説明

既存建物の補強方法とその方法に用いる補剛材

【課題】鋼材製ブレース材16を備えた骨組を有する既存建物の補強方法において、低廉な施工コストで、短い工期で、効果的に既存建物を補強することのできる既存建物の補強方法を提供する。
【解決手段】既存建物の骨組10の既存の鋼材製ブレース材16に、当該ブレース材16の周囲を囲繞して当該ブレース材16の長手方向に延在し当該ブレース材16の圧縮時の座屈を拘束する補剛材20a、20bを取付ける。これによって既存のブレース材16が圧縮ブレース材として機能するものとなるため、既存建物の耐震性能が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は既存建物の補強方法とその方法に用いる補剛材に関し、より詳しくは、鋼材製ブレース材を備えた骨組を有する既存建物の補強方法とその方法に用いる補剛材に関する。
【背景技術】
【0002】
ブレース材を備えた骨組を有する既存建物を、建物の耐震強度を向上させることなどを目的として補強する方法としては、その骨組の柱梁を補強する方法、その骨組に新たなブレース材を追加する方法、それに、その骨組に備えられている既存のブレース材をより耐力の大きなブレース材に交換する方法などがある。
【0003】
一方、建物の骨組のブレース材に補剛材を組合せて構成した制振装置が、従来より種々提案されている(例えば特許文献1、2、3などを参照されたい)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−7995
【特許文献2】特願2009−84795
【特許文献3】特開3009−121050
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は鋼材製ブレース材を備えた骨組を有する既存建物の補強方法において、低廉な施工コストで、短い工期で、効果的に既存建物を補強することのできる既存建物の補強方法とその方法に用いる補剛材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明によれば、鋼材製ブレース材を備えた骨組を有する既存建物の補強方法において、既存建物の骨組の既存の鋼材製ブレース材に、当該ブレース材の周囲を囲繞して当該ブレース材の長手方向に延在し当該ブレース材の圧縮時の座屈を拘束する補剛材を取付けることを特徴とする。
また本発明に係る補剛材は、鋼材製ブレース材に取付けられ、当該ブレース材の周囲を囲繞して当該ブレース材の長手方向に延在し当該ブレース材の圧縮時の座屈を拘束する補剛材であって、当該ブレース材の周囲に被せることのできる形状に製作した分割形のプレキャストコンクリート部材と、当該ブレース材に被せた前記プレキャストコンクリート部材の周囲を拘束する拘束材とから成ることを特徴とする。
また本発明に係る補剛材は、鋼材製ブレース材に取付けられ、当該ブレース材の周囲を囲繞して当該ブレース材の長手方向に延在し当該ブレース材の圧縮時の座屈を拘束する補剛材であって、当該ブレース材を挟圧する複数の補強鋼材と、当該ブレース材に添わせて当該ブレース材を間に挟むようにして配設した前記複数の補強鋼材を当該ブレース材に固定する固定手段とから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、既存の鋼材製ブレース材が引張ブレース材であった場合でも、そのブレース材の圧縮時の座屈を拘束することにより、そのブレース材が圧縮ブレース材として機能するものとなるため、既存建物の耐震性能が向上する。即ち、補強前には圧縮力が作用するとブレース材が座屈することから、地震時の建物の振動挙動が不安定であったものが、補強後にはブレース材が圧縮時に座屈しなくなるため振動挙動が安定する。更に、既存のブレース材が座屈しないブレース材となることで、耐震規定上のDs値(必要保有水平耐力の算定に関する係数)が低減し、耐震補強の設計上で有利になる。
【0008】
また、本発明によれば、地震時の荷重をよく負担するブレース材を補強することから、既存建物を効率よく補強することができる。更に、この補強方法によれば、柱梁の補強、ブレース材の増設、ブレース材の交換などを行わず、既存のブレース材を補強するものであることから、補強工事のために搬入する荷物の大きさや重量が低減され、もって、工事の作業の手間が軽減され、低廉な施工コストで、短い工期で既存建物の補強を完了することができる。また特に、既存のブレース材を取り去って新しいブレース材に交換する場合と比べて、廃棄物が低減され、廃棄物処理に伴うコストが削減される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】A〜Dは本発明に係る既存建物の補強方法が適用される既存建物の骨組の一例とその骨組の荷重と変位のグラフとを示した図である。
【図2】A〜Dは本発明に係る既存建物の補強方法に用いられる補剛材の第1の具体例を示した断面図及び斜視図である。
【図3】本発明に係る既存建物の補強方法に用いられる補剛材の第2の具体例を示した断面図である。
【図4】本発明に係る既存建物の補強方法に用いられる補剛材の第3の具体例を示した断面図である。
【図5】本発明に係る既存建物の補強方法に用いられる補剛材の第4の具体例を示した断面図である。
【図6】本発明に係る既存建物の補強方法に用いられる補剛材の第5の具体例を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る既存建物の補強方法が適用される既存建物は、鋼材製ブレース材を備えた骨組を有する既存建物であり、図1(A)〜(D)に、そのような既存建物の骨組の一例を示した。鋼材製ブレース材としては様々な種類のものが用いられるが、以下の説明ではその具体例として、鋼材製ブレース材が、ただ1本の山形鋼から成るもの(シングルアングル構成のもの)である場合と、並設した2本の山形鋼から成るもの(ダブルアングル構成のもの)である場合とについて説明する。
【0011】
本発明に係る既存建物の補強方法においては、既存建物の骨組の既存の鋼材製ブレース材に、当該ブレース材の周囲を囲繞して当該ブレース材の長手方向に延在し当該ブレース材の圧縮時の座屈を拘束する補剛材を取付け、それによって当該ブレース材を座屈拘束ブレース材に改修する。この補強方法によれば特に、既存の鋼材製ブレース材が引張ブレース材である場合に特に顕著な効果が得られる。
【0012】
図1(A)は補強前の既存建物の骨組10の一例を示した図である。図示例の骨組10は鉄骨骨組であり、柱12と梁14とを備え、更に、ガセットプレートを介して柱12と梁14との間に架設された鋼材製ブレース材16を備えている。図示例のブレース材16は、図2(A)に断面図で示したように、ガセットプレートの両側に1本ずつ配設して並設した2本の山形鋼から成るものであり、いわゆるダブルアングル構成のブレース材である。また、図1(A)に示したブレース材16は引張ブレース材であり、圧縮力を受けたときには座屈するため圧縮力を負担することはできない。図1(B)に示したのは、この補強前の既存建物の骨組10の水平方向に作用する荷重と変位のグラフであり、骨組10が塑性変形することから、グラフはヒステリシス特性を示している。
【0013】
図1(C)は本発明に係る既存建物の補強方法を用いて、図1(A)の骨組に補強を施した補強後の既存建物の骨組10を示した図である。図1(C)では、既存の鋼材製ブレース材16が補強されて座屈が拘束されており、それによってブレース材16が、圧縮力を負担することのできる圧縮ブレース材となっている。図1(D)に示したのは、この補強後の既存建物の骨組10の水平方向に作用する荷重と変位のグラフであり、補強によりブレース材16が圧縮ブレース材として機能するようになったために、ヒステリシス特性を示す曲線の形状が変化している。
【0014】
本発明に係る既存建物の補強方法では、既存建物の骨組の既存の鋼材製ブレース材に補剛材を取付けて、当該ブレース材を座屈拘束ブレース材に改修する。既存の鋼材製ブレース材に補剛材を取付けるに際しては、当該ブレース材が既存建物の骨組に組付けられている状態で当該ブレース材に補剛材を取付けるようにすることもでき、また、当該ブレース材を既存建物の骨組から一旦取外し、補剛材を取付けた上で当該ブレース材を再び骨組の元の位置に組付けるようにすることもできるが、一般的には、当該ブレース材が既存建物の骨組に組付けられている状態で当該ブレース材に補剛材を取付けるようにすることで、作業量などの点でより好適な結果が得られることが多く、従って補剛材の形態は、そのような取付手順を採用し得る形態であることが望ましい。
【0015】
以下に、本発明に係る補強方法を実施する際に、既存建物の骨組の既存の鋼材製ブレース材に取付けられる補剛材の、具体的な形態について説明する。図2(A)〜(D)に示した具体例では、既存の鋼材製ブレース材16はダブルアングル構成であり、補剛材は、このブレース材16の周囲に被せることのできる形状に製作した分割形のプレキャストコンクリート部材20a、20bから成る。既存のブレース材16が既存建物の骨組に組付けられている状態で当該ブレース材16に補剛材を取付ける場合には、図2(B)に示したように、当該ブレース材16にブレキャストコンクリート部材20a、20bを被せ、そして、その被せたプレキャストコンクリート部材20a、20bの周囲を適宜の拘束材で拘束することにより、それらプレキャストコンクリート部材20a、20bを当該ブレース材16に固定するようにしている。
【0016】
その拘束材としては、例えば図2(C)に示したように、グラスファイバーシートやカーボンファイバーシートなどの高強度繊維シート材22を用いることができ、ブレース材16の周囲に被せたプレキャストコンクリート部材20a、20bの表面にそのような繊維シート材22を巻付けて接着するとよい。また、別の拘束材として、例えば図2(D)に示したように、プレキャストコンクリート部材20a、20bの周囲に複数のバンド状のクランプ金物24を巻付けてボルト接合により固定するようにしてもよい。また更に、プレキャストコンクリート部材20a、20bの周囲に鋼板を巻付けて筒状にし、その筒状にした鋼板をボルト接合または溶接接合により固定するようにしてもよい。図2(A)〜(D)に示した具体例は、既存のブレース材が既存建物の骨組に組付けられている状態で当該ブレース材に補剛材を取付ける場合に特に適したものであるが、ただし当該ブレース材を既存建物の骨組から一旦取外して補剛材を取付ける場合にも、適用可能なものである。また当該ブレース材を一旦取外す場合にも、以上に説明したのと同じ取付手順で補剛材を当該ブレース材に取付けることができるが、その他に別法として、2つのプレキャストコンクリート部材20a、20bを組合せてそれらを適宜の拘束材で一体化したものを先に用意し、その一体化した補剛材に、既存建物の骨組から取外したブレース材を挿入した上で、再びそのブレース材を骨組に組付けるようにしてもよい。
【0017】
図3に示した具体例は、図2(A)〜(D)に示した具体例の変更例である。図3の具体例では、既存の鋼材製ブレース材16’はシングルアングル構成である。補剛材は、この既存の鋼材製ブレース材16’の周囲に被せることのできる形状に製作した分割形のプレキャストコンクリート部材26a、26bから成る。ブレース材16’がダブルアングル構成ではなくシングルアングル構成であるため、補剛材であるプレキャストコンクリート部材の断面形状が図2(A)のものとは異なっているが、その他の点では図2(A)〜(D)の具体例と同様であり、ブレース材16’の周囲に被せたプレキャストコンクリート部材26a、26bの周囲を適宜の拘束材で拘束することにより、それらプレキャストコンクリート部材26a、26bをブレース材16’に固定するようにしている。またこの具体例において、既存のブレース材を既存建物の骨組から一旦取外して補剛材を取付けるようにする場合にも、図2(A)〜(D)の具体例に関して説明した取付手順と同様の取付手順を採用することができる。
【0018】
図4に示した具体例では、既存の鋼材製ブレース材16はダブルアングル構成である。補剛材は、このブレース材16を挟圧する複数の補強鋼材から成り、より詳しくは山形鋼28aとT型鋼28bとから成る。それら補強鋼材28a、28bを、ブレース材16に添わせてブレース材16を間に挟むようにして配設し、そして、そのように配設したそれら補強鋼材28a、28bを、ボルト接合または溶接接合などの固定手段によりブレース材16に固定するようにしている。ブレース材16とT型鋼28bとの間には、両者を安定して組付けるための介装材30を装着するとよい。この図4の具体例の補剛材もまた、既存のブレース材が既存建物の骨組に組付けられている状態で当該ブレース材に補剛材を取付ける場合に特に適したものである。
【0019】
図5に示した具体例では、既存の鋼材製ブレース材16’はシングルアングル構成である。補剛材は、このブレース材16’を挟圧する複数の補強鋼材から成り、より詳しくは断面寸法が互いに異なる大小2本の山形鋼32a、32bから成る。それら補強鋼材32a、32bを、ブレース材16’に添わせてブレース材16’を間に挟むようにして配設し、そして、そのように配設したそれら補強鋼材32a、32bを、この具体例ではボルト接合によりブレース材16’に固定している。また、ブレース材16’とそれら補強鋼材32a、32bとの間には、両者を安定して組付けるための介装材34を装着するとよい。この図5の具体例の補剛材もまた、既存のブレース材が既存建物の骨組に組付けられている状態で当該ブレース材に補剛材を取付ける場合に特に適したものである。
【0020】
図6に示した具体例では、既存の鋼材製ブレース材16はダブルアングル構成である。補剛材は、このブレース材16の周囲を囲繞するようにして取付けられた鉄筋コンクリート部材36から成る。ブレース材16が既存建物の骨組に組付けられている状態で、そのブレース材16にこのような鉄筋コンクリート部材36から成る補剛材を取付ける場合には、そのブレース材16の周囲に鉄筋を配筋して型枠を組み、その型枠内にコンクリートを打込んで、現場打ちの鉄筋コンクリート部材36を打設するとよい。一方、ブレース材16を既存建物の骨組から一旦取外してこのような鉄筋コンクリート部材36から成る補剛材を取付けるようにする場合には、取外したブレース材16の周囲に鉄筋を配筋して型枠を組み、その型枠内にコンクリートを打込んで、現場打ちのコンクリート部材36を打設するようにしてもよく、或いは、このような鉄筋コンクリート部材36を、取外したブレース材16を端部から挿入可能なように予め製作しておき、その鉄筋コンクリート部材36に、既存建物の骨組から取外したブレース材16を挿入した上で、再びそのブレース材16を骨組に組付けるようにしてもよい。
【0021】
図6に示した具体例の変更例として、補剛材を、既存の鋼材製ブレース材の周囲を囲繞する鋼管と、その鋼管内に充填されたモルタル、コンクリートなどの充填材とから成るものとすることも可能である。その既存の鋼材製ブレース材が既存建物の骨組に組付けられている状態で当該ブレース材にこのような補剛材を取付ける場合には、例えば半割にした鋼管を当該ブレース材に被せて溶接接合またはボルト接合で接合して一体化し、そして、その一体化した鋼管内に充填材を流し込むようにすればよい。一方、その既存の鋼材製ブレース材を既存建物の骨組から一旦取外してこのような補剛材を取付けるようにする場合には、既存建物の骨組から取外した当該ブレース材を、そのような鋼管の端部から挿入した上で、その鋼管内に充填材を流し込み、こうして補剛材を取付けた当該ブレース材を再び骨組に組付けるようにしてもよい。
【0022】
尚、補強を施そうとする既存建物の骨組が、図1(A)及び(B)に示したような鉄骨骨組であって、既存の鋼材製ブレース材の端部がガセットプレートを介してその鉄骨骨組に結合されている場合には、そのブレース材に以上に説明したようにして補剛材を取付けて、当該ブレース材を座屈拘束ブレース材に改修したならば、通常、ガセットプレートには改修前よりも大きな荷重が作用するようになる。そのため、もしその改修によって、ブレース材の端部とガセットプレートとの接合部の耐力が不足することになると予測される場合には、ブレース材の端部とガセットプレートとを溶接接合するなどの適宜の補強を施すようにするのがよい。また、その改修によって、ガセットプレートに圧縮力が作用した時のガセットプレートの座屈耐力が不十分になると予測される場合には、ガセットプレートにリブプレートを溶接接合するなどの適宜の補強を施すようにするのがよい。
【0023】
以上の説明では、既存建物の骨組が鉄骨骨組である場合に即して説明したが、本発明に係る既存建物の補強方法は、その他の種類の骨組を有する既存建物の補強にも適用可能である。例えば、柱や梁が鉄筋コンクリートやコンクリート充填鋼管などで構成されている骨組や、それらと鉄骨とが併用されている混合構造の骨組であっても、その既存建物の骨組に鋼材製ブレース材が備えられている場合には、本発明に係る既存建物の補強方法を好適に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0024】
10 骨組
16 鋼材製ブレース材(ダブルアングル構成)
16’ 鋼材製ブレース材(シングルアングル構成)
20a、20b 補剛材(プレキャストコンクリート部材)
22 拘束材(繊維シート材)
24 拘束材(クランプ金物)
26a、26b 補剛材(プレキャストコンクリート部材)
28a、28b 補剛材(補強鋼材)
32a、32b 補剛材(補強鋼材)
36 補剛材(鉄筋コンクリート部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼材製ブレース材を備えた骨組を有する既存建物の補強方法において、
既存建物の骨組の既存の鋼材製ブレース材に、当該ブレース材の周囲を囲繞して当該ブレース材の長手方向に延在し当該ブレース材の圧縮時の座屈を拘束する補剛材を取付けることを特徴とする既存建物の補強方法。
【請求項2】
既存建物の骨組の既存の鋼材製ブレース材に前記補剛材を取付けるに際して、当該ブレース材が既存建物の骨組に組付けられている状態で当該ブレース材に前記補剛材を取付けることを特徴とする請求項1記載の既存建物の補強方法。
【請求項3】
前記補剛材は、既存の鋼材製ブレース材の周囲に被せることのできる形状に製作した分割形のプレキャストコンクリート部材から成り、当該ブレース材に被せた前記プレキャストコンクリート部材の周囲を拘束材で拘束することにより、前記プレキャストコンクリート部材を当該ブレース材に固定することを特徴とする請求項1又は2記載の既存建物の補強方法。
【請求項4】
前記拘束材は、既存の鋼材製ブレース材の周囲に被せた前記プレキャストコンクリート部材の表面に巻付けて接着する繊維シート材から成ることを特徴とする請求項3記載の既存建物の補強方法。
【請求項5】
前記拘束材は、既存の鋼材製ブレース材の周囲に被せた前記プレキャストコンクリート部材の周囲に巻付けて固定する鋼板、バンド、またはクランプから成ることを特徴とする請求項3記載の既存建物の補強方法。
【請求項6】
前記補剛材は、既存の鋼材製ブレース材を挟圧する複数の補強鋼材から成り、当該ブレース材に添わせて当該ブレース材を間に挟むようにして配設した前記複数の補強鋼材をボルト接合または溶接接合により当該ブレース材に固定することを特徴とする請求項1又は2記載の既存建物の補強方法。
【請求項7】
前記補剛材は、既存の鋼材製ブレース材の周囲を囲繞するようにして取付けられた鉄筋コンクリート部材から成ることを特徴とする請求項1又は2記載の既存建物の補強方法。
【請求項8】
前記補剛材は、既存の鋼材製ブレース材を囲繞する鋼管と該鋼管内に充填された充填材とから成ることを特徴とする請求項1又は2記載の既存建物の補強方法。
【請求項9】
鋼材製ブレース材に取付けられ、当該ブレース材の周囲を囲繞して当該ブレース材の長手方向に延在し当該ブレース材の圧縮時の座屈を拘束する補剛材であって、
当該ブレース材の周囲に被せることのできる形状に製作した分割形のプレキャストコンクリート部材と、当該ブレース材に被せた前記プレキャストコンクリート部材の周囲を拘束する拘束材とから成ることを特徴とする補剛材。
【請求項10】
鋼材製ブレース材に取付けられ、当該ブレース材の周囲を囲繞して当該ブレース材の長手方向に延在し当該ブレース材の圧縮時の座屈を拘束する補剛材であって、
当該ブレース材を挟圧する複数の補強鋼材と、当該ブレース材に添わせて当該ブレース材を間に挟むようにして配設した前記複数の補強鋼材を当該ブレース材に固定する固定手段とから成ることを特徴とする補剛材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−62692(P2012−62692A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207857(P2010−207857)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(302060926)株式会社フジタ (285)
【Fターム(参考)】