113の処理が行われ、検索施設リスト中の全ての施設がグループA〜グループEのいずれかに分類された後に移行するS114では、分類されたグループに基づき、S101にて検索された施設をソートし、ディスプレイ61にリスト表示する。本実施形態では、グループAの優先度が最も高く、次いでグループB、グループC、グループDと続き、グループEの優先度が最も低いものとし、当該優先度に基づいてリスト表示する。なお、同一のグループに複数の施設が含まれる場合、車両の現在位置からの距離が近い順にリスト表示するものとする。
【0036】
S115では、S114にてディスプレイ61に表示されたリストの中から、操作スイッチ群40を介してユーザにより施設が選択されると、選択された施設を目的地として設定し、本処理を終了する。なお、本処理とは別の処理において、設定された目的地への経路が探索され、当該目的地への経路案内が行われる。
【0037】
ここで、図2〜4に基づき、分類処理の具体例を説明する。車両の現在位置が東京都内であるものとする。また、愛知県内の地点が、ユーザの自宅として登録されているものとする。さらにまた、図2に示す施設G、H、J、K、L、P、Qは、いずれも飲食店であり、施設G、H、J、K、Lは東京都内にある施設であって車両の現在位置から所定の範囲内にあるものとする。一方、施設P、Qは、車両の現在位置から所定の範囲内にないものとする。
【0038】
ユーザにより操作スイッチ群40が操作され、種別「飲食店」が入力されると、該当する施設を検索する(S101)。この例では、車両の現在位置から所定の範囲内にある施設である施設G、H、J、K、Lが検索される。また、検索された施設のリストを作成し、特典情報記憶部80に記憶する。なお、施設P、Qは、車両の現在位置から所定範囲内にないので、S101にて検索されず、したがって、S102にて作成されるリストには含まれない。
【0039】
また、施設G、H、J、K、Lに関する特典情報を特典情報データベースから取得し、作成されたリストに特典情報を付加する(S103)。さらにまた、ユーザの地元エリアを特定する。この例では、愛知県内の地点がユーザの自宅として登録されているので、「愛知県」を地元エリアとして特定する(S104)。
【0040】
続いて、作成されたリストに含まれる施設G、H、J、K、Lについて、分類処理を行う(S105〜S113)。
施設Gには利用可能なクーポンがあり(S105:YES)、訪問時にすぐに特典を受けることができる(S106:YES)。また、施設Gのクーポンは、地元エリアである愛知県で利用可能であるので(S107:YES)、施設GをグループAに分類する(S108)。
【0041】
施設Hには利用可能なクーポンがあるが(S105:YES)、訪問時にすぐに特典を受けることができない(S106:NO)。ただし、当該クーポンは、地元エリアである愛知県で利用可能であるので(S110:YES)、施設HをグループCに分類する(S111)。
施設Jには、利用可能なクーポンがないので(S105:NO)、施設JをグループEに分類する(S113)。
【0042】
施設Kにはクーポンがあるが(S105:YES)、訪問時にすぐに特典を受けることができない(S106:NO)。また、施設Kのクーポンは、地元エリアである愛知県で利用できないので(S110:NO)、施設KをグループDに分類する(S112)。なお、例えばユーザが東京または神奈川に訪れる頻度が低い場合、施設Dのクーポンをもらったとしても、当該クーポンを利用できない可能性がある。
【0043】
施設Lにはクーポンがあり(S105:YES)、訪問時にすぐに特典を受けることができる(S106:YES)。ただし、施設Lのクーポンは、地元エリアである愛知県では利用できないので(S107:NO)、施設LをグループBに分類する(S109)。
【0044】
すなわち、グループAに施設Gが分類され、グループBに施設Lが分類され、グループCに施設Hが分類され、グループDに施設Kが分類され、グループEに施設Jが分類される。そして、ディスプレイ61には、図4に示すように、施設G、施設L、施設H、施設K、施設Jの順にソートされたリストが表示される(S114)。なお、ディスプレイ61には、グループA〜グループDに分類された施設G、L、H、Kに対し、クーポンがあることを示すアイコン(図4中にて記号Rで示す。)が表示される。また、グループAおよびグループBに分類された施設G、Lに対し、クーポンを利用することによりすぐに特典を受けられることを示すアイコン(図4中にて記号Sで示す。)が表示される。さらにまた、グループAおよびグループCに分類された施設G、Hに対し、地元エリアで利用できるクーポンがあることを示すアイコン(図4中に記号Tで示す。)が表示される。
【0045】
以上詳述したように、車載器1は、施設を検索し(S101)、検索された施設にてユーザが受けられる特典に関する特典情報を取得する(S103)。また、ユーザの地元エリアに関する地元エリア情報を取得する(S104)。そして、特典情報および地元エリア情報に基づき、検索された施設を分類し(S108、S109、S111〜S113)、分類結果を出力する(S114)。本実施形態では、分類結果を施設に対応付けて、検索された施設をリスト表示する。地元エリアはユーザ毎に異なっているが、ユーザの地元エリアで特典を受けられるかを考慮し、検索された施設を適切に分類して出力するので、ユーザがより有益な特典を受けられる施設を案内することができる。また、ユーザが検索された施設を選択する際の一助とすることができる。
【0046】
特典情報および地元エリア情報に基づき、地元エリアにて特典を受けられるか否かを検索された施設ごとに特定し(S107、S110)、地元エリアにて特典を受けられると特定された施設を地元利用可能グループに分類する(S108、S111)。これにより、地元エリアにて特典を受けられる施設を適切に分類して出力するので、ユーザがより有益な特典を受けられる施設を案内することができ、ユーザが検索された施設を選択する際の一助とすることができる。
【0047】
また、施設を訪問時に特典が受けられるか否かを検索された施設ごとに特定し(S106)、訪問時に特典を受けられると特定された施設を即時利用可能グループに分類する(S108、S109)。これにより、訪問時に特典を受けられる施設を適切に分類して出力するので、ユーザがより有益な特典を受けられる施設を案内することができ、ユーザが検索された施設を選択する際の一助とすることができる。
【0048】
また本実施形態では、即時利用可能グループまたは地元利用可能グループに分類された施設を他の施設よりも優先度を高くして分類結果を出力している。また、即時利用可能グループ、地元利用可能グループの順に優先度を設定している。さらに、即時利用可能グループに分類された施設のうち、地元利用可能グループにも分類された施設の優先度を最も高く設定している(S114)。これにより、ユーザが比較的特典を利用しやすい施設の優先度を高めて出力することができるので、利便性が向上する。
【0049】
なお、本実施形態では、制御部10が「施設検索手段」、「特典情報取得手段」、「地元エリア情報取得手段」、「分類手段」、「出力手段」、「地元利用可否特定手段」、「即時利用可否特定手段」を構成する。
【0050】
また、図3中のS101が「施設検索手段」の機能としての処理に相当し、S103が「特典情報取得手段」の機能としての処理に相当し、S104が「地元エリア情報取得手段」の機能としての処理に相当し、S108、S109、S111〜S113が「分類手段」の機能としての処理に相当し、S114が「出力手段」の機能としての処理に相当する。また、S107およびS110が「地元利用可否特定手段」の機能としての処理に相当し、S106が「即時利用可否特定手段」の機能としての処理に相当する。
【0051】
さらにまた、本実施形態では、特典がある施設を有特典グループとし、特典がない施設を無特典グループとすると、グループA〜Dが「有特典グループ」に対応し、グループEが「無特典グループ」に対応する。また、グループAおよびグループCが「地元利用可能グループ」に対応し、グループAおよびグループBが「即時利用可能グループ」に対応する。なお、グループAに分類された施設は、「即時利用可能グループ」および「地元利用可能グループ」の双方に分類されているといえる。また、有特典グループの中に、「即時利用可能グループ」および「地元利用可能グループ」が含まれている、といえる。
【0052】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
(ア)施設検索手段
上記実施形態では、車両の現在位置に関する現在位置情報に基づき、車両の現在位置のから所定の範囲内にある施設を検索した。変形例では、例えば目的地が設定されている場合、目的地の位置情報に基づき、目的地から所定の範囲内にある施設を検索してもよい。
【0053】
(イ)地元エリア、特典の有効エリア
上記実施形態では、自宅として登録された地点が含まれる都道府県を「地元エリア」として特定した。変形例では、都道府県よりも小さい行政区画、例えば市町村、に基づいて地元エリアを特定してもよいし、自宅として登録された地点を中心とする所定範囲内、例えば半径10km以内、としてもよい。また、走行履歴を取得し、取得された走行履歴に基づいて地元エリアを特定してもよい。具体的には、所定回数以上走行した道路を含む所定のエリア、例えば矩形のエリア、を地元エリアとしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、クーポンを利用可能な有効エリアは、都道府県単位で特定されていた。変形例では、都道府県よりも小さい行政区画、例えば市町村、に基づいて特定してもよい。クーポンを利用可能な有効エリアが所定の領域として特定されている場合、当該有効エリアと地元エリアとの少なくとも一部が一致するか否かを判断することにより、地元で利用可能か否かを判断してもよい。
【0055】
また、クーポンを利用できる施設の位置座標が、図2に示す「有効エリア情報」として記憶されているように構成してもよい。この場合、有効エリア情報として記憶されているクーポンを利用できる施設の位置座標が地元エリアに含まれる場合、当該クーポンを地元エリアで利用可能であるとしてもよい。
【0056】
(ウ)出力手段
上記実施形態では、同一のグループに複数の施設が含まれる場合、車両の現在位置からの距離が近い順にリスト表示した。変形例では、距離順に替えて、有効期限情報に基づいて有効期限が長い順に表示してもよいし、サービス情報に基づいて割引率が高い順に表示してもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、グループ毎に特定された優先度に基づくリストをディスプレイ61に表示したが、これに替えて、例えば優先度に基づき、地図上において優先度の高い施設ほど大きなアイコンで表示したりしてもよい。また、クーポンをすぐに利用できる施設であることを示すアイコンや、地元で利用可能なクーポンがあることを示すアイコンとともに地図上に表示するようにしてもよい。
さらにまた、出力手段は、上述のように施設に対応付けて分類結果を出力する他、例えば「検索された施設10件、クーポンをすぐに利用できる施設4件、クーポンを地元で利用できる施設3件」といった具合に、分類結果を件数で出力するように構成してもよい。
【0058】
(エ)優先度の設定
上記実施形態では、グループA、B、C、D、Eの順に優先度を設定した。ところで例えば、ユーザによっては、旅行先ではその土地ならではの施設を訪問したいと所望する場合も考えられる。このような場合には、地元で利用可能なクーポンがある施設は地元でも利用可能であるので、グループAおよびグループCの優先度を下げる、といった具合に、グループの優先度は、適宜設定可能である。
【0059】
(オ)特典の種類
上記実施形態では、特典として、クーポンを利用することにより受けられる割引等のサービスを例に説明したが、特典はクーポンに限らず、例えばポイントカードのように、施設の利用に応じてポイントが貯まるものであってもよい。例えば、ユーザが所持しているポイントカードに関する情報を特典情報記憶部80に予め記憶しておき、ユーザが該当する施設で利用可能なポイントカードを所持している場合は、ユーザの地元エリアで利用できる蓋然性が高い。そこで、当該施設で利用できるポイントカードを所持している場合、図3中のS107およびS110にて肯定判断するように構成してもよい。
【0060】
また、ポイントカードには、例えば1ポイントにつき1円の値引きというタイプのカードと、所定のポイント数が貯まったときに所定のサービスが受けられるタイプのカード(例えば、貯まったポイントに応じて景品等を受け取るもの)とがある。そこで、特典がポイントカードである場合、該当する施設で利用できるポイントカードが値引きタイプのポイントカードである場合、上記実施形態における「すぐに特典を受けられるクーポン」であるものとしてS106において肯定判断し、貯まったポイント数に応じたサービスが受けられるタイプのポイントカードである場合、上記実施形態における「すぐに特典を受けられないクーポン」であるものとしてS106において否定判断するように構成してもよい。
【0061】
(カ)施設検索装置
上記実施形態では、施設検索装置の一例として車載器について説明した。施設検索装置は、携帯電話に代表される携帯端末であってもよい。また、車載器や携帯端末と情報通信を行う情報センタ内の装置を施設検索装置としてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1・・・車載器(施設検索装置)、
10・・・制御部(施設検索手段、特典情報取得手段、地元エリア情報取得手段、分類手段、出力手段、地元利用可否特定手段、即時利用可否特定手段)、
20・・・位置検出器、
21・・・地磁気センサ、
22・・・ジャイロスコープ、
23・・・距離センサ、
24・・・GPS受信機、
30・・・地図情報記憶部、
40・・・操作スイッチ群、
60・・・描画部、
61・・・ディスプレイ、
70・・・音声出力部、
71・・・スピーカ、
80・・・特典情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設を検索する施設検索手段と、
前記施設にてユーザが受けられる特典に関する特典情報を取得する特典情報取得手段と、
前記ユーザの地元エリアに関する地元エリア情報を取得する地元エリア情報取得手段と、
前記特典情報および前記地元エリアに基づき、前記施設検索手段により検索された施設を分類する分類手段と、
前記分類手段による分類結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする施設検索装置。
【請求項2】
前記特典情報および前記地元エリア情報に基づき、前記地元エリアにて前記特典を受けられるか否かを前記検索された施設ごとに特定する地元利用可否特定手段を備え、
前記分類手段は、前記地元利用可否特定手段の特定結果に基づき、前記地元エリアにて前記特典を受けられると特定された施設を地元利用可能グループに分類することを特徴とする請求項1に記載の施設検索装置。
【請求項3】
前記特典情報に基づき、前記検索された施設を訪問時に前記特典を受けられるか否かを前記検索された施設ごとに特定する即時利用可否特定手段を備え、
前記分類手段は、前記即時利用可否特定手段の特定結果に基づき、訪問時に前記特典を受けられると特定された施設を即時利用可能グループに分類することを特徴とする請求項1または2に記載の施設検索装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記即時利用可能グループまたは前記地元利用可能グループに分類された施設を他の前記検索された施設よりも優先度を高くして前記分類結果を出力することを特徴とする請求項3に記載の施設検索装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記即時利用可能グループ、前記地元利用可能グループの順に優先度を設定し、当該優先度に基づいて前記分類結果を出力することを特徴とする請求項4に記載の施設検索装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記即時利用可能グループに分類された施設のうち、前記地元利用可能グループにも分類された施設の優先度を最も高く設定し、当該優先度に基づいて前記分類結果を出力することを特徴とする請求項5に記載の施設検索装置。
【請求項7】
施設を検索する施設検索手段、
前記施設にてユーザが受けられる特典に関する特典情報を取得する特典情報取得手段、
前記ユーザの地元エリアに関する地元エリア情報を取得する地元エリア情報取得手段、
前記特典情報および前記地元エリアに基づき、前記施設検索手段により検索された施設を分類する分類手段、
および、前記分類手段による分類結果を出力する出力手段、
としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−210096(P2011−210096A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78640(P2010−78640)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】