説明

早組立て装置を持つ板コンベヤ

板リンク鎖を持つ板コンベヤは早組立て装置を備えており、第1の端部リンク(30)に、平行に突出する2つの端部内側板金(31)が設けられ、第2の端部リンク(32)に、片側で突出する端部外側板金(33)が設けられ、端部外側板金(33)に対向する鎖板金が、留め外側板金(20)として形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板コンベヤであって,板リンク鎖に保持されて板コンベヤの搬送方向において底範囲及び垂直に延びる側縁で互いに重なりかつそれぞれ同じに形成される板を有し、板リンク鎖が、互いに平行に設けられかつそれぞれ内側板金及び外側板金の連続によって形成される2つの鎖ストランドから成り、互いに対向する内側板金及び外側板金が、両方の板金の開口を貫通する共通な鎖ピンにより結合され、板コンベヤの板が、少なくとも1つの鎖ストランドの連続する内側板金及び外側板金に取付けられているものに関する。
【背景技術】
【0002】
前記の特徴を持つ板コンベヤは例えばドイツ連邦共和国特許第3438231号明細書に記載されている。このような板コンベヤにおける問題は、その組立ての際、板コンベヤの予め組立てられた部分を使用場所へ運搬し、そこで運転に必要な無端コンベヤストランドを形成するため互いに結合せねばならない場合に生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って本発明の基礎になっている課題は、その組立て及び場合によっては分解も簡単に行われるように、最初にあげた特徴を持つ板コンベヤを構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題の解決策は、本発明の有利な構成及び展開を含めて、特許請求の範囲の内容からわかる。
【0005】
本発明の基本思想によれば、板コンベヤの予め組立てられた少なくとも2つの部分の端部リンクの結合により無端コンベヤストランドを構成するため、第1の端部リンクが、平行に突出しかつ板を取付けられる2つの端部内側板金を含み、第1の端部リンクに結合される第2の端部リンクが、片側で第2の端部リンクの鎖ピンと結合されかつ第2の端部リンクから片側で突出して対応する板と共に予め組立てられる端部外側板金により形成され、端部外側板金に対向する鎖板金が留め外側板金として形成され、この留め外側板金の一方の端部が、第2の端部リンクの端部外側板金を保持する鎖ピン上にはまることができ、その他方の端部に予め取付けられる鎖ピンが、第1の端部リンクの両方の突出する内側板金及び第2の端部リンクの突出する端部外側板金の端部を貫通している。
【0006】
本発明に伴う利点は、板コンベヤの個々の部分を広範囲に予め組立てることができ、板コンベヤの互いに結合すべき部分の端部リンクを組合わせるため、単一の止め板金を、2ストランド板リンク鎖の最初は片側を不完全なままにされる鎖ストランドへ差込めばよいことである。板コンベヤの部分の端部リンクの突出する端部外側板金に、付属する板の側縁が既に取付けられている場合、板コンベヤの部分の両方の端部リンクの組合わせの際、留め外側板金の挿入前に、その相互重なりのため板の精確な位置ぎめが既に行われるので、留め外側板金の挿入による本来の結合組立て中に、板コンベヤの互いに対応する部分の端部リンクの精確な整列が既に行われている。
【0007】
本発明の実施例によれば、ただ1つの鎖ストランドの連続する内側板金及び外側板金が、対応する板を接続するための角形板金を備えている。この場合留め外側板金自体はもはや角形板金を持っていないので、この留め外側板金と付属する板との結合は必要でない。
【0008】
その代わりに、板リンク鎮を形成する両方の鎖ストランドの内側板金及び外側板金が、対応する板を接続するための角形板金を備えている場合、留め外側板金を付属する鎖ストランドへ挿入するのに続いて、留め外側板金に設けられる角形板金と板との結合を行わねばならない。
【0009】
図面には本発明の実施例が示されており、以下に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
まず図1からわかるように、板コンベヤの個々の板を保持する板リンク鎖は、互いに平行に延びる2つの鎖ストランド10から成り、各鎖ストランドは内側板金11及び外側板金12の連続から成っている。それぞれ互いに対向する内側板金11及び外側板金12は、付属する開口を貫通する鎖ピン13により互いに固定され、鎖ピン13はその上にはまる板金11,12と共に圧縮されている。図示した実施例では、個々の鎖ストランド10の連続して設けられる内側板金11及び外側板金12は角形板金14を備えており、板コンベヤを形成する板15が角形板金14に取付けられている。板15は底範囲16を持ち、また側方に直立する側縁17を持ち、個々の板15はその底範囲16及び側縁17で重なっている。しかし各板15の底範囲16と側縁17との間には寸法に相違があるので、付属する底範囲16の重なり範囲18は側縁17の重なり範囲19より幅が狭い。側縁17は更に刻印部を持ち、それにより互いに密封当接部を形成する。
【0011】
板コンベヤの図1に示す右の部分は第1の端部リンク30を持ち、この端部リンク30は、平行に設けられ従って両方の鎖ストランド10に属して突出する2つの内側板金31を持ち、内側板金31が板15を保持している。板金11,12に設けられる角形板金14を持つ鎖ストランド10に属する端部内側板金31も、同様に角形板金14を備えている。
【0012】
この右の端部リンク30に結合するため対向して図の左側に示される部分は、ただ1つの鎖ストランド10に付属する端部外側板金33を有する第2の端部リンク32を持ち、端部外側板金33の一方の端部は端部リンク32の最後の鎖ピン13に結合され、従って自由に突出し、この端部外側板金33も同様に対応する板15を保持している。
【0013】
図面には、付属する留め外側板金20が示され、その一方の端部に、突出する外側板金33を持つ第2の端部リンク32の付属する鎖ピン13上にはまる開口22を持ち、他方の端部に、圧入される鎖ピン21を持ち、両方の端部リンク30及び32の突合わせ後、留め外側板金20の鎖ピン21が、突出する内側板金31へ挿入可能であり、鎖ピン21は突出する外側板金33の自由端も捕捉して固定する。
【0014】
図2は、留め外側板金20を挿入できる位置へ両方の端部リンク30及び32が突合わされている状態を示し、この位置で、開口22が第2の端部リンク32の鎖ピン13上へはまることができ、留め外側板金20の鎖ピン21が、第1の端部リンク30の突出する内側板金31及び第2の端部リンク32の突出する外側板金33の一直線をなす開口へ挿入可能である。図2に示すこの位置で、両方の端部リンク30及び32のそれぞれの板15の底範囲16及び側縁17が重なり位置へ突合わされるので、留め外側板金20の挿入前に、端部リンク30及び32の精確な相互位置ぎめが行われ、それにより付属する重なり範囲18及び19の整列が可能になる。
【0015】
図2に示す状態に相当する状態が、図3及び4に鎖ストランド10に関して示され、図3による鎖ストランド10の構成は、図2において片側に角形板金14を持つ配置に相当している。図4に示す実施例では、両方の鎖ストランド10の内側板金11及び外側板金12が、それぞれ角形板金14を持っている。このことは留め外側板金20についても当てはまるので、端部リンク30及び32の突合わせ後及び対応する鎖ストランド10への留め外側板金20の挿入後、留め外側板金20の付属する角形板金14が、その上にある板15に結合可能である。端部リンク30及び32の突合わせの際予め位置ぎめされるため、留め外側板金30と付属する板10との最後の結合は、もはや費用のかかる組立て段階ではない。
【0016】
特許請求の範囲、明細書及び図面に開始されているこの書類の対称の特徴は、個々でも任意の組合わせでも、種々の実施形態での本発明の実現のために重要である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 付属する留め外側板金を含む板コンベヤの互いに組合わされる2つの部分を、その分離された初期位置で、コンベヤの底面図で示す。
【図2】 部分の突合わせ後止め板金の挿入前における図1の対象を示す。
【図3】 片側に角形板金を持つ図2の板リンク鎖を分離された図で示す。
【図4】 両側に角形板金を持つ図3の対象を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板コンベヤであって,板リンク鎖に保持されて板コンベヤの搬送方向において底範囲及び垂直に延びる側縁で互いに重なりかつそれぞれ同じに形成される板を有し、板リンク鎖が、互いに平行に設けられかつそれぞれ内側板金及び外側板金の連続によって形成される2つの鎖ストランドから成り、互いに対向する内側板金及び外側板金が、両方の板金の開口を貫通する共通な鎖ピンにより結合され、板コンベヤの板が、少なくとも1つの鎖ストランドの連続する内側板金及び外側板金に取付けられているものにおいて、板コンベヤの予め組立てられた少なくとも2つの部分の端部リンク(30,32)の結合により無端コンベヤストランドを構成するため、第1の端部リンク(30)が、平行に突出しかつ板(15)を取付けられる2つの端部内側板金(31)を含み、第1の端部リンクに結合される第2の端部リンク(32)が、片側で第2の端部リンク(32)の鎖ピン(13)と結合されかつ第2の端部リンク(32)から片側で突出して対応する板(15)と共に予め組立てられる端部外側板金(33)により形成され、端部外側板金(33)に対向する鎖板金が留め外側板金(20)として形成され、この留め外側板金(20)の一方の端部が、第2の端部リンク(32)の端部外側板金(33)を保持する鎖ピン(13)上にはまることができ、その他方の端部に予め取付けられる鎖ピン(21)が、第1の端部リンク(30)の両方の突出する内側板金(31)及び第2の端部リンク(32)の突出する端部外側板金(33)の端部を貫通していることを特徴とする、板コンベヤ。
【請求項2】
ただ1つの鎖ストランド(10)の連続する内側板金(11)及び外側板金(12)が、対応する板(15)を接続するための角形板金(14)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の板コンベヤ。
【請求項3】
板リンク鎖を形成する両方の鎖ストランド(10)の内側板金(11)及び外側板金(12)が、対応する板(15)を接続するための角形板金(14)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の板コンベヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−530396(P2007−530396A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508746(P2007−508746)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003015
【国際公開番号】WO2005/095236
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(505251071)アウムント−フエルデレルバウ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフト (3)
【Fターム(参考)】