説明

日本語文法学習教具

【課題】 本発明は3枚の第1プレート、1枚の第2プレート、1枚の第3プレート、複数の第1ピース及び複数の第2ピースからなる日本語文法学習教具を提供する。
【解決手段】第1プレートの一部は第2プレート又は第3プレートと連接でき、第1ピースの一部は第1プレート又は第2プレートにスライドして組み合わせることができ、第2ピースの一部は第1プレート又は第2プレートにスライドして組み合わせることができる。各第1プレートと第2プレートは各々異なる日本文字の助詞を設ける。第1ピースと第2ピースには日本文字が設けられる。複数の第1ピースが第1プレートに組み合わさり、隣接する第1ピースの第2側辺が補完し合うと、ピースの文字とプレートの助詞が日本語文法と一致し、複数の第2ピースが第2プレートに組み合わさり、隣接する第2ピースの第2側辺が補完し合うと、ピースの文字とプレートの助詞が日本語文法と一致することを表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日本語学習の初級段階において、助詞の用法を学習するものである。
【背景技術】
【0002】
日本語文字の中には、ひらがな・かたかな・漢字が含まれ複雑であり、文法的語順は多くの外国語とは異なっていて、日本人以外の外国人にとって難解で、日本語学習者はその理解に多くの時間と労力を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−224589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
日本語の中には、多くの種類の「助詞」が含まれている。それぞれの助詞は、動詞、名詞、数量詞、時間など配合する品詞が決まっており正確に用いなければ、意味が通じなくなってしまう。「を」、「へ」、「が」、「に」、「で」などは、特に初級学習者が誤用する頻度の高い助詞である。本発明は、初級日本語学習者が早く正確に5種類の助詞「を」、「へ」、「が」、「に」、「で」を学習することができることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するための請求項1の発明は、日本語助詞「を」、「へ」、「が」、「に」、「で」の用法を早く正確に学習できることを特徴とする教具である。3個の第1プレートと1個の第2プレートと1個の第3プレート及び、複数の第1ピースと複数の第2ピースがあり、その中の第1プレートと第2プレート或いは第3プレートは、それぞれ連接し組み合わせることができる。また、1部の第1ピースは第1プレート、或いは第2プレートにはめ込む事ができ、1部の第2ピースは第1プレート或いは第2プレートにはめ込む事ができ、前記3個の第1プレート、第2プレート及び第3プレート上にはそれぞれ異なる助詞である日本語文字を取り付ける。第1ピースと第2ピース上にそれぞれ1個の属性が動詞・名詞・時間・単位である日本語文字を設け、複数個の前記第1ピースが前記第1プレートにはめ込まれた時、ふたつの第1ピースの第2側辺が互いに補完されれば、第1ピース上の文字と前記第1プレート上の助詞とが日本語文法に符合し、その反対であれば日本語文法に符合しないことを表す。また、複数個の前記第2ピースが前記第2プレートに組み合わされた時、ふたつの第2ピースの第2側辺が互いに補完されれば、第2ピース上の文字と前記第2プレート上の助詞とが日本語文法に符合し、その反対であれば日本語文法に符合しないことを表す。
【0006】
本発明の第1プレートは板状で2次元の長さと幅を有し、前記第1プレートの幅方向の両側にスロットを有し、前記二つのスロットの間には第1距離があり、前記第1距離には、第1ピースの1部或いは第2ピースの1部がはめ込まれるだけで、前記第1プレートの長さの方向両端はそれぞれ下記第2プレート或いは第3プレートと相互に連接できる組み合わせ構造になっており、前記三つの第1プレート上それぞれには日本文字である助詞「を」、「が」、「へ」が取り付けられている。また、助詞「を」、「へ」が取り付けられている第1プレートの隅には「と」、「は」及び「が」の三つの主語に用いる助詞を更に取り付け、主格助詞が正確に学習できる。
【0007】
本発明の第2プレートは板状で2次元の長さと幅を有し、前記第2プレートの幅方向の両側にスロットを有し、前記二つのスロットの間には第2距離があり、前記第2距離には、第1ピースの1部或いは第2ピースの1部がはめ込まれるだけで、前記第2プレートの長さの方向両端はそれぞれ前記第1プレートの一端或いは下記第3プレートの一端と相互に連接できる組み合わせ構造になっており、前記第2プレート上には日本文字である助詞「で」が取り付けられている。
【0008】
本発明の第3プレートは板状で2次元の長さと幅を有し、前記第3プレートの長さの方向両側それぞれに前記第1プレートの一端或いは第2プレートの一端と相互に連接できる組み合わせ構造になっており、前記第3プレート上には日本文字である助詞「に」が取り付けられている。
【0009】
本発明の第1ピースは板状で二つの平行な第1側辺と二つの別の両側に対向する第2側辺を有し、前記二つの第1側辺は前記第1プレートのスロットに沿って前記第1プレートにはめ込まれるだけで、その中の1部の第1ピースの第2側辺と他の1部の第1ピースの第2側辺は補完形状になっており、前記第1ピース上には、属性が動詞、名詞、時間或いは単位を表す日本文字が取り付けられている。
【0010】
本発明の第2ピースは板状で二つの平行な第1側辺と二つの別の両側に対向する第2側辺を有し、前記二つの第1側辺は前記第2プレートのスロットに沿って前記第2プレートにはめ込まれるだけで、その中の1部の第2ピースの第2側辺と他の1部の第2ピースの第2側辺は補完形状になっており、前記第2ピース上には、属性が動詞、名詞、時間或いは単位を表す日本文字が取り付けられている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は初級日本語学習者自身が操作し、二つ以上の前記第1ピースが前記第1プレートに組み合わさり、隣接する二つの第1ピースの第2側辺が相互に補完されれば、第1ピース上の文字と第1プレートに取り付けられた助詞の組み合わせが日本語文法に符合し、これと反対であれば、日本語文法に符号しないことを、また二つ以上の前記第2ピースが前記第2プレートに組み合わさり、隣接する二つの第2ピースの第2側辺が相互に補完されれば、第2ピース上の文字と第2プレートに取り付けられた助詞の組み合わせが日本語文法に符合し、これと反対であれば日本語文法に符合しないことを体験することができる。
【0012】
本発明は前記第1プレート、第2プレート及び第3プレートが相互に連接し、第1プレートに第1ピースを、第2プレート及び第3プレートに第2ピースをそれぞれはめ込み、日本語文章を作文することができる。
【0013】
本発明の第1プレートと第2プレートの間、及び第2プレートと第3プレートの間は相互に連接できる組み合わせ構造になっており、前記組み合わせ構造は日本文字「を」と「へ」を取り付けた第1プレートの一端が凸部を形成し、対向する他端に第1斜面を設置し、また日本文字「が」を取り付けた第1プレートの両端に何れも第1斜面を設置し、その一端が凹部を形成し、前記第2プレートの一端は前記第1プレートの凸部と補完し合える凹部を形成し、対向する他端に第1斜面を形成し、前記第3プレートの一端は日本文字「が」を取り付けた第1プレートの凹部と補完し、他端は前記第2プレートの第1斜面と補完し合える第2斜面を形成する。前記第1斜面は上面から下面へ外側から内側方向へ傾斜した一角度であり、第1プレート及び第2プレートを使用する者の持つ所となり、前記第2斜面は上面から下面へ内側から外側方向へ傾斜した一角度であり、第2斜面と第1斜面は補完し合える角度である。
【0014】
本発明が提供するそれぞれのプレートは透明な素材で作られ、それぞれのピースの裏面にその正面の日本文字に対応する中国文字或いは英語文字が設けられており、またその意味に対応する図案が設けてもよい。学習者はプレートの裏から透明素材を通して日本語以外の文字或いは図案を見ることができ、学習を効果的にすることができる。
【0015】
日本語文法では主語が生命体か非生命体かで動詞を正確に使い分けなければならず誤用が多い。本発明により日本語学習者が動詞を誤用せず正確に学ぶことができる。本発明は二つのピースの側辺の補完形状に更に第二補完形状を取り付けることができる。二つのピースの第二補完形状が補完し合うと日本語文法に符合し、その反対であれば日本語文法に符合しないことを表す。前記補完形状は一部の第1ピース或いは第2ピースの突起であり対応する第1ピース或いは第2ピースの欠口であり、突起と欠口からなる補完形状である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1プレートと第1ピースの組み合わせを示した立体図である。
【図2】本発明の第2プレートと第2ピースの組み合わせを示した立体図である。
【図3】本発明の第3プレートの立体図である。
【図4】本発明の日本語助詞「を」を取り付けた第1プレートに一つの動詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピース及び一つの目的物名詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースをはめ込んだ実施例の正面図である。
【図5】図4の背面であり、図案に対応する文字である。
【図6】本発明の日本語助詞「を」を取り付けた第1プレートと日本語助詞「で」を取り付けた第2プレートを繋げたものであり、そこに一つの動詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースと、一つの目的物名詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピース及び一つの場所を表す図案と文字を取り付けた第2ピースをはめ込んだ実施例の正面図である。
【図7】図6の背面であり、図案に対応する文字である。
【図8】本発明の日本語助詞「を」を取り付けた第1プレートと日本語助詞「で」を取り付けた第2プレート及び日本語助詞「に」を取り付けた第3プレートを繋げたものであり、そこに一つの動詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースと、一つの目的物名詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースと、一つの場所名詞を表す図案と文字を取り付けた第2ピース及び一つの時間名詞を表す図案と文字を取り付けた第2ピースをはめ込んだ実施例の正面図である。
【図9】図8の背面であり、図案に対応する文字である。
【図10】本発明の日本語助詞「を」を取り付けた第1プレートと日本語助詞「で」を取り付けた第2プレートを繋げたものであり、そこに一つの動詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースと、一つの目的物名詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピース及び一つの道具名詞を表す図案と文字を取り付けた第2ピースをはめ込んだ実施例の正面図である。
【図11】図10の背面であり、図案に対応する文字である。
【図12】本発明の日本語助詞「を」を取り付けた第1プレートと日本語助詞「で」を取り付けた第2プレート及び日本語助詞「に」を取り付けた第3プレートを繋げたものであり、そこに一つの動詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースと、一つの目的物名詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースと、一つの道具名詞を表す図案と文字を取り付けた第2ピース及び一つの時間名詞を表す図案と文字を取り付けた第2ピースをはめ込んだ実施例の正面図である。
【図13】図12の背面であり、図案に対応する文字である。
【図14】本発明の日本語助詞「へ」を取り付けた第1プレートに一つの動詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースと、一つの場所名詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースをはめ込んだ実施例の正面図である。
【図15】図14の背面であり、図案に対応する文字である。
【図16】本発明の日本語助詞「へ」を取り付けた第1プレートと日本語助詞「で」を取り付けた第2プレートを繋げたものであり、そこに一つの動詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースと、一つの目的物名詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピース及び一つの道具名詞を表す図案と文字を取り付けた第2ピースをはめ込んだ実施例の正面図である。
【図17】図16の背面であり、図案に対応する文字である。
【図18】本発明の日本語助詞「へ」を取り付けた第1プレートと日本語助詞「で」を取り付けた第2プレート及び日本語助詞「に」を取り付けた第3プレートを繋げたものであり、そこに一つの動詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースと、一つの場所名詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースと、一つの道具名詞を表す図案と文字を取り付けた第2ピース及び一つの時間名詞を表す図案と文字を取り付けた第2ピースをはめ込んだ実施例の正面図である。
【図19】図18の背面であり、図案に対応する文字である。
【図20】本発明の日本語文字が日本語助詞「を」を必要としない時、前記日本語文字が取り付けられた第1ピースの長さは比較的長いものとなり、第1プレートにはめ込んだとき前記助詞「を」を遮蔽することを示した実施例である。
【図21】図20の背面であり、図案に対応する文字である。
【図22】本発明の日本語助詞「が」を取り付けた第1プレートに一つの日本語自動詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースと、一つの人物または動物名詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースをはめ込み、前記二つの第1ピースの補完し合う辺に更に第2補完構造を設置したことを示す実施例の正面図である。
【図23】図22の背面であり、図案に対応する文字である。
【図24】図22の第1プレートに第3プレートを繋げたものであり、前記第3プレートに一つの場所名詞を表す図案と文字を取り付けた第2ピースをはめ込んだ実施例である。
【図25】図24の背面であり、図案に対応する文字である。
【図26】本発明の日本語助詞「が」を取り付けた第1プレートに一つの日本語自動詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースと、一つの物体名詞を表す図案と文字を取り付けた第1ピースをはめ込み、前記二つの第1ピースの補完し合う辺に更に第2補完構造を設置したことを示す実施例の正面図である。
【図27】図26の背面であり、図案に対応する文字である。
【図28】図26の第1プレートに第3プレートを繋げたものであり、前記第3プレートに一つの場所名詞を表す図案と文字を取り付けた第2ピースをはめ込んだ実施例である。
【図29】図28の背面であり、図案に対応する文字である。
【図30】本発明の二つの第1ピースの動詞と生命体名詞を組み合わせた時、文法的に不適当ならば、その第2補完構造により補完し合えないことを示す実施例である。
【図31】本発明の二つの第1ピースの動詞と非生命体名詞を組み合わせた時、文法的に不適当ならば、その第2補完構造により補完し合えないことを示す実施例である。
【図32】本発明の二つの第1ピースの動詞と道具名詞を組み合わせた時、文法的に不適当ならば、その第2補完構造により補完し合えないことを示す実施例である。
【図33】図32の背面であり、図案に対応する文字である。
【図34】本発明の二つの第1ピースの動詞と時間名詞を組み合わせた時、文法的に不適当ならば、その第2補完構造により補完し合えないことを示す実施例である。
【図35】図34の背面であり、図案に対応する文字である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は三つの第1プレート1と複数の第1ピース4であり、図2は一つの第2プレート2と複数の第2ピース5であり、図3は一つの第3プレート3である。図1に示す第1プレートは2次元の長さと幅を持つ板状のものであり、前記第1プレート1の一面(上面)の幅方向両側にはスロット11を有し、前記二つのスロット11の間には第1距離があり、前記第1プレート1の長さの方向両側には第2プレート2或いは第3プレート3と相互に連接及び切り離しできる組み合わせ構造がある。前記三つの第1プレート1上にそれぞれ助詞である日本文字「を」、「が」、「へ」を取り付け、また、「を」、「へ」の第1プレートの端には「と」、「は」、「が」の主語を表す助詞15を取り付け主格助詞の学習を正確にする。前記第1プレートは透明素材(アクリル、ガラス、プラスチックなど)で作られ、また助詞「へ」の誤用を防ぐため「へ」の取り付けられた第1プレート上に標識符号16を加え使用者に「へ」の取り付けられた第1プレートに特定の第1ピースをはめ込むように促す。
【0018】
図2に示す第2プレート2は2次元の長さと幅を持つ板状のものであり、前記第2プレート2の一面(上面)の幅の方向両側にはスロット21を有し、前記二つのスロット21の間には第2距離があり、前記第2プレート2の長さの方向両側には前記第1プレート1の一端或いは第3プレート3の一端と相互に連接及び切り離しできる組み合わせ構造がある。前記第2プレート2には助詞である日本文字「で」が取り付けられる。
【0019】
図3に示す第3プレート3は2次元の長さと幅を持つ板状のものであり、前記第3プレート3の長さの方向両側には前記第1プレート1の一端或いは第2プレート2の一端と相互に連接及び切り離しできる組み合わせ構造がある。前記第3プレート3には助詞である日本文字「に」が取り付けられる。
【0020】
前記第1ピース4は任意の素材で作られた板状のものであり二つの平行な第1側辺41があり、他の対向する両側には第2側辺42がある。一部の第1ピース4の二つの第1側辺41は前記第1プレート1のスロット11に沿ってスライドして第1プレート1に組み合わさり、或いは第2プレート2の二つのスロット21に沿ってスライドして第2プレート2に組み合わさる。その中の1部の第1ピース4の第2側辺42の一辺は対応するもう一つの1部の第1ピース4の第2側辺42と補完形状である。前記第1ピース4の正面には属性が動詞、名詞、時間或いは単位の図案が、背面には正面の図案に対応する意味の日本文字及びその他の外国語文字が設けられる。
【0021】
前記第2ピース5は任意の素材で作られた板状のものであり二つの平行な第1側辺51があり、他の対向する両側には第2側辺52がある。前記第1側辺51は第2プレート2のスロット21に沿ってスライドして第2プレート2に組み合わされるだけで、その中の1部の第2ピース5の第2側辺52の一辺は対向するもう一つの一部の第2ピース5の第2側辺52と補完形状である。前記第2ピース5の正面には属性が動詞、名詞、時間或いは単位の図案が、背面には正面の図案に対応する意味の日本文字及びその他の外国語文字が設けられる。
【0022】
図4は他動詞と目的物名詞の文法を表している。任意に選んだ他動詞(例;たべる)と目的物名詞(例;おべんとう)の二つの第1ピース4を第1プレート1上にはめ込む時、他動詞を助詞「を」の右側に、目的物名詞を助詞「を」の左側に置く。選ばれた他動詞と目的物名詞の第2側辺が相互に補完(図4では二つの斜めの辺が補完し合っている。)されれば、文法が正確であることを示し、その反対であれば文法が不正確なことを示す。使用者は先ず図案が示す意味と背面の日本語(図5)を暗記しておけば学習が効果的になる。
【0023】
図6は本発明の第1プレート1の凸部12に第2プレート2の凹部22を挿入し繋げたものを示している。そこに更に場所名詞(例;デパート)である第2ピース5を選んで第2プレート2にはめ込み、助詞「で」の左側に置く。こうすると前述の他動詞と目的物名詞の文が更に長い文章となる。選ばれた場所名詞と目的物名詞の第2側辺が相互に補完(図6では二つのV字の辺が補完し合っている。)されれば、文法が正確であることを示し、その反対であれば文法が不正確なことを示す。使用者は先ず図案が表す意味と背面の日本語(図7)を暗記しておけば学習が効果的になる。
【0024】
図8は本発明の図6の状態から第2プレート2の第1斜面23に第3プレート3の第2斜面31を繋げたものを示している。そこに更に時間名詞(例;10時)である第2ピース5を選んで第3プレート3にはめ込み、助詞「に」の左側に置く。こうすると前述の他動詞と目的物名詞、場所名詞の文が更に長い文章となる。選ばれた時間名詞と場所名詞の第2側辺が相互に補完(図8では二つの台形の辺が補完し合っている。)されれば、文法が正確であることを示し、その反対であれば文法が不正確なことを示す。使用者は先ず図案が表す意味と背面の日本語(図9)を暗記しておけば学習が効果的になる。
【0025】
図10は本発明の「を」を取り付けた第1プレート1の凸部12に第2プレート2の凹部22を繋げたものを示している。そこに他動詞(例;きく)と目的物名詞(例;おんがく)である第1ピース4また道具名詞(例;ラジオ)である第2ピース5選んで前述の第1プレート1と第2プレート2を繋げたものにはめ込み、他動詞を助詞「を」の右側に、目的物名詞を「を」の左側に、道具名詞を助詞「で」の左側にそれぞれ置くと日本語の文章となる。選ばれた他動詞と目的物名詞の第2側辺が相互に補完(図10では二つの斜めの辺が補完し合っている。)され、選ばれた目的物名詞と道具名詞の第2側辺が相互に補完(図10では二つの台形の辺が補完し合っている。)されれば、文法が正確であることを示し、その反対であれば文法が不正確なことを示す。使用者は先ず図案が表す意味と背面の日本語(図11)を暗記しておけば学習が効果的になる。
【0026】
図12は本発明の図10の状態から第2プレート2の第1斜面23に第3プレート3の第2斜面31を繋げたものを示している。そこに更に時間名詞(例;10時)である第2ピース5を選んで第3プレート3にはめ込み、助詞「に」の左側に置く。こうすると前述の他動詞と目的物名詞及び道具名詞の文が更に長い文章となる。選ばれた時間名詞と道具名詞の第2側辺が相互に補完(図12では二つの台形の辺が補完し合っている。)されれば、文法が正確であることを示し、その反対であれば文法が不正確なことを示す。使用者は先ず図案が表す意味と背面の日本語(図13)を暗記しておけば学習が効果的になる。
【0027】
図14は自動詞と場所名詞の文法を示している。任意に選んだ自動詞(例;いく)と場所名詞(例;デパート)である二つの第1ピース4を助詞「へ」を取り付けた
第1プレート上にはめ込む時、自動詞を助詞「へ」の右側に、場所名詞を助詞「へ」の左側に置く。選ばれた自動詞と場所名詞の第2側辺が相互に補完(図14では二つのV字の辺が補完し合っている。)されれば、文法が正確であることを示し、その反対であれば文法が不正確なことを示す。使用者は先ず図案が表す意味と背面の日本語(図15)を暗記しておけば学習が効果的になる。
【0028】
図16は本発明の図14の状態から第1プレート1の凸部12に第2プレート2の凹部22を繋げたものを示している。そこに更に道具名詞(例;じどうしゃ)である第2ピース5を選び第2プレート2にはめ込んで、助詞「で」の左側に置く。こうすると前述の自動詞と場所名詞の文が更に長い文章となる。選ばれた道具名詞と場所名詞の第2側辺が相互に補完(図16では二つのV字の辺が補完し合っている。)されれば文法が正確であることを示し、その反対であれば文法が不正確なことを示す。使用者は先ず図案が表す意味と背面の日本語(図17)を暗記しておけば学習が効果的になる。
【0029】
図18は本発明の図16の状態から第3プレート3の第2斜面と第2プレートの第1斜面を繋げたものを示している。そこに更に時間名詞(例;10時)である第2ピース5を選び第3プレート3にはめ込み、助詞「に」の左側に置く。こうすると前述の自動詞と場所名詞及び道具名詞の文が更に長い文章となる。選ばれた時間名詞と道具名詞の第2側辺が相互に補完(図18では二つのV字の辺が補完し合っている。)されれば文法が正確であることを示し、その反対であれば文法が不正確なことを示す。使用者は先ず図案が示す意味と背面の日本語(図19)を暗記しておけば学習が効果的になる。
【0030】
日本語文法には、助詞を必要としない自動詞もあり学習者を困惑させる。本発明では比較的長さの長い第1ピース4を用意し、第1プレートにはめ込んだ時、第1ピース4が直接助詞を遮り見えないようにすることができる。図20が示すように本発明では、日本語の自動詞「あそぶ」を比較的長さの長い第1ピース上に取り付け、第1ピース4を助詞「を」が取り付けられた第1プレート1にはめ込んでも第1ピース4が助詞「を」を遮り見えないようにする。前記第1プレートと第2プレートを繋げ、第2プレート2上に対象名詞「ボール」をはめ込めば日本語文章となる。選ばれた対象名詞と自動詞の第2側辺が相互に補完(図20では二つの台形の辺が補完し合っている。)されれば文法が正確であることを示し、その反対であれば文法が不正確なことを示す。使用者は先ず自動詞及び図案が示す意味と背面の日本語(図21)を暗記しておけば学習が効果的になる。
【0031】
日本語の、自動詞「いる」は生命体名詞を主語に取り、自動詞「ある」は非生命体名詞を主語に取り、両者を入れ替えることはできない。しかし前記二つの自動詞に付く助詞は同じ「が」であるため混同しやすい。本発明では、初級日本語学習者が二種類の自動詞を生命体名詞に配合するか非生命体名詞に配合するか迷うのを防ぐために前述の二種類の自動詞が取り付けられた第1ピースと生命体名詞または非生命体名詞が取り付けられた第1ピースとが補完し合う辺第2側辺に第2補完構造を設ける。両者が補完されれば文法が正確であることを示し、その反対であれば文法が不正確なことを示す。図22は本発明の前記第2補完構造の最良の形態を示している。自動詞「いる」が取り付けられた第1ピース4の第2側辺42には突起43が設けられ、一方生命体対象名詞「さかな」の対応する第2側辺には突起43と相互に補完し合う欠口44が設けられている。前記二つの第1ピース4が助詞「が」の取り付けられた第1プレート1にはめ込まれる時、学習者は先ず相互に補完し合うかどうか合わせてみることができる。突起43と欠口44とが相互に補完されれば前記自動詞と対象名詞の配合が日本語文法上正確であることを示す。学習者は先ず自動詞及び図案が示す意味と背面の日本語(図23)を暗記しておけば学習が効果的になる。もし、前記突起43が欠口44に入らず補完されなければ前記自動詞と対象名詞の配合が日本語文法上不正確なことを示す。(図30及び図31)
【0032】
図24は本発明図22の状態から第1プレート1と第3プレート3を繋げ、そこに場所名詞「うち」の取り付けられた第2ピース5を前記第3プレート3にはめ込んだものを示す。こうすれば、前述の自動詞と対象名詞の文が更に長い日本語文となる。学習者は先ず自動詞及び図案が示す意味と背面の日本語(図25)を暗記しておけば学習が効果的になる。
【0033】
図26はもう一つの形態を示している。自動詞「ある」が取り付けられた第1ピース4の第2側辺42に突起43が設けられ、一方非生命体対象名詞「いろえんぴつ」の対応する第2側辺には突起43と相互に補完し合う欠口44が設けられている。前記二つの第1ピース4が助詞「が」の取り付けられた第1プレート1にはめ込まれる時、学習者は先ず相互に補完し合うかどうか合わせてみることができる。突起43と欠口44とが相互に補完されれば前記自動詞と対象名詞の配合が日本語文法上正確であることを示す。学習者は先ず自動詞及び図案が示す意味と背面の日本語(図27)を暗記しておけば学習が効果的になる。もし、前記突起43が欠口44に入らず補完されなければ前記自動詞と対象名詞の配合が日本語文法上不正確なことを示す。(図30及び図31)
【0034】
図28は本発明図26の状態から第1プレート1と第3プレート3を繋げ、そこに場所名詞「うち」の取り付けられた第2ピース5を前記第3プレート3にはめ込んだものを示す。こうすれば、前述の自動詞と対象名詞の文が更に長い日本語文となる。学習者は先ず自動詞及び図案が示す意味と背面の日本語(図29)を暗記しておけば学習が効果的になる。
【0035】
前述の補完構造に関して第1ピースと第2ピースの第2側辺が相互に補完し合えない例として、図32及び図33に自動詞「いく」と道具名詞「じどうしゃ」の組み合わせを示している。自動詞「いく」と道具名詞「じどうしゃ」を助詞「へ」の取り付けられた第1プレートにはめ込んだ場合「じどうしゃへ いく」となり意味が通じなくなる。よって第2側辺であるV字斜辺は相互に補完し合えない構造になっており文法が不正確なことを示す。
【0036】
図34及び図35は自動詞「いく」と時間名詞「10時」の組み合わせを示している。こうすると「10時へ いく」となり意味が通じなくなる。よって第2側辺であるV字斜辺は相互に補完し合えない構造になっており文法が不正確なことを示す。
【0037】
本発明が提供する第1プレート1、第2プレート2及び第3プレート3は透明素材でできており、第1ピース4及び第2ピース5の背面には図案に対応する日本語やその他の国の文字を設けることができる。学習者はプレートの背面からその透明素材越しに図案や対応する外国語を見ることができ学習の補助とすることができる。
【0038】
以上本発明の実施形態を解説したが、これらは本発明の形態、形式を制限するものではない。修飾、変更されても本発明精神の意図するところであれば保護の範疇とする。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、教育産業分野において外国人への日本語教育教材及び知的障害児童への学習補助教具として利用可能性を有する。

【符号の説明】
【0040】
1 第1プレート
11 スロット
12 凸部
13 第1斜面
14 凹部
15 主語に付く助詞
16 標識符号
2 第2プレート
21 スロット
22 凹部
23 第1斜面
3 第3プレート
31 第2斜面
4 第1ピース
41 第1側辺
42 第2側辺
43 突起
44 欠口
5 第2ピース



【特許請求の範囲】
【請求項1】
3枚の第1プレートであって、2次元の長さと幅を有し、前記第1プレートの面の幅方向にはスロットを有し、前記2つのスロットの間には第1距離があり、前記第1プレートの長さの方向の両端にはそれぞれ下記の第2プレート又は第3プレートが相互に連接する組み合わせ構造になっており、前記3枚の第1プレート上には、それぞれ日本文字である助詞「を」、「が」、「へ」が取り付けられるものと、
第2プレートであって、2次元の長さと幅を有し、前記第2プレートの面の幅方向両側にはスロットを有し、前記2つのスロットの間には第2距離があり、前記第2プレートの長さの方向両端にはそれぞれ前記第1プレートの一端又は下記第3プレートの一端と相互に連接する組み合わせ構造になっており、前記第2プレート上には日本文字である助詞「で」が取り付けられるものと、
第3プレートであって、2次元の長さと幅を有し、前記第3プレートの長さ方向の両端にはそれぞれ前記第1プレートの一端又は第2プレートの一端と相互に連接する組み合わせ構造になっており、前記第3プレート上には日本文字である助詞「に」が取り付けられるものと、
複数の第1ピースであって、2つの平行な第1側辺と2つの別の両側に対向する第2側辺を有し、前記2つの第1側辺は前記第1プレートのスロットに沿ってスライドして前記第1プレートに組み合わさり、第1ピースの一部の第2側辺と第1ピースの別の部分の第2側辺は補完形状であり、前記第1ピースには属性が動詞、名詞、時間又は単位の日本文字が設けられるものと、
複数の第2ピースであって、2つの平行な第1側辺と2つの別の両側に対向する第2側辺を有し、前記2つの第1側辺は前記第2プレートのスロットに沿ってスライドして前記第2プレートに組み合わさり、第2ピースの一部の第2側辺と第2ピースの別の部分の第2側辺は補完形状であり、前記第2ピースには属性が動詞、名詞、時間又は単位の日本文字が設けられるものとからなり、
前記装置により、複数の前記第1ピースが前記第1プレートに組み合わさり、隣接する2つの第1ピースに対応する第2側辺が補完し合うと、前記第1ピースの文字と前記第1プレートの助詞の組み合わせが日本語文法と一致し、これと反対であれば、日本語文法と一致しないことを表し、複数の前記第2ピースが前記第2プレートに組み合わさり、隣接する2つの第2ピースに対応する第2側辺が補完し合うと、前記第2ピースの文字と前記第2プレートの助詞の組み合わせが日本語文法と一致し、これと反対であれば、日本語文法と一致しないことを表し、前記第1プレート、第2プレートと第3プレートは互いに連接し合って前記第1ピースと第2ピースの日本文字と整合性がとれて日本語文章が構成されることを特徴とする日本語文法学習教具。
【請求項2】
前記組み合わせ構造は日本文字「を」と「へ」を取り付けた第1プレートの一端に凸部を形成し、対向する他端に第1斜面を設置し、日本文字「が」を取り付けた第1プレート両端に何れも第1斜面を設置し、そのうち一端にはさらに凹部を形成し、前記第2プレートの一端には前記第1プレートの凸部と補完しあえる凹部を形成し、対向する他端に第1斜面を設置し、前記第3プレートの一端は日本文字「が」を取り付けた第1プレートの一端の第1斜面と補完し合える第2斜面を設けることを特徴とする請求項1に記載する日本語文法学習教具。
【請求項3】
前記第1プレートと第2プレートは透明な素材で、前記第1ピースと第2ピースの裏面はその正面の日本文字に対応する中国文字が設けられていることを特徴とする請求項1に記載する日本語文法学習教具。
【請求項4】
前記第1プレートと第2プレートは透明な素材で、前記第1ピースと第2ピースの裏面はその正面の日本文字の意味に対応する英語文字が設けられていることを特徴とする請求項1に記載する日本語文法学習教具。
【請求項5】
前記第1ピースと第2ピースには前記日本文字の意味に対応する図案が設けられていることを特徴とする請求項1に記載する日本語文法学習教具。
【請求項6】
前記2つの第1ピースに隣接する補完形状の間、又は第2ピースに隣接する補完形状の間に、第2補完構造を設けることを特徴とする請求項1に記載する日本語文法学習教具。
【請求項7】
前記補完構造は第1ピース又は第2ピースに設けた突起と別の第1ピース又は第2ピースに設けた欠口からなることを特徴とする請求項1に記載する日本語文法学習教具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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